JP4100648B2 - チップボンディング装置及びそれにおけるキャリブレーション方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に半導体チップをボンディングするチップボンディング装置及びそれにおけるキャリブレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、周知のように、チップボンディングは、上方のボンディングツールが保持している半導体チップに対して、その下方のボンディングステージに支持されている基板(例えば、液晶基板等)のボンディング位置を精密に位置決めせしめた状態においてボンディングツールを降下させてボンディングする。
【0003】
その為、かかるボンディングに先立って、例えば、半導体チップ及び基板に設けられているアライメントマークを二視野カメラで認識し、両アライメントマークの位置ずれを無くするようにボンディングステージを所定に移動制御することによって半導体チップと基板との位置合わせを行っているが、その際、二視野カメラは、退避位置からアライメントマーク認識位置へ移動せしめられたり或いはそれと反対方向へ移動せしめられて退避せしめられる。
【0004】
ところが、そのような工程を経て次々とボンディングして行くうちに、作業室内の温度が上昇するといった環境条件の変化により、装置各部の寸法変化が生じるので、二視野カメラの移動制御を永続的に同一条件で実施して行くと、アライメントマークの位置認識に誤差が発生し、これに起因して高精度のボンディングが困難になる。
【0005】
そこで、μm単位のボンディング精度を保つ為に、必要に応じてカメラ移動制御系のキャリブレーションが随時行われていると共に、既に各種のキャリブレーションが提案されている。
【0006】
例えば、特開平9−8104号公報の段落[0036]〜[0042]おいては、ボンディングツールが装着されているZテーブルに昇降装置を介してマーク用テーブルを装着し、かかる昇降装置を駆動してマーク用テーブルを、ボンディングツールに真空吸着保持されている半導体チップと同一レベルの位置へ移動させると共に、それの下方へ二視野カメラを移動させてマーク用テーブルに設けられているキャリブレーション用マークを認識し、次いで、二視野カメラをそこから退避させた後、昇降装置を駆動してマーク用テーブルを、下方のボンディングステージに支持されている回路基板と同一レベルの位置へ移動させると共に、それの上方へ二視野カメラを移動させて前記マークを認識し、もって、両認識によって得られる所定の制御パラメータに基づいて前記カメラの移動制御系に入力されている先行の制御パラメータを補正更新するキャリブレーション方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このキャリブレーション方法は、半導体チップ及び基板夫々に設けられているアライメントマークを認識する位置から大きく離れた位置でキャリブレーション用マークを認識するようにしている為、二視野カメラが、それらのうちの一方のマーク(例えば、キャリブレーション用マーク)を認識する位置へ移動せしめられたときと、他方のマーク(例えば、アライメントマーク)を認識する位置へ移動せしめられたときとでは、かかるカメラを移動させるXYテーブル若しくはXYZテーブルに作用する荷重(曲げモーメント)が相異し、その為による撓み量の差が、キャリブレーション用マークの位置認識誤差になって、より一段と高精度にキャリブレーションすることが妨げられていた。
【0008】
そこで、本発明者等は、他の特許出願において、ボンディングツールに設けられているキャリブレーション用上マークと、透明板を装着したボンディングステージの前記透明板に設けられているキャリブレーション用下マークとを二視野カメラで認識することに加えて、ボンディングツールを上方の待機位置から降下させて前記キャリブレーション用上マークを前記キャリブレーション用下マークに接近せしめた状態において前記透明板の下方から一視野カメラで両マークを認識するようにすることによって、より一段と高精度にキャリブレーションすることができることを提案したが、このようなキャリブレーション方法においては、二視野カメラの上側の光軸と下側の光軸とのずれが生じる為、それの補正が必要とされていた。
【0009】
ところが、その為に必要とされる補正パラメータが、二視野カメラの精度測定結果等から経験的に決定される一方において季節の変化(環境温度の変化)等の影響を受け易い為に、キャリブレーション精度を一定に維持することの困難性を有していると共に、キャリブレーション精度を一定に維持しようとすると、キャリブレーション時間が長くなって効率が低下し、そうかといって、時間短縮の為にキャリブレーション回数を減らすと、一定精度に維持することが困難になってしまうといった相反する解決し難い欠点があった。
【0010】
本発明は、このよう欠点に着目し、それを解決すべく鋭意検討の結果、二視野カメラの上下光軸のずれ量とカメラ温度とが相関関係にあることを見出し、
この点に基づいて本発明を完成し得たものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係るチップボンディング装置は、請求項1に記載するように、上下動し得るように装着されたボンディングツールと、水平面内において移動し得るように前記ボンディングツールの下方に配設されたボンディングステージと、前記ボンディングツールの加圧面に設けられたキャリブレーション用上マークと、前記ボンディングステージに装着されている透明板に設けられたキャリブレーション用下マークと、前記ボンディングステージがキャリブレーション実行位置に位置決めせしめられた状態において退避位置から前記ボンディングツールと前記透明板との間へ移動して前記キャリブレーション用上下両マークを認識する二視野カメラと、前記ボンディングツールが上方の待機位置から下方へ移動せしめられて前記透明板に接近若しくは当接した状態において前記透明板の下方から前記キャリブレーション用上下両マークを認識する一視野カメラとを備えたチップボンディング装置において、前記二視野カメラに温度検出手段を装着し、かつ、前記温度検出手段が許容以上の温度変化を検出したときのみにおいてキャリブレーションを行うようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係るチップボンディング装置におけるキャリブテーション方法は、請求請8に記載するように、加圧面にキャリブレーション用上マークを設けたボンディングツールの下方に配されているボンディングステージを水平面内において移動せしめてキャリブレーション実行位置に位置決めさせた状態において退避位置から前記ボンディングツールと前記ボンディングステージに装着されている透明板との間へ二視野カメラを移動せしめて前記キャリブレーション用上マーク及び前記透明板に設けられているキャリブレーション下マークの両マークを認識することによって得られる所定の制御パラメータに基づいてカメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータを補正更新することと、前記ボンディングツールを上方の待機位置から下方へ移動させて前記透明板に接近若しくは当接せしめた状態において前記透明板の下方から一視野カメラで前記キャリブレーション用上下両マークを認識することによって得られる所定の制御パラメータに基づいて前記カメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータを補正更新することとを行うチップボンディング装置におけるキャリブレーション方法において、前記二視野カメラの温度を検出し、かつ、許容以上の温度変化を検出したときのみにおいて、前記二視野カメラによるキャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新及び前記一視野カメラによる前記キャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新を行うことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
斜視図である図1及び図2において、下方のボンディングステージ1と上方のボンディングツール2との間へ二視野カメラ3が移動せしめられた姿が示されているが、この二視野カメラ3でキャリブレーション用下マーク4及び上マーク5が共に認識される。
【0014】
なお、キャリブレーション用下マーク4は、ボンディングステージ1に装着されている透明板6(例えば、ガラス板)の上面6aに設けられていると共にキャリブレーション用上マーク5は、ボンディングツール2の先端部を形成している加圧ヘッド2aの加圧面2bに設けられている。
【0015】
また、ボンディングステージ1は、XYθテーブル7の最上段を形成しているθテーブル7a上に装着されており、従って、XYθテーブル7の駆動によって水平面内においてX軸方向、Y軸方向又はXY両軸方向に移動(以下、単に平行移動という。)され得ると共に所定方向に回転され得る。
【0016】
一方、ボンディングツール2は、図示されていない機構によって水平方向へは移動し得ないが、Z軸方向(垂直方向)に上下動自在に装着され、かつ、加圧ヘッド2aを所定温度に加熱する為のヒータ(図示されていない)を内蔵していると共に加圧ヘッド2aの加圧面2bに、半導体チップを吸着保持する為の吸気孔10を開口せしめている。
【0017】
なお、吸気孔10は、ボンディングツール2の垂直軸心B−B上に位置されているが、この孔10と連通せしめられるように耐圧ホース11の一端がボンディングツール2に取り付けられていると共に、その他端が図示されていない真空ポンプに取り付けられている。
【0018】
また、二視野カメラ3は、図示されていないXYZテーブルに装着されている。その為、このカメラ3は、前記XYZテーブルの駆動によって退避位置からボンディングツール2と透明板6との間へ移動され得ると共に、反対にそこから前記退避位置へ移動され得る。その際、二視野カメラ3の高さ位置がZテーブルの駆動によって所定に調整される。
【0019】
更に、二視野カメラ3に温度検出手段8(例えば、熱電対)が装着されていると共にXYθテーブル7のθテーブル7a上に一視野カメラ9(例えば、CCDカメラ)が装着されている。なお、一視野カメラ9は、その撮像ヘッドを常時、透明板6の下方に位置せしめている。
【0020】
また、ボンディングステージ1の上面1aと透明板6の上面6aは、連なった平面を形成するように(段差を形成しないように)設けられている。また、ボンディングステージ1の上面1a中央部に、基板(例えば、液晶基板)を吸着保持する為の吸気孔12が開口されている。
【0021】
この吸気孔12は、その一端がボンディングステージ1に取り付けられている耐圧ホース13と連通され、かつ、かかるホース11の他端(図示されていない)は真空ポンプに取り付けられている。
【0022】
よって、XYθテーブル7を平行移動及び回転せしめてボンディングステージ1を図示のようにキャリブレーション実行位置に位置決めさせることができるが、かかるキャリブレーション実行位置は、二視野カメラ3及び一視野カメラ9の視野範囲内、すなわち、両カメラ3,9が、キャリブレーション用上下マーク5,4の両マークを認識することができる範囲内の所定位置に設定されている。
【0023】
なお、ボンディングステージ1がキャリブレーション実行位置に位置決めされた状態においては、ボンディングツール2の下方に透明板6が位置されるが、この透明板6に設けられているキャリブレーション下マーク4の位置は、ボンディングツール2に設けられているキャリブレーション用上マーク5の位置とボンディングステージ平面に対して同一の垂直線上には位置されていない。
【0024】
以下、この状態において、上方の待機位置へ移動せしめられているボンディングツール2とその下方の透明板6との間に二視野カメラ3が移動され、次いで、このカメラ3でキャリブレーション用上下両マーク4,5が認識されると共に、これによって得られる所定の制御パラメータに基づいてカメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータが補正更新される。
【0025】
その際、キャリブレーション用上マーク5が、半導体チップを吸着保持する為の吸気孔10に接近せしめられた位置に設けられているので、ボンディング(熱圧着)に先立って、ボンディングツール2が吸着保持している半導体チップのアライメントマークと、その下方のボンディングステージ1が支持している基板のアライメントマークとを二視野カメラ3で認識する場合と略同一ストロークに二視野カメラ3が移動制御される。このように、略同一ストローク位置ですべてのマークを認識する為、荷重差による撓みの影響を受けない。
【0026】
そして、続いて、二視野カメラ3が、ボンディングツール2と透明板6との間のマーク認識位置から右側の退避位置へ移動されると、ボンディングツール2が上方の待機位置から降下され、これにより、ボンディングツール2の加圧ヘッド2aが、透明板6に接近若しくは軽く当接せしめられる。
【0027】
すると、透明板6の下方から一視野カメラ9でキャリブレーション用上下両マーク4,5が認識されると共に、これによって得られる所定の制御パラメータに基づいて前記カメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータが更に補正更新される。
【0028】
なお、前記一連のキャリブレーション用マークの認識を通じて、例えば、二視野カメラ3の上側光軸3a及び下側光軸3b同士のずれ量等が求められ、得られた所定の制御パラメータに基づいて先行の制御パラメータが補正更新される。一視野カメラ9を用いてのキャリブレーションは、ステージ又はヘッド位置の熱変形に対するものであり、光学系の変形頻度の多い二視野カメラを用いてのそれよりも少ない頻度で必要に応じて行えばよい。
【0029】
このように、本発明においては、二視野カメラ3を用いてのキャリブレーションと、一視野カメラ9を用いてのキャリブレーションとの二段階にキャリブレーションを行うようにしている。その為、カメラの移動制御の煩雑化を防止しながら、従来のキャリブレーションよりも、より一段と高精度にキャリブレーションすることができる。また、上述のように、本発明においては、カメラの移動制御をより少ない回数で完了できるようにした為、キャリブレーションに要する時間を短縮することができる。
【0030】
なお、このようなキャリブレーションは、ボンディングステージ1に支持せしめられている液晶基板等の基板(図示されていない)に半導体チップを次々とボンディング(熱圧着)して行く途中において必要に応じて適宜に行われる。その際、キャリブレーションは、二視野カメラ3に装着されている温度検出手段8が許容以上の温度変化を検出したときのみに行われる。
【0031】
従って、ボンディングツール2と透明板4間へ二視野カメラ3が移動しても、温度検出手段8が許容以上の温度変化を検出しないときにおいては、上述のキャリブレーションは行われない。
【0032】
その為、最適なタイミングでキャリブレーションを行うことができてキャリブレーション回数を減らすことができるから、効率的にキャリブレーションを行うことができ、しかも、キャリブレーション精度を一定に維持、すなわち、環境雰囲気の温度が変化するような場合においても高精度に維持することができる。
【0033】
このように、本発明においては、二視野カメラ3の上側の光軸3aと下側の光軸3bとのずれ量αとカメラ温度とが相関関係にあることに基づいて許容温度変化を設定するから、上述のような効果を得ることができるのである。
【0034】
なお、かかる許容温度変化の設定に関し、複数の二視野カメラ3について加熱テストを行って、カメラ温度差tと光軸のずれ量αとを求めた結果、少しのばらつきはあるけれども、平均して1℃当りの変化により光軸のずれ量が、約2〜6μmであることが確認された。従って、このデータに基づいて光軸のずれ許容精度を外れる温度変化を計算し、それを許容温度変化として設定するのも一例である。
【0035】
周知のように、二視野カメラ3は、その周囲雰囲気等の温度影響を受けると、上側の光軸3aと下側の光軸3bとのずれ量αが生じる。従って、それを予め測定し、測定ずれ量αの許容値から温度変化許容値を算出することができる為、カメラ温度を熱電対等の温度検出手段8で測定して、その温度変化が許容精度以上になった場合においてのみキャリブレーションを行うことができるように設けることができる。
【0036】
なお、上述のボンディングに際し、キャリブレーション実行位置とは異なった位置、すなわち、ボンディング実行位置へボンデイングステージ1が移動せしめられる。これは、XYθテーブル7の駆動制御によって行われ、そして、ボンディング実行位置へ移動されると、二視野カメラ3によってボンディングステージ1の吸気孔12を介して真空吸着保持されている基板のアライメントマークと、ボンディングツール2の吸気孔10を介して真空吸着保持されている半導体チップ(図示されていない)のアライメントマークとが認識される。
【0037】
以下、両マークの位置ずれを無くするように、ボンディングステージ1がXY軸方向へ移動、すなわち、平行移動せしめられると共に回転せしめられ、これによって、基板のボンディング個所に半導体チップが精密に位置決めせしめられ、従って、その後、ボンデイングツール2を降下させることによって所定にボンディングすることができる。
【0038】
以上、一実施形態について述べたが、本発明においては、一視野カメラ9を用いてのキャリブレーションと、二視野カメラ3を用いてのそれとは、どちらを先に実施しても構わない。
【0039】
また、二視野カメラ3を用いてのキャリブレーションと、一視野カメラ9を用いてのキャリブレーションとを並行させるだけでなく、二視野カメラ3を用いてのキャリブレーションの前若しくは後において、一視野カメラ9を用いてのキャリブレーションを間欠的に行ってもよい。
【0040】
また、キャリブレーション用上下マーク4,5についても、いかなる形態のものであってもよいが、一般にはカメラでの認識が容易で、かつ、ヒータに対する耐熱性の樹脂印刷マーク又はマーク用に孔を設けたものが選択される。
【0041】
また、キャリブレーション用上マーク5に関し、これをボンディングツール2の加圧面2bのいかなる位置に設けてもよいが、吸着保持される半導体チップで覆われる加圧面領域内に設ける場合においては、吸着保持される半導体チップの平行度を狂わせないように極薄に設けるか、若しくは、加圧面2bに形成した凹部内に、かかる上マーク5を印した耐熱性のマーク板を固着してもよい。
【0042】
また、ボンディングツール2についても、ヒータを備えた所謂、ヒートツールのみならず、ヒータを備えていないものであってもよいと共に半導体チップを保持する手段を設けている又は設けていないのいずれであってもよい。なお、半導体チップを保持する手段は、吸気孔10以外の手段であってもよい。
【0043】
更に、ボンディングステージ1とボンディングツール2は、相対的な位置関係が水平方向とその水平面内の回転方向において移動制御可能であればよく、その意味においては、ボンデングステージ1についても、水平面内において移動し得る限りにおいては、X軸方向若しくはY軸方向だけに移動し得るように装着してもよく、その場合においては、ボンディングツール2をY軸方向若しくはX軸方向に移動し得るように装着すればよく、かつ、更には、それに加えて回転し得るように装着すればよい。
【0044】
また、ボンディングステージ1は、基板を所定に支持し得る限りにおいては、吸着孔12のような基板固定手段に代えて他の態様の基板固定手段を設けてもよいと共に、このステージ1に対する透明板6の装着は、その下方から一視野カメラ9がキャリブレーション用上下マーク4,5を認識し得る限りにおいては、いかなる態様に設けてもよい。
【0045】
また、二視野カメラ5は、一般には、XYZテーブルに装着されるが、必要に応じて、Xテーブル、Yテーブル、XYテーブル又はXYθテーブル等、他のテーブルに装着してもよい。
【0046】
また、ボンディングステージ1の移動手段は、XYテーブルだけ、又はθテーブルだけの場合もあると共に、XテーブルとYテーブルとθテーブルとの組み合わせは、いずれが上下に配されても構わない。
【0047】
また、ボンディングツール2のそれについても、Zテーブルに限定されず、XYZθ、XYZ、Zθ、YZ等、各種のテーブル組み合わせを選択することができると共に一視野カメラ9も、CCDカメラ以外のものであってもよい。
【0048】
また、二視野カメラ9に装着される温度検出手段に関し、熱電対、測温抵抗体等を選択することができる
なお、機構を簡単にできる為、ボンディングステージ1及び一視野カメラ9を一緒に(一体に)水平面内において移動し得るように装着するのが好ましいが、それらを互いに独立して個別に移動或いはボンディングステージ1だけを移動し得るように装着してもよい。
【0049】
また、ボンディングステージ1を装着しないで、カメラ通路を形成するように門型状の透明板だけを装着し、これをボンディングステージとして使用(その上面に基板をセット)すると共に、門型状の透明板の上面に設けられているキャリブレーション用下マーク及びボンディングツールに設けられている吸気孔を、その下方(前記カメラ通路に撮像ヘッドを位置せしめた)一視野カメラで認識するようにしてもよく、かつ、その場合において、一視野カメラは、固定又は移動自在に装着してもよい。
【0050】
【発明の効果】
上述のように、本発明によると、カメラの移動制御工程の削減及びキャリブレーションの間欠化により、キャリブレーション時間が短縮できると共に二視野カメラのアライメントとキャリブレーション時の位置的違いから生ずるモーメントによるメカ的な変形に影響されずに高精度にキャリブレーションすることができ、更に、最適なタイミングでキャリブレーションを行うことができてキャリブレーション回数を減らすことができるから、効率的にキャリブレーションを行うことができると共にキャリブレーション精度を一定に維持、すなわち、環境雰囲気の温度が変化するような場合においても高精度に維持することができる。なお、高精度に維持しながらもキャリブレーション回数を減らすことができる為、生産効率を上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チップボンディング装置におけるキャリブレーション用下マークの認識態様を示す斜視図である。
【図2】チップボンディング装置におけるキャリブレーション用上マークの認識態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:ボンディングステージ
2:ボンディングツール
2b:加圧面
3:二視野カメラ
4:キャリブレーション用下マーク
5:キャリブレーション用上マーク
6:透明板
8:温度検出手段
9:一視野カメラ
10:吸気孔
Claims (9)
- 上下動し得るように装着されたボンディングツールと、水平面内において移動し得るように前記ボンディングツールの下方に配設されたボンディングステージと、前記ボンディングツールの加圧面に設けられたキャリブレーション用上マークと、前記ボンディングステージに装着されている透明板に設けられたキャリブレーション用下マークと、前記ボンディングステージがキャリブレーション実行位置に位置決めせしめられた状態において退避位置から前記ボンディングツールと前記透明板との間へ移動して前記キャリブレーション用上下両マークを認識する二視野カメラと、前記ボンディングツールが上方の待機位置から下方へ移動せしめられて前記透明板に接近若しくは当接した状態において前記透明板の下方から前記キャリブレーション用上下両マークを認識する一視野カメラとを備えたチップボンディング装置において、前記二視野カメラに温度検出手段を装着し、かつ、前記温度検出手段が許容以上の温度変化を検出したときのみにおいてキャリブレーションを行うようにしたことを特徴とするチップボンディング装置。
- ボンディングツールの加圧面に半導体チップを吸着保持する為の吸気孔を開口していることを特徴とする請求項1に記載のチップボンディング装置。
- ボンデングツールがヒータを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップボンデンディング装置。
- ボンディングツールが水平方向へ移動し得ないように装着されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のチップボンディング装置。
- ボンディングステージが平行移動し得るように装着されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載のチップボンディング装置。
- ボンディングステージが回転し得るように装着されていることを特徴とする請求項5に記載のチップボンディング装置。
- 一視野カメラがボンディングステージと一体に移動し得るように装着されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6に記載のチップボンディング装置。
- 加圧面にキャリブレーション用上マークを設けたボンディングツールの下方に配されているボンディングステージを水平面内において移動せしめてキャリブレーション実行位置に位置決めさせた状態において退避位置から前記ボンディングツールと前記ボンディングステージに装着されている透明板との間へ二視野カメラを移動せしめて前記キャリブレーション用上マーク及び前記透明板に設けられているキャリブレーション下マークの両マークを認識することによって得られる所定の制御パラメータに基づいてカメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータを補正更新することと、前記ボンディングツールを上方の待機位置から下方へ移動させて前記透明板に接近若しくは当接せしめた状態において前記透明板の下方から一視野カメラで前記キャリブレーション用上下両マークを認識することによって得られる所定の制御パラメータに基づいて前記カメラ移動制御系に入力されている先行の制御パラメータを補正更新することとを行うチップボンディング装置におけるキャリブレーション方法において、前記二視野カメラの温度を検出し、かつ、許容以上の温度変化を検出したときのみにおいて、前記二視野カメラによるキャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新及び前記一視野カメラによる前記キャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新を行うことを特徴とするチップボンディング装置におけるキャリブレーション方法。
- 二視野カメラによるキャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新の前若しくは後において、一視野カメラによる前記キャリブレーション用上下両マークの認識に基づく制御パラメータの補正更新を間欠的に行うことを特徴とする請求項8に記載のチップボンディング装置におけるキャリブレーション方法。
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