JP4021028B2 - 過酸前駆体水性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶液中における過酸前駆体の安定性を高め、かつ有機過酸生成反応時における反応性も高い過酸前駆体水性組成物に関する。また、本発明は、優れた漂白性能を有し、特にカビ取り剤として好適な硬質体用漂白剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
過酸前駆体は、漂白性能を向上させるため、漂白剤の配合成分として広く用いられている。しかし、過酸前駆体を水溶液として保持した場合には、水溶液中で過酸前駆体が加水分解されるため、時間の経過とともに過酸前駆体濃度が低下してしまう。また、この加水分解を防止するために保存安定化剤を添加すると、アルカリ水溶液中において過酸前駆体を過酸化水素と反応させた場合の反応性が必ずしも充分ではなかった。
【0003】
本発明は、水溶液中における過酸前駆体の安定性を高めるとともに、有機過酸生成時における反応性を損なわず、充分な漂白性能を確保することができる過酸前駆体水性組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた漂白性能を有し、特にカビ取り剤として好適な硬質体用漂白剤組成物を提供することを他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のベタイン型両性界面活性剤が水溶液中における過酸前駆体の分解を抑制するとともに、有機過酸生成時の反応性を損なわないことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、(a)アルカリ水溶液中で過酸化水素と反応し、有機過酸を生成する過酸前駆体及び
(b)下記一般式(1):
【0006】
【化4】
Figure 0004021028
【0007】
[式中、R1は、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜50のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシル基又は炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基を示し;R2は、水酸基で置換されていてもよく、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;R3、R4は、同一でも異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基もしくはアルコキシル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいベンジル基又は平均付加モル数1〜50の炭素数1〜4のアルキレンオキシド基を示し、R3、R4がアルキレンオキシド基のとき、付加されるアルキレン基は同一でも異なっていてもよく、配列も任意であり;R5は、水酸基で置換されていてもよく、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;pは、0又は1以上の整数を示し;X-はスルホ基又はカルボキシル基を示す。]
で表されるベタイン型両性界面活性剤を含有することを特徴とする過酸前駆体水性組成物を提供するものである。
【0008】
また本発明は、上記の過酸前駆体水性組成物と、(c)過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する成分を含有することを特徴とする硬質体用漂白剤組成物を提供するものである。
【0009】
なお、本発明において、「水性組成物」とは、過酸前駆体を含む水溶液又は過酸前駆体を含む分散液を意味するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の過酸前駆体水性組成物で用いる(a)成分の過酸前駆体は、水溶液中で過酸化水素と反応し、有機過酸を形成するものであれば特に限定されるものではない。(a)成分の過酸前駆体としては、例えば、一般式(2):
6−C(=O)−L (2)
[式中、R6は、直鎖又は分岐鎖の炭素数4〜18のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アシル基又は下記一般式(3):
【0011】
【化5】
Figure 0004021028
【0012】
(式中、R7は、水素原子、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アシル基を示し;R8は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;qは、0又は1を示し;R9は、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を示し;Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;nは、アルキレンオキシドの平均付加モル数で、0〜100の数を示し、n個のAは同一でも異なっていてもよい)で表される基を示し;Lは、下記一般式(4)、(5)、(6)又は(7):
【0013】
【化6】
Figure 0004021028
【0014】
(式中、Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を示し;R10及びR11は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す)
で表される基を示す。]
で表されるものを挙げることができる。
【0015】
(a)成分の過酸前駆体を表す一般式(2)において、R6が一般式(3)で表される基であり、Lが一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)又は一般式(7)で表される基の組み合わせであるものが好ましい。これらの中でも、R6が一般式(3)で表される基で、Lが一般式(6)で表される基であるものが特に好ましい。
【0016】
本発明の過酸前駆体水性組成物で用いる(b)成分のベタイン型両性界面活性剤は、下記一般式(1):
【0017】
【化7】
Figure 0004021028
【0018】
[式中、R1は、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜50、好ましくは1〜23のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシル基又は炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基を示し;R2は、水酸基で置換され、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;R3、R4は、同一でも異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜18、好ましくは1〜5のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいベンジル基又は平均付加モル数1〜50の炭素数1〜4のアルキレンオキシド基を示し、R3、R4がアルキレンオキシド基のとき、付加されるアルキレン基は同一でも異なっていてもよく、配列も任意であり;R5は、水酸基で置換され、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;pは、0又は1以上の整数を示し;X-はスルホ基又はカルボキシル基を示す。]
で表されるものである。
【0019】
一般式(1)で表されるベタイン型両性界面活性剤としては、N−ラウリル−N,N−ジメチル(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン、N−ステアリル−N,N−ジメチルカルボキシベタイン、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチルカルボキシベタイン、N−ラウロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルカルボキシベタイン等を挙げることができる。
【0020】
過酸前駆体水性組成物中における(a)及び(b)成分の含有量は、(a)成分の安定性を高め、有機過酸生成時における反応性を高めるため、過酸前駆体水性組成物中において、(a)成分が好ましくは0.01〜60重量%、特に好ましくは0.1〜40重量%であり、(b)成分が好ましくは0.01〜60重量%、特に好ましくは0.1〜40重量%である。また、過酸前駆体水性組成物において(a)及び(b)成分以外の成分を配合する場合、(a)及び(b)成分の合計含有量は、好ましくは80重量%以下であり、特に好ましくは60重量%以下である。
【0021】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、漂白洗浄力を向上させるため、さらに界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸ジエステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、α−オレフィン硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤等から選ばれる1種以上を挙げることができる。界面活性剤の配合量は、過酸前駆体水性組成物中において、好ましくは0.01〜30重量%であり、特に好ましくは0.05〜20重量%である。
【0022】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、漂白洗浄力及び保存安定性を向上させるため、さらに水溶性溶剤を配合することができる。水溶性溶剤としては、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ブチルジグリコール、フェノキシエタノール、フェノールにアルキレンオキシドを付加した化合物、N−アルキルピロリドン、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、イソプレングリコール等から選ばれる1種以上を挙げることができる。水溶性溶剤の配合量は、過酸前駆体水性組成物中において、好ましくは0.01〜40重量%であり、特に好ましくは0.1〜30重量%である。
【0023】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、pHを調整維持し、過酸前駆体の分解を抑制するため、さらに有機酸を配合することができる。有機酸としては、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等から選ばれる1種以上を挙げることができる。有機酸の配合量は、過酸前駆体水性組成物中において、好ましくは0.01〜30重量%である。
【0024】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、漂白性能を向上し、過酸前駆体の分解を抑制するため、さらにキレート剤を配合することができる。キレート剤としては、特開平8−209194号公報7頁カラム12の9〜20行に記載のものから選ばれる1種以上を挙げることができ、具体的には、トリポリリン酸、ピロリン酸、オルソリン酸、ヘキサメタリン酸及びそれらのアルカリ金属塩、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸及びそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸のN−オキシド及びそれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ポリα−ヒドロキシアクリル酸及びそのアルカリ金属塩等を挙げることができる。キレート剤の配合量は、過酸前駆体水性組成物中において、好ましくは0.0001〜10重量%であり、特に好ましくは0.001〜5重量%である。
【0025】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、被処理物に漂白成分を付着させることにより漂白性能を向上させるため、さらに水溶性高分子を配合することができる。水溶性高分子としては、例えば、下記の特開平8−209194号公報6頁カラム10の20行〜7頁カラム11の3行に記載のものから選ばれる1種以上を挙げることができ、これらの中でも下記の(i)〜(iv)が好ましい。
【0026】
(i)グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸、アラビアガム、ペクチン等の植物由来の天然高分子;
(ii)キサンタンガム等の微生物由来の天然高分子;
(iii)セルロース、デンプン、セルロース又はデンプンを、酸化、メチル化、カルボキシメチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、カチオン化等の処理により加工したセルロース誘導体又はデンプン誘導体;
(iv)ポリアクリル酸ホモポリマー又はアクリル酸と共重合可能なモノマーとのコポリマーであるポリアクリル酸誘導体、前記のポリアクリル酸ホモポリマー又はポリアクリル酸誘導体を架橋したもの。
【0027】
水溶性高分子の配合量は、過酸前駆体水性組成物中において、好ましくは0.001〜10重量%であり、特に好ましくは0.01〜5重量%である。
【0028】
本発明の過酸前駆体水性組成物には、さらに他の成分、例えば、香料、抗菌剤、過酸安定剤、pH調整剤、顔料、染料、懸濁剤を配合することができる。
【0029】
本発明の過酸前駆体水性組成物は、過酸前駆体の分解を抑制するため、保存時におけるpHが、好ましくは1〜9であり、特に好ましくは1.5〜8である。
【0030】
本発明の硬質体用漂白剤組成物は、上記の過酸前駆体水性組成物に、さらに(c)成分として、過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する成分を配合したものである。ここで「硬質体」とは、平面的であるか又は立体的であるかを問わず、一定の形状を保持しているものを意味するものであり、洗浄漂白処理ができるものであれば、硬さの程度は限定されるものではない。この硬質体としては、プラスチック、ゴム、金属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それらからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が接触するもの全般を挙げることができる。よって、硬質体用漂白剤組成物は、カビとり剤、床用洗浄漂白剤、食器用洗浄漂白剤、台所用洗浄漂白剤、台所用つけ置き洗浄漂白剤、浴室用洗浄漂白剤、全自動洗濯機洗濯槽の洗浄漂白剤、排水パイプの洗浄漂白剤、台所や洗面所の小物の洗浄漂白剤等として適用することができ、これらの用途の中でも特にカビ取り剤として好適である。
【0031】
(c)成分のうち水溶液中で過酸化水素を生成する成分としては、過炭酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム・過酸化水素付加物、ピロリン酸ナトリウム・過酸化水素付加物、尿素・過酸化水素付加物、硫酸ナトリウム・過酸化水素付加物、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ケイ酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム等を挙げることができる。(c)成分としては、過酸化水素のほか、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物が好ましい。
【0032】
(c)成分の配合量は、充分な漂白性能を付与し、経済性を考慮すると、硬質体用漂白組成物中において、過酸化水素濃度で0.01〜30重量%となることが好ましく、過酸化水素濃度で0.1〜20重量%となることが特に好ましい。
【0033】
本発明の硬質体用漂白剤組成物は、使用時におけるpHを7〜13に調整することが好ましく、8〜13に調整することが特に好ましい。前記範囲内にpHを維持するためのpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、モノ、ジ又はトリエタノールアミン等のアミン誘導体、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸アンモニウム等の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属のケイ酸塩、ケイ酸アンモニウム等のケイ酸塩等を挙げることができる。
【0034】
また、本発明の硬質体用漂白剤組成物を使用する際には、トリガースプレー等の吐出容器、スクイズ容器等により噴霧又は散布する方法、紙や布等に含浸させ、湿布する方法、刷毛やローラー等により塗布する方法等を適用することができる。ここでトリガースプレー等の吐出容器を用いる場合には、硬質体に対する付着性を増強し、漂白性能を高めるため、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、アルケニルコハク酸、ラウリル硫酸又はそれらのアルカリ金属塩等の起泡助剤から選ばれる1種又は2種以上を配合することができる。起泡助剤の配合量は、硬質体用漂白剤組成物中において、好ましくは0.01〜20重量%であり、特に好ましくは0.05〜10重量%である。
【0035】
また、本発明の硬質体用漂白剤組成物は、上記の過酸前駆体水性組成物と、(c)成分としての過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する成分とを、非接触状態で保っておき、使用時において混合するものである。この場合の非接触状態に保持する方法は特に限定されるものではなく、例えば、下記の分包型のような剤型にすることができるが、それらの中でも使用時の簡便性から2剤型が好ましい。また、使用時において、さらに水又は温水を加えることもできる。
【0036】
▲1▼過酸前駆体水性組成物と(c)成分を別々に分包し、任意成分はいずれか一方又は両方の包装に混合した2剤型;
▲2▼過酸前駆体水性組成物、(c)成分及び任意成分を別々に分包した3剤型;▲3▼過酸前駆体水性組成物と(c)成分を別々に分包し、任意成分の一部をいずれか一方又は両方の包装に混合し、残部を別に分包した3剤型。
【0037】
分包の方法は特に限定されるものではなく、ボトルや小袋を適宜組み合わせて包装することができる。ボトルや小袋の材質としては、一般に漂白洗浄剤用の容器に使用されるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン等を挙げることができる。また、これらのプラスチックには、必要に応じて、顔料、帯電防止剤、遮光剤、紫外線吸収剤を配合することができる。ボトルや小袋は、樹脂層を重ねたり、さらにアルミニウム層を設けたりした多層構造にすることができ、シリカ、アルミニウム、アルミナ等を蒸着したものを用いることができる。また、ピンホール、逆止弁等のガス抜き手段、他の容器に移し替える場合のストロー状の注ぎ手段、さらに直接ボトルにトリガー等の吐出容器を取り付けることができる。
【0038】
分包型の硬質体用漂白剤組成物における(c)成分の配合量は、充分な漂白性能を付与し、経済性を考慮すると、組成物中において、好ましくは0.01〜30重量%であり、特に好ましくは0.1〜20重量%である。また、分包型の硬質体用漂白剤組成物の使用時におけるpHは、7〜13に調整することが好ましく、8〜13に調整することが特に好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0040】
製造例1
100gの水に、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液366g(1.23mol)と4%水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、55℃まで昇温した。そこに114g(1.23mol)のエピクロルヒドリンを30分かけて滴下した。約80℃に保ちながら1時間熟成させたのち、さらに213g(1mol)のN−ラウリル−N,N−ジメチルアミンを2時間かけて滴下し、90℃で1時間熟成させた。その後、さらに4%水酸化ナトリウム水溶液200g(0.2mol)を2時間かけて滴下したのち、100℃で1時間熟成させ、N−ラウリル−N,N−ジメチル(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン(両性界面活性剤1)を得た。
【0041】
製造例2
100gの水に、285g(1mol)のN−ステアリル−N,N−ジメチルアミンと、335g(1.15mol)の40%モノクロロ酢酸ナトリウムを加え、80℃に昇温した。30分間熟成させたのち、水酸化ナトリウム水溶液でpHを12前後に保ちながら、さらに3時間熟成させ、N−ステアリル−N,N−ジメチルカルボキシベタイン(両性界面活性剤2)を得た。
【0042】
製造例3、4
上記製造例1、2に準じて、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチルカルボキシベタイン(両性界面活性剤3)及びN−ラウロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルカルボキシベタイン(両性界面活性剤4)を得た。
【0043】
参考例1〜、実施例1〜、比較例1〜7
表1に示す組成の過酸前駆体水性組成物(水溶液)を製造した。(a)成分として、下記の化合物1〜7を用い、(b)成分として、上記した製造例により得た両性界面活性剤1〜4を用いた。
化合物1:オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
化合物2:ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
化合物3:ヘキサノイルオキシベンゼンカルボン酸
【0044】
【化8】
Figure 0004021028
【0045】
なお、各過酸前駆体水性組成物とも硫酸又は炭酸ナトリウムでpHを5に調整した。これらの組成物における過酸前駆体の安定性について下記の方法により試験した。結果を表1に示す。なお、表1中の配合量は水を含めた全量に対するもので、重量%表示である。
(過酸前駆体の安定性)
過酸前駆体水性組成物を、40℃の室内に1ヶ月放置した場合の過酸前駆体の残存率を測定した。過酸前駆体の残存率は、過酸前駆体水性組成物の酸価及びケン化価の測定によるエステル価により求めた。
【0046】
【表1】
Figure 0004021028
【0047】
表1から明らかなとおり、(a)成分と(b)成分を組み合わせることにより、(a)成分の分解が抑制され安定性が向上された。
【0048】
参考例8〜12、実施例3〜4、比較例8
表2に示す成分のうち、(a)、(b)及び任意成分を分包してI剤とし、(c)成分と任意成分を分包してII剤とし、さらに一部の実施例については炭酸カリウムを分包してIII剤とし、2剤又は3剤型の硬質体用漂白剤組成物を得た。これらの組成物の漂白性能について、下記の方法により試験した。なお、I剤は密閉ポリプロピレン容器中に充填した状態で40℃の部屋に1ヶ月放置したものを用いた。試験直前に、I剤及びII剤又はI剤、II剤及びIII剤を混合した。なお、実施例3〜4、参考例11〜12及び比較例8においては、水はI剤にのみ加え、I剤を水溶液とした。参考例8〜10においては、I剤とII剤が同じ重量になるように水を加え、I剤及びII剤を水溶液とした。表2中の配合量は水を含めた全量に対するもので、重量%表示である。ディクエスト2010は、モンサント社製の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸であり、ディクエスト2015DNは、モンサント社製の1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸3ナトリウムである。結果を表2に示す。
【0049】
(漂白性能の試験方法)
クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)を接種し、30℃で14日間培養したプラスチック板(ABS樹脂製)をモデルプレートとして用意した。別々に分包しておいた各組成物のI剤、II剤又はIII剤を使用直前に混合した(混合時のpHは10〜11)。この組成物溶液40μlをモデルプレート上に滴下し、15分放置後、水洗し風乾した。その後、日本電気工業株式会社製の測色計1001DPを用いて明度(L値)を測定した。なお、プラスチック板の元々のL値は92.4であり、モデルプレートのL値は65〜75であった。よって、L値が高いほど、カビの除去率が高い、即ち、漂白性能が高いことを示している。
【0050】
【表2】
Figure 0004021028
【0051】
表2から明らかなとおり、実施例の組成物は、(a)成分の分解が抑制されたため、(a)成分と(c)成分の作用により、充分な漂白性能が発揮された。比較例8は、実施例に比べると(a)成分の分解率が高かったため、充分な漂白性能が得られなかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明の過酸前駆体水性組成物は、(b)成分のベタイン型界面活性剤の作用により、(a)成分の過酸前駆体の分解が抑制されるとともに、有機過酸生成時における反応性も損なわれない。このため、この過酸前駆体水性組成物と(c)成分とを含む硬質体用漂白剤組成物は、(a)成分の過酸前駆体の作用が充分に発揮されるため、高い漂白性能を維持することができる。

Claims (3)

  1. (a)アルカリ水溶液中で過酸化水素と反応し、有機過酸を生成する過酸前駆体及び
    (b)下記一般式(1):
    Figure 0004021028
    [式中、Rは、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜50のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシル基又は炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基もしくはベンジル基を示し;Rは、水酸基で置換されていてもよく、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基、アシル基、アリール基、アルケニル基もしくはアルコキシル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいベンジル基又は平均付加モル数1〜50の炭素数1〜4のアルキレンオキシド基を示し、R、Rがアルキレンオキシド基のとき、付加されるアルキレン基は同一でも異なっていてもよく、配列も任意であり;Rは、水酸基で置換されていてもよく、炭素環で中断されていてもよい直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基を示し;pは、0又は1以上の整数を示し;Xはスルホ基又はカルボキシル基を示す。]
    で表されるベタイン型両性界面活性剤を含有することを特徴とする過酸前駆体水性組成物であり、
    前記(a)成分の過酸前駆体が、次の一般式(2):
    −C(=O)−L (2)
    [式中、Rは、下記一般式(3):
    Figure 0004021028
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、アシル基を示し;Rは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;qは、0又は1を示し;Rは、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を示し;Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し;nは、アルキレンオキシドの平均付加モル数で、0〜100の数を示し、n個のAは同一でも異なっていてもよい)で表される基を示し;Lは、下記一般式(4)又は(5):
    Figure 0004021028
    (式中、Mは、水素原子又はアルカリ金属原子を示す
    で表される基を示す。]
    で表されるものである過酸前駆体水性組成物。
  2. 請求項1記載の過酸前駆体水性組成物と、(c)過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する成分が、非接触状態で保持されていることを特徴とする硬質体用漂白剤組成物。
  3. 請求項1記載の過酸前駆体水性組成物と、(c)過酸化水素又は水溶液中で過酸化水素を生成する成分を含有することを特徴とする硬質体用漂白剤組成物。
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