JP4011868B2 - 独立懸架式サスペンション - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、独立懸架式サスペンションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は大型バスのサスペンション構造の一例を示すもので、ここに図示しているものは、左右の車輪1が独立して運動し得るようにした独立懸架式サスペンションとなっており、各車輪1がナックル2により回転自在に軸支され、該各ナックル2が左右一対のシャンク3に連結されている。
【0003】
そして、各シャンク3の上端部が比較的小型のウィッシュボーン形式(平面視でA字状のアーム形式)のアッパーアーム4により車体側から上下動自在に連結され、前記各シャンク3の下端部が比較的大型のウィッシュボーン形式のロアーアーム5により車体側から上下動自在に連結されていて、いわゆるダブルウィッシュボーン式サスペンションを構成するようになっており、更には、前記各シャンク3の上端部上側に、車体側を弾性支持し得るようにしたエアスプリング6が据え付けられるようになっている。
【0004】
即ち、図3及び図4により図2で省略されている部分を補足して説明すると、前記エアスプリング6は、アッパーアーム4及びロアーアーム5により上下動自在に車体側から支持されたシャンク3の上端部と、車輪1を挟んだ前後のクロスメンバ7,8を車幅方向両側(図3中における上下方向:図3では車両左側の構造だけを図示)で連結しているビーム9の下面との間に介装されるようになっている。
【0005】
そして、前記各クロスメンバ7,8の相互間における左右のビーム9より車幅方向内側の部分には、複数本の角チューブを組み付けて成る左右のトラス構造10(図3中には左側のものだけを図示)と、前記左右のアッパーアーム4及びロアーアーム5の夫々の基端部を傾動自在に取付けるためのサスペンションアーム支持架構11とが架設されており、これら左右のトラス構造10とサスペンションアーム支持架構11とによっても前記各クロスメンバ7,8の相互間が強固に連結されている。
【0006】
ここで、前記サスペンションアーム支持架構11につき、図2〜図4の全てを参照しつつ更に詳述すると、このサスペンションアーム支持架構11は、アッパーアーム4の基端部を車両前後方向に延びるピン12を介して枢着するためのブラケット13を左右両側に装備した上部構造14と、ロアーアーム5の基端部を車両前後方向に延びるピン15を介して枢着するためのブラケット16を左右両側に装備した下部構造17と、これら上部構造14と下部構造17とを連結するサポート部材18とにより構成されている。
【0007】
また、前記サスペンションアーム支持架構11における上部構造14及び下部構造17の各ブラケット13,16に対しアッパーアーム4及びロアーアーム5の基端部をピン12,15で連結するに際しては、アッパーアーム4及びロアーアーム5の基端部と各ピン12,15との間にラバーブッシュ19,20(二重になった金属製の筒内にゴムを収容させたもの)を介装させるようにしており、これによって、各連結箇所における前後左右方向の相互変位を許容し得るようにしてある。
【0008】
尚、アッパーアーム4及びロアーアーム5の先端部とシャンク3の上下端部との連結箇所についてはベアリングを介したピン連結構造が採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来構造においては、特に図4に明示している如く、車輪1の軸心線Pと直交する鉛直面Dに対しエアスプリング6の軸心線Oが車両前後方向で一致するように配置されていて、路面側の衝撃の入力点と車体側からの反力点とが車両前後方向で同じ位置になっているため、例えば橋梁式高速道路の継目部分などの如き路面上の段差部21を走行中に乗り越えた際に、車輪1を斜め後方に突き上げるような衝撃が入力されると、その上下方向の変動成分がアッパーアーム4とロアーアーム5の上下動により良好に吸収される一方、衝撃の入力点に近いロアーアーム5を車両後方へ押し出すような変動成分については、ラバーブッシュ20の弾性変形だけで吸収することができずに車体側へ伝達されてしまい、走行時の乗り心地が悪くなるという問題があった。
【0010】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、車両の走行時における乗り心地を従来より大幅に改善し得る独立懸架式サスペンションを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車輪を軸支するシャンクの上下端部をアッパーアームとロアーアームとにより車体側から上下動自在に連結し且つ前記シャンクの上端部上側に据え付けた単一のエアスプリングにより車体側を弾性支持し得るようにした独立懸架式サスペンションにおいて、車輪の軸心線と直交する鉛直面に対しエアスプリングの軸心線が車両後方へ所要のずれ量を有するように該エアスプリングをオフセット状態で配置したことを特徴とするものである。
【0012】
而して、このようにすれば、路面側からの入力点が車輪の軸心直下の接地点となるのに対し、車体側の反力点がエアスプリングの軸心位置となるので、路面側の衝撃の入力点と車体側からの反力点とが車両前後方向にオフセットした状態になり、車両の静止状態(他の外力が作用していない状態で車体側の荷重のみがサスペンションに作用している状態)において、車輪の軸心回りに前進時の回転方向と逆向きのモーメントが発生し、このモーメントがエアスプリング下のアッパーアームとロアーアームとシャンクとが成す揺動リンク機構全体に作用して、主にロアーアームに対し車両前方へ押し出すような予歪みが与えられ、該ロアーアームの基端部を車体側に連結している車両前方側のラバーブッシュが圧縮し且つ後方側のラバーブッシュは伸長した状態となる。
【0013】
この結果、走行時に路面の凹凸により車輪を斜め後方に突き上げるような衝撃を受けても、ロアーアームには予め車両前方へ押し出すような予歪みが与えられていて、該ロアーアームがラバーブッシュの弾性変形だけで車両後方側へ後退できる余裕代が従来より大きくなっているので、前記路面側からの衝撃を良好に吸収することが可能となり、路面側から車体側へ伝達される衝撃が少なくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図2〜図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0016】
図1に示す如く、本形態例においては、前述した図2〜図4のものと略同様に構成した独立懸架式サスペンションに関し、アッパーアーム4及びロアーアーム5により上下動自在に支持されたシャンク3の上端部と、車輪1を挟んだ前後のクロスメンバ7,8を連結しているビーム9の下面との間に介装されたエアスプリング6を、該エアスプリング6の軸心線Oが、車輪1の軸心線Pと直交する鉛直面Dに対し車両後方(図1中の右側)へ所要のずれ量Sを有するようにオフセット状態で配置している。
【0017】
而して、このようにすれば、路面側からの入力点が車輪1の軸心直下の接地点となるのに対し、車体側のビーム9における反力点がエアスプリング6の軸心位置となるので、路面側の衝撃の入力点と車体側からの反力点とが車両前後方向にオフセットした状態になり、車両の静止状態(他の外力が作用していない状態で車体側の荷重のみがサスペンションに作用している状態)において、車輪1の軸心回りに前進時の回転方向と逆向きのモーメントMが発生し、このモーメントMがエアスプリング6下のアッパーアーム4とロアーアーム5とシャンクとが成す揺動リンク機構全体に作用して、主にロアーアーム5に対し車両前方へ押し出すような予歪みが与えられ、該ロアーアーム5の基端部をサスペンションアーム支持架構11の下部構造17のブラケット16に連結している車両前方側のラバーブッシュ20が圧縮し且つ後方側のラバーブッシュ20は伸長した状態となる。
【0018】
この結果、路面上の段差部21を走行中に乗り越えるなどして車輪1を斜め後方に突き上げるような衝撃を路面側から受けても、ロアーアーム5には予め車両前方へ押し出すような予歪みが与えられていて、該ロアーアーム5がラバーブッシュ20の弾性変形だけで車両後方側へ後退できる余裕代が従来より大きくなっているので、前記路面側からの衝撃を良好に吸収することが可能となり、路面側から車体側へ伝達される衝撃が少なくなる。
【0019】
従って、上記形態例によれば、ロアーアーム5に対し車両前方へ押し出すような予歪みを与えておくことにより、路面側からの衝撃に対する吸収能力を向上して路面側から車体側へ伝達される衝撃を著しく軽減することができるので、車両の走行時における乗り心地を従来より大幅に改善することができる。
【0020】
尚、本発明の独立懸架式サスペンションは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、大型バス以外の車両にも同様に適用し得ること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
上記した本発明の独立懸架式サスペンションによれば、エアスプリングを車両後方側へオフセット状態で配置した構成を採用しているので、ロアーアームに対し車両前方へ押し出すような予歪みを与えておくことができ、これによって、路面側からの衝撃に対する吸収能力を向上して路面側から車体側へ伝達される衝撃を著しく軽減することができて、車両の走行時における乗り心地を従来より大幅に改善することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す側面図である。
【図2】従来例を示す斜視図である。
【図3】図2の要部についての平面図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 車輪
3 シャンク
4 アッパーアーム
5 ロアーアーム
6 エアスプリング
19 ラバーブッシュ
20 ラバーブッシュ
D 鉛直面
O エアスプリングの軸心線
P 車輪の軸心線
S ずれ量
Claims (1)
- 車輪を軸支するシャンクの上下端部をアッパーアームとロアーアームとにより車体側から上下動自在に連結し且つ前記シャンクの上端部上側に据え付けた単一のエアスプリングにより車体側を弾性支持し得るようにした独立懸架式サスペンションにおいて、
車輪の軸心線と直交する鉛直面に対しエアスプリングの軸心線が車両後方へ所要のずれ量を有するように該エアスプリングをオフセット状態で配置したことを特徴とする独立懸架式サスペンション。
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