JP4100669B2 - 炭化珪素薄膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素薄膜の形成方法に関し、より詳細には、炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を選択的に結晶成長させるための薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンに代わる次世代半導体材料の1つとして炭化珪素(SiC)が注目されている。炭化珪素は、シリコンに比較して、バンドギャップと飽和ドリフトが大きく、熱伝導度が高く、絶縁破壊電界強度も1桁大きいなど、物性面で優れ、高温センサ、高周波デバイス、パワーデバイスなどの半導体装置の材料として期待されている。
【0003】
炭化珪素半導体デバイスの製造には、炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を所望の領域に結晶成長させる技術、および、炭化珪素半導体中の不純物を所望の濃度で分布させる技術の開発が不可欠である。
【0004】
このうち、炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を所望の領域に結晶成長させる技術に関しては、例えば、炭化珪素結晶基板上の薄膜中に第1の導電型または第2の導電型をもつ不純物領域を部分的に形成するための炭化珪素結晶基板の作製方法として、R.C.Glassらによる報告がある(phys. stat. sol.(b),202,149(1997))。
【0005】
また、化学的気相成長により炭化珪素薄膜を基板全面に堆積させ、この薄膜を部分的にエッチングして不純物領域を形成する方法も提案されており、反応性イオンエッチング法を用いた例としては、P.H.Yihらによる報告がある(phys. stat. sol.(b),202,605(1997))。
【0006】
さらに、特開平11−16840号公報には、基板上に予めSiOマスクを形成しておき、このマスク領域以外の部分にp型炭化珪素薄膜を選択的に成長させるという発明が開示されている。
【0007】
また、炭化珪素半導体中の不純物を所望の濃度で分布させる方法に関しては、炭化珪素結晶中での不純物の拡散係数が小さく拡散により炭化珪素結晶に不純物領域を選択的に形成することは困難であることから、炭化珪素結晶基板上に形成した薄膜中に不純物領域を形成するに際してイオン注入法によりイオンを結晶中に注入しその後高温熱処理を施すことで注入イオンを活性化するという方法を用いるのが一般的であり(例えば、T.Trofferら、phys. stat. sol.(a),162,277(1997))、この方法では、p型不純物としてのアルミやボロン、n型不純物としての窒素などの元素をイオン打ち込みし、1700℃程度の温度で熱処理することで活性化させる。
【0008】
図5は、従来の熱処理方法を説明するための図で、不純物注入領域55を有する炭化珪素エピタキシャル層54が炭化珪素基板53上に形成された炭化珪素ウエハ56を、不純物注入領域55が上向きになるように炭化珪素製の坩堝51の中に配置し、坩堝蓋52を閉じた状態でアニール炉中で1700℃程度の加熱を行うことで不純物を活性化させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エッチング法やSiOマスクを用いた選択成長法では、エッチングやパターニングのためのフォトプロセスが必要となり、製造プロセスが煩雑になるという問題がある。
【0010】
一方、特開2000−1399号公報には、種結晶となるα―SiC単結晶基板上に結晶成長原料を部分的に接触させ、α―SiC単結晶基板を下側、原料を上側として「重ね合わせ配置」し、基板を低温側として原料との間に温度差をもたせ、この状態でSiC飽和蒸気圧の不活性ガス雰囲気中で2000〜2300℃で熱処理することで単結晶を成長させる方法が記載されているものの、選択成長方法についての開示はなされていない。
【0011】
また、特開2000−34197号公報には、α―SiC単結晶基板とβ−SiC多結晶基板とを両者の対向面が僅かに隙間を有するように平行配置させた状態で、α―SiC単結晶基板が低温側となるように温度勾配をもたせ、この状態でSiC飽和蒸気圧の不活性ガス雰囲気中で熱処理し、Si原子およびC原子を上述の微小隙間内に昇華・拡散させて単結晶を成長させるという発明が開示されているものの、選択成長方法については何ら開示がなされていない。
【0012】
さらに、Tanakaらによって炭化珪素基板を2枚重ね合わせる方法が提案されているが(Materials Science Forum Vol.389−393(2002),p.803)、この方法は、イオン注入後の活性化熱処理のために行う方法であり、この方法を実施した際の結晶表面のエッチング状態や膜の堆積状態についての知見は得られていない。
【0013】
また、従来の不純物活性化熱処理方法では、高温熱処理中にウエハ表面が荒れてしまうという問題に加え、ボロン等の比較的軽い元素が熱処理中にウエハ表面から外方拡散してしまい、熱処理後の不純物濃度がイオン注入時の濃度よりも減少してして設計値どおりの不純物分布を得ることが困難であるという問題がある。
【0014】
図6は、ボロンを230keVのエネルギでイオン注入した後の注入直後のボロン濃度分布と、1700℃30分の熱処理を施した後のボロン濃度分布を2次イオン質量分析装置(SIMS)で分析した結果を示す図で、この例では、約30%ものボロンが結晶外へと外拡散していることが確認できる。
【0015】
このうち、「表面荒れ」問題については、高温熱処理時に炭化珪素ウエハ上にダミーの炭化珪素ウエハを載せるという方法が提案されている(H.Tanaka,Technical Digest of ICSCRM2001,pp.442−443(2001))ものの、「外方拡散」問題については有効な解決策は提案されていない。
【0016】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、イオン注入やSiOマスク形成やエッチングといった複雑なプロセスを必要とすることなく炭化珪素基板上に簡便に炭化珪素薄膜を選択的に結晶成長させるための方法、および、イオン注入後の不純物の外方拡散を抑制して設計値どおりの不純物分布を実現する熱処理方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、炭化珪素薄膜の形成方法であって、第1の炭化珪素結晶基板上に予め炭化珪素薄膜を成長させ、当該炭化珪素薄膜を第2の炭化珪素結晶基板表面に接触させた状態で炭化珪素坩堝内に配置し、前記第1の炭化珪素結晶基板が低温側、前記第2の炭化珪素結晶基板が高温側となるように温度勾配を設け、前記坩堝内雰囲気を1700〜2000℃の熱処理温度とし、前記第2の炭化珪素結晶基板側から昇華した炭化珪素を前記第1の炭化珪素結晶基板上の炭化珪素薄膜上に再結晶化させて成長させ、前記第2の炭化珪素結晶基板は0.1μm以上の凹凸をもった表面形状を有し、前記炭化珪素薄膜と前記第2の炭化珪素結晶基板とは当該凸領域でのみ接触し、当該接触領域にのみ炭化珪素薄膜を選択的に成長させることを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の炭化珪素薄膜の形成方法において、前記第2の炭化珪素結晶基板は、炭化珪素単結晶基板、炭化珪素多結晶基板、または、炭化珪素薄膜付基板の何れかであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法において、前記炭化珪素坩堝内に所望の不純物源を設け、当該不純物源を加熱することにより、前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法において、前記炭化珪素坩堝に予め所望の不純物を含有させ、当該炭化珪素坩堝を加熱することにより、前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法において、前記第2の炭化珪素結晶基板中に予め所望の不純物を含有させ、前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[炭化珪素薄膜の形成方法]
(実施例1)
図1は、本発明の炭化珪素薄膜の形成方法を説明するための概念図で、図1(a)は上面図、図1(b)は断面図である。この炭化珪素薄膜の形成方法では、炭化珪素薄膜付の2枚の炭化珪素結晶基板(2、3)同士を互いの炭化珪素薄膜面が接するように向かい合わせた状態で坩堝(1)内に配置させて熱処理し、一方の炭化珪素結晶基板を原料として他方の炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を形成させる。
【0025】
図中、1は多結晶炭化珪素からなる蓋付坩堝、2は上側の炭化珪素基板、3は下側の炭化珪素基板であり、これらの炭化珪素基板は、ドーパント濃度5.9×1015cm−3、厚み10μmのn型炭化珪素エピタキシャル層を成長させたn型4H−SiC基板である。
【0026】
なお、ここに示した例では、本発明の薄膜形成方法で得られる炭化珪素薄膜の平坦性を確認する目的で、2枚の基板(2、3)を意図的にずらして配置させており、図中のTCとTUおよびBCとBUは、各々、上側の炭化珪素基板の重なり部分と非重なり部分、および、下側の炭化珪素基板の重なり部分と非重なり部分を示している。
【0027】
この配置で坩堝1ごと熱処理炉にいれてタングステンヒータにより加熱を行い、Arガス雰囲気中1700℃で30分間の熱処理を施した。熱処理後の基板(2、3)を観察すると、上述のTCとTUとの境界領域、および、BCとBUとの境界領域には共に段差が認められ、上側基板(2)では、TC部がTU部に比較して100nm程度高くなっている一方、下側基板(3)では、BC部がBU部に比較して100nm程度低くなっていた。すなわち、上述の熱処理過程において、下側基板(3)から昇華した炭化珪素が上側基板(2)のTC部に堆積して結晶成長が進行していることが明らかとなった。
【0028】
これは、熱処理中は、下側基板(3)は坩堝(1)からの熱伝導と放射熱で加熱されるのに対して、上側基板(2)は放射熱のみで加熱されることとなるため、上側基板(2)の温度は下側基板(3)の温度に比べて低くなり、下側基板(3)のBC部から昇華した炭化珪素が原料となり上側基板(2)のTC部に炭化珪素として堆積することによるものと解釈される。
【0029】
表1は、これらの基板の熱処理前後での表面平坦性の程度(Ra)を原子間力顕微鏡(AFM)で測定した結果である。
【0030】
【表1】
Figure 0004100669
【0031】
TU、BC、BUの各領域の表面は熱処理中の炭化珪素の昇華により大きく荒れているのに対し、熱処理中に結晶成長が進行した上側基板のTC部の平坦度は熱処理前と同等の平坦度を維持しており、極めて平坦な炭化珪素薄膜が得られていることが分る。
【0032】
(実施例2)
ドーパント濃度5.9×1015cm−3、厚み10μmのn型炭化珪素エピタキシャル層を成長させたn型4H−SiC基板を2枚用い、アルミ不純物を1016cm−3混入させた坩堝中に配置し、実施例1と同様の熱処理を実行して薄膜形成を行なった。段差計による評価により、基板の重なり部分に約100nmの炭化珪素薄膜が形成されていることが確認された。
【0033】
図2は、このようにして得られた上側基板の重なり部分(TC)の薄膜を、SIMSを用いてAl不純物の深さ方向での分布を評価した結果を説明するための図である。
【0034】
この図に示すように、TC部でのアルミ濃度は1018cm−3で深さは100nmであり、その他の部分(TU、BC、BU)からはアルミ不純物は検出されなかった。このことから、アルミ不純物を含む炭化珪素薄膜が、下側基板と接触した部分にのみ選択的に形成されたことが確認できる。
【0035】
なお、本実施例では炭化珪素坩堝自身に不純物を予め含有させることとしているが、炭化珪素坩堝内に所望の不純物源を設けることとしてもよいことは言うまでもない。
【0036】
(実施例3)
ドーパント濃度5.9×1015cm−3、厚み10μmのn型炭化珪素エピタキシャル層を成長させたn型4H−SiC基板を上側基板とし、アルミ不純物濃度1×1018cm−3、厚み1μmのn型炭化珪素エピタキシャル層を成長させたn型4H−SiC基板を下側基板として重ね合わせた状態で実施例1と同様の熱処理を行い、得られた薄膜のアルミ不純物分布の様子をSIMSにより評価した。
【0037】
その結果は、図2に示したものとほぼ同様であり、アルミ濃度1018cm−3で厚み100nmの炭化珪素薄膜の形成が確認された。
【0038】
なお、所望により、下側基板にもアルミ不純物を添加させておくこととしてもよい。
【0039】
(実施例4)
下側の基板に、機械的研磨または物理的化学的エッチングにより、予め1μm以上の凹凸を形成させ、上側の基板に接触する部分と接触しない部分とを設けて重ね合わせ配置し、実施例1と同様の熱処理を実施して薄膜形成を行なった。この場合、炭化珪素薄膜同士は凸領域でのみ接触することとなる。
【0040】
炭化珪素薄膜の形成は、下側基板に接触していた上側基板領域にのみ認められ、この部分に炭化珪素薄膜が選択的に形成されたことが確認された。
【0041】
なお、下側基板表面の凹凸の程度に特に制限はなく、選択成長させたい領域に応じて設定が可能であるが、凹凸レベルが0.1μm以下の場合には凹部での上側基板との間隔が狭くなりすぎてこの凹部においても薄膜成長が進行しやすくなるため、0.1μm以上の凹凸をもたせることが好ましく、微細パターンの形成を特別に要しない場合には、100μm以上とすることがより好ましい。
【0042】
また、熱処理温度を変化させて同様の薄膜形成を実施した結果、1700〜2000℃の熱処理温度範囲で上記と同様に選択的な薄膜形成が確認された。なお、熱処理温度が2000℃を越える場合には、基板間の非接触部分にも結晶成長が進行して選択性が低下し、1700℃を下回る温度では充分な結晶成長速度が得られないことも確認された。従って、本発明の炭化珪素薄膜の形成方法においては、1700〜2000℃の熱処理温度が好ましい。
【0043】
なお、これまでの実施例では、下側基板を薄膜を形成させた単結晶基板であるものとして説明したが、多結晶基板でもよく、更には、その表面に薄膜を有しないベアの基板であってもよい。
【0044】
[不純物活性化熱処理方法]
参考例1
図3は、本発明の不純物活性化のための第1の熱処理方法を説明するための図で、ここに示した例では、n+型炭化珪素基板33の上にn−型炭化珪素エピタキシャル層34を成長させ、不純物注入領域35を有する第1の炭化珪素ウエハ38と、上記不純物注入領域35に注入した不純物と同じ不純物を同濃度に注入した不純物注入領域36を有する第2の炭化珪素ウエハ37を用意し、これらの不純物注入領域35、36同士の位置を合わせて接触させ、炭化珪素製の坩堝31内に配置し、この状態で炭化珪素製の坩堝蓋32を閉めて密閉し、第1および第2の炭化珪素ウエハ(38、37)の不純物注入領域(35、36)間に温度勾配が生じない加熱条件下で、Ar雰囲気中で、不純物活性化温度以上の1700℃30分の高温熱処理を行う。
【0045】
なお、ここで、第1および第2の炭化珪素ウエハ(38、37)の不純物注入領域(35、36)間に温度勾配が生じない加熱条件とするのは、これらの領域間に温度勾配が生じると、一方の領域から他方の領域への物質移動が生じ易くなり、所望の不純物分布が得られなくなるためである。このように不純物注入領域間に温度勾配が生じないようにするためには、図3に示すように、坩堝蓋側の炭化珪素ウエハを坩堝蓋に接触させ、坩堝の底に接触している下側の炭化珪素ウエハと同様の加熱環境とすることが有効である。
【0046】
図5に示した従来のウエハ配置とすれば、不純物注入領域55から炭化珪素ウエハ56の外部に向けて不純物が外方拡散して不純物濃度が低下するのに対し、図3に示す本発明のウエハ配置では、同一元素を濃度で注入された不純物注入領域35、36同士が互いに接触しているために、各々のウエハの外部への不純物濃度勾配が緩やかとなって不純物が外方拡散し難くなり、その結果、高温熱処理中での不純物の現象が抑制されることとなる。
【0047】
なお、本参考例では、熱処理温度が1700℃の場合について説明したが、1600〜1800℃の温度範囲で同様の効果が認められた。
【0048】
また、不純物注入領域が複数ある場合には、図4に示すように、対応する各不純物注入領域同士(35と36、35´と36´)を位置合わせして接触させるように配置させればよい。
【0049】
不純物注入領域同士を位置合わせせずに配置して熱処理を行うと、不純物注入領域から、その領域に接触している不純物非注入領域へと不純物が拡散して表面を汚染させる結果となることはいうまでもない。
【0050】
なお、本発明の熱処理方法においては、2つのウエハの不純物注入領域同士が接触していることが必要なのであって、その他の領域は必ずしも接触している必要はない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜形成方法によれば、炭化珪素薄膜付の一方の炭化珪素結晶基板を上側とし、他方の炭化珪素結晶基板を下側として、これらの基板面同士を接触させた状態で坩堝内に配置させて熱処理し、後者の炭化珪素結晶基板を原料として前者の炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を形成させるようにした。また、下側の基板(原料)に予め凹凸を形成し、上の基板(成長基板)に接触する部分と接触しない部分とを設けることにより、接触した部分にのみ炭化珪素薄膜を選択的に成長させたり、予め不純物源を設置することにより上の基板に不純物を導入した薄膜を形成するようにした。
【0052】
このような構成とすることにより、炭化珪素基板上に炭化珪素薄膜を選択的に結晶成長させるための方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の炭化珪素薄膜の形成方法を説明するための概念図である。
【図2】 本発明の炭化珪素薄膜の形成方法により得られた薄膜を、2次イオン質量分析装置を用いてAl不純物分布評価した結果を説明するための図である。
【図3】 参考例の不純物活性化のための第1の熱処理方法を説明するための図である。
【図4】 参考例の不純物活性化のための第2の熱処理方法を説明するための図である。
【図5】 従来の不純物活性化熱処理方法を説明するための図である。
【図6】 従来の不純物活性化熱処理前後でのボロン濃度分布のSIMS分析結果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 多結晶炭化珪素からなる蓋付坩堝
2 上側の炭化珪素基板
3 下側の炭化珪素基板
TC 上側の炭化珪素基板の重なり部分
TU 上側の炭素基板の非重なり部分
BC 下側の炭化珪素基板の重なり部分
BU 下側の炭化珪素基板の非重なり部分
31、51 坩堝
32、52 坩堝蓋
33 n+型炭化珪素基板
34 n−型炭化珪素エピタキシャル層
35、36、35´、36´、55 不純物注入領域
36 不純物領域
37 第2の炭化珪素ウエハ
38 第1の炭化珪素ウエハ
53 炭化珪素基板
54 炭化珪素エピタキシャル層
56 炭化珪素ウエハ

Claims (5)

  1. 第1の炭化珪素結晶基板上に予め炭化珪素薄膜を成長させ、
    当該炭化珪素薄膜を第2の炭化珪素結晶基板表面に接触させた状態で炭化珪素坩堝内に配置し、
    前記第1の炭化珪素結晶基板が低温側、前記第2の炭化珪素結晶基板が高温側となるように温度勾配を設け、
    前記坩堝内雰囲気を1700〜2000℃の熱処理温度とし、
    前記第2の炭化珪素結晶基板側から昇華した炭化珪素を前記第1の炭化珪素結晶基板上の炭化珪素薄膜上に再結晶化させて成長させ
    前記第2の炭化珪素結晶基板は0.1μm以上の凹凸をもった表面形状を有し、
    前記炭化珪素薄膜と前記第2の炭化珪素結晶基板とは当該凸領域でのみ接触し、
    当該接触領域にのみ炭化珪素薄膜を選択的に成長させることを特徴とする炭化珪素薄膜の形成方法。
  2. 前記第2の炭化珪素結晶基板は、炭化珪素単結晶基板、炭化珪素多結晶基板、または、炭化珪素薄膜付基板の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素薄膜の形成方法。
  3. 前記炭化珪素坩堝内に所望の不純物源を設け、
    当該不純物源を加熱することにより、前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法。
  4. 前記炭化珪素坩堝に予め所望の不純物を含有させ、
    当該炭化珪素坩堝を加熱することにより、前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法。
  5. 前記第2の炭化珪素結晶基板中に予め所望の不純物を含有させ、
    前記成長させる炭化珪素薄膜中に不純物をドーピングすることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素薄膜の形成方法。
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