JP4040365B2 - 散乱イオン分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,ヘリウムや水素等の単一エネルギーのイオンを試料に照射して,試料表面から散乱される散乱イオンのエネルギースペクトルを分析することにより,試料成分元素の同定や深さ方向の組成分析を行うイオン散乱分析装置に係り,詳しくは,上記散乱イオンと同時に生成される2次電子を検出する2次電子検出器を具備するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば,半導体開発や結晶性薄膜の分野では,エピタキシャル成膜,MBE成膜等によるデバイス材料の研究開発が行われている。そして,これらの材料の表面層,具体的には1原子層〜数原子層における欠陥(例えば,空孔,不純物吸着,異常成長等)がその特性に与える影響は大きい。そのため,これらの材料の開発及び生産管理においては,表面層の欠陥に関する情報は極めて重要である。また,表面層の原子間の結合状態も材料特性を理解する上で重要な情報となり得る。このような理由により,デバイス材料の開発には,その表面層の情報を知ることが極めて重要とされている。
そのような試料の表面層の情報を分析する手法としては,ラザフォード後方散乱法(Rutheford Backscattering Spectroscopy:RBS)がある。RBS分析は,百万eV程度に加速された軽イオン(例えば水素やヘリウム)を試料に照射して,上記試料中の成分原子によって弾性散乱された散乱イオンのうち,後方(散乱角度180°)に散乱される上記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定することにより,試料成分元素の同定や深さ方向の組成分析を非破壊で且つ高精度に行い得るものである。
更に,上記RBS分析では,上記試料に対して照射するイオンビームを,収束レンズ等で収束させ,上記試料表面にビームスポットを形成するイオンビームとすることにより,上記試料の局所分析を行うことも可能である。
ところで,上記局所分析を行うためには,ビームスポットを形成する上記イオンビームを,上記試料の測定すべき所定の位置に対して正確に照射する必要がある。そのため,従来のRBS分析装置では,上記イオンビームの照射により上記散乱イオンと共に上記試料表面に生成される2次電子強度を検出することによって,上記試料表面の凹凸或いは組成に関する情報を把握し,上記イオンビームの照射位置を決定することが一般的であった。
ここで,2次電子強度を検出する2次電子検出器の典型的な構成を図2に示す。同図に示す如く,2次電子検出器Yは,電源7により正電位を印加された網目或いは極薄導電性電極4で被覆されたプラスチックなどのシンチレータ5と,光電子増倍管6とを具備して構成され,例えば電子顕微鏡と同様の構造を有するものである。
これにより,該2次電子検出器Yは,正電位の極薄導電性電極4で,イオンビーム2によって試料2表面上に生成された2次電子3を引っ張り込むことが可能であり,正電位で加速された2次電子3が上記シンチレータ5に当たって蛍光を発光させ,その光を光電子増倍管6で感度良く捉えることができる。
従って,上記局所分析を行う作業者は,上記2次電子検出器Yより得られるデータ(2次電子強度)を用いることにより,上記試料表面に関する情報を把握することが可能となり,ビームスポットを形成する上記イオンビームを,上記試料の測定すべき所定の位置に対して正確に照射することができる。
【0003】
一方,近年の半導体技術の飛躍的な向上に伴い,その測定対象となる試料は原子層レベル(〜10Å)にまで極薄化されつつあり,試料の膜厚測定,組成成分分析技術についての更なる性能向上が望まれている。
そこで,従来のRBS分析に基づくRBS分析装置を改良し,その分解能を原子層レベルにまで高めたRBS分析装置が開発され,特開平7−190963号公報により開示されている。
上記公報により開示されたRBS分析装置Bは,図3に示す如く,イオンビーム1を照射するイオンビーム発生装置X(イオンビーム発生手段に該当)と,分析対象である試料2を配置する測定チャンバ21と,超伝導ソレノイドコイル8と一組のポールピース10,11とリターンヨーク9とを具備し,上記試料2近傍から上記イオンビーム1の入射方向上流側の所定領域に渡って上記イオンビーム1と平行な強磁場を発生させる磁場発生器(磁場発生手段に該当)と,上記測定チャンバ21内に配置され,上記イオンビーム1を入射させると共に,上記平行な磁場により収束された散乱イオン20を上記イオンビーム1の入射方向と反対方向に通過させる開口部を中心部に有するアパチャ15と,上記アパチャ15よりも上記イオンビーム1の入射方向上流側に所定の距離離れて,上記平行な磁場内に配置され,中心部に上記イオンビーム1を入射させる開口部を有するイオン検出器16とを具備して概略構成される。
上記イオンビーム発生装置Xは,ボンベより供給されるガス(例えば,ヘリウムガス)を用いてイオン源18によって生成された軽イオンを,コッククロフト型高電圧回路17から供給される高電圧により加速管19内で一定エネルギーに加速した後に照射する。
上記イオンビーム発生装置Xより照射された上記イオンビーム1は,上記アパチャ15及び上記イオン検出器16の開口部を通過して,上記測定チャンバ21内に配置された上記試料2表面に照射される。
上記イオンビーム1の照射により上記試料2表面から散乱した上記散乱イオン20は,上記磁場発生器の磁場により収束され,特定の条件に当てはまる(特定のエネルギーを有する)散乱イオン20のみが上記アパチャ15の開口部を通過して,上記散乱イオン検出器16により検出される。
そして,上記RBS分析装置Bは,上記磁場発生器により発生される磁場強度,或いは上記アパチャ15と上記試料2との間の距離を変化させることにより,上記試料2表面から散乱した上記散乱イオン20のうち,上記アパチャ15の開口部を通過し上記散乱イオン検出器16により検出される上記散乱イオン20をそのエネルギー毎に選別することが可能となり,上記散乱イオン20のエネルギースペクトルを高精度に測定することができる。
このような構成により,上記RBS分析装置Bは,従来のRBS分析装置では測定し得なかった試料表面の原子層レベルの分析を可能とするものであり,上述した極薄化された試料の表面層における欠陥の分析等にも適用することができる高いエネルギー分解能を実現した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで,上記RBS分析装置Bにおいて,ビームスポットを形成するイオンビームによる局部分析の実施を望む場合を考える。
その場合には,上述した従来のRBS分析装置の場合と同様,上記イオンビームの照射位置を正確に所定の位置に照射するために,上記イオンビームにより生成される2次電子強度を検出することが不可欠である。
しかしながら,上記RBS分析装置Bは,上記測定チャンバ21内の所定の領域に上記イオンビーム1と平行な磁場が発生している。そのため,上記イオンビーム1の照射により上記試料2表面で生成された2次電子3は,その飛散方向やエネルギーに拘わらず,上記平行磁場の領域においては,上記イオンビーム2に沿った磁束線に巻き付いて,螺旋(サイクロトロン)運動しながら上記イオンビーム1の入射方向上流側に遡る(図中に上記2次電子3の軌跡の一例を矢印で示す)。この螺旋運動の半径は,一般にラーマ半径と呼ばれ,例えば上記2次電子3のエネルギーが100eV,上記平行磁場の強度を2テスラとすると,1μm程度と見積もられる。
従って,上記RBS分析装置Bにおいては,図2に示すような従来公知の上記2次電子検出器Yを用いたとしても,磁束線に巻き付いて螺旋運動する2次電子を電極に引っ張り込むことは困難であり,正確な2次電子強度(試料表面の情報)を把握することができず,ひいては正確な局部分析が行えない虞がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,入射するイオンビームと平行な磁場を発生させることにより高分解能な試料の分析を可能とするイオン散乱分析装置において,上記イオンビームの入射により上記試料の表面に生成される2次電子を正確に検出可能な2次電子検出器を備えるイオン散乱分析装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,加速されたイオンビームを真空容器内に配置された試料に対して照射し,上記試料表面から散乱イオンを散乱させるイオンビーム発生手段と,上記試料近傍から上記イオンビームの入射方向上流側の所定領域に渡って上記イオンビームと平行な磁場を発生させる磁場発生手段と,
上記平行な磁場内に配置され,上記イオンビームを入射させると共に,上記平行な磁場により収束された上記散乱イオンを上記イオンビームの入射方向と反対方向に通過させる開口部を中心部に有するアパチャと,上記アパチャよりも上記イオンビームの入射方向上流側に所定の距離離れて,上記平行な磁場内に配置され,中心部に上記イオンビームを入射させる開口部を有するイオン検出器とを具備し,上記イオン検出器からのデータに基づいて上記試料表面からの上記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定することにより,上記試料の分析を行う散乱イオン分析装置において,上記磁場発生手段が,上記平行な磁場の領域を挟んで上記イオンビームの入射方向上流側と下流側に配置された一組の磁極と,上記一組の磁極の外側に設けられたリターンヨークとを備え,上記平行な磁場の領域よりも上記イオンビーム上流部では,上記磁場発生手段による磁束線が上記イオンビームの入射方向上流側に配置された上記磁極を経てその外側に設けられた上記リターンヨークに向かって上記イオンビームから放射状に離れていくように構成され,上記イオンビームの入射方向上流側に設けられた一方の磁極に,上記イオンビームを通過させる内面が円錐に形成された開口が設けられ,上記磁極の上記開口の内側に,上記イオンビームの照射により上記試料表面に生成される2次電子を捕捉する2次電子検出部及び該2次電子検出部で捕捉された2次電子による電流を検出する微小電流計からなる2次電子検出器の一部を構成し,中心部に上記イオンビームを通過させる開口部を有し,上記イオンビームの入射方向上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成された上記2次電子検出部が,上記平行な磁場の領域から放射状に離れて上記リターンヨークに向かう磁束線を遮る位置に,上記磁極と絶縁状態で設けられてなることを特徴とする散乱イオン分析装置として構成されるものである
これにより,上記イオンビームの入射により上記試料表面に生成され,上記イオンビームに沿った磁束線に巻き付いて螺旋運動しながら上記イオンビームの入射方向上流側に遡る2次電子を,上記2次電子検出器によって正確に検出することが可能となり,上記試料表面に関する情報(凹凸/組成等)を正確に把握することができる。
また,上記平行な磁場の領域よりもさらに上記イオンビーム上流側では上記磁場発生手段による磁束線(磁場)が放射状に上記入射ビームから離れていくため,その磁束線に沿って移動する2次電子が,上記2次電子検出器の内面に対して垂直に近い角度で衝突するため,2次電子が効率よく上記2次電子検出部に流れ込む(電流として流れる)。
その結果,例えば,当該装置を使用する使用者が,ビームスポットを形成するイオンビームによる局部分析の実施を望む場合には,そのビームスポットを上記試料の所定の位置に正確に導くことができる。
また,上記試料を2次元的に変位させることによって,上記試料の2次元強度を2次元マッピングし,電子顕微鏡様の2次電子画像として表現することも可能であり,更に操作性良く所定の位置にビームスポットを導くことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る散乱イオン分析装置Aの概略構成を表す図,図2は従来公知の2次電子検出器Yの構成図,図3は従来公知の散乱イオン分析装置Bの概略構成を表す図である。
【0008】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る散乱イオン分析装置Aの構成について説明する。
尚,従来公知の上記散乱イオン分析装置Bと同一の要素には同一の符号を付している。
該散乱イオン分析装置Aは,真空容器である測定チャンバ21と,該測定チャンバ21内の分析対象となる試料2に照射するイオンビーム1を出射するイオンビーム発生装置Xと,超電導ソレノイドコイル8と一組のポールピース(磁極)10,11とリターンヨーク9とを具備し,上記測定チャンバ21内に上記イオンビーム1と平行な強磁場を発生させる磁場発生器(磁場発生手段に該当)と,上記平行な磁場内に配置され,上記イオンビーム1を入射させると共に,上記平行な磁場により収束された上記散乱イオン20を上記イオンビーム1の入射方向と反対方向に通過させる開口部を中心部に有するアパチャ15と,上記アパチャ15よりも上記イオンビーム1の入射方向上流側に所定の距離離れて,上記平行な磁場内に配置され,中心部に上記イオンビーム1を入射させる開口部を有するイオン検出器16と,上記試料2表面に生成される2次電子3を捕捉する電極等である2次電子検出部13及び該2次電子検出部13で捕捉された2次電子による電流を検出する微小電流計14からなる2次電子検出器とを具備している。ここで,上記2次電子検出器は,上記2次電子検出部13に引き込み電位電極で皮膜したシンチレータと光電子増倍管とを用い,これらにより増幅された2次電子による電流を電流計で検出するもの等であってもよい。
上記イオンビーム発生装置Xは,ボンベより供給されるガス(例えば,ヘリウムガス)を用いてイオン源18によって生成された軽イオンを,コッククロフト型高電圧回路17から供給される高電圧により加速管19内で一定エネルギーに加速した後に照射する。
また,上記磁場発生器8〜11は,これを構成する一方の上記ポールピース10が上記分析チャンバ21の上記イオンビーム1の入射方向下流側に,もう一方の上記ポールピース11が同上流側に対向して配置され,上記ポールピース11に設けられた開口11aを通過して上記イオンビーム1を上記試料2に照射させると共に,上記ポールピース10から11への間に上記イオンビーム2と平行な磁場を発生させるよう構成されている。これにより,上記試料2近傍から上記イオンビーム1の入射方向上流側の領域(以下,平行磁場領域という)に上記イオンビーム2と平行な強磁場(以下,並行磁場という)が発生する。(図中には,発生する磁束を矢印12により示す)
また,上記イオンビーム1の入射方向上流側の上記ポールピース11に設けられる上記開口11aは,その開口を頂点とした略円錐状に形成されると共に,その内部には,上記イオンビーム2の入射方向上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成された上記2次電子検出器13が絶縁状態で設けられている。
【0009】
次に,上記散乱イオン分析装置Aの作用について説明する。
上記イオンビーム発生装置Xより照射された上記イオンビーム1は,上記2次電子検出部13の開口部及び上記平行磁場領域内にあるイオン検出部16及びアパチャ15の開口部を通過して上記試料2表面に照射される。このとき,上記磁場発生器による強磁場は,上記イオンビーム1と平行であるので,上記イオンビーム1は上記磁場の影響を受けずに直進し,上記試料2表面に到達する。
上記イオンビーム1により上記試料2表面から散乱する散乱イオン20は,上記平行磁場により収束され,特定の条件に当てはまる(特定のエネルギーを有する)散乱イオン20のみが上記アパチャ15の開口部が通過して,上記散乱イオン検出器16により検出される。
一方,上記試料2表面に生成された2次電子3は,その飛散方向やエネルギー(〜100eV程度)に関わらず,上記平行磁場領域において上記イオンビーム2に沿った磁束線に巻き付くように螺旋運動しながら上記イオンビーム1上流方向へ遡る。即ち,上記試料2表面で生成された全ての2次電子3が,上記平行磁場に沿って上記イオンビーム1の入射方向上流側に螺旋運動しながら遡る。ここで,上記2次電子検出部13は,上記磁場発生手段の磁束を遮る位置に設けられているため,磁束に沿って遡ってくる上記2次電子3を,略100%の捕捉率で捕捉することができる。
ところで,上記平行磁場領域のさらに上記イオンビーム1上流側である上記2次電子検出部13近傍では,上記磁場発生器による磁束線(磁場)が上記ポールピース9の外側に設けられた上記リターンヨーク10に向かって放射状に上記イオンビーム1から離れていく(図1に示す磁束線参照)。従って,その磁束線に沿って移動する上記2次電子3は,上記イオンビーム1の下流側に向かって末広がりの筒状に形成された上記2次電子検出部13の内面に対して垂直に近い角度で衝突するため,上記2次電子3は,効率よく上記2次電子検出部13に流れ込む(電流として流れる)
た,上記試料2を,図1に示す矢印Zの方向及びその方向に垂直な方向に対して2次元的に変位させながら取得した2次電子強度を2次元マッピングすれば,電子顕微鏡様の2次電子画像として上記試料2表面の情報を表現することも可能である。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明は,加速されたイオンビームを真空容器内に配置された試料に対して照射し,上記試料表面から散乱イオンを散乱させるイオンビーム発生手段と,上記試料近傍から上記イオンビームの入射方向上流側の所定領域に渡って上記イオンビームと平行な磁場を発生させる磁場発生手段と,上記平行な磁場内に配置され,上記イオンビームを入射させると共に,上記平行な磁場により収束された上記散乱イオンを上記イオンビームの入射方向と反対方向に通過させる開口部を中心部に有するアパチャと,上記アパチャよりも上記イオンビームの入射方向上流側に所定の距離離れて,上記平行な磁場内に配置され,中心部に上記イオンビームを入射させる開口部を有するイオン検出器とを具備し,上記イオン検出器からのデータに基づいて上記試料表面からの上記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定することにより,上記試料の分析を行う散乱イオン分析装置において,上記磁場発生手段が,上記平行な磁場の領域を挟んで上記イオンビームの入射方向上流側と下流側に配置された一組の磁極と,上記一組の磁極の外側に設けられたリターンヨークとを備え,上記平行な磁場の領域よりも上記イオンビーム上流部では,上記磁場発生手段による磁束線が上記イオンビームの入射方向上流側に配置された上記磁極を経てその外側に設けられた上記リターンヨークに向かって上記イオンビームから放射状に離れていくように構成され,上記イオンビームの入射方向上流側に設けられた一方の磁極に,上記イオンビームを通過させる内面が円錐に形成された開口が設けられ,上記磁極の上記開口の内側に,上記イオンビームの照射により上記試料表面に生成される2次電子を捕捉する2次電子検出部及び該2次電子検出部で捕捉された2次電子による電流を検出する微小電流計からなる2次電子検出器の一部を構成し,中心部に上記イオンビームを通過させる開口部を有し,上記イオンビームの入射方向上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成された上記2次電子検出部が,上記平行な磁場の領域から放射状に離れて上記リターンヨークに向かう磁束線を遮る位置に,上記磁極と絶縁状態で設けられてなることを特徴とする散乱イオン分析装置として構成されるものである
これにより,上記イオンビームの入射により上記試料表面に生成され,上記平行な磁場の作用によって,上記イオンビームに沿った磁束線に巻き付いて,螺旋(サイクロトロン)運動で上記イオンビームの入射方向上流側に遡る2次電子を,上記上記2次電子検出器によって正確に検出することが可能となり,上記試料表面に関する情報(凹凸/組成)等を把握することができる。
また,上記平行な磁場の領域よりもさらに上記イオンビーム上流側では上記磁場発生手段による磁束線(磁場)が放射状に上記入射ビームから離れていくため,その磁束線に沿って移動する2次電子が,上記2次電子検出器の内面に対して垂直に近い角度で衝突するため,2次電子が効率よく上記2次電子検出部に流れ込む(電流として流れる)。
その結果,例えば,当該装置を使用する使用者が,ビームスポットを形成するイオンビームによる局部分析の実施を望む場合にも,そのビームスポットを上記試料の所定の位置に正確に導くことが可能となる。
また,上記試料を2次元的に変位させることによって,上記試料の2次元強度を2次元マッピングし,電子顕微鏡様の2次電子画像として表現することも可能であり,更に操作性良く所定の位置にビームスポットを導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る散乱イオン分析装置Aの概略構成を表す図。
【図2】従来公知の2次電子検出器Yの構成図。
【図3】従来公知の散乱イオン分析装置Bの概略構成を表す図。
【符号の説明】
1 …イオンビーム
2 …試料
3 …2次電子
4 …極薄導電性電極
5 …シンチレータ
6 …光電子倍増管
7 …電源
8 …超電導ソレノイドコイル
9 …リターンヨーク
10,11…ポールピース(磁極)
11a…イオンビーム上流側のポールピースの開口
12…磁束線
13…2次電子検出部
14…微小電流計
15…アパチャ
16…イオン検出器
17…コッククロフト型高電圧回路
18…イオン源
19…加速管
20…散乱イオン
21…測定チャンバ

Claims (1)

  1. 加速されたイオンビームを真空容器内に配置された試料に対して照射し,上記試料表面から散乱イオンを散乱させるイオンビーム発生手段と,
    上記試料近傍から上記イオンビームの入射方向上流側の所定領域に渡って上記イオンビームと平行な磁場を発生させる磁場発生手段と,
    上記平行な磁場内に配置され,上記イオンビームを入射させると共に,上記平行な磁場により収束された上記散乱イオンを上記イオンビームの入射方向と反対方向に通過させる開口部を中心部に有するアパチャと,
    上記アパチャよりも上記イオンビームの入射方向上流側に所定の距離離れて,上記平行な磁場内に配置され,中心部に上記イオンビームを入射させる開口部を有するイオン検出器とを具備し,上記イオン検出器からのデータに基づいて上記試料表面からの上記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定することにより,上記試料の分析を行う散乱イオン分析装置において,
    上記磁場発生手段が,上記平行な磁場の領域を挟んで上記イオンビームの入射方向上流側と下流側に配置された一組の磁極と,上記一組の磁極の外側に設けられたリターンヨークとを備え,上記平行な磁場の領域よりも上記イオンビーム上流部では,上記磁場発生手段による磁束線が上記イオンビームの入射方向上流側に配置された上記磁極を経てその外側に設けられた上記リターンヨークに向かって上記イオンビームから放射状に離れていくように構成され,上記イオンビームの入射方向上流側に設けられた一方の磁極に,上記イオンビームを通過させる内面が円錐に形成された開口が設けられ,上記磁極の上記開口の内側に,上記イオンビームの照射により上記試料表面に生成される2次電子を捕捉する2次電子検出部及び該2次電子検出部で捕捉された2次電子による電流を検出する微小電流計からなる2次電子検出器の一部を構成し,中心部に上記イオンビームを通過させる開口部を有し,上記イオンビームの入射方向上流側から下流側に向かって末広がりの筒状に形成された上記2次電子検出部が,上記平行な磁場の領域から放射状に離れて上記リターンヨークに向かう磁束線を遮る位置に,上記磁極と絶縁状態で設けられてなることを特徴とする散乱イオン分析装置。
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