JP4045001B2 - スピニングリールの釣り糸案内機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣り糸案内機構、特に、スピニングリールの第1及び第2ロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に設けられ釣り糸をスプールに案内するスピニングリールの釣り糸案内機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールには、釣り糸をスプール案内する釣り糸案内機構がロータの先端に設けられている。ロータは、リール本体に回転自在に装着された円筒部と、円筒部の後部に対向して一体で形成された第1及び第2ロータアームを有している。釣り糸案内機構は、この2つのロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。
【0003】
この種の釣り糸案内機構は、第1ロータアームに揺動自在に設けられた第1ベール支持部材と、第2ロータアームの先端に揺動自在に設けられた第2ベール支持部材と、両ベール支持部材を連結するベールとを有している。第1ベール支持部材の先端には、釣り糸を案内するためのラインローラと、ラインローラを支持するための固定軸カバーとが装着されており、ベールの一端は固定軸カバーに固定されている。ベールの他端は第2ベール支持部材に固定されている。
【0004】
このような構成の釣り糸案内機構では、第1ベール支持部材の方が第2ベール支持部材より重くなる。このため、ロータの回転バランスを考慮して第2ベール支持部材を、通常外方に突出させている。特に、第2ロータアームに第2ベール支持部材が挟まれた形態や第2ロータアームの内側で第2ベール支持部材が揺動する形態等の第2ロータアームの少なくとも一部が第2ベール支持部材の外側に配置された釣り糸案内機構では、第2ベール支持部材を外方に突出させて第2ベール支持部材の重心ができるだけ外方に位置するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように第2ベール支持部材の外側に第2ロータアームの少なくとも一部が配置されかつ第2ベール支持部材が外方に突出している従来の釣り糸案内機構では、軽い第2ベール支持部材を外方に突出させているので第2ロータアーム側の重心を外方に位置させることができ、回転バランスがよくなる。しかし、釣り糸が弛んで第2ロータアームに絡んだ後釣り糸に張力が作用して釣り糸が第2ベール支持部材側に移動したとき、第2ベール支持部材の突出部分に釣り糸が引っかかることがある。釣り糸が第2ベール支持部材に引っかかると、そのまま無理にロータを回転させると、ロータアームが破損したり釣り糸が切断したりする。
【0006】
本発明の課題は、釣り糸が絡んだ時に第2ベール支持部材からベールに釣り糸を移動しやすくすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、スピニングリールのロータの円筒部の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に設けられ釣り糸をスプールに案内する機構であって、第1ベール支持部材と、第2ベール支持部材と、ベールとを有している。第1ベール支持部材は、第1ロータアームに揺動自在に設けられたものである。第2ベール支持部材は、少なくとも第2ロータアームの一部が外側に配置されるように第2ロータアームの先端部内側に揺動自在に装着され、外側面が第2ロータアームの装着部からスプールの軸方向前方に向かって第2ロータアームの先端内側面より外側に突出しないように形成されたものであり、第2ロータアームの先端に全体が覆われる円盤状基部と、円盤状基部からスプールの軸方向前方に延出する延出部とを有している。ベールは、第1ベール支持部材と第2ベール支持部材とを連結するものである。延出部は、ベールが取り付けられる先端部を有するとともに、第2ベール支持部材が糸案内姿勢に揺動したとき第2ベール支持部材の揺動中心を通ってスプールの軸と平行な軸に対して先端部と逆側の一部が第2ロータアームの先端面からスプールの軸方向前方に露出している。第2ロータアームは、円筒部の後部外周面に配置された接続部と、接続部から前方に延びるアーム部とを有し、接続部とアーム部とを含む全体がスプールの回転軸に直交する側から見て外方に凸に湾曲している。
【0008】
この釣り糸案内機構では、糸案内姿勢になると、釣り糸はベールから第1ベール支持部材側に寄せられてスプールに案内される。このとき釣り糸が弛んでいると第2ロータアームに釣り糸が絡まることがある。しかし、張力が作用すると第2ロータアームに絡んだ釣り糸は先端側に移動して第2ベール支持部材側に移動する。このとき第2ベール支持部材の外側面は先端側に向かって突出していないので、釣り糸がそこで引っかかりにくい。このため釣り糸は第2ベール支持部材で引っかからずにベールを経て第1ベール支持部材側に移動しやすい。また、この場合には、第2ベール支持部材の円盤状基部が第2ロータアームに覆われているので、円盤状基部が露出しなくなり釣り糸がより引っかかりにくくなる。また、第1ロータアーム側に比べて軽量の第2ロータアーム側の重量を増やすことができ回転バランスがよくなる。さらに、この場合には、第2ベール支持部材が第2ロータアームの内側に配置されるので、ロータの回転半径がコンパクトになる。さらに、この場合には、第2ロータアームが外方に凸に湾曲して形成されているので、折れ曲がり部分がなくなり、その部分での応力集中が生じない。このため、応力が平均化され第2ロータアームの肉厚を厚くすることなく強度を高く維持できる。したがって、ロータの軽量化を図りつつ強度を高く維持できる。
【0009】
発明2に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1に記載の機構において、第2ロータアームは突起部を先端に有し、第2ベール支持部材は、突起部に当接して糸開放姿勢側の移動端を規制するための切欠き部を有する。この場合には、突起部と切欠き部との当接により第2ベール支持部材の移動端が規制されるので、糸開放姿勢時にベールとベール支持部材との間に捻れが生じず、釣り糸案内機構の変形を防止できる。
【0010】
発明3に係るスピニングリールの釣り糸案内機構は、発明1又は2に記載の機構において、第1ベール支持部材は、第1ロータアームの外側に揺動自在に装着されている。この場合には、第1ベール支持部材が第1ロータアームの外側に配置されるので、第1ベール支持部材の組立・メンテナンスが容易である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0012】
ハンドル1は、図2に示すように、T字状の把手部1aと、先端に把手部1aが回転自在に装着されたL字状のクランクアーム1bと、クランクアーム1bの基端に固定された軸部1cとを有している。クランクアーム1bは、基端側においてワンタッチで折れ曲がり可能である。軸部1cは、図3に示すように断面が矩形の棒状部材である。なお、ハンドル1は、図1及び図3に示す右位置と、図2に示す左位置との左右どちらの装着位置でもリール本体2に装着可能である。
【0013】
リール本体2は、側部に開口2cを有するリールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bと、リールボディ2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dとを有している。
【0014】
リールボディ2aは、図2及び図3に示すように、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0015】
図4に示すように、リールボディ2aの図4右側面には、筒状のボス部17aが形成されている。ボス部17aは、ハンドル軸10(後述)の図4右端を支持する軸受16aを収納するためにリールボディ2aの内方に突出して形成されている。蓋体2dのボス部17aに対向する位置には、ボス部17bが形成されている。ボス部17bはハンドル軸10の図4左端を支持する軸受16bを収納するためにリールボディ2aの外方に突出して形成されている。ハンドル1が装着された側と逆側のボス部(図4ではボス部17a)は、軸カバー19により閉塞されている。ハンドル1が装着された側のボス部(図4ではボス部17b)は、孔あきカバー19bにより水の侵入が防止されている。軸カバー19及び孔あきカバー19bは、図1に示すように、楕円形の部材であり、それぞれ2本のビス19aによりボス部に取り付けられる。なお、外方に突出していないボス部17aには、軸カバー19及び孔あきカバー19bを面一に装着するための楕円形の窪み18aが形成されている。
【0016】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンドル軸10の両端は、軸受16a,16bを介してリールボディ2aに回転自在に支持されている。ハンドル軸10の図4右端は、軸受16aの外側面より内側に位置している。ハンドル軸10の中心部には断面が矩形の貫通孔10aが形成されており、この貫通孔10aにハンドル1の軸部1cが回転不能に挿入される。軸部1cの先端面にはネジ孔1dが形成されており、このネジ孔1dに螺合する取付ネジ20によりハンドル1がハンドル軸10に取り付けられている。
【0017】
ピニオンギア12は筒状に形成されており、図3に示すように、その前部12aはロータ3の中心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a,14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0018】
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の略直下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23は、ピニオンギア12に噛み合っている。
【0019】
ロータ3は、図3に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31,32と、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム44とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。ベールアームは、両ロータアーム31,32の先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。
【0020】
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成されている。ボス部33aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギアの前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前部にナット13が配置されており、ナット13の内部にスプール軸15を回転かつ移動自在に支持する軸受35が配置されている。
【0021】
第1ロータアーム31は、図1及び図5に示すように、円筒部30の後部外周面に配置された第1接続部31aと、第1接続部31aから外方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第1アーム部31bとを有している。第1接続部31aは、円筒部30の周方向に広がっており、円筒部30と周方向に滑らかに連続して形成されている。第1アーム部31bは、第1接続部31aと滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔をあけて前方に延びている。第1アーム部31bの外周面はスプール軸15の軸芯を中心とする円弧状に形成されている。この円弧の半径は前方側が大きくなっている。
【0022】
第1ロータアーム31の先端の外周側には、ベールアーム44を構成する第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40は、第1ロータアーム31にねじ込まれた取付ピン36により第1ロータアーム31に取り付けられる。この取付ピン36は引っかかりが少ない六角孔付きボルトからなり、その頭部に釣り糸が引っかかりにくくなっている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41と、ラインローラ41を挟んで第1ベール支持部材40に固定された固定軸カバー47とが装着されている。ラインローラ41は、第1ベール支持部材40の先端に回転自在に装着されている。固定軸カバー47は、先端がとがった変形円錐形状である。
【0023】
第2ロータアーム32は、円筒部30の後部外周面に配置された第2接続部32aと、第2接続部32aから外方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第2アーム部32bとを有している。第2接続部32aは、円筒部30と周方向に滑らかに連続して形成されており、円筒部30の周方向に間隔を隔てて配置された2つの脚部32cを有している。第2アーム部32bは、第2接続部32aと滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔をあけて前方に延びている。第2アーム部32bは、先端部から円筒部30との接続部分に向けて2股に分岐しており、円筒部30と2つの脚部32cで接続されている。したがって内部に開口32dが形成される。第2アーム部32bの外周面もスプール軸15の軸芯を中心とする円弧状に形成されている。
【0024】
第2ロータアーム32の先端内周側には、ベールアーム44を構成する第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。ここで、両ベール支持部材40,42は、1本の揺動軸Mを中心に揺動自在である。そして揺動軸Mと第1ロータアーム31の第1ベール支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C1とし、揺動軸Mと第2ロータアーム32の第2ベール支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C2とすると、揺動中心C2は揺動中心C1に比較して前方側に位置している。すなわち、揺動軸Mは回転軸芯Xに対して直交しておらずたとえば5度後方に傾いている。また、各ベール支持部材40,42は、それらの揺動面が揺動軸Mに直交するように配置されている。
【0025】
第2アーム部32bの先端内周側には、図7及び図8に示すように、第2ベール支持部材42を装着するための他の部分より薄肉の段差部53が形成されている。段差部53の、図7の下側には段差部53の他の部分より厚肉の平面視台形状の突起部54が形成されている。また、段差部53には、第2ベール支持部材42を装着するための貫通孔62が形成されている。この貫通孔62は、機械加工を容易にするために回転軸芯Xと直交するように形成されている。
【0026】
段差部53と第2ベール支持部材42との間には、合成樹脂製の取付シート37が介装されている。取付シート37は、揺動軸Mを回転軸芯Xに対して5度傾けるために介装されている。取付シート37は、段差部53と同様な平面形状のシート部37aと、貫通孔62に装着されるボス部37bと、突起部54を覆う突出部37cとを有している。貫通孔62に装着されるボス部37bには装着孔37dが形成されている。この装着孔37dは、貫通孔62に対して5度傾いており、これにより揺動軸Mが回転軸芯Xに対して5度傾く。装着孔37dには外側から鍔付きの装着ナット63が挿入されており、装着ナット63には内側から装着ボルト64がネジ止めされている。これにより第2ベール支持部材42が第2ロータアーム32に揺動自在に装着される。
【0027】
第2ロータアーム32の揺動中心の前側には、図6及び図8に示すように、重り38が収納されている。重り38は、第1ロータアーム31側にベールアーム44の重心が片寄っていることに起因する回転バランスのアンバランスを補正するために装着されている。重り38を収納する重り収納部39は、取付シート37に対向して形成された開口39aと、開口39aに連通して形成された収納空間39bとを有している。このように重り収納部39を取付シート37で閉塞することで別の閉塞部材を設ける必要がなくなり、重り38の脱落を簡単な構成で防止できる。
【0028】
第2ベール支持部材42は、図6〜図8に示すように、先端が湾曲した雨滴状の部材であり、第2ロータアーム32に全体が覆われる円盤状基部42bと、円盤状基部42bからスプール軸方向前方に延出する露出部42cとを有している。露出部42cの一部は、揺動軸Mよりベール43と逆側に位置している。また、露出部42cは、外側に配置された第2ロータアーム32の先端内側部から先端に向かって外方に突出しないように外側面が形成されている。したがって外側面は突起がない滑らかな面で構成されている。このように、第2ベール支持部材42の露出部42cの外側面は先端側に向かって突出していないので、釣り糸がそこで引っかかりにくい。このため釣り糸は第2ベール支持部材42で引っかからずにベール43を経て第1ベール支持部材40側に移動しやすい。また、円盤状基部42bの全体が第2ロータアーム32により覆われているので、より釣り糸が引っかかりにくくなる。さらに、延出部42cの一部が反ベール43側に位置しているのでベール43に起因する回転バランスの乱れを補正しやすい。
【0029】
第2ベール支持部材42の円盤状基部42bの外側面において、後部には、図8に点線で示す領域に略225度の範囲に、ハッチングで示した他の領域より薄肉の切欠き部42aが形成されている。切欠き部42aは、段差部53に形成された突起部54との間でわずかに隙間があくような深さで形成されている。切欠き部42aの両端には2つの当接部42d,42eが形成されている。当接部42dは、図7に2点鎖線で示すように第2ベール支持部材42が糸開放姿勢に揺動したとき、段差部53の突起部54の壁面に当接する。この結果、第2ベール支持部材42の糸開放姿勢での位置決めが行われる。当接部42eは、図7に実線で示すように、第2ベール支持部材42が糸案内姿勢に配置されたとき、取付シート37の突出部37cの端部に当接する。この結果、第2ベール支持部材42の糸案内姿勢での位置決めが行われる。
【0030】
このように構成されたロータ3では、ロータアーム31,32が外方に凸に湾曲して形成されているので、折れ曲がり部分がなくなり、その部分での応力集中が生じない。このため、応力が平均化されロータアームの肉厚を厚くすることなく強度を高く維持できる。したがって、ロータ3の軽量化を図りつつ強度を高く維持できる。しかも、円筒部30と両接続部31a,32a及び両接続部31a,32aと両アーム部31b,32bとがそれぞれ滑らかに連続して形成されているので、それらの連続部分でも応力が集中しにくくなり、強度をより高く維持できる。さらに、第2ロータアーム32の先端部が集合して基端部が周方向に離反して2股に分かれる構造になるので、より軽量化を図れる。また、両ロータアーム31,32の基端部が周方向に拡がるため、ロータアームの周方向の剛性も高くなり、強度をより高く維持できる。
【0031】
さらに第2ベール支持部材42の外側面が突出部の無い滑らかな面で構成されているので、釣り糸が第2ベール支持部材42で引っかかりにくくなり、釣り糸が第2ベール支持部材42からベール43を経て第1ベール支持部材40側に移動しやすくなる。
【0032】
また、第2ロータアーム32に重り38を装着しているので、回転バランスも良好なものになる。さらに、その重り38を収納する重り収納部39の開口39aを取付シート37で閉塞しているので、閉塞用の特別の部材が不要になり、重り収納部39の構成が簡素になる。
【0033】
固定軸カバー47の先端部と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材40,42、ラインローラ41、ベール43及び固定軸カバー47により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。
【0034】
第1ベール支持部材40の外周側にはカバー45が装着されており、カバー45の内部にはベールアーム44を糸開放姿勢から糸案内姿勢にロータ3の回転に連動して復帰させるとともに、両姿勢でその状態を保持するベール反転機構46が配置されている。
【0035】
ロータ3の円筒部30の内部にはロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換機構52とを有している。
【0036】
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に固定されたフランジ板4cとを有している。糸巻き胴部4aは、ストレートな円筒状の部材であり、外周面はスプール軸15と平行な周面で構成されている。糸巻き胴部4aは、2つの軸受56,57によりスプール軸15に回転自在に装着されている。フランジ板4cは、糸巻き胴部4aの内周面にネジ止めされたスプールリングカラー55により糸巻き胴部4aに固定されている。
【0037】
次に、リールの操作及び動作について説明する。
【0038】
キャスティング時にはハンドル1を図4に示す左位置に装着した状態でベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。このとき、第2ベール支持部材42において、当接部42dが突出部54の壁面に当接して第2ベール支持部材42が糸開放姿勢で位置決めされる。この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。この状態でハンドル1をたとえば左手で糸巻取方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転し、ベールアーム44がベール反転機構46により糸案内姿勢に復帰し釣り糸がスプール4に巻き付けられる。
【0039】
ハンドル1を糸巻取方向に回転させるとフェースギア11,ピニオンギア12を介してロータ3が糸巻取方向に回転し、ベールアーム44に案内された釣り糸がスプール4の外周に巻き付けられる。このようなときに釣り糸が弛んで誤って両ベール支持部材40,42の一方に絡んでも両ロータアーム31,32の剛性が高く維持されているので、両ロータアーム31,32は破損しにくい。しかも、第2ベール支持部材42の外側面が突出のない滑らかな面で構成されているので、釣り糸が引っかかりにくくなる。また、両ロータアーム31,32は軽量化が図られているので、ハンドル1を回転させると軽い力で回転させることができる。
【0040】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、第2ロータアーム32の内側に第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されていたが、第2ベール支持部材42が第2ロータアーム32の先端に挟み込まれるように装着されている場合にも本発明は適用可能である。
【0041】
(b) 前記実施形態では、両ベール支持部材40,42の揺動軸Mが回転軸芯Xに対して傾いているのもを例に説明したが、揺動軸Mは回転軸芯Xと直交するものでもよい。
【0042】
(c) 前記実施形態では、第1ロータアーム31の外側に第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されていたが、第1ベール支持部材40が第1ロータアーム31の内側に装着されている場合にも本発明は適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、第2ベール支持部材の外側面が先端側に向かって突出していないので、釣り糸がそこで引っかかりにくい。このため釣り糸は第2ベール支持部材で引っかからずにベールを経て第1ベール支持部材側に移動しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの右側面図。
【図2】 その背面断面図。
【図3】 その左側面断面図。
【図4】 図1のIV−IV断面図。
【図5】 第1ロータアームの平面図。
【図6】 第2ロータアームの平面図。
【図7】 第2ベール支持部材装着部分の平面断面図。
【図8】 図7のVIII−VIII断面図。
【符号の説明】
3 ロータ
4 スプール
31 第1ロータアーム
32 第2ロータアーム
40 第1ベール支持部材
42 第2ベール支持部材
42a 切欠き部
42b 円盤状基部
42c 露出部
43 ベール
44 ベールアーム
54 突起部
Claims (3)
- スピニングリールのロータの円筒部の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアームの先端に糸案内姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に設けられ釣り糸を前記第1ロータアーム側からスプールに案内するスピニングリールの釣り糸案内機構であって、
前記第1ロータアームに揺動自在に設けられた第1ベール支持部材と、
少なくとも前記第2ロータアームの一部が外側に配置されるように前記第2ロータアームの先端部内側に揺動自在に装着され、外側面が前記第2ロータアームの装着部から前記スプールの軸方向前方に向かって前記第2ロータアームの先端内側面より外側に突出しないように形成され、前記第2ロータアームの先端に全体が覆われる円盤状基部と、前記円盤状基部から前記スプールの軸方向前方に延出する延出部とを有する第2ベール支持部材と、
前記第1ベール支持部材と第2ベール支持部材とを連結するベールとを備え、
前記延出部は、前記ベールが取り付けられる先端部を有するとともに、前記第2ベール支持部材が糸案内姿勢に揺動したとき前記第2ベール支持部材の揺動中心を通って前記スプールの軸と平行な軸に対して前記先端部と逆側の一部が前記第2ロータアームの先端面から前記スプールの軸方向前方に露出しており、
前記第2ロータアームは、前記円筒部の後部外周面に配置された接続部と、前記接続部から前方に延びるアーム部とを有し、前記接続部と前記アーム部とを含む全体が前記スプールの回転軸に直交する側から見て外方に凸に湾曲している、スピニングリールの釣り糸案内機構。 - 前記第2ロータアームは突起部を先端に有し、
前記第2ベール支持部材は、前記突起部に当接して前記糸開放姿勢側の移動端を規制するための切欠き部を有する、請求項1に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。 - 前記第1ベール支持部材は、前記第1ロータアームの外側に揺動自在に装着されている、請求項1又は2に記載のスピニングリールの釣り糸案内機構。
Priority Applications (1)
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