JP4077143B2 - クロメート排液の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロメート処理ラインにて発生する排液(本発明において、これをクロメート排液という)の処理方法、特に、そのクロメート排液から溶存Cr成分を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパークプラグやグロープラグの主体金具など、鉄系材料で構成される部品においては、その表面に防食用のZnメッキあるいはSnメッキが施されることがあるが、より高い耐食性が要求される場合には、メッキ層の上にさらにクロメート処理が施されることがある。例えば、亜鉛メッキ層は鉄に対しては優れた防食効果を有するが、よく知られている通り、鉄上の亜鉛メッキ層は犠牲腐食により消耗しやすく、また、生じた酸化亜鉛により白く変色して外観も損なわれ易い欠点がある。そこで多く場合、亜鉛メッキ層の表面をさらにクロメート被膜で覆い、メッキ層の腐食を防止することが行われている。
【0003】
従来、クロメート処理としては、いわゆる黄色クロメートが用いられてきた。この黄色クロメートは、防食性能が良好であるため広く使用されてきたが、クロム成分の一部が六価クロムの形で含有されていることが災いして、環境保護に対する関心が地球規模で高まりつつある近年では次第に敬遠されるようになってきている。また、黄色クロメート処理浴は、比較的高濃度の六価クロムを含有するものが使用されるから、排液中の六価クロムを三価クロムに還元するための還元処理が別途必要となり、コストがかかる難点もある。そこで、代替のクロメート処理として、六価クロムを使用しない三価クロム系のクロメート処理が注目され始めている。例えば、ドイツ公開特許公報DE19638176A1号には、三価クロム塩とともに三価クロムに対する錯化剤(有機酸が主体となる)を配合したものを用いることで、一般的なクロメート処理法では困難な緻密で厚膜の三価クロム系クロメート被膜を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
クロメート処理ラインでは、例えばクロメート処理後のワークの洗浄排液や、寿命が到来した廃クロメート処理液が、クロメート排液として発生する。このようなクロメート排液は、溶存Cr成分を除去した後廃棄する必要がある。その除去方法としては、Ca(ОH)2(水酸化カルシウム)を排液中に投入してCr成分をCr(OH)3の形で除去する方法が一般的である。しかしながら、前述のドイツ公開特許公報に開示された三価クロム系クロメート処理液のように、錯化剤等の有機酸成分を多量に含有した処理液の場合、排液中にも当然に有機酸成分が多く含有され、これがCrと強固な結合を形成するために、通常の処理ではCr成分の分離・除去が困難な問題がある。
【0005】
本発明の課題は、有機酸成分を多く含有したクロメート排液でもCr成分の分離・除去を安価にかつ効果的に行なうことができるクロメート排液の処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明のクロメート排液の処理方法の第一は、
有機酸成分とZn成分とを含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつクロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
前記クロメート排液にCr沈澱促進剤を投入し、液のpHを9以上の第一値に一旦保持した後、液のpHを第一値から8以上の第二値に降下させてZn成分を沈澱させることを特徴とする。
また、第二は、
有機酸成分を含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつクロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
Cr沈澱促進剤としてCa系無機化合物を使用するとともに、Cr成分を含有した沈澱物(以下、Cr系沈殿物という)を分離した後、Caとの間で沈澱(以下、Ca系沈殿物という)を形成する酸により液を中和して、液中の溶存Ca成分をCa系沈殿物の形で分離することを特徴とする。
さらに、第三は、
有機酸成分を含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつクロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
Cr沈澱促進剤としてMg系無機化合物を使用するとともに、Cr系沈澱物を分離した後、酸により液を中和し、中和後の液中の溶存Mg成分を逆浸透法又はイオン交換法により除去することを特徴とする。
【0007】
クロメート処理の排液にCa(OH)2等のCr沈澱促進剤を添加して、溶存Cr成分を、Cr成分を含有する沈澱物(以下、Cr系沈澱物という)の形で除去する際に、排液のpHレベルはCr系沈澱物の生成反応あるいは凝集反応(以下、これらを総称してCr成分の沈澱反応ともいう)に大きな影響を及ぼす。従って、反応を速やかに進行させるためには、pHレベルを適切な値に調整・維持することが重要である。本発明者らの検討によると、黄色クロメート処理などの従来のクロメート排液では、pHが8程度において沈澱促進剤の添加により、Cr成分の沈澱反応を問題なく進行させることができるが、錯化剤等の有機酸成分を多量に含有した排液の場合、沈澱促進剤を相当量添加しても、Cr成分の沈澱反応は思うように進行しないことが判明した。その理由としては、有機酸成分がCrイオンと強固結合して錯体を形成するため、Cr成分の沈澱反応が阻害されていることが考えられる。
【0008】
そこで、さらに鋭意検討を重ねた結果、Cr成分の沈澱反応を進行させる際の排液のpHを、従来よりも高い9以上に維持することにより、有機酸成分を多く含有する排液においても、Cr成分の沈澱反応を速やかに進行させることが可能となり、液中の溶存Cr成分濃度を効果的に減少できることを見出して、本発明を完成するに至ったのである。
【0009】
排液のpHが9未満では、Cr成分の沈澱反応の速度が低下し、本発明の目的を達成できなくなる。また、沈澱物が微細化して凝集しにくくなり、沈殿物の分離・回収が困難になる。他方、pHの上限値に特に制限はないが(理論上は14が最大値である)、pH調整用の添加剤(これは、Cr沈澱促進剤が兼ねる場合もあるし、これとは別の物質がpH調整用の添加剤として使用される場合もある)の配合量が不必要に大きくなり過ぎないように、適宜上限を考慮することが望ましい。例えば、pHを12.5より大きくしても、Cr沈澱促進効果のそれ以上の改善はもはや期待できなくなり、逆に液のpHをそのような高い値に維持するのに必要なpH調整用添加剤の配合量が大幅に増加するので、却って不経済となる場合がある。なお、本明細書において「沈澱物」の概念は、液中にて沈下・堆積した固形物のみでなく、液中に浮遊している懸濁物も含むものとする。
【0010】
また、本明細書において処理対象となるクロメート排液は、例えばクロメート処理後の被処理部材を洗浄した際に生ずる洗浄排液のほか、寿命が到来したクロメート処理液などである。例えば洗浄排液中に溶存するCr含有濃度は、おおむね10〜200ppm程度である。また、寿命が到来したクロメート処理液中のCr含有濃度は、おおむね8000〜12000ppm程度であるが、本発明の適用により、このような排液の溶存Cr含有濃度を、2ppm以下とすることが容易に可能となる。
【0011】
本発明の処理対象となるクロメート排液は、有機酸成分を含有するものであれば特に限定されないが、有機酸を特に多く含有するクロメート処理浴としては、前述のドイツ公開特許公報DE19638176A1号に開示されているものがあり、その排液処理に際して本発明の効果をとりわけ顕著に達成することができる。このクロメート処理液は、一般的なクロメート処理法では困難な緻密で厚膜(例えば、0.2〜0.5μm)の三価クロム系クロメート被膜を形成することを目的としている。クロメート被膜の形成過程は、処理浴中において下地金属(例えば亜鉛)の酸化溶出がまず起こり、その溶出した下地金属成分と、クロメートイオンを含有する溶液とが反応して、三価クロムが水酸基あるいは酸素のブリッジによってポリマー状の錯体を形成して下地金属表面上にゲル状に沈澱・堆積する機構が主体になっているというのが定説である。この場合、クロメート被膜が成長するためには、下地金属の溶出と、溶出した下地金属と浴中のクロメートイオンとの反応・堆積とが並行して進まなければならない。しかしながら、クロメート被膜がある程度堆積すると、浴液との界面を介した不均一反応である下地金属層の溶出反応が妨げられ、被膜の成長は停滞する。
【0012】
上記のドイツ公開特許公報の開示内容によれば、被膜の厚膜化を図るには、下地金属の溶解と、溶解した下地金属成分と三価クロムとの反応による被膜沈澱との速度を大きくしつつ、堆積したクロメート被膜の逆溶解の速度をなるべく小さくすることが重要である。そして、上記の方法では、適当な錯化剤を浴中に添加して三価クロムを錯体化することにより被膜沈澱が促進され、厚膜化が可能になると考えられる。その錯化剤としては、各種キレート剤(ジカルボン酸、トリカルボン酸、オキシ酸、水酸基ジカルボン酸あるいは水酸基トリカルボン酸等:例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アセレイン酸、セバシン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びアスコルビン酸から選ばれる1種又は2種以上)を用いることが有効であるが、他の錯化剤を用いてもよく、その使用可能な錯化剤については、上記ドイツ特許公報に記載されている通りである。例えば建浴時において処理液に含有される錯化剤の合計含有量は2〜10質量%程度であり、寿命到来時点でもなお、2〜10質量%程度の錯化剤が含有される。また、クロメート処理品を洗浄することにより生ずる洗浄排液中にも0.01〜0.03質量%程度の錯化剤が含有される。
【0013】
本発明において、Cr沈澱促進剤は、Ca系無機化合物又はMg系無機化合物の少なくともいずれかを使用することが望ましい。Cr沈澱促進剤として有機化合物を使用することも可能ではあるが、有機化合物の種類によっては、Crイオンに対して錯化剤として結合し、却ってCrイオンの溶存状態を安定化させてしまう惧れも否定しきれない。しかしながら、無機化合物を使用すればそのような不具合発生に対する懸念は生じない。また、Ca系無機化合物やMg系無機化合物は総じて安価であり、Cr系沈澱物の生成反応を促進する効果にも優れるので本発明に公的に使用できる。なお、Ca系無機化合物としては、例えばCa(ОH)2、CaCl2及びCa(NO3)21種又は2種以上を使用できる。また、可溶性Mg系無機化合物としては、例えばMgCl2、Mg(NO3)2及びMgSO4の1種又は2種以上を使用できる。
【0014】
Cr沈澱促進剤として例えばCa(ОH)2を使用した場合、それ自身が塩基性の強い化合物であるため、排液pHを塩基性領域に調整する作用も同時に達成できる。その結果、排液のpHを調整するための添加剤を別途添加する必要がなくなるか、あるいはその添加量を削減できる利点を生ずる。なお、Ca(ОH)2を、主に後述する塩基性pH調整剤として使用することも可能である。
【0015】
一方、Cr沈澱促進剤としては、なるべく水への溶解度の高い物質を使用することが、Cr沈澱反応の速度を高める上で望ましい。特に、CaCl2あるいはMgCl2は、水への溶解度が大きく、しかも安価であるので本発明に好適に使用することができる。
【0016】
Cr沈澱促進剤としてCa(ОH)2を使用する場合、排液1リットル当たりの投入量を、Ca総量に換算した値にて50〜1000mg程度とするのがよい。排液1リットル当たりの投入量が50mg未満であると、Cr沈澱促進効果に乏しく、1000mgを超える投入は、量に見合った効果の顕著な増加を見込むことができず、無意味な処理コストの増大を招く。同様の理由により、CaCl2を使用する場合は、排液1リットル当たりの投入量をCa総量に換算した値にて500〜1000mg程度とするのがよく、MgCl2を使用する場合、排液1リットル当たりの投入量をMg総量に換算した値にて200〜500mg程度とするのがよい。
【0017】
なお、Cr沈澱促進剤として、CaCl2やMgCl2のように、塩基性がそれほど強くない化合物を使用する場合は、クロメート排液のpHを9以上とするために、該クロメート排液にCr沈澱促進剤とは別に塩基性pH調整剤を投入することが有効である。塩基性pH調整剤は、水溶性の高い強塩基性化合物を用いることが望ましく、例えばNaОH、KОH、LiОHあるいはCa(OH)2から選ばれる1種以上を使用できる。このうち、NaОHは、安価でpH上昇効果も顕著であることから、本発明に好適に使用することができる。ただし、NaОHを過度に投入することは、排液を最終的に放流したりする際にpH調整のための中和剤を多量に要し、無意味なコストアップを招くので好ましくない。また、MgCl2を使用する場合は、NaОHを過度に投入すると、Cr系沈澱物の再溶解によって、その分離・除去の効率を低下させてしまう惧れもある。従って、このような不具合が生じない範囲にて投入量を定めるのがよい。
【0018】
なお、Cr沈澱促進剤あるいは塩基性pH調整剤は、固体の状態で排液に添加しても、水溶液等の溶液形態で添加してもいずれでもよいが、反応の速度、均一性及び投入量調整の容易性を考慮すれば、溶液形態で添加する方が好都合な場合が多い。なお、Ca(ОH)2のように、水への溶解度が比較的小さい化合物を使用する場合は、懸濁液の形で添加してもよい。
【0019】
次に、Cr成分の沈澱により溶存Cr成分濃度を減少させる処理は、排液の温度を20℃以上に保持した状態にて行なうことができる。排液の温度を20℃以上に保持することで、Cr成分の沈澱反応を大幅に促進することができ、以下のような効果を達成することができる。
▲1▼溶存Cr成分濃度を短時間で低下させることができ、ひいては処理能率の大幅な向上を図ることができる。
▲2▼Cr沈澱促進剤の投入量をある程度削減しても、溶存Cr成分濃度を十分に低下させることができるようになる。その結果、Cr沈澱促進剤の使用コストのみならず、スラッジとして生成するCr系沈殿物の量も減少するので、スラッジ処理コストも低減できる。
【0020】
排液温度の上昇によりCr成分の沈澱反応が促進できる理由としては、錯化剤分子のCrイオンに対するキレート結合力が温度上昇により弱まり、Crイオンの錯形成状態が解消して、凝集しやすくなることが考えられる。
【0021】
排液の温度はより望ましくは25℃以上に保持するのがよく、さらに望ましくは30℃以上とするのがよい。そして、60℃程度までは、Cr成分の沈澱反応の効率は排液温度が上昇するほど高くなる。ただし、排液温度を上昇させることによるコスト削減効果と、排液を積極加熱するためのエネルギーコストとがトレードオフの関係にあるため、コスト削減効果が優位となる範囲にて排液温度は適宜設定する必要がある。この場合、工場内廃熱等を利用して処理排液を加熱するようにすれば、コスト削減効果は一層顕著なものとなる。他方、排液温度が85℃以上になると、排液から過剰な蒸発ミストが発生して、その回収等のために余分な設備が必要となるため、該温度よりも低温にて処理を行なうことが望ましい。
【0022】
なお、Cr沈澱促進剤としてCa(OH)2を使用する場合、Ca(OH)2は前述の通り塩基性pH調整剤としても機能しうるが、排液温度上昇によりその投入量を大幅に削減することが可能になった場合、Ca(OH)2の水への溶解度は液温が上昇するほど小さくなることもあって、上記塩基性pH調整剤としての観点から見た投入量が不足し、液pHを9以上とすることが不能となることも考えられる。この場合、例えばNaОH、KОH、LiОH等、Ca(OH)2以外の塩基性pH調整剤を補助的に添加して、液pHを9以上に維持することが有効である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1に、クロメート処理の適用対処となる製品の一例として、スパークプラグを示している。スパークプラグ10は、筒状の主体金具1、先端部が突出するようにその主体金具1内に嵌め込まれた絶縁体2、先端部を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が結合され、他端側が中心電極3の先端と対向するように配置された接地電極4等を備えている。接地電極4と中心電極3の間には火花放電ギャップgが形成されている。絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その貫通孔6の一方の端部側に端子金具13が固定され、同じく他方の端部側に中心電極3が固定されている。また、該貫通孔6内において端子金具13と中心電極3との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。主体金具1は、炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ10のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ10を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。1eは、主体金具1を取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる六角部である。また、主体金具1のねじ部7の基端部には、ガスケット30がはめ込まれている。このガスケット30は、炭素鋼等の金属板素材を曲げ加工したリング状の部品でる。そして、主体金具1の下地層(例えば炭素鋼)40外面全体には防食のための亜鉛メッキ層41(亜鉛系メッキ層)が形成され、そのさらに外側がクロメート被膜42で覆われている。また、ガスケット30の外面にも、同様に亜鉛メッキ層45とクロメート被膜46とが形成されている。これら亜鉛メッキ層及びクロメート被膜は、いずれも同一の方法によって形成される。
【0024】
亜鉛メッキ層41は、公知の電解亜鉛メッキ法により形成されるものであり、厚さは、例えば3〜10μm程度とされる。一方、クロメート被膜42は、含有されるクロム成分の95重量%以上が三価クロムであり、かつその膜厚が0.2〜0.5μmである。なお、クロム成分は、なるべく多くの部分が三価クロム成分となっているのがよく、望ましくはクロム成分の実質的に全てが三価クロム成分となっているのがよい。
【0025】
図2は、クロメート被膜42(図1)の形成方法の一例を模式的に示している。すなわち、公知の電解亜鉛メッキ法等により所定の膜厚の亜鉛メッキ層を形成した主体金具1を、クロメート処理浴50に浸漬する。これにより、図1に示すように、主体金具1の亜鉛メッキ層41の表面には、クロメート被膜42が形成される。クロメート処理浴50としては、比較的厚膜に形成するために、前述のドイツ公開特許公報に開示されたものが使用され、必要量のクロメートイオンのほか、錯化剤として前述の有機酸が相当量配合されたものである。なお、図2は概念的な工程を表す説明図であり、主体金具1を単にクロメート処理浴50に浸漬するように描いているが、実際は処理能率向上のため、公知のバレル処理法(透液性の容器内に主体金具をバラ積み挿入し、クロメート処理浴50中にて容器を回転させながら行なう処理)等を採用することができる。
【0026】
クロメート処理浴50から取り出された処理済の主体金具1(被処理物)は、洗浄用水への浸漬あるいは洗浄用水の噴霧により洗浄され、さらに乾燥後、次工程に回される。このときに、使用した洗浄用水はクロメート処理液の成分が混入し、溶存するCr成分やZn成分さらには錯化剤等の有機成分を含有したクロメート排液となる。また、クロメート処理に繰り返し供される事により寿命が到来した廃処理液も、適当な濃度(例えば洗浄排液と同程度の濃度)に希釈され、同様にクロメート排液となる。これらクロメート排液は、Cr成分の除去と中和処理とを目的とした排液処理がなされる。以下、これについて詳しく説明する。
【0027】
図3は、排液処理ラインの一例を概念的に示すものである。排液処理ライン100には、クロメート処理浴50や洗浄槽(図示せず)を含むクロメート処理ライン102にて発生した、被処理排液を貯溜するための貯留槽103が設けられている。排液はこの貯留槽103から反応槽104に随時移され、ここで、Cr沈澱促進剤として、適量のCa(OH)2あるいはCaCl2が添加される。さらに、CaCl2を用いる場合は、塩基性pH調整剤としてNaOHが添加される。液のpHは9〜12.5(望ましくは10〜12.5)に調整・維持される。
【0028】
上記処理により、反応槽104では、溶存Cr成分がCr(OH)3等の沈澱物が生成する。この段階では、沈澱物は微粒子の状態であり、多くが液中に浮遊するとともに、沈降速度も緩やかである。なお、クロメート排液に上記のようなCr沈澱促進剤を投入した後、液に撹拌を加えることがCr沈澱反応の促進を図る上で有効である。撹拌時間は、例えば反応促進効果を十分に引き出す観点から0.5時間以上とすることが望ましい。また、撹拌時間の上限に特に制限はないが、効果の顕著性と能率とを考慮して、例えば2時間程度を目安として撹拌時間の上限を定めることができる。
【0029】
次に、クロメート処理液が、上記のように、Znメッキ層に対するクロメート処理に用いられたものである場合には、排液中にはCr以外にZn成分も相当量が含有される(例えば、溶存Zn量にて5〜100ppm程度)。この場合、Zn成分を含有するクロメート排液にCr沈澱促進剤を投入して、液のpHを9以上の第一値に一旦保持することによりCr沈澱反応を促進し、その後、液のpHを第一値から8以上の第二値に降下させてZn成分を沈澱させることが、Zn成分の除去に有効となる場合がある。pHを8未満とすることは、後述のCr系沈澱物の凝集処理を行なう際に、凝集反応効率の低下を招く場合がある。また、降下後のpHが10を超えるとZn沈澱促進の効果に乏しくなる。
【0030】
なお、上記処理により、Zn成分の除去が必ずしも顕著に促進されない場合においても、後述の高分子凝集剤としてアニオン系の凝集剤を使用すれば、その凝集反応を最適化するために、液pHを、Cr沈澱反応時の第一値からそれよりも低い第二値に降下させることが有効となる場合がある。
【0031】
液のpHを低下させるためには、酸性pH調整剤として、例えばH2SO4、HNO3,HCl等の無機酸を使用することができ、特に、環境保護上問題となりやすい排液中の窒素あるいはCl濃度を低減する観点においては、H2SO4の使用が好ましい。なお、H2SO4を使用する場合、pHを8未満に下げると、別の問題として、Cr沈澱促進剤として添加したCa成分が、CaSO4(硫酸カルシウム(石膏))となって処理途中で大量に沈澱し、スムーズな処理が行なえなくなる場合がある。従って、この観点においても、Zn成分の上記の沈澱促進処理においては、液のpHを8以上とすることが望ましいのである。図3では、Cr沈澱促進剤を投入した後の液をpH調整槽105に導いて、H2SO4添加により液のpH調整処理を行なっている。
【0032】
Cr沈澱促進剤の投入によりCr成分を含有した沈澱物(以下、Cr系沈澱物)を生成させた排液は、高分子凝集剤を投入することにより、Cr成分を含有した沈澱物を凝集させてその沈下を促進させることができる。使用する高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミド等の非イオン系(あるいは弱アニオン系)凝集剤、アミノアルキルアクリレート(あるいはアミノアルキルメタクリレート)の4級塩重合体(あるいは共重合体)、ポリアミノメチルアクリルアミドの塩(あるいは4級塩)及びキトサン(酢酸塩)等のカチオン系凝集剤、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム/2−アクリロイルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合物、ポリアクリル酸ナトリウム等のアニオン系凝集剤を使用できる。このうち、ポリアクリルアミドは、水への溶解度が高く、かつ凝集能力も高いので本発明に特に好適に使用できる。
【0033】
なお、高分子凝集剤の投入量は、使用する高分子凝集剤の種類によっても異なるが、例えば0.01%程度の希薄凝集剤溶液を使用する場合は、排液1リットル当たりにこれを1〜5ml程度投入するのが適当である。図3では、上記pH調整処理が終了した排液を凝集槽106に導いて凝集剤を投入した後、さらに沈殿槽107にて凝集した沈澱物(Cr系沈澱物あるいはZn系沈澱物)を沈降させて、固液分離を図るようにしている。
【0034】
次に、Cr沈澱促進剤を排液に投入後、高分子凝集剤を投入して沈澱物を沈下させ、さらに固液分離を行なうまでの間に、液を所定時間、例えば30分以上放置することにより、溶存Cr成分あるいは溶存Zn成分の沈澱反応を一層促進することができ、ひいては処理後の液中の、これら溶存成分の含有量をさらに低減することができる。例えば、Cr沈澱促進剤を排液に投入した状態で放置(前述の通り撹拌を加えてもよい)することで、溶存Cr成分濃度を低下させることができる。他方、高分子凝集剤を投入したあと、固液分離を図るまでの間に所定時間液を放置することにより、溶存Cr成分濃度及び溶存Zn成分濃度を低下させることができる。
【0035】
図4は、反応槽104、pH調整槽105、凝集槽106及び沈殿槽107の構成例を示す模式図である。排液は排液供給管路130により反応槽104に注入される。該排液供給管路130上には貯留槽103(図3)からの排液を反応槽104に向けて圧送する送液ポンプ131が設けられている。また、Cr沈澱促進剤L1は薬剤タンク110に貯留され、管路111を経て反応槽104に供給される。その供給量は、管路111上に設けられた電磁バルブ112により、その投入量を容易に調整することができる。
【0036】
反応槽104内には、ここに滞留する被処理排液のpH値を検出するpH検出部120が設けられている。このpH検出部120としては、公知のpHセンサを使用することができる(例えば、アンチモン電極を用いるもの、液体膜型電極を用いるものなど)。そして、上記のpH検出部120により検出されたpH値を参照して、被処理排液のpHが9〜12.5(望ましくは10〜12.5)の範囲のものとなるように、Cr沈澱促進剤L1の投入量を制御する制御部132が設けられている。ただし、これはCr沈澱促進剤L1として、pH調整能力の大きいCa(OH)2の懸濁液を使用する場合であって、pH調整能力の小さいCr沈澱促進剤、例えばCaCl2を用いる場合には、塩基性pH調整剤(例えばNaOH水溶液)の投入量が、同様の機構により制御・調整される形となる。また、Cr沈澱促進剤の投入機構を、塩基性pH調整剤の投入機構とは別に設ける形となる。
【0037】
制御部132は、例えばコンピュータを主体に構成されるものであり、pH検出部120からの検出情報を参照して電磁バルブ112の開閉を制御し、被処理排液のpH値が前記した範囲のものとなるように、Cr沈澱促進剤あるいは塩基性pH調整剤等の薬剤投入量を調整する役割を果たす。その制御形態としては、電磁バルブ112を、例えば全開及び全閉のみ可能な電磁ストップバルブとして構成しておき、その開時間の調整(あるいは開閉時間のデューティ比制御)により薬剤の流量調整をする態様のほか、あるいは電磁バルブ112を電磁比例制御弁で構成し、電磁バルブ112の開き量にて薬剤の流量調整をする態様も採用可能である。
【0038】
次に、反応槽104内には、排液中の沈澱生成反応の促進及び沈澱生成物を被処理排液中に一時的に懸濁させるための撹拌機構140が設けられている。沈澱生成物が懸濁した排液は、排液流出管路114を経て、pH調整槽105に導かれる。これにより、沈澱生成物が反応槽104内に蓄積せず、下流側にてこれを一括回収できるので能率的である。本実施例では、撹拌機構140として、撹拌羽根128をモータ127により回転させるタイプのものを使用しているが、超音波撹拌等を採用してもよい。また、排液流出管路114は、反応槽104内の液面レベル付近か、それよりもやや下側に設けられて、槽内の排液をオーバーフローさせるオーバーフロー管路として構成されている。
【0039】
次に、pH調整槽105に流れ込んだ排液は、pHがpH検出部120により検出され、制御部132が電磁バルブ112の開閉を制御して、排液のpHが例えば8以上の所定値となるように、薬剤タンク110からの酸性pH調整剤L2(例えば硫酸)の排液への投入量が制御される。なお、この実施例では、pH調整槽105内の排液は、反応槽104から流入してきた沈澱生成物とともに撹拌機構140により撹拌し、反応効率を高めるとともに、沈澱生成物を一時的に懸濁させつつ下流工程に導くようにしている。
【0040】
そして、排液は沈澱生成物を懸濁させた状態にて、さらに管路115を経て凝集槽106に流入し、流入量に応じて電磁バルブ112の開閉制御により、薬剤タンク110からの高分子凝集剤L3の排液への投入量が定量調整される。ここでも凝集した沈澱生成物は撹拌機構140により撹拌・懸濁され、管路116を経て沈殿槽107に導かれる。ここで、上澄みとなる処理済み排液KLはオーバーフロー流出管路133から中和槽108(図3)へ流出する一方、沈降した沈澱生成物SLは一定量が蓄積したらバルブ121を操作して槽底部の排出口を開き、底部に溜まった濃縮沈澱物(Cr成分を含有する)のスラリーを図3のフィルタプレス装置109に導く。このフィルタプレス装置109により、沈澱物が脱水・分離され、ケーキとして回収される。なお、ここで分離される液は反応槽104に戻される。
【0041】
Cr成分を含有した沈澱物を分離した後の排液は、中和槽108にて中和された後、放流される。液中に溶存するCa成分を除去したい場合は、Caとの間で難水溶性の塩を形成する酸により液を中和することで、液中の溶存Ca成分を沈澱・分離することができる。この場合の酸は、例えばH2SO4を使用できる(沈澱生成物はCaSO4である)。中和後の処理液は、そのまま放流できる。なお沈澱物をフィルタプレス装置109により脱水・分離して回収してもよい。
【0042】
なお、Cr沈澱促進剤としてMg系無機化合物を使用することもできる。この場合、Cr成分を含有した沈澱物を分離した後、液を酸中和した後、中和後の液中の溶存Mg成分を逆浸透法又はイオン交換法により除去することができる。特に、液中の溶存Mgとの間で沈澱物を形成しない酸(例えばH2SO4)により液の中和を行なうこのようにすれば、溶存Mg成分を除去後の液をクロメート排液の処理工程内にて循環させることができ、クローズな処理システムを構築することができる。図5は、その場合の処理ラインの一例を示すものである。この処理ライン200においては、Cr沈澱促進剤としてはMgCl2を用いている(なお、図3と概念的に共通する要素には同一の符号を付与している)。この場合、反応槽104では、pHを9〜12.5に調整するために、NaOHを塩基性pH調整材として使用している。その後の工程は、中和槽108に至るまでは図3とほぼ同様であるが、H2SO4により液を中和しても、中和生成物は水溶性のMgSO4であって沈澱を生じない。そして、中和後の液は、逆浸透濾過装置(例えば、中空糸型膜モジュールなどの公知の逆浸透膜モジュールを使用するもの)113において、溶存Mg成分(及びその他の電解質成分)が除去される。除去後の液は、例えば再び貯留槽103や反応槽104あるいは中和槽108に戻したり、あるいはクロメート処理ライン102にて洗浄水や、新処理液の建浴に再利用したりすることで、クローズドシステムが実現できる。
【0043】
次に、排液の温度は常温でも十分に溶存Cr成分の除去を進行させることができるが、液温を20℃以上に上昇させると溶存Cr成分の沈澱反応を一層促進することができる。昇温効果は、液温が25℃以上、望ましくは30℃以上でさらに顕著となり、液の過剰な蒸発が生じない程度(例えば85℃程度まで)の範囲にて適宜温度調整を行なうことが望ましい。例えば洗浄排水のもととなる洗浄水の温度は、例えば冬期には10℃以下となり、水温が上昇する夏季においても15℃程度が上限であり、液温を20℃以上に保持するためには積極的に排液を加熱することが望ましいともいえる。
【0044】
図6は、排液を加熱するための種々の機構を模式的に示すものである。(a)に示す例では、貯留槽103(あるいは反応槽104)内に、排液Wを加熱するためのヒータ155を設ける例である。この例では、ヒータ155は加熱電源151による通電により抵抗発熱する電気ヒータを使用する例を示しているが、化石燃料を用いる燃焼式ヒータなど、他の方式のヒータを用いてもよい。また、(b)は、排液Wの供給管路130を外側から加熱するヒータ152を設けた例であり、(c)は排液供給管路130内に排液Wを直接加熱するヒータ153を設けた例である。
【0045】
さらに(d)は、スパークプラグ用の絶縁体の焼成炉や各種熱処理炉など、工場内の廃熱発生源154を、排液の加熱源として用いる例を示したものである。この図では、廃熱発生源154にて冷却用水として使用された温水を、冷却水配管145を介して熱交換器156に導き、該熱交換器156内にて配管130により供給される排液を、上記温水と接触させて加熱するようにしている。なお、排液自体を廃熱発生源154の冷却媒として使用することにより、加熱することも可能である。
【0046】
以上、本発明の実施の形態を、スパークプラグ用の主体金具にクロメート処理を行なう場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、スパークプラグの主体金具以外の部品をクロメート処理することにより発生するクロメート排液の処理にも適用できることはもちろんである。
【0047】
【実施例】
(実施例1)
クロメート処理浴50を、脱イオン水に対し1リットル当り、塩化クロム(III)(CrCl3・6H2O)を50g、硝酸コバルト(II)(Co(NO3)2)を3g、硝酸ナトリウム(NaNO3)を100g、マロン酸31.2gの割合で溶解することにより建浴し、ヒータにより液温60℃に保持するとともに、浴のpHを苛性ソーダ水溶液の添加により2.0に調整した。そして、亜鉛メッキ済み鋼材部品のクロメート処理に繰り返し供することにより寿命が到来した処理液を純水希釈して、溶存Cr量レベルが10質量ppm、50質量ppm及び100質量ppmの3水準のクロメート排液を用意した。
【0048】
各排液に、Cr沈澱促進剤としてCa(OH)2の懸濁液を、液のpHが6.8〜12.6の値となるように種々の量にて投入し、さらに30分撹拌した(なお、pHの測定値は30分撹拌後の測定値である)。次いで、液中にH2SO4(75%水溶液)を投入してpHを8まで低下させ、さらに高分子凝集剤として、ポリアクリルアミド0.01%水溶液を、被処理排液1リットルあたり2mlとなるように添加して撹拌後、約5分放置して沈澱生成物を沈降させた。そして、その上澄み液の全溶存Cr含有量と溶存Zn含有量とを原子吸光光度計によりそれぞれ分析した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
Cr沈澱促進剤投入後の排液のpHが高くなるほど、処理前の排液中の溶存Cr含有量とは無関係に、処理後の上澄み液の溶存Cr含有量が減少していることがわかる。特にpHが9以上、望ましくは10以上にて溶存Cr成分の除去効果、すなわちCr成分の沈澱促進効果がとりわけ顕著である。また、Zn量も、いずれも1質量ppm未満のレベルに低減されていることもわかる。なお、排液中に六価クロムが微量残留することもあるが、排液のpHを高くして全Cr量を減少させるに伴い、残留六価クロム量を低減することが可能になる。
【0051】
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、溶存Cr濃度が70質量ppm、溶存Zn濃度が5質量ppmの排液を作製し、さらに、CaCl2粉末を、Ca量換算にて500mg/リットル又は1000mg/リットルの水準にて排液中に投入した。また、2%NaOH水溶液を塩基性pH調整材として投入することにより、液のpHを9〜12の種々の値に調整・維持した。そして、その状態で液に0.5〜2hrの各種時間の撹拌を加え、その後は、実施例1と同様に処理するとともに、各撹拌時間毎の、処理後の液中における溶存Cr成分濃度と溶存Zn成分濃度との変化を調べた。以上の結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
いずれの条件においても、溶存Cr成分濃度及び溶存Zn成分濃度は撹拌時間が長くなるほど減少していることがわかる。また、液pHが高い場合、液pHが低い場合と比較して、上記溶存成分はより速やかに減少していることもわかる。
【0054】
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、溶存Cr濃度が60質量ppm、溶存Zn濃度が30質量ppmの排液を用意し、さらに、60%のCaCl2水溶液を、Ca量換算にて600mg/リットルの水準にて排液中に投入した。また、2%NaOH水溶液を塩基性pH調整剤として投入することにより、液のpHを11に調整・維持し、その状態で液に5分撹拌を加えた。そして、H2SO4の投入により液pHを9〜10に調整する処理を行った。そして、高分子凝集剤として、ポリアクリルアミド0.01%水溶液を、被処理排液1リットルあたり2mlとなるように添加して撹拌後、0〜900分の各種時間放置して沈澱生成物を沈降させた。そして、その上澄み液の全溶存Cr含有量と溶存Zn含有量とを実施例1と同様に分析した。図7はその結果を示すものであり、横軸が放置時間、縦軸が全溶存Cr含有量((a))と溶存Zn含有量((b))を表している。放置時間が長くなるほど、全溶存Cr含有量及び溶存Zn含有量はいずれも減少していることがわかる。
【0055】
(実施例4)
実施例3と同様の排液を用意し、さらに、MgCl2粉末を、Mg量換算にて200〜500mg/リットルの水準にて排液中に投入した。また、10%NaOH水溶液を塩基性pH調整剤として投入することにより、液のpHを10〜12の各種値に調整・維持し、その状態で液に30〜90分撹拌を加えた。次いで高分子凝集剤として、ポリアクリルアミド0.01%水溶液を、被処理排液1リットルあたり2mlとなるように添加して撹拌後、30分間放置して沈澱生成物を沈降させた。そして、その上澄み液の全溶存Cr含有量及び溶存Mg量を分析した。以上の結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
MgCl2を用いても、pHの調整によりCrの除去を効果的に行なうことが可能であることがわかる。また、液pHが高くなるほど溶存Mg量は少なくなることがわかる。ただし、MgCl2を用いた場合はpHが高くなると全溶存Cr量が増加する傾向が見られ、Crの再溶解が生じていると考えられる。
【0058】
(実施例5)
実施例1と同様の方法にて、溶存Cr量レベルが100質量ppm、溶存Zn量が200質量ppmのクロメート排液を用意した。この排液をヒータにより19℃、25℃、30℃及び40℃のいずれかの温度に加熱保持した。そして、各排液に対し、Cr沈澱促進剤としてCa(OH)2粉末を、0.4g/ml、0.6g/mlないし0.9g/mlのいずれかの量にて投入し、5〜30分の各種時間撹拌して、撹拌後の液pHを測定した。次いで、液中にH2SO4(75%水溶液)を投入してpHを8まで低下させ、さらに高分子凝集剤として、ポリアクリルアミド0.01%水溶液を、被処理排液1リットルあたり2mlとなるように添加して撹拌後、約5分放置して沈澱生成物を沈降させた。そして、その上澄み液の全溶存Cr含有量と溶存Zn含有量とを原子吸光光度計によりそれぞれ分析した。表4は、撹拌時間を30分に固定した場合の各温度における全溶存Cr含有量と溶存Zn含有量との分析結果を示すものである。
【0059】
【表4】
【0060】
この結果によると、排液温度が高くなるほど、Ca(OH)2粉末の投入量を少なくしても、全溶存Cr含有量が減少しており、Cr沈澱反応が促進されていることがわかる。
【0061】
また、表5〜表7は、Ca(OH)2粉末の投入量を0.9g、0.6g/lないし0.4g/lに固定し、排液温度を25〜40℃の各種温度としたときの、各撹拌時間における全溶存Cr含有量と溶存Zn含有量との分析結果を示すものである。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
この結果によると、いずれのCa(OH)2粉末投入量においても、排液温度が高くなるほど、より短時間で溶存Cr濃度は速やかに規制値である5質量ppm以下の値に到達していることがわかる。特に、排液温度が30℃ないし40℃においては、Ca(OH)2粉末投入量を0.4g/lまで減少させても、5分以内の短時間で溶存Cr濃度を5質量ppm以下にできていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロメート処理の対象となるスパークプラグの一例を示す縦半断面図。
【図2】クロメート処理工程の説明図。
【図3】クロメート排液の処理ラインの一例を示す説明図。
【図4】図3の反応槽、pH調整槽、凝集槽及び沈澱槽の構成例を示す模式図。
【図5】クロメート排液処理ラインの別の例を示す説明図。
【図6】排液加熱方法の具体例をいくつか例示して示す模式図。
【図7】実施例3の実験結果を示すグラフ
【符号の説明】
41,45 亜鉛メッキ層
42,46 クロメート被膜
100,200 排液処理ライン
102 クロメート処理ライン
103 貯留槽
104 反応槽
105 pH調整槽
106 凝集槽
107 沈澱槽
Claims (16)
- 有機酸成分とZn成分とを含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつ前記クロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
前記クロメート排液に前記Cr沈澱促進剤を投入し、液のpHを9以上の第一値に一旦保持した後、液のpHを前記第一値から8以上の第二値に降下させてZn成分を沈澱させることを特徴とするクロメート排液の処理方法。 - 前記Cr沈澱促進剤は、Ca系無機化合物又はMg系無機化合物の少なくともいずれかが使用される請求項1記載のクロメート排液の処理方法。
- 有機酸成分を含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつ前記クロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
前記Cr沈澱促進剤としてCa系無機化合物を使用するとともに、Cr成分を含有した沈澱物(以下、Cr系沈殿物という)を分離した後、Caとの間で沈澱(以下、Ca系沈殿物という)を形成する酸により液を中和して、液中の溶存Ca成分を前記Ca系沈殿物の形で分離することを特徴とするクロメート排液の処理方法。 - 有機酸成分を含有したクロメート排液に対し、Ca成分及びMg成分の少なくともいずれかを含有するCr沈澱促進剤を添加し、かつ前記クロメート排液のpHを9以上に維持することによりCr成分を沈澱させて、液中の溶存Cr成分濃度を減少させるとともに、
前記Cr沈澱促進剤としてMg系無機化合物を使用するとともに、Cr系沈澱物を分離した後、酸により液を中和し、中和後の液中の溶存Mg成分を逆浸透法又はイオン交換法により除去することを特徴とするクロメート排液の処理方法。 - 液中の溶存Mgとの間で沈澱物を形成しない酸を用いて液の中和を行なう請求項4記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記Cr沈澱促進剤としてCa(OH)2、CaCl2及びMgCl2の少なくともいずれかを使用する請求項2ないし5のいずれか1項に記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記クロメート排液のpHを9以上とするために、該クロメート排液に前記Cr沈澱促進剤とは別に塩基性pH調整剤を投入する請求項2ないし6のいずれか1項に記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記塩基性pH調整剤は、NaОH、KОH及びLiОHから選ばれる1種以上が使用される請求項7記載のクロメート排液の処理方法。
- 処理対象となるクロメート排液は、Cr含有濃度が10〜1000ppmのものである請求項1ないし8のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記Cr沈澱促進剤としてCaCl2が使用され、かつ前記クロメート排液に対し1リットル当たりのCa含有量が500〜1000mgとなるように添加される請求項4ないし9のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記Cr沈澱促進剤としてMgCl2が使用され、かつ前記クロメート排液に対し1リットル当たりのMg含有量が200〜500mgとなるように添加される請求項4ないし9のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記クロメート排液にCr沈澱促進剤を投入して液に撹拌を加える請求項1ないし11のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記撹拌時間を0.5〜2時間とする請求項12記載のクロメート排液の処理方法。
- Cr成分の沈澱により溶存Cr成分濃度を減少させる処理を、前記排液の温度を20℃以上に保持した状態にて行なう請求項1ないし13のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
- 前記処理を、前記排液の温度を25℃以上に保持した状態にて行なう請求項14記載のクロメート排液の処理方法。
- クロメート排液に前記Cr沈澱促進剤を投入し、液pHが9以上の状態で0.5時間以上保持後、高分子凝集剤を投入してCr成分を含有した沈澱物を凝集させて沈下を促進する請求項1ないし15のいずれかに記載のクロメート排液の処理方法。
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