JP4022880B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に蒸気を用いて調理を行う加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の加熱調理器は、加熱室内の蒸気量と温度を検知する状態検知手段と、被加熱物の種類や量に応じた蒸気量と温度に制御する温度調節部を設け、被加熱物に応じた蒸気量と温度で加熱している(例えば、特許文献1参照)。
また、過熱蒸気を加熱室に導く第1および第2の蒸気誘導手段と、被加熱物の温度を検知する温度検知手段を備え、被加熱物の温度が予め設定した温度に達した場合に第1の蒸気誘導手段への蒸気の供給を停止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−4849号公報(第4頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−141881号公報(第4−5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加熱調理器は、加熱室内の湿度、温度を検知する湿度センサ、温度センサと、被加熱物からの蒸気、温度、発生ガス、含水量、圧力を検知する状態センサを用いたり、あるいは複数の蒸気誘導手段を備えているため、コストが高くなるばかりでなく、構造や制御方法も複雑になってしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、簡単な構造で、蒸気を用いて効率よく調理を行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る加熱調理器は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室の雰囲気温度を昇温させる加熱手段と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記加熱室に収納された被加熱物の温度を検出する温度検出手段と、前記加熱手段及び前記蒸気供給手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記加熱手段及び前記蒸気供給手段を駆動制御し、 前記温度検出手段の出力が100℃より低い所定の温度に達すると、蒸気供給を停止または蒸気供給量を減少するように前記蒸気供給手段を制御し、その後、前記蒸気供給手段に費やしていたエネルギーを、前記加熱手段へ分配するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における加熱調理器を示す概略構成図である。
図1において、加熱室1には被加熱物2が収納され、加熱室1内の雰囲気温度は、例えばシーズヒータとコンベクションファンから構成される加熱手段3で加熱され上昇する。また、加熱室1には、例えば加熱室1外に設けたボイラーで蒸気を生成する蒸気供給手段4により蒸気が供給される。なお、蒸気供給手段4は加熱室1内に蒸発皿を設け、蒸発皿に水を入れて加熱室1内で加熱させて蒸気を供給する手段などを用いてもよく、蒸発の方法や蒸気をどこで生成するかなどは本実施の形態では特に限定しない。
【0008】
加熱手段3及び蒸気供給手段4はマイコンからなる制御手段5により駆動制御される。そして、制御手段5は、調理時間を設定する調理時間設定手段6または調理温度を設定する温度設定手段7からの入力に基づいて加熱手段3、蒸気供給手段4を制御する。調理時間設定手段6は、例えば使用者の手動による設定、被加熱物の重さに基づく設定、あるいは自動調理メニューキーに応じた設定、あるいは目標温度に到達するまでの推論による設定などであればよく、特に限定はしないが、本実施の形態では、操作パネル8に設けられ手動により調理時間を設定する例を用いて以下、説明する。また、温度設定手段7についても同様に手動により調理温度を設定する例を用いて以下、説明する。また、加熱室1の雰囲気温度はサーミスタなどで形成される温度検出手段9で計測され、温度設定手段7で予め設定された所定の温度になるように加熱制御される。
【0009】
次に動作について説明する。
まず、加熱室1に被加熱物2を入れて調理時間設定手段6で所定の調理時間を設定し、スタートーキー(図示せず)を操作して調理を開始する。制御手段5はスタートーキーからの入力に基づいて加熱手段3と蒸気供給手段4の駆動を開始する。蒸気供給手段4で加熱室1内に供給された蒸気は加熱手段3によってさらに昇温されて過熱状態となり、この過熱蒸気で被加熱物2を加熱する。そして、制御手段5は、温度検出手段9からの信号に基づいて温度設定手段7で設定した所定の温度を検出した後、加熱室1内の温度を一定に保つように、例えば加熱手段2への通電をon−off制御する。
【0010】
また、制御手段5は、調理時間設定手段6からの信号に基づいて蒸気供給手段4の駆動を停止する。蒸気供給手段4からの蒸気が停止することに伴い、それまで蒸気供給手段4で費やしていた電力が余ることになるが、制御手段5は、蒸気供給手段4の駆動停止後、その電力を加熱手段3で利用するように制御する。これにより、加熱室1の昇温効率を向上させることが可能となる。加熱手段3の構成は、蒸気供給手段4からの電力を利用する第2のヒータを設けてもよいし、加熱手段3への投入電力を増加するよう制御してもよい。
【0011】
そして、蒸気供給手段4の駆動停止後は、設定された総加熱時間が経過するまで蒸気供給手段4からの蒸気供給なしで加熱調理を行う。
【0012】
過熱された蒸気を用いて調理を行うことにより、被加熱物2に水分が付加し、しっとりとした仕上がりになる。特に加熱調理の初期段階で過熱蒸気を用いると、被加熱物2への凝縮による潜熱の効果によって被加熱物2の受熱速度が大きくなるという効果がある。
【0013】
一方、加熱室1に蒸気が充満している場合、蒸気の比熱は空気よりも高いため、蒸気が充満していない場合と同温度に上昇させるためにはより多くのエネルギーが必要となる。さらに、調理の最初から最後まで蒸気を供給しようとすると、蒸気を昇温させるために多くのエネルギーが必要となってしまう。
【0014】
本実施の形態では、調理の最初から最後まで蒸気を供給するのではなく、調理が進行した所定の段階で、蒸気供給手段4への蒸気供給を停止させるようにしている。具体的には、蒸気供給手段4への蒸気供給を停止させる所定の段階を調理時間設定手段6によって設定した総加熱時間の1/2が経過した段階とした。調理の種類によって加熱時間はそれぞれ異なるが、蒸気供給を停止させる段階を、総加熱時間の1/2と設定したので、簡単なプログラムでの制御が可能となる。また、湿度センサなどの複雑な構成も必要としない。
【0015】
また、加熱の途中で蒸気供給を停止することにより、蒸気供給停止後は徐々に空気の比率が高まり、少ないエネルギーで目標温度に到達させることができる。
【0016】
従来、特に一般家庭用の100V電源で加熱調理を行う場合、一般的に家庭用コンセントの電源用量の上限は15Aであることから、加熱手段3への通電と蒸気供給手段4への通電を同時に行いながら、かつ加熱室1内の雰囲気温度を速く昇温させるためには、十分な電力量を得ることができなかった。しかしながら、本実施の形態では、蒸気供給を停止した後、それまで蒸気供給手段4で使用していた分の電力を加熱手段3で利用すようにしたので、加熱室1内の雰囲気温度を速く昇温させることが実現できる。
【0017】
実施の形態1によれば、加熱の途中までは蒸気供給しているので、過熱蒸気による調理を行う過熱蒸気調理の機能を持ちつつ、加熱室1内の昇温速度も速くし、被加熱物への受熱速度を上げることができる。また、湿度センサなどが不要であるため簡単な構成で実現できる。
【0018】
実施の形態2.
実施の形態1では所定の段階を経過した後、加熱室への蒸気供給を停止させるように制御する例を示したが、実施の形態2では、所定の段階を経過した後、加熱室への蒸気供給量を減少させるように蒸気供給手段を制御する例を示す。所定の段階は、実施の形態1と同様、予め設定された総加熱時間の1/2が経過した段階としてもよい。また、蒸気供給手段からの蒸気が減少することに伴い、それまで蒸気供給手段で費やしていた電力が余ることになる。その電力は、加熱手段で利用することで加熱室の昇温に費やすことが可能となる。加熱手段については、実施の形態1と同様に第2のヒータを設けてもよいし、加熱手段3への投入電力を増加するよう制御してもよい。この構成により、実施の形態1と同様の効果がある。
【0019】
実施の形態3.
実施の形態3では、温度検知手段で加熱室内の雰囲気温度を検出し、その結果に基づいて加熱室への蒸気供給を停止または供給量を減少させる例を示す。温度検知手段には、例えばサーミスタなどの温度検出素子を用いる。サーミスタなどの温度検出素子は、従来からオーブンレンジなどの加熱調理器で一般的に使用されているものでよい。
【0020】
図2は加熱室の雰囲気温度の上昇曲線を示す特性図であり、加熱手段の出力によって異なる。図中、Xは加熱手段の出力が大きい場合の温度上昇曲線、Y(実線)は蒸気供給手段と加熱手段を併用する場合など、加熱手段の出力が小さい場合の温度上昇曲線、Zは所定の段階(a点)で蒸気供給手段への電力投入を切り、加熱手段の出力を大に切替えた場合の加熱室の温度上昇曲線を示している。特に高温調理を行う場合、目標温度(b点)に近づいてくると、昇温速度が遅くなってくるという特性がある。例えば、曲線Yに示すとおり、加熱手段の出力が蒸気供給手段との併用により小さい場合は、なかなか目標温度(例えば250度)に到達しないことがわかる。
【0021】
そこで、曲線Zに示すとおり、調理の途中(a点)で蒸気供給手段を停止し、蒸気供給手段で使用していた電力を加熱手段に利用することにより、早く目標温度に到達させることができる。また、特に高温で焦げ付けが必要な調理を行う場合には、早く調理を終了することができる。さらに、200度に到達するまでは十分な過熱蒸気による調理が可能であり、仕上がりもよい。
【0022】
実施の形態3によれば、過熱蒸気調理の効果を十分持ちつつ、加熱室の温度昇温を速くすることができるという効果がある。
【0023】
実施の形態4.
実施の形態3では温度検知手段で加熱室内の雰囲気温度を検出して加熱室への蒸気供給を停止または供給量を減少させる例を示したが、実施の形態4では、温度検出手段で加熱室の壁面温度を検出し、その結果に基づき蒸気供給手段を制御する例を示す。温度検出手段にはサーミスタなどの温度検出素子を用いる。サーミスタなどの温度検出素子は、オーブンレンジなどの加熱調理器では一般に使用されているものであり、安価に入手可能である。また、実施の形態3に比べ、加熱室の蒸気に暴露されることがないので、より安価な素子を用いることができるといったメリットがある。
【0024】
加熱室の壁面温度の上昇曲線は、加熱手段の出力によって異なる。加熱手段の出力が蒸気供給手段との併用のため小さい場合は、なかなか壁面温度も昇温しない。また、壁面温度は主に加熱室内の雰囲気との対流伝熱で昇温するので、壁面温度が上昇しないことは、加熱室内の雰囲気温度の上昇も遅いことを示している。そこで、壁面温度に基づく調理中の所定の段階で、蒸気供給手段を停止し、加熱手段に電力を利用すると加熱室の雰囲気温度の上昇速度が上がり、早く目標温度に到達させることができる。また、特に高温で焦げ付けが必要な調理を行う場合には、早く調理を終了することができる。
【0025】
本実施の形態では、蒸気供給手段を停止または供給量を減少する所定の段階を例えば壁面温度が130度にする。壁面温度が130度に到達するまでは十分な過熱蒸気による調理が可能で、仕上がりもよい。
【0026】
実施の形態4によれば、過熱蒸気調理の効果も十分持ちつつ、加熱室の温度昇温も早くすることができる。また、温度検出素子が加熱室外にあるため水蒸気の暴露を受けず、より安価な素子で実現可能であるという効果がある。
【0027】
実施の形態5.
図3はこの発明の実施の形態5における加熱調理器を示す概略構成図、図4は加熱室の雰囲気温度と被加熱物の温度の上昇曲線を示す特性図であり、加熱手段の出力によって異なる。図中、実施の形態1及び実施の形態3と同一の部分には同じ符合を付し説明は省略する。実施の形態5は、被加熱物の温度を検出する温度検出手段を備え、その検出結果に基づいて蒸気供給手段を制御する例を示す。
【0028】
図3において、被加熱物2の温度は温度検出手段10により検出される。また、被加熱物2は温度検出手段10の検出エリア11に少なくともその一部が入るように載置される。なお、温度検出手段10は例えば赤外線検出素子であるサーモパイルなどの温度検出素子を用いればよい。サーモパイルなどの非接触型の温度検出素子は、従来からオーブンレンジなどの加熱調理器で使用されている。図4において、曲線X、曲線Y、曲線Zについては図2と同じであるので説明を省略する。図中、Lは加熱手段の出力が大きい場合の被加熱物の温度上昇曲線、M(実線)は蒸気供給手段と加熱手段を併用する場合など、加熱手段の出力が小さい場合の被加熱物の温度上昇曲線、Nは所定の段階(a点)で蒸気供給手段への電力投入を切り、加熱手段の出力を大に切替えた場合の被加熱物の温度上昇曲線を示している。
【0029】
被加熱物2を過熱蒸気で調理する場合、被加熱物2の表面が100度以下の初期の段階では被加熱物2への結露がおこる。これは加熱室1内の水蒸気が被加熱物2の表面温度が100度以下であるために表面上で凝縮するからである。この時、被加熱物2には過熱蒸気が持つ凝縮潜熱が与えられ、図4に示すように被加熱物2の昇温速度は加速される。
【0030】
被加熱物2が100度に達すると、被加熱物2表面に付いた水分が蒸発する。その時、被加熱物2表面からは蒸発潜熱が奪われ、見かけ上被加熱物2の昇温速度は鈍化する。この段階で被加熱物2を早く昇温させるためにはより多くの熱を与えることが必要である。そこで、本実施の形態では被加熱物2の表面温度が100度に到達する前に、蒸気供給を停止、あるいは減少させて加熱室1の蒸気成分を減じ、加熱室1の雰囲気の加熱速度を加速するように制御する。さらに、蒸気供給を停止、あるいは減少させた後、蒸気供給手段4で使用していた電力を加熱手段3に回すことが効果的であることは上述の実施の形態と同様である。
【0031】
そして、被加熱物2の表面温度が100度を超えて再び上昇し始めたら、再度蒸気を投入し、過熱蒸気調理を行うようにしてもよい。あるいは、加熱室1の雰囲気温度を早く上げることに主眼をおきたい場合は、そのまま蒸気を停止しておいてもよい。
【0032】
実施の形態5では、被加熱物の表面温度を検知して、被加熱物が所定の温度に達した後、蒸気供給を停止あるいは減少するように蒸気供給手段を制御するので、非常に効率のよい調理を行うことができる。また、被加熱物が100度を超えた時点で再び蒸気を投入すると、蒸発潜熱に奪われる期間を短縮することができる。
【0033】
実施の形態6.
実施の形態6は、加熱調理器の扉などに用いられるガラスの表面温度を検出する温度検出手段を備え、その検出結果に基づいて蒸気供給手段を制御する例を示すものである。温度検出手段は、例えば実施の形態5同様に赤外線検出素子であるサーモパイルなどの温度検出素子が用いればよい。サーモパイルなどの非接触型の温度検出素子は、従来からオーブンレンジなどの加熱調理器で使用されている。なお、ガラスの表面温度を検知する温度検出手段はこれに限ったものではなく、例えばガラス面にサーミスタを設置して温度を測定するようにしてもよい。
【0034】
実施の形態5では被加熱物の温度を検出する例を示したが、被加熱物の温度を検出するには、被加熱物がどこにおかれても温度検出できるように、サーモパイルを複眼化することや、サーモパイルを駆動式にすることなどが必要である。また、使用者に中央に置いてもらうよう取扱い説明書などで指示を与えるなどの対応で対処することも可能であるが、本実施の形態では、さらに使い勝手、制御の精度を向上させるために、扉などに用いられるガラスの表面温度を検出することで被加熱物の温度検出に代用する。
【0035】
図5は加熱室の雰囲気温度、ガラス面温度、被加熱物の温度の上昇曲線を示す特性図である。図中、曲線X、曲線Y、曲線Z、曲線L、曲線M、曲線Nは図2または図4と同じであるので説明を省略する。Oは加熱手段の出力が大きい場合のガラス面の温度上昇曲線、Pは蒸気供給手段と加熱手段を併用する場合など、加熱手段の出力が小さい場合のガラス面の温度上昇曲線、Qは所定の段階(a点)で蒸気供給手段への電力投入を切り、加熱手段の出力を大に切替えた場合のガラス面の温度上昇曲線を示している。図に示すように、曲線Lと曲線O、曲線Mと曲線P、曲線Nと曲線Qから被加熱物の温度上昇カーブとガラス面の温度上昇カーブはよく似ていることがわかる。これは、ガラス面の熱容量が加熱調理器の他の部分に比べて被加熱物に近いためである。
【0036】
調理開始後、しばらくの間はガラスの表面温度が100度以下であるため、ガラスの表面には結露が生じる。したがって、蒸気の凝縮潜熱により受熱速度が上昇し、ガラス面温度の上昇が加速される。その後、凝縮した水滴が再び気化するため、気化熱が必要となり、ガラス面の昇温が停滞する。これは被加熱物の昇温カーブと似ている。そこで、ガラスの表面温度が100度に到達する前の所定の段階(a点)(例えば80度)で蒸気供給を停止、あるいは減少して加熱室の蒸気成分を減じ、加熱室の加熱速度を加速するように蒸気供給手段の駆動を制御する。また、蒸気供給を停止あるいは減少後、蒸気供給手段で使用していた電力を加熱手段3に回すことが効果的であることは上述の実施の形態と同様である。
【0037】
そして、ガラスの表面温度が100度を超えて再び上昇し始めたら、再度蒸気を投入し、過熱蒸気調理を行うようにしてもよい。あるいは、加熱室1の雰囲気温度を早く上げることに主眼をおきたい場合は、そのまま蒸気を停止しておいてもよい。
【0038】
実施の形態6によれば、ガラスの表面温度を検知し、ガラス面が所定の温度に達した後、蒸気供給を停止あるいは減少するように蒸気供給手段を制御するので、非常に効率のよい調理を行うことができる。また、ガラス面の表面温度が100度を超えた時点で再び蒸気を投入すると、蒸発潜熱に奪われる期間を短縮することができる。
【0039】
実施の形態7.
実施の形態7は、調理開始直後は蒸気を供給させないように蒸気供給手段を制御する例を示す。一般に蒸気は100度以下に冷やされると凝縮して液体になり結露する。したがって、調理開始直後に蒸気が投入された場合は、被加熱物はもちろんのこと、壁面やガラス面も室温に近いため、投入された蒸気の大部分が被加熱物だけでなく、壁面やガラス面に結露することになる。そうすると、これら壁などに結露した水が再び蒸気になる時に、凝縮潜熱が必要になり、その間の被加熱物への受熱速度が遅くなる。また、加熱室の壁面などの被加熱物以外の余分なところへ結露すると、調理に利用する水を供給するためにはより多くの水が必要となるといった課題が生じる。調理に利用する水を多く供給するためには、家庭用加熱調理器の場合、水道管直結式も考えられるが、一般的にはタンク式の方が使い勝手がよい。さらにタンク式の場合は使用水量が少ない方がより使い勝手がよい。
【0040】
本実施の形態では、調理開始直後は蒸気を供給させないようし、加熱室の雰囲気温度が所定の温度に達した段階で、蒸気供給手段により加熱室に蒸気が供給されるようにした。加熱室に蒸気が供給される段階は、例えば調理開始後3分後、あるいは調理時間の10%経過後、あるいは壁面温度が所定温度(例えば70度)に到達した時、またはガラス面温度が所定温度(例えば50度)に到達した時、または被加熱物温度が所定温度(例えば50度)に到達した時、などというように設定すればよい。
【0041】
なお、蒸気供給手段が駆動して加熱室に蒸気が供給されらた後は上述の実施の形態1〜6で述べてきたような制御を行えばよい。
【0042】
実施の形態8.
実施の形態7では調理開始直後、蒸気を供給させないように蒸気供給手段を制御する例を示したが、実施の形態8は、調理開始直後は蒸気の供給量を抑制し、所定の段階で通常の供給量で制御する例を示す。
【0043】
本実施の形態では、抑制する供給蒸気量を通常モードでの供給量の50%とした。また、どの段階で通常モードにするかは、例えば、調理開始後3分後、調理時間の10%経過後、壁面温度が所定温度(例えば70度)に到達した時、ガラス面温度が所定温度(例えば50度)に到達した時、被加熱物温度が所定温度(例えば50度)に到達した時、などというように適宜設定すればよい。
【0044】
なお、蒸気供給手段が通常モードで駆動された後は、上述の実施の形態1〜6で述べてきたような制御を行えばよい。
【0045】
実施の形態9.
実施の形態9では、加熱手段として例えばシーズヒータとコンベクションファンから構成されるようなヒータ加熱手段と高周波による高周波加熱手段の両方を備えた加熱調理器について説明するものである。
【0046】
高周波加熱手段によりマイクロ波を発生させている間は、蒸気供給手段やヒータ加熱手段は停止し、高周波加熱手段に電力を供給して使用する。蒸気供給手段やヒータ加熱手段を動作させる場合は高周波加熱手段の駆動を停止し、蒸気供給手段やヒータ加熱手段に電力を供給する。つまり、電子レンジ機能と、ヒータ加熱機能は同時には使用しないようにした。これは、家庭用電力が100Vの場合は一般に15Aが上限であるためである。ヒータ加熱手段と蒸気供給手段の駆動制御については上述の各実施の形態と同様である。
【0047】
実施の形態9によれば、電子レンジ機能とヒータ加熱機能を合わせ持つことで、機器を2つ持たなくてよいといった利点や、同じ被加熱物を電子レンジ機能からヒータ加熱機能へと連続して調理する場合に被加熱物を他の機器に入れ替える手間を省け、使い勝手がよいという効果がある。
【0048】
【発明の効果】
この発明は、調理中における所定の段階で蒸気供給を停止または蒸気供給量を減少するように蒸気供給手段を制御し、その後、蒸気供給手段に費やしていたエネルギーを、加熱手段へ分配するようにしたので、過熱蒸気による調理を効率よく行うことができるとともに、加熱室内の昇温速度を速くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における加熱調理器を示す概略構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態3を示す加熱室の雰囲気温度の特性図である。
【図3】 この発明の実施の形態5における加熱調理器を示す概略構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態5を示す加熱室の雰囲気温度と被加熱物の温度の特性図である。
【図5】 この発明の実施の形態6を示す加熱室の雰囲気温度、ガラス面温度、被加熱物の温度の特性図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2 被加熱物、3 加熱手段、4 蒸気供給手段、5 制御手段、6 調理時間設定手段、7 温度設定手段、8 操作パネル、9 温度検出手段、10 温度検出手段、11 検出エリア。
Claims (4)
- 被加熱物を収納する加熱室と、
前記加熱室の雰囲気温度を昇温させる加熱手段と、
前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給手段と、
前記加熱室に収納された被加熱物の温度を検出する温度検出手段と、
前記加熱手段及び前記蒸気供給手段の駆動を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記加熱手段及び前記蒸気供給手段を駆動制御し、
前記温度検出手段の出力が100℃より低い所定の温度に達すると、蒸気供給を停止または蒸気供給量を減少するように前記蒸気供給手段を制御し、その後、前記蒸気供給手段に費やしていたエネルギーを、前記加熱手段へ分配するようにしたことを特徴とする加熱調理器。 - 前記温度検出手段は、前記加熱室に収納された被加熱物の温度に代えて、前記加熱の扉の一部を構成しているガラスの表面温度を検出することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記温度検出手段の出力が100℃を超えると、前記蒸気供給手段を駆動制御し、前記加熱手段及び前記蒸気供給手段による過熱蒸気調理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理器。
- 前記制御手段は、調理開始直後は蒸気を供給させないように制御することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の加熱調理器。
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