本発明は、液晶表示装置等に適用されるサイドライト型面光源装置に関し、例えば指向出射性を有する導光板を用いたサイドライト型面光源装置に適用するものである。本発明は、楔形形状等により形成された導光板について、厚さを局所的に低減することにより、光源の有効発光領域より導光板の長さを長くしても輝度ムラを有効に回避することができるようにする。
従来、例えば液晶表示装置においては、サイドライト型面光源装置により液晶パネルを照明し、これにより全体形状を薄型化するようになされている。
すなわちサイドライト型面光源装置は、冷陰極管等の棒状光源でなる一次光源を板状部材(すなわち導光板でなる)の側方に配置し、この一次光源より出射される照明光を導光板の端面より導光板に入射する。さらにサイドライト型面光源装置は、この照明光を偏向して、導光板の平面より液晶パネルに向けて出射するように形成され、これにより全体形状を薄型化できるようになされている。
このようなサイドライト型面光源装置は、ほぼ均一な板厚により導光板を形成した方式のものと、一次光源より遠ざかるに従って導光板の板厚を徐々に薄く形成した形式のものとがあり、後者は、前者に比して効率良く照明光を出射することができる。
図15は、この後者のサイドライト型面光源装置の構成を示す分解斜視図であり、このサイドライト型面光源装置1は、導光板でなる光散乱導光体2の側方に一次光源3を配置した後、反射シート4、光散乱導光体2、光制御部材としてのプリズムシート5を積層して形成される。このうち一次光源3は、冷陰極管でなる蛍光ランプ7の周囲を、断面略半円形形状の反射部材でなるリフレクター8で囲って形成され、リフレクター8の開口側より光散乱導光体2の端面に照明光を入射する。
反射シート4は、金属箔等でなるシート状の正反射部材、又は白色PETフィルム等でなるシート状の乱反射部材により形成される。
光散乱導光体2は、楔形断面形状の導光板で、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるマトリックス中に、これと屈折率の異なる透光性の微粒子が一様に混入分散されて形成される。これによりA−A断面により断面を取って図16に示すように、この光散乱導光体2は、一次光源3側端面でなる入射面Tより照明光Lを入射し、透光性の微粒子により照明光Lを散乱させながら、また反射シート4に乱反射部材を適用した場合は、この反射シート4により一部乱反射させながら、反射シート4側平面(以下斜面と呼ぶ)とプリズムシート5側平面(以下出射面と呼ぶ)との間を繰り返し反射して照明光Lを伝播する。
この伝播の際に、照明光Lは、斜面で反射する毎に出射面に対する入射角が徐々に低下し、出射面に対して臨界角以下の成分が出射面より出射される。この出射面より出射される照明光L1は、照明光Lが光散乱導光体2の内部において透光性の微粒子により散乱され、また反射シート4により乱反射して伝播すること等により、散乱光により出射される。しかしながらこの照明光L1は、出射面に対して伝播方向に傾いて形成された斜面を反射して伝播することにより、矢印Bにより拡大して示すように、主たる出射方向が楔形状の先端方向に傾いて形成される。すなわち導光板からの出射光L1が指向性を有するようになり、これにより光散乱導光体2は、指向出射性を有するようになる。
プリズムシート5は、この指向性を補正するために配置される。すなわちプリズムシート5は、ポリカーボネート等の透光性のシート材で形成され、光散乱導光体2側面にプリズム面が形成される。このプリズム面は、光散乱導光体2の入射面Tとほぼ平行に延長する断面三角形形状の突起が、入射面T側から楔形状の先端方向に、繰り返されて形成される。これによりプリズムシート5は、この三角形形状の突起の斜面で、出射光L1の主たる出射方向を出射面の正面方向に補正する。なお、プリズムシート5としては、光散乱導光体2側と反対側の面に、光散乱導光体2側の面に形成したプリズム面の溝方向とほぼ直交する溝方向のプリズム面を更に形成した構成の、いわゆる両面プリズムシートを用いる場合もある。これによりこのサイドライト型面光源装置1では、ほぼ均一な板厚により導光板を形成した方式のサイドライト型面光源装置に比して、出射光を正面方向に効率良く出射できるようになされている。
なお、このように指向出射性を有する導光板としては、透明部材又は半透明部材により、楔形形状又は楔形形状に近い形状に導光板を形成したもの、あるいは透明部材により平板形状に導光板を形成し、この導光板の出射面及び又は裏面に所定の梨地面、マイクロレンズアレイ或いは散乱膜等を形成したものもある。このような導光板を用いたサイドライト型面光源装置においても、上記したプリズムシート5を用いることにより出射光を正面方向に出射できるようになされている。
ところで蛍光ランプ7は、両端に電極7a及び7bが形成され、またこれら電極7a及び7bの近傍においては、管内に蛍光体が塗布されていない領域が形成される。従って蛍光ランプ7においては、両端近傍に照明光を出射しない領域が形成され、照明光を発光する領域(以下有効発光領域と呼ぶ)が全体の長さに比して短い欠点がある。
このためこの種のサイドライト型面光源装置においては、長さの短い蛍光ランプ7を使用することができない問題があった。すなわち蛍光ランプの有効発光領域より導光板の長さが長くなると、導光板の入射面側両端の輝度が低下し、蛍光ランプの長手方向に輝度ムラが発生するようになる。
特開昭63−33702号公報
実開昭62−74282号公報
特開平7−288023号公報
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、有効発光領域より導光板の長さを長くしても輝度ムラを有効に回避することができるサイドライト型面光源装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、入射面より遠ざかるに従って厚さが薄くなるように形成された板状部材の入射面より、前記入射面に対向して配置した光源からの照明光を入射し、前記板状部材で偏向して出射面より出射するサイドライト型面光源装置に適用して、前記板状部材は、前記入射面が長方形形状に形成され、板厚が、前記入射面近傍の両端で局所的に薄く形成されてなるようにする。
また請求項2の発明においては、請求項1の構成において、前記板厚は、前記光源の有効発光領域の中心を通り、前記入射面に直交する仮想線に対して、非対称に設定されてなるようにする。
請求項1の構成において、入射面より遠ざかるに従って厚さが薄くなるように形成された板状部材においては、入射面より入射した照明光が、出射面とこの出射面と対向する面との間で反射を繰り返しながら伝播する。このとき照明光は、反射を繰り返す毎に、出射面に対する入射角が徐々に低下して伝播し、うち入射角が臨界角以下になった成分が出射面より出射される。これにより請求項1の構成により入射面近傍の両端で板厚を局所的に薄くすると、反射による入射角の変化が大きくなり、また反射回数が増大することにより、一定距離を伝播する際の、出射面より出射される光量が増大する。従って入射面側にこのような領域を形成して、両端の輝度を向上でき、長さの短い光源を用いた場合でも、光源長手方向の輝度ムラを有効に回避することができる。
また請求項2の構成により、請求項1の構成において、前記板厚は、前記光源の有効発光領域の中心を通り、前記入射面に直交する仮想線に対して、非対称に設定されてなるようにすれば、その分輝度を向上する程度を相違させることができ、光源の端部により異なる光量の相違を補うことができる。
本発明によれば、有効発光領域より導光板の長さを長くしても輝度ムラを有効に回避することができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
図1は、本発明の実施例1に係るサイドライト型面光源装置の、光源側を拡大して示す平面図である。なおこの図1において、反射シート4等の部材は省略して示し、また図15及び図16について上述したサイドライト型面光源装置と同一構成は、同一の符号を付して示し、重複した説明は省略する。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
このサイドライト型面光源装置10において、棒状の光源でなる蛍光ランプ11は、両端の電極11a及び11bまで含めた長さが、導光板でなる光散乱導光体2の入射面の長さより短い、光散乱導光体2に比して極端に長さの短いものが適用されるようになされている。
このサイドライト型面光源装置10においては、光散乱導光体2の入射面と蛍光ランプ11との間に、照明光導入部12が配置され、この照明光導入部12、蛍光ランプ11及びリフレクター8により一次光源を形成するようになされている。ここで照明光導入部12は、蛍光ランプ11の照明光を、蛍光ランプ11の両端部側に広げて光散乱導光体2の入射面に導くようになされている。
具体的に、この実施例1において、照明光導入部12は、台形プリズム12aと、平行四辺形プリズム12b及び12cとにより形成され、この台形プリズム12aは、蛍光ランプ11側が上底側面に、蛍光ランプ11の両端側が斜面側になるように、入射面のほぼ中央に配置される。これに対して平行四辺形プリズム12b及び12cは、台形プリズム12aの斜面に、この斜面と平行四辺形プリズム12b及び12cの斜面とが微小間隔だけ離間するように、入射面の端部側に配置される。
また台形プリズム12aは、光散乱導光体2と同様に、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるマトリックス中に、これと屈折率の異なる透光性の微粒子が一様に混入分散されて形成される。これに対して平行四辺形プリズム12b及び12cは、例えばポリカーボネート等の透明部材により形成され、底面と斜面の成す角度が、台形プリズム12aの斜面と下底の成す角度と等しい、所定角度に選定されるようになされている。
ここでこの角度は、平行四辺形プリズム12b及び12cにおいて、上面より垂直に入射した光が斜面において全反射するに充分な角度であり、これにより平行四辺形プリズム12b及び12cは、照明光L2を上面より入射し、対向する斜面で順次反射して出射する。すなわち平行四辺形プリズム12b及び12cは、上面より入射した照明光のL2の光路を折り曲げて光散乱導光体2の両端部に振り分けるようになされている。
これに対して台形プリズム12aは、内部の微粒子により照明光L3を散乱し、照明光L2を両側に振り分けて発生する平行四辺形プリズム12b及び12cの斜面の影の部分について、入射した照明光L3を振り分けて出射するようになされている。
さらに図2に示すように、台形プリズム12a、平行四辺形プリズム12a及び12cは、光散乱導光体2の出射面及び斜面と段差が発生しないように厚さが選定され、またこれら出射面及び斜面に対して角度が急変しないように、出射面及び斜面に対応する面が形成されるようになされている。これにより台形プリズム12a、平行四辺形プリズム12a及び12cは、リフレクター8を介して1次光源を光散乱導光体2に保持した際に、リフレクター8との間に空間が形成されないようにし、この種の空間が形成されることによる出射光の輝度ムラを有効に回避するようになされている。
かくしてこの実施例1において、平行四辺形プリズム12a及び12cは、光源の端部より出射された照明光の光路を折り曲げて、光散乱導光体の端部に振り分ける第1の光学ブロックを構成し、台形プリズム12aは、光源より出射された照明光を第1の光学ブロック側に拡散させる第2の光学ブロックを構成する。
以上の構成において、蛍光ランプ11の有効発光領域より出射された照明光は、直接に、又はリフレクター8で反射した後、照明光導入部12を介して光散乱導光体2の入射面に入射する。このときこの照明光は、照明光導入部12において、入射面の両端部側に広げられて光散乱導光体2の入射面に導かれる。
具体的に、この照明光のうち、有効発光領域ARの端部より出射された照明光L2は、主に、照明光導入部12を構成する平行四辺形プリズム12a及び12cの上面より入射し、この平行四辺形プリズム12a及び12cにより光散乱導光体2の両端に振り分けられて出射される。これにより光散乱導光体2の長さが、蛍光ランプ11の有効発光領域より長い場合でも、光散乱導光体2の端部には充分な照明光L2が入射し、出射面における対応領域の輝度が増大する。
これに対して有効発光領域ARの中央部近傍より出射された照明光L3は、主に、照明光導入部12を構成する台形プリズム12aの上底側面より入射し、この台形プリズム12a内で散乱されて、光散乱導光体2の入射面に入射する。これにより光散乱導光体2においては、照明光L2を両側に振り分けて発生する平行四辺形プリズム12b及び12cの斜面の影の部分についても、充分な照明光L3を入射することができ、これらのことから出射光の輝度ムラが有効に回避される。
以上の構成によれば、光散乱導光体2の入射面と蛍光ランプ11との間に照明光導入部12を配置し、この照明光導入部12により蛍光ランプ11の照明光を蛍光ランプ11の両端側に広げて光散乱導光体2の入射面に導くことにより、光散乱導光体2に比して蛍光ランプ11の有効発光領域ARが短い場合でも、蛍光ランプ11の長手方向の輝度ムラを有効に回避することができる。従ってその分サイドライト型面光源装置10全体の形状を小型化することができる。
また台形プリズム12aと、この台形プリズム12aの斜面に配置した平行四辺形プリズム12b及び12cとによりこの照明光導入部12を形成したことにより、有効発光領域ARの端部より出射された照明光L2を、平行四辺形プリズム12a及び12c光散乱導光体2の両端に振り分け、また有効発光領域ARの中央部近傍より出射された照明光L3を、台形プリズム12a内で散乱して平行四辺形プリズム12b及び12cの斜面の影の部分に振り分けることができ、これにより極端に蛍光ランプ11の長さが短い場合でも、蛍光ランプ11の長手方向の輝度ムラを有効に回避することができる。
図3は、実施例2に係るサイドライト型面光源装置を示す平面図である。このサイドライト型面光源装置20において、蛍光ランプ21は、両端の電極21a及び21bまで含めた長さが光散乱導光体22とほぼ等しい、有効発光領域ARの長さが光散乱導光体2に比して短いものが適用されるようになされている。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
これに対して光散乱導光体22は、入射面側が蛍光ランプ21側に張出すように形成され、さらに入射面の両端が、蛍光ランプ21の内側に向かって斜めに延長するようになされている。これによりこの実施例2では、この斜めに延長した延長部22a及び22bと、蛍光ランプ21側に拡大した入射面側領域22cとにより、照明光導入部23を構成する。
ここでこの延長部22a及び22bは、上述した実施例1における平行四辺形プリズムと、ほぼ同一形状に形成され、これにより有効発光領域ARの端部より出射された照明光L2を拡散させながら光散乱導光体22の両端に振り分けるようになされている。
これに対して蛍光ランプ21側に拡大した入射面側領域22cは、入射面がマット面処理によりマット面(シボ面)に形成され、このマット面及び内部の微粒子により有効発光領域ARの中央近傍より出射された照明光L3を散乱し、これらの照明光L3を、本来の入射面位置における延長部22a及び22bの影の部分に振り分けるようになされている。
この実施例2によれば、光源の端部に対応する光散乱導光体22の両端を、有効発光領域側に斜めに延長して照明光導入部23を構成しても、実施例1と同程度ではないものの、同様の効果を得ることができる。また光散乱導光体22と照明光導入部23とを一体に形成できることにより、その分全体構成を簡略化することができる。
図4は、実施例3に係るサイドライト型面光源装置を示す平面図である。このサイドライト型面光源装置30においても、蛍光ランプ21は、両端の電極21a及び21bまで含めた長さが光散乱導光体32とほぼ等しい、有効発光領域ARの長さが光散乱導光体32に比して短いものが適用されるようになされている。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
これに対して光散乱導光体32は、入射面側が蛍光ランプ21側に張出して延長部32aが形成され、この延長部32aに放射状にスリット33が形成されるようになされている。すなわち延長部22aは、中央より両端に向かって、一定のピッチでスリットが形成され、このスリット33が中央より遠ざかるに従って、この延長部32aの入射面に対してそれぞれ両端側に傾き、かつ楔形先端に向かって深く形成されるようになされている。また延長部22aは、中央より遠ざかるに従って変化するスリットの傾きに対応して、両端に斜面が形成されるようになされている。
これによりこの実施例では、これらのスリット33により、光散乱導光体32の入射面に多数の台形プリズムを形成するようになされている。さらにこれらスリット33の傾き、深さを徐々に変化させ、台形プリズムの形状及び大きさが有効発光領域の中央より端部に向かって徐々に変化するようにし、これにより蛍光ランプ21より入射した照明光を、端部側程、大きく端部側に折り曲げるようになされている。
すなわち延長部32aは、スリット33の端部側面により、照明光を外側に反射し、スリット33の中央側面により、端部側面で反射した照明光を元の方向に反射する。また併せて延長部32aは、内部の微粒子により照明光を散乱する。これによりこの延長部32aは、入射面より入射した照明光を、光散乱導光体32の両端側に向かって広げ、光散乱導光体32の本来の入射面に導くように動作する。
これによりこの実施例では、スリット33を形成した延長部32aにより照明光導入部34を構成する。
図4の構成によれば、光散乱導光体32の入射面側を蛍光ランプ21側に延長すると共に、この延長部32aに放射状にスリット33を形成し、この延長部32aにより照明光導入部34を構成しても、実施例1と同程度ではないものの、同様の効果を得ることができる。また光散乱導光体32と照明光導入部34とを一体に形成できることにより、その分全体構成を簡略化することができる。
図5は、実施例4に係るサイドライト型面光源装置に適用する光散乱導光体を示す斜視図である。この光散乱導光体42は、両端の電極まで含めた長さが光散乱導光体の長さとほぼ等しい蛍光ランプと組み合わされて、サイドライト型面光源装置に適用される。
ここでこの光散乱導光体42は、楔形先端からの入射面側に向かう断面を、順次B−B断面、C−C断面、D−D断面により取って図6〜図8に示すように、入射面42aが長方形形状に保持されたまま、この入射面42a近傍の端部側で、斜面側が滑らかに蛇行するように形成され、これによりこの入射面42a近傍の両端で、板厚が、局所的に薄くなるようになされている。
すなわち光散乱導光体を用いたサイドライト形面光源装置では、端面より入射した照明光が、出射面と斜面との間で反射を繰り返しながら伝播する。このときこの照明光は、反射を繰り返す毎に、出射面に対する入射角が徐々に低下し、うち入射角が臨界角以下になった成分が出射面より出射される。従って板厚を局所的に薄く形成した領域においては、斜面の傾きが局所的に変化することにより、また板厚の低下に伴い一定距離を伝播する際の反射回数が増大することにより、入射角の変化が大きくなり、これにより出射面より出射される照明光の光量が増大する。
これにより光散乱導光体42においては、入射面42a近傍の端部側で、板厚が、局所的に薄くなるよう形成した領域より出射光量を増大し、両端の輝度を向上するようになされている。さらにこのように局所的に出射光量を増大することにより不足する楔形先端、両端側の照明光については、内部の微粒子による散乱光によって補い、これにより輝度ムラを有効に回避する。
また入射面を長方形形状に保持したまま、入射面42a近傍の両端で、板厚を、局所的に薄くしたことにより、入射面より入射する照明光については、従来通り効率良く入射する。さらに斜面が滑らかに蛇行するように形成することにより、板厚を局所的に薄く形成したことによる急激な斜面の変化等が出射面より観察されないようにし、これによっても輝度ムラを有効に回避する。
図5に示す構成によれば、入射面42aを長方形形状に保持したまま、この入射面42a近傍の端部で、斜面を滑らかに蛇行させて、光散乱導光体42の板厚を局所的に薄くしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
図9は、実施例5に係るサイドライト型面光源装置を示す斜視図である。なおこの実施例に係る他の構成は、図15について上述した従来構成と同一でなることにより、図9においては他の部材は記載を省略して説明する。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
この実施例において、光散乱導光体52は、入射面側が蛍光ランプ21側に張出すように形成され、さらに入射面側の端部が蛍光ランプ21に向かって延長するように張出して形成されている。これによりこの実施例では、両端の延長した延長部52a及び52bと、蛍光ランプ21側に拡大した入射面側領域52cとにより、照明光導入部53を構成する。
ここで延長部52a及び52bの外側側面においては、光散乱導光体52の側面より延長するように形成される。これに対して延長部52a及び52bの内側側面においては、緩やかな曲面を描いて入射面側領域52cに接続され、これにより照明光導入部53は、有効発光領域に対応する領域が緩やかに凹形状に変化するように、光散乱導光体52の入射面側を蛍光ランプ21側に拡大して形成され、この凹形状の入射面より照明光を入射するようになされている。
すなわち有効発光領域から出射される照明光は、端部側に広がるように出射される成分もあり、このような成分は、蛍光ランプ21の正面に向かって出射される照明光に比して、単位面積当たりの光量が少ない特徴がある。照明光導入部53は、このように端部側に広がるように出射される成分を凹形状の入射面により内側に屈曲して集光し、本来の入射面位置における光散乱導光体52の端部に振り分け、これにより輝度ムラを有効に回避するようになされている。
図9に示す構成によれば、有効発光領域に対応する部分が緩やかに凹形状に変化するように、光散乱導光体52の入射面側を蛍光ランプ側に拡大しても、上述の実施例と同等の効果を得ることができる。
図10は、実施例6に係るサイドライト型面光源装置を示す斜視図である。なおこの実施例に係る他の構成は、図15について上述した従来構成と同一でなることにより、図10において、他の部材は記載を省略して説明する。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
この実施例において、光散乱導光体2は、その光出射面の入射面側、両端部に、それぞれ光拡散部材でなる拡散子61が貼り付けられるようになされている。ここで拡散子61は、図11に示すように、白色PETフィルムを直角三角形形状に加工して形成され、直角の部分が光散乱導光体2のコーナーに一致するように、所定の接着剤により光散乱導光体2に貼り付けられるようになされている。
ここでこの接着剤は、光散乱導光体2に対して、屈折率が極めて近い値で、かつ光学ガラスの接着に使用される透過率の大きな接着剤でなる。これにより光散乱導光体2は、入射面側両端部において、照明光を散乱するようになされている。
すなわち有効発光領域ARから出射される照明光においては、端部側に広がるように出射される成分もある。ところが、蛍光ランプ11の有効発行領域ARが入射面にほぼ平行な細長い形状でなることにより、このように端部側に広がるように出射される照明光は、まず、その光量自体が少ないことに加えて入射角が大きい成分が多い。これにより従来の光散乱導光体2において、入射面より端部に到来する照明光は、入射面近傍からの出射が極めて少なく、楔形先端に向かって伝播するに従って徐々に出射されることになる。
すなわち従来の光散乱導光体2においては、入射面側端部に、照明光が分布はしているものの、これらの照明光は、出射面に対して入射角が大きく、端部側からは殆ど出射されないようになされていた。これによりこの実施例のように、端部に拡散子61を配置して端部側照明光を散乱すれば、これらの照明光の出射面に対する入射角を、広い角度分布に変換することができ、入射面近傍からの出射光量を増大することができる。
ところがこの拡散する照明光光量を余りに増大すると、端部側の輝度レベルが極端に増大し、その分却って輝度ムラが発生するようになる。これによりこの実施例では、拡散子61の形状を直角三角形形状に設定し、両端側程、拡散の程度を増大させる。
すなわち拡散子61は、出射光の光量を増大させる領域に対応して、入射面側の長さWがほぼ蛍光ランプ11の電極11a及び11bと等しい長さに選定される。また増大させる光量に応じて、端部側の高さHが選定され、さらに増大させる光量分布に応じて、底辺と高さを結ぶ辺の形状が選定される。因みに、この実施例に比して、端部側でより大きな光量増大を必要とする場合、高さHを大きくし、かつ斜辺を双曲線又は円弧形状に変更して所望の輝度分布を確保することができる。
図10に示す構成によれば、光源の端部に対応して、光散乱導光体2の入射面側に選択的に拡散子61を貼り付け、この拡散子61により照明光を散乱することにより、簡易な構成で、光源の有効発光領域より導光板の長さを長くしても輝度ムラを有効に回避することができる。
ところで上述した実施例1〜6により端部の輝度ムラが低減されると、サイドライト形面光源装置においては、入射面側両端部において、輝度の相違が知覚されるようになる。
すなわち図12に示すように、この種のサイドライト形面光源装置に適用される蛍光ランプ11においては、駆動回路62より出力される駆動電源が、昇圧トランスTにより昇圧された後、コンデンサCを介して供給される。このとき蛍光ランプ11は、一方の電極11bが接地され、これにより不要輻射の低減等が図られるようになされている。
蛍光ランプ11は、このようにして接地側電極11bがコールド側Lに、コンデンサ側電極11aがホット側Hに設定され、コールド側L端より射出される照明光の光量が、ホット側H端より射出される照明光の光量より小さくなる欠点がある。これによりサイドライト形面光源装置においては、端部の輝度ムラが低減されると、このコールド側L及びホット側Hの光量の相違が、端部における輝度の相違として知覚されるようになる。
このためこの実施例では、図13に示すように、出射面、両端部に配置する拡散子66a及び66bの形状を異なる形状に設定し、これにより輝度ムラを有効に回避し、併せて端部における輝度の相違を防止する。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
すなわち拡散子66a及び66bは、直角三角形形状の先端を切り取った形状に形成され、等しい高さHに設定される。またホット側の拡散子66aは、コールド側の拡散子66bより、先端が大きく切り取られ、その分長さW2がコールドの拡散子66bの長さW1より短くなるように設定されている。これによりコールド側の拡散子66bは、ホット側の拡散子66aより拡散の程度が増大するように形成され、その分出射光の光量を増大して、ホット側に対する輝度の低下を補うようになされている。
図13に示す構成によれば、光源の端部に対応する光散乱導光体2の端部に、異なる形状により拡散の程度の異なる拡散子66a及び66bを貼り付け、この拡散子66a及び66bにより照明光を散乱することにより、実施例6の効果に加えて、端部における輝度の相違を防止することができる。
図14は、実施例8に係るサイドライト型面光源装置を示す斜視図である。この実施例において、サイドライト型面光源装置70は、大型の光拡散乱導光体72に対して、2本の蛍光ランプ11により照明光を供給する。この場合にサイドライト型面光源装置70は、入射面に2本の蛍光ランプ11を直線的に並べて配置する。さらにこのように蛍光ランプ11を配置した際の、電極11a及び11bに対応する光散乱導光体72の出射面に、拡散子71a、71b及び71cを配置し、これにより輝度ムラを有効に回避し、さらには端部における輝度の相違を防止する。なおこの実施例は、本願の参考例を示すものである。
図14に示す構成によれば、光源の端部に対応して光散乱導光体2に拡散子71a、71b、71cを貼り付けることにより、大型のサイドライト型面光源装置70において、光源の実質的な有効発光領域より導光板の長さが長い場合でも、輝度ムラを有効に回避することができる。
また上述の実施例においては、マット面処理により、適宜、照明光導入部の入射面を粗面化する場合について述べたが、粗面化の手法はこれに限らず、サンドペーパーによるブラスト処理、化学エッチング処理により粗面に形成する場合等、種々の粗面形成手段を広く適用することができる。また粗面化により照明光を拡散する場合に限らず、入射面に白色インク等の光拡散材料を付着させ、あるいは拡散シート等を配置して入射面より入射する照明光を拡散させてもよい。
さらに上述の実施例1〜5においては、照明光導入部を対称形状に形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、照明光導入部を非対称形状に形成してもよく、この場合には、実施例6に対応して実施例7について上述したように、ホット側及びコールド側で相違する輝度を補正することができる。また導光板に対して蛍光ランプをシフトさせて配置した場合にも、これに対応することができる。
さらに上述の実施例1〜3、5においては、照明光導入部を配置して、実施例4においては、板厚を局所的に薄く形成することにより、実施例6〜8においては、拡散子を配置することにより、輝度ムラを低減する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの手段を組み合わせてもよい。
また上述の実施例では、一端面より照明光を入射する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、併せて他の端面から照明光を入射する構成のサイドライト型面光源装置にも広く適用することができる。
さらに上述の実施例では、液晶表示装置の面光源装置に本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の照明機器、表示装置等のサイドライト型面光源装置に広く適用することができる。
本発明は、例えば指向出射性を有する導光板を用いたサイドライト型面光源装置に適用することができる。
本発明の実施例1に係るサイドライト型面光源装置の光源側を拡大して示す平面図である。
図1の側面図である。
本発明の実施例2に係るサイドライト型面光源装置の光源側を拡大して示す平面図である。
本発明の実施例3に係るサイドライト型面光源装置の光源側を拡大して示す平面図である。
本発明の実施例4に係るサイドライト型面光源装置に適用する光散乱導光体を示す斜視図である。
図5をB−B断面により取って示す断面図である。
図5をC−C断面により取って示す断面図である。
図5をD−D断面により取って示す断面図である。
本発明の実施例5に係るサイドライト型面光源装置の光源側を示す斜視図である。
本発明の実施例6に係るサイドライト型面光源装置の光源側を示す斜視図である。
図10の光源側を拡大して示す平面図である。
蛍光ランプの駆動方法の説明に供する接続図である。
本発明の実施例7に係るサイドライト型面光源装置の光源側を拡大して示す平面図である。
本発明の実施例8に係るサイドライト型面光源装置の光源側を示す斜視図である。
従来のサイドライト型面光源装置を示す分解斜視図である。
図15のサイドライト型面光源装置をA−A断面により取って示す断面図である。
符号の説明
1、10、20、30、50、60、70……サイドライト型面光源装置、2、22、32、42、52、72……光散乱導光体、4……反射シート、5……プリズムシート、7、11、21……蛍光ランプ、8……リフレクター、12、23、34、53……照明光導入部、12a……台形プリズム、12b、12c……平行四辺形プリズム、61、66a、66b、71a、71b……拡散子