JP4110944B2 - 蛇腹管の溶接構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、螺旋状の蛇腹管と同蛇腹管を外嵌する円筒パイプとを溶接する蛇腹管の溶接構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルパイプはその軸線と直交する方向に比較的自由に撓み変形でき、振動変位を吸収することも可能であり、そのひとつに蛇腹管がある。蛇腹管は山部を螺旋状に軸線方向に沿って連続形成したもので、谷部を挟んで軸線方向に沿って隣り合う各山部の間隔を比較的容易に増減変位させることで軸線方向及び軸線と直交する方向に比較的自由に変形できる。また、湾曲部として使用する場合には、比較的自由度の高い曲率を確保できるため、各種の産業分野で多用されている。
【0003】
この蛇腹管は使用環境に適した素材を用いて形成することが可能であり、例えば、車両の排気管の一部に使用された場合、鋼管やステンレス管として製作されている。
ところで車両の排気路はエンジン本体より車体後方に向け排気を流下させており、この排気路はエンジン本体と一体の排気マニホールドと、これより下方に延出した上で車体後方に向け湾曲し、車体低壁側に沿って延び、途中に排ガス浄化装や消音器を備えた金属製の排気管とで形成される。
このような排気管は、エンジン本体に近い部分ほど振動変位を大きく受け易いことより、この振動をエンジン本体に近い部分で減衰させて、エンジン振動が排気管を伝わり、車体低壁側に伝達されるのを低減させる必要があり、排気管のエンジン本体に近い部分に蛇腹管が使用されることが多い。
【0004】
ところで、蛇腹管の製作時には、山部と谷部を交互に螺旋状に軸線方向Xに沿って連続形成された長寸の蛇腹管が用意され、これが使用時に任意の長さで切断されて使用される。この蛇腹管のカット処理で蛇腹管の切断端部は、通常、図7に示すように、蛇腹管100の軸線方向Xの端部に位置する最端山部110の裾より軸線方向Xの端部側に延出する谷部120の谷中央位置で全周に渡って切断される。しかも、山部110の一部でありその円周方向における端部の円周端部130が軸線方向Xに沿って切断される。
【0005】
このような状態で切断された蛇腹管100は円筒パイプ150の端部に外嵌され、互いが溶接結合される。
図7、8に示すように、この溶接処理では最端山部110の裾より軸方向端部側に延出する谷部120が全周に渡って円筒パイプ150に溶接結合され、溶接ビードbが設けられる。しかも、軸線方向Xに切断された円周端部130には円周方向に開口する開口部140が形成され、この開口部140からのガス漏れを防ぐため、軸線方向Xに溶接ビードb1を盛り上げ、その溶接厚さt1を増し、開口部140を閉鎖するよう溶接処理が成されている。
【0006】
この際、図8に示すように、開口部140を閉鎖する溶接ビードb1は、1周前の谷部120’の近傍を溶接する溶接ビードb2に重なり、溶接厚さt1が盛り上げられた状態で1周前の山部110’の頂部pの近傍に溶接止め端部b0が達する傾向にある。
なお、従来のフレキシブルパイプとして、金属薄板を多層に巻回した上で波付け成形機で波付け成形してなる多層蛇腹管が特開平3−79886号公報(特許文献1)に、多層パイプを素材として液圧バルジ成形機で成形される排気管用フレキシブルチューブが特開平11−241614号公報(特許文献2)に、それぞれ開示されるが、これらには溶接構造は含まれていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−79886号公報
【特許文献2】
特開平11−241614号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような蛇腹管の溶接構造において、図7、8に示したように、切断された蛇腹管を円筒パイプ150に外嵌し、互いを溶接結合する場合、最端山部110の円周端部130の開口部140を閉鎖するため、溶接ビードb1を盛り上げ溶接することより溶接作業に比較的時間が係り、作業性が低下する。更に、その盛り上げ部の溶接ビードb1はその溶接止め端部b0’が山部110’側の頂部p近傍にまで達している。このため、蛇腹管100と円筒パイプ150の結合体に振動、変位Sが入力された場合、剛性変化が大きい溶接止め端部b0’で応力集中する。
【0009】
しかも、溶接ビードb1の溶接止め端部b0’を中心とした山部110’と溶接端部b0、との対向角θ1(図8参照)が鋭角と成り易いため、溶接止め端部b0’はより大きな応力集中を生じてしまう傾向にあり、当該部の疲労強度が低下し、亀裂を発生し易く、耐久強度の低下を招き易い。
本発明は、以上のような課題に基づきなされたもので、溶接端部への応力集中を抑制でき、耐久強度を向上できる蛇腹管の溶接構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円筒パイプに軸方向端部が外嵌される螺旋状の山部を有する蛇腹管を備え、上記蛇腹管の軸方向端部には谷部における切断基準位置より一周前の谷部に達する周方向の切断端部と上記切断基準位置より軸方向に沿って上記山部を経て上記一周前の谷部に達する軸方向の切断端部が形成されると共に、上記軸方向の切断端部において上記山部の一部を成す円周端部が形成され、
上記切断基準位置に最も近い一周分の螺旋状の山部である最端山部における周方向の切断端部と軸方向の切断端部とが上記円筒パイプに溶接結合される蛇腹管の溶接構造において、上記円周端部が上記円筒パイプの円周面側に傾くと共に同円周端部の軸方向の切断端部が円周面に重なるように形成され、同軸方向の切断端部が円筒パイプに溶接結合されることを特徴とする。
このように、円周端部が円筒パイプの円周面側に傾くと共に同円周端部の軸方向の切断端部が円周面に重なるように形成され、同軸方向の切断端部が円筒パイプに溶接結合されるので、この円周端部が開口部を形成した状態のままで円筒パイプに溶接結合される場合と比べて、溶接ビードのビード厚さが比較的小さくて済み、溶接端部と山部との対向角を拡大することができ、この溶接端部に生ずる応力集中を低減できるため、疲労強度の低下を抑え、耐久強度を向上できる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の蛇腹管の溶接構造において、上記円筒パイプは上記蛇腹管の山部の裏側面と対向する部位に外周方向に突出する突出部を形成したことを特徴とする。
このように、円筒パイプの突出部が蛇腹管の山部の裏側面と対向する部位より外周方向に突出部を突出し形成するので、この突出部を山部の裏側面の凹部に嵌合させることで、円筒パイプと蛇腹管との間での荷重伝達を突出部と山部の裏側面との当接部分で行なえ、しかも、蛇腹管の軸方向のずれを抑えるので、円筒パイプと蛇腹管の溶接結合部に加わる荷重を低減させることができ、耐久強度を向上できる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の蛇腹管の溶接構造において、上記円筒パイプ及び上記蛇腹管が内燃機関の排気管の一部を構成して、内燃機関の排気装置に適用されることを特徴とする。
このように請求項1又は2に記載の蛇腹管の溶接構造を内燃機関の排気装置に適用することで、内燃機関の排気装置の耐久性を向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には本発明の一実施形態としての蛇腹管の溶接構造が適用されたフレキシブルパイプ1を示した。このフレキシブルパイプ1は車両2に搭載されたエンジン3の排気路Rの一部を成す。
エンジン3はその本体に排気マニホールド4を一体結合しており、その排気マニホールド4に前部排気管5を接続し、その後端に連続して後部排気管6を接続し、これらにより排気路Rを形成している。
【0014】
排気マニホールド4は排ガスを合流させて流下させる不図示の開口部を一対備え、両開口部の近傍にマニホールドフランジ7が溶着されている。
前部排気管5の前端部を成す一対の分岐パイプ8の上流端には前端フランジ9が設けられ、同前端フランジ9とマニホールドフランジ7が不図示のボルトにより締結されることで一対の分岐パイプ8と排気マニホールド4が連通状態で連結される。
【0015】
前部排気管5は前端の一対の分岐パイプ8と、その合流部の直後の接続筒部11に接続されるフレキシブルパイプ1と、その後端部に接続される中間フロントパイプ12と、その後端部に接続される排ガス浄化装置13と、その後端部に接続される後部フロントパイプ14と、その後端に接続されるプリマフラー15とを備える。
【0016】
後部排気管6はプリマフラー15の後端に接続されるセンターパイプ16と、その後端に接続されるメーンマフラー17と、その後端より延出するテールパイプ18とを備える。
これら前部排気管5及び後部排気管6は複数箇所よりフック19をそれぞれ突出し形成しており、これらは不図示の弾性部材からなるハンガーを介して、不図示の車体低壁側の係止部にそれぞれ係止されている。
【0017】
ここでエンジン3の本体側に最も近い一対の分岐パイプ8はエンジン振動を高レベルで受けるが、中間フロントパイプ12との間に振動変位を吸収するフレキシブルパイプ1を装備する。このフレキシブルパイプ1は振動変位を吸収する機能を備え、これを通過した振動は低レベルとなり、中間フロントパイプ12側より前部排気管5及び後部排気管6側から車体低壁側に伝達されるエンジン振動は十分減衰され、車内振動騒音の低減を図れる。
【0018】
図1に示すように、フレキシブルパイプ1は、ステンレス製の前円筒パイプ22及び後円筒パイプ23と両パイプを両端に溶接するステンレス製の蛇腹管24と、両パイプ22、23及び蛇腹管24を覆うよう配備され、SUSワイヤで編んで形成された筒状のアウターブレード25とで形成される。
前円筒パイプ22は分岐パイプ8の接続筒部11に外嵌され、同様に、後円筒パイプ23はその後側端が中間フロントパイプ12の前端に外嵌されて溶接結合される。なお、前後の各円筒パイプ22、23は前後対称の状態で形成され、ここでは前円筒パイプ22を主に説明する。
【0019】
前円筒パイプ22は円周面f上に外周方向に突出する突出部27を形成され、同突出部27は蛇腹管24の山部26の裏側面を成す凹部28と対向する部位に形成される。前円筒パイプ22の突出部27は対向する蛇腹管24の山部26のほぼ1周分に近い螺子状部として形成される。
突出部27はこれに蛇腹管24が嵌合し、山部26の凹部28が噛み合うことで、両者の当接部分aが前円筒パイプ22と蛇腹管24との間での荷重伝達を行なえ、しかも、蛇腹管24と前円筒パイプ22との相対的な軸線方向Xのずれを抑えることができる。
【0020】
図1の前円筒パイプ22はその円周面fにほぼ1周分の螺子状の突出部27を形成しているが、これに代えて、図1に2点鎖線で示すように、前円筒パイプ22がその1周分より多い2周分に近い螺子状の突出部27’を形成しても良い。この場合、当接部分aが増加し、前円筒パイプ22と蛇腹管24との間での荷重伝達を十分に行なえ、しかも、蛇腹管24と前円筒パイプ22との相対的な軸線方向Xのずれをより確実に抑えることができる。
【0021】
更に、図6(a),(b)に示すように、前円筒パイプ22がその1周分の螺子状の突出部27より短い短片状の突出部27”を螺旋方向に沿って間欠的に複数(ここでは3つ)形成しても良く、この場合、当接部分が低減して円筒パイプ22への蛇腹管24のねじ込み操作時の摩擦抵抗が低減し、組付け作業が容易化される。
【0022】
ここで、フレキシブルパイプ1及びその要部を成す蛇腹管24の作成工程を説明する。
ここでは不図示の長寸の蛇腹管素材が供給され、これより所定の長さLの蛇腹管24を切り出す。まず、不図示の蛇腹管素材は切断処理に先立ち切断個所の計測が成され、所定切断部位が切断基準位置C0として決定される。
【0023】
次いで、不図示の蛇腹管基材の要部は、図1に示すように、山部26と谷部29を交互に軸線方向Xに一定間隔tで重ねて連続形成されていることより、切断基準位置C0に近い谷部29の中央位置より適宜の切断機、例えば金鋸により1周分の切断が成され、1周前の谷部29’で周方向の切断が止められ、切断端部s1が形成される。次いで、切断基準位置C0より山部26を経て1周前の谷部29’に達する、即ち、軸線方向Xへの切断がなされ、切断端部s2が形成される。これら両切断端部s1,s2は、図3の平面視で略かぎ型を成す。なお、蛇腹管の反対側端部も前後対象に切断され、切断端部s1、s2が形成される。
【0024】
切り取られた蛇腹管24は、切断基準位置C0に最も近い部位の一周分の螺旋状の山部26を最端山部26rとし、その最端山部26rより軸線方向X側に延出する谷部29を最端谷部29rとして形成される。
蛇腹管24は螺旋状の山部26の裏側面に凹部28が形成されていることより、切断端部s2の位置において、最端山部26rの一部を成し円周方向r(図5で紙面垂直方向)に向かって開口する開口部mを形成する円周端部31が形成される。
【0025】
このように所定の長さLに切断された蛇腹管24はその前端側が前円筒パイプ22に外嵌され、最端山部26rの円周端部31がその開口部mを円筒パイプの螺子状の突出部27に捩じ込み操作されることで、相互の軸線方向Xの嵌合量を増し、所定の嵌合量を保持する。
次いで、最端山部26rの円周端部31は前円筒パイプ22の円周面fに沿うように不図示のハンマーやプレス機を用いて押し潰し処理される。この押し潰し処理により、円周端部31の開口部mは排除されて、円周端部31は円筒パイプの円周面f側に押し潰され、円周面fに重なる状態となる。
【0026】
次いで、このような蛇腹管24の前端部分は前円筒パイプ22に溶接される。この溶接作業では最端山部26rの裾より軸方向端部側に延出する最端谷部29rの切断端部s1が前円筒パイプ22の外周面に重ねられ、両部が全周に渡って溶接される。この溶接処理では前円筒パイプ22の外周面に溶接厚さhの溶接ビードbaが形成される。
【0027】
更に、押し潰された円周端部31の切断端部s2は前円筒パイプ22の円周面fに重ねられ、軸線方向Xに沿って溶接され、前円筒パイプ22の円周面fに溶接厚さhの端部溶接ビードbbが形成される。ここで、端部溶接ビードbbの溶接止め端部gは最端谷部29rの1周前の部位及びそれに続く谷部29’とを円周面fに溶接する谷溶接ビードbaの1周前の部位に当接する。この端部溶接ビードbbの溶接止め端部gは最端山部26rの1周前の部位及びそれに続く山部26’には達していない。
【0028】
なお、このような蛇腹管24の前端側部と前円筒パイプ22の溶接結合処理と同様に蛇腹管24の後端側部と後円筒パイプ23の溶接結合処理も行なわれ、これによって、前後円筒パイプ22、23を一体化した蛇腹管24の蛇腹管アッセンブリーJが完成する。
【0029】
蛇腹管アッセンブリーJは蛇腹管24の山部26の凹部28に前後の各円筒パイプ22、23の突出部27が嵌合することで、当接部aを確保できる。この当接部aは蛇腹管24側と各円筒パイプ22、23との間の荷重伝達を行なえる。このため、蛇腹管24と各円筒パイプ22、23との間の荷重伝達がなされるにあたり、各溶接ビードba、bbで荷重伝達されていた荷重の一部を当接部aが代わって行なうことができ、各溶接ビードba、bbに加わる荷重を低減させることができ。この点より、各溶接ビードba、bbが各山部26r,26’と当接する部位での応力集中部の発生レベルを確実に低減させることができ、疲労強度の低下を抑え、経時的に亀裂が発生することを防止できる。
【0030】
更に、蛇腹管24の円周端部31は円筒パイプ22側に重ねられ、その開口部mが排除されているので、円周端部31の円筒パイプ22の円周面fへの溶接では、単に切断端部s2を円筒パイプの円周面fに溶接するだけで良い。このため、開口部mがあった場合のように、開口部mを閉鎖すべく溶接ビードb1(図5に2点鎖線で示す)の溶接厚さt1を盛り上げる必要はなく、ここでの溶接厚さhは比較的小さくなり、この点で溶接作業性を向上させることができる。
【0031】
更に、円周端部31に開口部mが存在したままで同部を溶接した場合のように、開口部mを閉鎖させる作業を必要としないことより、切断端部s2の端部溶接ビードbbが切断端部s1の谷溶接ビードbaを乗り越えることがない。このため、図5に2点鎖線で示すように、溶接止め端部g(○印の位置)が最端山部26r及びそれに連続する山部26’側の頂部p近傍にまで達することを容易に防止できる。
【0032】
このため、例えば、図5に2点鎖線で示す従来溶接構造のように、溶接ビードb1が谷溶接ビードbaを乗り越えて溶接されることを排除できる。即ち、ここでは、最端山部26r及びそれに連続する山部26’側を溶接する端部溶接ビードbbが谷溶接ビードbaを乗り越えず、単に、谷溶接ビードbaに当接するのみである。このため、図8で説明したような従来の溶接止め端部b0’の位置に生じ易い応力集中の発生を確実に抑制でき、疲労強度の低下を抑え、経時的に亀裂が発生することを防止でき、蛇腹管24の耐久性を向上させることができる。
【0033】
このような蛇腹管アッセンブリーJは、この後、その外側全域を膨出円筒状で可撓性を有するアウターメタルクロス32で覆われる。このメタルクロス32の前後筒部321は前後円筒パイプ22、23の長手方向での中間部に外嵌され、同前後筒部321は締結ベルト33でずれなく前後円筒パイプ22、23に締結結合され、蛇腹管アッセンブリーJを筒状のアウターブレード25で覆い、アウターブレード25の前後端部と前後円筒パイプ22、23の重合部を溶接し、フレキシブルパイプ1が完成する。
【0034】
フレキシブルパイプ1の前円筒パイプ22はその突出し端が分岐パイプ8の接続筒部11に外嵌され、相互に気密性を確保するよう溶接結合され、同じく、フレキシブルパイプ1の後円筒パイプ23はその突出し端が中間フロントパイプ12の前側端に外嵌され、相互に気密性を確保するよう溶接結合され、これらが前部排気管5の前側部を形成する。
【0035】
このようなフレキシブルパイプ1を用いた前部排気管5とその下流の後部排気管6とで排気路Rを形成した車両2はそのエンジン駆動時において、フレキシブルパイプ1の蛇腹管24が確実にエンジン振動を吸収でき、前部排気管5の後部側や後部排気管6の振動を抑制でき、これら排気管5、6より不図示の車体低壁側にエンジン振動が伝達されることを抑制でき、車内振動騒音のレベルを低減できる。しかも、車両の走行時に、振動S(図5参照)を受けた最端山部26rや山部26’がその頂部Pで比較的大きく振動しても、裾側での振動が比較的小さいことより、裾側に溶接止め端部gが位置することで、その部位の変位が小さく、応力集中部の発生を確実に低減し、或いは排除でき、疲労強度の低下を抑え、経時的に亀裂が発生することを防止でき、蛇腹管24及びフレキシブルパイプ1の耐久性を向上させることができる。
【0036】
上述の説明において、本願発明の蛇腹管の溶接構造は前部排気管5の一部を成すフレキシブルパイプ1に適用されていたが、このフレキシブルパイプ1に代えて、単に、蛇腹管の前後に前後円筒パイプを溶接結合して成る不図示の蛇腹管アッセンブリーに本願発明の蛇腹管の溶接構造を採用しても良い。更に、エンジンと同様に振動を発するコンプレッサ等の配管の一部に用いられる不図示の蛇腹管アッセンブリーを本願発明の蛇腹管の溶接構造を採用して作成し、使用しても良く、このような場合も、図1のフレキシブルパイプ1の場合とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、円周端部が円筒パイプの円周面側に傾くと共に同円周端部の軸方向の切断端部が円周面に重なるように形成され、同軸方向の切断端部が円筒パイプに溶接結合されるので、この円周端部が開口部を形成した状態のままで円筒パイプに溶接結合される場合と比べて、溶接ビードのビード厚さが比較的小さくて済み、溶接端部と山部との対向角を拡大することができ、この溶接端部に生ずる応力集中の増大を抑制できるため、疲労強度の低下を抑え、耐久強度を向上できる。
【0038】
請求項2の発明は、円筒パイプの突出部が蛇腹管の山部の裏側面と対向する部位より外周方向に突出部を突出し形成するので、この突出部を山部の裏側面の凹部に嵌合させることで、円筒パイプと蛇腹管との間での荷重伝達を突出部と山部の裏側面との当接部分で行なえ、しかも、蛇腹管の軸方向のずれを抑えるので、円筒パイプと蛇腹管の溶接結合部に加わる荷重を低減させることができ、耐久強度を向上できる。
【0039】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の蛇腹管の溶接構造を内燃機関の排気装置に適用することで、内燃機関の排気装置の耐久強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての蛇腹管の溶接構造を適用したフレキシブルパイプの要部切欠断面図である。
【図2】図1のフレキシブルパイプを排気系に装備する車両の概略図である。
【図3】図1のフレキシブルパイプ内の蛇腹管アッセンブリーの要部切欠平面図である。
【図4】図1のフレキシブルパイプ内の蛇腹管アッセンブリーの要部切欠断面図である。
【図5】図1のフレキシブルパイプ内の蛇腹管アッセンブリーの溶接部の拡大切欠断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態としてフレキシブルパイプで用いる円筒パイプであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】従来の蛇腹管の要部切欠平面図である。
【図8】従来の蛇腹管の拡大切欠断面図である。
【符号の説明】
1 フレキシブルパイプ
2 車両
3 エンジン
5 前部排気管(排気装置)
6 後部排気管(排気装置)
22、23 円筒パイプ
24 蛇腹管
26r 最端山部
27、27’、27” 突出部
28 凹部
29r 最端谷部
31 円周端部
f 円周面
m 開口部
r 円周方向
X 軸線方向
Claims (3)
- 円筒パイプに軸方向端部が外嵌される螺旋状の山部を有する蛇腹管を備え、上記蛇腹管の軸方向端部には谷部における切断基準位置より一周前の谷部に達する周方向の切断端部と上記切断基準位置より軸方向に沿って上記山部を経て上記一周前の谷部に達する軸方向の切断端部が形成されると共に、上記軸方向の切断端部において上記山部の一部を成す円周端部が形成され、
上記切断基準位置に最も近い一周分の螺旋状の山部である最端山部における周方向の切断端部と軸方向の切断端部とが上記円筒パイプに溶接結合される蛇腹管の溶接構造において、
上記円周端部が上記円筒パイプの円周面側に傾くと共に同円周端部の軸方向の切断端部が円周面に重なるように形成され、同軸方向の切断端部が円筒パイプに溶接結合される
ことを特徴とする蛇腹管の溶接構造。 - 請求項1記載の蛇腹管の溶接構造において、
上記円筒パイプは上記蛇腹管の山部の裏側面と対向する部位に外周方向に突出する突出部を形成した
ことを特徴とする蛇腹管の溶接構造。 - 請求項1又は2に記載の蛇腹管の溶接構造において、
上記円筒パイプ及び上記蛇腹管が内燃機関の排気管の一部を構成して、内燃機関の排気装置に適用される
ことを特徴とする蛇腹管の溶接構造。
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