JP4109666B2 - 電波レンズアンテナ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ルーネベルグレンズを使用した電波レンズアンテナ装置、詳しくは、降雨時や融雪時の受信感度低下を抑えた電波レンズアンテナ装置に関する。
ルーネベルグレンズを用いた電波レンズアンテナ装置は、複数の通信相手との同時通信が可能なマルチビーム対応型のアンテナ装置として期待され、パラボラアンテナに代わる静止衛星用アンテナ装置などとして提供されだしている。
誘電体で形成されるルーネベルグレンズの基本形状は球であるが、コンパクト化のために半球状のルーネベルグレンズとそのレンズよりも径大の電波反射板(以下、単に反射板と言う)とを組み合わせて球と等価な機能を確保した電波レンズもある。この反射板を組み合わせたアンテナ装置は、反射板を起立した姿勢にして目的の静止衛星を仰ぎ見る位置、例えば、建物の壁面やベランダの柵などに設置することができる。また、反射板を地面とほぼ平行にしてビルの屋上などに設置することもでき、設置の自由度が高い。
ところで、ルーネベルグレンズを用いたアンテナ装置は、レンズの外面を耐水性のあるカバーで覆っている。たとえば、下記特許文献1には、ルーネベルグレンズと一体成形された半球状のレドームが開示されており、また、下記特許文献2などには、アンテナ素子を含むアンテナ装置の全体をレドームで覆うことが開示されている。さらに、下記特許文献3には半球状のレンズを半球状のカバーで覆うことが開示されている。
このようにレンズをレドームや半球状のカバーで覆っているので、雨にぬれても耐久性などには特に問題はでない。ところが、使用中に降り注いだ雨がレンズの上部に滞留したり、レンズの表面(表面保護層の外面)を伝って流れ落ちたりすると、減衰C/N量(信号と雑音との電力比))が大きくなって電波の受信感度が低下する。また、レンズ上に降り積もった雪やレンズ上の氷結が融け、融水がレンズの表面を伝って流れるときにもその受信感度の低下が起こる。
従来の電波レンズアンテナ装置は、かかる問題に対して配慮するところがなく、受信感度低下の問題が起こりやすかった。また、アンテナ装置の全体をレドームで覆ったものは、
強度確保の面からレドームの肉厚を厚くする必要があるため、レドームに起因した電気性能の低下や、サイズ増、重量増、コストアップなどの問題もあった。
特開昭50−116259号公報 特開2000−183645号公報 特開2002−232230号公報 特開2004−282718号公報
ルーネベルグレンズを用いた静止衛星用アンテナ装置としては、たとえば、前項の特許文献4に記載のものが提案されている。このアンテナ装置は、静止衛星からの電波を受信するアンテナとしては非常に優れたものであるが、降雨時や融雪時にルーネベルグレンズ上に滞留又は流れる水滴の影響を受け易く、受信感度が低下しやすいと言う課題があった。
この発明は、雨水や融雪水などによる受信感度の低下を抑えて信頼性を向上させた電波レンズアンテナ装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、半球状のルーネベルグレンズと、このレンズの球の2分断面部に沿わせるレンズ径よりも大サイズの電波反射板と、アンテナ素子と、このアンテナ素子を保持する保持具とからなる電波レンズアンテナ装置に、ルーネベルグレンズの表面に対する雨、雪、氷の付着又は付着後の滞留、流水を防ぐ氷雪水防止手段を設けた。また、その氷雪水防止手段を、一部の半球部がルーネベルグレンズを覆い、残りの一部である上部が電波レンズアンテナ装置の一部をさらに覆うカバーで構成し、そのカバーは前記上部の傾斜角が前記ルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きく、前記レンズの半径をR、地面に対して垂直な線とのなす角がθ の位置でのレンズ中心からカバーまでの距離をR 、前記垂直な線とのなす角がθ の位置でのレンズ中心からカバーまでの距離をR として、θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たしているものにした。流水については、アンテナ素子と対面した位置のレンズ表面への水の流れを防止する。
前記氷雪水防止手段を構成するカバーの好ましい例として、反射板を地面に対して起立させた状態においてルーネベルグレンズの全体を覆い、かつ、そのカバーの上部の傾斜角がルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きくなっているものや、反射板を地面に対して水平にした状態においてカバーの上部がルーネベルグレンズの上部を覆い、そのカバーの前記上部の傾斜角がルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きくなっているものなどが考えられる。カバー表面の傾斜角とレンズ表面の傾斜角は、レンズの半球状表面の任意の点と、レンズ中心とその任意の点を結ぶ直線を延長した線がカバーと交わる点の傾き(比較の各点に接する面が地面に対して傾いた角度)を比較する。
また、前記カバーを、反射板を地面に対して起立させた状態においてルーネベルグレンズを覆う半球状の第1カバーと、この第1カバーの上部を覆う第2カバーとで構成し、第2カバーの上部の傾斜角を第1カバーの上部の傾斜角よりも大きくしたものも好ましい。この場合、第2カバーの下端を、レンズから離反させてレンズの中央よりも下側まで延ばしておくとより好ましい。第2カバー表面の傾斜角と第1カバーの表面の傾斜角は、第1カバーの表面の任意の点と、レンズ中心とその任意の点を結ぶ直線を延長した線が第2カバーと交わる点の傾き(比較の各点に接する面が地面に対して傾いた角度)を比較する。
前記カバーは、反射板を地面に対して水平にした状態においてルーネベルグレンズを覆う半球状の第1カバーと、この第1カバーの上部を覆う第2カバーとで構成し、第2カバーの上部の傾斜角を第1カバーの上部の傾斜角よりも大きくしたものも考えられる。これは、反射板を地面に対して水平にして設置するアンテナ装置に利用することができる。
氷雪水防止手段は、ルーネベルグレンズを覆うカバーの表面に堰堤を含ませて構成され、その堰堤が、アンテナ素子とレンズ中心とを結ぶ線よりも上側にあり、かつ、所定の範囲に横に延びて設けられているものであってもよい。この場合の堰堤は、凹状、凸状、表面段差部のいずれかで構成される。この堰堤は、カバー表面のアンテナ素子と対面する部位の上方で地面からの高さ位置が高く、そこから両端に向かって地面からの高さ位置が低くなっているものや、表面に撥水処理を施したものなどが好ましい。
氷雪水防止手段は、アンテナ素子とルーネベルグレンズとの間に配置して、アンテナ素子とルーネベルグレンズのアンテナ素子に対面した領域の表面を覆うカバーを含ませたものであってもよい。
氷雪水防止手段は、以下に列挙するものなども考えられる。
・アンテナ装置の一部を覆うカバーを設け、そのカバーの表面を撥水処理して構成されるもの。
アンテナ装置の一部を覆うカバーの表面に、疎水部が親水部の中に島状に点在するように親水処理と撥水処理を施して構成されるもの。これは、疎水部の面積を親水部の面積よりも大きくしたものが好ましい。
・カバーが合成樹脂、ゴム、繊維、硝子又はこれらの材料の複合物で形成されたもの。これは、合成樹脂、ゴム、硝子の発泡体を用いてもよい。
この発明の電波レンズアンテナ装置は、アンテナ装置の一部を覆うカバーで構成されてルーネベルグレンズの表面に対する雨、雪、氷の付着又は付着後の滞留やアンテナ素子の前方への流水を防ぐ氷雪水防止手段を設けたので、雨水や融水がレンズの表面に付着、滞留することが抑制される。カバーの表面に堰堤を氷雪水防止手段に含ませた電波レンズアンテナ装置は、カバーの表面を伝って流れる雨水や融水が堰堤に誘導されあるいは堰きとめられてアンテナ素子に向かう電波の通り道に流れることが抑制される。従って、この発明によれば、雨水や雪、氷の付着滞留が減少し、さらに、雨水や雪、氷が溶けたときの融水がアンテナの受信感度に大きな影響を及ぼす位置、すなわち、アンテナ素子に対応した位置のレンズ表面部へ流れることも少なくなり、流水に起因した受信感度の低下が小さく抑えられる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。この発明の電波レンズアンテナ装置は、図1に示す半球状のルーネベルグレンズ1(以下単にレンズ言う)と、このレンズ1の球の2分断面部に沿わせるレンズよりも径大の電波反射板(以下、単に反射板という)2と、レンズの焦点部に配置するアンテナ素子3と、このアンテナ素子3を保持する保持具4とを備えている。
レンズ1は、誘電体で形成されたレンズであり、内部の比誘電率が中心から外部に向かってほぼ2〜1に変化し、球をなす表面の近くに焦点を有している。このレンズ1は、樹脂製の表面の平滑な半球状の第1カバー5で外周を覆って保護している。
反射板2は、縦、横の寸法がレンズ1の外径よりも大きい。この発明の電波レンズアンテナ装置は、反射板2を地面に対してほぼ垂直にする場合と、地面に対して傾けて前傾姿勢にする場合と、地面に対してほぼ平行にする場合とがある。いずれの場合も、アンテナ素子3は目標とする静止衛星からの電波が収束される位置(焦点部)に配置される。
アンテナ素子3は、LNB(低ノイズブロック)と称されるものを用いている。このアンテナ素子3は、ホーンアンテナを使用したものや、筒状アンテナの前部に誘電体を装架したものなどが使用される。また、保持具4としては、素子位置の微調整が可能なアームなどが使用される。
図1のアンテナ装置に、この発明を特徴づける氷雪水防止手段を設けた例を図2〜図20に示す。図2は、反射板2を地面に対してほぼ垂直向きにして設置する電波レンズアンテナ装置で、レンズ1の全体を覆い、かつ、そのカバーの上部の傾斜角がレンズ1の上部の傾斜角よりも大きくなっている第1カバー5を設けて、この第1カバー5を氷雪水防止手段として働かせるようにしたものである。
第1カバー5とレンズ1との間の空間14は空隙でもよいが、誘電率が極めて1に近い高発泡率のオレフィン系樹脂発泡体で充填されている方が望ましい。
第1カバー5の表面の傾斜角がレンズの傾斜角よりも大きいもの、より好ましくは、図2においてレンズ半径をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第1カバー5までの距離をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第1カバー5までの距離をRとして、θ>θかつ、θ≦πR/2のとき、R>R>Rの条件を満たす形状のものがよい。
一方、図3は、反射板2を地面に対してほぼ垂直向きに設置する電波レンズアンテナ装置に、アンテナ装置の一部を覆う非球状の第2カバー6を設け、この第2カバー6の表面の傾斜角を第1カバー5の表面の傾斜角よりも大きくし、この第2カバー6を氷雪水防止手段として働かせるようにしたものである。
第2カバー6は、外面の傾斜角がレンズ上部の傾斜角よりも大きいもの、より好ましくは、図3においてレンズ半径をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第2カバー6までの距離をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第2カバー6までの距離をRとして、θ>θかつ、θ≦πR/2のとき、R>R>Rの条件を満たす形状のものがよい。
図4に示すように、第2カバー6の下端を、レンズ1から離反させてレンズ中央よりも下側まで延ばして(スカート部6aを形成する)おくと、雨水や氷雪融水の付着・滞留防止効果の他に、水滴が第1カバー5の下部へ乗り移りにくくなり、アンテナ素子3に向かう電波の通り道に水滴が流れて電波の移動が阻害されることも抑制されるため、より好ましい。
また、図3に示すアンテナ装置は、第2カバー6の下縁が図5に示すようにレンズ1の表面に接触していてもよく、図6に示すように隙間gが生じるようにレンズから離反させてもよい。レンズに接触させると耐風性が増し、レンズから離反させると、第2カバー6を伝わって流れる水がレンズ1の表面(第1カバー5)に乗り移りにくくなる。
第1カバー5の厚みは、アンテナの電気性能に与える悪影響を小さくするため、2mm以下、より好ましくは1mm以下とするのがよい。
また、第1カバー5とレンズ1との間の隙間は、電気的ロスを軽減し、かつ、強度を保持するために小さい方が望ましく、これらが接着、融着されていてもよい。
また、第1カバー5の表面は塗装されていてもよい。
第2カバー6は、電波を通過させる材料、例えば、合成樹脂、ゴム、繊維、硝子、或いはそれらの複合物(例えば積層体)などで形成する。特に種類は問わないが、ポリオレフィン系樹脂のように電気的tanδの低い材料を用いることが望ましい。
この第2カバー6は、成形品である必要はない。保形性のない薄いシート状のカバーや薄いファブリックであってもよい。シート状のカバーやファブリックは風を受けるとはためくため、表面に付着した水滴が飛散しやすく、水切り性に優れる。一方、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂など透明の樹脂を用いると嵩高さを緩和させることができる。
また、第2カバー6の上端は、図7に示すように、反射板2の上端よりも下側にあってもよい。
さらに、第2カバー6の厚みは、第1カバー5と同様、アンテナの電気性能に与える悪影響を小さくするため、2mm以下、より好ましくは1mm以下とするのがよい。また、厚みは一定である必要はなく、図8に示すように厚みが変化してもよい。厚み変化により、強度を確保しながらアンテナ装置の電気性能に与える影響を小さくすることができる。さらに、図9に示すように、縦リブ6cや横リブ6dなどを備えて強度を高めると、第2カバー6を薄くして材料費やカバーの重量を削減したりすることが可能になる。図示の縦リブ6cは、折り目を利用したものであるが、リブは成形されたものであってもよい。
第2カバー6を反射板2に当接させる縁部をシールしてそこから内側への雨水の流れ込みを防止するようにしておくのがよい。縁部のシールは、両面粘着テープなどでシールすることにより実現できる。一方、縁部をねじやボルトで反射板2に固定してはずれ防止の信頼性を高めておくのがよい。図10に示すような取り付けフランジ6bなどを設けると、第2カバー6をねじやボルトで信頼性よく取り付けることができる。また、樹脂製のボルトなどを使用して、着脱自在にすることも可能である。
図11は、反射板2を地面に対してほぼ平行向きにして設置する電波レンズアンテナ装置であり、この装置に、レンズ1の全体を覆い、かつ、そのカバーの上部の傾斜角がレンズ1の上部の傾斜角よりも大きくなっている第1カバー5を設けて、この第1カバー5を氷雪水防止手段として働かせるようにしたものである。
第1カバー5とレンズ1との間の空間14は空隙でもよいが、誘電率が極めて1に近い高発泡率のオレフィン系樹脂発泡体で充填されている方が望ましい。
第1カバー5の表面の傾斜角がレンズの傾斜角よりも大きいもの、より好ましくは、レンズ半径をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第1カバー5までの距離をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第1カバー5までの距離をRとして、θ>θかつ、θ≦πR/2のとき、R>R>Rの条件を満たす形状のものが水切り性に優れて好ましい。
一方、図12は、反射板2を地面に対してほぼ水平向きにして設置する電波レンズアンテナ装置に、アンテナ装置の一部を覆う非球状の第2カバー12を設け、この第2カバー12の表面の傾斜角を第1カバー5の表面の傾斜角よりも大きくし、この第2カバー12を氷雪水防止手段として働かせるようにしたものである。
第2カバー12は、外面の傾斜角がレンズの傾斜角よりも大きいもの、より好ましくは、図12においてレンズ半径をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第2カバー12までの距離をR、反射板2とのなす角がθの位置でのレンズ中心から第2カバー12までの距離をRとして、θ>θかつ、θ≦πR/2のとき、R>R>Rの条件を満たす形状のものがよい。
図13は、反射板2を地面に対してほぼ垂直向きにして設置する電波レンズアンテナ装置に、アンテナ素子3とその素子に対面する位置のレンズ表面(第1カバー5)との間に第3カバー15を配置してこの第3カバー15を氷雪水防止手段として働かせるようにしたものである。第3カバー15は、アンテナ素子3とレンズ1の中心とを結ぶ線よりも上にあればよい。形状は特に規定されないが、筒状のものが装着しやすくて好ましい。この第3カバー15は、反射板2を地面に対してほぼ水平向きにして設置するアンテナ装置にも採用できる。この第3カバー15を既述の第1カバー5や第2カバー6或いは12と併用することで相乗効果を得ることができる。
図14〜図16は、レンズ1を覆う半球状カバー5A(これは前述の第1カバーと同じものでよい)の表面に堰堤9を設けた電波レンズアンテナ装置である。電波レンズアンテナ装置は、レンズ1をカバーで覆って保護するのが一般的であり、そのための半球状カバー5Aを備えている。この半球状カバー5Aの外面に堰堤9を設けている。堰堤9は、アンテナ素子3とレンズ1の中心とを結ぶ線よりも上側にあり、所定長さを持つように左右に延びだしている。
アンテナ素子3に対応した位置のカバー表面部は、アンテナ素子3に向かう電波が通過する領域であるので、この領域への流水を阻止すれば流水に起因した電波の減衰量を小さくすることができる。この目的を達成するために、半球状カバー5Aの外面に流水の移動経路を遮る堰堤9を設けている。堰堤9は、図15(a)に示す凹状9aで形成されたもの、図15の(b)、(c)に示す凸状9bで形成されたもの、図15(d)、(e)に示すように半球状カバー5Aの外面に段差部9cを設けてその段差部で形成されたもののいずれであってもよい。いずれも所定の幅を持ったものを設ける。
なお、図16に示すように、堰堤9はアンテナ素子3と対面する部位の上方で地面からの高さが高く、ここから幅方向の両端に向かって地面からの高さが次第に低くなっているものが、流水を受信に支障の無い領域に案内する効果が高くて好ましい。
図17の電波レンズアンテナ装置は、半球状の第1カバー5の外面に、アンテナ素子3に対応した位置のカバー表面部への流水を抑える堰堤13を設けたものである。このように反射板2を地面に対して垂直に配置した場合だけでなく、地面に対して水平に配置した場合にも堰堤は所期の効果を発揮する。
図18は、氷雪水防止手段として図3の第2カバー6と図14の堰堤9とを併設した電波レンズアンテナ装置であり、雨水や氷雪の融水の付着・滞留を阻止する第2カバー6の効果と、流水をアンテナ素子3との対面位置に流れなくする堰堤9の効果が相乗的に発揮されるため、きわめて高い効果が得られ、降雨時、氷雪融解時の電波減衰量を大幅に低減することができる。
雨水や氷雪の融水の付着や滞留を防ぐ氷雪水防止手段の1つとしてカバー表面の撥水処理が、効果がある。第1カバー5や第2カバー6(又は12)に撥水処理を施すと、水はカバーとの接触角が大きくなり、はじかれてカバー表面に滞留しにくくなる。特に、傾斜の大きい第2カバー6(又は12)に撥水処理を施すと大きな滞留抑制効果を得ることができて好ましい。
図15、図16の堰堤9等、特に水切れ性を高めたい箇所に撥水処理を施し、疎水性を向上させてもよい。
撥水処理は、撥水性のある塗料を塗るのが一般的であるが、これに限定するものではなく、他の表面改質方法を用いて処理してもよい。
上記の各氷雪水防止手段は、例えば図19、図20に示すように、適当なものを組み合わせて使用することができる。
以下に、この発明の効果を確認するために行った試験について記す。試験は、表1に示す仕様の電波レンズアンテナ装置(実施例と比較例)を準備し、図21に示す測定系を利用してそれらのアンテナ装置の雨天時、降雪時の受信感度(C/N)を10分おきに測定した。普通、C/N<6でTV画面に画像が映らなくなるので、C/N≧6となる時間を調査してC/N<6となる時間に対する割合を求めた。結果を表1に示す。この表1からわかるように、この発明の工夫を施したものは、比較例に比べて電波障害を受ける時間が短く(映像が映る時間が長い)、この発明の氷雪水防止手段が、雨や雪などによる受信感度低下を抑制するのに有効であることがわかる。
Figure 0004109666
この発明の適用対象となる電波レンズアンテナ装置の概要を示す斜視図 この発明の電波レンズアンテナ装置の一例を示す側面図 他の実施形態の部分破断側面図 さらに他の実施形態の部分破断側面図 さらに他の実施形態の側面図 さらに他の実施形態の部分破断側面図 さらに他の実施形態の部分破断側面図 さらに他の実施形態の部分破断側面図 リブ突きカバーの一例を示斜視図 さらに他の実施形態の斜視図 さらに他の実施形態の側面図 さらに他の実施形態の部分破断側面図 さらに他の実施形態の側面図 さらに他の実施形態の側面図 (a)〜(e)堰堤の断面形状を示す図 (a)〜(c)堰堤の設置状態を示す正面図 さらに他の実施形態の側面図 さらに他の実施形態の側面図 さらに他の実施形態の斜視図 さらに他の実施形態の側面図 効果の確認実験に用いた測定系を示す図
符号の説明
1 ルーネベルグレンズ
2 反射板
3 アンテナ素子
4 保持具
5、5A 第1カバー
6、12 第2カバー
6a スカート部
6b フランジ
6c 縦リブ
6d 横リブ
7 カバー(レドーム)
9、13 堰堤
9a 凹条
9b 凸条
9c 段差部
10 親水部
11 疎水部
14 空間
15 第3カバー

Claims (9)

  1. 半球状のルーネベルグレンズと、このレンズの球の2分断面部に沿わせるレンズ径よりも大サイズの電波反射板と、アンテナ素子と、このアンテナ素子を保持する保持具とからなる電波レンズアンテナ装置に、ルーネベルグレンズの表面に対する雨、雪、氷の付着又は付着後の滞留や流水を防ぐ氷雪水防止手段を設け、その氷雪水防止手段を、一部の半球部がルーネベルグレンズを覆い、残りの一部である上部が電波レンズアンテナ装置の一部をさらに覆うカバーで構成し、そのカバーは前記上部の傾斜角が前記ルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きく、前記レンズの半径をR、地面に対して垂直な線とのなす角がθ の位置でのレンズ中心からカバーまでの距離をR 、前記垂直な線とのなす角がθ の位置でのレンズ中心からカバーまでの距離をR として、θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たしていることを特徴とする電波レンズアンテナ装置。
  2. 前記カバーの一部の半球部が、前記電波反射板を地面に対して起立させた状態においてルーネベルグレンズの全体を覆い、このカバーの前記上部の傾斜角が前記ルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きく、かつ、その上部の傾斜角が前記θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たすものになっている請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  3. 前記カバーが、前記電波反射板を地面に対して起立させた状態においてルーネベルグレンズを覆う半球状の第1カバーと、この第1カバーの上部を覆う第2カバーとで構成され、前記第2カバーの上部の傾斜角第1カバーの上部の傾斜角よりも大きく、かつ、この第2カバーの上部の傾斜角が前記θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たすものになっている請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  4. 前記第2カバーの下端を、ルーネベルグレンズから離反させてレンズの中央よりも下側まで延ばした請求項3に記載の電波レンズアンテナ装置。
  5. 前記カバーの前記上部が、前記電波反射板を地面に対して水平にした状態においてルーネベルグレンズの上部を覆い、このカバーの前記上部の傾斜角が前記ルーネベルグレンズの上部の傾斜角よりも大きく、かつ、その上部の傾斜角が前記θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たすものになっている請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  6. 前記カバーが、前記電波反射板を地面に対して水平にした状態においてルーネベルグレンズを覆う半球状の第1カバーと、この第1カバーの上部を覆う第2カバーとで構成され、前記第2カバーの上部の傾斜角第1カバーの上部の傾斜角よりも大きく、かつ、この第2カバーの上部の傾斜角が前記θ >θ かつ、θ ≦πR/2のとき、R1>R2>Rの条件を満たすものになっている請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  7. ルーネベルグレンズを覆うカバーの表面に堰堤を設けその堰堤が、アンテナ素子とレンズ中心とを結ぶ線よりも上側にあり、かつ、所定の範囲に横に延びて設けられ、この堰堤を前記氷雪水防止手段の中にさらに含ませた請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  8. 前記氷雪水防止手段に、アンテナ素子とルーネベルグレンズとの間に配置してアンテナ素子とルーネベルグレンズのアンテナ素子に対面した領域の表面を覆うカバーをさらに含ませた請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
  9. 前記カバーの表面に撥水処理を施した請求項1に記載の電波レンズアンテナ装置。
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