JP4073069B2 - 光走査型タッチパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータの表示画面等をタッチするための目標区域として規定された平面の範囲とし、その平面の範囲内を遮断物(指示物)によりタッチして情報を入力する光走査型タッチパネルに関し、特にその信号処理系の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の画面に表示された情報に対してタッチ方式にて入力操作を行なう場合には、その表示画面上での接触位置(指示位置)を高精度に検出する必要がある。このような座標面となる表示画面上の指示位置を検出する方法として、「キャロル方式」(米国特許4,267,443号)が知られている。この方法は、表示画面の前面の枠に発光素子と受光素子とを対向配置させることによって表示画面の前面に光のマトリックスを構成し、指またはペンの接触による光の遮断位置を検出している。この方法では、高いS/Nが得られて大型の表示装置に適用を拡張させることも可能であるが、発光素子及び受光素子の配置間隔に検出の分解能が比例するので、検出の分解能を高めるためにはその配置間隔を狭くする必要がある。従って、大画面に対してペン先等のような細い物で接触した場合にもその接触位置を精度良く検出するためには、配置すべき発光素子及び受光素子の数が増大し、構成が大嵩になると共に、信号処理も複雑になるという問題がある。
【0003】
また、他の光学的な位置検出方法が、特開昭57−211637号公報に開示されている。この方法は、レーザ光線のような絞った光を表示画面の外側から角度走査し、反射体を有する専用ペンからの反射光の2つのタイミングから専用ペンが存在する角度をそれぞれ求め、求めた角度を三角測量の原理にあてはめて位置座標を計算にて検出する。この方法では、部品点数を大幅に削減でき、また、高い分解能を有することも可能である。しかしながら、専用の反射ペンを利用しなければならない等、操作性に問題があり、また、指,任意のペン等の位置は検出することができない。
【0004】
更に他の光学的な位置検出方法が、特開昭62−5428号公報に提案されている。この方法は、表示画面の両側枠に光再帰性反射体を配置し、角度走査した光線のこの光再帰性反射体からの戻り光を検知し、指またはペンによって光線が遮断されるタイミングから指またはペンの存在角度を求め、求めた角度から三角測量の原理にて位置座標を検出する。この方法では、部品点数が少なくて検出精度を維持でき、指,任意のペン等の位置も検出できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のこの種の装置では、受光素子の温度変化等による感度への影響のためにオフセット電圧が変化して正確な測定が出来ない可能性がある。
【0006】
また、従来のこの種の装置では、1回の走査において受光素子が反射光を受光する時間は、個々の装置のポリゴンミラー等の回転速度のばらつきに応じて異なるが、製造者において個々の装置に対する調整を行なうことは煩瑣であり、また出荷後の変動には対応出来ない。
【0007】
更に、従来のこの種の装置では、2個またはそれ以上の遮断物(指示物)が走査面に存在する場合には正確な位置検出が行なえないという問題がある。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受光素子の温度変化等による感度変化の影響を排除して正確な測定が可能な光走査型タッチパネルを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、1回の走査において受光素子が反射光を受光する時間の個々の装置におけるばらつきを自動的に補正し、また出荷後の変動にも容易に対応可能な光走査型タッチパネルを提供することを目的とする。
【0010】
更に、本発明は、2個またはそれ以上の遮断物(指示物)が走査面に存在する場合には正確な位置検出が行なえないという状態は一時的な状態である場合が多いため、そのような場合には位置検出を行なわないようにして無用な混乱を回避し得る光走査型タッチパネルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光走査型タッチパネルは、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、発光器,発光器が発光した光を前記平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及び光走査部により走査される光を直接受光する第1の受光素子及び該第1の受光素子に続き前記光走査部により走査される光の前記光再帰性反射体による反射光を受光する第2の受光素子を含む受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、前記第2の受光素子が前記光再帰性反射体による反射光を受光した場合の受光信号を所定しきい値と比較することにより、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断タイミングを検出する比較器と、前記光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、前記平面の範囲内での前記指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、計測手段による計測結果に従って前記指示物の前記平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、前記第1の受光素子が前記光走査部により走査される光を直接受光した場合の受光信号の最低レベルを検出する信号レベル検出手段と、信号レベル検出手段により検出された信号のレベルに所定値を加算する加算手段と、加算手段により得られた加算値を前記比較器に前記所定しきい値として設定するしきい値設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような本発明の光走査型タッチパネルでは、第1の受光素子の受光信号の最低レベルが検出され、この検出された信号のレベルに所定値を加算した値が比較器に所定しきい値として設定されるため、感度変化等に起因する受光信号のレベル変動の影響を受けない。
【0013】
また本発明に係る光走査型タッチパネルは上述の発明において、信号レベル検出手段は、第1の受光素子の受光信号の最低レベルと共に、上述の平面の範囲内に指示物が存在しない状態で第2の受光素子が走査光を受光した場合の受光信号の最低レベルを検出し、加算手段は、信号レベル検出手段により検出された二つのレベルの中間の値を第2の受光素子の受光信号の最低レベルに加算すべくなしてあることを特徴とする。
【0014】
このような本発明の光走査型タッチパネルでは、第2の比較素子のしきい値が最適な値に設定される。
【0015】
更に本発明に係る光走査型タッチパネルは、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、発光器,発光器が発光した光を前記平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及び光走査部により走査される光を直接受光する第1の受光素子及び該第1の受光素子に続き前記光走査部により走査される光前記光再帰性反射体による反射光を受光する第2の受光素子を含む受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、前記第2の受光素子が前記光再帰性反射体による反射光を受光した場合の受光信号を所定しきい値と比較することにより、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断タイミングを検出する比較器と、前記光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、前記平面の範囲内での前記指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、計測手段による計測結果に従って前記指示物の前記平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、前記第1の受光素子が前記光走査部により走査される光を直接受光した場合の受光信号の最低レベルを検出する信号レベル検出手段と、該信号レベル検出手段により検出された信号のレベルに所定値を加算する加算手段と、該加算手段により得られた加算値を前記比較器に前記所定のしきい値として設定するしきい値設定手段と、前記平面上に指示物が存在しない場合に前記受光器が出力する受光信号のレベルの継続時間を計時する計時手段とを備え、前記計測手段は、前記受光器が前記平面上に指示物が存在しない場合のレベルの受光信号を出力し始めた時点から前記計時手段により計時された前記継続時間内において前記比較手段の比較結果が変化した場合に計測を行なうべくなしてあることを特徴とする。
【0016】
このような本発明の光走査型タッチパネルでは、受光器の受光信号の最低レベルが検出され、この検出された信号のレベルに所定値を加算した値が比較器にしきい値として設定されるため、感度変化等に起因する受光信号のレベル変動の影響を受けない。また、前記平面上に指示物が存在しない場合の受光器の出力信号のレベルの継続時間が計時され、この計時された継続時間内において比較手段の比較結果が変化した場合に計測が行なわれるので、個々の装置に対する個別の調整を行なう必要がない。
【0017】
更に本発明に係る光走査型タッチパネルは上述の発明において、計時手段による計時は、起動時に自動的に実行されること、または所定の指示が与えられた場合に実行されることを特徴とする。
【0018】
このような本発明の光走査型タッチパネルでは、起動時に自動的に、または所定の指示が与えられた場合に計時手段による計時が実行されるので、1回の走査において受光素子が反射光を受光する時間の個々の装置におけるばらつきが自動的に補正される。
【0019】
また更に本発明に係る光走査型タッチパネルは、指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、発光器,この発光器が発光した光を上述の平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及びこの光走査部により走査される光の光再帰性反射体による反射光を受光する受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、受光器による受光信号を所定しきい値と比較することにより、上述の平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断開始タイミング及び遮断終了タイミングを検出する比較器と、光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、上述の平面の範囲内での指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、この計測手段による計測結果に従って指示物の上述の平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、光走査部による各1回の角度走査の間に、比較器が、上述の平面上に存在する指示物による遮断開始タイミングを検出する都度、その回数を計数する第1の計数手段、及び光走査部による各1回の角度走査の間に、比較器が、上述の平面上に存在する指示物による遮断開始タイミング及び遮断終了タイミングを検出する都度、その回数を計数する第2の計数手段とを備え、計測手段は、第1の計数手段の計数値が2以上である場合、又は第2の計数手段の計数値が2でない場合は計測を行なわないようになしてあることを特徴とする。
【0020】
このような本発明の光走査型タッチパネルでは、上述の平面上に存在する指示物による遮断開始タイミング2度以上検出された場合、又は遮断開始タイミング及び遮断終了タイミングの検出回数が2ではない場合は計測手段による計測は行なわれないため、検出不可能な状態に陥って無用の混乱が生じるという事態が未然に回避される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明の光走査型タッチパネルの実施の形態の一例の基本構成を示す模式図である。
【0023】
図1において参照符号10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器におけるCRTまたはフラットディスプレイパネル(PDP,LCD,EL等),投射型映像表示装置等の表示画面であり、本実施の形態では横方向92.0cm×縦方向51.8cmで対角105.6cmの表示寸法を有するPDP(プラズマディスプレイ)の表示画面として構成されている。
【0024】
遮断物(指示物)Sによりタッチするための目標区域として規定された平面の範囲であるこの長方形の表示画面10の一つの短辺(本実施の形態では右側の辺)の両隅の外側には、発光素子,受光素子,ポリゴンミラー等を含む光学系を内部に有する光送受ユニット1a,1bがそれぞれ設けられている。また、表示画面10の右側の辺を除く3辺、つまり、上下両側の辺及び左側の辺の外側には再帰性反射シート7が設けられている。これらの部品は筐体の前面側に設置されている図示しない庇状の遮蔽体により遮蔽された状態で配置されている。
【0025】
なお、参照符号70は光遮蔽部材である。この光遮蔽部材70は、両光送受ユニット1a,1b間で直接光が入射されないように、具体的には光送受ユニット1aから投射された光が光送受ユニット1bへ入射されないように、また逆に光送受ユニット1bから投射された光が光送受ユニット1aへ入射されないように、両光送受ユニット1a,1bを結ぶ線上に設けられている。またこの光遮蔽部材70は、光の反射率が実用上”0”である物体で、再帰性反射シート7の高さとほぼ同じ程度の高さに構成されている。
【0026】
また、参照符号Sは遮断物(指示物)としての人の指の断面を示している。
【0027】
図2は、光送受ユニット1a,1bの内部構成及び光路を示す模式図である。両光送受ユニット1a,1bは、赤外線レーザを出射するレーザダイオードからなる発光素子11a,11bと、発光素子11a,11bからのレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズ12a,12bと、再帰性反射シート7からの反射光を受光する受光素子13a,13bと、受光素子13a,13bに入射される表示画面,照明灯等からの外部光の可視光成分を遮断する可視光カットフィルタ14a,14bと、反射光を受光素子13a,13bに導くためのビームスプリッタ15a,15bと、発光素子11a,11bからのレーザ光を角度走査するための本実施の形態では4角形のポリゴンミラー16a,16b等を有する。
【0028】
なお、参照符号18a,18bはタイミング検出用受光素子であり、各1走査の開始時点においてポリゴンミラー16a,16bから走査されたレーザ光を受光することにより、同期信号のタイミングを決定し、またポリゴンミラー16a,16bの回転速度の補正のための情報の生成に利用される。
【0029】
発光素子11a,11bから出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12a,12bにて平行光にされ、後述するビームスプリッタ15a,15bを通過した後、ポリゴンミラー16a,16bの回転によって表示画面10と実質的に平行である面内を角度走査されて再帰性反射シート7に投射される。そして、再帰性反射シート7からの反射光が、ポリゴンミラー16a,16b及びビームスプリッタ15a,15bにて反射された後、可視光カットフィルタ14a,14bを通って、受光素子13a,13bに入射される。但し、投射光の光路に遮断物(指示物)が存在する場合には投射光が遮断されるため、反射光は受光素子13a,13bに入射されることはない。
【0030】
なお、ポリゴンミラー16a,16bの回転により、90度以上のレーザ光の角度走査が実現される。
【0031】
図1に戻って、各光送受ユニット1a,1bには、発光素子11a,11bを駆動する発光素子駆動回路2a,2bと、受光素子13a,13bの受光量を電気信号に変換する受光信号検出回路3a,3bと、ポリゴンミラー16a,16bの動作を制御するポリゴン制御回路4とが接続されている。また、参照符号5は指,ペン等の遮断物(指示物)Sの位置,大きさを計測演算すると共に、装置全体の動作を制御するMPUであり、6はMPUでの計測結果等を表示する表示装置である。
【0032】
このような本発明の光走査型タッチパネルにおいては、図1に示されているように、たとえば光送受ユニット1bに関して説明すると、光送受ユニット1bからの投射光は、まずタイミング検出用受光素子18bに入射する位置から光遮蔽部材70により遮蔽される位置を経て図1上で反時計方向回りに走査され、再帰性反射シート7の先端部分で反射される位置(Ps)に至って走査開始位置になる。そして、遮断物Sの一端に至る位置(P1)にいたるまでは再帰性反射シート7により反射されるが、遮断物Sの他端に至る位置(P2)までの間は遮断物Sによって遮断され、その後の走査終了位置(Pe)に至るまでは再帰性反射シート7により反射される。
【0033】
但し、光送受ユニット1aでは、図1上で時計方向回りに光の走査が行なわれる。ここで、光送受ユニット1aは図1上で時計方向回りに表示画面10の下辺側を走査開始方向とし、逆に光送受ユニット1bは図1上で反時計回り方向に表示画面10の上辺側を走査開始方向とする理由について説明する。
【0034】
たとえば光送受ユニット1bの場合には、表示画面10の上辺側または左辺側のいずれを走査開始方向としてもよいが、光送受ユニット1bから見た場合、表示画面10の上辺の方が下辺よりも距離的に近いために反射光量が大であること、及び再帰性反射シート7の反射面が表示画面10の上辺ではほぼ直角であるために反射光量が大であることにより、表示画面10の上辺側を走査開始方向としている。換言すれば、光送受ユニット1bの場合に表示画面10の下辺側を走査開始方向とすると、表示画面10の下辺の方が上辺よりも距離的に遠いため、走査開始時点の反射光量が小さくなり、また再帰性反射シート7の反射面が湾曲しているために反射光量が小さくなる。但し、再帰性反射シート7の湾曲に関しては本質的な問題ではなく、湾曲させないような構成を採ることも勿論可能である。
【0035】
ところで、図1に示されているように、再帰性反射シート7は両光送受ユニット1a,1bが配置されている辺を開口部とし、表示画面10を囲むようにして”U”字状に配置されている。更に、参照符号7a,7bにて示されているように、両光送受ユニット1a,1bから再帰性反射シート7への光の投射角度が小さくなる部分、具体的には両光送受ユニット1a,1bが配置されている辺と直交する2辺(図1上では上側の辺と下側の辺)の両光送受ユニット1a,1bから遠い部分には鋸歯状に再帰性反射シートが設置されている。
【0036】
このような再帰性反射シートの鋸歯状部分7a,7bにより、たとえば光送受ユニット1bからの投射光はPsの位置から再帰性反射シートの鋸歯状部分7bの一端の位置P3まで走査が進むに伴って再帰性反射シート7への入射角度が次第に小さくなるため反射光量もそれに伴って低下する。しかし、再帰性反射シートの鋸歯状部分7bの一端の位置P3から他端の位置P4までの間は再帰性反射シートの鋸歯状部分7bにほぼ直角に入射するので再帰性反射率のそれ以上の低下が回避される。
【0037】
図3は、MPU5と他の回路との関係を示すブロック図である。ポリゴン制御回路4は、ポリゴンミラー16a,16bを回転させるパルスモータ21と、パルスモータ21を駆動するパルスモータ駆動回路22とを有する。
【0038】
MPU5は、発光素子駆動回路2a,2bに駆動制御信号を送り、その駆動制御信号に応じて発光素子駆動回路2a,2bが駆動されて、発光素子11a,11bの発光動作が制御される。受光信号検出回路3a,3bは、受光素子13a,13b及びタイミング検出用受光素子18a,18bでの反射光の受光信号をMPU5へ送る。また、MPU5は、パルスモータ21を駆動するための駆動制御信号をパルスモータ駆動回路22へ送る。MPU5は、受光素子13a,13b及びタイミング検出用受光素子18a,18bからの受光信号に基づいて、遮断物(指示物)の位置,大きさを計測し、その計測結果を表示装置6に表示する。なお、表示装置6は表示画面10を兼用することも可能である。
【0039】
また、MPU5は、想定される遮断物(指示物)の大きさの情報を記憶しておくための読出し専用メモリ(ROM)25と書き込み可能なメモリ(RAM)26と、後述する2点入力禁止処理のためのカウンタ27とを内蔵している。
【0040】
図4は受光信号検出回路3aの構成例を示すブロック図である。なお、受光信号検出回路3bも受光信号検出回路3aと同様の構成であり、必要な場合には参照符号の末尾の「a」を「b」に代えて説明する。
【0041】
両受光素子13a,18aは受光量を電流値に比例させた受光信号として出力するため、電流/電圧(I/V)変換器30aにより両受光素子13a,18bからの出力信号(電流)を電圧信号に変換する。電流/電圧変換器30aから出力される電圧信号はローパスフィルタ31aを通過してアンプ32aからコンパレータ33aの一方の入力端子に比較対象の信号として入力される。このコンパレータ33aの出力は第1タイマ34aに入力されており、その出力はMPU5に入力されている。アンプ32aの出力はまたA/D変換器36aにも与えられており、デジタル信号に変換されてMPU5に入力される。なお、コンパレータ33aの他方の入力端子には、MPU5から出力されたデジタル信号がD/A変換器35aによりアナログ信号に変換されて比較のしきい値として入力されている。
【0042】
更に、ローパスフィルタ31aの出力はアンプ37aを介してコンパレータ38aの一方の入力端子に比較対象の信号として入力されている。このコンパレータ38aの出力は第2タイマ39aに入力されており、その出力はMPU5に入力されている。なお、コンパレータ38aの比較のしきい値はタイミング検出用受光素子18aの最高出力と受光素子13aの最高出力との間の適宜のしきい値THに設定されている。従って、コンパレータ38aはタイミング検出用受光素子18aが光送受ユニット1aからの走査光を受光している期間においてのみ信号”1”を出力し、それ以外の期間においては信号”0”を出力する。
【0043】
なお、第2タイマ39aは、たとえばコンパレータ38aの出力信号が”0”から”1”に立ち上がる時間間隔を計時することにより、ポリゴンミラー16aの回転状態をモニタする。
【0044】
このような受光信号検出回路3a(3bも同一構成)の構成により、MPU5は以下のような処理が可能である。
【0045】
アンプ32aの出力はA/D変換器36aによりデジタル信号に変換されてMPU5に入力されるので、MPU5はある一定期間における両受光素子13a,18aの出力信号の合成波形をデジタル信号としてモニタすることが可能である。また、MPU5は、第2タイマ39aの計時結果からポリゴンミラー16aの回転状態、換言すれば各1走査の開始タイミングを検出可能である。従って、MPU5はA/D変換器36aから入力される信号から各1走査の間の受光信号の最小値を検出することが可能である。
【0046】
一方、MPU5はD/A変換器35aへデジタル信号を出力してアナログ信号に変換した上でコンパレータ33aの他方の入力端子にしきい値の信号として与えることが可能である。従って、コンパレータ33aは、アンプ32aの出力をMPU5から与えられる任意の値をしきい値としてスライスする(アンプ32aの出力がしきい値以上である場合に”1”を出力し、そうでない場合に”0”を出力する)ことが可能になる。第1タイマ34aはこのコンパレータ33aからの”1”出力及び”0”出力の継続時間を計時する。
【0047】
次に、本発明の光走査型タッチパネルによる位置検出動作について、その原理を示す図5の模式図を参照して説明する。但し、図5では光送受ユニット1a,1b、再帰性反射シート7,表示画面10以外の構成部材は図示を省略している。また、指示物として指を用いた場合を示している。
【0048】
MPU5はポリゴン制御回路4を制御することにより、光送受ユニット1a,1b内のポリゴンミラー16a,16bを回転させて、発光素子11a,11bからのレーザ光を角度走査する。この結果、タイミング検出用受光素子18a,18b及び再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13a,13bに入射する。このようにして受光素子13a,13bに入射した光の受光量は受光信号検出回路3a,3bの出力である受光信号として得られる。
【0049】
なお、図5において、θ00,φ00は両光送受ユニット1a,1bを結ぶ基準線から両タイミング検出用受光素子18a,18bまでの角度を、θ0,φ0は両光送受ユニット1a,1bを結ぶ基準線から再帰性反射シート7の端部までの角度を、θ1,φ1は基準線から遮断物(指示物)Sの基準線側端部までの角度を、θ2,φ2は基準線から遮断物(指示物)Sの基準線と逆側端部までの角度をそれぞれ示している。
【0050】
図6の波形図に、遮断物(指示物)Sが存在しない場合の受光素子13a,13b及びタイミング検出用受光素子18a,18bによる受光信号の波形、及びそれのコンパレータ33aによる比較出力信号の波形を示す。
【0051】
この場合、走査角度がθ00(φ00) においてタイミング検出用受光素子18a(18b)が光送受ユニット1a(1b)から直接受光する。この状態はコンパレータ38aの出力信号が”0”から”1”に変化するタイミングとして検出され、更に第2タイマ39aによってその周期が計時される。これによってMPU5は、ポリゴンミラー16a(16b)の回転周期をモニタ出来るので、それを回転させているパルスモータ21の回転の補正を、必要に応じてポリゴン制御回路4を制御することにより行なう。
【0052】
なお、本実施の形態のようにポリゴンミラー16a(16b)が4面の正多角形である場合には、第2タイマ39aが計時する1周期においてポリゴンミラー16a(16b)が1/4回転したことになる。
【0053】
走査光の光路に遮断物(指示物)が存在しない場合には、図6(a) に示されているθ00のタイミングにおいて、タイミング検出用受光素子18a,18bへの直接の入射に続いて再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13a,13bに入射する。再帰性反射シート7からの反射光量は、図6(a) に示されているように、最初のθ0の角度において再帰性反射シート7の最も近い部分からの反射光を受光するため最大となり、その後は漸減しつつ再帰性反射シート7の最も遠い対角線方向の隅部で一旦最小となり、その後は漸増して90°の角度において最低となって1周期の走査が終了する。
【0054】
MPU5は少なくともこのような1周期の受光素子13a,13bへの入射光量をA/D変換器36aからデジタル信号として取り込み、最小値(最低電圧)を求める。次に、MPU5は求められた最小値に所定の値(マージン電圧)を加算し、その結果のデジタル値をD/A変換器35aへ出力する。D/A変換器35aは、MPU5から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換してコンパレータ33aによる比較出力のためのしきい値(基準電圧Ref)として設定する。
【0055】
なお、上述のマージン電圧Rrfは受光素子13a,13b及び再帰性反射シート7の反射特性から予め適宜の値を定めておけばよいが、再帰性反射シート7からの反射光量中の最低値、具体的には再帰性反射シート7の最も遠い対角線方向の隅部からの反射光から得られる電圧をも検出し、これと最低電圧との中間、たとえば1/2の値をマージン電圧とすることも可能である。
【0056】
このように本発明の光走査型タッチパネルにおいては、少なくとも1回の走査における受光素子13a,13bの受光量から得られる最低電圧に基づいてコンパレータ33aのしきい値(基準電圧Ref)を定めるようにしているので、受光素子13a,13bの温度変化等による感度変化の影響を排除してより正確な検出が可能になる。
【0057】
なお、上述の例では1回の走査においてコンパレータ33aの基準電圧Refを設定しているが、複数回の走査の結果からそれを設定するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0058】
ところで、上述のようにしてコンパレータ33aにしきい値(基準電圧Ref)が設定されると、MPU5は次にコンパレータ33aの出力信号が”1”である、換言すればコンパレータ33aへの入力信号の電圧が基準電圧以上である時間を計時する。装置が正常である場合には、タイミング検出用受光素子18aへの入射光に起因する比較的短時間の”1”出力と再帰性反射シート7からの反射光に起因する比較的長時間の”1”出力とがコンパレータ33aの出力信号として得られる。しかし、タイミング検出用受光素子18aへの入射光に起因する比較的短時間の”1”出力は第2タイマ39aによる計時周期と同期しているので、図6(b) に示されているように、MPU5は再帰性反射シート7からの反射光に起因する比較的長時間の”1”出力の継続時間のみを基準時間trefとしてRAM26に記憶する。
【0059】
MPU5は以上のような初期化処理を、表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在しない装置の起動時または所定のタイミング、たとえば装置外部から所定の指示が与えられたタイミングにおいて実行する。
【0060】
以上のようにして初期化処理が完了すると、本発明の光走査型タッチパネルの実際の使用が可能になる。
【0061】
表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在する場合には、光送受ユニット1a,1bから投射された光の遮断物(指示物)Sからの反射光は受光素子13a,13bに入射されない。従って、図5に示されているような状態では,走査角度が0°からθ0までの間では受光素子13aには反射光は入射されず、走査角度がθ0からθ1までの間では受光素子13aに反射光が入射され、走査角度がθ1からθ2までの間では受光素子13aに反射光が入射されない。
【0062】
同様に、走査角度が0°からφ0までの間では受光素子13bには反射光は入射されず、走査角度がφ0からφ1までの間では受光素子13bに反射光が入射され、走査角度がφ1からφ2までの間では受光素子13bに反射光が入射されない。このような角度は、受光信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングから求められる(図7参照)。従って、指示物としての人の指による遮断範囲を、dθ=θ2−θ1,dφ=φ2−φ1として求めることができる。
【0063】
なお、θ00及びφ00とθ0及びφ0とは、両光送受ユニット1a,1bを結ぶ基準線と両タイミング検出用受光素子18a,18bとの位置関係及び再帰性反射シート7の端部の位置関係から既知であることは言うまでもない。
【0064】
次に、このようにして求めた遮断範囲から、指示物(本例では指)の中心位置(指示位置)の座標を求める処理について説明する。まず、三角測量に基づく角度から直交座標への変換を説明する。図8に示すように、光送受ユニット1aの位置を原点O、表示画面10の上辺,左辺をX軸,Y軸に設定し、基準線の長さ(光送受ユニット1a,1b間の距離)をLとする。また、光送受ユニット1bの位置をBとする。表示画面10上の指示物が指示した中心点P(Px,Py)が、光送受ユニット1a,1bからX軸に対してθ,φの角度でそれぞれ位置している場合、点PのX座標Px,Y座標Pyの値は、三角測量の原理により、それぞれ以下の(1),(2)式のように求めることができる。
【0065】
Px=(tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(1)
Py=(tanθ・tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(2)
【0066】
ところで、遮断物(指)には大きさがあるので、検出した受光信号の立ち上がり/立ち上がりのタイミングでの検出角度を採用した場合、図9に示すように、遮断物(指)Sのエッジ部の4点(図9のP1〜P4)を検出することになる。これらの4点は何れも指示した中心点(図9のPc)とは異なっている。そこで、以下のようにして 中心点Pcの座標(Pcx,Pcy)を求める。Px=Px(θ,φ),Py=Py(θ,φ)とした場合に、Pcx,Pcyは、それぞれ以下の(3),(4)式のように表せる。
【0067】
Pcx=Pcx(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2) …(3)
Pcy=Pcy(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2) …(4)
【0068】
そこで、(3),(4)式で表されるθ1+dθ/2,φ1+dφ/2を上記(1),(2)式のθ,φとして代入することにより、指示された中心点Pcの座標を求めることができる。
【0069】
なお、上述した例では、最初に角度の平均値を求め、その角度の平均値を三角測量の変換式(1),(2)に代入して、指示位置である中心点Pcの座標を求めるようにしたが、最初に三角測量の変換式(1),(2)に従って走査角度から4点P1〜P4の直交座標を求め、求めた4点の座標値の平均を算出して、中心点Pcの座標を求めるようにすることも可能である。また、視差、及び、指示位置の見易さを考慮して、指示位置である中心点Pcの座標を決定することも可能である。
【0070】
ポリゴンミラー16a,16bの回転の走査角速度が一定であれば、その走査角度は回転時間に比例するので、時間を計時することにより走査角度の情報を得ることができる。図10は、受光信号検出回路3aからの受光信号と、ポリゴンミラー16aの走査角度θ及び走査時間Tとの関係を示すタイミングチャートである。ポリゴンミラー16aの走査角速度が一定である場合、その走査角速度をωとすると、走査角度θ及び走査時間Tには、下記(5)式に示すような比例関係が成り立つ。
【0071】
θ=ω×T …(5)
【0072】
よって、受光信号の立ち下がり,立ち上がり時の角度θ1,θ2は、それぞれの走査時間t1,t2と下記(6),(7)式の関係が成り立つ。
【0073】
θ1=ω×t1 …(6)
θ2=ω×t2 …(7)
【0074】
従って、ポリゴンミラー16a,16bの走査角速度が一定である場合には、時間情報を用いて、指示物(指)の遮断範囲及び座標位置を計測することが可能である。
【0075】
また、本発明の光走査型タッチパネルでは、計測した遮断範囲から遮断物(指示物)の断面長を求めることも可能である。図11は、この断面長計測の原理を示す模式図である。図11において、D1,D2はそれぞれ光送受ユニット1a,1bから見た遮断物Sの断面長である。まず、光送受ユニット1a,1bの位置O(0,0),B(L,0)から遮断物Sの中心点Pc(Pcx,Pcy)までの距離OPc(r1),BPc(r2)が、下記(8),(9)式の如く求められる。
【0076】
OPc=r1=(Pcx2 +Pcy2 1/2 …(8)
BPc=r2={(L−Pcx)2 +Pcy2 1/2 …(9)
【0077】
断面長は距離と遮断角度の正弦値との積で近似できるので、各断面長D1,D2は、下記(10),(11)式に従って計測可能である。
【0078】
Figure 0004073069
【0079】
なお、θ,φ≒0である場合には、sindθ≒dθ≒tandθ,sindφ≒dφ≒tandφと近似できるので、(10),(11)式においてsindθ,sindφの代わりに、dθまたはtandθ,dφまたはtandφとしても良い。
【0080】
図12は、第1タイマ34aの計時値に基づくMPU5による受光信号の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。なお、図13は遮断物(指示物)Sが表示画面10上に2個存在する場合の受光素子13aの出力信号及びコンパレータ33aの出力信号の状態を示す波形図である。
【0081】
まず、タイミング検出用受光素子18aに走査光が直接入射されることにより、1走査が開始される (ステップS11)。次に、受光素子13aからの受光信号が”1”から”0”に変化すると (ステップS12で”YES ”)、カウンタ27のカウンタ値Cが”0”クリアされる (ステップS13)。但し、ステップS12において受光素子13aからの受光信号が”1”から”0”に変化しないままに所定時間が経過した場合には (ステップS51で”YES ”)、エラー処理が実行される (ステップS52)。
【0082】
そして、再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13aに入射し始めると、受光素子13aからの受光信号が”0”から”1”に変化するので (ステップS14で”YES ”)、第1タイマ34aが計時を開始し (ステップS15)、カウンタiが”1”に初期化される (ステップS16)。なお、第1タイマ34aの計時値をtcとする。但し、ステップS14において受光素子13aからの受光信号が”0”から”1”に変化しないままに、換言すれば、再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13aに入射しないままに所定時間が経過した場合には (ステップS61で”YES ”)、エラー処理が実行される (ステップS62)。
【0083】
この後、表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在しない場合には、受光素子13aの受光信号は変化しないので、ステップS17において”NO”,ステップS18においても”NO”となり、第1タイマ34aの計時値tcが先の初期化処理においてRAM26に記憶した基準時間trefに達したか否かが判断される (ステップS22)。第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達している場合には (ステップS22で”YES ”)、1走査が終了したのでステップS31へ処理が進められる。
【0084】
しかし、表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在している場合には、通常は第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達するまでに受光素子13aの受光信号が”1”から”0”へ、そして”0”から”1”へ変化する。
【0085】
具体的には、走査光が遮断物(指示物)Sにより遮断されると受光素子13aの受光信号がまず”1”から”0”に変化する (ステップS17で”YES ”)。この場合には、図13に示されているように、カウンタ27のカウンタ値Cが”1”インクリメントされ (ステップS19)、その時点の第1タイマ34aの計時値tcがデータti(最初はt1)としてRAM26に記憶される (ステップS20)。この後、カウンタiが”1”インクリメントされ (ステップS21)、通常は第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達していないので、ステップS17へ処理が戻される。やがて、受光素子13aの受光信号が”0”から”1”に変化する (ステップS17で”NO”,S18で”YES ”)。この場合には、その時点の第1タイマ34aの計時値tcがデータti(2度目なのでt2)としてRAM26に記憶される (ステップS20)。この後、カウンタiが”1”インクリメントされ (ステップS21)、通常は第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達していないので、ステップS17へ処理が戻される。
【0086】
通常は遮断物(指示物)Sは一個であるので、やがて第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達してステップS31へ処理が進められる。しかし、表示画面10上に複数の遮断物(指示物)Sが存在する場合には上述の処理が反復されてカウンタ27のカウンタ値Cが2以上に、また第1タイマ34aの計時値tcのデータtiが3個以上得られることになる。
【0087】
第1タイマ34aの計時値tcが基準時間trefに達すると、まずカウンタ27のカウンタ値Cが調べられる (ステップS31)。上述のように、通常は表示画面10上に存在する遮断物(指示物)Sは一個であるので、カウンタ27のカウンタ値Cは”1”であり (ステップS31で”YES ”)、またカウンタiの値は”2”である (ステップS32で”YES ”)。この場合には、前述したような座標計算が行なわれる (ステップS33)。しかし、図13に示されているように、カウンタ27のカウンタ値Cが”1”でない場合 (ステップS31で”NO”、但しこの場合には表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在しない場合も含む)、及びカウンタiが”2”でない場合には (ステップS32で”NO”、但しこの場合には表示画面10上に遮断物(指示物)Sが存在しない場合も含む)、座標計算は行なわれずにステップS11へ処理が戻される。
【0088】
以上のような処理により、受光素子13aの周囲温度による影響を排除して、またポリゴンミラー16aの実際の回転速度に基づいて、更に表示画面10上に遮断物(指示物)Sが1個のみ検出された場合に座標計算が行なわれる。従って、表示画面10上に遮断物(指示物)Sが複数検出されて正確な座標計算が出来ないというような場合には座標計算が行なわれない。但し、そのような状態は極短時間である場合が多いため、実用上の問題は生じない。なお、座標計算が行なわれない状態がある程度以上の時間にわたって継続する場合にはなんらかのエラーメッセージを発するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0089】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光走査型タッチパネルによれば、受光素子の温度変化等による感度変化の影響を排除して正確な測定が可能になる。
【0090】
また、本発明によれば、1回の走査において受光素子が反射光を受光する時間の個々の装置におけるばらつきが自動的に補正され、また出荷後の変動にも容易に対応可能になる。
【0091】
更に、本発明によれば、2個またはそれ以上の遮断物(指示物)が走査面に存在する場合には正確な位置検出が行なえないという状態は一時的な状態である場合が多いため、そのような場合には位置検出を行なわないようにして無用な混乱を回避することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【図2】光送受ユニットの内部構成及び光路を示す模式図である。
【図3】本発明の光走査型タッチパネルのブロック図である。
【図4】受光信号検出回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。
【図6】指示物が存在しない場合の受光信号の波形、及びその比較出力信号の波形を示す波形図である。
【図7】受光信号のレベル変化を示すタイミングチャートである。
【図8】座標検出のための三角測量の原理を示す模式図である。
【図9】遮断物及び遮断範囲を示す模式図である。
【図10】受光信号と走査角度と走査時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図11】断面長計測の原理を示す模式図である。
【図12】受光信号の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図13】指示物が表示画面上に2個存在する場合の受光信号及び比較信号の状態を示す波形図である。
【符号の説明】
1a,1b 光送受ユニット
2a,2b 発光素子駆動回路
3a,3b 受光信号検出回路
5 MPU
7 再帰性反射シート
10 表示画面(座標面)
11a,11b 発光素子
13a,13b 受光素子
16a,16b ポリゴンミラー
18a,18b タイミング検出用受光素子
27 カウンタ
33a(33b) コンパレータ
34a(34b) 第1タイマ

Claims (6)

  1. 指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、
    発光器,該発光器が発光した光を前記平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及び該光走査部により走査される光を直接受光する第1の受光素子及び該第1の受光素子に続き前記光走査部により走査される光の前記光再帰性反射体による反射光を受光する第2の受光素子を含む受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、
    前記第2の受光素子が前記光再帰性反射体による反射光を受光した場合の受光信号を所定しきい値と比較することにより、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断タイミングを検出する比較器と、
    前記光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、前記平面の範囲内での前記指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
    該計測手段による計測結果に従って前記指示物の前記平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、
    前記第1の受光素子が前記光走査部により走査される光を直接受光した場合の受光信号の最低レベルを検出する信号レベル検出手段と、
    該信号レベル検出手段により検出された信号のレベルに所定値を加算する加算手段と、
    該加算手段により得られた加算値を前記比較器に前記所定しきい値として設定するしきい値設定手段と
    を備えたことを特徴とする光走査型タッチパネル。
  2. 前記信号レベル検出手段は、前記第1の受光素子の受光信号の最低レベルと共に、前記平面の範囲内に指示物が存在しない状態で前記第2の受光素子が走査光を受光した場合の受光信号の最低レベルを検出し、
    前記加算手段は、前記信号レベル検出手段により検出された二つのレベルの中間の値を前記第2の受光素子の受光信号の最低レベルに加算すべくなしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の光走査型タッチパネル。
  3. 指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、
    発光器,該発光器が発光した光を前記平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及び該光走査部により走査される光を直接受光する第1の受光素子及び該第1の受光素子に続き前記光走査部により走査される光の前記光再帰性反射体による反射光を受光する第2の受光素子を含む受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、
    前記第2の受光素子が前記光再帰性反射体による反射光を受光した場合の受光信号を所定しきい値と比較することにより、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断タイミングを検出する比較器と、
    前記光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、前記平面の範囲内での前記指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
    該計測手段による計測結果に従って前記指示物の前記平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、
    前記第1の受光素子が前記光走査部により走査される光を直接受光した場合の受光信号の最低レベルを検出する信号レベル検出手段と、
    該信号レベル検出手段により検出された信号のレベルに所定値を加算する加算手段と、
    該加算手段により得られた加算値を前記比較器に前記所定のしきい値として設定するしきい値設定手段と、
    前記平面上に指示物が存在しない場合に前記受光器が出力する受光信号のレベルの継続時間を計時する計時手段と
    を備え、
    前記計測手段は、前記受光器が前記平面上に指示物が存在しない場合のレベルの受光信号を出力し始めた時点から前記計時手段により計時された前記継続時間内において前記比較手段の比較結果が変化した場合に計測を行なうべくなしてあることを特徴とする光走査型タッチパネル。
  4. 前記計時手段による計時は、起動時に自動的に実行されることを特徴とする請求項3に記載の光走査型タッチパネル。
  5. 前記計時手段による計時は、所定の指示が与えられた場合に実行されることを特徴とする請求項3に記載の光走査型タッチパネル。
  6. 指示物でタッチするための目標区域として規定された平面の範囲の周辺に設けられた光再帰性反射体と、
    発光器,該発光器が発光した光を前記平面の範囲と実質的に平行である面内で角度走査する光走査部,及び該光走査部により走査される光の前記光再帰性反射体による反射光を受光する受光器を有する少なくとも2組の光送受部と、
    前記受光器による受光信号を所定しきい値と比較することにより、前記平面の範囲内に指示物が存在する場合にそれによる遮断開始タイミング及び遮断終了タイミングを検出する比較器と、
    前記光走査部での走査角度及び前記比較器の比較結果に基づいて、前記平面の範囲内での前記指示物による走査光の遮断範囲を計測する計測手段と、
    該計測手段による計測結果に従って前記指示物の前記平面の範囲内での位置及び大きさを検出する演算手段と、
    前記光走査部による各1回の角度走査の間に、前記比較器が、前記平面上に存在する指示物による遮断開始タイミングを検出する都度、その回数を計数する第1の計数手段、及び前記光走査部による各1回の角度走査の間に、前記比較器が、前記平面上に存在する指示物による遮断開始タイミング及び遮断終了タイミングを検出する都度、その回数を計数する第2の計数手段と
    を備え、
    前記計測手段は、前記第1の計数手段の計数値が2以上である場合、又は前記第2の計数手段の計数値が2でない場合は計測を行なわないようになしてあることを特徴とする光走査型タッチパネル。
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