JP4018886B2 - 炭化物焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化物と粘土にて構成される炭化物焼結体及びその製造方法に関するものである。
【従来の技術】
間伐材等の木質材を窯内で熱分解させて製造される木炭や、活性炭等の炭化物は、通常は粉末状、粒状、チップ状、あるいは丸太状の木質材料を原料として用い、乾燥工程、焼成炭化工程を経て製造される。
このような炭化物は、燃料として用いられるほか、吸湿性、ガス吸着性、脱色性等の特性を利用して、浄水用の濾過材や、有害ガス、水分等の吸着材、その他の用途に用いられている。
ここで、今日の産業社会では多種多様な環境汚染物質が放出されている現状にあり、地球環境を良好に維持していくには、これらの環境汚染物質を効果的に除去して環境への放出を防止することが重要な課題となっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の炭化物は使用目的に応じた形状に成形することが困難であり、また機械的強度にも限界があって、使用範囲が制限されてしまうという難点があった。また木炭などの炭化物に触れた人間の手が汚れやすく、また使用時に炭化物の表面から粉塵が飛散しやすいものであり、取扱性の面からも難点がある。また、炭化物は黒色系の色を呈していることから、外観上良好な印象を与えにくく、人の目に触れる場所での使用が敬遠される場合があった。更に、炭化物は燃焼しやすいことから、安全性の面でも問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形性、機械的強度、取扱性の面でも良好であり、また良好な外観を有し、更に難燃性が向上された炭化物焼結体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る炭化物焼結体は、粘土で構成されると共に炭化物を含まない表面層と、粘土と炭化物にて構成される内層とから成り、前記表面層及び内層が焼結体から成り、且つ粘土と炭化物とが分散した成形体の表層部分から炭化物を酸化させて除去することにより、成形体の表層部分に前記表面層を形成すると共に、この表面層の内奥に表面層にて表面側の全面が覆われた内層を形成して成るものであることを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、均一な組成を有する粘土からなる母相によって炭化物焼結体を構成し、母相の内奥部に炭化物を含有させて内層を形成すると共に内層の外側に炭化物を含まない表面層を形成して成ることを特徴とするものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、内層と表面層との境界領域において炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成して成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項4に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とするものである。
また本発明の請求項5に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成すると共に木質材料を炭化した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とするものである。
また本発明の請求項6に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱して、焼成と同時に表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とするものである。
また本発明の請求項7に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料を含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱し、焼成と同時に木質材料の炭化と表層部分の炭化物の酸化による除去とを行って炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とするものである。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る炭化物焼結体は、粘土で構成されると共に炭化物を含まない表面層と、粘土と炭化物にて構成される内層とから成るものである。
粘土としては、粘土鉱物から構成される種々の組成のものを用いることができ、天然粘土を用いることができるほか、人工粘土を用いることもできる。ここで、特にこのような粘土の焼結体で表面層あるいは内層を構成するようにすると、炭化物焼結体の強度を向上することができる。
また、炭化物とは、木炭、活性炭等の炭素に富んだ材料を指すものである。
内層は上記の粘土中に炭化物が分散した構成となるように形成することができる。内層における粘土や炭化物の割合は適宜設定されるものであるが、好ましくは炭化物を1〜80質量%、粘土を20〜99質量%含むようにするものである。ここで、炭化物の割合が1質量%に満たないと、炭化物の吸着性や吸湿性等の効果が充分に発揮されなくなるおそれがあり、またこの割合が80質量%を超えると成形が困難となるおそれがある。またこの内層に含まれる炭化物は、その形状としては粉末状、粒状、あるいはチップ状等のものを用いることができ、その寸法は粒径又は一辺が10μm〜30mmの範囲のものが好ましい。ここで内層は必ずしも粘土と炭化物のみにて構成する必要はなく、セメントや他のセラミックス、あるいはその他の添加物を含有させることもできる。
一方、表面層は内層の表面側の全面を覆うように形成する。この表面層の厚みは特に制限はされないが、30μm〜10mmの範囲とすることが好ましい。またこの表面層は複数の通孔を有する多孔質状に形成すると、炭化物焼結体の外部と内層とを表面層に形成された通孔にて連通することができ、炭化物焼結体の優れた吸着性や吸湿性を維持することができる。ここで表面層は必ずしも粘土のみで構成する必要はなく、セメントや他のセラミックス、あるいはその他の添加物を含有させることもできる。
このように構成される炭化物焼結体は、表面層が存在することによって炭化物が表面に露出しないこととなり、人間が手で触れても手が黒く汚れるようなことがなく、かつ炭化物の微粉末が飛散するようなこともなくなって、取扱性が良好なものである。またこのように炭化物が露出しないことから、難燃性も向上するものである。また、従来の炭化物材料のような黒色系の外観を呈さなくなり、表面層を構成する粘土に応じて従来の炭化物材料のイメージを払拭する外観を備えさせることができるものである。また炭化物のみではなく、炭化物と粘土にて構成されるため、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものである。
このような炭化物焼結体は、従来の木炭や活性炭等の炭化物材料と同様に、濾材や吸着材、吸湿材等の機能性材料に用いることができるものであり、特に人の目に触れたり人が手で触れたりする機会のある用途において好適に用いることができる。またこのように特に人の目に触れたり人が手で触れたりする機会のある用途において好適に用いることができるため、置物調の脱臭材に用いることができるものであり、また壁材等の構造材料に用いることもできる。更に、この炭化物焼結体は多孔質性で比表面積が高く、かつ粘土の焼結体と炭化物とから構成されることから、優れた遠赤外線放射性を有するものである。
またこの炭化物焼結体は上記のような特性を備えることにより、新たな用途が開拓されることも期待される。
上記の炭化物焼結体では、表面層を構成する粘土と内層を構成する粘土として、異なる組成を有するものを用いることもできるが、好ましくは表面層と内層とを同一の組成を有する粘土で構成する。すなわち、炭化物焼結体全体を均一な組成を有する粘土からなる母相にて構成し、この母相の内奥部のみに炭化物を含有させて内層を形成すると共に、内層の外側には炭化物を含有させずに、表面層として形成するものである。このようにすると、内層と表面層とは一体に形成されることとなって、内層と外層との界面の強度が向上し、内層から表面層が剥離しにくくなって、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
また、内層と表面層との境界領域においては、炭化物が含有量が不連続に変化するような明確な界面が形成されるようにすることもできるが、好ましくは、内層と表面層との境界領域において、炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成するものである。このようにすると、内層と表面層との間には明確な界面が存在しなくなり、内層と表面層との一体性が向上して、内層から表面層が剥離しにくくなり、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
上記の炭化物焼結体を得るにあたっては、その製造のための工程は特に制限されず、適宜の方法を適用することができる。
また、粘土と炭化物の混合物を所望の形状に成形して、全体に亘って粘土と炭化物とが分散した成形体を作製し、この成形体の表層部分から炭化物を除去することにより、炭化物が除去された部分を表面層として形成すると共に、その内奥の炭化物が除去されていない部分にて内層を形成して、炭化物焼結体を得ることもできる。このようにすると、炭化物焼結体は表面層が形成される部分と内層が形成される部分とが完全に一体となった焼結体から作製されることとなり、内層から表面層が更に剥離しにくくなって、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。また、表面層における炭化物が除去された部分には細孔が形成されることとなり、表面層の多孔質性が向上することとなって、特に炭化物焼結体を吸着材として用いる場合には、吸着すべき成分が表面層を通過して炭化物が含有されている内層に容易に到達することとなり、吸着性能が向上するものである。
成形体の表層部分から炭化物を除去するにあたっては、成形体の表層側において炭化物と酸素とを反応させて酸化させることにより除去するものである。このような成形体の表面酸化により炭化物を除去するにあたっては、例えば、成形体を空気雰囲気等のような酸素を含む雰囲気下において加熱することができる。この場合、成形体の表層部分のみにおいて炭化物が除去されるように、適宜、加熱条件を設定するものであり、このような加熱条件の制御により、所望の厚みを有する表面層が形成された炭化物焼結体が得られる。
また、このような表面酸化により炭化物焼結体を得ると、内層と表面層との境界領域における炭化物の含有量が、内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するような炭化物焼結体が容易に得られるものであり、このため、炭化物焼結体の強度を更に向上することができるものである。
炭化物焼結体の表面層あるいは内層を構成する粘土は、完全な焼結体であれば、更に強度の高い炭化物焼結体が得られるが、このような形態に限られるものではなく、炭化物焼結体中に焼結体として形成されていない部分があっても良い。例えば上記のように成形体の表面酸化により炭化物焼結体を得る場合には、成形体の焼結体から表面酸化により表面層を形成して炭化物焼結体を形成したり、あるいは表面酸化のための加熱処理の際に同時に成形体中の粘土を焼結させたりすることにより、粘土の焼結体から構成される炭化物焼結体を得ることができる。
以下に、炭化物焼結体の、具体的な製造方法を挙げる。
まず第一の製造例について説明する。
本製造例は炭化物と粘土とを配合した成形用組成物から炭化物焼結体を得るものである。また必要に応じてセメントや、粘土鉱物以外の他のセラミックスを配合することができる。また成形用組成物には水を配合することが好ましく、また成形性を向上する目的で一般的に用いられるバインダーを配合することもできる。
成形用組成物は上記の各成分を配合し、混練機等を用いて充分に混練することにより調製することができる。このとき、成形用組成物中の水を除く配合成分の総量に対して、粘土を20〜99質量%、炭化物を1〜80質量%の割合で配合することが好ましい。またセメントや他のセラミックスを配合する場合は、粘土、セメント及び他のセラミックスの総量が20〜99質量%となるようにすることが好ましいが、この場合も粘土の割合が20〜99質量%の範囲内であることが好ましい。更に水を配合する場合は、成形用組成物の総量に対して水を1〜70質量%の範囲で配合することが好ましい。
更に、このように調製された成形用組成物中に、他の無機材料又は有機材料を混入することもできる。例えば無機材料としてステンレス製のメッシュを混入することにより、この無機材料が補強材としての機能を発揮し、炭化物焼結体の機械的強度を更に向上することができる。
このようにして調製された成形用組成物を、使用目的に適合する所望の形状に成形した後、得られた成形体を乾燥し、更に不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で高温加熱を行って焼成する。
ここで成形体の乾燥を行うにあたっては、室温で放置するか、あるいは乾燥機を用いて好ましくは室温以上、250℃以下の範囲で加熱し、このような状態で適宜の時間、充分に乾燥させるものである。
また乾燥後の成形体を不活性雰囲気下で焼成する場合は、加熱炉内を窒素やヘリウム等の不活性ガスで置換し、この状態で焼成を行うことができる。また無酸素雰囲気下で焼成を行う場合には、加熱炉内を不活性ガスにて置換する際に酸素が存在しなくなるまで完全に置換し、この状態で焼成を行うことができる。また無酸素雰囲気下で焼成を行う場合には、いわゆる蒸し焼き状態で焼成することもでき、この場合は、例えば密閉された加熱炉内で加熱により成形体中の炭化物の一部を酸化させることにより炉内の酸素を除去し、この状態で焼成をおこなうことができる。また、還元性雰囲気下で焼成を行う場合には、加熱炉内に還元剤粉末を投入すると共に成形体をこの還元剤粉末内に配置して加熱炉内を還元性雰囲気とし、この状態で焼成を行うことができる。この焼成時には、加熱炉内を700〜1100℃の範囲で加熱して行うことができる。この時の加熱時間は成形体の形状や寸法によって適宜設定されるが、好ましくは成形体全体が均一に温度上昇した後、30分間〜10時間の範囲で加熱するものである。この加熱工程により、成形体中の粘土が焼結して焼結体となる。
次いで、焼結後の焼結体を、空気雰囲気下等の酸素が存在する雰囲気下で600〜1100℃の温度で加熱する(表面酸化)。このとき焼結体の表層部分では炭化物が酸化されて除去され、焼結体の表層部分には炭化物を含まない粘土の焼結体からなる表面層が形成される。このとき表面層には炭化物が除去された部分が微細な通孔として形成され、多孔質状に成形される。また表面層の内側には粘土の焼結体と炭化物とから構成される内層が形成される。ここで、加熱温度及び加熱時間を適宜設定することにより表面層の厚みを所望の厚みに制御することができる。このため加熱時間の範囲は加熱温度や所望の表面層の厚みによって異なるが、好ましくは焼結体全体が均一に温度上昇した後、30秒間〜5時間の範囲で加熱するものである。
以上のような工程を経て成形される炭化物焼結体は、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面酸化によって形成される表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなる。
また、表面層を上記のような表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、表面層と内層とを別個に成形する必要がなく、炭化物と粘土とを配合した成形用組成物から成形される成形体に表面層と内層とを形成して炭化物焼結体を得ることができて、表面層を簡便な工程にて形成することができるものである。またこのとき、表面酸化による表面層の形成を成形体を焼結させた後に行うことから、表面酸化の度合いを容易に制御できて、炭化物の除去量を容易に調整することができ、表面層を所望の厚みに形成することが容易なものである。
また、内層と表面層とは成形体に焼成と表面酸化を施すことにより形成されるものであるから、炭化物焼結体は、全体に亘ってほぼ均一な組成を有する粘土の焼結体からなる母相から構成され、この母相の表層側に炭化物を含まない表面層が形成されていると共に、母相の内奥部には母相中に炭化物が含有された内層が形成されており、このため内層と表面層とは一体に形成されている。更には、焼結体の最外層においては炭化物は完全に除去されて表面層が形成されるが、表面層よりも内側の内層においても炭化物の一部が酸化されて除去されているものであり、その除去量は表層側ほど大きくなっている。このため、内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在せず、内層における表面層との境界領域での炭化物の含有量は、内層側の領域から表面層の領域にいくに従って連続的に減少し、このように炭化物の含有量が減少することにより炭化物の含有量が0となった部分に表面層が形成されている。
このように、内層と表面層とは一体に形成されると共に、内層と表面層との間には明確な界面が存在しないことから、内層から表面層が剥離するおそれがなく、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
次に第二の製造例について説明する。本実施形態は炭化されていない木質材料と粘土とを配合した成形用組成物から炭化物焼結体を得るものである。
木質材料としては、粉末状、粒状、あるいはチップ状等のものを用いることができ、例えばオガクズを用いることができる。その寸法は一辺又は粒径が10μm〜30mmのものを用いることが好ましい。また成形用組成物には必要に応じてセメントや、粘土鉱物以外の他のセラミックスを配合することができる。また成形用組成物には水を配合することが好ましく、また成形性を向上する目的で一般的に用いられるバインダーを配合することもできる。またこのとき成形用組成物中には、木質材料に加えて、製造例1と同様の炭化物を含有させることもできる。
成形用組成物は上記の各成分を配合し、混練機等を用いて充分に混練することにより調製することができる。このとき、成形用組成物中の水を除く配合成分の総量に対して、粘土を20〜99質量%、木質材料を1〜80質量%の割合で配合することが好ましい。またセメントや他のセラミックスを配合する場合は、粘土、セメント及び他のセラミックスの総量が20〜99質量%となるようにすることが好ましいが、この場合も粘土の割合が20〜99質量%の範囲内であることが好ましい。更に水を配合する場合は、成形用組成物の総量に対して水を1〜70質量%の範囲で配合することが好ましい。
更に、このように調製された成形用組成物中に、他の無機材料又は有機材料を混入することもできる。例えば無機材料としてステンレス製のメッシュを混入することにより、この無機材料が補強材としての機能を発揮し、炭化物焼結体の機械的強度を更に向上することができる。
このようにして調製された成形用組成物を、使用目的に適合する所望の形状に成形した後、得られた成形体を乾燥し、更に不活性雰囲気中、無酸素雰囲気中又は還元性雰囲気中で高温加熱を行って焼成すると共に、木質材料を炭化させる。
ここで成形体の乾燥を行うにあたっては、室温で放置するか、あるいは乾燥機を用いて好ましくは室温以上、250℃以下の範囲で加熱し、このような状態で適宜の時間、充分に乾燥させるものである。
また乾燥後の成形体を不活性雰囲気下で焼成する場合は、加熱炉内を窒素やヘリウム等の不活性ガスで置換し、この状態で焼成を行うことができる。また無酸素雰囲気下で焼成を行う場合には、加熱炉内を不活性ガスにて置換する際に酸素が存在しなくなるまで完全に置換し、この状態で焼成を行うことができる。また無酸素雰囲気下で焼成を行う場合には、いわゆる蒸し焼き状態で焼成を行うこともでき、この場合は例えば密閉された加熱炉内で加熱により成形体中の木質材料の一部を炭化させることにより炉内の酸素を除去し、この状態で焼成をおこなうことができる。また、還元性雰囲気下で焼成を行う場合には、加熱炉内に還元剤粉末を投入すると共に成形体をこの還元剤粉末内に配置して加熱炉内を還元性雰囲気とし、この状態で焼成を行うことができる。この焼成は、加熱炉内を700〜1100℃の範囲で加熱して行うことができる。この時の加熱時間は成形体の形状や寸法によって適宜設定されるが、好ましくは成形体全体が均一に温度上昇した後、30分間〜10時間の範囲で加熱するものである。この加熱工程により、成形体中の粘土が焼結して焼結体となると共に、木質材料が炭化されて炭化物となる。このとき、成形用組成物中に予め木質材料と炭化物とが含有されている場合には、元々含有されている炭化物と、木質材料が炭化することにより生成した炭化物とが混在することとなる。
次いで、焼結後の焼結体を、空気雰囲気下等の酸素が存在する雰囲気下で600〜1100℃の温度で加熱する(表面酸化)。このとき焼結体の表層部分では炭化物が酸化されて除去され、焼結体の表層部分には粘土の焼結体からなる表面層が形成される。この表面層には炭化物が除去された部分が微細な通孔として形成され、多孔質状に成形される。また表面層の内側には粘土の焼結体と炭化物とから構成される内層が形成される。ここで、加熱温度及び加熱時間を適宜設定することにより表面層の厚みを所望の厚みに制御することができる。このため加熱時間の範囲は加熱温度や所望の表面層の厚みによって異なるが、好ましくは焼結体全体が均一に温度上昇した後、30秒間〜5時間の範囲で加熱するものである。
以上のような工程を経て成形される炭化物焼結体は、第一製造例の場合と同様に、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面酸化によって形成される表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなる。更に、表面層を上記のような表面酸化によって形成することにより、簡便な工程にて形成すると共に表面酸化の度合いを容易に制御できて表面層を所望の厚みに形成することが容易なものであり、しかも内層と表面層とは一体に形成されると共に、内層と表面層との間には明確な界面が存在しないことから、内層から表面層が剥離するおそれがなく、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
更に、本製造例では、成形体の成形後に木質材料を炭化するものであることから、特に成形用組成物中に炭化物を配合しない場合には、木質材料を予め炭化した後、粘土と混練して再度焼成するよりも工程数を削減することができ、また炭化物を扱う工程が減ることで粉塵等の飛散がなく、作業環境を向上することができる。
また炭化物よりも木質材料の方が粘土と混練した場合の成形用組成物の可塑性が優れ、成形性がより向上するものであり、また焼成後の形状加工が容易となる。更に、焼成時に木質材料が水分の脱離や有機成分の分解脱離によって炭化物となる過程において体積収縮が起こり、成形体中の空隙が増加して均質な多孔質状に成形されるものであり、その結果、表面層だけでなく内層も更に多孔質状に形成されるものである。
次に第三の製造例について説明する。
本製造例は、第一の製造例の場合と同様に炭化物と粘土とを配合した成形用組成物から炭化物焼結体を得るものであり、まず第一の製造例と同様の手法により成形用組成物からなる成形体を成形する。
このようにして得られた成形体を乾燥し、更に酸素含有雰囲気中で高温加熱を行って焼成する。
ここで成形体の乾燥を行うにあたっては、室温で放置するか、あるいは乾燥機を用いて好ましくは室温以上、250℃以下の範囲で加熱し、このような状態で適宜の時間、充分に乾燥させるものである。
乾燥後の成形体を焼成するにあたっては、空気雰囲気のような酸素含有雰囲気の加熱炉内に成形体を配置し、この状態で加熱炉内を600〜1100℃の範囲で加熱して行うことができる。
この加熱工程においては、成形体中の粘土が焼結して焼結体となると同時に、成形体の表層部分では炭化物が酸化されて除去され、成形体の表層部分には炭化物を含まない粘土の焼結体からなる表面層が形成される。このとき表面層には炭化物が除去された部分が微細な通孔として形成され、多孔質状に成形される。また表面層の内側には粘土の焼結体と炭化物とから構成される内層が形成される。
ここで、焼成時の加熱時間は、加熱温度、成形体中の炭化物の含有量、成形体の形状や寸法等によって適宜設定されるものであり、成形体を構成する粘土が十分に焼結されると共に表層部分の炭化物の除去量が所望のものとなるように調整されるものである。また加熱温度及び加熱時間を適宜設定することにより表面層の厚みを所望の厚みに制御することができる。
以上のような工程を経て成形される炭化物焼結体は、第一及び第二製造例の場合と同様に、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面酸化によって形成される表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなる。更に、表面層を上記のような表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、しかも内層と表面層とは一体に形成されると共に、内層と表面層との間には明確な界面が存在しないことから、内層から表面層が剥離するおそれがなく、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
更に、上記の第三製造例におけるような工程にて炭化物焼結体を成形すると、成形体の焼結と成形体の表層側における炭化物の除去とが同時に行われることから、製造工程を簡略化することができ、炭化物焼結体の製造効率を向上することができるものである。
次に第四の製造例について説明する。
本製造例は、第二の製造例の場合と同様に炭化物と木質材料とを配合した成形用組成物から炭化物焼結体を得るものであり、このとき木質材料に加えて、炭化物を配合することもできる。そして、まず第二の製造例と同様の手法により成形用組成物からなる成形体を成形する。
このようにして得られた成形体を乾燥し、更に酸素含有雰囲気中で高温加熱を行って焼成する。
ここで成形体の乾燥を行うにあたっては、室温で放置するか、あるいは乾燥機を用いて好ましくは室温以上、250℃以下の範囲で加熱し、このような状態で適宜の時間、充分に乾燥させるものである。
乾燥後の成形体を焼成するにあたっては、空気雰囲気のような酸素含有雰囲気の加熱炉内に成形体を配置し、この状態で加熱炉内を600〜1100℃の範囲で加熱して行うことができる。
この加熱工程においては、成形体中の粘土が焼結して焼結体となると同時に、成形体中の木質材料が炭化されて炭化物となる。このとき、成形用組成物中に予め木質材料と炭化物とが含有されている場合には、元々含有されている炭化物と、木質材料が炭化することにより生成した炭化物とが混在することとなる。更にこのとき成形体の表層部分では炭化物が酸化されて除去され、成形体の表層部分には粘土の焼結体からなる表面層が形成される。この表面層には炭化物が除去された部分が微細な通孔として形成され、多孔質状に成形される。また表面層の内側には粘土の焼結体と炭化物とから構成される内層が形成される。
ここで、焼成時の加熱時間は、加熱温度、成形体中の炭化物の含有量、成形体の形状や寸法等によって適宜設定されるものであり、成形体を構成する粘土が十分に焼結されると共に表層部分の炭化物の除去量が所望のものとなるように調整されるものである。また加熱温度及び加熱時間を適宜設定することにより表面層の厚みを所望の厚みに制御することができる。
以上のような工程を経て成形される炭化物焼結体は、第一及び第二製造例の場合と同様に、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面酸化によって形成される表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなる。更に、表面層を上記のような表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、しかも内層と表面層とは一体に形成されると共に、内層と表面層との間には明確な界面が存在しないことから、内層から表面層が剥離するおそれがなく、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
更に、本製造例では、成形体の成形後に木質材料を炭化するものであることから、特に成形用組成物中に炭化物を配合しない場合には、木質材料を予め炭化した後、粘土と混練して再度焼成するよりも工程数を削減することができ、また炭化物を扱う工程が減ることで粉塵等の飛散がなく、作業環境を向上することができる。
また炭化物よりも木質材料の方が粘土と混練した場合の成形用組成物の可塑性が優れ、成形性がより向上するものであり、また焼成後の形状加工が容易となる。更に、焼成時に木質材料が水分の脱離や有機成分の分解脱離によって炭化物となる過程において体積収縮が起こり、成形体中の空隙が増加して均質な多孔質状に成形されるものであり、その結果、表面層だけでなく内層も更に多孔質状に形成されるものである。
更に、上記の第四の製造例におけるような工程にて炭化物焼結体を成形すると、成形体の焼結と木質材料の炭化及び成形体の表層側における炭化物の除去とが同時に行われることから、製造工程を簡略化することができ、炭化物焼結体の製造効率を向上することができるものである。
【実施例】
(実施例1)
ベントナイト70質量部、粉炭30質量部、カルボキシメチルセルロース0.2%水溶液30質量部を配合し、混練することにより、成形用組成物を得た。このとき粉炭としては、200メッシュアンダーのもの、すなわち目開き74μmの篩いにより分級したものを用いた。
この成形用組成物を球状に成形し、この成形体を室温で12時間放置した後、110℃で3時間放置することにより乾燥させた。
乾燥後の成形体を、炉内で還元剤粉末と共に900℃で3時間加熱することにより焼成し、更に還元剤粉末が存在しない状態で炉内に1L/minの流量で空気を流通させながら、900℃で3時間加熱することにより表面酸化を行い、炭化物焼結体を得た。
(実施例2)
ベントナイト80質量部、木質材料20質量部、カルボキシメチルセルロース0.2%水溶液30質量部を配合し、混練することにより、成形用組成物を得た。このとき木質材料としては、200メッシュアンダーのもの、すなわち目開き74μmの篩いにより分級したものを用いた。
この成形用組成物を球状に成形し、この成形体を室温で12時間放置した後、110℃で3時間放置することにより乾燥させた。
乾燥後の成形体を、炉内で還元剤粉末と共に900℃で3時間加熱することにより焼成し、更に還元剤粉末が存在しない状態で炉内に1L/minの流量で空気を流通させながら、900℃で3時間加熱することにより表面酸化を行い、炭化物焼結体を得た。
(実施例3)
ベントナイト70質量部、粉炭30質量部、カルボキシメチルセルロース0.2%水溶液30質量部を配合し、混練することにより、成形用組成物を得た。このとき粉炭としては、200メッシュアンダーのもの、すなわち目開き74μmの篩いにより分級したものを用いた。
この成形用組成物を球状に成形し、この成形体を室温で12時間放置した後、110℃で3時間放置することにより乾燥させた。
乾燥後の成形体を、炉内で空気雰囲気下で900℃で1時間加熱することにより焼成し、炭化物焼結体を得た。
(実施例4)
ベントナイト80質量部、木質材料20質量部、カルボキシメチルセルロース0.2%水溶液30質量部を配合し、混練することにより、成形用組成物を得た。このとき粉炭としては、200メッシュアンダーのもの、すなわち目開き74μmの篩いにより分級したものを用いた。
この成形用組成物を球状に成形し、この成形体を室温で12時間放置した後、110℃で3時間放置することにより乾燥させた。
乾燥後の成形体を、炉内で空気雰囲気下で900℃で1時間加熱することにより焼成し、炭化物焼結体を得た。
(外観評価)
上記のようにして得られた各実施例の炭化物焼結体は、いずれも表面は素焼きの焼き物状に形成されて、炭化物は露出されなかった。またダイヤモンド切削機を用いて切断した断面には、炭化物を含まない粘土の焼結体からなる表面層と、粘土の焼結体に炭化物が分散した黒色の内層とが形成されていた。
(炭化物分散形態評価)
上記実施例1の条件にてソフトボール大(直径80mm)に形成された炭化物焼結体を、ダイヤモンド切削機を用いて切断することにより、炭化物焼結体の外面側から内方に向けた7.5mmおきの箇所から試験片を切り出した。試験片の寸法は6mm×6mm×6mmとした。この試験片を、炭化物焼結体の外面側に配置されてたものから順に、試験片1〜5とする。
この各試験片に対して、水銀圧入法による細孔分布測定を行い、細孔直径ごとの細孔容積と、細孔の全容積とを導出した。図1に、各試験片の、細孔直径ごとの細孔容積の導出結果を示し、図2には、細孔分布測定から導出された、炭化物焼結体の内奥側から外層側にかけての、全細孔容積の分布及び細孔の平均直径の分布を示す。ここで、図1中では◇は試験片1、□は試験片2、△は試験片3、○は試験片4、×は試験片5についての、それぞれの各細孔直径ごとの試験片重量あたりの細孔容積を示す。また、図2中では□は重量あたりの全細孔容積を示し、○は平均細孔直径を示す。
これらの結果から明らかなように、炭化物焼結体中では、内奥側よりも外層側のほうが細孔の容積や細孔の平均直径が大きいものであり、また細孔の容積や平均直径が大きい外層側の領域と、細孔の容積や平均直径が小さい内奥側の領域との境界では、細孔の容積や平均直径は連続的に変化するものであった。このように内奥側と外層側との間に細孔の容積や平均直径の相違が発生するのは、外層側で炭化物が酸化によって除去されることにより炭化物が配置されていた部分に空隙が生じるためである。このため、上記のように細孔の全容積や平均直径の連続的な変化が発生していることから、炭化物焼結体中に残存する炭化物の含有量が内奥側から外層側に向かうに従って連続的に減少することが証明される。
(多孔質性評価)
また、実施例1にて得られた炭化物焼結体に対して、ユアサアイオニクス製の品番「AUTOSCAN−33」を用い、窒素雰囲気下で窒素ガスを吸着させるBET法により、細孔直径に対する細孔容積を導出した。この結果を図3に示す。
また、ユアサアイオニクス製の「NOVA1000」を用い、水銀圧入法により、炭化物焼結体中の細孔直径ごとの細孔の総容積を測定した。この結果を図4に示す。尚、図中の横軸は細孔直径を示し、縦軸は細孔直径10μmの細孔の総容積を100%とした場合の、各細孔直径における細孔の総容積を示す。
図示の結果から明らかなように、炭化物焼結体中には微細な細孔を多数有する多孔質状に形成されていることが確認できる。
(アンモニア吸着性評価)
実施例1にて得られた炭化物焼結体60mlを直径25mm、長さ115mmのカラム中に充填し、このカラムに500ppmのアンモニアを含む気流を流通させて、カラムから流出する気流中のアンモニア濃度を測定した。また比較対象として竹炭と、備長炭と、ヤシガラ活性炭についても、同様の試験を行った。この結果を図5に示す。尚、図中において、■は実施例1にて得られた炭化物焼結体、●は竹炭、▲は備長炭、×はヤシガラ活性炭についての、試験結果をそれぞれ示す。
この結果から、実施例1にて得られる炭化物焼結体では、炭化物を含まない表面層が形成されているにも拘わらず、吸着体として使用される他の材料と比べても高いアンモニア吸着能を長時間維持することが確認できる。
(硫化水素ガス吸着性評価)
実施例1にて得られた炭化物焼結体と、比較対象である炭化物焼結体と、竹炭と、備長炭と、ヤシガラ活性炭について、それぞれ60mlの試料を直径25mm、長さ115mmのカラム中に充填し、このカラムに500ppmの硫化水素ガスを含む気流を流通させて、カラムから流出する気流中の硫化水素ガス濃度を測定した。この結果を図6に示す。尚、図中において、■は実施例1にて得られた炭化物焼結体、●は竹炭、▲は備長炭、×はヤシガラ活性炭についての、試験結果をそれぞれ示す。
この結果から、実施例1にて得られる炭化物焼結体では、炭化物を含まない表面層が形成されているにも拘わらず、吸着体として使用される他の材料と比べても高い硫化水素ガス吸着能を長時間維持することが確認できる。
(ホルムアルデヒド除去性評価)
密閉容器内を75ppmホルムアルデヒド雰囲気とすると共にこの密閉容器内に実施例1にて得られた炭化物焼結体を配置し、密閉容器内のホルムアルデヒド濃度の経時変化を調査した。また比較対象として、発泡煉石からなる吸着体についても、同様の試験を行った。この結果を図7に示す。尚、図中において、●は実施例1にて得られた炭化物焼結体、▲及び×は発泡煉石からなる吸着体についての試験結果をそれぞれ示す。
この結果から、実施例1にて得られる炭化物焼結体では、吸着体として使用される他の材料と比べても高いホルムアルデヒド吸着能を有することが確認できる。
(残留塩素除去性評価)
蒸留水から調製された初期濃度170mg/lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液150mlを容量300mlの三角フラスコ中にいれ、この次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、実施例1にて得られる炭化物焼結体を浸漬し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の次亜塩素酸ナトリウムの経時変化を調査した。また、比較対象として、竹炭及び備長炭についても同様の試験を行った。この結果を図8に示す。尚、図中において、●は実施例1にて得られた炭化物焼結体、▲は竹炭、■は備長炭についての試験結果をそれぞれ示す。
この結果から、実施例1にて得られる炭化物焼結体では、炭化物を含まない表面層が形成されているにも拘わらず、吸着体として使用される他の材料と比べても高い残留塩素除去能を有することが確認できる。
(遠赤外線放射性評価)
日本電子社製の遠赤外線測定装置(品番「IR−IR200」)を用い、実施例1にて得られる炭化物焼結体の遠赤外線放射率を測定した。また、比較対象として酸化アルミニウムについても同様の試験を行った。この結果を図9に示す。
この結果から、実施例1にて得られる炭化物焼結体は、酸化アルミニウムと比較して、広い波長領域において良好な遠赤外線放射性を有することが確認できる。
【発明の効果】
上記のように、本発明の請求項1に係る炭化物焼結体は、粘土で構成されると共に炭化物を含まない表面層と、粘土と炭化物にて構成される内層とから成り、前記表面層及び内層が焼結体から成り、且つ粘土と炭化物とが分散した成形体の表層部分から炭化物を酸化させて除去することにより、成形体の表層部分に前記表面層を形成すると共に、この表面層の内奥に表面層にて表面側の全面が覆われた内層を形成して成るものであるため、表面層が存在することによって炭化物が表面に露出しないこととなり、人間が手で触れても手が黒く汚れるようなことがなく、かつ炭化物の微粉末が飛散するようなこともなくなって、取扱性が良好なものであり、またこのように炭化物が露出しないことから、難燃性も向上するものであり、また、従来の炭化物材料のような黒色系の外観を呈さなくなり、表面層を構成する粘土に応じて従来の炭化物材料のイメージを払拭する外観を備えさせることができるものであり、また炭化物のみではなく、炭化物と粘土にて構成されるため、所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものである。従って、特に人の目に触れたり人が手で触れたりする機会のある用途において好適に用いることができるものである。
また、炭化物焼結体は表面層が形成される部分と内層が形成される部分とが完全に一体となった焼結体から得られることとなり、内層から表面層が剥離しにくくなって、二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができると共にこの炭化物焼結体は多孔質性で比表面積が高く、しかも表面層における炭化物が除去された部分には細孔が形成され、表面層の多孔質性が向上すると共に炭化物焼結体の外部と内層とがこの通孔にて連通されることとなって、特に炭化物焼結体を吸着材として用いる場合には、吸着すべき成分が表面層を通過して炭化物が含有されている内層に容易に到達することとなり、吸着性能が向上するものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、均一な組成を有する粘土からなる母相によって炭化物焼結体を構成し、母相の内奥部に炭化物を含有させて内層を形成すると共に内層の外側に炭化物を含まない表面層を形成するため、炭化物を含む内層と炭化物を含まない表面層とは一体に形成され、これにより表面層と内層との間の剥離の発生が防止されて二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、内層と表面層との境界領域において炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成するため、内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在しなくなり、これにより表面層と内層との間の剥離の発生が防止されて二層に分離した炭化物焼結体の強度を向上することができるものである。
また本発明の請求項4に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成するため、炭化物焼結体を所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、得られる炭化物焼結体は粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなり、しかも炭化物焼結体の外部と内層とを表面層に形成された通孔にて連通することができ、炭化物焼結体の優れた吸着性や吸湿性を維持することができるものである。また、表面層を表面酸化によって簡便な工程にて形成すると共に表面酸化の度合いを容易に制御できて表面層を所望の厚みに形成することが容易なものであり、しかも内層と表面層とは同一の組成を有する粘土の焼結体からなる母相によって一体に形成されると共に、内層と表面層との境界領域においては炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成されて内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在しなくなり、これにより内層から表面層の剥離が防止されて、二層に分離しているにも係わらず強度の高い炭化物焼結体を得ることができるものである。
また、表面層を表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、表面層と内層とを別個に成形する必要がなく、炭化物と粘土とを配合した成形用組成物から成形される成形体に表面層と内層とを形成して炭化物焼結体を得ることができて、表面層を簡便な工程にて形成することができるものである。またこのとき、表面酸化による表面層の形成を成形体を焼結させた後に行うことから、表面酸化の度合いを容易に制御できて、炭化物の除去量を容易に調整することができ、表面層を所望の厚みに形成することが容易なものである。
また本発明の請求項5に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成すると共に木質材料を炭化した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成するため、炭化物焼結体を所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、得られる炭化物焼結体は粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなり、しかも炭化物焼結体の外部と内層とを表面層に形成された通孔にて連通することができ、炭化物焼結体の優れた吸着性や吸湿性を維持することができるものである。また、表面層を表面酸化によって簡便な工程にて形成すると共に表面酸化の度合いを容易に制御できて表面層を所望の厚みに形成することが容易なものであり、しかも内層と表面層とは同一の組成を有する粘土の焼結体からなる母相によって一体に形成されると共に、内層と表面層との境界領域においては炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成されて内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在しなくなり、これにより内層から表面層の剥離が防止されて、二層に分離しているにも係わらず強度の高い炭化物焼結体を得ることができるものである。
また、表面層を表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、表面層と内層とを別個に成形する必要がなく、木質材料と粘土とを配合した成形用組成物から成形される成形体に表面層と内層とを形成して炭化物焼結体を得ることができて、表面層を簡便な工程にて形成することができるものである。またこのとき、表面酸化による表面層の形成を成形体を焼結させた後に行うことから、表面酸化の度合いを容易に制御できて、炭化物の除去量を容易に調整することができ、表面層を所望の厚みに形成することが容易なものである。
また、成形体の成形後に木質材料を炭化するものであることから、木質材料を予め炭化した後に粘土と混練して再度焼成するよりも工程数を削減することができ、また炭化物を扱う工程が減ることで粉塵等の飛散がなく、作業環境を向上することができるものである。また炭化物よりも木質材料の方が粘土と混練した場合の成形用組成物の可塑性が優れ、成形性がより向上するものであり、また焼成後の形状加工が容易となるものである。更に、焼成時に木質材料が水分の脱離や有機成分の分解脱離によって炭化物となる過程において体積収縮が起こり、成形体中の空隙が増加して均質な多孔質状に成形されるものであり、その結果、表面層だけでなく内層も多孔質状に形成されて、炭化物焼結体の吸着性や吸湿性を更に向上することができるものである。
また本発明の請求項6に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱して、焼成と同時に表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成するため、炭化物焼結体を所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、得られる炭化物焼結体は粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなり、しかも炭化物焼結体の外部と内層とを表面層に形成された通孔にて連通することができ、炭化物焼結体の優れた吸着性や吸湿性を維持することができるものである。また、表面層を表面酸化によって簡便な工程にて形成することができ、しかも内層と表面層とは同一の組成を有する粘土の焼結体からなる母相によって一体に形成されると共に、内層と表面層との境界領域においては炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成されて内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在しなくなり、これにより内層から表面層の剥離が防止されて、二層に分離しているにも係わらず強度の高い炭化物焼結体を得ることができるものである。
また、表面層を表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、表面層と内層とを別個に成形する必要がなく、炭化物と粘土とを配合した成形用組成物から成形される成形体に表面層と内層とを形成して炭化物焼結体を得ることができて、表面層を簡便な工程にて形成することができるものである。
また、成形体の焼結と成形体の表層側における炭化物の除去とが同時に行われることから、製造工程を簡略化することができ、炭化物焼結体の製造効率を向上することができるものである。
また本発明の請求項7に係る炭化物焼結体の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料を含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱し、焼成と同時に木質材料の炭化と表層部分の炭化物の酸化による除去とを行って炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成するため、炭化物焼結体を所望の形状に容易に成形することができて成形性が良いものであり、また、得られる炭化物焼結体は粘土の焼結体にて構成されることから機械的強度にも優れるものである。また表面層は炭化物を含まず、かつ粘土の焼結体からなる多孔質状に形成されることから、素焼きの焼き物状の外観と肌触りを備えることとなり、従来の黒色系の炭化物材料とは異なる優れた外観を有することとなり、しかも炭化物焼結体の外部と内層とを表面層に形成された通孔にて連通することができ、炭化物焼結体の優れた吸着性や吸湿性を維持することができるものである。また、表面層を表面酸化によって簡便な工程にて形成することができ、しかも内層と表面層とは同一の組成を有する粘土の焼結体からなる母相によって一体に形成されると共に、内層と表面層との境界領域においては炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成されて内層と表面層との間には組成が不連続に変化するような明確な界面が存在しなくなり、これにより内層から表面層の剥離が防止されて、二層に分離しているにも係わらず強度の高い炭化物焼結体を得ることができるものである。
また、表面層を表面酸化によって形成することにより、表面層を簡便な工程にて形成することができ、表面層と内層とを別個に成形する必要がなく、炭化物と木質材料とを配合した成形用組成物から成形される成形体に表面層と内層とを形成して炭化物焼結体を得ることができて、表面層を簡便な工程にて形成することができるものである。
また、成形体の成形後に木質材料を炭化するものであることから、炭化物を扱う工程が減ることで粉塵等の飛散がなく、作業環境を向上することができるものである。また炭化物よりも木質材料の方が粘土と混練した場合の成形用組成物の可塑性が優れ、成形性がより向上するものであり、また焼成後の形状加工が容易となるものである。更に、焼成時に木質材料が水分の脱離や有機成分の分解脱離によって炭化物となる過程において体積収縮が起こり、成形体中の空隙が増加して均質な多孔質状に成形されるものであり、その結果、表面層だけでなく内層も多孔質状に形成されて、炭化物焼結体の吸着性や吸湿性を更に向上することができるものである。
また、成形体の焼結と木質材料の炭化及び成形体の表層側における炭化物の除去とが同時に行われることから、製造工程を簡略化することができ、炭化物焼結体の製造効率を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における、各試験片中の細孔直径ごとの細孔容積を示すグラフである。
【図2】 実施例1における、炭化物焼結体の内奥側から外層側にかけての、全細孔容積の分布及び細孔の平均直径の分布を示すグラフである。
【図3】 BET法にて測定された、実施例1における炭化物焼結体中の細孔直径に対する細孔容積分布を示すグラフである。
【図4】 水銀圧入法にて測定された、実施例1における炭化物焼結体中の細孔直径に対する細孔容積分布を示すグラフである。
【図5】 実施例1における炭化物焼結体、竹炭、備長炭及びヤシガラ活性炭についての、アンモニアガス吸着性の試験結果を示すグラフである。
【図6】 実施例1における炭化物焼結体、竹炭、備長炭及びヤシガラ活性炭についての、硫化水素ガス吸着性の試験結果を示すグラフである。
【図7】 実施例1における炭化物焼結体及び従来の発泡煉石からなる吸着体についての、ホルムアルデヒド吸着性の試験結果を示すグラフである。
【図8】 実施例1における炭化物焼結体、竹炭及び備長炭についての、水中での残留塩素除去性の試験結果を示すグラフである。
【図9】 実施例1における炭化物焼結体及び酸化アルミニウムについての、遠赤外線放射率の測定結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 粘土で構成されると共に炭化物を含まない表面層と、粘土と炭化物にて構成される内層とから成り、前記表面層及び内層が焼結体から成り、且つ粘土と炭化物とが分散した成形体の表層部分から炭化物を酸化させて除去することにより、成形体の表層部分に前記表面層を形成すると共に、この表面層の内奥に表面層にて表面側の全面が覆われた内層を形成して成るものであることを特徴とする炭化物焼結体
  2. 均一な組成を有する粘土からなる母相によって炭化物焼結体を構成し、母相の内奥部に炭化物を含有させて内層を形成すると共に内層の外側に炭化物を含まない表面層を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の炭化物焼結体
  3. 内層と表面層との境界領域において炭化物の含有量が内層側から表面層側にいくに従って連続的に減少するように形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化物焼結体
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とする炭化物焼結体の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料とを含む成形用組成物を成形し、不活性雰囲気下、無酸素雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成すると共に木質材料を炭化した後、表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とする炭化物焼結体の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と炭化物とを含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱して、焼成と同時に表層部分の炭化物を酸化させて除去することにより炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とする炭化物焼結体の製造方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化物焼結体の製造方法であって、粘土と木質材料とを含む成形用組成物を成形し、酸素含有雰囲気下において加熱して、焼成と同時に木質材料の炭化と表層部分の炭化物の酸化による除去とを行って炭化物を含まない表面層を表面側の全面を覆うように形成することを特徴とする炭化物焼結体の製造方法。
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