JP4000393B2 - 高濃度土質スラリー材の製造方法とその製造装置 - Google Patents

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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度のスラリーを必要とする地下空間の充填材となる高濃度土質スラリー材の製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤沈下や地盤陥没事故を引き起こす地下空洞の充填工事においては、流動性の高いセメントミルク、エアモルタル、土質材料に石灰系或いはセメント系の固化材を加えて水で混合したスラリーを用いていたが、材料の分離による地下水の汚染や、充填限定区域外に流出してしまう問題があった。
【0003】
この問題解決のため、発明者らは、特願2000−272757で粘性が高く流動性の低いスラリーを用いた充填方法を提案した。この方法では、地下空洞の充填領域の外周に流動性の低いゲル状の充填材を注入して閉鎖し、その内周側の領域に相対的に初期流動性の高い中詰充填材を充填するものである。
【0004】
この方法によれば、材料ロスの防止と、地下空洞に対する限定的な充填を行なうことができる。しかし、キラ材を用いて流動性の低い(粘性の高い)充填材を製造するためには通常の混練装置では生産が困難である問題があった。このため、特殊な動力設備の大規模な混練装置を設備しなければならなかった。
【0005】
また、地下空洞の充填現場までの搬送配管を大口径とし、圧送ポンプを大型にしなければならない問題があった。さらに、粘性が高いために長距離の圧送が困難で搬送パイプラインが閉塞する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたもので、安価なキラ材を利用し高濃度土質スラリー材を通常の混練装置を用いて製造する方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の高濃度土質スラリー材の製造方法は、珪砂・耐火煉瓦などの窯業原料として使用される耐火粘土の製造過程で副産物として生じるキラ材を用いた高濃度・高比重の土質スラリー材を製造する方法であって、前記キラ材に水を混合・攪拌する際に、微量の水ガラスを添加して高濃度でありながら流動性を保持したスラリー材を製造する混練工程と、比重が異なる粘土キラ材と砂キラ材毎に混練工程で製造された前記スラリー材を混合し所望の濃度・比重のスラリー材に調整する濃度調整工程と、濃度調整されたスラリー材を搬送する搬送工程と、充填部の近傍に貯蔵し、ゲル化させるために必要な所定量の水ガラスを添加攪拌する固化準備工程と、セメント系固化材と混合させながら充填部に搬送する混合ゲル化工程とからなり、前記混練工程における水ガラスの添加量は、混練・搬送に必要な流動性を維持する範囲で設定し、前記固化準備工程における水ガラスの添加量はセメント系固化材との混合をゲル化させるために必要な水ガラスの設計添加量から前記混練工程で添加した水ガラス添加量を差引いた残量を添加することを特徴とする高濃度土質スラリー材の製造方法。
【0008】
この発明によれば、キラ材に水を混合・攪拌する際に、微量の水ガラスを添加することにより、混合したスラリーが高濃度(高比重)でありながら粘性を低下させることができる。このため、通常動力の攪拌装置を用い少ない消費電力で混合・攪拌することができる。
【0009】
また、濃度調整・混練工程を備えることにより、粘土キラ、砂キラの混合比により所望の比重・濃度の充填材を提供することができる。さらに、流動性を保ったまま、小径配管で充填現場近傍までパイプ搬送することができる。また圧送ポンプも小型で送出することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明のキラ材の組成に関するものであって、前記混練工程の水ガラス添加量は、粘土キラ材についてはキラ材の固形物重量比0.4%〜2.0%、砂キラ材についてはキラ材の固形物重量比0.2%〜2.0%の範囲で使用するキラ材の組成に応じて設定することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、窯業の副産物であるキラ材の材料組成に応じ、0.2%〜2.0%の範囲で水ガラス添加量を調整し所望の流動性を保つことができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の混合ゲル化工程に関するものであって、前記混合ゲル化工程は、キラ材スラリーとセメント系固化材の配管を合流させ連続的に混合して送出する連続混合器によることを特徴とする。
【0013】
本発明の高濃度土質スラリー材の製造装置は、粘土キラ混合ラインと砂キラ混合ラインと、それぞれの混合ラインで生成されたスラリー材を混合する濃度調整槽からなる土質系スラリー製造ラインと、セメントミルクプラントと、前記濃度調整槽からパイプラインで圧送又はアジテータトラックで搬送されたスラリー材を受け添加調整する混合液受け槽と、前記各槽にスラリー材を送出する圧送ポンプ並びに送出パイプと、セメント系固化材とスラリーを混合送出する連続混合器とから構成するスラリー材製造装置であって、前記粘土キラ混合ラインは、粘土キラ供給機から投入される粘土キラと、水ガラス供給槽、給水槽に接続された粘土キラ一次混合槽と、前記1次混合槽からのスラリーを更に混練する粘土キラ2次混合槽と、所望の濃度に混練された粘土キラスラリーを貯蔵する粘土キラサンプル槽とを備え、前記砂キラ混合ラインは、砂キラ供給機から投入される砂キラと、水ガラス供給槽、給水槽に接続された砂キラ一次混合槽と、前記1次混合槽からのスラリーを更に混練する砂キラ2次混合槽と、所望の濃度に混練された砂キラスラリーを貯蔵する砂キラサンプル槽とを備え、それぞれの混合ラインは、微量の水ガラスを添加してキラ材を混練し高濃度のスラリーを製造し、前記混合液受け槽は、水ガラス供給槽からの供給配管を備え前記濃度調整槽から圧送されたスラリー材にセメント系固化材との混合によるゲル化に必要な設計組成に対応する所定量の水ガラスを2次添加することを特徴とする
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1は、本発明の高濃度土質スラリー材の製造方法の工程を示す流れ図である。
【0016】
まずS10で、ストックヤードからベルトコンベアで供給されるキラ材を混合槽に投入し、給水槽から供給される溶解水と混練する際に、水ガラス貯槽から微量の水ガラスを添加して混練し、所望の比重のスラリー材を製造する(混練工程
【0017】
このS10では、キラ材の組成に応じてキラ材の固形物重量比0.2〜2%の水ガラスを添加することにより、粘性を低下させて、高濃度(高い比重)なスラリーを生成することができる。添加量としては、粘土キラでは0.4%〜2%、砂キラでは0.2%〜2%の範囲で流動性を保持させることができる。
【0018】
次にS11で、比重の異なる粘土キラ材と砂キラ材毎に製造された前記スラリー材と、給水槽からの混合水を濃度調整槽で混練し、所望の濃度・比重のスラリー材となるように調整する(濃度調整工程)。
【0019】
次にS12で、濃度調整されたスラリー材を充填現場近傍の混合液受け槽までパイプラインまたはアジテータトラックで搬送する(搬送工程)。
【0020】
次にS13で、混合液受け槽の混合液に、充填時にセメント系固化材と反応してゲル化させるために必要な所定量の水ガラスを添加して攪拌する(固化準備工程)。S13の水ガラス添加量は、必要な所定量からS10で添加した水ガラス添加量を差引いた残量を添加することとなる。
【0021】
次に、S14で、固化準備工程で所定量の水ガラスが添加されたスラリー材と、セメント系固化材をスタティックミキサーなどの連続混合器で混合させ、ゲル化させながら供給する(混合ゲル化工程)からなる。
【0022】
前述のキラ材は、珪砂や、耐火煉瓦等の窯業原料として使用される耐火粘土の製造工程で副産物として生じる廃棄物であって、石英、長石、カオリンを構成鉱物とする粘土混じりの微粒珪砂である。このキラ材は有害物質を含まず、地中充填材として安全で安価である特徴を有する。
【0023】
前述の水ガラスは、二酸化珪素(SiO )及び酸化ナトリウム(Na )からなり、セメント系固化材との反応によってゲル化を起こさせるための添加剤である。施工条件に応じ、この水ガラスの添加量によりゲル化反応時間を調整する。
【0024】
本発明は、微量の水ガラスが、スラリー材の粘性を低下させる特性を利用し、スラリー材の混練工程で水ガラスを添加し、高濃度・高比重のスラリー材を特別な混練設備をすることなしに製造することができる。
【0025】
また、製造した高濃度スラリーを充填現場まで搬送する圧送ポンプやパイプラインは、スラリー材の濃度に比例して大型・高出力または大口径の設備を要するが、高濃度でありながら、流動性を保持させることができるため、通常設備で搬送することができる。
【0026】
図2は、本発明の高濃度土質スラリー材製造装置100の構成を示す模式図である。図に示すように高濃度土質スラリー材製造装置100は、土質系スラリー製造ライン20とセメント系固化材製造ライン30から構成される。
【0027】
前記土質系スラリー製造ライン20は、粘土キラ混合ラインと砂キラ混合ラインと、それぞれで生成されたスラリー材を混合する濃度調整槽27から構成される。
【0028】
前記粘土キラ混合ラインは、粘土キラ21aを貯蔵するストックヤード21、ベルトコンベア等の搬送機からなる粘土キラ供給機22a、投入された粘土キラを混練する粘土キラ一次混合槽24a、粘土キラ二次混合槽25a、粘土キラサンプル槽26aから構成される。
【0029】
前記砂キラ混合ラインは、砂キラ21bを貯蔵するストックヤード21、ベルトコンベア等の搬送機からなる砂キラ供給機22b、投入された砂キラを混練する砂キラ一次混合槽24b、砂キラ二次混合槽25b、砂キラサンプル槽26bから構成される。
【0030】
前記粘土キラ一次混合槽24a、砂キラ一次混合槽24bには、給水槽40から混合水が供給され所望の濃度(比重)に混練される。この時、水ガラス貯槽23から水ガラスを添加しスラリーの粘性を低下させ流動性を保持させる。
【0031】
前記混合槽24a、24bにはロードセル(図示せず)を装備し比重を監視して、キラ材の投入量、混合水の供給量を調整し、一定の濃度のスラリーを連続的に生産する。
【0032】
粘土キラ二次混合槽25a、砂キラ二次混合槽25bは、粘土キラ一次混合槽24a、砂キラ一次混合槽24bから混練されたスラリーを連続的に受け入れて貯溜しさらに混練する混合槽である。
【0033】
粘土キラサンプル槽26a、砂キラサンプル槽26bは、所望の濃度の粘土キラ二次混合槽25a、砂キラ二次混合槽25bから混練されたスラリーを連続的に受け入れて貯溜し現場の必要に応じて供給可能にするための貯溜混合槽である。
【0034】
濃度調整槽27は、前記粘土キラサンプル槽26a、砂キラサンプル槽26bから粘土キラスラリーと砂キラスラリーとを取り込み、混合水を加え所望の設計濃度・比重になるように混合調整する。この時サンプル槽26a、26bからの取り込みには流量計、質量計を備えたパイプライン(図示せず)を通じて濃度調整を連続的に行なう。
【0035】
次に現場近傍に設けられた混合液受け槽42まで圧送ポンプまたはアジテータトラック28により濃度調整されたスラリーを搬送する。
【0036】
混合液受け槽42では、セメント系固化材と混合したときゲル化させるための所定量の添加量となるように水ガラス貯槽41から水ガラスを二次添加して混合する。この工程は、水ガラスの添加により沈殿が起きるので使用する直前に連続して行なうのが望ましい。
【0037】
セメント系固化材製造ライン30は、セメント系固化材サイロ31と給水槽40を備えたセメントミルクプラント32から構成され、連続して充填ポンプ45で連続混合器43に送出する。連続混合器43は公知のスタティックミキサー(ラインミキサー)を用いる。
【0038】
連続混合器43では、混合液受け槽42から充填ポンプ45で送出されるキラ材スラリーとセメントミルクプラントから送出されるセメント系固化材が合流し、連続的に混合され現場注入口44をへて地下空洞に注入する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、キラ材に水を混合・攪拌する際に、微量の水ガラスを添加することにより、スラリーが高濃度(高比重)でありながら粘性を低下させることができる。このため、通常動力の攪拌装置を用い少ない消費電力で混合・攪拌することができる。
【0040】
また、濃度調整・混練工程を備えることにより、粘土キラ、砂キラの混合比により所望の比重・濃度の充填材を提供することができる。さらに、流動性を保ったまま、小径配管で充填現場近傍まで長距離のパイプ搬送することができる。また圧送ポンプも小型で送出することができる。
【0041】
このため、本発明によれば、微量の水ガラスが、スラリー材の粘性を低下させる特性を利用して設備費、施工費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高濃度土質スラリー材の製造方法の工程を示す流れ図である。
【図2】 本発明の高濃度土質スラリー材製造装置100の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
20 土質系スラリー製造ライン
21 ストックヤード
21a 粘土キラ
21b 砂キラ
22a 粘土キラ供給機
22b 砂キラ供給機
23,41 水ガラス貯槽
24a 粘土キラ一次混合槽
24b 砂キラ一次混合槽
25a 粘土キラ二次混合槽
25b 砂キラ二次混合槽
26a 粘土キラサンプル槽
26b 砂キラサンプル槽
27 濃度調整槽
28 圧送ポンプまたはアジテータトラック
30 セメント系固化材製造ライン
31 セメント系固化材サイロ
32 セメントミルクプラント
40 給水槽
42 混合液受け槽
43 連続混合器
44 現場注入口
45 充填ポンプ
46 充填ポンプ

Claims (4)

  1. 珪砂・耐火煉瓦などの窯業原料として使用される耐火粘土の製造過程で副産物として生じるキラ材を用いた高濃度・高比重の土質スラリー材を製造する方法であって、前記キラ材に水を混合・攪拌する際に、微量の水ガラスを添加して高濃度でありながら流動性を保持したスラリー材を製造する混練工程と、比重が異なる粘土キラ材と砂キラ材毎に混練工程で製造された前記スラリー材を混合し所望の濃度・比重のスラリー材に調整する濃度調整工程と、濃度調整されたスラリー材を搬送する搬送工程と、充填部の近傍に貯蔵し、ゲル化させるために必要な所定量の水ガラスを添加攪拌する固化準備工程と、セメント系固化材と混合させながら充填部に搬送する混合ゲル化工程とからなり、前記混練工程における水ガラスの添加量は、混練・搬送に必要な流動性を維持する範囲で設定し、前記固化準備工程における水ガラスの添加量はセメント系固化材との混合をゲル化させるために必要な水ガラスの設計添加量から前記混練工程で添加した水ガラス添加量を差引いた残量を添加することを特徴とする高濃度土質スラリー材の製造方法。
  2. 前記混練工程の水ガラス添加量は、粘土キラ材についてはキラ材の固形物重量比0.4%〜2.0%、砂キラ材についてはキラ材の固形物重量比0.2%〜2.0%の範囲で使用するキラ材の組成に応じて設定することを特徴とする請求項1記載の高濃度土質スラリー材の製造方法。
  3. 前記混合ゲル化工程は、キラ材スラリーとセメント系固化材の配管を合流させ連続的に混合して送出する連続混合器によることを特徴とする請求項1または2に記載の高濃度土質スラリー材の製造方法。
  4. 粘土キラ混合ラインと砂キラ混合ラインと、それぞれの混合ラインで生成されたスラリー材を混合する濃度調整槽からなる土質系スラリー製造ラインと、セメントミルクプラントと、前記濃度調整槽からパイプラインで圧送又はアジテータトラックで搬送されたスラリー材を受け添加調整する混合液受け槽と、前記各槽にスラリー材を送出する圧送ポンプ並びに送出パイプと、セメント系固化材とスラリーを混合送出する連続混合器とから構成するスラリー材製造装置であって、前記粘土キラ混合ラインは、粘土キラ供給機から投入される粘土キラと、水ガラス供給槽、給水槽に接続された粘土キラ一次混合槽と、前記1次混合槽からのスラリーを更に混練する粘土キラ2次混合槽と、所望の濃度に混練された粘土キラスラリーを貯蔵する粘土キラサンプル槽とを備え、前記砂キラ混合ラインは、砂キラ供給機から投入される砂キラと、水ガラス供給槽、給水槽に接続された砂キラ一次混合槽と、前記1次混合槽からのスラリーを更に混練する砂キラ2次混合槽と、所望の濃度に混練された砂キラスラリーを貯蔵する砂キラサンプル槽とを備え、それぞれの混合ラインは、微量の水ガラスを添加してキラ材を混練し高濃度のスラリーを製造し、前記混合液受け槽は、水ガラス供給槽からの供給配管を備え前記濃度調整槽から圧送されたスラリー材にセメント系固化材との混合によるゲル化に必要な設計組成に対応する所定量の水ガラスを2次添加することを特徴とする高濃度土質スラリー材の製造装置。
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