JP4069533B2 - 固体撮像装置およびその駆動方法並びにカメラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置およびその駆動方法並びにカメラシステムに関し、特に静止画と動画の双方を得ることが可能なカラー撮像方式の固体撮像装置およびその駆動方法、並びに当該固体撮像装置を撮像デバイスとして用いたカメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
スチルカメラに代表される静止画の撮像技術では、撮像デバイスとして固体撮像装置、例えば多画素のCCD(Charge Coupled Device) イメージャを用い、全画素の信号電荷を独立に読み出すことによって静止画を得るようにしている。そして、高解像度化のために、より多画素のCCDイメージャが用いられる。
【0003】
一方、被写体をモニタリングする際には、モニターに動画を映し出すモニタリングモード(動画モード)が設定される。ところが、CCDイメージャの出力部では、出力部を構成するソースフォロワのカットオフ周波数とCCD駆動周波数との間に制約条件があることから、出力部をあまり高速にできないため、CCDイメージャの多画素化に伴って画素数が増えることにより、モニタリングモードでのフレームレートが低下することになる。
【0004】
これに対して、従来、100万画素程度又はそれ以上の画素を有する静止画用CCDイメージャにおいて、モニタリングモード設定時に、各画素からの信号電荷の読み出しを垂直方向において間引くことにより、フレームレートを上げる技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、垂直方向に画素を間引くことによってフレームレートを上げることはできるものの、その反面垂直解像度が低下するため、垂直解像度と水平解像度との関係がアンバランスなものとなる。フレームレートをさらに上げるために垂直方向に間引く画素数を多くすると、垂直解像度と水平解像度との関係がさらにアンバランスなものとなる。
【0006】
この垂直解像度と水平解像度とのバランス関係を考慮した場合、水平方向においても垂直方向と同様に画素を間引くようにすれば良いことになるが、先述したように、周波数特性の制限から水平転送部の駆動周波数(以下、水平駆動周波数と称す)を全画素モード時よりも高くすることはできないため、水平駆動周波数を上げることなく、水平方向に画素を間引いてフレームレートを上げることは困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水平駆動周波数を上げることなく、水平方向に画素を間引いてフレームレートを上げることを可能とした固体撮像装置およびその駆動方法、並びに当該固体撮像装置を撮像デバイスとして用いたカメラシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による固体撮像装置は、行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素(nは2以上の整数)ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタと、mn+1列(mは自然数)ごとにmn列につき垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を選択的に阻止する転送阻止部と、この転送阻止部が転送阻止状態にあるときに、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送する駆動系とを備えた構成となっている。
【0009】
本発明による固体撮像装置の駆動方法は、行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタを有する固体撮像装置において、mn+1列ごとにmn列につき垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を禁止し、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送するようにする。
【0010】
本発明によるカメラシステムは、行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタを有する固体撮像装置を撮像デバイスとして用いるとともに、撮像モードとして全画素モードとモニタリングモードとを選択的に設定するモード設定手段を備える。固体撮像装置は、このモード設定手段によってモニタリングモードが設定されたときには、mn+1列ごとにmn列につき垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を禁止するとともに、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送する。そして、固体撮像装置の出力信号は、信号処理手段において所定の信号処理が施されて出力される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカラーCCDイメージャを示す概略構成図である。
【0012】
図1において、入射光をその光量に応じた電荷量の信号電荷に変換して蓄積するセンサ部(画素)11が多数、垂直(行)方向および水平(列)方向に2次元マトリクス状に配列されている。また、これらセンサ部11の垂直列ごとに複数本の垂直CCD12が設けられ、さらにこれら垂直CCD12と各センサ部11との間には読み出しゲート部13が介在している。
【0013】
複数個のセンサ部11に蓄積された信号電荷は、後述する読み出しパルスXSGが読み出しゲート部13に印加され、当該読み出しゲート部13のポテンシャルが深くなることによって垂直CCD12に読み出される。垂直CCD12は、例えば3相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3によって転送駆動され、読み出された信号電荷を順に垂直転送する。
【0014】
3相駆動の垂直CCD12では、例えば、各相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3が印加される転送電極が、読み出しゲート部13のゲート電極を兼ねた構造となっている。このことから、3相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3は、低レベル(以下、“L”レベルと記す)、中間レベルおよび高レベル(以下、“H”レベルと記す)の3値をとるように設定されており、その3値目の“H”レベルのパルスが読み出しゲート部13に印加される読み出しパルスXSGとなる。
【0015】
複数本の垂直CCD12の各転送先側の端部には、VH転送部14を間に挟んで水平CCD15が図の左右方向に延在している。VH転送部14は、複数本の垂直CCD12からの信号電荷を、オーバーフローゲート電圧VOFGに応じて列単位で選択的に水平CCD15に転送することにより、水平方向に画素を間引く処理を行う。このVH転送部14の具体的な構造については後で詳細に説明する。水平CCD15は、例えば2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2によって転送駆動される。
【0016】
水平CCD15の転送先側の端部には、例えばフローティングディフュージョンアンプ構成の電荷検出部16が配されている。この電荷検出部16は、フローティングディフュージョンFD、リセットドレインRDおよび両者間に位置するリセットゲートRGからなり、水平CCD15によって水平転送され、フローティングディフュージョンFDに注入された信号電荷を順次信号電圧に変換して出力する。
【0017】
垂直CCD12を転送駆動する読み出しパルスXSGを含む3相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3、VH転送部14を制御するオーバーフローゲート電圧VOFGおよび水平CCD15を転送駆動する2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2等の各種のタイミングパルスは、タイミングジェネレータ(TG)17で生成される。タイミングジェネレータ17は、図示せぬドライバなどと共にCCDイメージャの駆動系を構成し、生成した各種のタイミングパルスを当該ドライバを通して垂直CCD12や水平CCD15等へ与える。
【0018】
上記構成のカラーCCDイメージャ10は、高解像度の静止画を得るために多画素化が図られている。さらに、カラー撮像方式のものであることから、センサ部11が2次元マトリクス状に多数配列されてなる撮像エリア18の上方には、例えば図2に示すように、同一の色が垂直(行)および水平(列)方向において2画素ごとに繰り返して配列されたいわゆる2×2繰り返しの原色ベイヤー配列のカラーフィルタ19が、1つのセンサ部(画素)11に対して1つの色が割り当てられるように例えばオンチップにて形成されている。
【0019】
図3は、VH転送部14の具体的な構造の一例を示す平面パターン図であり、隣接する水平CCD15と共に示してある。
【0020】
図3において、垂直CCD12の複数本の転送チャネル21の上方には、3相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3に対応した転送電極22-1〜22-3が、垂直方向に順に配され、かつ水平方向に平行に延在して設けられている。これらの転送電極22-1〜22-3において、例えば、1相目,3相目の垂直転送クロックVφ1,Vφ3が印加される転送電極22-1,22-3が1層目のポリシリコン(図中、一点鎖線で示す)によって形成され、2相目の垂直転送クロックVφ2が印加される転送電極22-2が2層目のポリシリコン(図中、二点鎖線で示す)によって形成されている。
【0021】
一方、水平CCD15は、水平方向に延在しかつ垂直CCD12の複数本の転送チャネル21の各々に連結された転送チャネル23と、この転送チャネル23の上方に水平方向に順に配された2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2に対応した転送電極24-1〜24-4とを有する構成となっている。
【0022】
これらの転送電極24-1〜24-4において、転送電極24-1,24-3が2層目のポリシリコン(図中、二点鎖線で示す)によって形成され、転送電極24-2,24-4が1層目のポリシリコン(図中、一点鎖線で示す)によって形成されている。そして、転送電極24-1,24-2には1相目の水平転送クロックHφ1が印加され、転送電極24-3,24-4には2相目の水平転送クロックとHφ2が印加される。
【0023】
また、VH転送部14では、水平方向に画素を間引く処理を行うために、垂直CCD12で転送されてきた信号電荷を選択的に排出する電荷排出部25が、所定の転送チャネル21の近傍に配されている。本例では、図2に示す水平2繰り返しのカラーコーディングに対して、水平方向において3画素ごとに2画素を間引く処理を行うために、3列ごとに2列について電荷排出部25を設けた構成を採っている。この電荷排出部25は、垂直CCD12から水平CCD15への信号電荷の転送を選択的に阻止する転送阻止部として機能する。
【0024】
電荷排出部25を配する部分においては、2相目,3相目の垂直転送クロックVφ2,Vφ3が印加される転送電極22-2,22-3を幅狭に形成することで、電荷排出部25を形成する領域を確保している。そしてこの領域において、電荷排出部25は、転送チャネル21にチャネルが連続するオーバーフロードレイン(OFD)26と、このオーバーフロードレイン部26と転送チャネル21の間に設けられたオーバーフローゲート部(OFG)27とから構成されている。
【0025】
この電荷排出部25において、オーバーフロードレイン部26のポテンシャルは、転送チャネル21のポテンシャルよりもさらに深くなるように設定されている。また、オーバーフローゲート部27のゲート電極には、オーバーフローゲート電圧VOFGが印加される。そして、このオーバーフローゲート電圧VOFGが“L”レベルのときには、オーバーフローゲート部27のポテンシャルが転送チャネル21のポテンシャルよりも浅くなることで、垂直CCD12によって転送されてきた信号電荷はそのまま転送チャネル21から水平CCD15の転送チャネル23へ転送される。
【0026】
一方、オーバーフローゲート電圧VOFGが“H”レベルのときには、オーバーフローゲート部27のポテンシャルが転送チャネル21のポテンシャルよりも深くなることで、垂直CCD12によって転送されてきた信号電荷は、オーバーフローゲート部27を通して当該ゲート部27よりもさらにポテンシャルが深いオーバーフロードレイン部26へ強制的に排出される。この電荷排出部25の選択的な信号電荷の排出動作により、垂直CCD12から水平CCD15への信号電荷の転送が阻止(禁止)される。
【0027】
図4は、上記構成のカラーCCDイメージャ10を撮像デバイスとして用いた本発明に係るカメラシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図4において、本カメラシステムは、撮像デバイスであるカラーCCDイメージャ10、このCCDイメージャ10の撮像面上に被写体からの入射光(像光)を取り込んで結像するレンズ31、CCDイメージャ10の出力信号を処理する信号処理回路32、この信号処理回路32の出力信号を記録媒体に記録する画像記録装置33、信号処理回路32の出力信号をモニターに表示する画像表示装置34、本システム全体のタイミング制御をなすタイミングコントローラ35およびCCDイメージャ10の撮像モードを設定するモード設定部36を備えた構成となっている。
【0029】
上記構成のカメラシステムにおいて、CCDイメージャ10の撮像面上には、レンズ31などの光学系を通して、被写体からの入射光(像光)が結像される。このCCDイメージャ10は、その撮像モードとして、静止画を得る全画素モードと、被写体をモニタリングするモニタリングモードとがモード設定部36によって適宜設定される。
【0030】
CCDイメージャ10において、タイミングジェネレータ17(図1を参照)は、モード設定部36で全画素モードが設定されたときは、オーバーフローゲート電圧VOFGを“L”レベルにする。これにより、垂直CCD12の全てにおいて水平CCD15への信号電荷の転送が行われる。一方、モード設定部36でモニタリングモードが設定されたときは、タイミングジェネレータ17は、オーバーフローゲート電圧VOFGを“H”レベルにする。これにより、垂直CCD12において3列ごとに2列について水平CCD15への信号電荷の転送が阻止される。
【0031】
モニタリングモード設定時には、タイミングジェネレータ17はさらに、水平CCD15を1ビット(1転送段)ずつシフト(以下、これをビットシフトと称す)しつつ3行分の信号電荷を垂直CCD12から順次水平CCD15に転送するように、3相の垂直転送クロックVφ1〜Vφ3および2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2によって垂直CCD12および水平CCD15の駆動を行う。その具体的な動作については、後で詳細に説明する。
【0032】
画像記録装置33は、モード設定部36で全画素モードが設定されたときに、信号処理回路32で処理された画像信号を、メモリやフロッピーディスクなどの記録媒体に記録する。この記録媒体に記録された画像情報は、プリンタなどによってハードコピーされる。画像表示装置34は、モード設定部36でモニタリングモードが設定されたときに、信号処理回路32で処理された画像信号を、CRT(陰極線管)やLCD(液晶)などのモニターに動画として映し出す。
【0033】
図5は、信号処理回路32の具体的な構成の一例を示すブロック図である。本例に係る信号処理回路32は、水平2繰り返しのカラーコーディングに対して3(=2+1)個のサンプルホールド(S/H)回路41-1〜41-3、3個のA/D変換器42-1〜42-3および3個のラインメモリ43-1〜43-3と、これらラインメモリ43-1〜43-3の各出力を順に選択してシリーズに出力する選択スイッチ44と、この選択スイッチ44の出力信号をアナログ化するD/A変換器45とを有する構成となっている。
【0034】
この信号処理回路32において、サンプルホールド回路41-1〜41-3は、図6のタイミングチャートに示すように、各々異なる位相の3個のS/Hパルス1〜3に応答して、CCDイメージャ10の出力信号をそれぞれ異なる位相でサンプリングするようになっている。ここで、S/Hパルス1〜3の相互の位相(間隔)θは、CCDイメージャ10から画素単位で出力される信号の間隔に対応している。
【0035】
これにより、サンプルホールド回路41-1〜41-3では、水平CCD15上で連続する3画素分の信号を単位としてその3画素分の信号が順にサンプリングされることになる。このサンプルホールド回路41-1〜41-3でサンプリングされた画素信号は、A/D変換器42-1〜42-3でデジタル化された後、ラインメモリ43-1〜43-3にそれぞれ順次格納される。ラインメモリ43-1〜43-3にそれぞれ1ライン(1行)分の画素信号が格納された後、選択スイッチ44はラインメモリ43-1→ラインメモリ43-2→ラインメモリ43-3の順に各1ライン分の画素信号を選択してシリーズに出力する。
【0036】
上記構成のカメラシステムにおいて、モード設定部36で全画素モードおよびモニタリングモードが設定されたときの各動作について説明する。
【0037】
先ず、全画素モードでの動作について、図7のタイミングチャートにしたがって説明する。全画素モードでは、オーバーフローゲート電圧VOFGが“L”レベルとなり、図3において、オーバーフローゲート部27のポテンシャルが浅い状態にあることから、オーバーフロードレイン部26への信号電荷の排出、即ち水平CCD15への信号電荷の転送阻止は行われず、全ての垂直CCD12において水平CCD15へ信号電荷が転送されることになる。
【0038】
先ず、時刻t0で例えば1相目の垂直転送クロックVφ1に読出しパルスXSGが立つことでセンサ部11からの信号電荷の読出しが行われる。続いて、時刻t1でそれまで“H”レベルにあった1相目の垂直転送クロックVφ1が“L”レベルに遷移し、時刻t2でそれまで“L”レベルにあった3相目の垂直転送クロックVφ3が“H”レベルに遷移し、時刻t3でそれまで“H”レベルにあった2相目の垂直転送クロックVφ2が“L”レベルに遷移し、時刻t4で1相目の垂直転送クロックVφ1が再び“H”レベルに遷移し、時刻t5で3相目の垂直転送クロックVφ3が再び“L”レベルに遷移し、時刻t6で2相目の垂直転送クロックVφ2が再び“H”レベルに遷移する。
【0039】
これにより、垂直CCD12でラインシフトが行われ、1ライン(1行)分の各画素の信号電荷が水平CCD15へ転送される。その後、互いに逆相の2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2による水平CCD15の駆動によって水平転送が行われる。このラインシフトおよび水平転送の動作が、全ラインに亘って繰り返される。各ラインの信号電荷は、電荷検出部16で順次信号電圧に変換された後、信号処理回路32(図4を参照)に供給される。この全画素モードでは、信号処理回路32において、図5に示す回路系とは異なる回路系を経て画像記録装置33(図4を参照)に供給され、記録媒体に記録される。
【0040】
続いて、モニタリングモードでの動作について、図8の動作説明図を用いて図9のタイミングチャートにしたがって説明する。なお、ここでは、一例として、9行10列の画素配列のCCDイメージャを例に採って説明するものとする。また、説明を簡単にするために、水平方向においてのみ画素を間引く場合の動作について説明するものとする。
【0041】
また、モニタリングモードでは、オーバーフローゲート電圧VOFGが“H”レベルとなり、図3において、オーバーフローゲート部27のポテンシャルが深い状態にあることから、このオーバーフローゲート部27を通してのオーバーフロードレイン部26への信号電荷の強制的な排出、即ち水平CCD15への信号電荷の転送阻止が行われる。
【0042】
このとき、図2に示す水平2繰り返しのカラーコーディングに対して、水平方向で3画素ごとに2画素を間引く処理が行われることから、垂直CCD12において3列ごとに2列について水平CCD15への信号電荷の転送が阻止(禁止)されることになる。図8の動作説明図において、VH転送部14の×印を付した列が転送阻止状態にあることを示している。
【0043】
先ず、時刻t0で例えば1相目の垂直転送クロックVφ1に読出しパルスXSGが立つことでセンサ部11からの信号電荷の読出しが行われる。続いて、時刻t1〜時刻t2の期間においてラインシフトが行われる(図8(a)の状態)。このとき、VH転送部14において3列ごとに2列について転送阻止状態にあることから、1行目のG1,B1,G1,B1の画素の信号電荷のみが水平CCD15へ転送される。
【0044】
このラインシフトが行われる直前に、他の2画素ずつの信号電荷については、図3に示す電荷排出部25において、オーバーフローゲート部27を通してオーバーフロードレイン部26に強制的に排出される。このラインシフト後、水平CCD15には、2ビット(2転送段)おきにG1,B1,G1,B1の信号電荷が位置することになる。
【0045】
続いて、時刻t3で互いに逆相の2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2が1パルス立つことにより、水平CCD15において1転送段分のビットシフトが行われる(図8(b)の状態)。このビットシフト後、時刻t4〜時刻t5の期間において再びラインシフトが行われる(図8(c)の状態)。このラインシフトでは、2行目のR2,G2,R2,G2の画素の信号電荷のみが水平CCD15へ転送され、他の信号電荷についてはオーバーフロードレイン部26に強制的に排出されることで転送阻止される。
【0046】
続いて、時刻t6で2相の水平転送クロックHφ1,Hφ2が1パルス立つことにより、水平CCD15において再度ビットシフトが行われる(図8(d)の状態)。このビットシフト後、時刻t7〜時刻t8の期間において再度ラインシフトが行われる(図8(e)の状態)。このラインシフトでは、3行目のG3,R3,G3,R3の画素の信号電荷のみが水平CCD15へ転送され、他の信号電荷についてはオーバーフロードレイン部26に強制的に排出される。
【0047】
以上の一連の動作により、図8(e)から明らかなように、水平CCD15には、1列につき3行分の画素を単位とし、この3行分の画素の各信号電荷が順に配列されることになる。その後、水平転送クロックHφ1,Hφ2による水平CCD15の駆動によって水平転送が行われる。この列単位で選択的な転送阻止を伴うラインシフトおよび水平転送の動作が、3行ごとに繰り返して実行される。そして、3行分の画素の各信号電荷は、電荷検出部16で順次信号電圧に変換された後、信号処理回路32に供給される。
【0048】
次に、図5に示す信号処理回路32の回路動作について説明する。電荷検出部16で図8(e)に示す順、即ちG1,R2,G3,B1,G2,R3,G1,R2,G3,B1,G2,R3の順に信号電圧に変換された各画素信号が入力されると、サンプルホールド回路41-1〜41-3はこれらの画素信号を図6に示す位相関係にあるS/Hパルス1〜3で順にサンプリングする。その結果、サンプルホールド回路41-1はG1,B1,G1,B1の信号電荷をサンプリングし、サンプルホールド回路41-2はR2,G2,R2,G2の信号電荷をサンプリングし、サンプルホールド回路41-3はG3,B3,G3,B3の信号電荷をサンプリングすることになる。
【0049】
サンプルホールド回路41-1〜41-3の各サンプルホールド出力は、A/D変換器42-1〜42-3でA/D変換された後、ラインメモリ43-1〜43-3に順に格納される。ラインメモリ43-1〜43-3はFIFO(first-in first-out)メモリであり、これらラインメモリ43-1〜43-3に格納された画素信号は、選択スイッチ44によってメモリ単位で選択され、最初にラインメモリ43-1の画素信号、次いでラインメモリ43-2の画素信号、最後にラインメモリ43-3の各画素信号が格納された順に出力される。
【0050】
その結果、選択スイッチ44からは、G1,B1,G1,B1,R2,G2,R2,G2,G3,B3,G3,B3,……の順に画素信号が出力されることになる。これは、CCDイメージャ10の画素配列に対応し、しかも2×2繰り返しのカラーコーディングを維持したものとなる。これらの画素信号は、D/A変換器45でD/A変換された後、画像表示装置27(図4を参照)に供給されてモニターに映し出される。
【0051】
上述したように、水平2繰り返しのカラーコーディングのカラーフィルタ19を持つCCDイメージャ10において、モニタリングモード設定時に3列ごとに2列について垂直CCD12から水平CCD15への信号電荷の転送を禁止し、水平CCD15を1転送段ずつビットシフトしつつ3行分の画素の信号電荷を垂直CCD12から水平CCD15に転送し、かつこれらを一括して水平転送するようにしたことにより、水平CCD15の駆動周波数を上げることなく、水平方向に画素を1/3に間引いてフレームレートを上げることができる。
【0052】
なお、上述した動作説明では、説明を簡単にするために、水平方向での間引きのみを行う場合を例に採って説明したが、垂直方向での間引きと組み合わせて処理することも可能である。例えば、垂直方向においても画素を1/3に間引いた場合には、9倍速のモニタリングモードを実現できることになる。
【0053】
また、上記実施形態では、原色ベイヤー配列のカラーフィルタを用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば図10に示すような補色ベイヤー配列のカラーフィルタの場合にも同様に適用可能である。
【0054】
さらに、カラーコーディングは水平方向において必ずしも2画素繰り返しである必要はなく、その繰り返し画素数は任意である。このとき、その繰り返し画素数をn(n≧2)とした場合に、mn+1列(m=1,2,3,……)ごとにmn列について垂直CCD12から水平CCD15への信号電荷の転送を禁止し、水平CCD15を1転送段ずつビットシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直CCD12から順次水平CCD15に転送し、かつこれらを一括して水平転送する駆動を行うことが必要となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタを有する固体撮像装置において、mn+1列ごとにmn列について垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を禁止し、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送するようにしたことにより、水平駆動周波数を上げることなく、水平方向に画素を間引いてフレームレートを上げることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラーCCDイメージャを示す概略構成図である。
【図2】2×2繰り返しの原色ベイヤー配列を示す図である。
【図3】VH転送部の構造の一例を示す平面パターン図である。
【図4】本発明に係るカメラシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図5】信号処理回路の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【図6】S/Hパルス1〜3の位相関係を示すタイミングチャートである。
【図7】全画素モードでの動作説明のためのタイミングチャートである。
【図8】モニタリングモードの動作説明図である。
【図9】モニタリングモードでの動作説明のためのタイミングチャートである。
【図10】2×2繰り返しの補色ベイヤー配列を示す図である。
【符号の説明】
10…カラーCCDイメージャ、11…センサ部、12…垂直CCD、13…読み出しゲート部、14…VH転送部、15…水平CCD、16…電荷検出部、17…タイミングジェネレータ、19…カラーフィルタ、25…電荷排出部、26…オーバーフロードレイン部、27…オーバーフローゲート部、32…信号処理回路、33…画像記録装置、34…画像表示装置、35…タイミングコントローラ、36…モード設定部、41-1〜41-3…サンプルホールド回路、43-1〜43-3…ラインメモリ
Claims (6)
- 行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素(nは2以上の整数)ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタと、
mn+1列(mは自然数)ごとにmn列について垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を選択的に阻止する転送阻止部と、
前記転送阻止部が転送阻止状態にあるときに、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送する駆動系と
を備えたことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記転送阻止部は、垂直転送部から水平転送部への転送段の近傍に設けられて、垂直転送されてきた信号電荷を強制的に排出する電荷排出部である
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。 - 行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素(nは2以上の整数)ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタを有する固体撮像装置において、
mn+1列(mは自然数)ごとにmn列について垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を禁止し、
水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送する
ことを特徴とする固体撮像装置の駆動方法。 - 撮像モードとして全画素モードとモニタリングモードとを選択的に設定するモード設定手段と、
行列状に配置された画素に対して列方向において同じ色がn画素(nは2以上の整数)ごとに繰り返して配列されたカラーコーディングのカラーフィルタを有し、前記モード設定手段によってモニタリングモードが設定されたときに、mn+1列(mは自然数)ごとにmn列について垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送を禁止するとともに、水平転送部を1転送段ずつシフトしつつmn+1行分の信号電荷を垂直転送部から順次水平転送部に転送し、かつこれらを一括して水平転送する固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理手段と
を備えたことを特徴とするカメラシステム。 - 前記信号処理手段は、前記固体撮像装置の出力信号をそれぞれ異なる位相でサンプリングするmn+1個のサンプルホールド手段と、
前記mn+1個のサンプルホールド手段の各出力信号を順に記憶するmn+1個の記憶手段とを有する
ことを特徴とする請求項4記載のカメラシステム。 - 前記mn+1個の記憶手段に記憶された信号を順次読み出してシリーズに出力する出力手段を有する
ことを特徴とする請求項5記載のカメラシステム。
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