JP4105002B2 - 振出式釣竿 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣竿、より詳しくは振出式釣竿の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、釣竿は、複数の釣竿構成部材を備えている。通常、各釣竿構成部材は、外径及び内径が異なる筒状に形成され、これらが軸方向に連結される(継がれる)ことによって、所定長さの釣竿が構成される。各釣竿構成部材の連結構造は、従来から種々提案されているが、各釣竿構成部材は、振出式に連結される場合が多い。
【0003】
各釣竿構成部材は、「節」と称され、外径の細い節から順に第1番節、第2番節と称される。また、最も外径の大きい節は、元節と称され、元節に連結される節は、元上節と称される。さらに、本明細書では、第1番節、元上節及び元節を除く節は、特に、中間節と称される。したがって、例えば3つの節からなる釣竿では、中間節は存在しないことになる。
【0004】
図7は、渓流用の釣竿1の正面図である。この釣竿1は、いわゆる7本継ぎタイプのものであり、第1番節2〜第7番節8が振出式に連結されている。つまり、第1番節2の後端部が第2番節3の先端部内側に嵌合されており、これにより、第1番節2が第2番節3から伸長した状態で当該第2番節3によって保持されている。なお、他の隣り合う2つの節についても同様である。
【0005】
ところで、釣りの最中に、隣り合う節同士の嵌合が緩くなること等が原因となって、例えば、第2番節3と第3番節4との嵌合が外れてしまうことがある。その場合、各節2〜8は振出式に連結されているから、第2番節3及び第1番節2は、第7番節8の内部まで落下してしまう。なお、このように中間節が元節8の内部に落下する現象は、「中子落ち現象」と称される。
図8は、釣竿1の一部断面要部拡大正面図であり、第7番節8の内部に第2番節3及び第1番節2が落下した状態を示している。
第2番節3及び第1番節2が第7番節8内に落下した場合には、釣人は、釣りを続行するために当該第2番節3及び第1番節2を各節4〜8から引き出す必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、同図が示すように、第2番節3及び第1番節2が第7番節8内に落下したときには、第2番節3の先端9は、第6番節7の後端10よりも後方に位置することになるため、この状態から第2番節3及び第1番節2が強引に各節4〜8から引き出された場合には、第2番節3の先端9が第6番節7の後端10に激しく衝突し、両者が損傷を受けるおそれがあるという問題がある。特に、渓流用に構成された釣竿1は、各節2〜8の肉厚がきわめて薄く、そのため、第2番節3の先端9及び第6番節7の後端10が損傷を受ける可能性は高い。
【0007】
なお、第7番節8の軸方向寸法A、第7番節8と第6番節7とのオーバラップ寸法B又は第2番節3の軸方向寸法Cが適当に調整されることによって、第2番節3の先端9と第6番節7の後端10との衝突が回避され得るが、仮にそうであったとしても、中子落ち現象が生じた場合には、第2番節3の先端9と第5番節6の後端との衝突が起こり得る。
【0008】
そこで、本発明の目的は、いわゆる中子落ち現象が起こった場合であっても、各節に損傷を与えることなく各節が復帰される釣竿を提供することである。
なお、従来では、中子落ち現象が生じたことにより上記問題が発生することは既に知られており、中子落ち現象が生じた場合には、釣人は、各節に損傷を与えないように各節を引き出す作業を慎重に行っていた。ただし、本発明に関連する先行技術文献については、本願出願時において本願出願人が知るものは存在しない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願に係る振出式釣竿は、筒状に形成され、振出式に組み立てられた4本以上の節と、これら節のうち中間節を構成する節の先端開口部の外側周縁部を覆うように配置され、当該外側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る先端部保護部材とを備えており、上記先端部保護部材は、上記中間節の先端部に外嵌される筒状を呈し、その先端角部は、面取処理が施されており、上記先端部保護部材の外径は、当該先端部保護部材の先端から後端側へ向かう方向に沿って漸次拡径されていることを特徴とするものである。
【0010】
釣人は、いわゆる中子落ち現象が発生した場合には、落下した中間節及び第1番節を元節等から引き出す作業(復帰作業)を行う。
釣竿は振出式に構成されているから、第1番節の後端部が第2番節の先端部内側に嵌合保持され、第2番節の後端部が第3番節の先端部内側に嵌合保持される。他の隣り合う節についても同様に、一般に、第n番節の後端部が第(n+1)番節の先端部内側に嵌合保持される。このため、第(n+1)番節の先端部内側において、第n番節の後端位置に当該第n番節の肉厚寸法に相当する段差が内側に生じる。
一方、中子落ち現象によって第m番節が落下した場合には、第1番節〜第m番節までが一体となって元節等まで落下する。そして、落下した各節についても振出式に構成されているから、第1番節と第2番節との境界部分に当該第2番節の肉厚寸法に相当する段差が外側に形成され、他の隣り合う節同士についても同様に段差が形成される。
【0011】
したがって、復帰作業の際に、落下した中間節及び第1番節が元節等の内部から引き出されるときには、上記外側に形成された段差部分が上記内側に形成された段差部分と衝突する。しかし、中間節を構成する節の先端開口部の外側周縁部は、先端部保護部材によって覆われているから、上記段差部分が直接に衝突することはなく、上記内側に形成された段差部分と上記先端部保護部材とが衝突することになる。つまり、上記中間節の先端開口部の外側周縁部は、先端部保護部材によって激しい衝突から保護される。
言い換えると、上記段差部分同士は、互いに衝突するものの、上記先端部保護部材によって、外側に形成された段差部分が内側に形成された段差部分を滑らかに乗り越える。これにより、当該外側周縁部に加えられる衝撃は、緩和されることになる。
この構成では、先端部保護部材は上記中間節の先端部にキャップ状に嵌め込まれるので、上記復帰作業の際には、当該先端部保護部材の先端角部が衝突することになる。この先端角部は面取りがなされているので、上記段差部分同士が衝突した場合には、上記外側に形成された段差部分は、内側に形成された段差部分を一層滑らかに乗り越えることができる。
この構成では、先端部保護部材の周面は、所定のテーパーが形成された傾斜面となる。したがって、上記復帰作業の際に、先端部保護部材の周面が衝突した場合であっても、当該先端部保護部材によって、上記外側に形成された段差部分が、内側に形成された段差部分を滑らかに乗り越えることができる。
【0012】
また、第3番節から元上節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置され、当該内側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る後端部保護部材がさらに備えられているのが望ましい。
この構成では、上記後端部保護部材が設けられているので、上記復帰作業の際に、上記段差部分が直接に衝突することはなく、上記先端部保護部材と上記後端部保護部材とが衝突することになる。つまり、上記中間節の先端開口部の外側周縁部は、先端保護部材及び後端部保護部材によって激しい衝突から確実に保護される。
したがって、上記段差部分同士は、互いに衝突するものの、上記先端部保護部材及び後端部保護部材によって、外側に形成された段差部分が内側に形成された段差部分をきわめて滑らかに乗り越える。これにより、当該外側周縁部に加えられる衝撃は、一層効果的に緩和されることになる。
【0013】
(2) また、上記目的を達成するため、本願に係る振出式釣竿は、筒状に形成され、振出式に組み立てられた4本以上の節と、これら節のうち第3番節から元上節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置され、当該内側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る後端部保護部材とを備えており、上記後端部保護部材は、上記第3番節から元上節までの後端部に内嵌される筒状を呈し、その後端角部は、その内径が先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径された案内面を備えることを特徴とするものである。
【0014】
前述と同様に、いわゆる中子落ち現象が発生した場合には、復帰作業が行われるが、落下した中間節及び第1番節が元節等の内部から引き出されるときには、上記外側に形成された段差部分が上記内側に形成された段差部分と衝突する。しかし、第3番節から元上節までの後端開口部の内側周縁部は、後端部保護部材によって覆われているから、上記段差部分が直接に衝突することはなく、上記内側に形成された段差部分と上記後端部保護部材とが衝突することになる。つまり、上記内側周縁部は、後端部保護部材によって激しい衝突から保護される。
言い換えると、上記段差部分同士は、互いに衝突するものの、上記後端部保護部材によって、外側に形成された段差部分が内側に形成された段差部分を滑らかに乗り越える。これにより、当該内側周縁部に加えられる衝撃は、緩和されることになる。
この構成では、後端部保護部材は、上記3番節から元上節までの後端部の内側に内蓋が嵌め込まれるようにして取り付けられるので、上記復帰作業の際には、当該後端部保護部材の後端角部が衝突することになる。この後端角部は上記案内面を備えているので、上記段差部分同士が衝突した場合には、上記外側に形成された段差部分は、この案内面と衝突し、その結果、上記内側に形成された段差部分を一層滑らかに乗り越えることができる。
【0019】
(3) さらに、上記目的を達成するため、本願に係る振出式釣竿は、筒状に形成され、振出式に組み立てられたn本(n≧5)の節と、第3番節から第(n−2)番節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置された後端部保護部材とを備え、上記後端部保護部材は、上記第3番節から第(n−2)番節までの後端部に内嵌される筒状を呈し、その後端角部は、その内径が先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径された案内面を備えており、第2番節の長さ寸法は、第n番節から第(n−1)番節が引き出された状態における当該第n番節の内底面から当該第(n−1)番節の後端までの距離よりも大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0020】
前述と同様に、いわゆる中子落ち現象が発生した場合には、復帰作業が行われるが、落下した節(すなわち、第1番節〜当該節)が第n番節等の内部から引き出されるときには、上記外側に形成された段差部分が上記内側に形成された段差部分と衝突する。ただし、第2番節の長さ寸法が上記のように設定されているので、当該第2番節が中子落ちし、これが復帰される場合であっても、当該第2番節の先端部が第(n−1)番節、すなわち元上節の後端部と衝突することはない。
【0021】
しかし、第3番節から第(n−2)番節までの後端開口部の内側周縁部は、後端部保護部材によって覆われているから、上記段差部分が直接に衝突することはなく、上記内側に形成された段差部分と上記後端部保護部材とが衝突することになる。つまり、上記内側周縁部は、後端部保護部材によって激しい衝突から保護される。
言い換えると、上記段差部分同士は、互いに衝突するものの、上記後端部保護部材によって、外側に形成された段差部分が内側に形成された段差部分を滑らかに乗り越える。これにより、当該内側周縁部に加えられる衝撃は、緩和されることになる。
この構成では、後端部保護部材は、上記3番節から第(n−2)番節までの後端部の内側に内蓋が嵌め込まれるようにして取り付けられるので、上記復帰作業の際には、当該後端部保護部材の後端角部が衝突することになる。この後端角部は上記案内面を備えているので、上記段差部分同士が衝突した場合には、上記外側に形成された段差部分は、この案内面と衝突し、その結果、上記内側に形成された段差部分を一層滑らかに乗り越えることができる。
【0022】
また、第2番節から第(n−3)番節までの先端開口部の外側周縁部を覆うように先端部保護部材がさらに配置されているのが好ましい。
この構成では、上記先端部保護部材が設けられているので、上記復帰作業の際に、上記段差部分が直接に衝突することはなく、上記先端部保護部材と上記後端部保護部材とが衝突することになる。つまり、上記先端開口部の外側周縁部は、先端保護部材及び後端部保護部材によって激しい衝突から確実に保護される。
上記先端部保護部材は、上記中間節の先端部に外嵌される筒状を呈し、その先端角部は、面取処理が施されているのが好ましい。
この構成では、先端部保護部材は上記中間節の先端部にキャップ状に嵌め込まれるので、上記復帰作業の際には、当該先端部保護部材の先端角部が衝突することになる。この先端角部は面取りがなされているので、上記段差部分同士が衝突した場合には、上記外側に形成された段差部分は、内側に形成された段差部分を一層滑らかに乗り越えることができる。
上記先端部保護部材の外径は、当該先端部保護部材の先端から後端側へ向かう方向に沿って漸次拡径されているのが好ましい。
この構成では、先端部保護部材の周面は、所定のテーパーが形成された傾斜面となる。したがって、上記復帰作業の際に、先端部保護部材の周面が衝突した場合であっても、当該先端部保護部材によって、上記外側に形成された段差部分が、内側に形成された段差部分を滑らかに乗り越えることができる。
したがって、上記段差部分同士は、互いに衝突するものの、上記先端部保護部材及び後端部保護部材によって、上記外側に形成された段差部分が上記内側に形成された段差部分をきわめて滑らかに乗り越える。これにより、当該内側周縁部に加えられる衝撃は、一層効果的に緩和されることになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿20の正面図である。
この釣竿20は、5つの釣竿構成部材21〜25からなり、いわゆる振出式に組み立てられている。各釣竿構成部材21〜25は、「節」と称され、外径の細い順に第1番節21〜第5番節25と称される。第4番節24は、特に「元上節」と称され、第5番節25は、特に「元節」と称される。本実施形態では、釣竿20は、いわゆる延べ竿と称されるもので、例えば渓流用として使用される。
【0025】
各節21〜25は、既知の要領で構成される。例えば、カーボンプリプレグが所定形状に裁断され、これが筒状に巻回されることによって、円筒状の節21〜25が形成される。
第1番節21は、第2番節22の内部に引き出し自在に収容されている。この第1番節21の先端には、釣糸が連結されるトップ部材26が設けられている。このトップ部材26の構成は、既知であるので、その詳しい説明は省略される。
【0026】
第1番節21は、全体としてテーパー状に形成されており、その先端部の外径よりも後端部の外径の方が大きくなるように形成されている。また、第1番節21の後端径は、第2番節22の先端径よりも大きく設定されている。したがって、第1番節21が第2番節22から引き出された際に、第1番節21の後端部分が第2番節22の先端部分と所定寸法だけオーバーラップした状態でかみ合って(内嵌して)おり、これにより、両者が固定されるようになっている。
なお、第2番節22と第3番節23との関係、第3番節23と元上節24との関係、及び元上節24と元節25との関係も同様である。
【0027】
元節25の後端部には、尻栓27が設けられている。尻栓27は、既知の構成であり、元節25の後端部に螺合されている。この尻栓27の端面28は、元節25の内底面を構成している。したがって、釣竿20が収納状態とされたとき(すなわち、第1番節21〜元上節24が元節25内に収容されたとき)は、第1番節21〜元上節24のそれぞれの後端面は、内底面28に当接するようになっている。
また、各節21〜25は、所定の長さ寸法に設定されており、特に、第2番節22は、後述の長さ寸法L1に設定されている(図6参照)。さらに、隣り合う各節22〜25のオーバラップ寸法も所定の長さに設定されており、特に、元上節24と元節25とのオーバーラップ寸法は、後述の寸法L2に設定されている(図6参照)。
【0028】
第2番節22の先端部には、図1が示すように先端部保護部材29が取り付けられている。
図2は、第2番節22の先端部の要部拡大斜視図であり、図3は、第1番節21と第2番節22との連結部分の要部拡大断面図である。これらの図は、先端部保護部材29の構成を詳細に図示している。
【0029】
図2及び図3が示すように、先端部保護部材29は、略円筒状に形成されている。先端部保護部材29の一端部には、径方向に延設されたスカート部31が形成されている。
先端部保護部材29は、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS304)等の金属により構成されている。もっとも、先端部保護部材29の材質は、金属の他に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)等樹脂やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム(SI)等のゴム等であってもよい。
【0030】
先端部保護部材29は、その他端部側から第2番節22の先端部に挿入されている。これにより、第2番節22の先端部周面は、先端部保護部材29の側面部32により覆われ、第2番節22の先端面は、先端部保護部材29の上記スカート部31により覆われる。
したがって、先端部保護部材29が第2番節22に取り付けられた状態では、第2番節22の先端開口部33の外側周縁部34が先端部保護部材29によって覆われる。
【0031】
先端部保護部材29の側面部32は、所定のテーパー(例えば、0/1000〜5/1000)が設けられており、これにより、先端部保護部材29の先端部外径よりも後端部外径の方が大きく設定されている。このようにテーパーが設けられていることによる作用効果については、後述される。
また、先端部保護部材29の先端角部35は、面取処理が施されている。本実施形態では、この先端角部35は、いわゆるR面に形成されている。もっとも、先端角部35は、R面に形成されるほかに、いわゆるC面に形成される等、他の種々の面取処理が施され得る。このように面取処理が施されることによる作用効果については、後述される。
【0032】
また、図1が示すように、第3番節23の後端部には、後端部保護部材30が取り付けられている。
図4は、第3番節23の後端部の要部拡大斜視図であり、図5は、第3番節23と元上節24との連結部分の要部拡大断面図である。これらの図は、後端部保護部材30の構成を詳細に図示している。
【0033】
図4及び図5が示すように、後端部保護部材30は、いわゆる段付きの円筒状に形成されている。すなわち、後端部保護部材30は、小径筒部36と、これに連続された大径筒部37とを備えており、両者間に段部が形成されている。
小径筒部36の外径は、第3番節23の内径に合致されており、大径筒部37の外径は、第3番節23の外径に合致されている。
後端部保護部材30は、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS304)等の金属により構成されている。もっとも、後端部保護部材30の材質は、金属の他に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)等樹脂やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム(SI)等のゴム等であってもよい。
【0034】
後端部保護部材30は、図4が示すように、小径筒部36側から矢印38の方向に沿って第3番節23の後端部に挿入される。これにより、第3番節23の後端面39は、後端部保護部材30の大径筒部37により覆われ、第3番節23の後端部内壁面40は、後端部保護部材30の小径筒部36により覆われる。
したがって、後端部保護部材30が第3番節23に取り付けられた状態では、第3番節23の後端開口部41の内側周縁部42が後端部保護部材30によって覆われる。
【0035】
後端部保護部材30の大径部37は、この後端部保護部材30の後端角部を構成している。図5が示すように、後端部保護部材30の大径筒部37の内側部分43(案内面)は、滑らかに縮径されている。具体的には、この内側部分43の最大内径は、小径筒部36の内径よりも大きく設定されているが、当該内側部分43の内径は、その後端側から先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径されており、上記小径筒部36の内径と一致されている。
上記大径筒部37にの内側部分43が上記曲面に形成されていることによる作用効果については、後述される。
【0036】
本実施形態に係る釣竿20は、前述のように渓流釣りに使用されるが、釣竿20が使用されている際中に、いわゆる中子落ち現象が生じる場合がある。例えば、本実施形態では、第2番節22と第3番節23との嵌合が解除され、第2番節22及び第1番節21が元節25内に落下してしまうことがある。この場合、釣人は、釣りを続行するために、落下した第2番節22及び第1番節21を再び引き出す作業(復帰作業)を行う。
【0037】
図6は、中子落ち現象が生じた状態での釣竿20の要部拡大断面図である。
本実施形態に係る釣竿20では、第2番節22の長さ寸法L1は、元節25から元上節24が引き出された状態において、元節25の内底面28から元上節24の後端までの距離L3よりも大きく設定されている。なお、この距離L3は、元節25の軸方向長さから、元上節24と元節25とのオーバーラップ寸法L2を差し引いた距離である。
【0038】
釣竿20は振出式に構成されているから、第1番節21の後端部が第2番節の先端部内側に嵌合保持され、第2番節22の後端部が第3番節23の先端部内側に嵌合保持される。第3番節23と元上節24との関係、元上節24と元節25との関係も同様である。そのため、各隣り合う節のうち、一方の節の後端部と他方の節の先端部内側との間に段差が生じる。また、一方の節の後端部と他方の節の先端部外側との間に、段差が生じる。
具体的には、第3番節23と元上節24の内側との間には、段差44が生じ、元上節24と元節25の内側との間には、段差45が生じる。また、第1番節21と第2番節22の外側との間には、段差46が生じる。
【0039】
仮に上記先端部保護部材29及び後端部保護部材30が設けられていないとするならば、上記復帰作業の際に、上記段差46が上記段差44と直接に衝突し、両者のうち少なくとも一方が損傷する可能性がある。
ところが、上記先端部保護部材29が第2番節23に設けられており、しかも、上記後端部保護部材30が第3番節23に設けられているので、上記段差46と段差43とが直接に衝突することはなく、先端部保護部材29と後端部保護部材30とが衝突する。
【0040】
したがって、第2番節22の上記外側周縁部34及び第3番節23の上記内側周縁部42は、激しく衝突することはない。すなわち、上記段差46は、上記段差44部分と衝突はするものの、上記段差46は、上記段差44を滑らかに乗り越えることになるので、第2番節22の上記外側周縁部34及び第3番節23の上記内側周縁部42に加えられる衝撃は、緩和されることになる。
よって、本実施形態に係る釣竿20では、第2番節22が落下するという中子落ち現象が生じ、釣人がこれを復帰させる場合に、第2番節22及び第3番節23のいずれもが、両者の衝突によって破損等することがない。
【0041】
本実施形態では、上記段差46と、上記段差45との衝突については、起こり得ない。なぜなら、第2番節22の軸方向長さが上記寸法L1に設定されているから、第2番節22が落下した場合であっても、第2番節22の先端部の位置(上記段差46の位置)は、上記段差45よりも上方に(図中左方に)位置することになるからである。
【0042】
また、本実施形態では、第2番節22に上記先端部保護部材29が設けられ、第3番節23に上記後端部保護部材30が設けられているが、これらのうち、少なくともいずれか一方のみが設けられている場合であってもよい。その場合であっても、上記段差46は、上記先端部保護部材29又は上記後端部保護部材30を介して上記段差44を滑らかに乗り越えることになる。したがって、第2番節22の上記外側周縁部34及び第3番節23の上記内側周縁部42に加えられる衝撃は、緩和されることになる。
【0043】
なお、本実施形態では、釣竿20がいわゆる5本継ぎに形成されているが、5本以上であれば、節の数は何ら制限を受けることはない。すなわち、第2番節22の上記寸法L1が、上記寸法L2,L3との間に前述のような関係を備えることを前提として、釣竿がn本の節を備えて構成される場合は、一般に、第3番節から第(n−2)番節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように後端部保護部材が設けられていればよい。
このように構成された場合には、第2番節に限らず、他のいずれの中間節が落下した場合であっても、上記復帰作業の際に、各節が損傷を受けることはない。また、後端部保護部材に加えて、第2番節から第(n−3)番節までの先端開口部の外側周縁部を覆うように先端部保護部材が設けられているのが好ましいことは言うまでもない。
【0044】
ところで、本実施形態では、第2番節22の上記寸法L1が、上記寸法L2,L3との間に前述のような関係を備えることを前提としている。しかし、釣竿の用途によっては、各節の長さ寸法が小さく設定される場合もあり、その場合に、第2番節22の上記寸法L1が、上記寸法L2,L3との間に前述のような関係を有しないこともある。
すなわち、図6において、第2番節22が元節25の内底面28まで落下した状態で、第2番節22と第1番節21との間の段差46が、元上節24と元節との間の段差45よりも下方に(図中右方に)位置する場合もある。
【0045】
そのような場合において、中子落ち現象が生じたときの復帰作業の際に、各節が損傷を受けるおそれがあるのは、第2番節から元上節のそれぞれの先端部及び後端部であり、釣竿が4本継ぎ以上の場合である。
したがって、釣竿がn本(n≧4)の節を備えて構成される場合は、上記後端部保護部材が第3番節から元上節の各節の後端部に設けられていればよい。このように構成された場合には、第2番節に限らず、他のいずれの中間節が落下した場合であっても、上記復帰作業の際に、各節が損傷を受けることはない。
また、この後端部保護部材に加えて、第2番節から元上節の各節の先端部に上記先端部保護部材が設けられているのが好ましいことは言うまでもない。
【0046】
本実施形態では、渓流用の振出式延べ竿について開示されているが、本発明は、釣竿の種類に関係なく振出式釣竿に一般に適用され得る。また、釣竿のほか、いわゆるタモの柄についても、本発明が適用されることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、中子落ちした中間節及び第1番節が復帰される場合に、当該中間節と他の節との衝突が生じたとしても、この衝突は滑らかなものとなるので、当該中間節及び他の節が当該衝突によって破損等することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第2番節の先端部の要部拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第1番節と第2番節との連結部分の要部拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第3番節の後端部の要部拡大斜視図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る釣竿の第3番節と元上節との連結部分の要部拡大断面図である。
【図6】図6は、中子落ち現象が生じた状態での本発明の一実施形態に係る釣竿の要部拡大断面図である。
【図7】図7は、従来の渓流用の釣竿の正面図である。
【図8】図8は、従来の釣竿の一部断面要部拡大正面図である。
【符号の説明】
20・・・釣竿
21・・・第1番節
22・・・第2番節
23・・・第3番節
24・・・第4番節
25・・・第5番節
27・・・尻栓
28・・・内底面
29・・・先端部保護部材
30・・・後端部保護部材
31・・・スカート部
32・・・側面部
33・・・先端開口部
34・・・外側周縁部
35・・・先端角部
36・・・小径筒部
37・・・大径筒部
39・・・後端面
40・・・後端部内壁面
41・・・後端開口部
42・・・内側周縁部
43・・・内側部分
44・・・段差
45・・・段差

Claims (6)

  1. 筒状に形成され、振出式に組み立てられた4本以上の節と、
    これら節のうち中間節を構成する節の先端開口部の外側周縁部を覆うように配置され、当該外側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る先端部保護部材とを備えており、
    上記先端部保護部材は、上記中間節の先端部に外嵌される筒状を呈し、その先端角部は、面取処理が施されており、
    上記先端部保護部材の外径は、当該先端部保護部材の先端から後端側へ向かう方向に沿って漸次拡径されている振出式釣竿。
  2. 第3番節から元上節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置され、当該内側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る後端部保護部材をさらに備える請求項1に記載の振出式釣竿。
  3. 筒状に形成され、振出式に組み立てられた4本以上の節と、
    これら節のうち第3番節から元上節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置され、当該内側周縁部に加えられる衝撃を緩和し得る後端部保護部材とを備えており、
    上記後端部保護部材は、上記第3番節から元上節までの後端部に内嵌される筒状を呈し、その後端角部は、その内径が先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径された案内面を備えている振出式釣竿。
  4. 上記後端部保護部材は、
    上記第3番節から元上節までの後端部に内嵌される筒状を呈し、その後端角部は、その内径が先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径された案内面を備えている請求項2に記載の振出式釣竿。
  5. 筒状に形成され、振出式に組み立てられたn本(n≧5)の節と、
    第3番節から第(n−2)番節までの後端開口部の内側周縁部を覆うように配置された後端部保護部材とを備え、
    上記後端部保護部材は、上記第3番節から第(n−2)番節までの後端部に内嵌される筒状を呈し、その後端角部は、その内径が先端側へ向かう方向に沿って滑らかに縮径された案内面を備えており、
    第2番節の長さ寸法は、第n番節から第(n−1)番節が引き出された状態における当該第n番節の内底面から当該第(n−1)番節の後端までの距離よりも大きく設定されている振出式釣竿。
  6. 第2番節から第(n−3)番節までの先端開口部の外側周縁部を覆うように先端部保護部材がさらに配置されており、
    上記先端部保護部材は、上記第2番節から第(n−3)番節までの先端部に外嵌される筒状を呈し、その先端角部は、面取処理が施されており、
    上記先端部保護部材の外径は、当該先端部保護部材の先端から後端側へ向かう方向に沿って漸次拡径されている請求項5に記載の振出式釣竿。
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