JP4022313B2 - 吊り・滑り併用型の免震・防振構造物 - Google Patents
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この発明は、自己復元機能を有する吊り免震方式と、安定した支持機能を発揮する滑り支承とを組み合わせて併用した吊りと滑り併用型の免震建物の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に例示したように主構造物1から吊り下げた吊り材2にて免震構造物3を吊った吊り免震方式は、重力作用による自己復元機能を有するものとして知られ、種々応用されている。
【0003】
また、図7に例示したように主構造物1を水平な滑り面4の上の滑り支承5で水平変位が自在に支持する免震方式も知られ種々応用実施されている。但しこの滑り支承5には自己復元機能が無いため、バネ等の復元手段(ダンパー)6が併用されるのが通例である。滑り支承5としては、鋼球を使用した転がり支承、流体の潤滑性を応用した流体型支承(特開平2−153139号、特開平5−10387号公報に記載のもの参照。)などが公知であり、実用に供されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
従来、吊り免震方式と、滑り支承とは、基本的な運動性状が異なることから、両者の併用は採用されていない。
【0005】
また、免震構造にも必要とされる防振構造は、バネ、積層ゴム等の防振手段が水平力に抵抗できないため、免震構造との併用が難しかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、自己復元機能を有する吊り免震方式と、支持力の安定した滑り支承とを併用することにより両者の長所を効果的に活用する吊りと滑り併用型の免震建物を提供することである。
【0007】
本発明の次の目的は、吊り免震方式と、滑り支承とを併用し両者の長所を効果的に活用することにより有害な振動を遮断する防振手段の併用も可能にした吊りと滑り併用型の免震建物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る吊りと滑り併用型免震建物は、
主構造物1から吊り下げた吊り材2により、免震建物13の下底梁13aが地震変位時に自己復元機能を発揮するように吊り免震支持されていると共に、当該免震建物13の前記下底梁13aは、平常時には前記吊り材2と固定系7上に設置された滑り支承5とによって支持されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明に係る吊りと滑り併用型免震建物は、
主構造物1から吊り下げた吊り材2により、免震建物13の下底梁13aが地震変位時に自己復元機能を発揮するように吊り支持されていると共に、当該免震建物13の前記下底梁13aは、平常時には前記吊り材2と固定系7上に設置された滑り支承5とによって支持されていること、
及び前記吊り材2から免震建物13の下底梁13aへ至る伝播経路、並びに前記滑り支承5から免震建物13の下底梁13aへ至る伝播経路に、伝搬してくる振動を遮断する防振手段18が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した吊りと滑り併用型免震建物において、
免震建物13の下底梁13aと周辺の固定系7との間に減衰手段8が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項1及び3に記載した発明に係る吊りと滑り併用型の免震建物の原理図を図1に示した。主構造物1から吊り下げた吊り材2にて免震構造物3が地震変位時に自己復元機能を発揮するように吊られていると共に、当該免震構造物3は、平常時には前記吊り材2と滑り支承5とによって支持され、更に免震構造物3と周辺の固定系7との間に減衰手段8が設けられている。減衰手段8としては各種形式のダンパー、高粘性流体などを選択的に実施することができる。
【0012】
免震構造物3は、吊り材2による吊り点数と、滑り支承5による支持点数に応じて按分される割合に荷重を分担した大きさで支持され、吊り免震構造の自己復元機能と、滑り支承5の安定した支持機能の長所をそれぞれ活用した吊りと滑り併用型免震構造物が実現する。
【0013】
また、請求項2及び3記載の発明に係る吊りと滑り併用型の免震建物の原理図を図2に示した。この場合にも、主構造物1から吊り下げた吊り材2にて免震構造物3が吊られていると共に、当該免震構造物3は、平常時には前記吊り材2と滑り支承5とによって支持され、更に免震構造物3と周辺の固定系7との間に減衰手段8が設けられている構成は図1と共通する。その上、吊り材2から免震構造物3へ至る伝播経路、及び滑り支承5から免震構造物3へ至る伝播経路、並びに減衰手段8から免震構造物3へ至る伝播経路のそれぞれに防振手段10が設けられている。防振手段10には、防振ゴム、コイルバネ、皿バネ等々を選択的に実施可能である。
【0014】
従って、免震構造物3は、吊り材2による吊り点数と、滑り支承5による支持点数に応じて按分される割合に荷重を分担した大きさで支持され、吊り免震構造の自己復元機能と、滑り支承5の安定した支持機能の長所をそれぞれ活用した吊りと滑り併用型免震構造物が実現する。と同時に、免震構造物3へ入る有害な振動を遮断して吊りと滑り併用型の免震構造物を実現する。
【0015】
次に、図3〜図5に示した上記発明の実施例を説明する。
本実施例では、主構造物は基礎14の上に立てた柱15で高架支持された鉄道、道路等の高架橋11である。免震構造物としては前記高架橋11の下側空間を利用して建築された地上の建物13であり、その下底梁13aが吊り材2で吊り支持され、また、滑り支承5で支持されている。
【0016】
本実施例の場合、吊り材2は、前記柱15に沿って基礎14から立ち上げた支柱16の上端に架台17を設けて吊り下げている。吊り材2の上下端に防振ゴム18が使用されている。滑り支承5は、補強用増し打ち杭19の上に支持された台20の上に設置されている。この滑り支承5と免震構造物たる建物13の下底梁13aとの間にも防振ゴム18が介装されている。
【0017】
地盤を掘削して掘り下げた捨てコンクリート床21と免震構造物たる建物13の下底梁13aとの間に、地震変位制御用(減衰手段)としてのダンパー8が設置されている。このダンパー8は、図3のように高架橋11の長手方向と直角な向きに設置するほか、図4のように高架橋11の長手方向と平行な向きにも設置される。このダンパー8と捨てコンクリート床21との連結部の間、又は免震構造物たる建物13の下底梁13aとの連結部の間、若しくは双方に防振材が使用される。
【0018】
図5は高架橋11を橋脚22で支持する場合の免震構造物たる建物13の形態と免震構造とを示している。
【0019】
【本発明が奏する効果】
請求項1記載の発明に係る吊りと滑り併用型免震建物は、自己復元機能を有する吊り免震方式と、平常時には前記吊り材2と滑り支承5とによる支持を併用し両者の長所を効果的に活用した免震建物を提供する。
また、請求項2、3記載の発明に係る吊りと滑り併用型免震建物は、自己復元機能を有する吊り免震方式と、平常時には前記吊り材2と滑り支承とによる支持を併用し両者の長所を効果的に活用する上に、更に防振手段10も併用したので、免震と防振性能に優れた建物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本形態を概念的に示した立面図である。
【図2】本発明の異なる基本形態を概念的に示した立面図である。
【図3】本発明の実施例を高架橋の長手方向と直交する方向に切断して示した断面図である。
【図4】前記実施例を高架橋の長手方向と平行な方向に切断して示した断面図である。
【図5】図3とは異なる実施例を示した断面図である。
【図6】従来の吊り免震構造を概念的に示した説明図である。
【図7】従来の滑り免震構造を概念的に示した説明図である。
Claims (3)
- 主構造物から吊り下げた吊り材により、免震建物の下底梁が地震変位時に自己復元機能を発揮するように吊り免震支持されていると共に、当該免震建物の前記下底梁は、平常時には前記吊り材と固定系上に設置された滑り支承とによって支持されていることを特徴とする、吊りと滑り併用型免震建物。
- 主構造物から吊り下げた吊り材により、免震建物の下底梁が地震変位時に自己復元機能を発揮するように吊り免震支持されていると共に、当該免震建物の前記下底梁は、平常時には前記吊り材と固定系上に設置された滑り支承とによって支持されていること、
及び前記吊り材から免震建物の下底梁へ至る伝播経路、並びに前記滑り支承から免震建物の下底梁へ至る伝播経路に、伝搬してくる振動を遮断する防振手段が設けられていることを特徴とする、吊りと滑り併用型免震建物。 - 免震建物の下底梁と周辺の固定系との間に減衰手段が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した吊りと滑り併用型免震建物。
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