JP4084066B2 - 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 - Google Patents
押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4084066B2 JP4084066B2 JP2002082876A JP2002082876A JP4084066B2 JP 4084066 B2 JP4084066 B2 JP 4084066B2 JP 2002082876 A JP2002082876 A JP 2002082876A JP 2002082876 A JP2002082876 A JP 2002082876A JP 4084066 B2 JP4084066 B2 JP 4084066B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- base
- circuit board
- groove
- movable contact
- contact
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Push-Button Switches (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器や通信機器などの操作用スイッチとして使用される押釦スイッチに係わり、特にドーム状の膨出部を有する絶縁性の弾性体からなる押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスイッチ装置としては、従来より、回路基板と、この回路基板上に保持されるラバー又はエラストマー樹脂などで成形されたドーム状の膨出部を有する絶縁性の弾性体からなる可動接点体とによって構成されたものが知られている。
【0003】
この従来の可動接点体は、回路基板に載置される載置面を有する基部と、この基部から突出形成された弾性変形可能なドーム状の膨出部(弾性変形部)と、膨出部の下面側中央部に設けられた導電性の接点部とにより、概略構成されている。なお、基部の載置面には、膨出部の径方向に延びる溝部が形成されており、動作時に膨出部内の空気が基部の外部に排出可能となっている。
【0004】
また、前記回路基板には、一対の固定接点が形成されている。そして、この一対の固定接点と可動接点体の接点部とが対向するように、可動接点体の基部が回路基板上に取り付けられて、スイッチ装置が構成されている。
【0005】
このようなスイッチ装置の動作時には、可動接点体の上方に配置された押釦を介して前記膨出部が押圧されて部分的に反転し、これにより、離間状態にあった接点部と一対の固定接点とが接触してスイッチがオンの状態になる。このとき、膨出部内の空気は載置面に形成された前記溝部を通って基部の外部に排出されるため、膨出部の反転がスムーズに行われ、スイッチ装置の動作には支障を生じないものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のスイッチ装置においては、膨出部への押圧力が除去されてスイッチがオンからオフの状態に復帰する場合、前記溝部を通して空気が基部の外部から膨出部内に流入される。この際、塵埃が空気と共に膨出部内に入り込むおそれがあり、溝部が膨出部の径方向に延びて形成されていることから、接点部に塵埃が付着し、最悪の場合、接点が接触不良を起こして、信頼性が損なわれるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、気道を確保するために設けた溝部を通って塵埃がドーム状の膨出部内に入り込んで接点付近に集まるような不具合が発生しにくく、信頼性の高い押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では第1の手段として、回路基板に載置される載置面を下面に備えた基部と該基部から突出形成された反転可能なドーム状の膨出部とを有する絶縁性の弾性体と、前記膨出部の下面側中央部に設けられた接点部とを備え、前記基部の載置面には、前記基部の外部と前記膨出部内とに連通する溝部が形成されていると共に、この溝部が平面視して、前記接点部の周囲に向かう方向に延設しており、前記弾性体の基部は、半田付け可能な金属材からなる枠体に取り付けられると共に、前記枠体には前記回路基板への表面実装時の半田付け部が備えられ、前記半田付け部が前記溝部の前記基部の外部側における端部と対向しない位置とされていることを特徴とする。
【0009】
また、第2の手段として、回路基板に載置される載置面を下面に備えた基部と該基部から突出形成された反転可能なドーム状の膨出部とを有する絶縁性の弾性体と、前記膨出部の下面側中央部に設けられた接点部とを備え、前記基部の載置面には、前記基部の外部と前記膨出部内とに連通する溝部が形成されていると共に、この溝部が複数の屈曲部を有する迷路状構造となっており、前記弾性体の基部は、半田付け可能な金属材からなる枠体に取り付けられると共に、前記枠体には前記回路基板への表面実装時の半田付け部が備えられ、前記半田付け部が前記溝部の前記基部の外部側における端部と対向しない位置とされていることを特徴とする。
【0010】
また、第3の手段として、前記溝部は、前記基部の載置面に複数形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、第4の手段として、前記基部の外周面を略円形状に形成すると共に、前記枠体には、前記弾性体の周方向の位置を規制する位置決め部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、第5の手段として、前記第1乃至第4のいずれかの手段における押釦スイッチ用可動接点体と、固定接点を有する前記回路基板とを備え、前記接点部を前記固定接点に対向させて、前記弾性体を前記回路基板上に取り付けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置の実施形態を図に基づいて説明する。図1乃至図9は本発明の一実施形態を説明するためのもので、図1は本発明の一実施形態に係わる押釦スイッチ用可動接点体の正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく底面図、図4は可動接点体を回路基板に取り付けた状態を示す断面図、図5は弾性体の平面図、図6は同じく底面図、図7は弾性体の溝部を説明するための断面図、図8は枠体の正面図、図9は同じく底面図である。
【0015】
図1乃至図9に示す一実施形態において、弾性体1は、ラバー又はエラストマー樹脂などの絶縁性材料を成形加工することにより形成されている。この弾性体1は、中央に押釦スイッチの可動領域を形成する中空部1bを有する円環状をしたベースとなる基部1aと、この基部1aから連接して突出形成されたドーム状の膨出部からなる弾性変形部1cと、この弾性変形部1cの中央に外方へ突出して設けられた円柱状の釦部1dとから概略形成されている。
【0016】
前記釦部1dの下面側には、中空部1b方向へ突出した円柱状の突出部1eが形成されており、この突出部1eの先端にはカーボンなどからなる導電性の接点部2が固着されたものとなっている。また、釦部1dの上面は平坦部となっており、この平坦部にはブラスト加工などにより僅かに凹凸部1fが形成されたものとなっている。
【0017】
また、基部1aの底面は、後述する回路基板4への載置面1hとなっており、この載置面1hには、基部1aの外部と弾性変形部1c内の中空部1bとに連通する複数の溝部1gが等間隔に形成されており、押釦スイッチが押圧されて弾性変形部1cが反転して撓む際に、これらの溝部1gを通して中空部1bの内部の空気が外部へ排出されるものとなっている。また、前記押圧を取り除いた際には、前記溝部1gを気道として基部1aの外部から中空部1bの内部に空気が入り、反転した弾性変形部1cが初期の状態に復帰するようになっている。
【0018】
なお、前記溝部1gは、図6に示すように、平面的に見たとき、前記接点部2の周囲に向かう方向に延びて設けられており、接点部2が溝部1gの延長線上には位置しないように、具体的には、前記溝部1gが円環状をした基部1aの径方向に対して所定の角度をもって前記載置面1hに形成されている。このように、溝部1gが接点部2の位置する方向に向かわないように形成されていることから、前記弾性変形部1cの復帰時に、塵埃が空気と共に中空部1bの内部に入り込んだとしても、接点部2には付着しにくくなり、接点としての接触信頼性が確保される。
【0019】
また、基部1aの外周面1iは円形状をなしており、回路基板4への載置面1h側における外周面1iには、載置面1hとの間に、全周にわたって面取りが形成されており、この面取りが後述する枠体3の立壁部3bの内壁面3eからの逃げ部1jとなっている。なお、基部1aの上面には、図5に示すような半円柱状の凸部1kが一体に設けられている。
【0020】
枠体3は、鋼板やブリキなどの半田付け可能な板状の金属材を展開した形状に打ち抜き、これを屈曲することにより略筒状に形成されており、この枠体3は、平板状の上板部3aと、この上板部3aと直交する方向に屈曲された立壁部3bとから形成されている。この枠体3が、前記弾性体1のベースとなる基部1aの外周を覆うように弾性体1に取り付けられるものとなっている。
【0021】
前記立壁部3bは、多角形状(本実施形態では8角形状)からなる複数の壁面で形成された筒状をなしており、この立壁部3bの内壁面3eが、基部1aの外周面1iと当接して基部1aの横方向への移動を規制している。このとき、立壁部3bは、多角形状からなる壁面で形成されていることから、円環状に形成された基部1aの外周面1iの一部が弾性変形されて、立壁部3bの内壁面3eの角部3c側に入り込むようになっている。
【0022】
このように、弾性体1を枠体3に組み込むときには、弾性体1の外周面1iの一部が弾性変形して立壁部3bの内壁面3eの角部3c側に入り込むので、強固な嵌合状態となり、搬送時やスイッチの組み立て時に両者の分離を防止できるものとなっている。また、枠体3の外形に複数の壁面からなる平面部ができるので、この平面部を利用して表面実装時には、個々の可動接点体の位置決めを容易に行えるものとなっている。なお、枠体3に弾性体1が組み込まれた状態において、枠体3には内壁面3eを有する立壁部3bが備えられていると共に、基部1aの外周面1iには全周にわたって面取りからなる前記逃げ部1jが設けられていることから、回路基板4への載置面1h側(可動接点体の下部側)には、前記内壁面3eと逃げ部1jとで画成される空間部が基部1aの全外周にわたって形成されるものとなっている。
【0023】
また、枠体3の上板部3aには、中央に、ドーム状の膨出部からなる前記弾性変形部1cが挿通される略円形の孔部3dが形成されており、この孔部3dを除いた周面部が前記基部1aの上面と係合して基部1aの縦方向への移動を規制する規制部となっている。なお、孔部3dの一部には、位置決め部となるU字状の切り欠き3fが設けられており、この切り欠き3fに前記凸部1kが挿通されて、基部1aが周方向に位置決めされる。
【0024】
また、複数の壁面からなる前記立壁部3bのうち、対向した位置関係にある一対の壁面の下部側は、可動接点体(枠体3)が回路基板4に表面実装されて、半田ランド部(図示せず)に取り付けられる半田付け部3gとなっている。ここで、この半田付け部3gは、図3に示すように、弾性体1の溝部1gとは対向しない壁面に設けられている。そして、弾性体1と枠体3とは、前記凸部1kと切り欠き3fとが係合状態となっていることから、円形状をなした基部1aが回転し、溝部1gと半田付け部3gとが対向してしまうようなことはない。
【0025】
回路基板4は、フェノール樹脂などの積層板からなり、この回路基板4には、図4に示すように、導電性のカーボンや銅箔などから形成された一対の固定接点6が配設されている。また、固定接点6の近傍には、該固定接点6を挟んで対向する一対の半田ランド部(図示せず)が形成されており、この半田ランド部に枠体3の一対の半田付け部3gがクリーム半田5などによってそれぞれ半田付けされることにより、可動接点体が回路基板4に取り付けられる。
【0026】
次に、可動接点体を回路基板4へ表面実装する実装方法について説明する。まず、一対の前記固定接点6および半田ランド部が予め形成された回路基板4上の前記半田ランド部にクリーム半田5を印刷等の適宜の手段により塗布する。次に、枠体3に弾性体1が取り付けられてなる可動接点体を、図示しない自動組立装置でチャッキングするなどして、前記半田ランド部と枠体3の半田付け部3gとを対応させて載置する。このとき、弾性体1の前記釦部1dの下面側に形成された接点部2と一対の前記固定接点6とは対向状態となっている。しかる後、可動接点体がマウントされた回路基板4をリフロー炉(図示せず)に通してクリーム半田5を硬化させることにより可動接点体の表面実装が終了し、図4に示すようなスイッチ装置が得られる。
【0027】
ここで、可動接点体を回路基板4に自動組立装置でチャッキングして実装する場合において、弾性体1の釦部1dの上面を平坦部としていることから、チャッキングする際、前記釦部1dの平坦部を吸引ノズル(図示せず)で吸引することで確実に吸引することができ、複数の可動接点体を回路基板4上の所定の位置へ容易に整列させることが可能となっている。また、釦部1dの平坦部にはブラスト加工などにより前記凹凸部1fが形成されていることから、吸引ノズルとの吸着を防止し、吸引後の離脱も確実に行うことができる。
【0028】
また、前記回路基板4をリフロー炉に通してクリーム半田5を硬化させる際、クリーム半田5からフラックスが発生するが、前記立壁部3bの内壁面3eと前記基部1aの逃げ部1jとの間には、前記半田付け部3gに通じる前記空間部が画成されていることから、この空間部がフラックスの溜まり部として機能するため、基部1a内の中空部1bにフラックスが侵入するのを防ぐことができ、接点部2と固定接点6との接触信頼性を損なうことはない。さらに、前記半田付け部3gは、図3に示すように、弾性体1の溝部1gとは対向しない離れた壁面に設けられているため、前記空間部に溜まったフラックスが溝部1gを通して前記中空部1bに入り込むような不具合も防止することができる。
【0029】
また、前記半田付け部3gを備えた立壁部3bの内壁面3eと基部1aの逃げ部1jとの間に前記空間部が存在することから、図4に示すように、立壁部3bの両面にクリーム半田5のフィレットを形成でき、回路基板4への半田付けによる枠体3の取り付けをより強固なものとすることができる。
【0030】
次に、回路基板4に表面実装された可動接点体の動作について説明する。弾性体1の前記釦部1dの上方に設けられた、図示しない操作スイッチ部の押釦によって前記釦部1dが押圧されると、前記弾性変形部1cが反転して対向状態にある釦部1dの下面側に形成された接点部2と回路基板4上の一対の固定接点6とが接触する。これにより、一対の固定接点6同士が接点部2を介して導通状態となり、スイッチがオンする。このとき、基部1aの載置面1hに設けられた前記溝部1gを通して、中空部1bの内部の空気が基部1aの外へ排出されることとなり、弾性変形部1cの反転がスムーズに行われ、押釦スイッチは安定した動作が行われる。
【0031】
また、前記釦部1dへの押圧を除去すると、前記溝部1gを通して基部1aの外部から中空部1bの内部に空気が入り、反転していた弾性変形部1cが初期の状態に復帰することにより、接点部2が固定接点6から離れ、これにより一対の固定接点6同士の導通が断たれ、スイッチがオフの状態に戻る。
【0032】
そして、上述した本発明の一実施形態における可動接点体においては、回路基板4に載置される基部1aの載置面1hに、基部1aの外部と弾性変形部1c内の中空部1bとに連通する溝部1gが形成されていると共に、この溝部1gが平面視して、接点部2の周囲に向かう方向に延設されていることから、反転していた弾性変形部1cの復帰時に、溝部1gを介して塵埃が空気と共に中空部1bの中に入り込んだ場合でも、溝部1gが接点部2を避けた方向を向いているため、塵埃が接点部2付近に集まりにくいものとなり、塵埃による接点の接触不良を生じにくくすることができる。
【0033】
また、溝部1gは、基部1aの載置面1hに複数(本実施形態では4つ)形成されていることから、弾性変形部1cの復帰に伴って中空部1bに流入する空気が複数に分散されて入り込むこととなるので、溝部1gを通って流入する空気の勢いが弱められ、塵埃が中空部1b内に運ばれにくくなり、接点としての信頼性をより高めることができる。
【0034】
また、弾性体1の基部1aは、半田付け可能な金属材からなる枠体3に取り付けられると共に、この枠体3には回路基板4への表面実装時の半田付け部3gが備えられ、この半田付け部3gが溝部1gの基部1aの外周面1i側における端部と対向しない位置関係としているので、可動接点体を枠体3の半田付けにより容易に回路基板4に取り付けることができると共に、半田付けの際に発生するフラックスが溝部1gを通って中空部1bに入り込みにくいものとすることができる。
【0035】
また、基部1aの外周面1iを略円形状に形成すると共に、枠体3に、弾性体1の周方向の位置を規制する切り欠き3fからなる位置決め部を設けたので、基部1aが枠体3に対して回転することはなく、枠体3の半田付け部3gと基部1aの溝部1gとが対向状態となってしまうようなことはない。
【0036】
なお、上記一実施形態においては、弾性体1を取り付ける枠体3の立壁部3bは多角形状(本実施形態では8角形状)からなる複数の壁面で形成された構成としたが、これに限られず、弾性体1の基部1aの外周に沿った円環状の壁部としてもよい。また、枠体3の形成は、金属板材をプレスにより絞り加工を施すことにより行ってもよい。
【0037】
また、この一実施形態においては、弾性体1を枠体3にはめ込み、この枠体3を回路基板4に半田付けすることにより、可動接点体を回路基板4に取り付けているが、枠体3は必ずしも必要ではなく、接着剤を用いて基部1aの載置面1hを直接回路基板4に接着するようにしてもよく、その他の手段によって、弾性体1を回路基板4上に保持させるようにしてもよい。
【0038】
図10は、本発明の他の実施形態に係わる弾性体の底面図である。なお、弾性体以外の構成部品は、図1乃至図9を用いて上述した一実施形態と同様であるので、同一符号を用いることにより、その詳細な説明は省略する。
【0039】
ここで、上記一実施形態との相違点は、基部11aの外部と弾性変形部11c内の中空部11bとに連通して気道を構成する溝部11gの形状にある。すなわち、この他の実施形態における弾性体11の基部11aの載置面11hに形成された複数の溝部11gは、図10に示すように、外部側屈曲部11mと内部側屈曲部11nと両屈曲部11m、11nを連結するように設けられた円弧状部11pとを有する迷路状構造(クランク状構造)をなしている。
【0040】
そして、外部側屈曲部11mと内部側屈曲部11nとは約90度の角度を隔てた位置に設けられ、外部側屈曲部11mが基部11aの外部を臨んでおり、内部側屈曲部11nが中空部11bを臨むように構成されている。なお、反転可能なドーム状をなす弾性変形部11cの下面側中央部には、前記一実施形態と同様、接点部12が設けられており、この弾性体11も多角形状をした枠体3に一体化され、枠体3の半田付け部3gが半田付けされることにより、回路基板4に取り付けられる。
【0041】
この他の実施形態における弾性体11を用いて構成されるスイッチ装置の動作も、上述した一実施形態と基本的に同様であり、弾性変形部11cの反転時には、中空部11b内の空気が、内部側屈曲部11n,円弧状部11p,外部側屈曲部11mからなる溝部11gを通って基部11aの外部に排出される。また、弾性変形部11cの復帰時には、基部11aの外部の空気が溝部11gを通して中空部11b内に入り込むようになっている。
【0042】
上記他の実施形態によれば、気道を構成する溝部11gが外部側屈曲部11m,円弧状部11p,内部側屈曲部11nからなる迷路状構造をなしていることから、反転した弾性変形部11cの復帰時に、この溝部11gを通して空気が中空部11bの中に流入する際、塵埃を巻き込んでいたとしても、溝部11gに複数の屈曲部11m、11nが設けられているため、これらの屈曲部11m、11nが障害となって、塵埃が中空部11bの内部にまで達しにくいものとすることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の押釦スイッチ用可動接点体は、回路基板に載置される基部の載置面には、基部の外部とこの基部から突出した膨出部内とに連通する溝部が平面視して、膨出部の下面側中央部に設けられた接点部の周囲に向かう方向に延設されていることから、溝部を通して塵埃が空気と共に膨出部内に入り込んだとしても、溝部が接点部を避けた方向を向いているため、塵埃が接点部付近に集まりにくいものとなり、信頼性の高い可動接点体を提供することができる。
【0044】
また、溝部が基部の載置面に複数形成されているため、膨出部内に入り込む空気を分散させて、流入の勢いを弱くすることができるので、空気と共に塵埃が膨出部内に入り込みにくくなり、可動接点体の信頼性を一層高めることができる。
【0045】
また、弾性体の基部は、半田付け可能な金属材からなる枠体に取り付けられると共に、この枠体には回路基板への表面実装時の半田付け部が、溝部の基部の外部側における端部と対向しない位置に設けられていることから、弾性体を枠体の半田付けにより容易に回路基板に取り付けることができると共に、半田付け部と溝部の端部とが対向していないので、半田付け時に発生するフラックスが溝部を介して膨出部内に侵入しにくいものとすることができる。
【0046】
また、基部の外周面を略円形状に形成すると共に、枠体に弾性体の周方向の位置を規制する位置決め部を設けたので、基部が枠体に対して回転することはなく、枠体の半田付け部と基部の溝部との位置関係を保つことができる。
【0047】
また、回路基板に載置される基部の載置面には、基部の外部とこの基部から突出した膨出部内とに連通する溝部が複数の屈曲部を有する迷路状構造となっていることから、空気と共に塵埃が溝部内に入り込んだとしても、複数の屈曲部が障害となって塵埃が膨出部の内部に達しにくいものとなり、信頼性の高い可動接点体を提供することができる。
【0048】
また、本発明の押釦スイッチ用可動接点体を用いたスイッチ装置においては、弾性体の基部の外部とこの基部から突出した膨出部内とに連通する基部の載置面に形成された溝部が、平面視して、膨出部の下面側中央部に設けられた接点部の周囲に向かう方向に延設されているもの、あるいは、複数の屈曲部を有する迷路状構造をなしているものであり、接点部を回路基板の固定接点に対向させて、弾性体を回路基板に取り付けているので、溝部を通して塵埃が空気と共に膨出部内に入り込んで接点付近に集まるような不具合が発生しにくく、信頼性の高いスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる押釦スイッチ用可動接点体の正面図である。
【図2】図1に示す押釦スイッチ用可動接点体の平面図である。
【図3】図1に示す押釦スイッチ用可動接点体の底面図である。
【図4】図1に示す押釦スイッチ用可動接点体を回路基板に取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる弾性体の平面図である。
【図6】図5に示す弾性体の底面図である。
【図7】図5に示す弾性体の溝部を説明するための断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わる枠体の正面図である。
【図9】図8に示す枠体の底面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係わる弾性体の底面図である。
【符号の説明】
1 弾性体
1a 基部
1b 中空部
1c 弾性変形部(膨出部)
1d 釦部
1e 突出部
1f 凹凸部
1g 溝部
1h 載置面
1i 外周面
1j 逃げ部
1k 凸部
2 接点部
3 枠体
3a 上板部(規制部)
3b 立壁部
3c 角部
3d 孔部
3e 内壁面
3f 切り欠き(位置決め部)
3g 半田付け部
4 回路基板
5 クリーム半田
6 固定接点
11 弾性体
11a 基部
11b 中空部
11c 弾性変形部(膨出部)
11g 溝部
11h 載置面
11m 外部側屈曲部
11n 内部側屈曲部
11p 円弧状部
12 接点部
Claims (5)
- 回路基板に載置される載置面を下面に備えた基部と該基部から突出形成された反転可能なドーム状の膨出部とを有する絶縁性の弾性体と、前記膨出部の下面側中央部に設けられた接点部とを備え、前記基部の載置面には、前記基部の外部と前記膨出部内とに連通する溝部が形成されていると共に、この溝部が平面視して、前記接点部の周囲に向かう方向に延設されており、前記弾性体の基部は、半田付け可能な金属材からなる枠体に取り付けられると共に、前記枠体には前記回路基板への表面実装時の半田付け部が備えられ、前記半田付け部が前記溝部の前記基部の外部側における端部と対向しない位置とされていることを特徴とする押釦スイッチ用可動接点体。
- 回路基板に載置される載置面を下面に備えた基部と該基部から突出形成された反転可能なドーム状の膨出部とを有する絶縁性の弾性体と、前記膨出部の下面側中央部に設けられた接点部とを備え、前記基部の載置面には、前記基部の外部と前記膨出部内とに連通する溝部が形成されていると共に、この溝部が複数の屈曲部を有する迷路状構造となっており、前記弾性体の基部は、半田付け可能な金属材からなる枠体に取り付けられると共に、前記枠体には前記回路基板への表面実装時の半田付け部が備えられ、前記半田付け部が前記溝部の前記基部の外部側における端部と対向しない位置とされていることを特徴とする押釦スイッチ用可動接点体。
- 前記溝部は、前記基部の載置面に複数形成されていることを特徴とする請求項1または 2記載の押釦スイッチ用可動接点体。
- 前記基部の外周面を略円形状に形成すると共に、前記枠体には、前記弾性体の周方向の位置を規制する位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1 乃至 3記載の押釦スイッチ用可動接点体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の押釦スイッチ用可動接点体と、固定接点を有する前記回路基板とを備え、前記接点部を前記固定接点に対向させて、前記弾性体を前記回路基板上に取り付けたことを特徴とするスイッチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002082876A JP4084066B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002082876A JP4084066B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003281968A JP2003281968A (ja) | 2003-10-03 |
JP4084066B2 true JP4084066B2 (ja) | 2008-04-30 |
Family
ID=29230895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002082876A Expired - Fee Related JP4084066B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4084066B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4206969B2 (ja) | 2004-05-31 | 2009-01-14 | ソニー株式会社 | 電源装置 |
JP5429315B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2014-02-26 | Smk株式会社 | 接触部材 |
JP6468649B2 (ja) * | 2015-05-22 | 2019-02-13 | アルプス電気株式会社 | 押釦スイッチ |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002082876A patent/JP4084066B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003281968A (ja) | 2003-10-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI284337B (en) | Push-on switch | |
JP4486301B2 (ja) | ボタン型電池用ターミナルおよびこれを用いた電気機器 | |
US7557320B1 (en) | Surface-mount dome switch | |
CN108780714B (zh) | 按压开关 | |
JP5567470B2 (ja) | スイッチ装置 | |
US8124902B2 (en) | Push button switch | |
JP2003297175A (ja) | プッシュオンスイッチ | |
JP4062675B2 (ja) | 横型押しボタンスイッチとその実装方法 | |
JP4084066B2 (ja) | 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 | |
KR100515172B1 (ko) | 푸시버튼 스위치용 가동접점체 및 이를 사용한 스위치장치 | |
JP2004031171A (ja) | 2段動作プッシュスイッチ | |
JP2000057885A (ja) | 押釦スイッチ及びその製造方法 | |
JP2003109453A (ja) | 押釦スイッチ | |
JP2003281967A (ja) | 押釦スイッチ用可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 | |
JP2005129301A (ja) | 押釦スイッチ | |
JP2004234991A (ja) | 可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 | |
JP4101560B2 (ja) | 可動接点体およびこれを用いたスイッチ装置 | |
JP2002075311A (ja) | 電池ホルダおよびこれに収容されるボタン型電池 | |
KR20130123057A (ko) | 전자부품용 택트 스위치 | |
JP2008071526A (ja) | スイッチ装置 | |
JP2001184984A (ja) | 押釦スイッチ | |
JPH0320986Y2 (ja) | ||
JPH065063U (ja) | スイッチ | |
JP4426884B2 (ja) | プッシュオンスイッチ | |
JP4097638B2 (ja) | 押釦スイッチ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071023 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080214 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |