JP4039741B2 - カメラの電源制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はカメラの電源制御装置に関し、より詳細には、カメラのエネルギー源として電池を用いるカメラのバッテリチェックシステムについての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、市場には様々な乾電池が出回って入る。そして、カメラに於いては、容量が大きく、電池の消耗によって内部抵抗や開放電圧が変化しにくい、リチウム(Li)電池が利用されることが多かった。
【0003】
しかし、テレビのリモコンやラジオ、またはラジオ付カセットテープレコーダ等の一般の電子機器では、アルカリやマンガンの単1、単2、単3、単4電池が一般的に使用されている。これらのアルカリやマンガン電池は、上述したリチウム電池に比べて廉価であり、普及率も高い。また、コンビニエンスストアや駅の売店等、これらをとり扱っている店も多い。
【0004】
したがって、電池交換時に於いては、カメラユーザの立場ではどこででも入手することができ、しかも価格の安い、単3或いは単4電池を使えるカメラの方が購買等の面で安心できる。
【0005】
ところが、これらの電池は、製造している国や製造メーカの数が多く、その特性も種々様々である。そして、例えばカメラの撮影駒数1つをとっても、あるメーカのものが所定の規格を守ったとしても、他のメーカのものの特性が異なる故に撮影可能駒数が変化し、カメラの性能が電池によって大きく左右されてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した異なる特性を有する電池の課題を解決するために、従来より特開平7−64146号公報や特開平7−234433号公報に示されるように、バッテリチェックのタイミングや、バッテリチェック時の負荷を工夫して、電池の性能を最大限に引出そうとした技術があった。
【0007】
しかしながら、上述した公報による技術では、電池の種類の判別や、最も電池に負荷をかけるストロボ回路についての改良については、何れも記載されていないものであった。
【0008】
したがってこの発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、どのような特性の電池でも使用可能で、電池の寿命を長くして環境問題を考慮した、ユーザにも経済的な負担をかけることの少ないカメラの電源制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明は、電池により作動するカメラに於いて、ストロボ充電回路と、上記電池から所定の電流を流し出す負荷回路と、上記電池の電圧に依存する信号を検出する電圧検出手段と、を有し、記ストロボ充電回路による充電動作後の第1のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出すると共に、当該第1のタイミングからタイマでカウントされた第2のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出して上記第1のタイミングでの測定結果から求めた内部抵抗に対する内部抵抗の変化量を求め、常温である場合に上記変化量が第1の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行い、常温より低い低温である場合に上記変化量が上記第1の所定変化量とは異なる第2の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行うことを特徴とする。
【0012】
この発明にあっては、電池により作動するカメラは、ストロボ充電回路と、上記電池から所定の電流を流し出す負荷回路と、上記電池の電圧に依存する信号を検出する電圧検出手段と、を有している。そして、上記ストロボ充電回路による充電動作後の第1のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出する。それと共に、当該第1のタイミングからタイマでカウントされた第2のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出して上記第1のタイミングでの測定結果から求めた内部抵抗に対する内部抵抗の変化量を求める。そして、常温である場合に上記変化量が第1の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行い、常温より低い低温である場合に上記変化量が上記第1の所定変化量とは異なる第2の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行う。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1 は、この発明の第1の実施の形態に係るカメラの制御系の構成を示したブロック図である。
【0019】
図1に於いて、演算制御回路(CPU)1は、撮影者の操作をスイッチ9で検出し、カメラ全体のシーケンスを司るもので、ワンチップマイクロコンピュータ等で構成される。この(CPU)1には、ストロボ充電部2を介して発光部3が接続されると共に、リセット回路4、フィルタ5、EEPROM6、メカトロニクス部7、デート部8及びスイッチ9が接続されている。更に、CPU1には、バッテリチェックポイントBCを介して抵抗11と、抵抗12及びスイッチ13と、また抵抗11を介して電池10と、抵抗14、更にトランジスタ15が接続されている。
【0020】
一方、CPU1には、計時機能行うタイマ16と、撮影駒数をカウントするフィルムカウンタ17と、A/D変換器18等が内蔵されている。尚、ここでは外部に接続されている日付検出機能(デート部8)を内蔵しても良い。
【0021】
ストロボ充電部2は、発光部3が300Vもの高圧を要求するので、昇圧時に非常な負荷を電池10に強いる。したがって、この充電動作時が最も電池10を消耗させるシーケンスであり、この動作をタイミング的に、または回路的に工夫して寿命を改善するようにする。
【0022】
上記ストロボ充電部2は、電池のエネルギーを用いて作動される。このストロボ充電部2が作動されると、電池10の電圧が大きく変動するので、CPU1が誤動作しないように、フィルタ5が設けられて電源が安定化されている。同様に、ズームレンズを移動させたり、シャッタ、フィルムを必要とするものでは、その巻上げ用のメカトロニクス部7が、図示されないアクチュエータを介して作動されても、電源ノイズが発生する。また、電池電圧が下がって、CPU1が作動不能になる前に、リセット回路4が動作されて暴走を食い止めるようになっている。
【0023】
逆に言うと、このリセット回路4の作動電圧、つまり、CPU1の動作電圧の下限が、このシステムの電池寿命の1つの要因となっている。したがって、負荷がかかりすぎるのを押さえて、これにひっかからないようにすることが、電池を長持ちさせる方法となる。
【0024】
デート部8は、写真を撮影した日付等を記憶させるためのものであるが、電池交換の日時を検出するのに応用しても良い。また、上記スイッチ9は、例えば、レリーズスイッチや電池蓋のスイッチの他、モードスイッチ等の情報入力可能なものが想定される。
【0025】
この発明の特徴である電池の種別の検出には、自動で行う方法の他、図3(a)に示されるように、ユーザ21がカメラ22に設けられたスイッチ9を操作することによって電池種別を入力可能としてもよい。その時は、カメラ22の背面に設けられた液晶23等に表示された内容から、図3(b)に示されるように選択するようにしても良い。このようにすれば、簡単に選択が可能である。
【0026】
また、図4(a)及び(b)に示されるように、電池の放電と内部抵抗の変化には、その電池毎の特色があるので、それを使用して電池の検出をしても良い。例えば、図4(a)に示される特性の電池Aに比べると、図4(b)に示される電池Bの特性は、開放時の電圧に対する負荷時の電圧の差が大きいことがわかる。
【0027】
図5は、一定時間電池から所定の電流を流した時の電流電圧と、その放電を止めた時の電池電圧VBAT の関係を示した図である。この関係に於いても、何度も繰返されると、電池が消費されて、図4に示されるように特性が変化する。しかも、これは、電池の種類(図4(a)の電池A、図4(b)の電池B)によって顕著に異なり、この関係を利用すれば電池の種別を特定することができる。
【0028】
また、図5に於いて、開放電圧VO と負荷時電圧VL が示されているが、これら開放電圧VO と負荷時電圧VL の差を流した電流で割ると、内部抵抗が求められる。
【0029】
尚、電流を流した時にVBAT が低下するのは、電池の内部抵抗の影響であり、エネルギー消費が進むにつれて該内部抵抗が大きくなる傾向がある。この実施の形態に於いては、このように電流を流している時を負荷時というように表現している。
【0030】
したがって、この第1の実施の形態では、電池から所定量の電流を引抜くために抵抗14が疑似負荷として用意され、引抜き時にはトランジスタ15がオンされる。また、A/D変換器18は電源電圧より高い電圧は検出できないので、抵抗11及び12で分割されてVBAT がBCに変換される。但し、抵抗だけでは電流が流れっ放しになるので、スイッチ13が設けられて、このスイッチ13がオンされたときにバッテリチェックが行われる。
【0031】
図6は、図1のストロボ充電部2及び発光部5を、より詳細に示した回路構成を示した図である。
図6に於いて、CPU1は、制御部31に接続された測温機能部32、計時機能部33、D/A変換器34と、バッファ35、コンパレータ36、抵抗37、トランジスタ38、アンプ39及び抵抗40とを有して構成される。
【0032】
この第1の実施の形態では、CPU1が簡単なアナログ回路を内蔵しているものとし(これらは外部にあっても良いが)、上記アンプ39とトランジスタ41、抵抗14は、バッテリチェックの負荷電流作動時に、これを定電流とする働きがある。これは図1の構成が単純に抵抗で電流を決める方式に比べ、電源や温度の影響を受けにくくより高精度に負荷をかけられる。
【0033】
また、バッファ35は、分圧された電池電圧をコンパレータ36に入力する。CPU1では、内蔵のD/A変換器34の出力が切換えられながらコンパレータ36の出力がモニタされて、電源電圧が判別される。また、制御部31は、内蔵のROM部(図示せず)に記憶されたプログラムに従って、これらの動作を司り、測温機能部32、計時機能部33を利用して、後述する図8のフローチャートに従ってカメラのレリーズ動作を制御する。
【0034】
また、上記電池10は、内部抵抗42及び電池43の直列回路により構成されている。
ストロボ充電部2では、上記制御部31から抵抗46、47を介して接続されたトランジスタ48または49が発振されて電流が流され、トランス50、51を利用し、ダイオード52を介してメインコンデンサ53に増幅された電流が供給される。この時、トランス2次側51に流れる電流は数アンペアにもなり、電池(図示せず)には大きな負担となる。コンデンサ53に300Vもの高圧が充電されると、トリガ回路55が高圧を印加することによってキセノン(Xe)管54の管内がイオン化され、該キセノン管54が発光する。
【0035】
この充電動作であるが、トランス50の巻線比によって昇圧特性が異なる。すなわち、巻線比の比率が高いと高い電圧まで昇圧できるが、効率が悪い。一方、巻線比が低いと効率は高く、充電は早くなるが、高圧までの充電ができなくなってしまう。つまり、トランス50の一次側コイルをT1 だけで充電するのと、より巻数が多く、巻線比が小さいT1 +T2 で充電するのとでは、充電特性が図7に示されるように変化する。
【0036】
電池電圧が十分高い状態ならば、図7(a)に示されるように、T1 +T2 で充電した方が300Vまでの充電が早い。しかしながら、電池電圧が低くなったり、内部抵抗が大きくなったりすると、図7(b)に示されるように、T1 +T2 では所定電圧まで充電できない。
【0037】
そこで、電池の特性を考慮して、これらのトランスの巻線比を切換える必要が生じる。この発明は、電池の特性を検出し、電圧が低い時、または内部抵抗が大きくなってしまった時には、発振作動させるトランジスタをトランジスタ49からトランジスタ48に切換えて、どのような電池でもストロボが作動できるようにする。また、図7(b)の切換ポイントにて、トランジスタ49をトランジスタ48に切換えるようにしても良い。
【0038】
また、上記制御部31には、上記メインコンデンサ53の両端電圧をモニタするモニタ回路54が接続されている。
次に、図8のフローチャートを参照して、第1の実施の形態によるカメラのレリーズ動作について説明する。
【0039】
ステップS11〜S14までは、開放時の電池電圧や負荷時の電池電圧を測定して電池特性を調べるステップである。すなわち、ステップS11にて、カメラのバリアスイッチ等(図示せず)の電源スイッチがオンされているか否かが判定される。電源スイッチがオンされている場合は、ステップS12に移行して、電池10の開放電圧BCO がモニタされる。次いで、ステップS13にて負荷がかけられた状態での電池電圧BCL がモニタされる。そして、上記ステップS14にて、上記開放電圧BCO とBCL とにより、電池10の種別が判別される。
【0040】
次に、ステップS15に於いて、外部入力や被写体の輝度、或いはフィルム感度等から、ストロボが必要であるか否かが判定される。ここで、ストロボが必要でないと判定されるとステップS16へ移行して、自然光のみの露光が行われる。一方、ストロボが必要な撮影であると判定されると、ステップS17に移行して、撮影時に発光が行われて、その後の充電方法が切換えられる。
【0041】
すなわち、例えばステップS18に於いて、電池が例えば図4(a)に示される電池Aのタイプであると判定されたならば、内部抵抗が小さく、回復も早いので、ステップS26に移行して、短いタイマ(10mS)が作動された後、充電が開始する。また、上記ステップS18で図4(b)に示される電池Bのタイプであると判定されたならば、放電すると内部抵抗の上昇も電圧の降下も大きいので、ステップS19に移行して、例えば500mSの回復時間が与えられる。
【0042】
ところで、電池Aの場合でも、電圧が下がってくると電池Bと同様の特性となるので、上記ステップS26の後、ステップS27に於いて、充電が正しく行われるか否かがチェックされるために、再度、開放電圧BCO が検出される。その結果によって、トランスが切換えられて充電が行われる。
【0043】
上記ステップS19でタイマカウントされた後、或いは上記ステップS27にて検出された開放電圧BCO が2.7Vより低い場合は、ステップS20に移行する。そして、ステップS20でトランスT1 +T2 が選択されて、ステップS21で充電される。ここで、充電の切換ポイントに達したならば、ステップS22にてトランスT1 がされて、ステップS23で充電が行われる。
【0044】
一方、上記ステップS27にて、検出された開放電圧BCO が2.7V以上であれば、ステップS28に移行してトランスT1 +T2 が選択されて、ステップS29で充電される。
【0045】
このように、ステップS27にて、上記開放電圧BCO が低い場合は、上述したように、途中からトランスの切換えが行われる。尚、ここでは、ステップS27をYESで分岐するとトランス切換えは行わない実施の形態としているが、電圧が低い時とは異なるタイミングで途中切換えするようにしても良い。
【0046】
最後に、充電時間が長すぎる場合、充電を停止して回路が壊れている場合等に対応する必要がある。この判定時間tについても、電池の種類、または電圧レベルによって切換えて、カメラが故障と誤判断しないようにする。
【0047】
すなわち、上記ステップS23及びS29で充電が行われた後、それぞれステップS24及びS30でタイマがカウントされる。そして、ステップS25では所定時間t1 が経過するまでカウントが続けられる。同様に、ステップS31では所定時間t2 が経過するまでカウントが続けられる。
【0048】
上記タイマカウントが終了したならば、ステップS32に移行して時誘電が完了したか否かが判定される。ここで、完了していない場合はステップS33に移行して、表示等による警告が行われる。
【0049】
このようにして、電池の種類や消耗度によって、それにふさわしい充電、またはそのチェックを行うようにしたので、電池にまだエネルギーが残っているにもかかわらず、電池交換の表示を出したり、カメラを動作不能にしたりして、必要以上に電池を無駄にすることはなくなる。
【0050】
このようにして、電池のエネルギーを使い尽くすので、電池による環境問題に対応でき、ユーザに必要以上の経済的負担を与えることはない。
次に、この発明の第2の実施の形態を説明する。
【0051】
上述した第1の実施の形態では、電池の種別、特性をカメラ使用中に自動的に検出したが、図9に示されるように、電池装填時に電池の種別や特性を検出するようにしても良い。
【0052】
図9(a)に於いて、カメラボディ61の前面には、撮影レンズ62やストロボ63が配置されている。また、カメラボディ61の上面には、液晶(LCD)等による表示部64とシャッタ釦65が設けられている。更に、カメラボディ61の側面部には電池蓋66が開閉自在に形成されており、電池室67に電池68が装填可能になっている。この電池68が電池室67に装填された後は、電池蓋66が閉じられる。
【0053】
図10のフローチャートを参照して、この第2の実施の形態の動作を説明する。
ステップS41及びS42にて、電池蓋66の開閉状態が検出される。すなわち、電池蓋66が開けられて電池68が電池室67に装填され、確実に電池蓋66が閉じられた状態が検出される。
【0054】
電池蓋66の開閉によって、図9(b)、(c)に示されるように、接片69a及び69bによるスイッチがオン、オフするので、図9には示されないが、カメラのCPUによってこれが検知される。上記ステップS42にて、電池室67から電池68が抜かれた状態であると、ステップS43にて、図1のリセット回路4が作動されるべく、マイクロコンピュータのリセットが判定される。
【0055】
ここで、リセット回路4が作動されると、ステップS44でリセットされた日付が記憶され、ステップS45でカウンタがリセットされる。そして、ステップS46及びS47にて、開放電圧BCO 及び負荷時電圧BCL がモニタされる。その後、ステップS48にて温度が測定される。
【0056】
そして、ステップS49に於いて、上記開放電圧BCO 、負荷時電圧BCL 及び温度Tによって、電池の種別が判別される。この後、ステップS50で警告が必要と判定されると、ステップS51に移行して図9(d)に示されるような警告表示が行われる。
【0057】
このように、第2の実施の形態に於いては、電池交換時に液晶64に警告表示が出力されるので、ユーザに電池交換を容易に促すことができる。
尚、上述した第2の実施の形態に於ける図10のフローチャートでは、開放電圧、負荷電圧の他、温度も考慮しているが、これは、以下の理由による。
【0058】
すなわち、図11に示されるように、電池の特性によって、常温と低温では開放電圧、負荷電圧の放電回数、つまり電池消費量の関係が異なるためである。このように、温度を考慮するので、電池の判定は、いっそう正確になる。
【0059】
ここで、図12のフローチャートを参照して、この温度を考慮した電池判定の動作の一例を説明する。尚、以下の説明に於いて、Tは測温手段による測温結果、rは内部抵抗である。
【0060】
先ず、ステップS61に於いて、低温であるか常温であるかが判定される。この場合、10℃より低ければ低温状態と判定されるものとする。
上記ステップS61で常温であると判定された場合は、ステップS62にて開放電圧VO が3Vより大きいか否かが判定される。そして、開放電圧VO が3Vより小さい場合は、ステップS63に移行して内部抵抗rが0.3Ωより小さいか否かが判定される。一方、上記ステップS62で開放電圧VO が3Vより大きいと判定された場合は、ステップS64に移行して内部抵抗rが0.5Ωより小さいか否かが判定される。
【0061】
上記ステップS63で内部抵抗rが0.3Ωより大きい場合は、ステップS71に移行して電池Bと判別される。また、上記ステップS63で内部抵抗rが0.3Ωより小さい、或いは上記ステップS64で内部抵抗rが0.5Ωより大きい場合は、ステップS65に移行して交換が必要な電池であると判別される。更に、上記ステップS64にて内部抵抗rが0.5Ωより小さいと判定された場合は、ステップS67に移行して、電池Aであると判別される。
【0062】
一方、上記ステップS61で低温であると判定された場合は、ステップS68にて開放電圧VO が2.8Vより大きいか否かが判定される。そして、開放電圧VO が2.8Vより大きい場合は、ステップS69に移行して内部抵抗rが1Ωより小さいか否かが判定される。一方、上記ステップS68で開放電圧VO が2.8V以下の場合は、ステップS70に移行して内部抵抗rが0.5Ωより小さいか否かが判定される。
【0063】
上記ステップS60で内部抵抗rが1Ωより小さい場合は、ステップS67に移行して電池Aと判別される。また、上記ステップS69で内部抵抗rが1Ωより大きい、或いは上記ステップS70で内部抵抗rが0.5Ωより大きい場合は、ステップS65に移行して交換が必要な電池であると判別される。更に、上記ステップS70にて内部抵抗rが0.5Ωより小さいと判定された場合は、ステップS71に移行して、電池Bであると判別される。
【0064】
尚、ここでは、ステップS65で交換が必要な電池の場合、他の電池使用を促しているが、これに限らずに、例えば図9(e)に示されるように、撮影可能駒数を表示しても良い。
【0065】
次に、この発明の第3の実施の形態を説明する。
図13は、この発明の第3の実施の形態による電池判別の動作を説明するフローチャートである。
【0066】
この第3の実施の形態では、カメラ付属のデート機能、つまりカレンダー機能によって撮影日時を記録する。ここでは、先の電池の交換を判定した日付も記録しておくようにする。記録手段としては、EEPROM等がある。また、ストロボ発光を行った回数を記録するようにしても良く、これらの情報をもとに、より正確に電池判定を行うものである。
【0067】
ステップS81にて現在の日付Dが判別されると、続くステップS82で前回の電池交換日D0 が設定される。そして、ステップS83に於いて、現在の日付が前回の電池交換日から所定日数、例えば1年経過したか否かが判定される。
【0068】
ここで、まだ1年経過していない場合は、ステップS84に移行してストロボを使用した撮影回数NF が設定される。続いて、ステップS85にて、上記ストロボ使用撮影回数が所定の回数、例えば50回を超えているか否かが判定される。
【0069】
上記ステップS85でストロボ使用撮影回数が所定の回数を超えていると判定された場合、或いは上記ステップS83で前回の電池交換から1年以上経過していると判定された場合は、ステップS86に移行する。このステップS86では、上述した図12のフローチャートに従って電池判別が行われる。その後、ステップS88に移行して電池Aであるか否かが判定される。
【0070】
一方、上記ステップS85でストロボ使用撮影回数が所定の回数以下と判定された場合は、ステップS87に移行して、上述した図12のフローチャートに従って電池判別が行われる。その後、ステップS89に移行して交換必要電池であるか否かが判定される。
【0071】
そして、上記ステップS88で電池Aではないと判定された場合、及び上記ステップS89で交換必要電池であると判定された場合は、ステップS90に移行して警告がなされる。
【0072】
図11等で明らかなように、電池の特性はその消耗の度合いによって大きく左右されるが、消耗度を先の電池使用時間や、ストロボの回数によって、より正確に判断しようとしている。つまり、所定日数(365日)以上経った電池や、ストロボを所定回数(50回)以上使った電池は、よほど高性能の電池(例えばA)でもない限り交換を要求する。
【0073】
ここでは、電池判定として、先の温度や開放電圧等を応用しても良いが、もっと単純に、図3に示されるように、ユーザ21が予めスイッチ9と液晶23によって種別を選択してカメラに入力するようにしても良い。これをカメラはEEPROM等に記憶しておき、先の電池検出のフローチャートにて、この記憶結果を読出せば良い。
【0074】
次に、図14のフローチャートを参照して、この発明の第4の実施の形態を説明する。
上述した実施の形態では、撮影や充電動作に先立って、カメラは電池電圧の判定を行い、一連の撮影シーケンス、または充電動作が正常に終わりまで行えるかを検出するようにしている。この第4の実施の形態では、上述した開放電圧や負荷時電圧の測定の電池検出を複数回行い、その結果によって、より正確に電池の状態を判定しようとするものである。
【0075】
図15に示されるように、ストロボ充電動作のように、過度の負荷がかかると電池はその特性を回復しない。そして、該特性が回復しないうちに電池の電圧等を判断すると、まだ電池があるにもかかわらず、撮影不能、または充電不能とカメラは誤判断し、電池交換警告を出してしまう。この時、ユーザが電池を交換してしまうと、少し特性の回復を待てば使えたはずの電池が廃棄されてしまうこととなり、ユーザに負担を強いるという個人的な問題から、更には、資源の無駄、ゴミ問題等の社会問題にまで発展し、これらが正しく回収されずに土の中に埋まってしまったりすると、さまざまな環境問題を引き起こす。
【0076】
したがって、電池内部に貯えられたエネルギーを最大限引き出すことが、電池利用機器を開発、設計するメーカーに課せられた大きな課題といえる。そのため、この第4の実施の形態では、電池の種別や環境温度によって異なる、電池電圧の回復時間を考慮して電池電圧の判定を行うものである。
【0077】
ステップS101にてスイッチの入力によって撮影状態に入ると、ステップS102で撮影モードに入り、ステップS103で充電が開始される。次いで、ステップS104及びS105にて1回目の開放電圧BCO1及び負荷時電圧BCL1がモニタされ、ステップS106で内部抵抗r1 が算出される。そして、ステップS107でタイマがカウントされる。
【0078】
続いて、ステップS108〜S110にて、2回目の開放電圧BCO2及び負荷時電圧BCL2がモニタされ、内部抵抗r2 が算出される。そして、ステップS111で内部抵抗rの変化量Δrが求められて、ステップS112にて電池の種別が判別される。
【0079】
次いで、ステップS113に於いて、低温であるか否かが判定される。ここで、低温ではない判定された場合は、ステップS114に移行して、上記内部抵抗rの変化量Δrが第1の所定量Δr1 と比較される。同様に、ステップS113で低温であると判定された場合は、ステップS115に移行して、上記内部抵抗rの変化量Δrが第2の所定量Δr2 と比較される。
【0080】
そして、上記ステップS114で上記変化量Δrが第1の所定量Δr1 より小さい、或いはステップS115にて上記変化量Δrが第2の所定量Δr2 より小さい場合は、ステップS116に移行して警告が行われる。一方、上記ステップS114で上記変化量Δrが第1の所定量Δr1 より大きい、或いはステップS115にて上記変化量Δrが第2の所定量Δr2 より大きい場合は、ステップS117に移行する。
【0081】
このように、図14にてF1で示されるステップS102〜S112では、すでに説明した内部抵抗rを複数回、この場合は2回調べ、電池のへたり状態が検出される。その結果、図14にてF2で示されるステップS113〜S116にて、2回の測定で内部抵抗の変化Δrに第1の所定量Δr1 の回復が認められないならば、電池はかなり消耗していると判定されて、警告が行われる。
【0082】
但し、この判定も電池の種別や温度によって切換える必要があるので、ここでは温度によって判定レベルをΔr1 またはΔr2 に切換える例が示されている。
ステップS117で撮影状態が判定されて、ステップS118で終了と判定されるまで、ステップS117及びS118が繰返される。撮影状態であれば、ステップS119にて、再び低温であるか否かが判定される。
【0083】
ここで、低温ではない判定された場合は、ステップS120に移行して、上記変化量Δrが第3の所定量Δr3 と比較される。同様に、ステップS119で低温であると判定された場合は、ステップS121に移行して、上記変化量Δrが第4の所定量Δr4 と比較される。
【0084】
そして、上記ステップS120で上記変化量Δrが第3の所定量Δr3 より大きい場合、或いは上記ステップS121で上記変化量Δrが第4の所定量Δr4 より小さい場合は、それぞれステップS122及びS123に移行してタイマカウントされる。一方、上記ステップS120で上記変化量Δrが第3の所定量Δr3 より小さい場合、或いはステップS121にて上記変化量Δrが第4の所定量Δr4 より大きい場合は、更に上記ステップS122及びS123でタイマカウントされたならば、ステップS124に移行する。
【0085】
次いで、ステップS124では3回目の負荷時電圧BCL3がモニタされる。そして、ステップS125に於いて該負荷時電圧BCL3が所定の負荷時電圧BCL0と比較される。ここで、BCL3>BCL0であれば上記ステップS102へ戻って、以降の処理が繰返される。一方、BCL3>BCL0でなければ、警告処理へ移行する。
【0086】
このように、図14にF3で示されるステップS117〜S123では、次の撮影に先立つ判定を行っているが、第1の所定量よりきつい第2の所定量の回復が認められれば、すぐに次の撮影を許可する。一方、回復が認められなければ、所定時間の回復を待って、図14にF4で示されるステップS124及びS125にて、バッテリチェックを行ってから撮影を許可する。この待ち時間設定時も、温度や電池の種別によって、判定値を切換えるようにしている。
【0087】
図16(a)及び図17(a)は、この発明を実施せず、回復を無視した撮影、または充電を行った電池電圧及び内部抵抗の変化例を示している。また、図16(b)及び図17(b)は、この第4の実施の形態によって、回復を待ちながら撮影、または充電をした電池電圧及び内部抵抗の変化例を示している。
【0088】
図16(a)及び図17(a)に示されるように、この発明が実施されない場合は、どんどん性能が劣化して電池のエネルギーを使い尽くす以前に、図中、BCで表される撮影直前のタイミングでバッテリチェックが行われ、カメラが正常動作しないようになってしまう。この場合、ユーザは電池交換するほかなく、電池の無駄遣いとなる。
【0089】
このように、第4の実施の形態では、複数回の電池判定によって電池の回復を考慮し、また、この回復時間を温度や電池の種類で切換えるようにしたので、電池毎に最適の回復を図ることができ、1回の撮影毎に電池を十分回復させ、電池を長持ちさせることができる。
【0090】
尚、ここでは、次の撮影に対する処理について述べたが、撮影の他、ストロボの充電タイミングを切換える仕様にも応用可能である。
また、以前のカメラは、ストロボ撮影に先立って充電をしていたが、連続して撮影が行われることを想定し最近のカメラはストロボ撮影直後に次の発光に備えて充電を開始する。連続充電は温度上昇を招き、特性が安定する前に次の負荷がかかるため、電池に多大なダメージを与えやすい。そこで、撮影前に時間を待つだけでなく、充電時にも電池の回復を待つ応用も有意義である。
【0091】
図18は、こうした応用例としての第5の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
ステップS131で撮影が終了すると、ステップS132にて電池の判定が行われる。次いで、ステップS133に於いて、電池がAタイプのものであるか否かが判定される。
【0092】
このステップS133で、電池Aでなければ、続くステップS134にて低温であるか否かが判定される。そして、常温であればステップS135にて内部抵抗rが0.5Ωより大きいか否かが判定される。ここで、内部抵抗rが0.5Ωより大きい場合は、ステップS137に移行して、次回の撮影前に充電が行われる。一方、内部抵抗rが0.5Ωより小さい場合は、ステップS141に移行してすぐに充電が実行される。
【0093】
上記ステップS134にて低温であると判定された場合は、ステップS136にて内部抵抗rが1.0Ωより大きいか否かが判定される。ここで、内部抵抗rが1.0Ωより小さい場合は、ステップS137に移行して、次回の撮影前に充電が行われる。一方、内部抵抗rが1.0Ωより大きい場合は、ステップS141に移行してすぐに充電が実行される。
【0094】
更に、上記ステップS133で電池Aであると判定された場合は、続くステップS138にて低温であるか否かが判定される。そして、常温であればステップS139にて内部抵抗rが0.3Ωより大きいか否かが判定される。ここで、内部抵抗rが0.3Ωより小さい場合は、ステップS137に移行して、次回の撮影前に充電が行われる。一方、内部抵抗rが0.3Ωより大きい場合は、ステップS141に移行してすぐに充電が実行される。
【0095】
上記ステップS138にて低温であると判定された場合は、ステップS140にて内部抵抗rが0.5Ωより大きいか否かが判定される。ここで、内部抵抗rが0.5Ωより小さい場合は、ステップS137に移行して、次回の撮影前に充電が行われる。一方、内部抵抗rが0.5Ωより大きい場合は、ステップS141に移行してすぐに充電が実行される。
【0096】
尚、内部抵抗の変化だけではなく、開放電圧や負荷時電圧の変化をモニタしても良いものである。
次に、この発明の第6の実施の形態を説明する。
【0097】
図19は、この発明の第6の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
この第6の実施の形態は、撮影後の2回の電池判定結果より、回復までの時間を計算するものである。回復の判定基準としては、撮影前のレベルとする。
【0098】
先ず、ステップS151にて温度から所定時間tx0が決定され、続くステップS152及びS153にて第1の開放電圧BCO1及び内部抵抗r1 がモニタされる。そして、ステップS154にて撮影及び充電が行われる。
【0099】
次いで、ステップS155及びS156にて、第2の開放電圧BCO2及び内部抵抗r2 がモニタされる。その後、ステップS157でタイマカウントされる。
更に、ステップS158及びS159にて、第3の開放電圧BCO3及び内部抵抗r3 がモニタされる。そして、ステップS160及びS161にて、撮影前のレベルに戻るまでの時間tx1、tx2が算出される。
【0100】
ステップS162にて撮影状態に入ると、ステップS163に於いて、上記時間tx1、tx2の値が比較される。ここで、tx1の方が長い場合は、ステップS164に移行してtx1がカウントされる。次いで、ステップS165にて上記時間tx0と時間tx1の値が比較される。そして、所定時間tx0よりも時間tx1の方が短い場合は上記ステップS154に戻る。一方、所定時間tx0よりも時間tx1の方が長い場合は、ステップS168に移行して警告がなされる。
【0101】
上記ステップS163に於いて、時間tx2の方が長い場合は、ステップS166に移行してtx2がカウントされる。次いで、ステップS167にて上記時間tx0と時間tx2の値が比較される。そして、所定時間tx0よりも時間tx2の方が短い場合は上記ステップS154に戻る。一方、所定時間tx0よりも時間tx2の方が長い場合は、ステップS168に移行して警告がなされる。
【0102】
図20(a)及び(b)に示されるように、所定時間tを隔てて測定した電池電圧VO や、内部抵抗rをグラフ上にプロットすると、その変化率から撮影前のレベルに戻るまでの時間tx1、tx2が計算できる。この回復時間を待って、次の撮影に入る。
【0103】
この第6の実施の形態では、回復時間は、開放電圧と内部抵抗で各々求め、その長い方で制御するが、所定時間tx0より長いと警告を発するようにする。もちろん、内部抵抗rか電池電圧VO の何れかで判定するようにしても良い。この所定時間tx0は、低温ならば長くするといったように、温度によって切換えるようにすれば、更に電池の特性を考慮した回復が図れるので、より電池寿命を長くすることができる。
【0104】
以上説明したように、第6の実施の形態では、撮影の度に最適の回復時間を計算して求めるようにしたので、その時の電池状態にもっともふさわしい回復が期待でき、電池の寿命を長くすることができる。
【0105】
尚、この発明の上記実施態様によれば、以下の如き構成を得ることができる。
(1) 電池により作動するカメラに於いて、
上記電池から所定の電流を流し出す負荷回路と、
上記電池の電圧に依存する信号を検出する電圧検出手段と、
上記負荷回路の作動電流を切換えながら上記電圧検出手段を複数回作動させる検出サイクルを実行し、上記負荷電流と検出電圧との関係に基いて、電池の特性を判別する判別手段と
を具備したことを特徴とするカメラの電源制御装置。
【0106】
(2) 上記カメラの使用環境温度を測定する測温手段を更に具備し、
上記判別手段は、上記測温手段の出力を加味して上記電池の特性を判別することを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
【0107】
(3) 上記電池が装填された日時を記憶する記憶手段を更に具備し、
上記判別手段は、上記記憶手段の記憶内容を参照して上記電池の特性を判別することを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
【0108】
(4) 上記判別手段は、異なるタイミングで上記検出サイクルを繰返し、時系列的に得られる検出電圧の変化に基いて上記電池の特性を判別することを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
【0109】
(5) ストロボ充電回路を更に具備し、
上記判別手段の出力に応答してストロボ充電回路の作動を切換えることを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
【0110】
(6) 上記判別手段の出力に応答して次回の検出の作動タイミングを切換えることを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
(7) 上記判別手段の出力に基いて次回の電圧検出時の判定レベルを切換えると共に、電池電圧がカメラの正常作動に対する適・不適を判定する判定手段を更に具備することを特徴とする上記(1)に記載のカメラの電源制御装置。
【0111】
(8) 電池により作動するカメラに於いて、
ストロボ充電回路と、
電池の種別若しくは温度を検出する検出手段とを具備し、
上記検出手段の出力に基いてストロボ充電回路の作動を切換えることを特徴とするカメラの電源制御装置。
【0112】
(9) 上記作動の切換は、前回の電池使用からの充電開始タイミングを切換えることを特徴とする上記(8)に記載のカメラの電源制御装置。
(10) 上記作動の切換は、ストロボ充電回路の昇圧トランスを切換えることを特徴とする上記(8)に記載のカメラの電源制御装置。
【0113】
(11) 上記作動の切換は、ストロボ充電時間を規制するリミッタの判定レベルを切換えることを特徴とする上記(8)に記載のカメラの電源制御装置。
(12) 上記電池の出力電圧を判定するバッテリチェック回路を更に具備し、
充電後の電池電圧チェックの作動タイミングを切換えることを特徴とする上記(8)に記載のカメラの電源制御装置。
【0114】
(13) ストロボ装置を含みバッテリ駆動されるカメラに於いて、
昇圧トランスの巻数比、昇圧動作インターバルの少なくとも一方が選択可能な動作モードを有するストロボ充電手段と、
複数の負荷条件にてバッテリ電圧を測定すると共に、それぞれの測定結果に基いて上記バッテリの状態を評価するバッテリ評価手段と、
少なくとも上記バッテリ評価手段の出力に応じて、上記ストロボ充電手段の昇圧トランスの巻数比、昇圧動作インターバルの少なくとも一方を切換える制御手段と
を具備したことを特徴とするカメラの電源制御装置。
【0115】
(14) カメラの環境温度を測定する測温手段を備え、上記制御手段は、上記バッテリ評価手段の出力と上記測温手段の出力とに基いて、上記ストロボ充電手段の昇圧トランスの巻数比、昇圧動作インターバルの少なくとも一方を切換えることを特徴とする上記(13)に記載のカメラの電源制御装置。
【0116】
(15) バッテリ交換日の記憶が可能であり、且つ、カレンダー機能を有するデート出力手段を備え、
上記制御手段は、上記バッテリ評価手段の出力と上記デート出力手段の出力とに基いて、上記ストロボ充電手段の昇圧トランスの巻数比、昇圧動作インターバルの少なくとも一方を切換えることを特徴とする上記(13)に記載のカメラの電源制御装置。
【0117】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、どのような特性の電池でも使用可能で、電池の寿命を長くして環境問題を考慮した、ユーザにも経済的な負担をかけることの少ないカメラの電源制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るカメラの制御系の構成を示したブロック図である。
【図2】この発明のカメラの電源制御装置の概念を説明するフローチャートである。
【図3】(a)はユーザによって電池の種別を入力する例を示した図、(b)は同図(a)のカメラの液晶表示の例を示した図である。
【図4】(a)は電池Aの放電繰返しに於ける電圧特性を示した図、(b)は電池Bの放電繰返しに於ける電圧特性を示した図である。
【図5】一定時間電池から所定の電流を流した時の電流電圧と、その放電を止めた時の電池電圧VBAT の関係を示した図である。
【図6】図1のストロボ充電部2及び発光部5を、より詳細に示した回路構成を示した図である。
【図7】(a)は電池電圧が高い状態での充電の経時変化を示した図、(b)は電池電圧が低い状態での充電の経時変化を示した図である。
【図8】第1の実施の形態によるカメラのレリーズ動作について説明するフローチャートである。
【図9】この発明の第2の実施の形態を示すもので、(a)はカメラの外観斜視図、(b)は電池蓋と切片の関係を示した図、(c)は電池蓋が開いた状態を示した図、(d)は電池交換の警告表示の例を示した図、(e)は撮影可能駒数を表示した例を示した図である。
【図10】この発明の第2の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図11】電池の放電繰返しに於ける電圧特性を示したもので、常温時と低温時との差を表した図である。
【図12】第2の実施の形態に於いて、温度を考慮した電池判定の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図13】この発明の第3の実施の形態による電池判別の動作を説明するフローチャートである。
【図14】この発明の第4の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図15】ストロボ充電時の電池電圧のタイムチャートである。
【図16】(a)はこの発明を実施せず、回復を無視した撮影、または充電を行った電池電圧の変化例を示したタイムチャート、(b)は第4の実施の形態によって、回復を待ちながら撮影、または充電をした電池電圧の変化例を示したタイムチャートである。
【図17】(a)はこの発明を実施せず、回復を無視した撮影、または充電を行った内部抵抗の変化例を示したタイムチャート、(b)は第4の実施の形態によって、回復を待ちながら撮影、または充電をした内部抵抗の変化例を示したタイムチャートである。
【図18】この発明の第5の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図19】この発明の第6の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図20】(a)は所定時間を隔てて測定した電圧の経時変化を示した図、(b)は所定時間を隔てて測定した内部抵抗の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路(CPU)、
2 ストロボ充電部、
3 発光部、
4 リセット回路、
5 フィルタ、
6 EEPROM、
7 メカトロニクス部、
8 デート部、
9、13 スイッチ、
10、43 電池、
11、12、14 抵抗、
15 トランジスタ、
16 タイマ、
17 フィルムカウンタ、
18 A/D変換器、
21 ユーザ、
22 カメラボディ、
23 液晶、
31 制御部、
32 測温機能部、
33 計時機能部、
34 D/A変換器、
35 バッファ、
36 コンパレータ、
39 アンプ、
42 内部抵抗、
55 トリガ回路、
56 モニタ回路。
Claims (1)
- 電池により作動するカメラに於いて、
ストロボ充電回路と、
上記電池から所定の電流を流し出す負荷回路と、
上記電池の電圧に依存する信号を検出する電圧検出手段と、
を有し、
上記ストロボ充電回路による充電動作後の第1のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出すると共に、当該第1のタイミングからタイマでカウントされた第2のタイミングで開放時の電池電圧と負荷時の電池電圧とをそれぞれ測定して電池の内部抵抗を算出して上記第1のタイミングでの測定結果から求めた内部抵抗に対する内部抵抗の変化量を求め、常温である場合に上記変化量が第1の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行い、常温より低い低温である場合に上記変化量が上記第1の所定変化量とは異なる第2の所定変化量より小さい場合に電池が消耗していると判定して警告を行う
ことを特徴とするカメラの電源制御装置。
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