JP4116066B1 - 磁気データ消去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、水平磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とが並存する時代に、需要者にとって望ましい、磁気データ消去装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ハードディスク51を格納するための格納部15と、磁気記録媒体の磁気データを消去するための磁場を発生する2つのコイル1,61と、1つまたは2つ以上のコンデンサ2と、1つの操作スイッチ45とを備え、操作スイッチの1回のオン操作によって、コンデンサに蓄積された電荷を放出して、2つコイルに、格納部に格納された磁気記録媒体の板面水平方向および板面垂直方向の両方に、磁気データを消去するためのパルス磁場を生じ、2つのコイルが、板面平行方向に磁場を発生する平行方向磁場コイルと、板面垂直方向に磁場を発生する垂直方向磁場コイルとから形成されることを特徴とする。
【選択図】 図22

Description

本発明は、磁気データ消去装置に関し、より具体的には、平行磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体が並存する時代に望ましい、磁気データ消去装置に関するものである。
磁気テープ、固定ディスク等の磁気記録媒体は大量のデータを書き込み、蓄積できるため、現代社会のあらゆる分野で大量に使用されている。そして、保管期限が過ぎた磁気記録媒体の廃棄にあたっては、個人情報の漏洩などのおそれがあるため、書き込まれたデータを完全に消去する必要がある。磁気記録媒体の磁気データ消去に関しては、従来から多くの装置が提案されている。たとえば空芯コイルの中に磁気テープを格納し、空芯コイルに正弦波交番電流を流すことにより、そのピーク値が漸減する交番磁界を磁気テープにかけて、磁気データを消去する方式が提案されている(特許文献1)。
大型の磁気テープの磁気データを消去するには広いスペースを持つ空芯コイルに高い磁場を形成する必要があり、このため電源部のコンデンサ等を含めて装置を大掛かりにしなければならない。しかし、装置を大型化すると商品価値が低下するので、大型化を抑制するための提案がなされている。たとえば、大型の磁気テープを部分的に空芯コイルに収納しては交番減衰磁場をかけ、位置をずらしながら磁気テープ全体の磁気データを消去する装置の提案がなされている(特許文献2)。このような装置によれば、比較的小さなコイルやコンデンサを用いて、大型磁気テープのデータを消去することが可能となる。このほか、磁気テープではなくハードディスクに書き込まれた磁気データを、消去するための装置の提案もなされている(特許文献3)。
特開昭61−170904号公報 特開平2−132604号公報 実用新案登録3083683号
上記の先行発明は、磁気データ消去用の磁場の時間パターンに考え方の大きな相違はあるが、板状の磁気記録媒体の面に平行に記憶媒体材料の磁化容易軸方向を配置して、記録媒体の磁化の方向を磁化容易軸方向に平行か反平行かにすることで二値(デジタル)情報を記録する点では共通する。これらはいずれも水平磁気記録方式である。近年の磁気記録媒体材料の技術進歩によって、水平磁気記録方式より高密度の記録が可能な垂直磁気記憶方式の記録媒体が、実用化された。垂直磁気記録方式では、記録媒体材料の磁化容易軸を板面に垂直に配置して、記録媒体の磁化方向を、磁化容易軸方向に平行または反平行にすることで、二値情報を記憶する。垂直磁気記録方式の記憶媒体は、記憶装置を小型化できるため、急速に利用が拡大している。一方、低価格を理由に、従来の水平磁気記録媒体の利用も依然として、継続している。したがって、現在および将来にわたって、水平磁気記録方式の記録媒体と、垂直磁気記録方式の記録媒体とが並存することになる。
上記のように、水平磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とが並存する時代に、どのような磁気データ消去装置が望ましいのか、模索状態にあり、現在のところ不明である。すなわち、いかなるコンセプトの基に磁気データ消去装置を構成すべきか、不明の状態にある。本発明は、水平磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とが並存する時代に、需要者にとって望ましい、磁気データ消去装置を提供することを目的とする。なお、水平記録方式又は垂直記録方式は、水平方式又は垂直方式と略記される場合がある。
本発明の磁気データ消去装置は、水平方式及び垂直方式の磁気記録媒体の磁気データを消去するための磁気データ消去装置である。この装置は、磁気記録媒体を格納するための格納部と、格納部を含むように位置し、磁気データを消去するための磁場を発生する2つのコイルと、2つのコイルに電流を供給するための電荷を蓄積する1つまたは2つ以上のコンデンサと、磁気データ消去装置を作動させるための1つの操作スイッチとを備える。そして操作スイッチの1回のオン操作によって、1つ又は2つ以上のコンデンサに蓄積された電荷を放出して、2つのコイルに、格納部に格納された磁気記録媒体の板面平行方向および板面垂直方向の両方に、磁気データを消去するためのパルス磁場を生じ、上記2つのコイルが、格納部に格納された磁気記録媒体の板面平行方向に磁場を発生する平行方向磁場コイルと、該平行方向磁場コイルの軸芯と直交する軸芯を有し、磁気記録媒体の板面垂直方向に磁場を発生する垂直方向磁場コイルとから形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、磁気記録媒体が水平方式か垂直方式かを知らなくても、単に磁気記録媒体を格納部に格納して、1回のオン操作をするだけで、磁気記録媒体の板面平行方向および垂直方向に磁場成分を発生し、磁気データを消去することができる。この場合、2つの方式の磁気データ消去装置を使い分けたり、磁気記録媒体の記録方式を判定する必要がないので、消去作業の能率を阻害することがなく、かつ個人情報の未消去などのミスのリスクを低減することができる。磁気記録媒体は、型式符号のみで識別され、流通過程にある取引者でないと、容易には型式符号のみで水平方式か垂直方式か判別できない。磁気データ消去装置を操作する者は、磁気記録媒体の流通過程にある取引者ではないので、型式符号のみで記録方式を容易には判別できない。この構成によって、水平方式の磁気記録媒体の場合は、平行方向磁場コイルが消去の主分担をし、また垂直方式の磁気記録媒体の場合は、垂直方向磁場コイルが消去の主分担をして、操作者がどちらの方式の磁気記録媒体か知ることなく、磁気記録媒体の磁気データを消去することができる。上記の磁気データ消去装置が、「水平磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とが並存する時代に、磁気データ消去装置の操作者が、消去対象の磁気記録媒体の磁気記録方式を知らずとも、その磁気データを消去することができる。」という概念のもとに創られた磁気データ消去装置である。なお、水平方式又は垂直方式などにおける、「水平」又は「垂直」は、記録媒体の面に平行又は直交と同じことを意味し、重力場の方向等とは無関係である。
上記の垂直方向磁場コイルは、第1の部分と、該第1の部分に電気的に直列接続し、該第1の部分と同じ軸芯方向を持ち、該第1の部分から間をあけて位置する第2の部分とを有し、格納部が、コイルの第1の部分と第2の部分との間に設けられている構成をとることができる。これによって、垂直方向磁場コイルに十分な強度の、垂直方向磁場を発生させることができる。
上記のコンデンサは、平行方向磁場コイルに並列接続される平行磁場用コンデンサと、垂直方向磁場コイルに並列接続される垂直磁場用コンデンサとから構成され、該平行磁場用及び垂直磁場用コンデンサから電荷を放出するための放電素子として、平行磁場用コンデンサから平行方向磁場コイルに電荷を流すための平行磁場用サイリスタと、垂直磁場用コンデンサから垂直方向磁場コイルに電荷を流すための垂直磁場用サイリスタとを備えることができる。この構成によって、回路構成の簡単さを得ながら、1回のオン操作で、2つのコイルへ、ほとんど瞬時に又は同時に電流を流す制御を、確実に行うことができる。
上記の平行方向及び垂直方向磁場コイルに電流を流すための制御を行う制御部を備え、制御部は、操作スイッチの1回のオン操作によって、平行磁場用サイリスタと垂直磁場用サイリスタとが、所定の時間をあけて又は同時に、導通するように制御する構成をとることができる。これによって、操作者にとっては、従来の磁気データ消去作業と同じ感覚で、また同じ作業能率で、作業を遂行することができる。
本発明とは異なり、参考のためにあげる、磁気データ消去装置では、1つのコイルを備え、コイルの軸芯方向が、格納部に収納された磁気記録媒体の板面垂直方向と、0°超え90°未満の角度をなすように配置された構成をとることができる。この構成によれば、1つのコイル内に磁気記録媒体を斜め配置して、磁場の方向を磁気記録媒体の板面垂直方向から傾くようにして、1発のパルス磁場により、板面平行方向成分と垂直方向成分との両方を生じることができる。この構成によっても、平行か垂直か記録方式を知ることなく、磁気記録媒体の磁気データを確実に消去することができる。また、上記のコイルの軸芯方向が板面垂直方向に対して45°±35°の範囲内の角度をなすように配置される構成にしてもよい。これによって、格納部に格納される磁気記録媒体について、水平方式および垂直方式のいずれかに偏ることなく、いずれの方式の場合にも対応するように、同等の強さの磁場を発生することができる。なお、上記の角度範囲は10°〜80°と広い範囲になるが、後で説明するように、磁気記録媒体の容易磁化方向への磁場の方向変化により、斜め配置における広い角度範囲に対応することができる。しかし、いずれの方式の場合にも同等の磁場を発生する観点からは、上記の範囲は、45°±25°とするのが好ましい。さらに、上記の1つのコイルを傾けた磁気データ消去装置は、コイルの外において磁気記録媒体を装着する際の格納部の装着位置と、コイルに含まれてパルス磁場を加えられる際の格納部の消去位置とを、格納部が移動できるように、格納部移動機構を備えることができる。これによって、磁気記録媒体の傾きの精度を高め、板面平行方向と板面垂直方向とに、正確に意図したとおりの磁場成分を発生することができる。また磁気記録媒体を装着する際の操作性を向上することができる。
上述のすべての磁気データ消去装置において、上記の2つのコイルは、いずれも軸芯の中央部に、磁束密度のピーク値が0.4T〜1.2Tであり、かつ磁束密度0.4T以上の継続時間が4ms〜45msであるパルス磁場を形成することができる。
上記のパルス磁場を磁気記録部に十分深く浸透させ、磁化の方向を変えるには、磁束密度0.4T以上の継続時間は、4ms以上は必要である。0.4T以上の継続時間が4ms未満では、パルス磁場は十分深く浸透せず、また磁化の方向が変わり始めても、完全に変わるには至らず、パルス磁場の継続時間が終了すると、磁場をかける前の磁化配列が復活してしまい、磁気データの破壊は不完全なものとなる。磁気記録媒体のなかには磁化の方向変化がしにくい材料で形成された磁気記録部を持つものもあり、そのような場合には、ピークの磁束密度は0.6T以上必要である。その場合、磁束密度0.6T以上の継続時間は3ms以上とするのがよい。
上記のパルス磁場の磁束密度のピーク値は、上述のように0.4T以上であれば高いほど好ましく、0.6T以上とするほうがよいが、あまり高くすると、コンデンサ容量、パルス磁場発生時の衝撃荷重等が過大になるなど、弊害が大きくなるので、1.2T以下とする。また、磁束密度0.4T以上の継続時間は4ms以上、たとえば7ms以上とするのが確実に磁化方向を変化させる上で好ましいが、コンデンサ容量の制限から45ms以下とする。上述のように、磁束密度0.6T以上とする場合には、0.6T以上の継続時間は35ms以下とする。
上記の構成によれば、上記の両方式の磁気記録媒体のいずれであっても、上記のパルス磁場は、磁気データの消去に十分な強度の磁場であり、1回のオン操作で確実に磁気データを消去することができる。
上述のすべての磁気データ消去装置において、上記の2つのコイルに、並列に順方向にダイオードが配置された構成をとることができる。これによれば、コンデンサで放電された電荷は過渡電流となってコイルを流れ、1発目のパルス磁場を形成した後、コンデンサの負極にも流れ込むが、ある程度負極側に電荷が蓄積され、負極側の電位が高くなるとコイルの正側、すなわちコンデンサの正極側にも流れる。このためコンデンサの正極から放電しながらコイルの負側から電荷の補充がなされるので、コイルを流れるパルス電流の継続時間が長くなり、その結果、パルス磁場の継続時間も長くなる。磁気データの磁化配列を破壊するには、パルス磁場の継続時間が長いほうが好ましく、確実に磁気データを消去することができる。また、このようなダイオードの配置により、電荷の放電後にコンデンサに高い逆電圧が印加される事態を避けることができ、コンデンサの寿命を長くすることができる。ダイオードという非常に簡単な素子により、上記のような2つの重要な作用(磁場継続時間の延長、コンデンサの長寿命化)を得ることができる。このダイオードは、整流作用がある各種の回路または素子により、当然、置き換えることができる。
上述のすべての磁気データ消去装置において、2つのコイルは、いずれも、電気抵抗が0.2mΩ〜150mΩ、インダクタンスが0.3mH〜1.3mH、1/(L・C)1/2が250(1/秒)〜650(1/秒)の範囲内にあり、1つ又は2つ以上のコンデンサの容量が、7000μF以上であるものを用いることができる。コンデンサの容量は、過渡電流のピーク値を決め、電流とほぼ正比例関係にあるパルス磁場の強さのピーク値を決め、また、コイルのインダクタンスとともに所定値以上の磁束密度の継続時間を決める。コンデンサ容量を7000μF以上と大きくすることにより、コイルの空芯内(格納部)に、高い磁束密度のピーク値のパルス磁場を形成し、その所定値以上の磁束密度の継続時間を長くすることができる。磁気データの消去に際しては、デジタル信号に対応する磁化配列が形成された磁気記録部に強磁場を浸透させ、その磁化配列を強制的に揃えるのに必要な時間、強磁場を継続しておく必要がある。上記の1/(L・C)1/2は小さいほうが、パルス状過渡電流の巾(継続時間)を長くでき、上記の範囲にすることにより、各種の磁気記録媒体の磁気データを確実に消去することができる。1/(L・C)1/2が250(1/秒)未満ではコンデンサ容量やコイルのインダクタンスを大きくしなければならず、科学研究プロジェクト用にはともかく、本発明の通常の用途には不適切な大掛かりな構成となってしまう。また、1/(L・C)1/2が650(1/秒)を超えると、パルス磁場の継続時間が短くなりすぎて、磁化配列を完全に破壊することができなくなる。さらに、コイルのインダクタンスを確保した上で、コイルの電気抵抗を150mΩ以下とすることにより、最初のピーク磁束密度の急峻な低下すなわち継続時間の短縮を防ぐことができ、磁気データの確実な消去を促進することができる。コイルの電気抵抗は、銅線を使う限りゼロにすることはできず、コイルのインダクタンスを確保しながら極力低くしても0.2mΩが限度であるので、0.2mΩを下限とする。
上記のコイル及びコンデンサによって、ハードディスクなどの磁気記録部の表面から高い磁場を所定深さまで浸透させ、磁化の方向の変動を未遂に終わらせないようにできる。この結果、磁気記録部におけるデジタル化された磁化配列を確実に破壊して、磁気データを消去することができる。また、磁気データ消去を繰り返し連続して行う場合のコイルでの発熱を抑えることができ、耐久性を向上できる。
上述のすべての磁気データ消去装置において、コンデンサの充電のための電流経路にトライアックを用いることができる。この構成により、一般電源から大きな電流をコンデンサに流すことができるので、短時間でコンデンサを充電することができ、多数の磁気記録媒体の消去作業において、作業の能率向上に多大な貢献をすることができる。また、コンデンサは充電後に漏電のため最適充電状態から低くなるが、トライアックはコンデンサの電圧を取り込んで自動補充できるので、大きく電荷を減らして補充電のために多くの時間を費やす事態を避けることができる。また、上記のコンデンサの充電のための電流経路に昇圧用トランスを配置しないようにしてもよい。トランスを充電回路に組み込んで昇圧に用いると充電に非常に時間がかかり、繰り返し消去作業の能率を阻害する。このため、できればトランスは充電回路には用いないほうがよい。
本発明の磁気データ消去装置によれば、水平磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とが並存する時代に、需要者にとって望ましい機能が付与される。すなわち消去対象の磁気記録媒体が垂直方式か又は水平方式かを判定する必要なく、1回のオン操作により、磁気データを消去することができる。
(本発明のポイント)
(1)磁気記録媒体
図1は、磁気記録媒体であるハードディスクを示す図である。ハードディスク51では、渦巻状のトラック58に沿って磁気データの磁化配列が形成されている。渦巻状のトラック58は、回転軸57の回りに回転する円板に形成されている。円板の回転に合わせて磁気ヘッド59が、トラックを追尾して磁気データの書込みおよび読出しを行う。磁気データの書込みは、磁化容易軸方向に沿って、単位領域ごとに平行磁化(たとえば0に対応)または反平行磁化(平行が0の場合は1に対応)の配列を形成することと同じである。また、読出しは、上記の磁化配列の配列を検知することと同じである。図1に示すハードディスク51は、垂直記録方式にもまた水平記録方式にも用いられる一般的な構造である。水平記録方式の場合は、トラック58に沿って形成される平行または反平行の磁化の方向が、x−y面内のトラックの方向に沿っている。一方、垂直記録方式の場合は、上記の平行または反平行の磁化の方向はz方向すなわちトラック面に垂直方向である。
図2は、水平記録方式の記録媒体であるハードディスク51の磁化配列を示す断面図である。ガラス基板52の上に各種の下地層を形成し、その下地層の上に水平方向の磁化配列層55が配置される。磁化配列層55の上に保護膜56が配置される。図1と合わせて見ると、この水平方向の平行または反平行の磁化は、渦巻状のトラック58に沿っている。単位領域の磁化容易軸方向は、渦巻のどの部分に位置するかによって変わってくる。
図3は、垂直記録方式の記録媒体であるハードディスク51の磁化配列を例示する断面図である。ガラス基板52の上に分厚い軟磁性層53を配置して、その上に下地層を介在させて磁化配列層55を設け、保護膜56で覆っている。磁化配列の平行または反平行の磁化方向は、トラック面であるx−y面に垂直であり、すなわちz方向に揃っている。垂直記録方式のハードディスク51では、書込み等において薄い面状の記録層55に垂直に磁場をかけて平行磁化および反平行磁化の配列を形成するため、反磁場が大きく磁場が入りにくいので、分厚い軟磁性層53を記録層55の下層に設けて、反磁場が実質的に問題にならないように、小さくしている。
上記のような垂直記録方式のハードディスク51に対して、パルス磁場は、上述のようにx−y面に垂直、すなわちz方向にかける。このパルス磁場も、軟磁性層53があるため、記録層55における反磁場は小さくなり、垂直方向に確実に高い磁束密度のパルス磁場をかけることができる。垂直記録方式のハードディスク51では、トラックのどの位置でも、平行または反平行の磁化は垂直である。上記のように、垂直記録方式のハードディスク51には、垂直方向にパルス磁場をかけるので、トラックの位置によって磁気データの消去がしにくくなることはなく、パルス磁場が所定値以上の磁束密度および継続時間を持てば、磁気データを確実に消去することができる。
なお、水平記録方式のハードディスクに垂直方向のパルス磁場をかけてもハードディスクは問題なく稼動し、従って磁気データを消去することはできないことを確認している。また、垂直記録方式のハードディスクに水平方向のパルス磁場をかけても、同様に、磁気データを消去できないことを確認している。
(2)水平磁気記録媒体及び垂直磁気記録媒体が並存するときの問題点
上記の水平記録方式のハードディスク(水平方式HDD)および垂直記録方式のハードディスク(垂直方式HDD)は、いずれも型式記号等で表示され、水平記録方式なのか垂直記録方式なのか、特定が困難な場合が多い。また、磁気記録データを消去する立場から、たとえ水平記録方式または垂直記録方式の別が分かったとしても、従来の水平方式HDDの磁気データを消去する消去装置を用いるだけでは、垂直方式HDDの磁気データを消去することはできない。また、仮に垂直方式HDD用の磁気データ消去装置があれば、水平方式HDDと垂直方式HDDとに応じて、2種類の磁気データ消去装置を使い分けることによって、水平方式HDDと垂直方式HDDの両方の磁気データを消去することができる。
(3)本発明の技術思想
上記のように消去対象のハードディスクが水平記録方式か垂直記録方式かを判別したり(調べても分からない場合もある)、2種類の磁気データ消去装置を使い分けることは、は作業能率を阻害し、磁気データ未消去のミスを発生しやすい。銀行、保険、通信販売、その他の個人情報を扱う企業は、個人情報の漏洩の防止には細心の注意を払っており、消去に不安を残す消去作業は、大きなリスクと隣り合わせにあるといわなければならない。上記の企業では膨大な数の磁気記録媒体をパソコンその他の事務処理器に使用しており、保管期限の過ぎた磁気記録媒体を大量に処分しなければならない。その処分に際して、膨大な数のハードディスク等の磁気データの消去が必要となる。
本発明の技術思想は、図4に示すとおりである。消去対象のハードディスク51が水平記録方式か垂直記録方式かを判別する必要はない。どちらの記録方式でも、ハードディスク51を磁気データ消去装置10に装入した後、1回の消去操作によって、ハードディスク51の平行方向及び垂直方向の磁場を、同時に又は時間(1秒未満、通常0.1秒未満)をおいて発生する。平行方向の磁場及び垂直方向の磁場の両方とも、対応する記録方式のハードディスク51の磁気データを消去することができる強度の磁場とする。この結果、ハードディスクが水平記録方式か又は垂直記録方式か判別することなく、どちらの方式のハードディスクであっても、その磁気データを1回の操作で消去することができる。
(実施の形態1)
(1)装置の概要
本発明と異なり、本発明の参考のためにあげた実施の形態1における磁気データ消去装置10を図5(a)及び(b)に示す。図5(a)及び(b)の磁気データ消去装置10は、ハードディスク51の水平方向及び垂直方向の磁場を同時に発生するように、ハードディスク51の板面に斜めに磁場を発生する。磁場の強さを、水平方向及び垂直方向に均等にするために、コイル1の軸芯方向と、ハードディスク51の板面垂直方向とは45°になるように設定するのがよい。しかし、このあと説明するように、断定的な理由は不明であるが、板面垂直方向又は板面平行方向からわずかに傾けただけでも、本発明の目的を達成することができるので、45°方向にこだわる必要はない。なお、実施の形態1の磁気データ消去装置は、1つのコイルのみが傾いて配置されるので、本発明と異なるが、このあと説明する、(2)パルス磁場の時間パターン、(3)コイルおよびコンデンサ、(4)継続時間延長のための回路構成、(5)充電時間短縮のための充電回路の構成、(6)衝撃対策、については、本発明の実施の形態2において、説明するように、本発明の磁気データ消去装置にもそのまま当てはめることができる。
図5(a)では、格納部15は、コイル1の空芯部から外に出ており、ハードディスク51の装着を行いやすくする。格納部15は、高強度の樹脂やアルミニウム等の非磁性金属で形成するのがよい。格納部15を保持する部分とコイル筐体とには蝶番49が取り付けられ、格納部15をコイル1の空芯部から外に出し(図5(a))、また格納部15をコイル1の空芯部内に配置する(図5(b))。両方の位置を回動させる蝶番等が、格納部移動機構を構成する。格納部15の傾き等の精度を出すために、回動機構にストッパを付随させておくのがよい。
図6は、ハードディスク51の面を、パルス磁場Hの方向に対して45°よりも立てて配置する場合の、磁場Hの面平行方向成分Hp及び垂直成分Hvを示す図である。図6のようなハードディスク51の配置の場合、ハードディスク51が垂直方式HDDであれば、Hv=Hsinθなので、磁気データの消去に有利となり、水平方式HDDに対しては磁気データ消去に不利となる。このため、ハードディスク51の面直交方向を、磁場Hの方向に対して45°としたときには、水平方式HDD及び垂直方式HDDともに磁気データの消去ができたのに、図6の場合には、水平方式HDDの磁気データの消去がしにくいのではないかという疑念が生じるかもしれない。しかしながら、実際には、図6に示すような45°方向からのずれがあっても、傾いてさえいれば、磁気データを消去することができる。
その理由は、断定的な結論ではないが、図7に示す機構(水平方式HDDの場合)に基づくと考えられる。すなわち、45°よりも磁場Hに対して立っていても、ハードディスク51が水平方式なので、磁化容易軸はハードディスク51の面内方向に沿っている。このため、外部磁場であるパルス磁場Hは、空気とハードディスク51との界面において、ハードディスク51の磁化容易軸方向に向きを変え、ハードディスク51の水平方向の成分が高くなり、水平方式HDDの磁気データを消去しやすくなる。また、ハードディスク51が垂直方式HDDであって、その面内方向が図8に示すように、磁場Hに対して45°より寝ている傾きの場合には、同図に示すように、界面において磁場Hの方向が面垂直方向に向かうように変化する。すなわち、垂直方式HDDの磁化容易軸方向である面垂直方向に沿うように、方向を変える。このため、垂直方式のハードディスク51にとっては、45°配置の場合よりも、かなりの程度、寝た傾きの場合(図8)でも、磁気データを消去することができる。
図5に示す磁気データ消去装置の変形例を、図9及び図10に示す。コイルの座標軸は大文字のXYZで表示しており、コイルの軸芯方向はZ方向に平行である。図9及び図10において、破線で示したハードディスク51vは、コイル1の軸芯に平行な仮想的なものである。仮想的なハードディスク51vに付随する小文字座標軸xyzのいずれの座標軸も、ハードディスク51vの各面に垂直又は平行であり、斜め方向のものはない。これに比べて、実際のハードディスク51では、上記小文字座標軸のx方向は、その板面方向に平行ではない。すなわち、ハードディスク51の板面垂直方向はz方向に平行ではなく、90°未満の角度をなしており、斜め配置である。図9及び図10の場合ともに、ハードディスク51の板面垂直方向とコイル軸芯方向とは、45°をなす必要はなく、図7及び図8で説明した理由に基づき、45°±35°程度の範囲内であればよい。また、図9の場合は、端面から格納部15に装入し、また図10の場合は、ハードディスク51の板面を傾けたまま面を平行移動させるように装入するが、装入の移動の仕方、または装着の途中での姿勢は問題ではない。たとえば図10の場合、右側上方からハードディスク51を斜めに滑らすように、格納部15に装入してもよい。
(2)パルス磁場の時間パターン
図11は、コンデンサを充電後に放電して、コイルを流れる電流および上記格納部の中央での磁束密度の測定データを示す図である。この磁束密度は、図6〜図8の磁場Hに対応する磁束密度である。図11より、電流の変化と磁場の変化とは、ほぼ1対1に対応していることが分かる。本発明の実施の形態では、減衰する交番磁界を用いることはせず、最初(1発目)のパルス磁場によって磁気データを消去する。図11では、最初のピークの磁束密度は0.95Tであるが、本発明の実施の形態では、最初のパルス磁場の磁束密度のピーク値は0.4T〜1.2Tの範囲内にあればよい。また、磁束密度0.4T以上の継続時間は30ms強あるが、本発明の実施の形態では4ms〜45msの範囲にあればよい。
図11では最初のパルス磁場の後に、逆向きに継続時間が短く、かつピークも小さいパルス磁場が半周期だけ発生する。このような逆向きの半周期は、コンデンサの構成によって現れる場合と現れない場合があり、磁気データの消去の性能(試験結果)は、逆向きの半周期の有無によって影響されないことを確認している。図11のように、継続時間が長いパルス磁場が生成する理由は、あとで説明するように、コイルの負側からコンデンサの正側に順方向のダイオードを配置している影響が大きい。
(3)コイルおよびコンデンサ
最初のパルス磁場が上記の条件:(1)最初のパルス磁場の磁束密度ピーク値が0.4T〜1.2T、(2)磁束密度0.4T以上の継続時間が4ms〜45ms、を満たす限り、どのような回路構成で実現してもよい。たとえば、コンデンサの容量CおよびコイルのキャパシタンスLを大きくすることにより、上記(1)および(2)を満たすことができる。また、パルス磁場のピークを平坦にして継続時間を長くする場合には、コンデンサ(容量C)とコイル(インダクタンスL)とを直列接続したLC部を1単位として、そのLC部をm段重ねて、パルス磁場発生コイルに接続する。この回路構成によりパルス磁場のピークを平坦にしてその平坦部の継続時間を2m(LC)1/2とすることができる。そして、ピーク部分から裾を引くより低い磁場の強さの場合、さらに継続時間を伸ばすことができる。
図12は、典型的なLC回路によるパルス磁場発生装置を示す図である。コンデンサ2には充電回路31からの電流が流れ込み、電荷が蓄積される。所定電荷が蓄積されてコンデンサの電圧が所定値に到達したとき、放電素子5によってコンデンサ2の電荷が放電されてコイル1に電流が流れ、コイル1の空芯内(格納部)にコイル軸芯方向のパルス磁場が形成される。コイル1も含めて電流路は銅線で形成されるが、電気抵抗はゼロとはならず、有限な電気抵抗3が付随する。
上記のコンデンサ2の容量または合成容量は7000μF以上とするのが、磁束密度のピーク値を高める上でも、また0.4T以上の磁束密度の継続時間を長くする上でも好ましい。コンデンサ3の容量または合成容量の上限は13000μF程度とする。通常は、9000μF〜11000μF程度の容量とする(図13(a)参照)。コンデンサに蓄積する電荷量を多くする場合には、9000μF〜11000μF程度のコンデンサを並列接続して用いるのがよい。たとえば、図13(b)に示すように、9000μF〜11000μFのコンデンサを2個並列接続したもの同士を直列接続して合計4個の9000μF〜11000μFのコンデンサを用いることにより、蓄積する電荷量を2倍にすることができる。
図14は、平角のエナメル線21を用いた場合のコイルの部分断面図である。ボビン11の回りに、ワニス21bなどで被覆された矩形断面の銅線21aが巻かれており、そのエナメル線の間の隙間が少なく、密に巻かれている。図15は、丸断面のエナメル線23を用いた場合のコイルの部分断面図である。ボビン11の回りに、ワニス23bで被覆された丸断面の銅線23aが巻かれているが、図14の平角エナメル線に比べて、隙間が多くあり、占積率が低下していることが分かる。コイルの形成には丸断面のエナメル線を用いるのが普通であるが、平角エナメル線21を用いることにより、占積率を向上させ、この結果、コイルの電流密度を高めることができ、ひいては高い磁束密度を空芯部(格納部)に形成することができる。上記の平角エナメル線の断面は、たとえば3mm×9mm(断面積27mm)、2mm×5mm(断面積10mm)などを用いることができる。このような平角エナメル線を用いてコイル(ターン数50〜150)を形成して、コイルのインダクタンス0.3mH〜1.3mHとした上で、電気抵抗は、たとえば0.2mΩ〜150mΩとするのがよい。
(4)継続時間の延長のための回路構成
図16は、コイル1の空芯部に生成するパルス磁場の継続時間を長くするための回路構成を示す図である。ポイントは、コイル1のマイナス側からプラス側に向けて順方向のダイオード7を配置することにある。放電素子であるサイリスタ5は、ゲートGに電圧が印加されると、カソードKとアノードAとが導通されてオン状態となる。ゲートGへの電圧印加は、このあと説明する制御部からの電圧信号によりなされる。コンデンサ2の電圧は検知されており、充電されて所定電圧に到達すると、サイリスタ5のゲートに電圧が印加される。この結果、コンデンサ2は放電を開始してコイル1に電流を流す。
コイル1を流れた電流はコンデンサのマイナス側に蓄積されてマイナス側の電位を高めるが、コンデンサ2のプラス側の電位より高くなると、ダイオード7を通って、マイナス側からプラス側に電流が流れる。この結果、コンデンサ2は電流をコイル1に向かって流しながら、コイル2を通った後の電流を補充されることになる。この結果、パルス電流の継続時間が延長され、電流と正比例する関係にある磁場についても継続時間が延長する。すなわち、図16に示すダイオード7を備える回路構成により発生するパルス磁場の継続時間は、ダイオード7が無い回路構成によるパルス磁場に比べて、非常に長いものとなる。
また、上記のようなダイオード7の配置により、電荷の放電後にコンデンサ2に高い逆電圧が印加される事態を避けることができ、コンデンサの寿命を長くすることができる。さらに上記のダイオード7は、コンデンサ2の負側への電荷の蓄積を抑制するため、交番電流の生成を抑制し、その結果、交番磁界の生成を抑制することになる。上記ダイオードのパルス磁場に対する作用を全体的に見ると、上記ダイオードは図12などに例示されるLC回路における電気抵抗によって減衰する交番電流すなわち交番磁界の形成を抑制し、1発目のパルス磁場の継続時間を延長する作用を有するとみることができる。
その結果、ダイオード7という非常に簡単な素子により、2つの重要な作用(磁場継続時間の延長、コンデンサの長寿命化)を得ることができる。このダイオードは、整流作用がある各種の回路または素子で、当然、置き換えることができる。上記のダイオード7の作用効果のうち、パルス磁場の継続時間の延長については、実施例において測定した結果を説明する。
(5)充電時間短縮のための充電回路の構成
上記したように、磁気データ消去作業は、通常、非常に多数の廃棄処分になったハードディスクを対象とするため、高い作業能率が重要であり、とくに上記のコンデンサへの充電時間の短縮が重要である。図17は、一般のコンセント33から給電するためにトライアック18を用いた充電回路を示す図である。一般のコンセント33から給電された電力は、給電に対してオン状態とされたトライアック18を経て倍圧整流部Sで昇圧されてコンデンサ2を充電する。制御部19は、コンデンサ2の電圧を検知して、コンデンサ2の充電が遂行されたか否かを判断する。コンデンサ2への充電が必要な場合は、トライアック18を給電オンとして、倍圧整流部Sからコンデンサ2へと電流を導入する。コンデンサ2の充電が完了して、外部から磁場発生のスイッチ(図示せず)が押されるとサイリスタ5のゲートに5V程度の信号を加えてサイリスタ5の導通をオンにして、コンデンサ2からの放電をスタートさせ、コイル1の空芯部(格納部)にパルス磁場を生成する。
また、図18は、トライアックを用いずに抵抗素子36を用いて、コンデンサ2への充電を行う方式の回路を示す図である。一般のコンセント33から給電された電力は、抵抗素子36から、倍圧整流部Sおよびオン状態のスイッチ46を経てコンデンサ2を充電する。コンデンサ2が十分充電された表示がなされると、スイッチ45をオンにしてコンデンサ2から放電を行いコイル1の空芯部にパルス磁場を発生する。
トライアック18の使用により、コンデンサ2への充電は、その初期(コンデンサの電圧が低い状態)および終期(コンデンサの電圧が高い状態)によらず、図19に示すように、一定の割合で充電される。トライアック18はコンデンサ2の電圧に関係なく一定の電流を倍圧整流部Sの側に供給することができる。一方、抵抗素子36を用い方式で充電する場合には、コンデンサ2の充電が進行するにつれコンデンサ2の電圧が上昇する影響を受ける。コンデンサ2の電圧上昇により抵抗素子を通る電流は小さくなり、図19に示すように、充電速度は徐々に低下する。この結果、図18に示す充電の方式では、作業能率は非常に低下する。また、実際上の問題として、コンデンサ2の定格能力に満たない所定の電圧を充電完了電圧と設定せざるをえないため、コンデンサ2の放電によるパルス磁場もその分、低いものにならざるをえない。
もう一つ作業能率を低下させる要因に、充電終了後のコンデンサ2からの漏電という問題がある。充電が終了したコンデンサ2からは少量であるが絶えず一定量の電荷が漏洩している。このため、トライアック18を用いた図17に示す充電方式では、制御部19はコンデンサ2の電圧を検知していて、電圧が定格電圧の94%になるとトライアック18に指令を発して充電をスタートさせて定格電圧の104%まで充電を続ける自動充電を行うことができる。上記の充電におけるコンデンサ電位の時間経過の様子を図20に示す。この結果、磁気データ消去作業者は、ほとんどいつでも外部スイッチを押すことができ、十分な量の電荷を放電して十分高いピーク磁束密度と、十分な継続時間とを有するパルス磁場を形成することができる。
これに対して、図18に示す抵抗素子36を用いる方式では、上記トライアック18を用いる制御ができないので、スイッチ46を手動で操作して、コンデンサの電位を表示するメータを見ながら、充電の調整をすることになる。このため磁気データ消去作業者が、ハードディスクの取り扱いに気をとられてコンデンサ2の漏電を放置すると、コンデンサ2の電圧が大きく低下して、充電に、再び多くの時間を要するということが度々生じる。トライアック18の使用は、(1)一般コンセント33からの充電を最初から最後まで確実に一定速度で行うことができるため、電気抵抗素子を用いる方式に比べて、充電時間の短縮を可能とし、また(2)充電後のコンデンサからの漏電の補充を自動化でき、コンデンサの電圧を一定範囲内に絶えず保持して、漏電の補充に時間をとらないことを可能とする。
また、上記の充電回路には、コンデンサの充電のために昇圧用トランスを用いていない。充電回路の充電経路に昇圧用トランスを用いると、充電に長時間を要し、迅速な充電ができない。したがって、短い充電時間が重要な要素を占める磁気データの消去作業の高能率化をはかるためには、磁気データ消去装置の充電回路に昇圧用トランスを用いないようにするのがよい。
(6)衝撃対策
コイル1にコンデンサ2からの電流が一気に流れるとき、コイル1に大きな電磁力が瞬間的に発生する。このためコイル1の巻線が巻き付けられるボビン11に大きな衝撃が加わり、金属などを用いた剛構造体では変形や亀裂が生じ、多数回の使用に耐えられない。弾性変形が可能であり、かつ十分な強度を持つ樹脂板を組み合わせることにより、ボビンの耐久性を向上させることができる。一般の樹脂板を用いてもよいが、より好ましくは強度が高い樹脂板、たとえばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂板を用いるのがよい。図21は、ABS樹脂板の端部を相互に嵌め込み形状にレーザ加工して、組み上げたボビン11を示す斜視図である。組み上げた後に接着剤を隙間に注入して強固に接着している。このような樹脂板を組み上げたボビン11は、衝撃に対して変形後、復元するので、多数回の衝撃にも問題なく耐えることができる。
なお、磁気データ消去作業中に、本発明の実施の形態における磁気データ消去装置で発生する磁場を作業者が受けるおそれがある。この点について確認のための磁場測定を行った。その結果、上記装置から5cm程度離れた位置では、電話の受話器を耳元につけたとき耳元がうける磁場の強さより小さいことを確認した。
(実施の形態2)
図22は、本発明の実施の形態2における磁気データ消去装置10を示す斜視図である。本実施の形態における磁気データ消去装置10では、間をあけた2つのコイル部分1a,1bからなるコイル1と、コイル61とが組み合わされている点に特徴を有する。磁気データ消去装置10に付随する座標軸XYZにおいて、コイル1の軸芯はZ方向に平行であり、コイル61の軸芯はX方向に平行である。
図23は、図22のコイルと、磁場の向きと、ハードディスク51の方向とを模式的に示す図である。図22及び図23において、コイル1は、2つのコイル部分1a,1bの間にZ方向の磁場(Hv)を発生し、またコイル61は、X方向の磁場(Hp)を発生する。コイル1及びコイル61には、同時に電流を流して、同時にZ方向及びX方向の磁場をそれぞれ発生してもよいし、100ms程度又はそれ未満の時間をおいて、Z方向及びX方向の磁場をそれぞれ発生してもよい。格納部15に格納したとき、ハードディスク51の面垂直方向(z方向)は装置のZ方向に平行であり、またハードディスク51の面内のx方向は、装置のX方向に平行である。実施の形態2では、Z方向用(垂直方向用)のコイル1と、X方向用(水平方向用)のコイル61とが、配置される点で、実施の形態1における磁気データ消去装置と相違する。
図24は、図22に示す磁気データ消去装置10の回路図である。コイル1に並列かつ順方向にダイオード7aが配置され、またコイル61に並列かつ順方向にダイオード7bが配置されている。コイル1を対象に電荷を蓄積するコンデンサ2aと、コイル61を対象に電荷を蓄積するコンデンサ2bとが設けられ、それぞれのコンデンサ2a,2bに電荷の放出を指示する放電素子として、サイリスタ5a,5bが設けられている。すなわち垂直方向の磁場Hv用のコイル1と、水平方向の磁場Hp用のコイル61とは、相互に無関係に電荷を蓄積され、また相互に無関係に磁場発生の電流が流される。電流放出又は磁場発生のタイミングを決めるのは、制御回路19である。操作スイッチ45の1回のオン操作により、制御回路19から放電信号S1及びS2が送信される。コイル1とコイル61とに流される電流の放出タイミングのずれ、すなわち放電信号S1及びS2のずれは、100ms未満にするのがよい。ヒトの感覚は、この電荷放出タイミングのずれは感知することができず、1回の操作により、磁気データの消去が終了したと認識される。
この磁気データ消去装置10では、コンデンサ2a,2bは、両方とも7000μF以上とするのがよい。このコンデンサ2a,2bは、図13(a)のようにそれぞれ単一のコンデンサであってもよいし、図13(b)のように複数のコンデンサが合成されたものであってもよい。
コンデンサ2a,2bへの充電も、制御回路19からの充電回路31のトライアック18への指示によってなされる。コンデンサ2a及び2bの電圧はモニタされており、制御回路16に電圧信号M1及びM2が受信される。モニタ電圧M1及びM2がともにゼロの場合、言い換えればコンデンサ2a及び2bが、共に電荷を放出して空の場合にのみ、制御回路19は、トライアック18をオンにして充電する信号を発し、コンデンサ2a,2bの一方でも、電荷蓄積状態のときは、充電を指示しないようにする。これによって、安全性を確保することができる。図25は、図24の回路において、順次、コンデンサ2a,2bから電荷が放出され、コイル1及びコイル61の電流の時間推移の計算機シミュレーション結果を示す図である。それぞれのコイル1,61(L1,L2)の電流立ち上がりの時刻t1とt2との差は、100ms未満とするのがよい。また、上記の電流値は、各コイルとも、磁束密度が0.4T〜1.2Tとなるようにし、また磁束密度0.4T以上の継続時間は4ms〜45msの範囲内にあるようにする。
実施の形態1における、(2)パルス磁場の時間パターン、(3)コイル及びコンデンサ、(4)継続時間の延長のための回路構成、(5)充電時間短縮のための充電回路の構成、(6)衝撃対策、のそれぞれの内容は、コイル1,61のそれぞれに、そのまま当てはめることができ、同じ内容を本実施の形態でも実施している。すなわち、コイル1,61の両方とも、(2)パルス磁場の時間パターンは、コイル1及びコイル61のいずれも、軸芯の中央部において、磁束密度のピーク値が0.4T〜1.2Tであり、かつ磁束密度0.4T以上の継続時間が4ms〜45msであるパルス磁場を形成し、(3)コイルは平角線であり、コイルの電気抵抗及びインダクタンスは、コイル1及び61ともに、実施の形態1のコイル1と同じ範囲内にあり、コンデンサ2a及び2bの容量も実施の形態1のコンデンサ2と同じ範囲内にあり、(4)上記インダクタンス及び容量の他に、継続時間延長のためにダイオード7a,7bを用いており、(5)受電回路にトライアック18を用い、(6)各コイル1(1a,1b),61のボビン11にABS樹脂板の嵌め込み構造(図21参照)を用いている。
本実施の形態における磁気データ消去装置10では、1回のオン操作により、格納部に格納されたハードディスクの板面垂直方向の磁場Hvと、板面内方向Hpとの両方を、同時に又はほとんど瞬時に、発生する。この場合、磁場Hv及びHpを発生するためのコンデンサ及びコイルは、それぞれ十分大きな容量、インダクタンス等とする。この結果、格納部に格納するハードディスクが垂直方式か水平方式かを判定することなく、ハードディスクの磁気データを消去することができる。また、上記の磁気データ消去装置10では、コンデンサ2a,2bに充電する場合があるので、充電時間は重要であるが、充電回路31にトライアック18を用いるので、充電時間は長くならず、限定されたものとできる。また、安全性の確保についても十全の配慮がなされている。
(実施例1−パルス磁場の磁束密度/時間パターンの測定−)
次に、コイル1の負側から正側に向かって順方向にダイオード7を配置した場合(図16参照)および配置しない場合について、パルス磁場/時間および電流/時間の測定を行った結果を示す。磁気データ消去装置には、図9に示すタイプの装置を用いた。この測定は、傾けることにしている1つのコイルについてのパルス磁場/時間および電流/時間の測定であるが、本発明における2つのコイル(水平方向磁場コイルおよび垂直方向磁場コイル)のうちの1つについてのパルス磁場/時間および電流/時間の測定とみることができる。そのコイルには、3mm×9mmの平角エナメル線を68ターン巻いたものを用いた。コイルのインダクタンスLは0.46mHであり、抵抗Rは36mΩである。コンデンサは容量10000μFのものを1個用いた。充電回路にはトライアックを用いた。磁場の測定は、格納部の中央部と、入口から20mm入った位置の下部(床面位置)との2地点にホール素子を配置して、ホール素子からの信号を増幅器(ホール素子とセット:GAUSS METER MODEL HGM 8300P3:ADS社製)を経てオシロスコープ(TDS3012:Tektronix社製)に入力した。また電流は、電流測定用のコイルをコンデンサ−コイル間の配線に周回させるように取り付け、その信号を増幅器(電流測定用コイルとセット:ピーク電流計PHS−CO:株式会社アイエムエス製)を経てオシロスコープに入力した。オシロスコープ上で、時間軸(横軸)に同期させて、磁場と電流とを縦軸に表示した。
結果を図26〜図29に示す。図26は、ダイオードを配置しない場合の電流および格納部の中央での磁場の測定結果を示すオシロスコープの表示画像である。ピーク磁束密度は0.81Tと高い値が得られている。また、磁束密度0.4T以上の継続時間は、6ms〜7msである。電流の時間パターンは磁束密度の時間パターンと同じとみることができる。これに対して、ダイオード7を配置した場合(図16参照)には、図27に示すように、ピークの磁束密度は0.81Tと、ダイオードを配置しない場合と同じであるが、継続時間が大きく延長されている。たとえば0.4T以上の磁束密度の継続時間は10ms〜11msへと、ダイオードを配置しない場合の6ms〜7msから大幅に延長している。このようなパルス磁場の継続時間の延長は、繰り返し述べたように、磁気データの消去に非常に有効であり、確実に一発のパルス磁場による消去を得ることができる。
図28は、格納部の手前の、開口部から20mm奥に入った床面(下部)位置での磁場の測定結果を示す表示画像である。ピークの磁束密度は0.63Tと図26のピーク値0.81Tから大きく低下しており、また0.4T以上の継続時間も5ms程度と短くなっている。これに対して、ダイオード7を配置した場合、図29に示すように、ピークの磁束密度は0.63Tであるが、0.4T以上の継続時間は7ms強であり、ダイオード7を配置しない場合に比べて40%以上の継続時間の延長が得られる。
上記のようにコイル(コンデンサ)の負側からコンデンサの正側に向けて順方向のダイオードを配置することにより、パルス磁場の継続時間の大幅な延長が得られる。ダイオードという簡単な素子を用いて、パルス磁場の継続時間の延長が得られたことは大きく、磁気データ消去性に優れた装置を安価に提供する上で、大きな貢献をすることができる。さらにコンデンサに対する高い逆電圧の発生を防止することができるので、本装置に大きな比重を占めるコンデンサの耐久性向上に役立つ。
ただし、本発明の磁気データ消去装置は、最も広くはピークの磁束密度0.4T〜1.2Tで、0.4T以上の磁束密度の継続時間が4ms以上あれば、コンデンサ容量とコイルのインダクタンスとを選択することのみで対応してもよく、上記のダイオードを用いることは必ずしも必要ない。
(実施例2:図5に示す磁気データ消去装置の磁場測定)
次の試験体(本発明例A及びB)を用いて、磁場の測定を行った。この測定についても、各試験体(本発明例A及びB)は傾けることにしている1つのコイルであるが、方向成分は測定せず、スカラーの磁場の強さのみを測定するので、やはり本発明における2つのコイル(水平方向磁場コイルおよび垂直方向磁場コイル)のうちの1つについてのパルス磁場/時間および電流/時間の測定とみることができる。
(本発明例A):コンデンサ容量
9000μF;コイル 巻線 3×9の平角線 67ターン、インダクタンス 0.79mH、巻線の電気抵抗 33mΩ、ダイオード配置
充電時のコンデンサ電圧は680Vであり、放電時のピーク電流は1.81kAであった。
(本発明例B):コンデンサ容量
11000μF、;コイル 巻線 3×9の平角線 67ターン、インダクタンス 0.79mH、巻線の電気抵抗 33mΩ、ダイオード配置
充電時のコンデンサ電圧は680Vであり、放電時のピーク電流は1.47kAであった。
上記の本発明例A及びBのコイル内における磁場測定位置を図30に示す。各位置の磁場測定結果を表1に示す。位置A1がコイル内の中心位置であるが、十分高い磁場強度を示す。他の位置についても、同様に高い磁場を得ることができる。時間推移については測定していないが、図25のシミュレーションを得たプログラムによって、磁束密度0.4T以上の継続時間は、十二分に4ms以上あることの確認が得られた。
Figure 0004116066
(実施例3:図22に示す磁気データ消去装置のコイル1の磁場測定)
図22又は図23に示す磁気データ消去装置において、コイル1のコイル部分1aとコイル部分1bとの間のスペースでの磁場測定を行った。試験体は次のとおりである。
(本発明例C):コンデンサ容量
10000μF;コイル 巻線 3×9の平角線 コイル部分1a 97ターン、コイル部分1b 97ターン、インダクタンス 0.79mH、巻線の電気抵抗 33mΩ、ダイオード配置
充電時のコンデンサ電圧は390Vであり、放電時のピーク電流は1.2kAであった。
(本発明例D)コンデンサ容量
9000μF、;コイル 巻線 3×9の平角線 コイル部分1a 97ターン、コイル部分1b 97ターン、インダクタンス 0.79mH、巻線の電気抵抗 33mΩ、ダイオード配置
充電時のコンデンサ電圧は650Vであり、放電時のピーク電流は1.86kAであった。
Figure 0004116066
上記の本発明例C及びDのコイル内における磁場測定位置を図31に示す。各位置の磁場測定結果を表2に示す。位置A2がコイル内の中心位置であるが、十分高い磁場強度を示す。他の位置についても、同様に高い磁場を得ることができる。時間推移については測定していないが、図25のシミュレーションを得たプログラムによって、磁束密度0.4T以上の継続時間は、十二分に4ms以上あることの確認が得られた。なお、上記の本発明例C及びDは、図22又は図23に示す磁気データ消去装置10のコイル1に対応するものとして説明した。すなわち、本発明例C又はDを、図24の回路図のコイル1に用い、これと通常のコイルたとえば本発明例A又はBをコイル61に用いて、実施の形態2におけるコイル1,61を構成することができる。しかし、本発明例C及びDは、実施の形態1における図10のコイル1と見てもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の磁気データ消去装置は、水平方式及び垂直方式の磁気記録媒体が並存する現在及び将来において、磁気記録媒体の表示からいずれの方式か判別が難しい状況において、いずれの方式か判別することなく、いずれの方式の磁気記録媒体でも、1回の操作によって磁気データを消去できる。個人情報保護が重要視される時代に、個人情報の漏洩防止に重要な貢献をすることが期待される。
磁気記録媒体のハードディスクを示す図である。 水平記録方式のハードディスクの磁化配列を示す断面図である。 垂直記録方式のハードディスクの磁化配列を示す断面図である。 本発明の磁気データ消去装置の技術思想を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の磁気データ消去装置を示す図であり、(a)は格納部をコイルの外に出した状態を、また(b)は回動機構を用いて格納部をコイル内に配置した状態を示す図である。 ハードディスクを傾けた場合の形式的な磁場成分を示す図である。 水平記録方式のハードディスクを傾けた場合に、実際に生じる磁場の方向変化を示す図である。 垂直記録方式のハードディスクを傾けた場合に、実際に生じる磁場の方向変化を示す図である。 施の形態1の磁気データ消去装置の変形例を示す図である。 施の形態1の磁気データ消去装置の別の変形例を示す図である。 施の形態1におけるパルス磁場の時間パターンを示す図である。 施の形態1における磁気データ消去装置の回路構成を説明するための図である。 施の形態1におけるコンデンサの構成例を示す図であり、(a)はコンデンサ1つの構成を、(b)はコンデンサ4つの構成を示す図である。 平角エナメル線を用いたコイル巻線部の断面図である。 丸状エナメル線を用いたコイル巻線部の断面図である。 施の形態1においてコイル負側から正側に向かって順方向のダイオードを配置した回路構成例を示す図である。 実施の形態1において充電回路にトライアックを用いた例を示す図である。 充電回路に抵抗素子を用いた例を示す図である。 トライアックを用いた場合の充電時間の短縮を説明するための図である。 トライアックを用いてコンデンサの漏電を自動補充をする効果を説明するための図である。 施の形態1におけるボビンを例示する図である。 本発明の実施の形態2の磁気データ消去装置を示す図である。 図22のコイルと、磁場の向きと、ハードディスクの向きとを説明するための図である。 図22の磁気データ消去装置の回路図である。 2つのコイルに流れるパルス状電流のシミュレーション結果を示す図である。 実施例1においてダイオードを用いない場合のパルス磁場と電流とを示す図である(磁場測定位置=格納部中央)。 実施例1においてダイオードを配置した場合のパルス磁場と電流とを示す図である(磁場測定位置=格納部中央)。 実施例1においてダイオードを用いない場合のパルス磁場と電流とを示す図である(磁場測定位置=開口部から20mm奥の床面)。 実施例1においてダイオードを配置した場合のパルス磁場と電流とを示す図である(磁場測定位置=開口部から20mm奥の床面)。 実施例2における磁場測定位置を示す図である。 実施例3における磁場測定位置を示す図である。
符号の説明
1 コイル、1a,1b コイルの部分、2,2a,2b コンデンサ、3 電気抵抗、5,5a,5b サイリスタ、7,7a,7b ダイオード、10 磁気データ消去装置、11,11a,11b ボビン、15 格納部、18 トライアック、19 制御部、21 平角エナメル線、21a 銅線、21b ワニス層、23 丸状エナメル線、23a 銅線、23b ワニス層、31 充電回路、33 コンセント、36 電気抵抗素子、45 放電スイッチ、46 スイッチ、51 ハードディスク(磁気記録媒体)、52 ガラス基板、53 軟磁性層、55 磁気記録層、56 保護膜、57 回転軸(軸芯)、58 トラック、59 磁気ヘッド、S 倍圧整流部。

Claims (8)

  1. 水平方式及び垂直方式の磁気記録媒体の磁気データを消去するための磁気データ消去装置であって、
    前記磁気記録媒体を格納するための格納部と、
    前記格納部を含むように位置し、前記磁気データを消去するための磁場を発生する2つのコイルと、
    記2つのコイルに電流を供給するための電荷を蓄積する1つまたは2つ以上のコンデンサと、
    前記磁気データ消去装置を作動させるための1つの操作スイッチとを備え、
    前記操作スイッチの1回のオン操作によって、前記1つ又は2つ以上のコンデンサに蓄積された電荷を放出して、前記2つのコイルに、前記格納部に格納された前記磁気記録媒体の板面平行方向および板面垂直方向の両方に、前記磁気データを消去するためのパルス磁場を生じ、
    前記2つのコイルが、前記格納部に格納された磁気記録媒体の板面平行方向に磁場を発生する平行方向磁場コイルと、該平行方向磁場コイルの軸芯と直交する軸芯を有し、前記磁気記録媒体の板面垂直方向に磁場を発生する垂直方向磁場コイルとから形成されることを特徴とする、磁気データ消去装置。
  2. 前記垂直方向磁場コイルは、第1の部分と、該第1の部分に電気的に直列接続し、該第1の部分と同じ軸芯方向を持ち、該第1の部分から間をあけて位置する第2の部分とを有し、前記格納部が、前記コイルの第1の部分と第2の部分との間に設けられていることを特徴とする、請求項に記載の磁気データ消去装置。
  3. 前記コンデンサは、前記平行方向磁場コイルに並列接続される平行磁場用コンデンサと、前記垂直方向磁場コイルに並列接続される垂直磁場用コンデンサとから構成され、該平行磁場用及び垂直磁場用コンデンサから電荷を放出するための放電素子として、前記平行磁場用コンデンサから前記平行方向磁場コイルに電荷を流すための平行磁場用サイリスタと、前記垂直磁場用コンデンサから前記垂直方向磁場コイルに電荷を流すための垂直磁場用サイリスタとを備えることを特徴とする、請求項又はに記載の磁気データ消去装置。
  4. 前記平行方向及び垂直方向磁場コイルに前記電流を流すための制御を行う制御部を備え、前記制御部は、前記操作スイッチの1回のオン操作によって、前記平行磁場用サイリスタと前記垂直磁場用サイリスタとが、所定の時間をあけて又は同時に、導通するように制御することを特徴とする、請求項に記載の磁気データ消去装置。
  5. 記2つのコイルは、いずれも、軸芯の中央部において、磁束密度のピーク値が0.4T〜1.2Tであり、かつ磁束密度0.4T以上の継続時間が4ms〜45msであるパルス磁場を形成することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  6. 記2つのコイルに、並列に順方向にダイオードが配置されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  7. 記2つのコイルは、いずれも、電気抵抗が0.2mΩ〜150mΩ、インダクタンスが0.3mH〜1.3mH、1/(L・C)1/2が250(1/秒)〜650(1/秒)の範囲内にあり、前記1つ又は2つ以上のコンデンサの容量が、7000μF以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
  8. 前記コンデンサの充電のための電流経路に、トライアックを用いることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の磁気データ消去装置。
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