JP4026452B2 - Laser and arc combined welding method and groove shape of welded joint used therefor - Google Patents

Laser and arc combined welding method and groove shape of welded joint used therefor Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザとアークの複合溶接方法に関し、特に厚板の突合せ溶接に好適なレーザとアークの複合溶接方法およびその複合溶接に用いる溶接継手の開先形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザとアークを組み合わせた複合溶接方法は、一般的に溶接進行方向の先行をレーザ、後行をアークとして溶接するものであり、レーザの有する深溶込みの特性を活用し、より深い溶込みを得るようにする溶接方法である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。そのため通常は、アーク溶接による溶着金属を生成する前に先立ってレーザ光を開先のルートギャップに照射し、そのルートフェイス面をレーザにより溶融させたのちに、アーク溶接による溶着金属を流入させる方法がとられている。
このような、レーザとアークの複合溶接に用いられる開先形状は、図9に示すようになっている。同図(a)の開先Aは、前記特許文献1によるものであり、同図(b)の開先Bは、前記特許文献2によるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−216972号公報(特許請求の範囲、段落[0012]−[0015]、図1、図2)
【特許文献2】
特開平10−225782号公報(特許請求の範囲、段落[0013]−[0017]、図1)
【0004】
前記開先Aは、V形開先50の底部に続けて0〜0.6mmのギャップ幅でルートフェイス面が平行なルートギャップ51を設けたものである。一方、開先Bは、V形開先50の底部に続けて始端幅をビーム径以下とする狭小な幅のV形ルートギャップ(レーザ導光用間隙)52を設け、このV形ルートギャップ52の底部に続けて突き当て部53を設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実施工では、溶接熱収縮によりルートギャップが減少するため、開先Aの溶接施工は困難である。また、このルートギャップの下限値を厳守するためには、溶接継手を拘束する必要があるが、継手拘束手段を設けたのでは手数、時間がかかり溶接コストが上がってしまうという問題がある。したがって、実施工では、開先Bのように、突き当て部を持つ開先の方が、熱収縮の影響を受けにくい。
しかしながら、前記特許文献2では、V形ルートギャップ(レーザ導光用間隙)が開先裏面側に向かうに従って、ギャップ幅が漸次減少するように規定している。また、V形ルートギャップ(レーザ導光用間隙)の始端側(開先表面側)のギャップ幅の上限値は、レーザ光のスポット径以下と規定している。
レーザ光のスポット径は、一般に1mm以下、通常は0.4〜0.8mmであるので、ルートギャップのない開先と比較すると、この程度の小さいルートギャップでも溶込み深さは増加するが、その増加量は厚板溶接の分野では必ずしも十分とはいえない。
また、前記特許文献1の実施例に該当する文献を調査したところ、7kWの大出力CO2レーザによる報告がなされているが、4kWの低出力のYAGレーザにおいて十分な溶込み深さを得るには、未だ不十分である。
【0006】
したがって、本発明の目的は、低出力のレーザでも十分な溶込み深さが得られるレーザとアークの複合溶接方法を提供すること、及び、その複合溶接に適した開先形状を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレーザとアークの複合溶接方法は、2つの被溶接材を隙間なしで当接した突合せ継手をレーザとアークにより複合溶接する方法において、
開先の表面側、すなわちレーザ光の入射側に開先開口部とこれに続けて被溶接材の当接面を、その当接面の下方、すなわち開先の裏面側に、間隙幅をレーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上としたキーホール形成用間隙をそれぞれ設け、アーク溶接により形成される溶融池上にレーザ光を照射してキーホールを形成しながら、アーク溶接による溶着金属をそのキーホールおよびキーホール形成用間隙内に流入させることにより溶接することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、開先突合せ面の間隙(すなわち、キーホール形成用間隙)をレーザ光のスポット径以上とすることと、未溶融の開先にレーザ光を直接照射するのではなく、アーク溶接により形成される溶融池上に照射することが重要である。したがって、ルートギャップがレーザ光のスポット径以上であっても、レーザ光はルートギャップを通過せずに、アーク溶接により形成される溶融池上にキーホールを形成する。そして、ルートギャップが従来技術よりも大きいため、キーホールの溶込み深さが増加し、その結果、従来技術よりも溶込み深さの大きいキーホールを容易に形成することができる。
【0009】
また、本発明の重要な点は、被溶接材の当接面とキーホール形成用間隙の位置関係にもある。すなわち、被溶接材の当接面をキーホール形成用間隙よりもレーザ光の入射側に位置させることにより、図8に示すような開先形状、すなわちキーホール形成用間隙が被溶接材の当接面よりもレーザ光の入射側にある場合と比較して、深い溶込みを得ることができる。
この理由について説明する。
一般に、レーザ・アーク複合溶接においては、レーザ光の焦点は溶融池表面とほぼ同じ高さ、すなわちV型開口部の底部付近に合わせる。本発明では、レーザ光の焦点は上記被溶接材の当接面の上部付近となる。したがって、本発明では、レーザ光のエネルギ密度が最も高い状態で、被溶接材の当接面を溶融し、その後キーホール形成用間隙に溶融金属が流れ込み、キーホールを形成する。
これに対して、図8に示すような開先形状では、レーザ光はキーホール形成用間隙部でキーホールを形成した後に、被溶接材の当接面に到達する。したがって、レーザパワーはキーホール形成により減衰しており、レーザ光の焦点から離れているため、エネルギ密度も減少している。したがって、深い溶込みを得るために、キーホール形成用間隙の長さを大きくすると被溶接材の当接面は溶融しないことになる。
よって、本発明では低出力のレーザでも深い溶込みが得られる。溶込み深さは図7のPであらわされる。
また、被溶接材は前記当接面で当接しているため、溶接の熱収縮によって所定幅のルートギャップ(すなわち、レーザ光のスポット径以上としたキーホール形成用間隙)が減少したりすることがない。したがって、継手拘束手段を設ける必要はなく、溶接コストの低減が可能となる。
【0010】
また、本発明のレーザとアークの複合溶接方法は、キーホールを貫通させ、片面裏波溶接を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明では、前述のように、被溶接材の当接面の下方、すなわち開先裏面側に、間隙幅をレーザ光のスポット径以上としたキーホール形成用間隙を設けたので、レーザパワーを減衰させることなく深いキーホールを形成することができる。したがって、厚板の場合でも、キーホールを貫通させることが可能となり、片面から裏波溶接を行うことが可能である。
【0012】
また、本発明のレーザとアークの複合溶接方法は、前記キーホール形成用間隙を構成するルートフェイス面が、レーザ光の入射方向に平行になっている開先に対して溶接するものであり、あるいは、レーザ光の入射方向に末広がり状、または平行な部分と末広がり状の部分とを有する開先に対して溶接するものである。
【0013】
すなわち、本発明では、前記キーホール形成用間隙が、レーザ光の入射方向(入射光軸)に平行な部分、末広がり状の部分、あるいは平行部と末広がり状の傾斜部を有する部分のいずれかに構成されるものであり、そのキーホール形成用間隙をレーザ光のスポット径以上とすることにより、溶込み深さを増加させることができるのである。
しかし、キーホール形成用間隙の幅をあまり大きくすると、溶着金属の抜け落ちや表面張力によりビード表面のひけ(アンダーフィル)が大きくなるため、キーホール形成用間隙の幅は、レーザ光のスポット径以上で、かつ4mm以下とする。
【0014】
また、前記被溶接材当接面の板厚方向の長さは、具体的には、0.5mm以上3.0mm以下がよい。
【0015】
また、前記キーホール形成用間隙と前記被溶接材当接面の板厚方向の合計長さは、6mm以上とするのがよい。
【0016】
また、本発明で使用するレーザは、YAGレーザが好ましい。
アークには、消耗電極式またはフィラワイヤを添加する非消耗電極式のアークを用いる。
【0017】
また、本発明のレーザとアークの複合溶接に用いて好適な開先形状は、
第1に、開先の形状が、V形またはこれに類似する形状を有する表面側の開先開口部と、中間部の継手当接部と、裏面側の少なくとも平行な部分を有するキーホール形成用間隙部とからなり、前記キーホール形成用間隙部の平行部の幅は、レーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上とするものである。
【0018】
第2に、開先の形状が、V形またはこれに類似する形状を有する表面側の開先開口部と、中間部の継手当接部と、開先裏面方向に末広がり状の裏面側のキーホール形成用間隙部とからなり、前記キーホール形成用間隙部の開先裏面の間隙幅を、レーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上とするものである。
【0019】
第3に、前記第1の開先形状において、前記キーホール形成用間隙部の裏面側の端部が末広がり状になっているものである。
【0020】
このような突合せ継手の開先形状とすることにより、ビード形状が良好で溶込み深さの深いレーザとアークの複合溶接を実施することができる。
【0021】
また、前記キーホール形成用間隙部の幅は、4mm以下とし、前記継手当接部の板厚方向の長さは、0.5mm以上3.0mm以下とするのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明のレーザとアークの複合溶接方法の概要を示す模式図、図2はその溶接部の上面図、図3は複合溶接方法の作用を示す模式図である。これらの図において、1、2は被溶接材であり、溶接線に沿う突合せ面には所定形状の開先3が加工されている。開先3については後で詳しく説明する。溶接進行方向は矢印で示す方向である。ここでは、溶接進行方向の前方にレーザヘッド10を配置し、その後方に溶接トーチ20を配置して突合せ溶接を行っている。すなわち、アーク溶接トーチ20の溶接ワイヤ21の先端部から発生するアーク22による溶融池23上にレーザヘッド10からの収束されたレーザ光11を照射し、レーザ光11によりキーホール12を溶融池23に形成しながら溶接する状況が示されている。なお、Aはレーザ焦点、Bはアーク発生点をあらわし、24は溶接チップ、25は溶接ビードである。
【0023】
この実施形態において、レーザヘッド10は溶接線に対し垂直に設置され、アーク溶接トーチ20は溶接線に垂直な垂直線とのトーチ角度θが30゜の前進角で傾けて設置されている。また、レーザにはYAGレーザを使用しているが、特にこれに限定されるものではない。アーク溶接トーチ20による溶接は消耗電極式ガスシールアーク溶接(MGAW)が好ましい。非消耗電極式を使用することもできるが、この場合はフィラワイヤを用いるTIGアーク溶接が好まし。また、レーザ光11の照射位置Aとアーク22の狙い位置Bとの距離LAは、0〜2mmの範囲が適当である。
【0024】
このレーザヘッド10は、光ファイバや光学系等を介して導かれるレーザ光を集光レンズ13で収束し、いわゆるビーム・ウェスト(beam waist)と呼ばれるスポット光11を所定位置に照射するようになっている。また必要に応じて、アシストガス(例えば、アルゴンガス)を噴射するノズル(図示せず)がレーザヘッド10と同軸状に、もしくはその近傍に別体で設けられる。
【0025】
アーク溶接トーチ20は、自動的に送給される溶接ワイヤ21の先端からアーク22を発生させ、このアーク22の熱によって主に溶接ワイヤ21を溶融させ、溶融池23を生成する。また、アーク溶接の際、シールドガス(例えば、Ar等の不活性ガス、あるいはCO2等の活性ガス、もしくはArとCO2の混合ガス)をアーク溶接トーチ20を通じて噴出させている。
【0026】
図4は本発明の複合溶接方法に適用される基本的な開先形状の例を示す断面図である。
開先形状の基本形は、主に次の3種類に分けられる。
(1)平行開先型(図4(a)参照)
(2)逆V開先型(図4(b)参照)
(3)複合開先型(図4(c)参照)
【0027】
(1)平行開先型(図4(a)参照)
平行開先型は、被溶接材1、2の表面側(上面側)に形成されるV形開先開口部31と、被溶接材1、2の端面で形成される中間部の継手当接部32と、被溶接材1、2の裏面側に形成される板厚方向に平行なルートフェイス部33とからなる開先形状である。そして、この相対向する平行ルートフェイス部(ルートフェイス面が平行な部分をいう)33の間隙であるルートギャップRGは、レーザ光の前記ビーム・ウェスト部(または前記特開平10−225782号公報に記載の焦点平行部)のスポット径以上に設定する。このようにレーザ光のスポット径以上の間隙に設定される開先突合せ面の間隙、すなわちルートギャップRGを、本明細書においては「キーホール形成用間隙」と称している。
【0028】
(2)逆V開先型(図4(b)参照)
逆V開先型は、被溶接材1、2の表面側(上面側)に形成されるV形開先開口部31と、被溶接材1、2の端面で形成される中間部の継手当接部32と、被溶接材1、2の裏面側に形成される末広がり状のテーパ状ルートフェイス部34とからなる開先形状である。そして、前記キーホール形成用間隙RGは、テーパ状ルートフェイス部(ルートフェイス面が末広がり状の傾斜面となっている部分をいう)34の最も広くなる被溶接材裏面のギャップ幅で規定される。すなわち、この最大のギャップ幅RGがレーザ光のスポット径以上に設定される。
【0029】
(3)複合開先型(図4(c)参照)
複合開先型は、前記平行開先型と逆V開先型とを複合(合成)したものであり、V形開先開口部31の底部に連続して継手当接部32を設け、さらに継手当接部32に続けて平行なルートフェイス部33とテーパ状ルートフェイス部34を設けた開先形状である。この場合のキーホール形成用間隙RGは、平行ルートフェイス部33の間隙で規定され、その間隙がレーザ光のスポット径以上に設定される。なお、テーパ状ルートフェイス部34は、この例では裏ビード形状の調整を目的としているため、深さ(厚さ)DBは小さくされる。
【0030】
なお、上に述べたV形開先開口部31の開先角度α、深さDg、継手当接部32の厚さRT、平行ルートフェイス部33の深さ(厚さ)LP、およびテーパ状ルートフェイス部34のテーパ角度β、深さ(厚さ)DBは、被溶接材の板厚、溶接条件(レーザ出力、溶接電流・電圧、溶接速度等)などに応じて決められる。
また、キーホール形成用間隙RGのギャップ幅は、4mm以下に設定する。また、継手当接部32の厚さRTは、当該溶接速度におけるレーザ貫通能力の50%未満とするのがよい。具体的には、0.5mm以上3.0mm以下である。レーザ貫通能力は溶接速度によって異なるが、継手当接部32の厚さRTをあまり大きくすると、所望の深い溶込みが得られなくなる。また、継手当接部32の厚さRTが小さすぎると、被溶接材の突き当て効果が薄れて溶接熱収縮により所定のキーホール形成用間隙RGを維持できなくなる。したがって、継手当接部32の厚さRTは、0.5mm以上3.0mm以下としている。
また、キーホール形成用間隙RGの長さ、すなわち平行ルートフェイス部33(テーパ状ルートフェイス部34を含む)の厚さLPと継手当接部32の厚さRTの合計長さ(LP+RT)は、レーザ貫通能力の120%以上、あるいは6mm以上とするのがよい。
【0031】
また、本発明においては、前記開先形状に類似する形状を含むものであることはいうまでもない。例えば、開先開口部31の断面形状はV形に限らずこれに類似するU形や円弧状としてもよい。また複合開先型では、V形開先開口部31から継手当接部32に続けて平行ルートフェイス部33、そしてテーパ状ルートフェイス部34と続く形状としているが、これとは逆に、V形開先開口部31、継手当接部32、テーパ状ルートフェイス部34、そして平行ルートフェイス部33と続く形状としてもよいものである。
【0032】
以上のいずれかの開先形状に形成された開先3を用いて本発明のレーザとアークの複合溶接を行う。この複合溶接方法を図1〜図3に基づいて説明する。
まず、アーク溶接トーチ20の溶接ワイヤ21の先端からアーク22を発生させ、開先3のV形開先開口部31内に溶融池23を形成する。溶融池23が形成されたのち、アーク22の近傍において溶融池23の上方からレーザヘッド10にて収束されたレーザ光11を溶接線に垂直に照射する。レーザ光11は(幾何学上の)焦点位置がV形開先開口部31の底部(すなわち、継手当接部32の上端部)、または若干上方に位置するように照射する。また、レーザとアーク間距離LAは0〜2mmの範囲内に設定する。そうすると、開先3の裏面側(被溶接材の裏面側)に設けられたルートギャップはレーザ光のスポット径以上となっているので、レーザ光は溶融池23上から直下の継手当接部32を容易に貫通し、開先3の深部(被溶接材の板厚方向の深部)にまで深いキーホール12を容易に形成することができる。そのため、アーク溶接による溶着金属がこの深いキーホール12内およびキーホール形成用間隙内に流入する。したがって、YAGレーザのような比較的低出力のレーザでも深いキーホールを形成することが可能なので、このようにキーホール12を形成しながら溶着金属をキーホール12およびキーホール形成用間隙RG内に流入させることにより、溶込み深さの深い突合せ溶接が可能となる。
また、被溶接材1と2は継手当接部32で当接しているため、溶接の熱収縮によってキーホール形成用間隙RGの所定のギャップ幅が減少したりすることがない。
【0033】
【実施例】
本発明の実施例を図5により説明する。図5の(a)は通常のビードオン複合溶接の場合、(b)はY型開先の複合溶接の場合、(c)はY型開先の複合溶接の場合で、キーホール形成用間隙ありの場合、(d)は本発明の開先形状(平行開先型)の複合溶接の場合である。実験に供した試験片、レーザ、アーク等の仕様、試験条件は次のとおりである。

Figure 0004026452
【0034】
また、図6は図5(c)の開先形状(Y型開先で、キーホール形成用間隙ありの開先)の複合溶接におけるルートギャップのギャップ幅と溶込み深さとの関係(試験結果)を示すものである。図7は溶込み深さの定義を示す図である。溶込み深さPは、開先開口部31の底部における継手当接部32の上端から開先溶融部の最下端までの距離である。
【0035】
まず、図5(a)に示す平板の試験片に対するビードオン複合溶接を行った場合、溶込み深さPはレーザ単独溶接の場合と同等(減る場合もある)である。すなわち、この溶込み深さは5mm程度である。
次に、図5(b)に示すY型開先の場合、キーホール形成用間隙なし(ギャップ零)のときには、溶込み深さはビードオンの場合とほとんど変わらない。
一方、図5(c)に示すY型開先の場合でも、本発明のようにキーホール形成用間隙を設けた場合には、溶込み深さは、図6に示すように、大幅に増加する。例えば、ギャップ幅RGがスポット径以上の1.0mmのときは、溶込み深さは10mmにもなる。ギャップ幅RGがスポット径と同等の0.5mmのときは、溶込み深さは7.0mm程度である。
ただし、溶込み深さは、ギャップ幅RGがあまり大きくなると、急激に減少する傾向を示す。また、溶込み深さはレーザとアーク間距離LAにより影響を受けるが、LA=0〜2mmの範囲では、ギャップ幅RGの上限値は4mmが適当である。その理由は、これ以上ギャップ幅が大きくなると、前述のように溶け落ちが生じるからである。
また、図5(d)に示す本発明の開先形状の場合、溶込み深さは図5(c)のY型開先の場合とほとんど変わらない。
【0036】
図8は比較例として示す開先形状例である。同図(a)は図4(a)の平行開先型の継手当接部とルートギャップ部を上下反転させた形状の開先であり、同図(b)は図4(b)の逆V開先型の継手当接部とルートギャップ部を上下反転させた形状の開先である。すなわち、図8(a)の開先は継手当接部32を下側に、平行ルートフェイス部33を上側逆向きにしてV形開先開口部31に接続したものであり、図8(b)の開先は同じく継手当接部32を下側に、テーパ状ルートフェイス部34を上側逆向きにしてV形開先開口部31に接続したものである。
これら比較例の開先の場合、図4(a)や(b)の開先(実施例)と比較して、片面溶接での貫通ビードが得られる最大板厚が減少することが実験により確認されている。また、同一溶接条件で溶接した場合、実施例の開先では安定な裏ビードが形成されたが、比較例の開先では裏波が出なかったりして、不安定であった。
【0037】
このような試験結果に対する理由としては、次のように考えられる。
▲1▼レーザパワーは、キーホールの深部に行くほど、減少していくこと。
実施例の開先では、継手当接部32が開先表面側にあるので、レーザパワーがそれほど減衰することなく未だ十分なパワーでもって継手当接部32を溶融させることができる。一方、比較例の開先では、継手当接部32が開先裏面側にあるので、レーザパワーが溶融池を掘り下げてキーホールを形成するために消費された状態で、継手当接部32を溶融させる必要がある。したがって、実施例の開先と比較して、溶込み深さが浅く、また同じ深さの溶込みを得るには大きなレーザ出力を必要とする。
▲2▼実施例の開先では、継手当接部32の溶融にはレーザだけでなくアーク入熱も寄与していること。そのため、継手当接部の溶融に消費されるレーザパワーは少なくてすむ。
【0038】
本発明は、前述のように更なる溶込み深さの増大化が可能であるので、厚板の突合せ溶接、特に溶接鋼管や造船、一般構造物等の突合せ溶接に好適なものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、開先の表面側、すなわちレーザ光の入射側に開先開口部とこれに続けて被溶接材の当接面を、その当接面の下方、すなわち開先の裏面側に、間隙幅をレーザ光のスポット径以上としたキーホール形成用間隙をそれぞれ設け、アーク溶接により形成される溶融池上にレーザ光を照射してキーホールを形成しながら、アーク溶接による溶着金属をそのキーホールおよびキーホール形成用間隙内に流入させることにより溶接するものであるので、低出力のレーザでも更なる溶込み深さの増大化が可能となる効果がある。したがって、厚板に対するレーザとアークの複合溶接を小型、低価格の溶接装置で実施することが可能となる。
また、前記当接面で被溶接材を当接させているので、キーホール形成用間隙のギャップ幅が溶接熱収縮により減少を生じないため、継手拘束手段を設ける必要がなく溶接コストの低減を図ることができる。
また、本発明の開先形状を用いることにより、ビード形状が良好で溶込み深さの深いレーザとアークの複合溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザとアークの複合溶接方法の概要を示す模式図である。
【図2】 図1の溶接部の上面図である。
【図3】 本発明の複合溶接方法の作用を示す模式図である。
【図4】 本発明の複合溶接方法に適用される基本的な開先形状の例を示す断面図である。
【図5】 実施例における、通常のビードオン複合溶接の場合と各種開先形状の複合溶接の場合を示す図である。
【図6】 実施例におけるルートギャップのギャップ幅と溶込み深さとの関係(試験結果)を示す図である。
【図7】 溶込み深さの定義を示す図である。
【図8】 比較例としての開先形状例を示す断面図である。
【図9】 従来技術による開先形状例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 被溶接材
3 開先
10 レーザヘッド
11 レーザ光
12 キーホール
13 集光レンズ
20 アーク溶接トーチ
21 溶接ワイヤ
22 アーク
23 溶融池
31 V形開先開口部
32 継手当接部
33 平行ルートフェイス部
34 テーパ状ルートフェイス部
RG キーホール形成用間隙[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laser and arc composite welding method, and more particularly to a laser and arc composite welding method suitable for butt welding of thick plates and a groove shape of a welded joint used for the composite welding.
[0002]
[Prior art]
The combined welding method that combines laser and arc is generally welding with the laser beam leading in the welding direction and the arc following the welding direction. By utilizing the deep penetration characteristics of the laser, deeper penetration can be achieved. This is a welding method to be obtained (see, for example, Patent Document 1 and Patent Document 2). For this reason, usually, before generating the weld metal by arc welding, a laser beam is irradiated to the root gap of the groove, and the root face surface is melted by laser, and then the weld metal by arc welding is allowed to flow in. Has been taken.
The groove shape used for such laser-arc combined welding is as shown in FIG. The groove A in FIG. 5A is based on the above-mentioned Patent Document 1, and the groove B in FIG.
[0003]
[Patent Document 1]
JP 10-216972 A (claims, paragraphs [0012]-[0015], FIG. 1, FIG. 2)
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-225782 (Claims, paragraphs [0013]-[0017], FIG. 1)
[0004]
In the groove A, a root gap 51 having a gap width of 0 to 0.6 mm and a root face surface parallel to the bottom of the V-shaped groove 50 is provided. On the other hand, the groove B is provided with a narrow V-shaped root gap (laser light guide gap) 52 having a starting end width equal to or smaller than the beam diameter following the bottom of the V-shaped groove 50. The abutting portion 53 is provided following the bottom portion.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the construction, the root gap is reduced due to welding heat shrinkage, so that welding of the groove A is difficult. Further, in order to strictly observe the lower limit value of the route gap, it is necessary to restrain the welded joint. However, if the joint restraining means is provided, there is a problem that it takes time and time and the welding cost increases. Therefore, in the construction work, a groove having an abutting portion like the groove B is less susceptible to thermal shrinkage.
However, in Patent Document 2, it is specified that the gap width gradually decreases as the V-shaped route gap (laser light guide gap) moves toward the groove back surface. Further, the upper limit value of the gap width on the start end side (groove surface side) of the V-shaped route gap (laser light guide gap) is defined to be equal to or less than the spot diameter of the laser beam.
Since the spot diameter of the laser beam is generally 1 mm or less, usually 0.4 to 0.8 mm, the penetration depth increases even with a root gap that is as small as this, compared to a groove without a root gap. The amount of increase is not always sufficient in the field of thick plate welding.
Further, when a document corresponding to the example of Patent Document 1 was investigated, a 7 kW high output CO 2 laser was reported, but in order to obtain a sufficient penetration depth in a 4 kW low output YAG laser. Is still inadequate.
[0006]
Therefore, an object of the present invention is to provide a laser and arc composite welding method that can obtain a sufficient penetration depth even with a low-power laser, and to provide a groove shape suitable for the composite welding. is there.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The laser and arc combined welding method according to the present invention is a method of combining a butt joint in which two workpieces are contacted without a gap with a laser and an arc.
Laser the gap width on the front side of the groove, that is, on the laser beam incident side, the groove opening and the contact surface of the material to be welded, and below the contact surface, that is, on the back side of the groove. A keyhole forming gap that is equal to or greater than the spot diameter of the light beam / waist part is provided, and a laser beam is irradiated onto the weld pool formed by arc welding to form a keyhole, and the weld metal by arc welding is applied to the weld metal. It welds by making it flow in into the gap for keyhole and keyhole formation.
[0008]
In the present invention, the gap between the groove butting surfaces (that is, the keyhole forming gap) is set to be equal to or larger than the laser beam spot diameter, and the laser beam is not directly irradiated to the unmelted groove, but arc welding is performed. It is important to irradiate the molten pool formed by Therefore, even if the root gap is equal to or larger than the spot diameter of the laser beam, the laser beam does not pass through the root gap but forms a keyhole on the molten pool formed by arc welding. And since a root gap is larger than a prior art, the penetration depth of a keyhole increases, As a result, a keyhole with a penetration depth larger than a prior art can be formed easily.
[0009]
An important point of the present invention is also the positional relationship between the contact surface of the workpiece and the keyhole forming gap. That is, by positioning the contact surface of the workpiece to be closer to the laser beam incidence side than the keyhole forming gap, the groove shape as shown in FIG. Compared to the case where the laser beam is incident on the contact surface, deeper penetration can be obtained.
The reason for this will be described.
In general, in laser / arc combined welding, the focus of the laser beam is approximately the same height as the molten pool surface, that is, near the bottom of the V-shaped opening. In the present invention, the focal point of the laser beam is near the upper part of the contact surface of the material to be welded. Therefore, in the present invention, the contact surface of the material to be welded is melted in the state where the energy density of the laser beam is the highest, and then the molten metal flows into the keyhole forming gap to form the keyhole.
On the other hand, in the groove shape as shown in FIG. 8, the laser beam reaches the contact surface of the material to be welded after forming the keyhole in the keyhole forming gap. Therefore, the laser power is attenuated by the formation of the keyhole, and since it is away from the focal point of the laser beam, the energy density is also reduced. Therefore, if the length of the keyhole forming gap is increased in order to obtain deep penetration, the contact surface of the workpiece is not melted.
Therefore, in the present invention, deep penetration can be obtained even with a low-power laser. The penetration depth is represented by P in FIG.
In addition, since the material to be welded is in contact with the contact surface, a root gap having a predetermined width (that is, a keyhole forming gap larger than the laser beam spot diameter) may be reduced due to thermal contraction of welding. There is no. Therefore, it is not necessary to provide joint restraint means, and the welding cost can be reduced.
[0010]
In addition, the laser and arc combined welding method of the present invention is characterized in that a keyhole is penetrated and single-sided backside welding is performed.
[0011]
In the present invention, as described above, the keyhole forming gap having a gap width equal to or larger than the spot diameter of the laser beam is provided below the contact surface of the workpiece to be welded, that is, on the groove back surface side. Deep keyholes can be formed without attenuation. Therefore, even in the case of a thick plate, it is possible to penetrate the keyhole, and back wave welding can be performed from one side.
[0012]
In the laser and arc combined welding method of the present invention, the root face surface constituting the keyhole forming gap is welded to a groove parallel to the incident direction of the laser beam, Or it welds with respect to the groove | channel which has a divergent shape in the incident direction of a laser beam, or a parallel part and a divergent part.
[0013]
That is, in the present invention, the keyhole forming gap is either a portion parallel to the laser beam incident direction (incident optical axis), a divergent portion, or a portion having a parallel portion and a divergent inclined portion. The depth of penetration can be increased by setting the keyhole forming gap to be equal to or larger than the spot diameter of the laser beam.
However, if the width of the keyhole formation gap is made too large, sink marks (underfill) on the bead surface will increase due to dropout of the weld metal and surface tension, so the width of the keyhole formation gap is greater than the laser beam spot diameter. And 4 mm or less.
[0014]
The length of the thickness direction of the workpieces abutment surface, in concrete terms, it is 0.5mm or 3.0mm or less.
[0015]
The total length of the keyhole forming gap and the welded material contact surface in the plate thickness direction is preferably 6 mm or more.
[0016]
The laser used in the present invention is preferably a YAG laser.
As the arc, a consumable electrode type arc or a non-consumable electrode type arc to which filler wire is added is used.
[0017]
Further, a groove shape suitable for the laser and arc composite welding of the present invention is:
First , a keyhole formation having a groove opening on the front side having a V shape or a similar shape, a joint contact portion on the intermediate portion, and at least a parallel portion on the back side. The width of the parallel part of the keyhole forming gap is equal to or greater than the spot diameter of the laser beam beam waist .
[0018]
Second, the groove shape is V-shaped or similar to the groove opening portion on the front surface side, the joint contact portion at the intermediate portion, and the key on the back surface side that widens toward the groove back surface. The gap width at the groove back surface of the keyhole formation gap is equal to or greater than the spot diameter of the laser beam beam waist .
[0019]
Thirdly, in the first groove shape, the end on the back surface side of the keyhole forming gap is widened toward the end.
[0020]
By adopting the groove shape of such a butt joint, it is possible to perform combined welding of a laser and an arc having a good bead shape and a deep penetration depth.
[0021]
The width of the keyhole forming gap is 4 mm or less, and the length of the joint abutting portion in the plate thickness direction is 0 . It is preferably 5 mm or more and 3.0 mm or less.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram showing an outline of the laser and arc composite welding method of the present invention, FIG. 2 is a top view of the welded portion, and FIG. 3 is a schematic diagram showing the operation of the composite welding method. In these drawings, reference numerals 1 and 2 denote materials to be welded, and a groove 3 having a predetermined shape is machined on a butt surface along the weld line. The groove 3 will be described in detail later. The welding progress direction is a direction indicated by an arrow. Here, the laser head 10 is disposed in front of the welding progress direction, and the welding torch 20 is disposed behind the laser head 10 to perform butt welding. That is, the laser beam 11 converged from the laser head 10 is irradiated onto the molten pool 23 by the arc 22 generated from the tip of the welding wire 21 of the arc welding torch 20, and the keyhole 12 is moved by the laser beam 11 to the molten pool 23. The situation of welding while forming is shown. In addition, A represents a laser focus, B represents an arc generation point, 24 represents a welding tip, and 25 represents a weld bead.
[0023]
In this embodiment, the laser head 10 is installed perpendicular to the welding line, and the arc welding torch 20 is installed with a torch angle θ with respect to the vertical line perpendicular to the welding line inclined at an advancing angle of 30 °. Further, although a YAG laser is used as the laser, it is not particularly limited to this. The welding by the arc welding torch 20 is preferably consumable electrode type gas seal arc welding (MGAW). Although it is also possible to use non-consumable electrode, in this case has preferably the TIG arc welding using filler wire. The distance LA between the irradiation position A of the laser beam 11 and the target position B of the arc 22 is suitably in the range of 0 to 2 mm.
[0024]
The laser head 10 converges laser light guided through an optical fiber, an optical system, or the like with a condenser lens 13 and irradiates a predetermined position with spot light 11 called a so-called beam waist. ing. If necessary, a nozzle (not shown) for injecting an assist gas (for example, argon gas) is provided coaxially with the laser head 10 or separately in the vicinity thereof.
[0025]
The arc welding torch 20 generates an arc 22 from the tip of the welding wire 21 that is automatically fed, and mainly melts the welding wire 21 by the heat of the arc 22 to generate a molten pool 23. Further, during arc welding, a shielding gas (for example, an inert gas such as Ar, an active gas such as CO 2 , or a mixed gas of Ar and CO 2 ) is ejected through the arc welding torch 20.
[0026]
FIG. 4 is a sectional view showing an example of a basic groove shape applied to the composite welding method of the present invention.
The basic shape of the groove shape is mainly divided into the following three types.
(1) Parallel groove type (see FIG. 4 (a))
(2) Reverse V groove type (see Fig. 4 (b))
(3) Compound groove type (see FIG. 4 (c))
[0027]
(1) Parallel groove type (see FIG. 4 (a))
The parallel groove mold has a joint contact between a V-shaped groove opening 31 formed on the surface side (upper surface side) of the workpieces 1 and 2 and an intermediate portion formed by the end surfaces of the workpieces 1 and 2. It is a groove shape which consists of the part 32 and the root face part 33 parallel to the plate | board thickness direction formed in the back surface side of the to-be-welded material 1,2. The root gap RG, which is a gap between the parallel root face portions 33 (referred to as portions where the root face surfaces are parallel) facing each other, is the beam waist portion of the laser light (or Japanese Patent Laid-Open No. 10-225782). It is set to be equal to or larger than the spot diameter of the described focal parallel portion. In this specification, the gap between the groove butting surfaces, that is, the root gap RG, which is set to a gap larger than the laser beam spot diameter is referred to as a “keyhole forming gap” in this specification.
[0028]
(2) Reverse V groove type (see Fig. 4 (b))
The reverse V groove mold is formed by connecting a V-shaped groove opening 31 formed on the surface side (upper surface side) of the workpieces 1 and 2 and an intermediate joint contact formed by the end surfaces of the workpieces 1 and 2. It is a groove shape including a contact portion 32 and a divergent tapered root face portion 34 formed on the back side of the materials 1 and 2 to be welded. The keyhole forming gap RG is defined by the gap width of the back surface of the material to be welded that is the widest in the tapered root face portion (referred to as a portion where the root face surface is a divergent inclined surface) 34. . That is, the maximum gap width RG is set to be equal to or larger than the laser beam spot diameter.
[0029]
(3) Compound groove type (see FIG. 4 (c))
The composite groove type is a composite (combination) of the parallel groove type and the reverse V groove type, and a joint contact portion 32 is provided continuously at the bottom of the V-shaped groove opening 31, This is a groove shape in which a root face portion 33 and a tapered root face portion 34 that are parallel to the joint abutting portion 32 are provided. In this case, the keyhole forming gap RG is defined by the gap between the parallel route face portions 33, and the gap is set to be larger than the spot diameter of the laser beam. The tapered root face portion 34 is intended to adjust the back bead shape in this example, and therefore the depth (thickness) DB is reduced.
[0030]
Note that the groove angle α, the depth Dg, the thickness RT of the joint contact portion 32, the depth (thickness) LP of the parallel route face portion 33, and the taper shape of the V-shaped groove opening 31 described above. The taper angle β and the depth (thickness) DB of the root face portion 34 are determined according to the plate thickness of the workpiece, welding conditions (laser output, welding current / voltage, welding speed, etc.) and the like.
The gap width of the keyhole forming gap RG is set to 4 mm or less. Further, the thickness RT of the joint contact portion 32 is preferably less than 50% of the laser penetration ability at the welding speed. Specifically, it is 0.5 mm or more and 3.0 mm or less. Although the laser penetration ability varies depending on the welding speed, if the thickness RT of the joint abutting portion 32 is too large, a desired deep penetration cannot be obtained. On the other hand, if the thickness RT of the joint contact portion 32 is too small, the abutting effect of the material to be welded is weakened and the predetermined keyhole forming gap RG cannot be maintained due to welding heat shrinkage. Therefore, the thickness RT of the joint contact portion 32 is set to 0.5 mm or more and 3.0 mm or less.
Further, the length of the keyhole forming gap RG, that is, the total length (LP + RT) of the thickness LP of the parallel route face portion 33 (including the tapered route face portion 34) and the thickness RT of the joint contact portion 32 is The laser penetrating ability is preferably 120% or more, or 6 mm or more.
[0031]
Needless to say, the present invention includes a shape similar to the groove shape. For example, the sectional shape of the groove opening 31 is not limited to the V shape, and may be a U shape or an arc shape similar to the V shape. Further, in the composite groove type, the shape continues from the V-shaped groove opening 31 to the joint contact portion 32, followed by the parallel route face portion 33, and then the tapered route face portion 34. The shape may be continued from the shape groove opening portion 31, the joint contact portion 32, the tapered route face portion 34, and the parallel route face portion 33.
[0032]
The laser and arc combined welding of the present invention is performed using the groove 3 formed in any of the above groove shapes. This composite welding method will be described with reference to FIGS.
First, the arc 22 is generated from the tip of the welding wire 21 of the arc welding torch 20, and the molten pool 23 is formed in the V-shaped groove opening 31 of the groove 3. After the weld pool 23 is formed, the laser beam 11 converged by the laser head 10 is irradiated perpendicularly to the weld line from above the weld pool 23 in the vicinity of the arc 22. The laser beam 11 is irradiated so that the (geometrical) focal position is located at the bottom of the V-shaped groove opening 31 (that is, the upper end of the joint contact portion 32) or slightly above. The distance LA between the laser and the arc is set within a range of 0 to 2 mm. Then, the root gap provided on the back surface side of the groove 3 (the back surface side of the material to be welded) is equal to or greater than the spot diameter of the laser beam, so that the laser beam is directly on the weld pool 23 from above the weld pool 23. Can be easily formed, and the deep keyhole 12 can be easily formed to the deep part of the groove 3 (the deep part in the plate thickness direction of the welded material). Therefore, the weld metal by arc welding flows into the deep keyhole 12 and the keyhole forming gap. Therefore, since a deep keyhole can be formed even with a relatively low output laser such as a YAG laser, the deposited metal is placed in the keyhole 12 and the keyhole forming gap RG while forming the keyhole 12 in this way. By making it flow, butt welding with a deep penetration depth becomes possible.
In addition, since the welded materials 1 and 2 are in contact with each other at the joint contact portion 32, the predetermined gap width of the keyhole forming gap RG is not reduced due to thermal contraction of welding.
[0033]
【Example】
An embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 5A shows the case of normal bead-on composite welding, FIG. 5B shows the case of Y-groove composite welding, and FIG. 5C shows the case of Y-type groove composite welding, with a keyhole forming gap. In this case, (d) is a case of the groove-shaped (parallel groove type) composite welding of the present invention. The specifications and test conditions of the test piece, laser, arc, etc. used in the experiment are as follows.
Figure 0004026452
[0034]
FIG. 6 shows the relationship between the root gap gap width and penetration depth (test results) in the composite welding of the groove shape (Y-shaped groove with a gap for forming a keyhole) in FIG. ). FIG. 7 is a diagram showing the definition of the penetration depth. The penetration depth P is a distance from the upper end of the joint contact portion 32 at the bottom of the groove opening 31 to the lowest end of the groove melting portion.
[0035]
First, when bead-on composite welding is performed on a flat test piece shown in FIG. 5A, the penetration depth P is the same as that in the case of laser single welding (may be reduced). That is, the penetration depth is about 5 mm.
Next, in the case of the Y-shaped groove shown in FIG. 5B, the penetration depth is almost the same as in the case of bead-on when there is no gap for forming the keyhole (zero gap).
On the other hand, even in the case of the Y-shaped groove shown in FIG. 5C, when the keyhole forming gap is provided as in the present invention, the penetration depth is greatly increased as shown in FIG. To do. For example, when the gap width RG is 1.0 mm which is equal to or greater than the spot diameter, the penetration depth is 10 mm. When the gap width RG is 0.5 mm equivalent to the spot diameter, the penetration depth is about 7.0 mm.
However, the penetration depth tends to decrease rapidly when the gap width RG becomes too large. Further, the penetration depth is affected by the distance LA between the laser and the arc, but in the range of LA = 0 to 2 mm, the upper limit value of the gap width RG is suitably 4 mm. The reason for this is that if the gap width is further increased, the melt-down occurs as described above.
Further, in the case of the groove shape of the present invention shown in FIG. 5D, the penetration depth is almost the same as that of the Y-shaped groove in FIG.
[0036]
FIG. 8 is a groove shape example shown as a comparative example. 4A is a groove having a shape in which the joint contact portion and the root gap portion of the parallel groove type in FIG. 4A are turned upside down, and FIG. 4B is the reverse of FIG. This is a groove having a shape in which the V groove type joint contact portion and the root gap portion are vertically inverted. That is, the groove in FIG. 8 (a) is connected to the V-shaped groove opening 31 with the joint abutting portion 32 on the lower side and the parallel route face portion 33 on the upper side in the reverse direction. ) Is similarly connected to the V-shaped groove opening 31 with the joint contact portion 32 on the lower side and the tapered route face portion 34 on the upper side.
In the case of the groove of these comparative examples, it has been confirmed by experiments that the maximum plate thickness at which a through bead is obtained by single-sided welding is reduced as compared with the groove (Example) of FIGS. 4 (a) and 4 (b). Has been. Further, when welding was performed under the same welding conditions, a stable back bead was formed in the groove of the example, but the back wave did not appear in the groove of the comparative example, and it was unstable.
[0037]
The reason for such a test result is considered as follows.
(1) The laser power should decrease as it goes deeper in the keyhole.
In the groove of the embodiment, since the joint abutting portion 32 is on the groove surface side, the joint abutting portion 32 can be melted with a sufficient power without much attenuation of the laser power. On the other hand, in the groove of the comparative example, since the joint abutting portion 32 is on the groove back side, the joint abutting portion 32 is used in a state where the laser power is consumed to dig up the molten pool and form a keyhole. Must be melted. Therefore, compared with the groove of the embodiment, the penetration depth is shallow, and a large laser output is required to obtain the penetration of the same depth.
(2) In the groove of the embodiment, not only the laser but also the arc heat input contributes to the melting of the joint contact portion 32. Therefore, less laser power is consumed for melting the joint contact portion.
[0038]
Since the penetration depth can be further increased as described above, the present invention is suitable for butt welding of thick plates, particularly butt welding of welded steel pipes, shipbuilding, general structures and the like.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the groove opening and the contact surface of the workpiece to be welded on the surface side of the groove, that is, the laser light incident side, are arranged below the contact surface. A keyhole forming gap with a gap width equal to or larger than the laser beam spot diameter is provided on the back side of the groove, and a laser beam is irradiated onto the molten pool formed by arc welding to form a keyhole. Since welding is performed by flowing a welding metal into the keyhole and the gap for forming the keyhole, there is an effect that the penetration depth can be further increased even with a low-power laser. Therefore, it is possible to perform combined welding of laser and arc on a thick plate with a small and low-cost welding apparatus.
In addition, since the material to be welded is brought into contact with the contact surface, the gap width of the keyhole forming gap does not decrease due to welding heat shrinkage, so there is no need to provide a joint restraining means, thereby reducing welding costs. Can be planned.
Further, by using the groove shape of the present invention, it becomes possible to perform combined welding of a laser and an arc having a good bead shape and a deep penetration depth.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an outline of a combined laser and arc welding method of the present invention.
FIG. 2 is a top view of the welded portion of FIG.
FIG. 3 is a schematic view showing the operation of the composite welding method of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing an example of a basic groove shape applied to the composite welding method of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing a case of normal bead-on composite welding and a case of composite welding of various groove shapes in an example.
FIG. 6 is a view showing a relationship (test result) between the gap width of the root gap and the penetration depth in Examples.
FIG. 7 is a diagram showing the definition of penetration depth.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a groove shape example as a comparative example.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing an example of a groove shape according to the prior art.
[Explanation of symbols]
1, 2 Workpiece 3 Groove 10 Laser head 11 Laser light 12 Keyhole 13 Condensing lens 20 Arc welding torch 21 Welding wire 22 Arc 23 Weld pool 31 V-shaped groove opening 32 Joint contact part 33 Parallel route face Part 34 taper-shaped root face part RG gap for keyhole formation

Claims (15)

2つの被溶接材を隙間なしで当接した突合せ継手をレーザとアークにより複合溶接する方法において、
開先の表面側、すなわちレーザ光の入射側に開先開口部とこれに続けて被溶接材の当接面を、その当接面の下方、すなわち開先の裏面側に、間隙幅をレーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上としたキーホール形成用間隙をそれぞれ設け、アーク溶接により形成される溶融池上にレーザ光を照射してキーホールを形成しながら、アーク溶接による溶着金属をそのキーホールおよびキーホール形成用間隙内に流入させることにより溶接することを特徴とするレーザとアークの複合溶接方法。
In a method in which a butt joint in which two materials to be welded are contacted with no gap is combined and welded by laser and arc,
Laser the gap width on the front side of the groove, that is, on the laser beam incident side, the groove opening and the contact surface of the material to be welded, and below the contact surface, that is, on the back side of the groove. A keyhole forming gap that is equal to or greater than the spot diameter of the light beam / waist part is provided, and a laser beam is irradiated onto the weld pool formed by arc welding to form a keyhole, and the weld metal by arc welding is applied to the weld metal. A laser and arc combined welding method characterized by welding by flowing into a keyhole and a gap for forming a keyhole.
請求項1に記載のレーザとアークの複合溶接において、
キーホールを貫通させ、片面裏波溶接を行うことを特徴とするレーザとアークの複合溶接方法。
The combined laser and arc welding according to claim 1,
A combined laser and arc welding method characterized by penetrating a keyhole and performing single-sided backside welding.
前記キーホール形成用間隙を構成するルートフェイス面が、レーザ光の入射光軸に平行になっている開先に対して溶接することを特徴とする請求項1また2記載のレーザとアークの複合溶接方法。The root face surface constituting the key hole forming gap, claim 1 or 2, wherein the laser and the arc, characterized in that welded to the groove which are parallel to the incident optical axis of the laser beam Composite welding method. 前記キーホール形成用間隙を構成するルートフェイス面が、レーザ光の入射光軸の開先裏面側に末広がり状になっている開先に対して溶接することを特徴とする請求項1または2記載のレーザとアークの複合溶接方法。3. The root face surface constituting the keyhole forming gap is welded to a groove that is divergent toward the groove back surface side of the incident optical axis of the laser beam. Combined laser and arc welding method. 前記キーホール形成用間隙を構成するルートフェイス面が、レーザ光の入射光軸に平行になっている部分とその下方の開先裏面側に末広がり状になっている部分とを有する開先に対して溶接することを特徴とする請求項1または2記載のレーザとアークの複合溶接方法。  With respect to a groove having a root face surface constituting the keyhole forming gap having a portion parallel to the incident optical axis of the laser beam and a portion that is divergent toward the groove back surface side below 3. The combined laser and arc welding method according to claim 1, wherein welding is performed. 前記キーホール形成用間隙の幅は、4mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接方法。  6. The combined laser and arc welding method according to claim 1, wherein a width of the keyhole forming gap is 4 mm or less. 前記被溶接材当接面の板厚方向の長さは、0.5mm以上3.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接方法。The length of the welding material contact surface in the thickness direction is 0 . It is 5 mm or more and 3.0 mm or less, The combined welding method of the laser and arc in any one of Claims 1-6 characterized by the above-mentioned. 前記キーホール形成用間隙と前記被溶接材当接面の板厚方向の合計長さは、6mm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接方法。The combined length of the keyhole forming gap and the welded material contact surface in the plate thickness direction is 6 mm or more, and the combined laser and arc according to any one of claims 1 to 7. Welding method. レーザにYAGレーザを用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接方法。  9. The laser / arc combined welding method according to claim 1, wherein a YAG laser is used as the laser. アークには、消耗電極式またはフィラワイヤを添加する非消耗電極式のアークを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接方法。  10. The laser and arc combined welding method according to claim 1, wherein the arc is a consumable electrode type or a non-consumable electrode type arc to which filler wire is added. 突合せ継手のレーザとアークの複合溶接において、
開先の形状が、V形またはこれに類似する形状を有する表面側の開先開口部と、中間部の継手当接部と、裏面側の少なくとも平行な部分を有するキーホール形成用間隙部とからなり、
前記キーホール形成用間隙部の平行部の幅は、レーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上であることを特徴とするレーザとアークの複合溶接用の開先形状。
In laser and arc combined welding of butt joints,
A groove opening on the front side having a V shape or a shape similar thereto, a joint contact portion on the intermediate portion, and a keyhole forming gap portion having at least a parallel portion on the back side; Consists of
A groove shape for combined laser and arc welding, wherein the width of the parallel part of the keyhole forming gap is equal to or greater than the spot diameter of the beam waist of the laser beam.
突合せ継手のレーザとアークの複合溶接において、
開先の形状が、V形またはこれに類似する形状を有する表面側の開先開口部と、中間部の継手当接部と、開先裏面方向に末広がり状の裏面側のキーホール形成用間隙部とからなり、
前記キーホール形成用間隙部の開先裏面の間隙幅は、レーザ光のビーム・ウェスト部のスポット径以上であることを特徴とするレーザとアークの複合溶接用の開先形状。
In laser and arc combined welding of butt joints,
A groove opening on the front side having a V shape or similar shape, a joint contact portion on the intermediate portion, and a keyhole forming gap on the back side widening toward the groove back surface. And consists of
A groove shape for combined welding of a laser and an arc, wherein a gap width of a groove rear surface of the keyhole forming gap is equal to or larger than a spot diameter of a beam waist of a laser beam.
請求項11に記載の開先形状において、
前記キーホール形成用間隙部の裏面側の端部が末広がり状になっていることを特徴とするレーザとアークの複合溶接用の開先形状。
The groove shape according to claim 11,
A groove shape for combined welding of a laser and an arc, characterized in that the end portion on the back surface side of the gap for forming the keyhole is widened toward the end.
前記キーホール形成用間隙部の幅は、4mm以下であることを特徴とする請求項11〜13に記載のレーザとアークの複合溶接用の開先形状。  The groove shape for combined laser and arc welding according to claim 11, wherein a width of the keyhole forming gap is 4 mm or less. 前記継手当接部の板厚方向の長さは、0.5mm以上3.0mm以下であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載のレーザとアークの複合溶接用の開先形状。The length of the joint abutting portion in the thickness direction is 0 . The groove shape for combined laser and arc welding according to any one of claims 11 to 14, wherein the groove shape is 5 mm or more and 3.0 mm or less.
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