JP4086373B2 - 検査装置および記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検査基板上の上層から下層に達する1個あるいは複数個の開口を検査する検査装置および記録媒体であって、半導体ウエハの加工工程の中でウエハ表面に加工された回路パタンの中で層間の配線を行うための貫通孔(いわゆるコンタクトホール)の加工の良否の検査を行う検査装置に関するものである。コンタクトホールの検査は、基本的には光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡の画像からその直径を計測し、目的とする許容範囲内に入っているか否かを判定することであるが、直径が小さくなるに従い画像の分解能(鮮明度)が低下してくるため検査が困難となる。
【0002】
【従来の技術】
LSI技術の進歩とともにウエハのパタンが微細化しコンタクトホールの加工寸法が直径で0.5μm以下となって光学顕微鏡の分解能では不十分となってきたため、量産工場の加工後の検査においてさえ走査型電子顕微鏡(以下SEMという)が利用されるようになっている。最近では加工技術の進歩によってさらに微細化が進められており、コンタクトホールの直径も0.2μm以下となることが予想されている。
【0003】
SEMは高速の電子ビームで観察対象のウエハの表面を走査し、その表面から発生する2次電子を検出して輝度変調して画像を形成表示するものである。コンタクトホールの検査は、上述の2次電子像を観察してホールが下層まで貫通しているか否か、あるいは貫通孔の直径を計測して行う。コンタクトホールが貫通すべき膜の厚さは1μm程度であるから、0.2μm直径のホールではアスペクト比(直径に対する深さ)は5以上となり、高速の電子ビームでホールの底の部分を走査したときに底で発生した2次電子がホールを脱出することが困難となってしまう。2次電子を検出できなければその部分(ホールの底の部分)の情報が得られないこととなる。このような場合、従来の2次電子の代わりに背面散乱電子を検出する方法がある。2次電子に比べて背面散乱電子は大きい運動エネルギーを持つので深いホールの底からでも脱出できるからであるが、それでも実際には0.2μm以下のホールでは不十分となる。また、背面散乱電子による画像は2次電子に比べて不鮮明であり、ホールの底の計測は正確さに欠けるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本来、2次電子、背面散乱電子ともにホール底を直接識別する情報を示すものではない。放出電子の強度分布を形状による効果を基に解釈してホール底の情報とみなしているだけである。そのため検出信号のS/Nが低下すると情報の信頼性が急速に失われることになるという問題がある。
【0005】
以上ののように0.2μm以下のコンタクトホールを計測するにはこれまでのSEMによる方法では限界があることが明確となって来ている。
本発明は、これらの問題を解決するため、SEMによる2次電子画像や反射電子画像によるアスペクト比の大きいホールの検査の限界を越えて微細ホールの定量的計測を実現することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
図1を参照して課題を解決するための手段を説明する。
図1において、電子ビーム45、45’は、被検査基板上に形成したA層(上層)41およびB層(下層)42を照射するものである。
【0007】
特性X線46、46’は、電子ビーム45、45’によってA層41あるいはB層42を照射して放出された特性X線である。
次に、動作を説明する。
【0008】
電子ビーム45、45’をA層(上層)41に1個あるいは複数個の開口の形成された被検査基板上を走査して照射し、放出されたX線を検出するX線検出器によって検出し、検出した信号をもとにX線スペクトルを算出した後、算出したX線スペクトルについて、A層(上層)41から放出されるX線スペクトルとB層(下層)42から放出されるX線スペクトルとの比を求めてA層41に空けた1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは開口部が円のときは直径を算出するようにしている。
【0009】
この際、A層(上層)41の表面の1個あるいは複数個の開口あるいは当該開口を含む所定範囲内からのみ放出された特性X線を検出し、この検出した特性X線のX線スペクトルを求めてA層(上層)41から放出されるX線スペクトルとB層(下層)42から放出されるX線スペクトルとの比を求めてA層41に空けた1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは開口部が円のときは直径を算出するようにしている。
【0010】
また、電子ビーム45、45’で被検査基板上のA層41およびB層42を走査して放出された2次電子、反射電子あるいは吸収電子をもとに形成した2次電子像、反射電子像あるいは吸収電子像上でA層41に空けた1個あるいは複数個の開口の部分のみから放出されたX線を検出し、この検出したX線のX線スペクトルを求めてA層(上層)41から放出されるX線スペクトルとB層(下層)42から放出されるX線スペクトルとの比を求めてA層41に空けた1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは開口部が円のときは直径を算出するようにしている。
【0011】
従って、SEMによる2次電子画像や反射電子画像によるアスペクト比の大きいホールの検査の限界を越えて、上層(A層41)と下層(B層42)の特性X線の比をもとに上層に空けた極めて小さな微細ホール(例えば0.2μm直径でアスペクト比が約5以上の微細ホール)の面積あるいは直径を定量的に計測することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、図1から図5を用いて本発明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の説明図(その1)を示す。これは、後述する図5のシステム構成のもとでウエハホルダ10に被検査基板としてウエハ9を取り付け、細く絞った電子ビーム45、45’を図1中で上から下方向に走査して照射するときの様子を説明したものである。
【0014】
図1において、A層41は、B層42の上に形成した層であって、ここでは、コンタクトホール44を形成する対象の層である。
B層42は、A層41に形成したコンタクトホール44を介してA層41の上の層と電気的に接続したりなどするものである。
【0015】
コンタクトホール44は、ここでは、A層41に空けた穴であって、本願発明では非常に微細で例えば0.2μm直径で深さが約1μmとアスペクト比が約5と非常に深い穴である。
【0016】
電子ビーム45は、後述する図5のシステム構成で細く絞った電子ビームであって、ここでは、コンタクトホール44の無いA層41の表面を走査して照射し、当該A層41の元素に対応した特性X線を放出させるためのもの(励起源)である。
【0017】
電子ビーム45’は、後述する図5のシステム構成で細く絞った電子ビームであって、ここでは、コンタクトホール44を通過してB層42の表面を走査して照射し、当該B層42の元素に対応した特性X線を放出させるためのもの(励起源)である。
【0018】
特性X線46は、電子ビーム45で照射されたA層41の領域内に含まれる元素に対応した固有の特定波長を持つ特性X線である。
特性X線46’は、電子ビーム45’で照射されたB層42の領域内に含まれる元素に対応した固有の特定波長を持つ特性X線である。
【0019】
図1の(a)は、ウエハのコンタクトホール44がある部分の断面模式図を示す。ここでは、電子ビーム45がA層41の表面を照射して特性X線46を放出している。また、電子ビーム45’がB層42の表面を照射して特性X線46’を放出している。
【0020】
図1の(b)は、A層41を電子ビーム45で照射したときの特性X線46を検出してスペクトル分析したときのエネルギーを示す。横軸はエネルギー(波長)を表し、縦軸はそのときのカウント数(強度)を表す。この例では、エネルギーS1、S3、S4の3つのときにピークがそれぞれ存在する(電子ビームが照射されたA層41の領域内に存在する元素から放出されたエネルギーS1、S3、S4の特性X線の3つのピークが存在する)ことが判る。
【0021】
図1の(c)は、B層42を電子ビーム45’で照射したときの特性X線46’を検出してスペクトル分析したときのエネルギーを示す。横軸はエネルギー(波長)を表し、縦軸はそのときのカウント数(強度)を表す。この例では、エネルギーS1、S2の2つのときにピークがそれぞれ存在する(電子ビームが照射されたB層42の領域内に存在する元素から放出されたエネルギーS1、S2の特性X線の2つのピークが存在する)ことが判る。
【0022】
以上のように、電子ビーム45でA層41を走査して特性X線46を放出させてスペクトル解析して図1の(b)を得、電子ビーム45’でB層42を走査して特性X線46’を放出させてスペクトル解析して図1の(c)を得ることが可能となる。これらは予めA層41およびB層42について個別に電子ビーム45、45’を照射してそのときの特性X線をスペクトル解析することにより得ることができる。
【0023】
図2は、本発明の説明図(その2)を示す。
図2の(a)は、A層41のコンタクトホール44が正常に加工されたときの様子を示す。
【0024】
図2の(a−1)は図1の(a)のA層41の上からSEMで見たときのパタンを示す。図中の4つの円がコンタクトホール44をそれぞれ表す。
図2の(a−2)は、図2の(a−1)で電子ビームを全体に走査して発生した特性X線46、46’をスペクトル解析して表示したエネルギー分布を示す。ここでは、既述した図1の(b)、(c)で説明したエネルギーS1、S2、S3、S4でピークが得られる。これは、既述した図1の(b)のA層41から放出された特性X線46、および図1の(c)のB層42から放出された特性X線46’をスペクトル解析したものであって、前者(A層)と後者(B層)の面積比にそれぞれの特性X線46、46’を加算したものである。従って、A層41からはエネルギーS1、S3、S4が検出され、B層42からはエネルギーS1、S2が検出され、これら両者を面積比で加算すると図示のようにエネルギーS1、S2、S3、S4となる。
【0025】
図2の(b)は、A層41のコンタクトホール44が加工の条件が最適ではなくて直径が小さく加工されたときの様子を示す。
図2の(b−1)は図1の(a)のA層41の上からSEMで見たときのパタンを示す。図中の4つの円がコンタクトホール44をそれぞれ表し、図2の(a)の正常の場合に比して小さいコンタクトホール44の穴となっている。
【0026】
図2の(b−2)は、図2の(b−1)で電子ビームを全体に走査して発生した特性X線46、46’をスペクトル解析して表示したエネルギー分布を示す。ここでは、既述した図1の(b)、(c)で説明したエネルギーS1、S2、S3、S4が得られる。これは、既述した図1の(b)のA層41から放出された特性X線46、および図1の(c)のB層42から放出された特性X線46’をスペクトル解析したものであって、前者(A層)と後者(B層)の面積比にそれぞれの特性X線46、46’を加算したものである。従って、図2の(a−2)に比してスルーホールが小さくB層42から放出されるエネルギーS1、S2が面積に対応して小さくなっている様子が判明する(特にB層42のみが放出するエネルギーS2が、図2の(a−2)に比して図2の(b−2)ではコンタクトホール44の穴の面積比で小さくなっている)。
【0027】
図2の(c)は、A層41のコンタクトホール44が加工の条件がずれてコンタクトホールが下のB層42まで達していない様子を示す。
図2の(c−1)は図1の(a)のA層41の上からSEMで見たときのパタンを示す。図中の4つの点線の円がコンタクトホール44であるがB層42まで達していなく、穴となっていない。
【0028】
図2の(c−2)は、図2の(c−1)で電子ビームを全体に走査して発生した特性X線46、46’をスペクトル解析して表示したエネルギー分布を示す。ここでは、既述した図1の(b)で説明したエネルギーS1、S3、S4のみが得られ、コンタクトホール44が下層のB層42に到達していない様子が判明する。
【0029】
以上のように、上層のA層41に最適な直径のコンタクトホール44が形成された図2の(a−2)の状態(A層41の特性X線46とB層42の特性X線46’の面積比で加算した状態のエネルギーS1、S2、S3、S4でそれぞれピークP1、P2、P3、P4を持つ状態)、小さな直径のコンタクトホール44が形成された図2の(b−2)の状態(A層41の特性X線46とB層42の特性X線46’の面積比で加算した状態のエネルギーS1、S2、S3、S4でそれぞれピークP1、P2、P3、P4を持つ状態)、更に、コンタクトホール44が下層のB層42に到達しなくて穴が空いていない図2の(c−2)の状態(A層41の特性X線46のエネルギーS1、S3、S4でそれぞれピークP1、P3、P4を持つ状態)を得ることが可能となる。これらにより、コンタクトホール44の全体に対する面積に対応した特性X線のエネルギーSi(i=1から4)とそれぞれのピーク(強度)Pi(i=1から4)を得ることで、これらから逆算して全体に対するコンタクトホール44の面積(円の場合には直径)を算出することが可能となる。
【0030】
また、上層のA層41と、下層のB層42との共通のエネルギーS1のピークP1をそれぞれ基準とし(ピークP1を1.00とし)、他のエネルギーS2、S3、S4のピークP2、P3、P4の相対値を求め、これらを使って、全体の面積に対するコンタクトホール44の面積(B層の面積)を算出するようにしてもよい(図3を用いて後述する)。
【0031】
図3は、本発明の説明図(その3)を示す。これは、上述したエネルギーS1のピークP1を基準(1.00)とし、他のエネルギーS2、S3、S4のときのコンタクトホール面積を求める曲線である。横軸はコンタクトホールの面積を表し、縦軸はカウント比を表す。図中のピークP2、P3、P4はエネルギーS2、S3、S4のときの相対強度(エネルギーS1のピークP1を1.00としたときの相対強度(図中のカウント比))を表す。この図3の曲線からコンタクトホール面積と特性X線の強度比(相対強度)の関係を定量化できることが判明する。また、図3の中でXsはコンタクトホール44が完全に開口したときの面積を表し、Xcはコンタクトホール44が素子の機能上問題のない許容限界とされる開口面積を表す(当該Xcより大きいときはコンタクトホール44の形状が合格と判定する開口面積を表す)。
【0032】
以上のように、上層のA層41と、コンタクトホール44が開口したときに現れる下層のB層42との特性X線の相対強度比を測定して図3のような曲線上で、予め設定したコンタクトホール面積Xcよりも大のときに、コンタクトホール44の形状を合格と検査し、以下のときに不合格と検査することが可能となる。
【0033】
図4は、本発明の説明図(その4)を示す。これは、図1の(a)の上層のA層41から電子ビームを走査してそのときに放出された2次電子を補集して強度変調して生成した2次電子画像を示す。ここで、実線は、A層41の表面のコンタクトホール44の縁の2次電子像を表す。点線は、A層41の表面の2次電子像のコンタクトホール44の縁を含む円の領域を表す。
【0034】
(1) ここで、図4の図中のA層41の表面の2次電子像のコンタクトホール44の縁の内部についてのみ、電子ビームを走査してそのときに放出された特定X線(あるいは縁の内部の位置の抽出した特性X線)をもとに、コンタクトホール44の穴の面積(直径)を求め、合否を検査するようにしてもよい。例えば既述した図3の曲線上でエネルギーS2のカウント比がXc以上(図3のXcに対応するカウント比以上、以下「Xc以上」という)のときにコンタクトホール44の開口部の面積が規定値以上あり、合格と検査する。
【0035】
(2) また、図4の図中の実線のA層41の表面の2次電子像のコンタクトホール44の縁を含む所定の円形などの部分についてのみ、電子ビームを走査してそのときに放出された特性X線(あるいは縁の内部の位置の抽出した特性X線)をもとに、コンタクトホール44の穴の面積(直径)を求め、合否を検査するようにしてもよい。例えば既述した図3の曲線上でエネルギーS2、S3、S4のピークP2、P3、P4のカウント比がそれぞれXc以上のときにコンタクトホール44の開口部の面積が規定値以上あり、合格と検査する。
【0036】
(3) また、図中の実線の内部(コンタクトホール44)と、外部とに分けてそれぞれの特性X線をもとに、コンタクトホール44の穴の面積(直径)を求め、合否を検査するようにしてもよい。例えば既述した図3の曲線上でエネルギーS2、S3、S4のピークP2、P3、P4のカウント比がそれぞれXc以上のときにコンタクトホール44の開口部の面積が規定値以上あり、合格と検査する。
【0037】
尚、2次電子像を用いて説明したが、同様に、反射電子像(電子ビーム45、45’を照射してそのときに反射された電子ビームを検出して輝度変調した反射電子像)、あるいは吸収電子像(電子ビーム45、45’を照射してそのときにウエハに吸収された電子ビームを検出して輝度変調した吸収電子像)を用いて検査を行うことが可能である。
【0038】
図5は、本発明のシステム構成図を示す。
図5において、電子銃2は、電子ビームを発生するものである。
レンズ3は、電子銃2から発生された電子ビームを集束するものである。
【0039】
絞り4は、レンズ系3によって集束された電子ビームのうち不要な軸外の部分をカットするものである。
ビームアライメント系5は、レンズ4によって集束された電子ビームの軸をレンズ系(対物レンズ系)7の軸に軸合わせするものである。
【0040】
ビーム走査系6は、ウエハ9上に細く絞られた電子ビームをX方向およびY方向に走査するものである。
レンズ系7は、レンズ系3によって集束された電子ビームをウエハ9上に細く絞るものであって、通常、対物レンズといわれるものである。
【0041】
2次電子検出器8は、ウエハ9から放出された2次電子を補集して検出するものである。
ウエハ9は、電子ビームを照射して走査する対象のものであって、被検査対象試料である。
【0042】
ウエハホルダ10は、ウエハ9を保持するホルダである。
試料移動ステージ11は、ウエハホルダ10をX方向およびY方向に移動させる機構である。
【0043】
X線21は、ウエハ9に電子ビームを照射したときに放出された特性X線である。
X線検出器22は、ウエハ9から放出された特性X線を検出するものである。このX線検出器22で検出された信号について、エネルギー分析を行い各エネルギー(波長)Si毎のピーク(強度)Piをカウントするもためのものであり、S/N比を良好にするために通常は冷却器23によって冷却して使用するようにしている。
【0044】
電源30は、電子銃2、レンズ系3、7、ビームアライメント系5などに所定の電源をそれぞれ供給したり、微細に制御した電源を供給したりなどするものである。
【0045】
偏向電源31は、ビーム走査のための所定の信号の電源をビーム走査系6、6’に供給するものである。
信号画像系32は、2次電子検出器8などからの信号を増幅して走査画像を表示したり、画像を記憶して必要なときに再生して表示したりなどするものである。
【0046】
計算処理系33は、X線検出器22からのパルス信号を計数してスペクトルデータとして記憶したりなどするものである。
データ処理系34は、記憶したデータを必要に応じて各種演算、ノイズ除去、グラフ化したりなどするものである。
【0047】
表示装置35は、2次電子像、特性X線像などを表示するものである。
次に、図5の構成の動作を説明する。
電子銃2から放出された電子ビームはレンズ系3で集束され、レンズ系7によってウエハ9上に細く絞って照射すると共に、ビーム走査系6、6’によってX方向およびY方向に走査される。電子ビームの照射されたウエハ9の表面から放出された2次電子は2次電子検出器8で補集され増幅された表示装置35上に2次電子像として表示する。また、ウエハ9から放出された特性X線はX線検出器22によって検出されエネルギー分析され、図1から図4で既述したようにして、コンタクトホール44の面積(直径)が規定値Xc以上のときに合格と判定し、以下のときに不合格と判定するようにしている。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、SEMによる2次電子画像や反射電子画像によるアスペクト比の大きいホールの検査の限界を越えて、上層(A層41)と下層(B層42)の特性X線をもとに上層に空けた極めて小さな微細ホール(例えば0.2μm直径でアスペクト比が約5以上の微細ホール)の面積あるいは直径を定量的に計測することが可能となる。これらにより、従来の2次電子像や光学像などの画像による検査では高倍率の観察を必要とし、そのため試料の損傷が不可避であるという欠点を、本願発明では高倍率の観察をなくして特性X線をもとに開口部の面積(直径)を検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図(その1)である。
【図2】本発明の説明図(その2)である。
【図3】本発明の説明図(その3)である。
【図4】本発明の説明図(その4)である。
【図5】本発明のシステム構成図である。
【符号の説明】
2:電子銃
8:2次電子検出器
9:ウエハ
22:X線検出器
41:A層(上層)
42:B層(下層)
44:コンタクトホール
45、45’:電子ビーム
46、46’:特性X線
Claims (4)
- 被検査基板上の上層から下層に達する1個あるいは複数個の開口を検査する検査装置において、
上層から下層に1個あるいは複数個の開口を形成する被検査基板上を電子ビームで照射する手段と、
上記電子ビームで照射したときに放出されたX線を検出するX線検出器と、
上記X線検出によって検出した信号をもとにX線スペクトルを算出する手段と、
上記算出したX線スペクトルについて、上記上層から放出されるX線スペクトルと上記下層から放出されるX線スペクトルとをもとに上記1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは直径を算出する手段と
を備えたことを特徴とする検査装置。 - 上記上層の表面の1個あるいは複数個の開口あるいは当該開口を含む所定範囲内からのみ放出されたX線を検出し、この検出したX線のX線スペクトルを求めて上記上層から放出されるX線スペクトルと上記下層から放出されるX線スペクトルとをもとに上記1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは直径を算出することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 上記電子ビームで上記被検査基板上を走査して放出された2次電子、反射電子あるいは吸収電子をもとに形成した2次電子像、反射電子像あるいは吸収電子像上で上記1個あるいは複数個の開口の部分あるいは当該開口の部分を含む所定の領域から放出されたX線を検出し、この検出したX線のX線スペクトルを求めて上記上層から放出されるX線スペクトルと上記下層から放出されるX線スペクトルとをもとに上記1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは直径を算出することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- コンピュータを、
上層から下層に1個あるいは複数個の開口を形成する被検査基板上を電子ビームで照射する手段と、
上記電子ビームで照射したときに放出されたX線を検出するX線検出器を制御する手段と、
上記検出した信号をもとにX線スペクトルを算出する手段と、
上記算出したX線スペクトルについて、上記上層から放出されるX線スペクトルと上記下層から放出されるX線スペクトルとをもとに上記1個あるいは複数個の開口部の面積あるいは直径を算出する手段と
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