JP4036854B2 - 有機電界発光装置およびその製造方法 - Google Patents

有機電界発光装置およびその製造方法

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Description

本発明は、有機電界発光装置およびその製造方法に関する。
近年、情報機器の多様化に伴い、一般に使用されているCRT(陰極線管)に比べて消費電力が少ない平面表示素子に対するニーズが高まってきている。このような平面表示素子の一つとして、高効率・薄型・軽量・低視野角依存性等の特徴を有する有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する。)素子が注目され、この有機EL素子を用いたディスプレイの開発が活発に行われている。
有機EL素子は、電子注入電極とホール注入電極とからそれぞれ電子とホールとを発光部内へ注入し、注入された電子およびホールを発光中心で再結合させて有機分子を励起状態にし、この有機分子が励起状態から基底状態へと戻るときに蛍光を発生する自発光型の素子である。
この有機EL素子は、発光材料である蛍光物質を選択することにより発光色を変化させることができ、マルチカラー、フルカラー等の表示装置への応用に対する期待が高まってきている。有機EL素子は低電圧で面発光できるため、液晶表示装置等のバックライトとして利用することも可能である。このような有機EL素子は、現在のところ、デジタルカメラや携帯電話等の小型ディスプレイへの応用が進んでいる段階である。
有機EL素子は水分に極めて弱く、具体的には、金属電極と有機層との界面が水分の影響で変質したり、電極が剥離したり、金属電極が酸化して高抵抗化したり、有機材料自体が水分により変質したりというような現象が起こる。これにより、駆動電圧の上昇、ダークスポット(非発光欠陥)の発生及び成長または発光輝度の減少等が発生し、十分な信頼性を保てない問題がある。
したがって、有機EL素子においては、水分の浸入を防止しない限り十分な信頼性が保てない。そこで、水分の浸入を防止するために図4に示す構造が用いられている。図4は、従来の有機EL装置の模式的断面図である。
図4において、基板1上に複数の有機EL素子50が設けられている。各有機EL素子50は、ホール注入電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層および電子注入電極を順に含む。図4においては、ホール注入電極2のみが示される。
従来の有機EL装置では、基板1の外周部に封止剤11が塗布され、乾燥剤31を内部に備えたガラス製または金属製の封止缶20Jが複数の有機EL素子50を覆うように基板1上に被せられており、封止剤11を紫外線または熱により硬化させることで金属製またはガラス製の封止缶20Jが基板1上に接着されている。これにより、有機EL素子50が外気から遮断される。
図4の有機EL装置900では、有機EL素子50を封止するために封止缶20Jを用いている。ここで、封止缶20J内部には乾燥剤31が設けられている。このような構造では、ホール注入電極2に封止剤11が接触しているため、封止剤11に水分が浸入することにより、時間の経過とともにホール注入電極2が腐食する。
そこで、有機EL素子の有機物EL層を覆うように耐湿性を有する光硬化樹脂層を形成し、その上部に非透水性の小さい基板を固着した有機EL素子の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この有機EL素子の構造によれば、耐湿性の光硬化樹脂層および非透水性の基板により有機EL素子を外気から遮断しているため、有機EL素子そのものの薄型化が実現されている。
また、基板上に下部電極、発光層および上部電極を順次積層した発光素子を形成し、さらに、上部電極に接する状態で基板上に屈折率3.5未満でかつ大気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなる封止膜を成膜した表示装置の構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この表示装置の構造によれば、上部電極の表面における発光光の反射を小さく抑えられるので、発光素子で生じた発光光の上部電極側からの取り出し効率の向上を図ることが可能となる。
特開平5−182759号公報 特開2002−231443号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2の有機EL素子および表示装置の構造では、耐湿放置時間の経過に伴って有機EL素子および表示装置の発光輝度が減少したり、ダークスポットが発生したり、またはそのダークスポットが拡大進行する現象が生じる。その結果、有機EL素子の劣化が進行し、最終的に使用不可能となる問題点がある。
本発明の目的は、有機電界発光素子の経時劣化を極力押さえ、初期性能を長期維持することができる長寿命の有機電界発光装置およびその製造方法を提供するものである。
本発明の一局面に従う有機電界発光装置は、基板と、基板上に設けられた1または複数の有機電界発光素子と、1または複数の有機電界発光素子上に設けられた接着剤からなる接着剤層とを備え、1または複数の有機電界発光素子の各々は、基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に含み、第2の電極は、金属酸化膜と、金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であるものである。
その有機電界発光装置においては、1または複数の有機電界発光素子の第2の電極が金属酸化膜と小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有する。金属酸化膜は良好な光透過性を有し、金属膜は良好な導電性を有する。それにより、第2の電極は良好な光透過性および導電性を有する。したがって、発光層により発生された光が第2の電極を通して有機電界発光素子の外部に取り出される。
また、抽出される液のpHが4以上である接着剤からなる接着剤層により基板上の1または複数の有機電界発光素子が封止される。それにより、接着剤から溶出するイオン種が外部から進入した水分に溶解しても酸水溶液が生成されない。したがって、薄い金属膜の欠陥を通して外部から水分が進入した場合でも、酸水溶液による電極および有機材料の劣化が生じない。その結果、有機電界発光装置の経時劣化が抑制されるので、初期性能が長期維持され、長寿命化が実現される。
第2の電極の金属膜は1nm以上20nm以下の厚さを有してもよい。この場合、金属膜が十分な導電性を有するとともに、光を透過することができる。
接着剤層は、450nmから800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有することが好ましい。
この場合、可視光領域における発光の大部分を接着剤層を通して外部に取り出すことができるので、有機電界発光装置の発光効率の低下を抑制することができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下10%以内であることが好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光を高い効率で外部に取り出すことができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下5%以内であることがより好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ完全に無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光をより高い効率で外部に取り出すことができる。
有機電界発光装置は、接着剤層上に設けられた光透過性の封止板をさらに備えてもよい。
この場合、1または複数の有機電界発光素子により発生された光が光透過性の封止板を通して外部に取り出される。それにより、トップエミッション構造の有機電界発光装置が実現される。また、基板上の1または複数の有機電界発光素子に接着剤層を介して封止板が設けられるので、1または複数の有機電界発光素子の経時劣化が十分に抑制されるとともに、封止缶により有機電界発光素子が封止される場合に比べて有機電界発光装置の薄型化が実現される。
封止板はガラスからなってもよい。この場合、基板上の1または複数の有機電界発光素子により発生された光が封止板を通して十分に外部に取り出される。
封止板に設けられた色変換部材をさらに備えてもよい。この場合、基板上の1または複数の有機電界発光素子により発生された光が色変換部材および封止板を通して外部に取り出される。それにより、所望の色で発光するトップエミッション構造の有機電界発光装置が実現される。
1または複数の有機電界発光素子の各々は、第2の電極上に設けられたパッシベーション層をさらに備えてもよい。
この場合、薄い金属膜の欠陥を通して外部から水分が進入することが防止される。それにより、有機電界発光装置の経時劣化が十分に抑制される。
基板は、パッシブ型基板、または複数の薄膜トランジスタを有するアクティブ・マトリクス型基板であってもよい。この場合、パッシブ型またはアクティブ・マトリクス型有機電界発光装置の経時劣化が抑制される。
接着剤層にフィラーが添加されてもよい。この場合、接着剤層の耐湿性が向上する。それにより、有機電界発光素子への水分の進入が十分に抑制される。
本発明の他の局面に従う有機電界発光装置は、基板と、基板上に設けられた1または複数の有機電界発光素子と、1または複数の有機電界発光素子上に設けられた接着剤からなる接着剤層と、接着剤層上に設けられた光透過性の封止板とを備え、1または複数の有機電界発光素子の各々は、基板上に第1の電極、発光層および光透過性の第2の電極をこの順に含み、接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であるものである。
その有機電界発光装置においては、第2の電極および封止板が光透過性を有する。したがって、1または複数の有機電界発光素子の発光層により発生された光が第2の電極および封止板を通して外部に取り出される。それにより、トップエミッション構造の有機電界発光装置が実現される。この場合、封止缶により有機電界発光素子が封止される場合に比べて有機電界発光装置の薄型化が実現される。
また、抽出される液のpHが4以上である接着剤からなる接着剤層および封止板により基板上の1または複数の有機電界発光素子が封止される。それにより、接着剤から溶出するイオン種が外部から進入した水分に溶解しても酸水溶液が生成されない。したがって、外部から各有機電界発光素子内に水分が進入した場合でも、酸水溶液による電極および有機材料の劣化が生じない。その結果、有機電界発光装置の経時劣化が抑制されるので、初期性能が長期維持され、長寿命化が実現される。
接着剤層は、450nmから800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有することが好ましい。
この場合、可視光領域における発光の大部分を接着剤層を通して外部に取り出すことができるので、有機電界発光装置の発光効率の低下を抑制することができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下10%以内であることが好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光を高い効率で外部に取り出すことができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下5%以内であることがより好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ完全に無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光をより高い効率で外部に取り出すことができる。
封止板はガラスからなってもよい。この場合、基板上の1または複数の有機電界発光素子により発生された光が封止板を通して十分に外部に取り出される。
有機電界発光装置は、封止板に設けられた色変換部材をさらに備えてもよい。この場合、基板上の1または複数の有機電界発光素子により発生された光が色変換部材および封止板を通して外部に取り出される。それにより、所望の色で発光するトップエミッション構造の有機電界発光装置が実現される。
本発明のさらに他の局面に従う有機電界発光装置の製造方法は、基板上に1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層を形成する工程と、接着剤層を硬化させる工程とを備え、1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に形成する工程を含み、第2の電極は、金属酸化膜と、金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であるものである。
その有機電界発光装置の製造方法においては、基板上に1または複数の有機電界発光素子が形成される。この場合、基板上に第1の電極、発光層および第2の電極がこの順に形成される。1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層が形成され、接着剤層が硬化される。
1または複数の有機電界発光素子の第2の電極は金属酸化膜と小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有する。金属酸化膜は良好な光透過性を有し、金属膜は良好な導電性を有する。それにより、第2の電極は良好な光透過性および導電性を有する。したがって、発光層により発生された光が第2の電極を通して有機電界発光素子の外部に取り出される。
また、抽出される液のpHが4以上である接着剤からなる接着剤層により基板上の1または複数の有機電界発光素子が封止される。それにより、接着剤から溶出するイオン種が外部から進入した水分に溶解しても酸水溶液が生成されない。したがって、薄い金属膜の欠陥を通して外部から水分が進入した場合でも、酸水溶液による電極および有機材料の劣化が生じない。その結果、有機電界発光装置の経時劣化が抑制されるので、初期性能が長期維持され、長寿命化が実現される。
第2の電極の金属膜は1nm以上20nm以下の厚さを有してもよい。この場合、金属膜が十分な導電性を有するとともに、光を透過することができる。
本発明のさらに他の局面に従う有機電界発光装置の製造方法は、基板上に1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層を介して光透過性の封止板を設ける工程と、接着剤層を硬化させる工程とを備え、1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に形成する工程を含み、接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であるものである。
その有機電界発光装置の製造方法においては、基板上に1または複数の有機電界発光素子が形成される。この場合、基板上に第1の電極、発光層および第2の電極がこの順に形成される。1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層を介して光透過性の封止板が設けられ、接着剤層が硬化される。
その有機電界発光装置においては、第2の電極および封止板が光透過性を有する。したがって、1または複数の有機電界発光素子の発光層により発生された光が第2の電極および封止板を通して外部に取り出される。それにより、トップエミッション構造の有機電界発光装置が実現される。この場合、封止缶により有機電界発光素子が封止される場合に比べて有機電界発光装置の薄型化が実現される。
また、抽出される液のpHが4以上である接着剤からなる接着剤層および封止板により基板上の1または複数の有機電界発光素子が封止される。それにより、接着剤から溶出するイオン種が外部から進入した水分に溶解しても酸水溶液が生成されない。したがって、外部から各有機電界発光素子内に水分が進入した場合でも、酸水溶液による電極および有機材料の劣化が生じない。その結果、有機電界発光装置の経時劣化が抑制されるので、初期性能が長期維持され、長寿命化が実現される。
接着剤層は、450nmから800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有することが好ましい。
この場合、可視光領域における発光の大部分を接着剤層を通して外部に取り出すことができるので、有機電界発光装置の発光効率の低下を抑制することができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下10%以内であることが好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光を高い効率で外部に取り出すことができる。
450nmから800nmの波長領域での接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下5%以内であることがより好ましい。
この場合、接着剤層が着色されず、ほぼ完全に無色透明となる。それにより、有機電界発光素子により発生された光をより高い効率で外部に取り出すことができる。
本発明によれば、薄い金属膜の欠陥を通して外部から水分が進入した場合でも、酸水溶液による電極および有機材料の劣化が生じない。その結果、有機電界発光装置の経時劣化が抑制されるので、初期性能が長期維持され、長寿命化が実現される。
以下の実施の形態では、本発明に係る有機電界発光装置の一例として有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する。)装置およびその製造方法について説明する。
図1(a)は一実施の形態に係る有機EL装置の模式的断面図であり、図1(b)は図1(a)の有機EL装置の一部の拡大図である。なお、第1の実施の形態に係る有機EL装置100は上面側から光を取り出すトップエミッション構造を有する。
図1(a)の有機EL装置100においては、基板1上に複数の有機EL素子50がマトリクス状に配置されている。各有機EL素子50が画素を構成する。単純マトリクス型(パッシブ型)では、基板1としてガラス基板が用いられ、アクティブ・マトリクス型では、基板1として、ガラス基板上に複数のTFT(薄膜トランジスタ)および平坦化層を備えたTFT基板が用いられる。
ここで、互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向とする。X方向およびY方向は、基板1の表面に平行な方向であり、Z方向は基板1の表面に垂直な方向である。複数の有機EL素子50はX方向およびY方向に沿って配列される。
図1(b)に示すように、有機EL素子50は、ホール注入電極2、ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、2層構造の電子注入電極8および保護膜(パッシベーション膜)9の積層構造を有する。
ホール注入電極2はX方向に沿って連続的または画素ごとに配列され、電子注入電極8はY方向に沿って配列されている。電子注入電極8は、金属薄膜81および金属酸化膜82の積層構造を有する。隣接する有機EL素子50間はレジスト材料からなる素子分離用絶縁層により分離されている。
ホール注入電極2は、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の金属化合物、Ag(銀)等の金属または合金からなる透明電極、半透明電極または不透明電極である。金属薄膜81は、膜厚1nm以上20nm以下の銀(Ag)、金(Au)等の金属または合金からなり、導電性を有する。金属薄膜81は、金属酸化膜82よりも小さな膜厚を有する。金属酸化膜82は、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ITO等の金属酸化物からなり、光透過性を有する。それにより、電子注入電極8は、導電性および光透過性を有する。
ホール注入層3、ホール輸送層4、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7は有機材料からなる。電子注入層7は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、またはこれらのフッ化物等からなる。なお、発光層5および電子輸送層6の代わりに電子輸送性発光層を用いてもよい。
保護膜9はSiN(窒化ケイ素)、SiO(酸化ケイ素)、SiON、Al23(酸化アルミニウム)等の無機材料からなる。あるいは、保護膜9は、無機材料と有機材料との積層構造を有してもよい。
図1(a)において、基板1上の複数の有機EL素子50の上部および外周部には複数の有機EL素子50の全周を取り囲むように封止剤10が設けられている。封止剤10の上面側にはカラーフィルタ21を介して封止板20が接着されている。
カラーフィルタ21は封止板20に一体形成されている。封止板20およびカラーフィルタ21はガラスまたはプラスチック等の透明な材料からなる。なお、カラーフィルタ21として、例えば、特開2002−299055号公報に記載されているCCM(色彩転換媒体)を用いてもよい。また、カラーフィルタ21として、ガラスまたはプラスチック等の透明な材料およびCCMの両方を用いてもよい。
このように、本実施の形態では、複数の有機EL素子50を取り囲むように封止剤10が設けられている。
有機EL素子50のホール注入電極2と電子注入電極8との間に駆動電圧が印加されると発光層5が発光する。発光層5において発生された光は、電子注入電極8、封止剤10、カラーフィルタ21および封止板20を介して外部に取り出される。
ここで、有機EL装置100に用いられる封止剤10について説明する。本実施の形態において、封止剤10には、光硬化後または熱硬化後にSEMI(Semiconductor Equipment and Material International)規格G29−1296に準拠して抽出した溶液のpHが4以上10以下である樹脂接着剤が用いられる。なお、SEMI規格G29−1296に準拠して抽出する溶液のpH測定方法については後述する。ここで、抽出した溶液のpHが4以上10以下とした理由は、抽出した溶液のpHが4以上10以下であれば有機EL素子50に用いられる有機材料を溶解しないと考えられるためである。
また、封止剤10は、紫外線硬化型、可視光硬化型、熱硬化型、紫外線および熱による複合硬化型、または紫外線を用いる後硬化型の樹脂もしくは接着剤等からなる。
具体的には、封止剤10には、ユレア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系またはアクリル樹脂系等の熱硬化性樹脂系の樹脂、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂系、アクリル樹脂系、シアノアクリレート樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、熱可塑性ポリウレタン樹脂系、飽和ポリエステル樹脂系またはセルロース系等の熱可塑性樹脂系の樹脂、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレートまたはウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系光硬化型接着剤、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系光硬化型接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系、天然ゴム系、ブチルゴム系またはシリコーン系等のゴム系、ビニル−フェノリック、クロロプレン−フェノリック、ニトリル−フェノリック、ナイロン−フェノリックまたはエポキシ−フェノリック等の複合系の合成高分子接着剤等が用いられる。
封止剤10として用いる樹脂接着剤は、450nm〜800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有し、かつ450nm〜800nmの波長領域で光透過率の変動幅が平均の光透過率の±10%以内であることが好ましく、450nm〜800nmの波長領域で光透過率の変動幅が平均の光透過率の±5%以内であることがより好ましい。
それにより、封止剤10が450nm〜800nmの波長領域の光に対して十分な透明性を有するとともに、封止剤10が色を呈しない。その結果、発光層5において発生された光を封止剤10を通して上方から十分に取り出すことができる。
また、封止剤10は、上記材料にフィラーを添加したものを用いてもよい。例えば、封止剤10に添加されるフィラーは、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)もしくはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料、またはAg、Ni(ニッケル)もしくはAl(アルミニウム)等の金属材料でもよい。
封止剤10にフィラーを添加した場合でも、封止剤10が450nm〜800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有し、かつ450nm〜800nmの波長領域で光透過率の変動幅が平均の光透過率の±10%以内であることが好ましく、450nm〜800nmの波長領域で光透過率の変動幅が平均の光透過率の±5%以内であることがより好ましい。
フィラーが添加された封止剤10は、フィラーが添加されていない封止剤10と比較して粘度および耐湿性が向上する。また、上記のフィラーを、接着層の厚さを均一にするためのスペーサとして用いてもよい。
本実施の形態に係る有機EL装置100の製造の際には、まず、複数の有機EL素子50を基板1上に形成する。次に、基板1の複数の有機EL素子50側とカラーフィルタ21が一体形成された封止板20の下面(カラーフィルタ21側)とを上記の封止剤10を用いて貼り合わせる。最後に、基板1と封止板20との間の封止剤10を所定の硬化方法で硬化させることにより有機EL装置100が完成する。
本実施の形態に係る有機電界発光装置においては、封止剤10として、pH4以上10以下の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が用いられているので、封止剤10から溶出するイオン種が外部から進入した水分に溶けても酸水溶液が発生しない。その結果、酸水溶液により生じるホール注入電極2、電子注入電極8および有機材料の劣化を抑制することができる。
また、基板1上に形成された複数の有機EL素子50の上面に封止剤10を介して封止板20が貼り合わされるので、図6の封止缶20Jを被せる場合に比べて、薄型化が実現される。
さらに、電子注入電極8が導電性の金属薄膜81および光透過性の金属酸化膜82からなるので、電子注入電極8の導電性を確保しつつ発光層5において発生された光を電子注入電極8を通して効率良く上方に取り出すことができる。
なお、本実施の形態では、電子注入電極8が金属薄膜81および金属酸化膜82の二層構造を有するが、電子注入電極8が導電性および光透過性を有する単層膜からなってもよい。あるいは、電子注入電極8が三層以上の積層構造を有してよい。
また、金属薄膜81および金属酸化膜82の積層順序は、本実施の形態の積層順序に限定されず、金属酸化膜82上に金属薄膜81が積層されてもよい。
さらに、複数の有機EL素子50の周囲を取り囲むように封止剤10の外周部を他の接着剤で封止してもよい。
本実施の形態においては、ガラス基板1が基板に相当し、有機エレクトロルミネッセンス素子50が有機電界発光素子に相当し、ホール注入電極2が第1の電極に相当し、発光層5が発光層に相当し、電子注入電極8が第2の電極に相当し、金属薄膜81が金属膜に相当し、金属酸化膜82が金属酸化膜に相当し、保護膜9がパッシベーション層に相当する。また、有機エレクトロルミネッセンス装置100が有機電界発光装置に相当し、封止剤10が接着剤層に相当し、封止板20が封止板に相当し、カラーフィルタ21およびCCMが色変換部材に相当する。
ガラス基板1上にホール注入電極2から電子注入電極8までの層が本実施の形態と逆の順序で積層され、ホール注入電極2が導電性および光透過性を有してもよい。その場合には、電子注入電極8が第1の電極に相当し、ホール注入電極2が第2の電極に相当する。
なお、本発明に係る有機電界発光装置およびその製造方法において有機EL素子の構造、封止剤および封止板の構造は、本実施の形態に限定されない。
実施例1〜3および比較例1〜3では、封止剤として異なる樹脂接着剤を用いて基板上に単体の有機EL素子を形成し、上記実施の形態の方法にしたがって有機EL素子を封止した。
(実施例1〜3および比較例1〜3)
図2は、実施例1〜3および比較例1〜3に係る有機EL素子の封止構造を示す模式的断面図である。
実施例1〜3および比較例1〜3に係る有機EL素子では、上記実施の形態の方法により封止を行った。
図2に示すように、基板1上には単体の有機EL素子50が形成されている。基板1上の有機EL素子50は封止剤10で覆われ、封止剤10の上面には封止板20が接着されている。
まず、有機EL素子50を基板1上に形成した。基板1としては、ガラス基板を用いた。
有機EL素子50は、ホール注入電極2、ホール注入層3、ホール輸送層4、電子輸送性発光層5a、電子注入層7および電子注入電極8の積層構造を有する。
ホール注入電極2としてAgを用いた。ホール注入層としては、CuPc(銅フタロシアニン)を用いた。ホール輸送層4としては、N,N'-ジ(1-ナフチル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(N,N'-Di(1-naphthyl)-N,N'-diphenyl-benzidine)(略称NPB)を用いた。
電子輸送性発光層5aとしては、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum)(略称Alq3)を用いた。電子注入層7としては、フッ化リチウム(LiF)を用いた。
金属薄膜81としては、厚さ20nmのAgを用いた。金属酸化膜82としては、厚さ100nmのIZOを用いた。封止板20にはガラスを用いた。
次に、大気中において封止板20と有機EL素子50を備える基板1とが対向するように位置合わせを行い、封止板20と基板1とを所定の圧力で貼り合わせた。最後に、基板1と封止板20との間の封止剤10に紫外線を照射することにより硬化させ、有機EL素子50の封止を終了した。
実施例1〜3および比較例1,2では、pHが異なる紫外線硬化型エポキシ系樹脂接着剤を用い、比較例3では、紫外線硬化型アクリル系樹脂接着剤を用いた。
実施例1,2および比較例1,2で用いた樹脂接着剤は450nm〜800nmの波長領域で平均91%の光透過率を有しかつ450nm〜800nmの波長領域での光透過率の変動幅が平均の光透過率の+0.6%から−1.6%の範囲である。一方、実施例3で用いた樹脂接着剤は450nm〜800nmの波長領域で平均74%の光透過率を有しかつ450nm〜800nmの波長領域での光透過率の変動幅が平均の光透過率の+4.5%から−16%の範囲である。
実施例1,2および比較例1,2で用いた樹脂接着剤は目視で透明であり、着色されていなかった。実施例3の樹脂接着剤は目視で透明であったが、黄色味を帯びていた。
ここで、実施例1〜3および比較例1〜3で用いた樹脂接着剤のpH測定方法について説明する。
まず、コーニング社製1737ガラス基板上に、封止剤として用いる樹脂接着剤を塗布して、所定の硬化条件で樹脂接着剤を硬化させた。硬化後、ガラス基板上から樹脂接着剤を採取した。採取した樹脂接着剤をSPEX製6700Freezer/Millを用いて凍結粉砕を行った。
この凍結粉砕条件は、まず粉砕を2分行い、インターバル(放置時間)を2分とし、さらに粉砕を1分行い、インターバルを2分とした。ただし、粉砕が十分でないと判断した場合には、粉砕時間を変更して行った。
粉砕した樹脂接着剤から、ふるいを用いて42メッシュから100メッシュのものを採取し、120℃で48時間の純粋加圧抽出を行い、抽出後のpHを測定した。pH測定は、HORIBA製カスタニ−ACT pHメータ(D−13)を用いた。校正は、3点校正(和光純薬工業株式会社製 標準緩衝液pH:4.0、6.86および9.18)を行った。
表1に実施例1〜3および比較例1〜3の樹脂接着剤のpHの測定結果を示す。
Figure 0004036854
上記実施例1〜3および比較例1〜3において封止された有機EL素子50について以下の方法により高温耐湿試験を行った。高温耐湿試験では、封止された有機EL素子50を、温度85℃および湿度85%の環境下において放置させ、ホール注入電極2のエッジからの非発光領域の広がりを経時的に測定した。
図3は、実施例1〜3および比較例1〜3において封止された有機EL素子50の高温耐湿試験の結果を示すグラフである。
図3に示すように、比較例1により封止された有機EL素子50では、曲線Cp3で示されるように、時間の経過とともに非発光部が初期発光部に占める割合が増大し、500時間放置後の発光時において非発光部が初期発光部に占める割合は約22%となった。
比較例2により封止された有機EL素子50では、曲線Cp2で示されるように、時間の経過とともに非発光部が初期発光部に占める割合が増大し、500時間放置後の発光時において非発光部が初期発光部に占める割合は約28%となった。
比較例3により封止された有機EL素子50では、曲線Cp3で示されるように、時間の経過とともに非発光部が初期発光部に占める割合が増大し、500時間放置後の発光時において非発光部が初期発光部に占める割合は約50%となった。
一方、実施例1により封止された有機EL素子50では、曲線Ep1で示されるように、時間が経過しても非発光部が初期発光部に占める割合がほとんど増大せず、500時間放置後の発光時においても、非発光部が初期発光部に占める割合は約5%以内となった。それにより、非発光領域の発生および拡大が抑制されていることが分かった。
また、実施例2により封止された有機EL素子50では、曲線Ep2で示されるように、時間が経過しても非発光部が初期発光部に占める割合がほとんど増大せず、500時間放置後の発光時においても、非発光部が初期発光部に占める割合は約5%以内となった。それにより、非発光領域の発生および拡大が抑制されることがわかった。
さらに、実施例3により封止された有機EL素子50では、曲線Ep3で示されるように、時間が経過しても非発光部が初期発光部に占める割合がほとんど増大せず、500時間放置後の発光時においても、非発光部が初期発光部に占める割合は約5%以内となった。それにより、非発光領域の発生および拡大が抑制されることがわかった。
このように、実施例3の有機EL素子50は、実施例1の有機EL素子50と同様の耐湿性を有していたが、樹脂接着剤の透過率が70%以下でありかつ黄色味を帯びているため、発光効率の低下を招いた。一方、実施例1,2の有機EL素子50では、樹脂接着剤の透過率が90%以上であるため、発光効率の低下を招かなかった。
図3の結果からpHが4以上10以下の樹脂接着剤を封止剤として用いることにより、非発光部の著しい増加を抑制することができることが確認された。
一方、pHが4よりも低い以下の樹脂接着剤を封止剤として用いた場合には、非発光部の著しい増加およびダークスポットの発生が確認された。この原因は、電子注入電極8が膜厚20nmの金属薄膜81を含むので、金属薄膜81の欠陥から進入した酸性の溶液により金属薄膜81が腐食したためであると考えられる。
なお、上記実施例では、大気中において封止板20と基板1とを貼り合せることとしたが、これに限定されず減圧雰囲気または真空中において封止板20と基板1とを貼り合せてもよい。さらに、上記実施例においては、所定の圧力で封止板20と基板1とを貼り合せる方法を用いているが、これに限定されず、封止板20と基板1とを貼り合せた場合の目標厚みを規定し、封止板20と基板1とを目標厚みになるように貼り合わせる方法を用いてもよい。
本発明に係る有機電界発光装置およびその製造方法は、種々の表示装置、光源等に利用することができる。
第1の実施の形態に係る有機EL装置の模式的断面図および有機EL装置の一部の拡大図である。 実施例1〜3および比較例1〜3に係る有機EL素子の封止構造を示す模式的断面図である。 実施例1〜3および比較例1〜3において封止された有機EL素子の高温多湿試験の結果を示すグラフである。 従来の有機EL装置の模式的断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 ホール注入電極
3 乾燥剤
4 ホール輸送層
5 発光層
5a 電子輸送性発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 電子注入電極
9 保護膜
10 封止剤
20 封止板
21 カラーフィルタ
50 有機エレクトロルミネッセンス素子
81 金属薄膜
82 金属酸化膜
100 有機エレクトロルミネッセンス装置

Claims (18)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた1または複数の有機電界発光素子と、
    前記1または複数の有機電界発光素子上に設けられた接着剤からなる接着剤層とを備え、
    前記1または複数の有機電界発光素子の各々は、
    前記基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に含み、
    前記第2の電極は、前記接着剤層に接するIZOからなる金属酸化膜と、前記金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、
    前記接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であることを特徴とする有機電界発光装置。
  2. 前記第2の電極の前記金属膜は1nm以上20nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置。
  3. 前記接着剤層は、450nmから800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有することを特徴とする請求項1または2記載の有機電界発光装置。
  4. 450nmから800nmの波長領域での前記接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下10%以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光装置。
  5. 450nmから800nmの波長領域での前記接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下5%以内であることを特徴とする請求項4記載の有機電界発光装置。
  6. 前記接着剤層上に設けられた光透過性の封止板をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光装置。
  7. 前記封止板はガラスからなることを特徴とする請求項6記載の有機電界発光装置。
  8. 前記封止板に設けられた色変換部材をさらに備えることを特徴とする請求項6または7記載の有機電界発光装置。
  9. 前記1または複数の有機電界発光素子の各々は、前記第2の電極上に設けられたパッシベーション層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  10. 前記基板は、パッシブ型基板、または複数の薄膜トランジスタを有するアクティブ・マトリクス型基板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有機電界発光装置。
  11. 前記接着剤層にフィラーが添加されたことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光装置。
  12. 基板と、
    前記基板上に設けられた1または複数の有機電界発光素子と、
    前記1または複数の有機電界発光素子上に設けられた接着剤からなる接着剤層と、
    前記接着剤層上に設けられた光透過性の封止板とを備え、
    前記1または複数の有機電界発光素子の各々は、
    前記基板上に第1の電極、発光層および光透過性の第2の電極をこの順に含み、
    前記第2の電極は、前記接着剤層に接するIZOからなる金属酸化膜と、前記金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、
    前記接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であることを特徴とする有機電界発光装置。
  13. 前記接着剤層は、450nmから800nmの波長領域で平均70%以上の光透過率を有することを特徴とする請求項12記載の有機電界発光装置。
  14. 450nmから800nmの波長領域での前記接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下10%以内であることを特徴とする請求項13記載の有機電界発光装置。
  15. 450nmから800nmの波長領域での前記接着剤層の光透過率の変動幅が平均の光透過率の上下5%以内であることを特徴とする請求項14記載の有機電界発光装置。
  16. 基板上に1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、
    前記1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層を形成する工程と、
    前記接着剤層を硬化させる工程とを備え、
    前記1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、
    前記基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に形成する工程を含み、
    前記第2の電極は、前記接着剤層に接するIZOからなる金属酸化膜と、前記金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、
    前記接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
  17. 前記第2の電極の前記金属膜は1以上20nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項16記載の有機電界発光装置の製造方法。
  18. 基板上に1または複数の有機電界発光素子を形成する工程と、
    前記1または複数の有機電界発光素子上に接着剤からなる接着剤層を介して光透過性の封止板を設ける工程と、
    前記接着剤層を硬化させる工程とを備え、
    前記1または複数の有機電界発光素子を形成する工程は、
    前記基板上に第1の電極、発光層および第2の電極をこの順に形成する工程を含み、
    前記第2の電極は、前記接着剤層に接するIZOからなる金属酸化膜と、前記金属酸化膜よりも小さい厚みを有する金属膜との積層構造を有し、
    前記接着剤層の接着剤から抽出される液のpHが4以上であることを特徴とする有機電界発光装置の製造方法。
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