JP4028433B2 - 組立支柱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、街路等に建てられる各種道路標識、照明器具などの支柱構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
街路灯などの照明器具や、道路標識等を固定するために使用する従来の支柱構造は、例えば、図7に示すような上下分割型の組立式のものがあり、地中の基礎に接続されるか、あるいは地盤Gに直接埋設されて固定される筒状の下部支柱1と、この下部支柱1の上に接続される同じく筒状の上部支柱2とからなる。
【0003】
この下部支柱1と上部支柱2との接続は、図8に示すように、下部支柱1の上端部に、前記上部支柱2の内周部に嵌まるジョイント部3を溶接等により接合し、この下部支柱1の上端部にジョイント部3を突出させる。その上部支柱2の内周部にこのジョイント部3を挿入して、下部支柱1に上部支柱2を接続し、その下部支柱1に対する上部支柱2の軸周りの回転や軸方向に抜けるのを防止するために、下部支柱1と上部支柱2とを貫通するように、適宜側方からボルト4をねじ込んで両者を固定する。
【0004】
このように、支柱を構成する部材を複数に分割してコンパクトにし、また、これらを現地での組立てとすることにより、部材の保管スペースの縮減、あるいはトラック積み等の作業の容易化を図るとともに、局部的な腐食や劣化、用途の変更、デザイン的取り替えの必要等が生じた際に、その支柱の対象部分の部材のみを交換できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の上下分割型の組立支柱構造では、上部支柱2の外側から、上部支柱2と下部支柱1とを貫通するようにボルト4をねじ込んで両者を固定するため、そのボルト4が支柱外周面から突出して支柱の外観が悪くなる。また、ボルト4が外部に露出していることは、そのボルト4が雨水にさらされてボルト4自体やボルト穴の腐食の原因となるほか、第三者によるボルト4の弛緩等の悪戯等を排除できないので好ましくない。
【0006】
そこで、この発明は、下部支柱1と上部支柱2とをボルト固定する場合に、そのボルトが、外部に露出しないようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、下部支柱と上部支柱からなり、その下部支柱上端部と上部支柱下端部とを嵌め合わせることにより、下部支柱と上部支柱とを接続する組立支柱構造において、前記下部支柱と上部支柱の内周面にそれぞれ横向きの止板を取り付け、その止板にそれぞれ上下方向の孔を形成する。その両孔にボルト軸を挿通してナット止めすることにより、前記両止板を近づける方向に締めつけて、下部支柱と上部支柱とを固定したのである。このようにすれば、ボルトが筒内に収められて外部から見えないので、支柱の接続部分の外観を悪くせず、また、ボルト等の腐食や、そのボルトを弛緩する悪戯等も排除し得る。
【0008】
この下部支柱、又は、上部支柱の側面に点検窓を設け、その点検窓を介して前記ボルト軸のナット止めが出来るようにすれば、筒内での脱着作業が容易となり便利である。なお、前記点検窓は、前記ナットの取付位置に対向する側面に設けると、ナットに手や工具類が届きやすくなるので好ましく、また、筒内を密閉するために、その点検窓には、適宜開閉自在の扉や蓋などを取り付けてもよい。
【0009】
前記下部支柱の上下方向の孔は、前記下部支柱の止板の先端に開口して設けられ、前記ボルト軸は、前記開口から孔へ出入可能とするとともに、前記開口側縁には、その止板から下方に突出するストッパを備え、前記孔に挿通したボルト軸の頭部の端面がストッパに当接することにより、ボルト軸が軸周りに回転しないようにする。このようにすれば、ボルト軸の回転が抑えられるので、ナットの緊締、弛緩が容易となる。
【0010】
また、そのストッパの下端部に前記孔に沿って延びる落下防止板を設けて、その落下防止板の上面で前記ボルト軸の頭部を受けるようにする。このようにすれば、ボルト軸の落下を防ぐことができる。
【0011】
さらに、上記構成の組立支柱構造において、前記上下両支柱の嵌合部内側の支柱端部に、その端縁に開口する上下方向の溝を形成し、その溝は下端から周方向に屈曲しており、前記上下両支柱の嵌合部外側の支柱端部には、前記溝に嵌まるピンを設けた構成を採用し得る。前記上下両支柱を嵌め合わせると、前記ピンが溝に収納されてその溝内を周方向へ移動するとともに、両支柱同士が軸周りに回転する。このとき、前記ボルト軸が支柱の軸芯からずれている場合には、前記両孔の一方を、前記溝の屈曲部に対応する前記軸芯周りの円弧状長孔とすれば、前記ボルト軸は、前記支柱の軸周りの回転とともに、その長孔内を移動可能である。このため、前記ピンと溝による支柱の抜け止め機能と併用してボルト軸による固定が可能となり、その両支柱の嵌め合わせの向きを調整し得る。
【0012】
【発明の実施の形態】
一実施形態を図1乃至図4に示し、この実施形態の組立支柱構造は、地盤Gに固定される筒状の下部支柱1と、その下部支柱1の上に接続される上部支柱2とからなり、街路に設置される標識類や照明器具などを支持する支柱の構造として使用されるものである。
【0013】
下部支柱1はその上端部に、筒状を成し上面開放したジョイント部3を有し、そのジョイント部3の上端部を上部支柱2の下端部の内周部に挿入することにより、下部支柱1に上部支柱2を接続する。
【0014】
図2に示すように、ジョイント部3を構成する筒は、ベースプレート5を介して地盤Gに固定された下部支柱1の内周に取り付けられて、その下部支柱1上端部に位置するよう固定される。このジョイント部3の上端部は、外径を大きく広げた円周状の軸芯調整部21を成しており、上部支柱2がジョイント部3に嵌められた際に、その軸芯調整部21が上部支柱2の内周面に沿うようになっている。
【0015】
また、前記ジョイント部3の下端部には、保持部22を有しており、その保持部22の外周に前記上部支柱2の下端を載せる水平な段部である顎部23と、前記上部支柱2の内周面に沿うように形成された円筒面状の側周部24を有している。
【0016】
一方、図3に示すように、前記上部支柱2下端部の内周には、その内周面間を横断するピン25を設け、ジョイント部3には、上部支柱2がジョイント部3に嵌められた際に、そのピン25が収納される溝26を設けている。
【0017】
溝26は、前記ジョイント部3上端縁に開口して上下方向に設けられ、その開口した導入部26aから下方へ向かって形成されて、その上下方向の溝下端26bから周方向へ屈曲して水平方向の屈曲部26cが形成される。
【0018】
前記上部支柱2下端部の内周部に、前記ジョイント部3上端部を挿入することにより、図2に示すように、下部支柱1と上部支柱2が接続され、このとき、上部支柱2の下端が、その保持部22の顎部23に支持されるとともに、保持部22の側周部24にその内周が面的に接触して水平方向に保持される。また、円周状の軸芯調整部21によって、上部支柱2の内周面が線的に接触して、上部支柱2が水平方向に動かないよう保持される。このため、上部支柱2は、前記保持部22、及び軸芯調整部21の2箇所で支えられて、両者の接続、固定が安定したものとなる。
【0019】
また、図1に示すように、前記ピン25は、ジョイント部3に対する上部支柱2の軸方向(上下方向)への移動とともに、溝導入部26aから溝下端26bへ向かって移動し、その後、ジョイント部3に対する上部支柱2の軸周り(水平方向)の回転とともに、ピン25は、前記下端26bから屈曲部26cの形状に沿って周方向へ向かって移動する。このため、ピン25は、例えば、鉛直方向へ抜こうとする力など一方向の外力が作用しても、ピン25が溝26の屈曲部26c上面に当たってそれ以上上方へ移動しないので、上部支柱2が簡単に抜けてしまうことがない。
【0020】
この上部支柱2内周面に、図3に示すように、半月状の止板13が設けられて、その止板13の円弧面が支柱2内周面に沿って取り付けられている。この止板13を上下方向に貫く孔15が形成され、前記下部支柱1のジョイント部3内には、同じく設けられた半月状の止板12において、前記孔15の直下付近に、その止板12を上下方向に貫く孔14が形成される。
【0021】
その孔14は、図3に示すように、前記止板12の先端縁に開口して設けられ、前記開口を挟む両側縁において、それぞれ止板12から下方に突出する板状のストッパ16,16を備えている。
【0022】
この孔14,15に、ボルト軸10を挿通する。ボルト軸10は、一端に頭部10aを、他端にナット10bをねじ込むねじ山を有しており、その頭部10aが、前記止板12の下方に位置するようにボルト軸10が挿通される。
【0023】
前記頭部10aの外形は、長辺と短辺を有する四辺形を成しており、図4に鎖線で示すように、前記短辺を開口に向けて、前記頭部10aが、前記開口から矢印Aの方向へ孔14へ差し入れる。この状態で、ボルト軸10の他端側を、上部支柱2の止板13に設けた孔15に挿通して、その他端に設けたねじ山にナット10bを締めつける。図4に矢印Bで示すようにボルト軸10を回転するとともに、その孔14に差し入れたボルト軸10の頭部10aの長辺をストッパ16に当接させて(図1に示す状態)、ボルト軸10が軸周りに回転しないようにする。
【0024】
このとき、前記孔14両側のストッパ16,16間の隙間が、頭部10aの短辺よりも広く、長辺よりも狭くなっているので、ボルト頭部10aの長辺がストッパ16に確実に当接して、ボルト軸10が孔14から側方へ抜けてしまわない。この状態で、その後、ナット10bを強く締めつけていく。
【0025】
なお、ボルト軸10の頭部10aを、ストッパ16同士の成す隙間を通過させずに、ストッパ16の下方を通過させた後、止板12の根元側から先端側に向かってボルト軸10を差し入れる場合には、前記ストッパ16,16間の隙間は、前記ボルト軸10の軸が通過する幅を有すれば足りる。
【0026】
このように、両孔14,15にボルト軸10を挿通し、ナット10bを緊締して、ボルト軸10を締めつけることにより、止板12,13が引き寄せられて、接続された下部支柱1と上部支柱2が動かないよう強固に固定される。
【0027】
このとき、前記ボルト軸10は、図1に示すように、ピン25に当たらないよう支柱1,2の軸芯からずれており、ピン25は、上部支柱2の内周面間をその軸芯を通過するように結ばれている。このため、前記嵌め合わせの過程で、前記ピン25が溝26に収納されてその溝26内を周方向に移動するとともに、両支柱1,2同士が軸芯周りに回転すると、前記両孔14,15の相互の位置関係は、必ずしも孔14が孔15の直下に位置せず、その軸芯周りに水平方向に回転移動する。
【0028】
そこで、上部支柱2の孔15を、図1又は図3に示すように、前記溝26の屈曲部26cに対応する前記軸芯周りの円弧状長孔として、前記ボルト軸10は、前記支柱1,2の軸周りの回転とともに、その長孔15内を移動可能としている。このため、下部支柱1と上部支柱2を嵌め合わせて、ピン25が溝26の導入部26aから下方向に移動して下端26bに至った状態で、前記ボルト軸10を両孔14,15に挿通してナット10aにより軽く締めつけ、その状態で、両支柱1,2を回転させて、ピン25を溝26内の屈曲部26cを周方向に移動させる。ピン25が溝26内の所定の位置に達した状態で、前記ボルト軸10のナット10bを強く締めつける。このようにすれば、ボルト軸10を挿通した状態で、両支柱1,2同士を軸周りに回転できるので、ボルト軸10のナット10bを締めつけて固定する際に、両支柱1、2の嵌め合わせ角度(軸周りの水平方向の向き)の微調整が可能である。
【0029】
この長孔15は、ピン25の溝屈曲部26c内における周方向の移動に伴う、その両支柱1,2同士の軸周りの回転に対応するボルト軸10の軸芯周りの回転移動範囲に合わせた長さ、形状、及び位置にあればよい。
【0030】
また、前記ストッパ16の下端部には、図1に示すように、そのストッパ16の側壁から孔14側に向かって水平に突出するように延びる板状の落下防止板16aを有しているので、頭部10aの長辺がストッパ16側へ当接するようにボルト軸10を止板12端縁へ寄せておくと、ボルト軸10を手から離しても、その頭部10aが落下防止板16a上に載って止まるので、ボルト軸10を落下させない。
【0031】
この上部支柱2の前記止板13の上方において、図2に示すように、上部支柱2の側面を開口した点検窓11を設けており、この点検窓11は、前記ナット10bの取付位置に対向する側面に設けられているので、その点検窓11から作業者が手やレンチ等工具類を差し入れることにより、前記ボルト軸10の着脱作業、及びナット10bの脱着、緊解を行うことができるようになっている。
【0032】
その点検窓11には、その点検窓11の開口部を覆う蓋17を設け、蓋17は、上部支柱に着脱可能に取付られるので、前記ボルト軸10取付後、その蓋17を閉めれば、上部支柱2及び下部支柱1の筒内と外部とを遮断することができる。その蓋17の着脱方法は、周知の嵌め外し可能な固着手段を用いてもよいし、蓋17と上部支柱2とを貫通するようにボルト等をねじ込んで固定してもよい。また、蓋17を蝶番を介して上部支柱2に固定して、開閉自在の扉状の蓋17としてもよい。この蓋17には、必要に応じてその開閉をできなくする施錠手段を設けることもできる。
【0033】
なお、この点検窓11を設けない場合には、前記ボルト軸10のナット止めを、図2に破線で示すように、上部支柱2の上端開口部から回転杆Rを差し入れて、その回転杆Rをナット10bに嵌めて回転することにより締めつける。このとき、下方の止板12には、落下防止板16aを設けているので、ボルト軸10が下方に落下しないよう、その落下防止板16aで支持できるので、ボルト軸10の締めつけ作業に有効である。
【0034】
この実施形態では、前記止板13を上部支柱2に、止板12を下部支柱1のジョイント部3内に設けたが、この実施形態には限定されず、その止板12は、下部支柱1のジョイント部3以外の部分に設けてもよい。
【0035】
また、止板12,13の形状は、この実施形態の半月状のものに限定されず、それぞれ、筒内に固定されて上下方向の孔14,15が設けられるに充分な面積を有していれば、例えば、多角形や円形、楕円形等であってもよい。また筒内において、止板12,13の一端を支柱内周面に固定して、片持ち状に支持してもよいし、筒内の内周面間を横断するように止板12,13の両端を支柱内周面に固定してもよい。
【0036】
また、この実施形態では、前記孔14は、ボルト軸10を側方から挿入できるよう、止板12の先端縁に側方開口させて設けたが、前記ボルト軸10を、孔14,15に挿通し得る限りにおいて、必ずしも側方開口していなくてもよい。孔14を側方開口しない場合は、ボルト軸10は、その孔14下方から上方に向かって挿通することとなる。
【0037】
この孔14は、ボルト軸10の頭部10aを止板12の下方に位置させて、ボルト軸10を孔14に挿通した状態において、頭部10aが孔14を通過して上方へ抜けてしまわないように、頭部10aの鍔部が止板12下面に当接し得る限りにおいて、孔14の内径、形状は自由である。また、この頭部10aの形状は、上記の孔14を通過しないものであり、ストッパ16に当接する面を有してその回転を阻止する機能を有する限りにおいて、実施形態の四辺形には限定されない。
【0038】
さらに、そのストッパ16の態様は、前記ボルト軸10の回転を阻止するように、孔14の周囲のいずれかの場所に設けていればよく、図3に示す態様には限定されず、例えば、ストッパ16を、前記開口側縁の片側に設けてもよいし、前記孔14の周囲などの止板12の先端縁以外に設けてもよいし、ストッパ機能を求めない場合には、ストッパ16を省略してもよい。
【0039】
また、孔14下方の落下防止板16aの態様は、この実施形態のように、ストッパ16の下端部から孔14側へ向かって水平方向に突出させてもよいし、そのストッパ16を省略する場合などは、止板12とは別に、支柱内周面から孔14下方に向かって突出させるように取り付けてもよい。
【0040】
このほか、ボルト軸10を上下反転させて、その頭部10aを、止板13の上方に位置させてボルト軸10を孔14,15に向かって下向きに挿通させるようにした構成も採用し得るが、この構成においては、ボルト軸10の他端側において、ナット10bの締めつけ作業等ができ得ることが必要である。このため、前記止板12の下方側方において、そのナット10bの取付位置に対向する側面に点検窓11を設けることが望ましい。
【0041】
つまり、請求項でいう、ナット10bの取付位置に対向する側面とは、そのナット10bが位置する高さと同じ高さ付近にある側面、及びその上下方向近傍の側面をいい、上部支柱2に設ける場合は、止板13のやや上方、下部支柱1に設ける場合は、止板12のやや下方であることが望ましい。支柱外からナット10bへ至る距離が近くなるからである。
【0042】
この実施形態では、下部支柱1と上部支柱2との接続に、溝26及びその溝26に収納されるピン25を介在させていたが、このピン25の態様、溝26の態様は、例えば、前記ピン25は、溝26に収納され得る限りにおいて、上部支柱2内周面間を連結せずに、上部支柱2内周面に突出する態様であってもよい。その連結ピン、あるいは突出ピンの態様において、そのピン25を結ぶ線が、この支柱1,2の軸芯を通過しない位置に設けた構成も想定されるが、この構成においても、前記長孔15の長さ、形状、及び位置の態様は、ピン25が軸芯を通過する場合と同じである。
【0043】
また、溝26の屈曲態様も、この実施形態のL型の溝には限定されない。例えば、前記屈曲部26cは、両支柱1,2同士の嵌め合わせ時の軸周りの向きを調整するために水平であることが望ましいが、向きの調整機能を望まない場合には、屈曲部26cを設けないか、下端26bから溝26の底に向かって下り勾配を有する屈曲部26cとする、あるいは、その屈曲部26cからさらに下方に向かって上下方向の溝を設けるなど、ピン25が溝26の底に落ちて水平方向に動かないようにしてもよい。
【0044】
また、このピン25と溝26による固定の効果を求めない場合には、図5に示すように、溝26及びピン25を設けない構成も採用し得る。この場合は、ボルト軸10は、前記軸芯周りに回転しないので、前記孔15は長孔ではなく、ボルト軸10が挿通し得る孔でよい。また、前記ピン25が軸芯を通過しないものであり、ボルト軸10が軸芯に位置する場合も、孔15は長孔ではなく、ボルト軸10が挿通し得る孔であってよい。
【0045】
前記下部支柱1及び上部支柱2に、前記溝26及びピン25を設けないか、あるいは、前記溝26に屈曲部を設けないようにして、ピン25が周方向に移動しないようにした態様においては、前記ジョイント部3及び上部支柱2を構成する筒の断面は、この実施形態の円形に限らず、多角形や楕円形状などであってもよい。
【0046】
また、前記上部支柱2を支えるジョイント部3の、前記下部支柱1に対する取付態様、その下部支柱1の地盤Gへの固定態様も自由であり、例えば、図6に示すように、下部支柱1の上端部に筒状のジョイント部3を嵌め込んで、適宜溶接して取り付けた態様も考えられる。さらに、前記ジョイント部3の態様は、この実施形態以外にも、例えば、前記保持部22及び軸芯調整部21のうち軸芯調整部21を省略して、保持部22を構成する顎部23と側周部24のみで上部支柱2を支持するようにした構成であってもよい。
【0047】
いずれの態様においても、前記ジョイント部3の上面開放は、ボルト軸10が上下方向に通るものであればよく、必ずしも図示するようなジョイント部3の上面全体が開放したものでなくてもよい。
【0048】
さらに、上下両支柱1,2を逆にした嵌め合わせを用いた構成も考えられる。この場合、前記ジョイント部3は、上部支柱2下端部に上下反転して設けられ、そのジョイント部3を、下部支柱内周部に嵌め込んで、下部支柱1と上部支柱とを接続するものである。前記止板12を下部支柱1に、止板13を上部支柱2、又はその上部支柱2のジョイント部3に設けて、嵌め合わせの構成を上下反転させた以外の構成、効果は同じである。
【0049】
【発明の効果】
この発明は、以上のようにしたので、下部支柱1と上部支柱2とを強固に固定でき、また、固定するボルトが外部に露出しないので、支柱の美観を損なわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の斜視図
【図2】同実施形態の切断正面図
【図3】図1の下部支柱と上部支柱の接続部を示す詳細図
【図4】図1の接続方法を示す説明図
【図5】他の実施形態を示す斜視図
【図6】他の実施形態を示す切断正面図
【図7】従来例の正面図
【図8】従来例の接続方法を示す説明図
【符号の説明】
1 下部支柱
2 上部支柱
3 ジョイント部
4 ボルト
5 ベースプレート
10 ボルト軸
10a 頭部
10b ナット
11 点検窓
12,13 止板
14,15 孔
16 ストッパ
16a 落下防止板
17 蓋
21 軸芯調整部
22 保持部
23 顎部
24 側周部
25 ピン
26 溝
G 地盤
Claims (3)
- 下部支柱1と上部支柱2とからなり、その下部支柱1上端部と上部支柱2下端部とを嵌め合わせることにより、下部支柱1に上部支柱2を接続する組立支柱構造において、
前記下部支柱1と上部支柱2の内周面にそれぞれ横向きの止板12,13を取り付け、その止板12,13にそれぞれ上下方向の孔14,15を形成し、両孔14,15にボルト軸10を挿通してナット止めすることにより、前記両止板12,13を近づける方向に締めつけて、下部支柱1と上部支柱2とを固定し、
前記下部支柱1の孔14は、前記止板12の先端に開口して設けられ、前記ボルト軸10が、その開口から孔14へ出入可能とするとともに、前記開口側縁には、その止板12から下方に突出するストッパ16を備え、前記孔14に挿通したボルト軸10の頭部10aの端面がストッパ16に当接することにより、ボルト軸10の軸周りの回転を阻止し、そのストッパ16の下端部に孔14に沿って延びる落下防止板16aを設けて、その落下防止板16aの上面で、前記ボルト軸10の頭部10aを受けることにより、ボルト軸10の落下を防止することを特徴とする組立支柱構造。 - 前記下部支柱1と上部支柱2との嵌合部内側の支柱端部に、その端縁に開口する上下方向の溝26を形成し、その溝26は下端から周方向に屈曲しており、前記下部支柱1と上部支柱2との嵌合部外側の支柱端部には、前記溝26に嵌まるピン25が設けられ、前記ボルト軸10が支柱1,2の軸芯からずれている場合には、前記両孔14,15の一方が、前記溝26の屈曲部に対応する前記軸芯周りの円弧状長孔として、前記下部支柱1と上部支柱2同士の軸周りの回転により、前記ボルト軸10は、その長孔内を移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の組立支柱構造。
- 下部支柱1と上部支柱2とからなり、その下部支柱1上端部と上部支柱2下端部とを嵌め合わせることにより、下部支柱1に上部支柱2を接続する組立支柱構造において、
前記下部支柱1と上部支柱2の内周面にそれぞれ横向きの止板12,13を取り付け、その止板12,13にそれぞれ上下方向の孔14,15を形成し、両孔14,15にボルト軸10を挿通してナット止めすることにより、前記両止板12,13を近づける方向に締めつけて、下部支柱1と上部支柱2とを固定し、
前記下部支柱1と上部支柱2との嵌合部内側の支柱端部に、その端縁に開口する上下方向の溝26を形成し、その溝26は下端から周方向に屈曲しており、前記下部支柱1と上部支柱2との嵌合部外側の支柱端部には、前記溝26に嵌まるピン25が設けられ、前記ボルト軸10が支柱1,2の軸芯からずれている場合には、前記両孔14,15の一方が、前記溝26の屈曲部に対応する前記軸芯周りの円弧状長孔として、前記下部支柱1と上部支柱2同士の軸周りの回転により、前記ボルト軸10は、その長孔内を移動可能であることを特徴とする組立支柱構造。
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