JP4030674B2 - 地理情報システム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地理情報供給装置と情報端末装置とを備えた地理情報システムに関し、特に、情報端末装置側で地理的事象を描画させることにより地理空間を表示させる地理情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地理情報とは、地理的事象、即ち、山、河川、道路、都市、建物等の地理的な各種実体の属性と位置とを対応付けてなるものである。地理情報は、例えば、都市開発計画の策定や出店計画立案等のように、行政的又は商業的に頻繁に利用され、その利用価値は極めて高い。このため、ディジタル化された地図をコンピュータ上で参照・操作・分析等するための地理情報システム(Geographical Information System;GIS)は、コンピュータ技術及びネットワーク技術の進展と共に発達してきた。
【0003】
特に近年では、いわゆるインターネットやイントラネット等のように、多数の異種コンピュータを共通のプロトコルで相互接続してなるネットワークを介して地理情報の配信及び利用が行われている。ここで、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いてHTML(HyperText Markup Language)ファイル等を提供するWWW(World-Wide Web)サーバと、ウェブブラウザとの間で地理情報の流通を行う場合を考える。この場合は、VRML(Virtual Reality Modeling Language)等で地理情報を記述したり、あるいは、地理情報をGIF(Graphics Interchange Format)等のイメージデータとして表現する必要がある。しかし、VRMLやGIF等を用いて地理情報を伝送すると、地理情報の大きさ等にもよるが、一般にデータ量が多くなり、通信負荷が増大する。
【0004】
そこで、例えば、特開平9−258944号公報等に記載されているように、クライアント側の補助記憶装置にベースとなる地理情報(以下、「マップ」とも呼ぶ)を予め記憶させておき、サーバ側から送信するプログラムによって補助記憶装置に格納された地理情報を読み出させ、クライアント側に表示させる技術が提案されている。
【0005】
一方、近年では、それぞれ単独で運用されてきた地理情報システムをより広い範囲のユーザーで利用可能とし、地理情報の相互流通・利用を促進するシステムの提供が望まれている。このため、地理情報システムの標準化団体(OpenGISコンソーシアム)では、地理情報のデータ形式を標準形式に統一し、標準形式から外れた地理情報システム(いわゆるレガシーシステム)上の地理情報は標準形式に変換させた上で流通させるシステムが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ベースとなる地理情報を予めクライアント側に用意させる上記公報記載のシステムでは、地理情報の読出し範囲や表示方法等の制御情報だけをサーバからクライアントに送信するだけでよい。しかし、ベースとなる地理情報をクライアント側の補助記憶装置に予め記憶させる必要があり、また、異なる種類の地理情報を利用する場合には当該地理情報を補助記憶装置に記憶させなければならず、システムの柔軟性に欠ける。また、このようなシステムは、単に地図の参照を容易にするだけで、地理情報に基づいた操作や分析等を行うことまで考慮されておらず、地理情報システム(GIS)としての機能を提供しない。
【0007】
また、GIFやVRML等は、地理空間情報を内蔵可能な構造ではないため、これらGIF等で表現された地理情報をGISに用いる場合は、地球をモデリングした座標系との対応関係を別に管理しなければならない。
【0008】
一方、地理情報を統一された標準形式で流通させるシステムの場合は、標準化により利用上の障壁が低くなるため、一見すると、ユーザーの使い勝手が向上するかのように思われる。しかし、各地理情報システム上の地理情報を画一的に標準形式に統一したのでは、地理情報の欠落が生じ、また、既存アプリケーションプログラムの利用の道が閉ざされるため、既存の地理情報システムの有用な特徴が失われる可能性がある。地理情報システムとは、実世界を抽象化した空間データベースであるから、誰にとっても有用な汎用性のあるシステムを構築するのは極めて難しい。換言すれば、全ての地理情報システムの有用な特徴を包含可能な標準形式の制定は現実的ではないため、標準形式は最大公約数的な仕様にならざるを得ない。従って、標準形式よりも高度な仕様を有するほど、地理情報が欠落し、有用なアプリケーションプログラムが切り捨てられるという事態を招くことになる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、分散された異なる種類の地理情報システムを相互利用できるようにした地理情報システムの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、地理情報供給装置から描画命令及びレイアウト情報を送信することにより、情報端末装置側で地理空間を再現するようにしている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明では、地理情報を供給する地理情報供給装置と、該地理情報供給装置から供給された地理情報を表示させる情報端末装置とを備えた地理情報システムにおいて、(1)前記地理情報供給装置は、前記地理情報を記憶する地理情報記憶手段と、前記地理情報記憶手段に記憶された地理情報に基づいて、該地理情報に含まれる地理的事象の描画命令を含み地理的構造を記述する地理構造ファイルと、前記描画命令の描画方法を指示するレイアウト情報であって地理的事象の種別毎に設定されるテーマ別スタイル情報と基本的形状要素について設定された形状別スタイル情報とを含むレイアウト情報を含むレイアウトファイルとが関連付けられた地理空間ファイルを生成する地理空間ファイル生成手段と、前記生成された地理空間ファイルを、前記情報端末装置に送信する送信手段とを含んで構成され、(2)前記情報端末装置は、前記地理情報供給装置からの前記地理空間ファイルを受信する受信手段と、受信された前記地理構造ファイルの描画命令を前記レイアウトファイルのレイアウト情報を参照して解釈し、前記地理的事象を描画する描画手段と、前記描画された地理的事象に基づいて地理空間を表示する表示手段とを有し、前記描画手段は、前記レイアウトファイルに含まれるテーマ別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画し、当該テーマ別スタイル情報を解釈不可能である場合に前記形状別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画することを特徴とする。
【0012】
「地理的事象」とは、例えば、河川、道路、建物等の各種の地理要素を意味する。地理情報供給装置は、描画命令及びレイアウト情報を含んでなる所定形式の地理空間ファイルを生成して情報端末装置に送信する。地理空間ファイルは、地理的構造を記述した地理構造ファイルと表現方法を記述したレイアウトファイルとを関連付けて構成される。即ち、地理構造ファイルとレイアウトファイルとは関連付けられていれば足り、同一の記憶領域に格納したり同時に送信する必要はない。また、両者の関連付けは一対一に限られない。複数の地理構造ファイルが共通のレイアウトファイルを参照する場合や一つの地理構造ファイルが複数のレイアウトファイルを参照する場合もある。
【0013】
、好ましくは、例えば、<point>や<line>等の地理的特性を示す識別情報とその値とから前記描画命令及びレイアウト情報を記述することができる。そして、地理空間ファイルの全体を文字コードによって記述するのがより望ましい。情報端末装置では、レイアウト情報を参照しつつ描画命令を解釈することにより地理的事象を描画し、地理空間を表示する。
【0014】
ここで、注意すべきは、地理空間ファイルは、地理構造ファイルとレイアウトファイルとからなり、地理的事象の描画命令とレイアウト情報とを分離可能な点である。即ち、地理空間に表示される内容(地理的構造)と表示方法(レイアウト)とを別々に扱うことができ、既に用意されたレイアウト情報を参照して地理空間を表現することも可能である。
【0015】
描画命令は、少なくとも基本形状情報と位置情報とテーマ情報とを含んで構成されており、レイアウト情報は、少なくとも前記基本形状情報及び前記テーマ情報毎にそれぞれ設定することもできる。
【0016】
「基本形状情報」とは、例えば、点、線、面(多辺形)等の基本的形状要素を意味する。「位置情報」とは、地理的事象が配置される場所の情報であり、例えば、直交座標、緯度/経度等を挙げることができる。「テーマ情報」とは、例えば、家屋、道路等のように地理的事象の種別情報である。
【0017】
各地理情報供給装置は、個別の又は特有の描画命令及びレイアウト情報を自由に使用して地理空間ファイルを記述することができる。地理空間ファイルに含まれる個別の描画命令及びレイアウト情報を描画手段が解釈できない場合、これら個別の描画命令及びレイアウト情報は無視される。個別の描画命令及びレイアウト情報を解釈する命令解釈手段を描画手段に追加することにより、個別的な又は特有の地理空間ファイルを解釈して地理空間を表示させることができる。この個別の描画命令等を解釈するための命令解釈手段は、地理情報供給装置から入手することもできる。
【0018】
また、地理情報供給装置では、例えば、距離計算プログラムや面積計算プログラム等のような地理情報を利用する各種アプリケーションプログラムを保持することができる。地理情報供給装置は、地理空間ファイルの送信に伴って又は情報端末装置からの要求に応じて、アプリケーションプログラムを情報端末装置に送信することができる。そして、情報端末装置側では、情報供給装置から送信されたアプリケーションプログラムを保持しておき、地理空間に対する所定の操作を検出したときに該操作に関連付けられたアプリケーションプログラムを起動させることができる。ここで、アプリケーションプログラムの送信に関しては種々の方法を採用することができる。例えば、アプリケーションプログラムを情報端末装置側で実行可能なコントロールプログラムとして構成し、情報端末装置側でアプリケーションプログラムを実行させることができる。また、例えば、情報端末装置に送信するアプリケーションプログラムは、地理情報供給装置内のアプリケーションプログラムを遠隔操作するためのコンポーネントプログラムとして構成し、地理供給装置側でアプリケーションプログラムを実行させ、その実行結果を情報端末装置側に送信するようにしてもよい。
【0019】
一方、異なる種類の地理情報供給装置がネットワーク上に広く分散している場合には、所望の地理情報の入手自体が困難となり、地理情報の相互流通・相互利用の障壁となる。そこで、地理情報の所在を管理する所在管理装置を設け、情報端末装置から所在管理装置に問い合わせることにより、所望の地理情報を入手できるようにするのが好ましい。
【0020】
ここで、注意すべきは、所在管理装置は、各地理情報供給装置から提供されるインデックス情報に基づいて地理情報の所在を管理する点である。即ち、所在管理装置は、所在情報を自ら収集するのではなく、また、地理情報の本体を保持するものでもない。所在管理装置は、各地理情報供給装置から積極的に又は消極的に提供されたインデックス情報に基づいて、各地理情報の所在情報だけを管理するようになっている。この目的のため、インデックス情報には、例えば、地理情報の名称、地理情報へのパス(例えばURL;Uniform Resource Locator)、検索用の複数のキーワード(例えば、地理情報のテーマ、目的、記載範囲、縮尺等)等が含められるであろう。
【0021】
また、本発明は、所定のプログラムを記録した記録媒体として把握することもできる。記録媒体に記録された所定のプログラムを、地理情報供給装置又は情報端末装置のコンピュータに読み取らせることにより、本発明を実現することもできる。ここで、「記録媒体」としては、例えば、フロッピーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD-ROM,CD-RAM等)、ディジタルビデオディスク(DVD-ROM,DVD-RAM等)、ハードディスク(HD)、メモリ、ICカード等の種々のものを利用することができる。また、有形的な媒体に限らず、例えば、有線又は無線のネットワークを介してプログラムをダウンロードさせる等のように、通信媒体を利用することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図12に基づき本発明の実施の形態について詳述する。
【0023】
1.第1の実施の形態
図1〜図11は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は、地理情報システムの要部を概略的に示すブロック図である。
【0024】
地理情報システムは、大別すると3つの装置から構成される。「地理情報供給装置」としてのGISサーバ1と、「所在管理装置」としての管理サーバ11と、「情報端末装置」としてのクライアント20である。なお、GISサーバ1、管理サーバ11及びクライアント20は、ネットワークCN上に多数存在可能であるが、説明の便宜上、各々一つずつ図示している。
【0025】
GISサーバ1は、固有の地理情報を格納したGISデータベース2と、該GISデータベースに格納された地理情報をXML((ExtensibleMarkup Language)形式で記述された地理空間ファイルに変換するXML生成部3と、インターネット等のネットワークCNを介して双方向通信を行うための通信部4とを備えている。また、XML生成部3及び通信部4は、WWWサーバ5内に設けられている。即ち、HTTPを介してXML形式の地理空間ファイルを流通させるためである。従って、通信部4は、少なくともHTTP,TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の所定のプロトコルと物理的な通信インターフェースとを備えている。
【0026】
管理サーバ11は、ネットワークCN上に広く分散する各GISサーバ1がそれぞれ保持する地理情報を管理するものである。管理サーバ11は、各GISサーバ1から提供されたインデックス情報を管理するインデックスデータベース12と、該データベース12に対して検索を行う検索部13と、通信部14とを備えて構成されている。インデックスデータベース12は、例えば、各地理情報のファイル名、各地理情報へのパス、各地理情報の地域的範囲、種類、キーワード等のインデックス情報を記憶している。検索部13は、クライアント20からのマップ所在検索要求が通信部14等を介して入力されると、該検索要求に含まれるキーワード等を検索キーとしてインデックスデータベース12を検索し、検索結果を所在情報としてクライアント20に通知する。ここで、検索結果が複数存在する場合には、全ての検索結果がクライアント20に通知される。なお、検索部13はHTTPを介して利用可能である。
【0027】
クライアント20は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯情報端末等として実現可能なものである。クライアント20は、後述のように、通信部21,ユーザーインターフェース(以下「UI」)部22,ブラウザ23,XMLパーサ24,描画エンジン25,イベントハンドラ27等を備えて構成されている。
【0028】
通信部21は、ネットワークCNを介して、GISサーバ1及び管理サーバ11とHTTPによる双方向通信を行うものである。UI部22は、クライアント20を利用するユーザーとの間で情報を交換するものであり、具体的には、ディスプレイ装置等の出力装置やキーボードスイッチやマウス等の入力装置等を介してユーザーとの情報交換を行う。UI部22には、WWWサーバが提供するサービスを受けることができるブラウザ23が含まれる。
【0029】
XMLパーサ24は、ブラウザ23から渡されたXML形式のデータを構文解析するものであり、XMLタグのうち地理空間の描画に関する情報を描画エンジン25に出力する。描画エンジン25は、XMLパーサ24と共に「描画手段」を構成する。描画エンジン25は、XMLパーサ24から描画に関する情報(例えば、タグ及びコンテナデータ等)を受け取ると、予め実装された複数のコマンドプロセッサ26の中から対応するコマンドプロセッサ26を呼び出して描画処理を行わせ、描画結果をブラウザ23に表示させるものである。ここで、各コマンドプロセッサ26は、「命令解釈手段」に該当する。各コマンドプロセッサ26は、例えば、プログラムモジュール、プログラムライブラリ等としてクライアント20に実装することができる。各コマンドプロセッサ26は、レイアウト情報を記述するスタイルシートの内容を参照しながら各地理的事象の描画を行う。
【0030】
「起動手段」としてのイベントハンドラ27は、ユーザーがUI部22を介して所定の操作を行ったか否かを監視し、所定の操作を検出した場合には、この操作に対応する所定のアプリケーションプログラムを起動させるものである。また、「保持手段」としてのアプリケーションプログラム記憶部29は、複数のアプリケーションプログラムのモジュール(以下、「APモジュール」と略記する)30をそれぞれ記憶している。「管理手段」としてのイベント管理テーブル28は、ブラウザ23上に表示される地理空間内の各種オブジェクト(例えば、建物や道路等の地理的事象、ブラウザ内に表示された地図操作用のツール等)に対する操作と、該各操作に対応するAPモジュール30のパスとをそれぞれ対応付けて管理するものである。
【0031】
ここで、各APモジュール30には、大別して、少なくとも2通りの実現方法があるが、本発明ではいずれの方法も採用可能である。一つは、APモジュール30をクライアント20上で実行されるいわゆるコントロールプログラムとして構成する方法である。他の一つは、APモジュール30をいわゆるコンポーネントプログラムとして構成し、GISサーバ1上のアプリケーションプログラムをリモート操作させる方法である。また、コントロールプログラムとして構成されたAPモジュールとコンポーネントプログラムとして構成されたAPモジュールとの両方を利用してもよい。なお、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の媒体を介してAPモジュール30をクライアント20に実装することもできるし、あるいは、GISサーバ1からネットワークCNを介してAPモジュール30を送信することによりクライアント20に実装することもできる。
【0032】
図2は、GISサーバ1から提供されるXML形式の地理空間ファイルのデータモデルを示す説明図である。以下、本明細書では、XMLに準拠し、地理空間再現のために追加されたGIS特有のタグを含むマークアップ言語を「MDML(Map Definition Language)」と呼び、MDMLで記述された地理構造ファイルをMDMLマップデータと称する。このMDMLマップデータは後述のマップスタイルと共に「地理空間ファイル」に相当する。
【0033】
MDMLマップデータは、例えば、道路、河川、建物等の複数の「地理的事象」を含んでいる。また、MDMLマップデータ単位で、地図の「境界」、「解像度」、「空間参照系」等の情報がそれぞれ設定される。MDMLマップデータに含まれる各地理的事象は、大別して4つの要素から構成される。地理的事象の「形状」、地理的事象に付される「注記」、地理的事象の「属性」及び「ラスタイメージ」の4種類の情報である。ラスタイメージは、例えば、航空写真や衛星画像等を利用する場合に用いられる。さらに、「形状」の情報は、「点」、「線」及び「面」(又は多辺形)のいずれかに分類される。地理的事象は、通常の場合、これら点、線、面のいずれかによって表現可能だからである。「注記」には、「注釈」、「ラベル」及び「シンボル」に分類される。なお、形状の各要素は、ベクトルデータである。「属性」には、地理的事象の位置情報が含まれる。
【0034】
また、各地理的事象には、例えば、道路、河川、世帯主名等のように、種別を示す「テーマ」情報が与えられている。テーマ情報は、メインテーマ/サブテーマ等のように、階層化することもできる。
【0035】
図2の右側には「レイアウト情報を含んでなるレイアウトファイル」としてのマップスタイルが図示されている。マップスタイルは、各MDMLマップデータ毎に設けることができる。又は、一つのマップスタイルを複数のMDMLマップデータで共用することもできる。共通のマップスタイルを参照する複数のMDMLマップデータは、地理的内容はそれぞれ相違しても地理空間としての見た目は共通する。マップスタイルは、テーマ別スタイルと形状別スタイルとを備える。
【0036】
テーマ別スタイルとは、地理的事象の種別毎に設定されるレイアウト情報を意味する。例えば、テーマ「道路」の場合は、この道路をいかに表示させるか、即ち、色や幅等の情報を含んでいる。形状別スタイルとは、基本的形状要素の点、線及び面のそれぞれについて設定されたレイアウト情報である。形状別スタイルは、テーマが未設定又は未定義の地理的事象を表示する際に参照される。例えば、基本的形状要素の「点」で図示される地理的事象に「州都」というテーマが設定されており、描画エンジン25がテーマ「州都」を解釈不能な場合は、この地理的事象は初期値として設定された形状別スタイルを参照して描画される。これにより、MDMLマップデータが解釈不能なテーマを有する地理的事象を含んでいる場合でも、この地理的事象を地理空間内に図示することができる。
【0037】
図3は、MDMLマップデータの具体的記述例を示す説明図である。なお、図3〜図6中の左側に示す連番は、説明の便宜上付されたものである。
【0038】
まず、図3中の1行目〜4行目では、MDMLのバージョン、参照するマップスタイル等の情報を宣言する。続く5行目〜8行目では、MDMLマップデータが表現する地図の範囲を宣言する。図中では、東西南北の各ブロック番号によって地図の範囲が特定されているが、これに限らず、例えば、緯度/経度等で範囲を規定することもできる。MDMLマップデータは、MDMLで記述されたことを示す開始タグ<MDML>により始まり、終了タグ</MDML>により終わる。
【0039】
9行目〜14行目では、点で示される地理的事象(Point Feature)が記述されている。全ての地理的事象は、開始タグ<Feature>と終了タグ</Feature>とでテキストを挟むことにより宣言される。10行目に示すように、この地理的事象の識別コードFidには”1”が与えられ、テーマには「電柱」が与えられている。11行目のタグ<Point>により、この「電柱」は、点として図示されることが明示されている。また、12行目のタグ<Coordinate>により電柱を表示すべき位置が特定されている。ここで、上記<Feature>,<Point>,<Coordinate>は終了タグを伴ういわゆるコンテナタグとして示されているが、ブラウザ23が好意的に解釈可能であるなら、終了タグは省略することもできる。
【0040】
同様に、15行目〜22行目では、線で示され、テーマ「道路」を有する地理的事象について記述されている。17行目に示すタグ<LineString>により、この地理的事象が線として図示されることがわかる。18行目〜20行目に示すように、この地理的事象には、3つの位置情報が与えられている。従って、この地理的事象は、3点を結ぶ折れ線として表現される。18行目に記述された位置は始点を、19行目に記述された位置は中継点を、20行目に記述された位置は終点をそれぞれ示す。
【0041】
23行目〜31行目では、面(又は多辺形)として示される地理的事象が記述されている。この地理的事象のテーマは「家屋」である。25行目のタグ<Polygon>により、この地理的事象は面として図示されることが明示されている。26行目〜29行目にそれぞれ記述された合計4カ所の点を通る線分により面が表現される。この面は四角形状である。
【0042】
図3に続く図4を参照する。図4では、地理的事象の構成要素の一つである「注記」について記述されている。32行目〜39行目は、地理的事象に付される文字ラベルに関する記述である。タグ<TextLabel>により文字ラベルである旨が明示されている(34行目)。この文字ラベルに関する地理的事象にはテーマ「世帯主名」が設定されており(33行目)、また、35行目には文字ラベルの表示位置が指定されている。さらに、36行目ではタグ<Size>により文字の大きさが、37行目では世帯主の氏名がそれぞれ指定されている。
【0043】
続く40行目〜45行目は、「注記」の他の要素である「シンボルマーク」について記述されている。シンボルマークである旨はタグ<SymbolMark>により明示されている(42行目)。このシンボルマークとして表現される地理的事象のテーマは「道路記号」であり(41行目)、43行目では、その表示位置が指定されている。また、44行目では、シンボルマークを表示するときの大きさが規定されている。
【0044】
図3及び図4を参照して説明した通り、MDMLマップデータは、地理空間の地理的構造を記述しており、地理的事象の表現方法、即ち、色やフォント等のレイアウトに関する情報を殆ど備えていない。本発明では、地理空間の構造はMDMLマップデータで定義し、そのレイアウトはマップスタイルによって定義することにより、地理的構造とレイアウトとを分離している。従って、図3及び図4中に示される多くのタグは「地理構造タグ」として概念化することができ、図5及び図6中に示される多くのタグは「レイアウトタグ」として概念化可能である。
【0045】
図5及び図6を参照してマップスタイルの具体的一例を説明する。マップスタイルは、開始タグ<MapStyle>で始まり、終了タグ</MapStyle>で終わる。まず、図5中の3行目〜19行目には、テーマ毎に設定されるテーマ別スタイルが記述されている。1行目及び2行目では、マップスタイルのバージョンやファイル名等を宣言する。3行目〜6行目では、テーマ「電柱」を有する「点の地理的事象」即ち、電柱オブジェクトのレイアウトが記述されている。スタイルを規定する情報である旨は<Style>により明示され(3行目)、表示色及び大きさの指定は5行目で記述されている。
【0046】
以下同様に、7行目〜13行目では、テーマ「道路」の地理的事象に関するレイアウトが記述され、14行目〜19行目では、テーマ「世帯主名」の地理的事象に関するレイアウトが記述されている。地理的事象の各テーマに応じて、背景色、文字色、フォント種類、幅や回転角等の種々のレイアウト情報を記述することができる。なお、説明の便宜のため、「家屋」や「道路記号」等の他の地理的事象に関するレイアウトは記載を省略している。
【0047】
20行目〜29行目には、基本的形状要素「点、線、面」毎にそれぞれ設定される形状別スタイル(Default Style)が記述されている。形状別スタイルでは、点の初期値レイアウト(21行目及び22行目)、線の初期値レイアウト(23行目〜25行目)及び面の初期値レイアウト(26行目〜29行目)についてそれぞれ規定する。
【0048】
図6中に示す30行目〜36行目には、シンボルマーク及び文字ラベルに関する初期値レイアウトが記述されている。このように、形状別スタイルに加えて、「注記」の各要素毎に初期値レイアウトを指示するのがより好ましい。注記中の要素に具体的なテーマが与えられていないか又は与えられていても未定義のために解釈できない場合には、初期値レイアウトを参照することにより仮の表示を行うことができる。
【0049】
従って、注記の各要素毎に設定される初期値レイアウトと上述した形状別レイアウトとを合わせて、例えば、「地理的事象に含まれる表示に関する要素毎に予め設定された初期レイアウト情報」として概念化することができる。
【0050】
次に、図7は、クライアント20のブラウザ23内に再現される地理空間の様子を概念的に示す説明図である。まず、図7(a),(b)は、マップスタイルがMDMLマップデータに与える影響を示している。MDMLマップデータは、地理的事象の表示形状(点、線、面のいずれか)や表示位置等の地理的構造を記述するため、MDMLマップデータのみに基づく場合は、地理空間は図7(a)のように表示されるであろう。ここで、もし、MDMLマップデータが描画エンジン25で解釈可能なマップスタイルを呼び出すならば、このマップスタイルの参照により、構造のみの地理空間は、図7(b)に示すような装飾された見易いものへと変化するであろう。
【0051】
図7(c)〜(f)は、地理的事象に付されたテーマの利用法を示す。例えば、テーマ「道路」を有する地理的事象のみを選択して描画させれば、図7(c)に示すように、道路だけの地理空間を表示させることができる。同様に、テーマ「電柱」の地理的事象のみを選択すれば、電柱だけの地理空間を表示させることができ(図7(d))、テーマ「家屋」の地理的事象のみを選択すれば、図7(e)に示すように、家屋のみを表示させることができる。もしも、例えば、「家屋/ビル」や「家屋/住居」等のように、テーマが階層化されているような場合には、図7(f)に示すように、住居だけを表示させることも可能である。
【0052】
次に、図8及び図9に基づいて地理情報システムの動作を説明する。図8は、GISサーバ1,管理サーバ11及びクライアント20における各処理の内容及び連携関係の主要な概略を示すフローチャートである。
【0053】
地理情報システムの利用を希望するユーザーは、ブラウザ23を介して、所望のMDMLマップを特定するための検索キーを入力する(C1)。例えば、京都市の上水道に関するマップを入手する場合は、キーワード「京都市」とキーワード「上水道」とをAND条件で入力すればよい。また、マップの作成者が判明しているか又は作成者を特定したい場合には、作成者の名称をキーワードとして入力すればよい。さらに、地域的範囲を絞り込む場合は、経度/緯度、メッシュコード等の位置情報を検索キーに用いることもできる。
【0054】
管理サーバ11は、クライアント20からの検索要求に応じてインデックスデータベース12を検索し(M1)、検索されたマップの所在地を示す所在地情報をクライアント20に回答する(M2)。
【0055】
管理サーバ11からの所在情報を受信したクライアント20は、所在情報に基づいてGISサーバ1にアクセスし、所望のマップを要求する(C2)。マップ転送要求を受信したGISサーバ1は、GISデータベース2を検索し、XML変換前の原マップを読み出す(G1)。この原マップは、XML生成部3によりMDMLマップに変換され(G2)、クライアント20に送信される(G3)。
【0056】
クライアント20は、GISサーバ1から受信したMDMLマップを解析・解釈して地理的事象を描画し(C3)、ブラウザ23内に地理空間を表示する(C4)。このとき、上述したように、MDMLマップ中に明示されたマップスタイルを参照しながら描画が行われる。イベントハンドラ27は、地理空間に対するユーザーの操作を監視している(C5)。例えば、「設備一覧」や「面積計算」等のボタンをユーザーがクリックすると、イベントハンドラ27は、このイベントを検出し、該イベントに対応付けられたAPモジュール30を起動させる(C6)。起動したAPモジュール30は、クライアント20上で実行されるか、又は、MDMLマップの送信元であるGISサーバ1上のアプリケーションプログラムをリモート操作することにより、所望の結果をユーザーに提供する。
【0057】
図9は、図8中のC3で示された描画処理を示すフローチャートである。まず、XMLパーサ24は、ブラウザ23から渡されたMDMLマップのタグ及びその値を解析する(C31)。次に、このタグを解釈可能なコマンドプロセッサ26が存在するか否かを判定する(C32)。タグに対応するコマンドプロセッサ26が存在する場合には、該コマンドプロセッサ26によりタグ及び値を解釈し、描画させる(C33)。MDMLマップ中の全てのタグを解釈するまでC31〜C33の処理が繰り返される(C34)。
【0058】
一方、例えば、MDMLマップ中に新規なタグが追加されており、対応するコマンドプロセッサ26が存在しない場合には(C32:NO)、この新規なタグを含むMDMLマップの送信元であるGISサーバ1に対してコマンドプロセッサ26の転送を要求するか否かを判定する(C35)。コマンドプロセッサ26の追加を行わない場合は、この新規なタグを無視し、C34に移る。コマンドプロセッサ26の追加を行う場合は、GISサーバ1にコマンドプロセッサ26の転送を要求する。
【0059】
C35による判定は、例えば、「解釈不能なタグ<衛星画像>があります。コマンドプロセッサを追加しますか?」のようなメッセージを表示させ、ユーザーによる指示を待ってもよい。
【0060】
次に、図10及び図11に基づいて、管理サーバ11によるマップ管理について説明する。まず、管理サーバ11は、マップのインデックス情報を要求するか否かを判定する(M11)。例えば、新規な管理サーバ11がネットワークCN上に追加された場合、前回のインデックス情報収集時から所定時間が経過した場合、GISサーバ1からマップ修正・新規登録の通知があった場合等には、インデックス情報の要求を決定することができる。管理サーバ11は、GISサーバ1に対してインデックス情報の送信を要求する(M12)。
【0061】
GISサーバ1では、インデックス情報の送信要求を受領すると(G11)、この要求がGISデータベース2に保持された全てのマップに関するものか、あるいは、新規に登録又は変更されたマップに関するものかを判断する(G12)。全てのマップについてのインデックス情報が要求されている場合は、全マップのインデックス情報を作成して送信する(G13,G15)。一方、新規・変更のマップについてのみインデックスが要求されている場合は、これら新規・変更のマップのインデックス情報を生成して送信する(G14,G15)。
【0062】
ここで、注意すべきは、MDMLマップのインデックス情報もMDMLにより記述される点である。MDMLは、多くの共通性を維持しつつも新規なタグの追加を許容する柔軟な地理空間記述言語である。従って、各レガシーGISは、自己が備える固有の性質を全て網羅するインデックス情報を容易に記述することができる。インデックス情報に新規なタグが含まれている場合でも、管理サーバ11は、そのままインデックスデータベースに登録すればよい。MDMLはテキストコードで記述されるため、管理サーバ11は、タグの意味が解釈できない場合でも、テキストの全文検索により所望のMDMLマップの所在を検出できるからである。
【0063】
図11は、MDMLで記述されるインデックス情報(MapIndex)の概略を示す説明図である。インデックス情報は、開始タグ<MapIndex>で始まり、終了タグ</MapIndex>で終わる。1行目〜11行目には、例えば、ファイル名(2行目)、作成者(6行目)、作成者の住所(7行目)、連絡先(10行目)等の書誌的情報が記述されている。
【0064】
12行目〜19行目には、MDMLマップがカバーする地域的範囲が明示されている。20行目〜24行目には、MDMLマップが含む全てのキーワードが記述されている。なお、図11では、説明の便宜のため、キーワードを一つだけ示すが、通常の場合、MDMLマップは多数のキーワードを含む。
【0065】
最後に、25行目〜30行目では、例えば、フォーマット種別(25行目)、MDMLマップの提供媒体(26行目)、マップ作成日(27行目)、マップのURL(28行目)、解像度(29行目)及び空間参照系の種類(30行目)等が記述される。
【0066】
このように構成される本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0067】
第1に、GISサーバ1では、地理的事象を描画させるための描画命令及び描画方法を指示するレイアウト情報を含む地理空間ファイル(地理構造ファイルとしてのMDMLマップデータ及びレイアウトファイルとしてのマップスタイル)を作成して送信し、クライアント20では、マップスタイルを参照しながらMDMLマップデータを解釈することにより地理空間を再現するため、ネットワークCNを流通するデータ量を低減することができ、通信時間を短縮できる。従って、特に、安定したコネクションの長時間維持が難しいような場合、例えば、移動体通信でGISを利用する場合に好適である。
【0068】
第2に、地理的構造を記述するMDMLマップデータとレイアウトを記述するマップレイアウトとに分離しているため、地理的構造に変化を生じた場合は、MDMLマップデータのみを修正すればよく、表示方法を変化させる場合は、マップレイアウトだけを修正すれば足りる。従って、マップの修正、管理を容易に行うことができる。また、既に用意されたマップスタイルを参照して地理空間を表現することもでき、使い勝手が向上する。
【0069】
第3に、MDMLマップデータ及びマップスタイルは、文字コードにより記述されるため、HTTP等のプロトコルを利用してネットワーク上を広く配信させることができる。HTTPは、いわゆるファイアーウォールを通過するため、FTPよりも広い範囲に配信することができる。また、例えば、単語を切り出す形態素解析やテキスト全文検索エンジンと組み合わせることにより、解釈不能なタグが含まれている場合でも、容易に、所望のマップを検索することができる。
【0070】
第4に、基本形状情報(点、線、面)とテーマ情報のそれぞれについてスタイルを設定できるため、地理的事象が解釈不能なテーマを有する場合でも、基本形状に設定された初期値レイアウトによって仮の表示を行うことができ、使い勝手が向上する。
【0071】
第5に、MDMLマップデータ及びマップレイアウトは、新規なタグの追加を許容し、クライアント20側にコマンドプロセッサ26を追加するだけで新規なタグを解釈できるため、既存のGISサーバ1が有する特徴を損なうことなく、マップを流通させることができる。また、同様に、GISの拡張にも柔軟に対応することができる。例えば、あるGISサーバが新規な<衛星画像>タグを用いて衛星画像データを提供するならば、クライアント20側に<衛星画像>タグを解釈可能なコマンドプロセッサ26を追加実装すればよい。また、基本的形状要素として「円弧」を追加するならば、<円弧>タグ及びその値を解釈して所定の円弧を描画させるコマンドプロセッサ26を追加実装すれば足りる。
【0072】
第6に、GISサーバ1のマップを利用するアプリケーションプログラムをコンポーネント化又はコントロール化してクライアント20に実装することにより、既存の豊富なアプリケーションプログラムを活用することができる。
【0073】
第7に、マップの所在を管理する管理サーバ11を設けたため、ネットワークCN上に分散した各種のGISサービスを容易に利用することができ、使い勝手が向上する。
【0074】
第8に、MDMLマップデータは、地球をモデリングした座標系との対応関係を示す情報(空間参照系)を内包しているため、それぞれ別個に作成されたマップデータがネットワーク上に広く分散している場合でも、各マップデータがMDMLで記述されている限り、各マップを正確に重ね合わせて利用することができる。
【0075】
2.第2の実施の形態
図12は、本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。本実施の形態では、前記実施の形態と構成要素と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施の形態の特徴は、MDMLマップデータを保存するMDMLマップデータベース41をGISサーバ1Aが備える点にある。
【0076】
即ち、MDMLマップデータベース41は、XML生成部により変換されたMDMLマップデータを保存する。また、MDMLマップデータベース41は、最初からMDMLマップデータとして作成されたマップも保存する。これにより、既にMDML化されたマップの転送要求を受信した場合には、データ変換時間を省いて速やかにデータを送信することができる。
【0077】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されない。当業者であれば、各実施の形態に構成要素を追加したり、削除したり、変更等したりして種々の変形を行うことができる。
【0078】
本発明は、下記のように表現することも可能である。
【0079】
表現1.地理情報を供給する地理情報供給装置1と、該地理情報供給装置1から供給された地理情報を表示させる情報端末装置20とを備えた地理情報システムにおいて、(1)前記地理情報供給装置1は、前記地理情報を記憶する地理情報記憶手段2と、前記地理情報記憶手段2に記憶された地理情報に基づいて、該地理情報の地理的構造を文字コードで記述した地理構造記述ファイル(MDMLマップデータ)と該地理構造ファイルの表現方法を文字コードで規定するレイアウトファイル(マップレイアウト)とを生成するデータ生成手段3と、前記データ生成手段3により生成された前記各ファイルを前記情報端末装置20に送信する送信手段4とを含んで構成され、(2)前記情報端末装置20は、前記地理情報供給装置1からの前記各ファイルを受信する受信手段21と、前記受信されたレイアウトファイルを参照しながら前記地理構造ファイルを解釈して描画する描画手段24,25と、前記描画手段24,25の描画結果に基づいて地理空間を表示する表示手段23とを含んで構成されることを特徴とする地理情報システム。
【0080】
表現2.地理空間を再現するためのデータが記録された記録媒体において、各地理的事象を階層化することにより地理的構造を文字コードで記述した地理構造ファイルを格納する記憶領域が形成され、該記憶領域は、前記地理的構造を表現するために参照されるレイアウトファイルを特定するレイアウトファイル宣言部(図3の3行目)と、前記地理空間の範囲を宣言する範囲宣言部(図3の5行目〜8行目)と、前記各地理的事象毎にその表示位置及び基本形状をそれぞれ宣言する地理的事象宣言部(図3の第9行目〜31行目)とを含んで構成されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0081】
表現2の発明によれば、最初に、参照されるべきレイアウトファイルが宣言されるため、地理的事象の表現に必要なレイアウトファイルを予め用意することができ、後に続く各地理的事象宣言部の解釈を速やかに行うことができる。また、地理空間の範囲を宣言する範囲宣言部を備えるため、各地理的事象の位置情報を統合解析する必要なく、地理構造ファイルがカバーする地理空間の大きさを容易に求めることができ、予め必要な表示領域を確保して滑らかな処理を行うことができる。なお、空間参照系及び解像度を宣言する空間参照系宣言部(図3の4行目)を表現2に記載の発明に追加すれば、それぞれ別々に作成されたMDMLマップであっても正確に重ね合わせて利用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る地理情報システムによれば、データ送信量を少なくすることができ、また、分散された複数の地理情報を相互利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る地理情報システムの全体を示すブロック図である。
【図2】地理的構造を記述したマップデータの構造とマップスタイルの構造を示す説明図である。
【図3】マップデータの一例を示す説明図である。
【図4】図3に続く説明図である。
【図5】マップスタイルの一例を示す説明図である。
【図6】図5に続く説明図である。
【図7】マップの各種表示状態を示す説明図である。
【図8】地理情報システムの全体的動作を示すフローチャートである。
【図9】描画処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】マップインデックスを収集管理する処理を示すフローチャートである。
【図11】マップインデックスの一例を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る地理情報システムの全体を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 GISサーバ
2 GISデータベース
3 XML生成部
4 通信部
11 管理サーバ
12 インデックスデータベース
13 検索部
14 通信部
20 クライアント
21 通信部
22 UI部
23 ブラウザ
24 XMLパーサ
25 描画エンジン
26 コマンドプロセッサ
27 イベントハンドラ
28 イベント管理テーブル
29 アプリケーションプログラム記憶部
30 APモジュール

Claims (10)

  1. 地理情報を供給する地理情報供給装置と、該地理情報供給装置から供給された地理情報を表示させる情報端末装置とを備えた地理情報システムにおいて、
    (1)前記地理情報供給装置は、
    前記地理情報を記憶する地理情報記憶手段と、
    前記地理情報記憶手段に記憶された地理情報に基づいて、該地理情報に含まれる地理的事象の描画命令を含み地理的構造を記述する地理構造ファイルと、前記描画命令の描画方法を指示するレイアウト情報であって地理的事象の種別毎に設定されるテーマ別スタイル情報と基本的形状要素について設定された形状別スタイル情報とを含むレイアウト情報を含むレイアウトファイルとが関連付けられた地理空間ファイルを生成する地理空間ファイル生成手段と、
    前記生成された地理空間ファイルを、前記情報端末装置に送信する送信手段とを含んで構成され、
    (2)前記情報端末装置は、
    前記地理情報供給装置からの前記地理空間ファイルを受信する受信手段と、
    受信された前記地理構造ファイルの描画命令を前記レイアウトファイルのレイアウト情報を参照して解釈し、前記地理的事象を描画する描画手段と、
    前記描画された地理的事象に基づいて地理空間を表示する表示手段と
    を有し、
    前記描画手段は、前記レイアウトファイルに含まれるテーマ別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画し、当該テーマ別スタイル情報を解釈不可能である場合に前記形状別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画する
    ことを特徴とする地理情報システム。
  2. 前記描画命令及びレイアウト情報は、文字コードにより記述される請求項1に記載の地理情報システム。
  3. 前記描画命令は、少なくとも基本形状情報と位置情報とテーマ情報とを含んで構成されており、前記レイアウト情報は、少なくとも前記基本形状情報及び前記テーマ情報毎にそれぞれ設定可能である請求項2に記載の地理情報システム。
  4. 前記地理空間ファイルは、前記地理情報の特性に応じた個別の描画命令及びレイアウト情報を含んで記述可能であり、該個別の描画命令及びレイアウト情報を解釈する命令解釈手段を前記描画手段に設けることにより、前記描画手段は、前記個別の描画命令及びレイアウト情報を解釈して前記地理的事象を描画する請求項3に記載の地理情報システム。
  5. 前記地理情報供給手段は前記命令解釈手段を保持しており、前記情報端末装置からの要求に応じて前記命令解釈手段を該情報端末装置に送信可能な請求項4に記載の地理情報システム。
  6. 前記地理情報供給手段は、更に、前記地理情報を利用するアプリケーションプログラムを保持し、前記地理空間ファイルの送信に伴って又は前記情報端末装置からの要求に応じて前記アプリケーションプログラムを前記情報端末装置に送信し、
    前記情報端末装置には、更に、前記情報供給装置から送信された前記アプリケーションプログラムを保持する保持手段と、前記地理空間に対する所定の操作と該所定の操作に対応する前記アプリケーションプログラムとを関連付けて管理する管理手段と、前記所定の操作の発生を検出した場合には、前記管理手段を参照することにより前記所定の操作に対応するアプリケーションプログラムを起動させる起動手段とが設けられている請求項3に記載の地理情報システム。
  7. 更に、前記地理情報供給装置から提供されるインデックス情報に基づいて前記地理情報の所在を管理する所在管理装置を設け、
    前記情報端末装置は、前記所在管理装置に問い合わせることにより、所望の地理情報に関する所在情報を取得し、該所在情報に対応する地理情報供給装置に対して前記所望の地理情報に係る前記地理空間ファイルの取得を要求する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の地理情報システム。
  8. 地理情報を供給するためのプログラムを記録した記録媒体において、
    情報端末装置からの要求に応じて記憶装置から所定の地理情報を読み出させる機能と、
    前記読み出された地理情報に基づいて、該地理情報に含まれる地理的事象を描画させるための描画命令を含み地理的構造を記述する地理構造ファイルと前記描画命令の描画方法を指示するレイアウト情報であって地理的事象の種別毎に設定されるテーマ別スタイル情報と基本的形状要素について設定された形状別スタイル情報とを含むレイアウト情報を含むレイアウトファイルとが関連付けられた地理空間ファイルを生成させる機能と、
    前記生成された前記地理空間ファイルを前記情報端末装置に送信させる機能とを、
    コンピュータに実現させるためのプログラムを該コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したことを特徴とする記録媒体。
  9. 更に、前記プログラムは、前記地理空間ファイルの送信に伴って又は前記情報端末装置からの要求に応じて、前記地理情報を利用するためのアプリケーションプログラムを前記情報端末装置に送信させる機能を実現させるものである請求項8に記載の記録媒体。
  10. 地理空間を表示させるためのプログラムを記録した記録媒体において、
    地理的事象の描画命令を含み地理的構造を記述する地理構造ファイルと前記描画命令の描画方法を指示するレイアウト情報であって地理的事象の種別毎に設定されるテーマ別スタイル情報と基本的形状要素について設定された形状別スタイル情報とを含むレイアウト情報を含むレイアウトファイルとが関連付けられた地理空間ファイルを受信させる機能と、
    前記受信された地理空間ファイルの前記描画命令を前記レイアウト情報を参照しつつ解釈することにより前記地理的事象を描画させるとともに、描画手段に、前記レイアウトファイルに含まれるテーマ別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画し、当該テーマ別スタイル情報を解釈不可能である場合に前記形状別スタイル情報を解釈して前記地理的事象を描画させる機能と、
    前記描画された地理的事象に基づいて地理空間を表示装置に表示させる機能とを、コンピュータに実現させるためのプログラムを該コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したことを特徴とする記録媒体。
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