JP4052740B2 - 複合シート及び積層ベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子フィルムとフッ素系重合体の層とからなる複合シート、高分子フィルムの複数層がフッ素系重合体によってエンドレス状に接着一体化されてなるフィルム積層ベルト及びそのフィルム積層ベルトを装着してなる像定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミドや芳香族ポリイミドに代表される耐熱性高分子フィルムは、有機材料としては類のないその耐熱性を活かして、主にフレキシブルプリント回路基板等の電子部品材料として応用されているが、その反面、耐熱性が高いが故に、溶融、軟化せず、熱融着性が無いことにより、活用される分野が限定されていた。
【0003】
この問題点を解決すべく、特開平2ー64135号公報に開示されているように、フィルムの表面および/または内部に熱可塑性のフッ素系重合体を有するパラ配向性芳香族ポリアミドフィルムが提案された。しかしながら、このフィルムの場合、フィルムとフッ素系重合体との間に十分な接着力を得るために、フィルム内部にフッ素系重合体を均一に分散、存在させ、さらにこの高分子溶液を押し出し、乾式あるいは湿式製膜してフィルムを製造する技術が必要とされたため、工業的に実施するには困難であった。
【0004】
一方、耐熱性高分子フィルムの機能を生かした新しい試みとして、フィルムを円筒状に積層してエンドレスベルトとして応用する試みが検討されている。
特開平7−125067号公報には、芳香族ポリアミドまたはポリイミドのフィルム基材を耐熱接着剤で接着したベルトの製造法が提案されているが、耐熱性高分子フィルムと耐熱性接着剤との接着力の検討が十分に成されておらず、接着力が不十分で、耐熱性高分子フィルムの性能が発揮される高温環境での耐久性が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製造が容易で、高分子フィルム/フッ素系重合体界面が強固に接合された熱融着性の複合シート、層間が強固に接着され、高温環境下において優れた耐久性を示すフィルム積層ベルト、及びそのフィルム積層ベルトを使用した像定着装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電気的に陰性であるというフッ素系重合体の特性に着目して鋭意研究を進めた結果、高分子フィルムの製造が容易で、かつ高分子フィルム/フッ素樹脂の接着力が極めて良好な複合シートを得ることに成功し、同時に、層間の接着力が大幅に向上し高温環境における耐久性に優れたフィルム積層ベルトとそれを応用した装置を具体化して本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明の第1(第1発明)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有し、カール量が8mm以下であり、350℃以下の温度で溶融および分解しない高分子からなるフィルムの、少なくとも片方の面にフッ素系重合体からなる層を設けた複合シートである。
【0008】
ここで、下記(i)、(ii)は、第1発明の好ましい態様である。
(i)高分子フィルムが芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドからなるフィルムである第1発明の複合シート。
(ii)フィルムの弾性率が200kg/mm2以上であることを特徴とする第1発明又は上記(i)記載の複合シート。
【0009】
また、本発明の第2(第2発明)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有し、350℃以下の温度で溶融および分解しない高分子からなるフィルムが少なくとも2層以上、フッ素系重合体からなる層を介してエンドレス状に接着一体化されてなるフィルム積層ベルトである。
【0010】
ここで、下記(iii)〜(v)は、第2発明の好ましい態様である。
(iii)高分子フィルムが芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドからなるフィルムである第2発明のフィルム積層ベルト。
(iv)フィルムの弾性率が200kg/mm2以上であることを特徴とする第2発明又は上記(iii)記載のフィルム積層ベルト。
(v)フィルム積層ベルトの最内層、及び/又は最外層に、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ素ゴム、およびシリコンゴムから選ばれるいずれかの材料からなる被覆層が設けられていることを特徴とする第2発明、上記(iii)、又は(iv)記載のフィルム積層ベルト。
【0011】
さらに、本発明の第3(第3発明)は、発熱ヘッドと、記録シートと共に移動するフィルム積層ベルトとを備えた、記録シート上に担持されたトナー像を加熱定着する装置において、フィルム積層ベルトが、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有し、350℃以下の温度で溶融および分解しない高分子からなるフィルムが少なくとも2層以上、フッ素系重合体からなる層を介してエンドレス状に接着一体化されてなるものであることを特徴とする像定着装置である。
【0012】
ここで、下記(vi)は、第3発明の好ましい態様である。
(vi)フィルム積層ベルトの最内層、または、および最外層、または、および少なくとも一方の端面に、フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ素ゴム、及びシリコンゴムから選ばれるいずれかの材料からなる被覆層が設けられていることを特徴とするフィルム積層ベルトを使用した第3発明の像定着装置。
【0013】
本発明に用いる高分子フィルムは350℃以下の温度で溶融及び分解しない高分子材料からなる。
このような高分子材料としては、例えば、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、PBI(ポリパラベンゾビスイミダゾール)、PBO(ポリパラベンゾビスオキサゾール)、PBZ(ポリパラベンゾビスチアゾール)が挙げられる。
【0014】
芳香族ポリアミドは芳香族ポリイミドに匹敵する耐熱性を有し、他の高分子素材に比較して高強度、高弾性率のフィルムが得易く、接着性も良好であり、本発明の複合シートに用いられる高分子材料として好適なものである。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、次の構成単位からなる群より選択された単位より実質的に構成される。
【0015】
−NH−Ar1−NH− (1)
−CO−Ar2−CO− (2)
−NH−Ar3−CO− (3)
ここでAr1、Ar2、Ar3は少なくとも1個の芳香環を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例としては次式のものが挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】
ここで、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基などで置換されているものもAr1、Ar2、Ar3に含まれる。また、Xは−O−、−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−などである。
特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合されている芳香族ポリアミドは、高強度、高弾性率等のベルト材料として好ましい特性を有しており、本発明に用いられるフィルム用高分子材料として好ましい。中でも、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)は熱寸法変化が小さく、強度の大きなフィルムを成形できるという点で最も好ましい。
【0018】
本発明に用いられる芳香族ポリイミドとしては、ポリマーの繰り返し単位の中に芳香環とイミド基をそれぞれ1個以上含むものであり、下記化2または化3の一般式で表されるものである。
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
ここでAr4及びAr6は少なくとも1個の芳香環を含み、イミド環を形成する2個のカルボニル基は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このAr4は、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物に由来する。Ar4の代表例としては、次式のものがある。
【0022】
【化4】
【0023】
ここでYは、−O−、−CO−、−CH2−、−S−、−SO2−などである。また、Ar6は無水トリカルボン酸、あるいはそのハライドに由来する。Ar6の代表例としては次のものがある。
【0024】
【化5】
【0025】
Ar5、Ar7は、少なくとも1個の芳香環を含み、芳香族ジアミン、芳香族イソシアネートに由来する。Ar5またはAr7の代表例としては次のものがある。
【0026】
【化6】
【0027】
ここで、これらの芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基などで置換されているものもAr5またはAr7に含まれる。また、Zは、−O−、−CH2−、−S−、−SO2−、−CO−などである。
Ar5、Ar7の80%以上がパラ位に結合された芳香環である芳香族ポリイミドは、本発明に用いられるフィルムを製造する上で特に好ましい。
【0028】
本発明に用いる高分子フィルムの第2の要件は、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有することにある。
イオン性金属の濃度が150ppmより少ない場合、高分子フィルム/フッ素系重合体界面の接着力が十分に発揮されない。また、イオン性金属の濃度が400ppm以上であればさらに好ましい。
【0029】
イオン性金属の存在により高分子フィルム/フッ素系重合体界面の接着力が大幅に改良される原理については詳細に解明されていないが、フッ素系重合体には、電気的に陰性なハロゲン元素であるフッ素がその骨格中に多量に存在するため、接合される他方の高分子フィルム中に、電気的に陽性の強い、アルカリ金属やアルカリ土類金属のイオン性金属が存在すると、クーロン力による引き合いが生じ、その結果、接着力の大幅な向上につながるものと考えられる。
【0030】
本発明に用いる高分子フィルムの第3の要件は、カール量が8mm以下であることにある。
本発明でいうカール量は、25℃、50%RHに保たれた環境において、24時間以上放置したフィルムを一辺が30mmの正方形に切り出して試験片とし、湾曲した試験片の凹側を平坦な台の上に静置し、台と、湾曲した試験片の最も高い位置との距離をmm単位で測定した値である。
【0031】
高分子フィルムのカールは、フィルムの厚さ方向の熱収縮率等の特性斑に起因する現象であるが、高分子フィルムの少なくとも片方の面にフッ素系重合体の層を形成する際には、高分子フィルムとフッ素系重合体とを密着させるためにフッ素系重合体が軟化、溶融する高温に曝す必要があるため、その際、フィルムのカール量が大きいと、工程の高温によってそれがさらに助長され、工程中で大きくカールしてしまう。また、高温下の上記工程を終了し、室温下で得られた複合シートを引き取り、巻き取る際には、フッ素系重合体がその熱膨張率に相当する寸法変化を生起するため、製品のカールはさらに助長されるためシートが折れたり、皺になったりして実用に供することのできる製品が得られないからである。カール量が4mm以下であれば、さらに平坦性の良い複合シートが得られるので好ましい。
【0032】
本発明に用いる高分子フィルムの製造法については、特に限定されるものではなく、それぞれの高分子に適した製造法が取られてよいが、具体的には、下記のような方法で製造される。
まず芳香族ポリアミドについては、有機溶剤可溶のポリマーの場合、直接溶剤中で重合するか、一旦ポリマーを単離した後、再溶解するなどして溶液とし、ついで乾式法または湿式法にて製膜する。一方、PPTA等の有機溶剤に難溶のポリマーの場合、濃硫酸などに溶解して溶液とし、ついで乾湿式法または湿式法にて製膜する。
【0033】
一方、芳香族ポリイミドについては、有機溶剤中にてテトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反応させて、ポリアミド酸とし、この溶液をそのまま、または一旦閉環処理してポリイミドとした後再度溶剤に溶解して溶液を得、それらを乾式法または湿式法にて製膜する。
乾式法では、溶液はダイから押し出され、金属ドラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャストされ、キャストされた溶液が自己支持性あるフィルムを形成するまで乾燥またはイミド化反応が進められる。
【0034】
湿式法では、溶液はダイから直接凝固液中に押し出されるか、乾式と同様に金属ドラムまたはエンドレスベルト上にキャストされた後、凝固液中に導かれ、凝固される。
次いで、得られたフィルムについて、フィルム中に含まれる溶剤や無機塩などの洗浄後、延伸、乾燥、熱処理などの処理を受ける。
【0035】
本発明において、フィルム中に、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有せしめる方法としては、例えば、以下の方法を用いることができる。
乾式法で製膜する場合においては、高分子の溶液に、高分子化合物の濃度を勘案して、その150ppm以上に相当する量のアルカリ金属および/または、アルカリ土類金属の塩を添加して、フィルムを製膜する方法が用いられる。
【0036】
湿式法で製膜する場合は、乾式法と同様に、高分子の溶液にアルカリ金属および/または、アルカリ土類金属の塩を添加して製膜することもできるが、中和や洗浄の工程で抽出されてしまうことが考えられるため、むしろ、中和や洗浄等の工程の後で、アルカリ金属および/または、アルカリ土類金属の塩を含有する溶液に高分子フィルムを接触させ、所望の濃度に含浸する方法も好適に用いられる。
【0037】
製膜して得られた高分子フィルムが、適当な溶媒に溶解できる場合、あるいは適当な溶媒で膨潤する場合においては、それらの溶媒に、アルカリ金属および/または、アルカリ土類金属の塩を溶解させておいて、製膜を終了した高分子フィルムと接触させることによりアルカリ金属および/または、アルカリ土類金属を含浸せしめることも可能である。
【0038】
溶融押し出し可能な熱可塑性高分子においては、その融液にアルカリ金属および/または、アルカリ土類金属の塩を混練、分散する方法を用いることも可能である。
また、本発明に用いる高分子フィルムには、本発明の目的に反しない限り、易滑剤、染料や顔料などの着色剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の改質剤等が含まれていてもよい。
【0039】
本発明に用いるフッ素系重合体は、温度により大きく寸法が変化し、変形する材料であり、また、弾性率が小さい材料であるため、本発明に用いる高分子フィルムとしては、弾性率の大きな材料であれば、複合シートの取り扱い性や、複合シートから得られる製品の物性を高くできる点で好ましい。高分子フィルムの弾性率は、具体的には200kg/mm2以上であることが望ましく、500kg/mm2以上であるとさらに良く、700kg/mm2以上であると最も好ましい。また、使用される条件への対応性が高く、大きな応力下でも使用できるという観点から、高分子フィルムの強度は大きい方が有利であり、具体的には25kg/mm2以上であることが望ましい。
【0040】
本発明で使用する高分子フィルムの厚さは、一般に3〜200μmのものが用いられるが、3〜100μmであることが望ましい。この厚さが3μmより小さい場合は、フッ素系重合体を形成する工程での取扱が得られる複合シートのカール等により、極めて難しい。逆に、この厚さが200μmより厚い場合は、フィルムの製造の過程において、厚さ方向の構造斑が発生しやすく、カールが大きくなったり、フッ素系重合体との接着力が低下したりするため好ましくない。
【0041】
本発明に用いる高分子フィルムの表面にはフッ素系重合体との接着力向上の為にプライマー塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理や、化学的物理的エッチング処理等の表面処理を併用する事も行われて良い。それらの処理が金属塩の含有による効果を妨げることがないからである。
本発明に用いるフッ素系重合体としては、四フッ化エチレン(以降PTFEと略)、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂(以降FEP樹脂と略)、四フッ化エチレンーパーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(以降PFA樹脂と略)、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレンーエチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂などがあるが、特に、FEP樹脂、PFA樹脂は加工条件が比較的マイルドであり、耐熱性や離型性も実用上十分な性能を有するので好適である。
【0042】
本発明において、フッ素系重合体はフィルム状に成形されたものを使用しても良いし、水や溶剤にフッ素樹脂を分散溶解させたディスパージョンや溶液状のものを使用することもできる。
高分子フィルムの少なくとも片方の面に形成されるフッ素系重合体の層の厚さは、高分子フィルムの厚さを勘案して得られる複合シートのカールが大きくならないように選択されるが、通常、高分子フィルムの厚さの2分の1以下が適当である。
【0043】
高分子フィルムの少なくとも片方の面にフッ素系重合体の層を形成する方法としては、フッ素系重合体の水性ディスパージョンを高分子フィルムに塗工し焼成する方法や、溶融したフッ素樹脂を直接スリットから高分子フィルム上に押し出して圧着ラミネートする方法、あらかじめフッ素系重合体をフィルム状に加工したものを加熱圧着してラミネートする方法等が用いられる。
【0044】
高分子フィルムの両面にフッ素系重合体の層を形成して用いることも好ましい実施態様である。また、フッ素系重合体自体にカーボンブラックや他の無機材料のフィラー等を添加したものを用いることも可能である。
本発明の第2であるフィルム積層ベルトは、高分子フィルムが少なくとも2層以上、フッ素系重合体を介してエンドレス状に接着一体化されたものである。
【0045】
本発明のフィルム積層ベルトに用いる高分子フィルムは350℃以下の温度で溶融及び分解しない高分子材料からなり、それら高分子材料の具体例としては、前記の複合シートの場合と同じように、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド等が挙げられる。
また、本発明のフィルム積層ベルトに用いる高分子フィルムは、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有するものでなくてはならない。イオン性金属の濃度が150ppm未満では、フッ素系重合体によって互いに接着されたフィルム層間の接着力が不十分で、特に高温の環境下で回転させる際に容易に層間の剥離を生起してしまい実用性に劣るからである。また、このイオン性金属の濃度が400ppm以上であるとさらに接着力が安定し好ましい。
【0046】
高分子フィルムの厚さは、3〜100μmが適当である。この厚さが大きすぎると接着力が高いとはいえ、積層端末の段差がおおきくなり、屈曲した際に同部分から剥離しやすくなり、耐久性が劣るものになってしまう。逆に、この厚さが小さすぎるとフィルムを積層一体化する工程での取扱が困難になり、また、所望の総厚みを有するベルトとするために必要な積層数が大きくなり、コストが高くなり過ぎるからである。
【0047】
フッ素系重合体としては、前記の複合シートの説明で述べたPTFE、PFA、FEP等が好ましく用いられる。フッ素系重合体の厚みは高分子フィルムの厚さを勘案して決められば良いが、通常、1μm以上、高分子フィルムの厚さの半分以下の厚さが好ましい。
フッ素系重合体の厚さが大きいと、フィルム積層ベルトの機械物性が低下し、実用される用途範囲を狭めてしまい、逆に1μm以下では、高分子フィルム同士の接着力が小さくなり、耐久性が劣るからである。
【0048】
かかる材料を用い、フィルム積層ベルトに成形する方法としては、例えば、あらかじめ高分子フィルムの少なくとも一方の面にフッ素系重合体層を形成した複合シートを円柱状や円筒状の金属支持体上に巻き重ね、加圧下にフッ素系重合体の融点以上の温度で加熱して、高分子フィルムとフッ素系重合体の界面を密着する方法、高分子フィルムとフッ素系重合体フィルムとを重ね合わせて円柱状や円筒状の金属支持体状に巻きつけ、加圧下にフッ素系重合体の融点以上の温度で加熱して、高分子フィルムとフッ素系重合体の界面を密着する方法等を用いることができる。また、材料を支持体に巻き重ねるのと同時に発熱体等の熱源によって材料を加熱し巻き重ねつつ接着一体化する方法も用いることができる。
【0049】
材料を支持体に巻き重ねるに際しては、広幅の材料を支持体と直角の方向から真っ直ぐに巻き付ける方法、細くスリットした材料を支持体に斜め方向から供給し支持体の長さ方向にスパイラル状に巻き上げる方法等を用いることができる。
上記の方法により筒状に成形された材料を周方向にスリットすることにより、所望の幅を有するエンドレス状のフィルム積層ベルトが得られる。
【0050】
成形して得られるエンドレスベルトの最内層または、および、最外層にベルトを使用する装置や環境の特性に応じて、または各種機能を付与するために、さらにフッ素系重合体、フッ素ゴム、シリコン樹脂、シリコンゴムのコーティング層を設けることを行っても良く、本発明の好ましい実施態様の一つである。このようなコーティング層にはカーボンブラック、顔料、滑材、耐磨耗材などの改質のための添加剤を含有せしめても良い。
【0051】
本発明の第3は、発熱ヘッドと、記録シートと共に移動するフィルム積層ベルトとを備えた、記録シート上に担持されたトナー像を加熱定着する装置において、フィルム積層ベルトが、前記の構成のものであることを特徴とする像定着装置である。
パーソナルコンピュータの浸透により、その出力装置の一つである電子写真方式のプリンターも、印刷速度や画質の向上が望まれている。特に印刷速度の向上においては、これまでの一対のローラー間にトナーを担持した記録シートを通過させ加圧加熱させる方式は、加熱時間が大きく取れないため、ボトルネックの一つであった。その解決策の有望な方式として、ベルトを介して、トナー像を加熱する方式が注目されているが、本発明の第2のフィルム積層ベルトがこの像定着用ベルトとして好適であることが見いだされた。
【0052】
本発明の像定着装置の好ましい実施態様を図1に基づき説明する。
図1は本発明の像定着装置の実施例を示した断面図である。
図1において、1はフィルム積層ベルトであり、左側の駆動ローラ4と右側の従動ローラ5と、ローラ4および5の間に設置した加熱体2とに接して回転するように設置されている。従動ローラ5はフィルム積層ベルト1のテンションローラを兼ねており、フィルム積層ベルト1は駆動ローラ4の回転により所定の周速度で回転する。
【0053】
3はシリコンゴム等の弾性体層が設けられた加圧ローラであり、フィルム積層ベルト1を挟んで加熱体2に、図示されていない加圧装置により圧接されている。
画像形成装置から送られてくる未定着のトナー画像7を表面に担持した記録シート6はフィルム積層ベルト1と等速度で送られ、フィルム積層ベルト1を介して加熱体2により加熱されてトナーが溶融され、フィルム積層ベルト1と加圧ローラ3の間で圧着されて画像が定着される。
【0054】
本発明を実施する上で、フィルム積層ベルト1の周辺部に、図示されていないクリーニングブレード、シリコンオイル塗布装置、定着シートの冷却装置、記録シートの剥離装置などを適宜配置することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態の例を以下の実施例に基づき説明する。
【0056】
【参考例1】
相対粘度が5.0のPPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)を100%濃度の硫酸に12重量%の濃度で溶解し、TダイからTa製のベルト上に押し出し、押し出したPPTA/硫酸液晶溶液を加熱と同時に吸湿させてベルト上で等方性に相変化させた。ついでこれを50重量%の硫酸水溶液の凝固浴中に導き、凝固したPPTAフィルムをTa製ベルトから引き剥がし、温水をはった槽を潜らせて硫酸を除去した。
【0057】
含水状態の未乾燥のPPTAフィルムを、1重量%の塩化ナトリウム水溶液を満たした槽中で滞留時間を変えて塩を含浸した後、フィルム表面に付着した塩を水洗して除去した。
ついでPPTAフィルムを金枠に固定した状態で100℃で乾燥し、さらに300℃で熱処理して、Na含有量の異なる3種PPTAフィルムを調製した。
【0058】
【0059】
【参考例2】
凝固浴として25重量%の硫酸水溶液を用いた以外は参考例1と同様の条件でPPTAフィルムを製膜し、2種のPPTAフィルムを調製した。
【0060】
【参考例3】
市販のポリイミドフィルム(東レデュポン社製、カプトン100H)を、塩化ナトリウム5重量%を溶解させ、80℃に保った水/DMSO溶液に滞留時間を変えて浸漬した後、フィルム表面に付着した塩を水洗して除去し、乾燥炉中で十分に乾燥して、以下の2種ポリイミドフィルムを調製した。
【0061】
【0062】
【実施例1】
参考例1の高分子フィルム、PPTA−B、PPTA−C、及び参考例3の高分子フィルム、ポリイミド−Bを用いて以下の実験を実施した。
各高分子フィルムの片面にPFAの水性エマルジョン(固形分50%)を塗布し、130℃に保った乾燥炉で水を蒸発除去した後、340℃に設定した高温炉で高分子フィルムの表面に付着したPFAを焼成して、片面に5μmのPFA層を形成した複合シートを作成した。
【0063】
得られた複合シート表面のPFA膜をスパチュラで擦り、PFA膜の状態を観察した。
また、得られた複合シートに、それを作成したもとの高分子フィルムを合わせ、330℃の温度、20kg/cm2 の圧力でプレス機を用いて剥離試験用サンプルを調製した。貼り合わせたシートを幅10mmの短冊に切り出し、180度剥離試験を行った。
【0064】
得られた結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【比較例1】
参考例1の高分子フィルム、PPTA−A、参考例2のPPTA−D、PPTA−E、及び参考例3の高分子フィルム、ポリイミド−Aを用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合シートを作成し、それらの特性を評価した。
得られた結果を、表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【実施例2】
参考例1の高分子フィルム、PPTA−Cを12.5μmの市販のPFAフィルムとPFAフィルムがSUS管面に来るように重ね合わせ、直径60mmのSUS製の管に弛みの無いように5回巻き付け、6回目を10mmだけ下のフィルム層と重なるように切断して、フィルムの端を巻きゆるまないように耐熱接着テープでSUS管に固定した。
【0069】
巻き付けた高分子フィルムとPFAフィルムの外側に、10mm幅にスリットしたカプトン100Hのテープを張力をかけてスパイラル状に巻き付け、巻き端は緩まないように耐熱接着テープでSUS管に固定した。
これを、350℃に加熱した高温炉中に入れ、20分放置した後、取り出して、冷風を当てて室温まで冷却した。
【0070】
10mm幅のカプトン100Hのテープを剥がし、内側のステンレス管を抜き出して、PFAフィルムによって5層のPPTA−Cフィルムが互いに一体化し、円筒状のベルトに成形された総厚みが、約150μmのフィルム積層ベルトを得た。
得られたフィルム積層ベルトの最外層にはシリコンゴムを100μmの厚さで焼き付け、最終的に、総厚さ約250μm、幅300mm、内径60mmの実用試験用のベルトを作成した。
【0071】
得られたベルトを、図1によって模式的に表される像定着装置に装着し、ヒーター温度200℃で回転させた。
その結果、106 回回転後もフィルム積層ベルトに剥離や亀裂は観察されなかった。
また、106 回回転後に、グレースケールのべたでトナーを担持させた普通紙を加熱体により加熱してトナーを溶融させ、加圧ローラとフィルム積層ベルト間のニップ部に通過させ、トナー像を定着させたところ、フィルム積層ベルトの積層した端末部の段差の何らの影響のない良好な定着像が得られた。
【0072】
【比較例2】
参考例1の高分子フィルム、PPTA−Aを用いた以外は実施例2と同じ方法によって、総厚さ約250μm、幅300mm、内径60mmの実用試験用のベルトを作成した。
得られたベルトを、図1によって模式的に表される像定着装置に装着し、ヒーター温度200℃で回転させた結果、約103 回回転したところで像定着装置から異音が発生し始め、装置からベルトを取り出して調べたところ、PPTAフィルムとPFAフィルムの層間に完全に剥離を生じていた。
【0073】
このベルトを再度像定着装置に装着し、回転を重ねたところ、最外層のシリコンゴムの表面からも観察される皺が多数発生し、グレースケールのべたでトナーを担持させた普通紙をニップロールとベルト間に通過させ、トナー像を定着させたところ、ベルトの皺に相当する筋が紙上に定着されていた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の第1である、複合シートはヒートシール性があり、フッ素系重合体との接着力が極めて大きく、取扱性が良好であるため、フィルム積層ベルト、耐熱板材等の各種積層製品や、耐熱性の必要な各種包装材等に活用することができる。
【0075】
本発明の第2である、フィルム積層ベルトは耐熱性があり、積層された高分子フィルムとフッ素系重合体の接着力が大きいため、屈曲疲労寿命に優れているため、高温環境でも高い信頼性で回転動作させることが可能であり、ヒートシーラーや搬送機構を伴った乾燥炉などの産業機械に採用する事で機械の小型化、コンパクト化が可能となる。さらに従来ベルトに比べて寿命が延びるのでランニングコストも大幅に低減させる事が出来る。また、複写機や、プリンターに用いられる定着用のベルトとしても好適である。さらに。本発明の第3である像定着装置は、装置自体のコンパクト化、省電力化、信頼性向上が達成された極めて好ましい特性を有する装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム積層ベルトを用いた像定着装置の模式図である。
【符号の説明】
1 フィルム積層ベルト
2 加熱体
3 加圧ローラ
4 駆動ローラ
5 従動ローラ
6 記録シート
7 トナー画像
Claims (2)
- アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有し、カール量が8mm以下である芳香族ポリアミド又は芳香族ポリイミドからなるフィルムが少なくとも2層以上、フッ素系重合体からなる層を介してエンドレス状に接着一体化されてなるフィルム積層ベルト。
- 発熱ヘッドと、記録シートと共に移動するフィルム積層ベルトとを備えた、記録シート上に担持されたトナー像を加熱定着する装置において、フィルム積層ベルトが、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれる1種以上のイオン性金属を150ppm以上含有し、カール量が8mm以下である芳香族ポリアミド又は芳香族ポリイミドからなるフィルムが少なくとも2層以上、フッ素系重合体からなる層を介してエンドレス状に接着一体化されてなるものであることを特徴とする像定着装置。
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