JP4114132B2 - フランプロセス用骨材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温自硬性粘結剤組成物を用いて鋳型を製造する際に使用される人工骨材に関し、殊にフランプロセスにおいて高強度、高生産性を得ることができる人工骨材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋳型および中子に使用する常温自硬性有機粘結剤としてはフラン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂又はそれらを変性した酸硬化樹脂、フェノール樹脂又はアルキッド樹脂とポリイソシアネートとの反応によって得られるウレタン樹脂、アルカリで安定化されたフェノール樹脂とエステル硬化剤との反応で得られるアルカリフェノール樹脂が一般に知られている。
【0003】
その内、フラン樹脂若しくは尿素等で変性された変性フラン樹脂が鋳型用粘結剤として安定した性能を有するという理由から汎用的に使用されている。即ち、フラン樹脂とは周知の如くフルフリルアルコールもしくはフルフラールに必要に応じて公知の改質剤を加え、ホルムアルデヒド縮合したものであって、かかるフラン樹脂は優れた耐熱性、崩壊性、鋳型強度、各温度での安定した硬化性、有機粘結剤の中で最も少ない部類に属するガス発生量、低粘性、保温性、通気性等の種々の優れた特性を有するものである。
【0004】
一方、鋳型用骨材としては、天然に産するジルコンサンド、クロマイトサンド、珪砂等が用いられている。しかるに、これらは天然品であるために化学組成、物理的特性等の品質にバラツキがあり、また必要粒度品が不足する等の避けられない問題が内在している。
【0005】
そこで天然原料を塊状にしたものを焼成し、粒度調製した人工骨材が種々提案されており、例えば特公平4-40095に、アルミナ、シリカを混合した原料組成物を球状粒子に造粒した後、高アルミナ質粉末を混合して焼成した球状粒子が提案されており、この粒子は商品名「セラビーズ」として鋳物業界に普及しつつある。
【0006】
即ち、セラビーズは、嵩比重が高く、気孔率が低く、球状で比表面積が小さいため、低い樹脂添加量で高強度が得られると共に、熱膨張率が低く鋳型の寸法精度が良好であるという特長があり、鋳型製造分野で注目されている。また、表面硬度が高く摩耗し難い特性から機械的研磨により再生処理した場合に、歩留まりがよいという利点を有し、経済性が優れると共に産業廃棄物減量の観点から高い評価を得ている。
【0007】
このように種々の優れた性能を有するセラビーズは、レジンコーテッドサンドやアルカリフェノールプロセスさらには生型砂の分野では、ある程度満足できる性能が確保されることもあって利用が進んでいるが、フランプロセスでは強度が出にくい、硬化が遅いという問題があり、利用は十分でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした事情に着目したもので、フランプロセスにおいてセラビーズ等の骨材を用いて鋳型造型するにあたり、高強度、高い硬化速度を達成し得るような手段の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、造粒・焼成または溶融・噴霧により製造される人工骨材にフラン樹脂、硬化剤を配合し、混練した後、造型して鋳型を製造するに際し使用される人工骨材であって、予め微粉除去処理してなる人工骨材であることを第1の要旨とし、また、予め塩基性イオン除去処理してなる人工骨材であるところに第2の要旨が存在する。
【0010】
【作用効果および構成の説明】
本発明者等は、フランプロセスにおける強度改善手段について種々検討を重ね、各種添加剤、樹脂の改良等を進めてきたが、満足できる手段に到達しない状況が続いた。本発明は、こうした過程の中で鋭意検討を重ねた結果、前記構成に到達したものであり、第1の要旨は、フランプロセス用骨材が例えばセラビーズを微粉除去処理してなる骨材である点にあり、また、第2の要旨は、フランプロセス用骨材が例えばセラビーズを塩基性イオン除去処理してなる骨材であるところに存在する。
【0011】
即ち、セラビーズを製造するに当たっては、アルミナ、カオリンを粉砕し、水を混合してスラリー状とした後、スプレードライヤーで乾燥造粒し、ロータリーキルンで焼成する。焼成後、冷却され研磨工程にかけて粒形を整えた後、分級して製品となる。研磨、分級過程で製品粒子と微粉を分離しており、従来、微粉は十分に分離除去されていると思われていた。
【0012】
しかるに、本発明者は未だ分離できない微粉が製品表面に残存しているのではないかと考え、これがフランプロセスにおける強度発現、硬化速度を阻害しているとの考えに想到した。
【0013】
即ち、残留微粉によって製品粒子の比表面積が増大し、これがフランプロセスにおけるレジンコーティングの際にレジンを消費して強度が出にくい原因となっていると思われる。更にこれらの微粉はアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物を多く含み、塩基性を示すが故に、フラン樹脂の硬化剤である酸成分を消費して硬化が遅くなる原因となっていると思われる。
【0014】
これに対し、本発明では、水洗に代表される予備処理により製品粒子表面から微粉が除去され、配合されたレジンが製品粒子表面に効率よくコーティングされる結果、添加量に応じた結合力が発揮され強度が改善されたものと思われる。また、セラビーズを酸洗いに代表される予備処理に付すことによってアルカリ成分である製品粒子表面の残存微粉等が中和され、硬化剤の作用を阻害しなくなる結果、硬化速度が向上すると共に、配合レジンの結合力が更に効率よく発現され、強度が改善されたものと思われる。尚、水洗処理に際し、処理効果を高める上で超音波の利用が有効である。
【0015】
水洗以外の微粉除去処理としては、原料骨材を流動層で浮動させながら減圧吸引により微粉を骨材表面から除去する流動層分離、骨材粒子に高圧流体を衝突させて骨材粒子から微粉を除去する衝撃分離、骨材粒子に陽電荷もしくは陰電荷を加えて骨材表面を逆帯電させることにより微粉を除去する電気的分離などが挙げられるが、その処理手段については特に限定を設けるものではなく、これらを組み合わせることも可能である。
【0016】
塩基性イオン除去処理としては、骨材表面に残る塩基性成分を除去できる処理であれば特に制限はなく、酸洗いが汎用的ではあるが、これ以外に陰イオン照射処理等を挙げることができる。
【0017】
本発明において、原料骨材としてはセラビーズの他、サンパール(商品名、山川産業(株)製品)、エコビーズ(商品名、キンセイマテック(株)製品)などの人工骨材が例示される。これらの人工骨材は、溶融法で製造される骨材であるが、製造工程からの微粉成分を粒子表面に付着保持している。以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0018】
【実施例A】
骨材にフラン樹脂(XフランK55W2:神戸理化学工業(株)製品)、スルホン酸系硬化剤(150B-1:神戸理化学工業(株)製品)を配合し1分間混練した後、テストピース用木型(50mmφ×50mm高さ)に充填して硬化させる。かかる試験に際し、骨材としてセラビーズ(処理なし)、セラビーズ(水洗処理品)、セラビーズ(酸洗い処理品)を使用し、骨材100重量部に対して、フラン樹脂を
1.0重量部、1.2重量部、1.5重量部、硬化剤 を0.4重量部、0.48重量部、0.6重量部それぞれ添加して試験を行った。テストピースの経過時間毎の圧縮強度ならびに充填密度、表面安定性(SSI)は表1の通りであった。尚、図1,2は、試験に供した骨材の内、セラビーズ(処理なし)とセラビーズ(水洗処理品)の表面状態を示す電子顕微鏡写真であり、これらを比較すると、図1では表面に付着微粉が多く見られるが、図2では水洗処理により付着微粉が除去されていることが分かる。
【0019】
(表面安定性試験方法)テストピースを6メッシュ篩い上に置き、1分間振動させた後、篩い上に残ったテストピースの重量残留率で評価した。
【0020】
(水洗処理操作)セラビーズ100重量部に対し、100重量部の水を加え600rpmで30分間撹拌する。さらに100重量部の水を加えて5分間撹拌した後、3分間静置しデカンテーションにて水を捨てる。この操作を3回繰り返した後、乾燥して試験に供した。
【0021】
(酸洗い処理)セラビーズ100重量部に対し、水を95重量部、20%パラトルエンスルホン酸水溶液を5重量部加え、600rpmで30分間撹拌する。さらに100重量部の水を加えて5分間撹拌した後、3分間静置しデカンテーションにて水を捨てる。この操作を5回繰り返した後、乾燥して試験に供した。
【0022】
【表1】
【0023】
【実施例B】
骨材として、実施例のエコビーズ、サンパールおよび参考例のKF−5を使用し、実施例Aと同様にして評価を行ったところ、表2に示す結果が得られた。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、微粉除去処理された上記骨材を使用することによりフランプロセスにおいて高強度、高い硬化速度を得ることができ、セラビーズ等の人工骨材の利用を拡大することができる。また、本発明の構成を他の人工骨材に適用することにより、これらの骨材使用における性能の改善に寄与することができ、さらに、フランプロセス以外のウレタン樹脂、アルカリフェノール樹脂の分野でも性能改善の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラビーズ(処理なし)の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】セラビーズ(水洗処理品)の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 造粒・焼成または溶融・噴霧により製造される人工骨材にフラン樹脂、硬化剤を配合し、混練した後、造型して鋳型を製造するに際し使用される人工骨材であって、予め微粉除去処理してなることを特徴とするフランプロセス用人工骨材
- 造粒・焼成または溶融・噴霧により製造される人工骨材にフラン樹脂、硬化剤を配合し、混練した後、造型して鋳型を製造するに際し使用される人工骨材であって、予め塩基性イオン除去処理してなることを特徴とするフランプロセス用人工骨材
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JP2002117043A JP4114132B2 (ja) | 2002-04-19 | 2002-04-19 | フランプロセス用骨材 |
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JP2003311370A JP2003311370A (ja) | 2003-11-05 |
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2002
- 2002-04-19 JP JP2002117043A patent/JP4114132B2/ja not_active Expired - Lifetime
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