JP3994178B2 - 結合媒体及び結合装置 - Google Patents

結合媒体及び結合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3994178B2
JP3994178B2 JP2001319608A JP2001319608A JP3994178B2 JP 3994178 B2 JP3994178 B2 JP 3994178B2 JP 2001319608 A JP2001319608 A JP 2001319608A JP 2001319608 A JP2001319608 A JP 2001319608A JP 3994178 B2 JP3994178 B2 JP 3994178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
particles
force
coupling device
spacer particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001319608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003120728A (ja
Inventor
旭 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology
Original Assignee
Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology filed Critical Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology
Priority to JP2001319608A priority Critical patent/JP3994178B2/ja
Publication of JP2003120728A publication Critical patent/JP2003120728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3994178B2 publication Critical patent/JP3994178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Connection Of Plates (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体同士を磁性流体の磁気力を介して結合する結合媒体及び結合装置に関する。本発明は、主として、機械装置において要素同士が長期接触することに伴って生じる固着現象が問題となる部位に適用されるが、産業機械における安全装置や建築物の免震装置等、あらゆる工業分野に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、普段は液体であるが、これに電界や磁界をかけると固体に変化する一方、この電界や磁界を取り除くと元の液体に戻る性質を持つ材料がある。このような材料は、スマート材料と呼ばれ、様々な利用法が考案されている。スマート材料のうち、磁界に応答して流れの性質が変わる流体として、MR流体(Magneto Rheological Suspension) とフェロコロイド(Ferro-colloid)との2つが知られている。
【0003】
MR流体は、シリコンオイル等の分散媒体に、直径が数μm程の強磁性粒子(簡単には、鉄粉)を混入したものである。磁界の無い状態では、鉄粉が媒体全体に分散しており、MR流体自体は、ニュートン流体とほぼ同様な挙動を示す。そして、磁界が加えられると、粒子同士が互いに連結して、磁極間に架橋構造を形成する。この結果、MR流体は、まるで固体であるかのように固くなる。粒子の鎖が磁極同士を繋いでしまうため、磁極を相対的に移動させようとしても、この鎖を引き千切るほどの大きな力を加えない限り動かないからである。
【0004】
MR流体は、このように磁界を加えることにより液体から固体へと変化させることができるばかりでなく、磁界強度に応じて固さが変化することも知られている。また、磁界印加による固化と、磁界消去による液化とが数ミリ秒以下という高速で行えることも特徴である。
一方のフェロコロイドは、MR流体と同じく鉄粉等の強磁性粒子をシリコンオイル等の分散媒体に混入したものであるが、MR流体との違いは、分散している粒子の直径が約10nm(MR流体中の磁性粒子の1000分の1)の超微粒子であることである。このため、フェロコロイドは、無電界時においてもブラウン運動等により粒子が沈降せず、コロイド状態となっている。フェロコロイドに電界を加えると、粒子が分散媒体の液体分子と衝突しながら磁極に引き寄せられるので、流体自体があたかも磁性を持つかのように振舞う。
【0005】
フェロコロイドは、磁性粒子が大変細かいので、MR流体のように固化することはないが、それでも磁界のあるところに集まってそこを離れない性質があるので、この性質を利用して、機械回転部のシール材等に応用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これまでに、固体摩擦を利用した機械装置が種々考案されてきた。そのような装置の一例として、自動車や産業機械等に備わる機械的ブレーキがある。
例えば、自動車のフットブレーキは、通常開放された状態にあり、減速又は停止するときにのみ摩擦面を押し付けて制動力を得るものである。このため、長期に渡って使用していないと、摩擦面が酸化や腐食等により劣化してしまう。しかし、実際には、摩擦面を押し付けたときに酸化した表面が擦れて剥ぎ取られ、新しい摩擦面が露出されるので、適正な制動力を得ることができる。
【0007】
このように、自動車の場合は、人がペダルを踏み込んだときに制動力が発生するというポジティブ型の構造が採用される。対して、産業機械に設けられるブレーキでは、普段からバネ等により摩擦面が押し付けられており、人が踏み込む(動力源を使って作動させる)と開放されるというネガティブ型の構造が採用される。
【0008】
ネガティブブレーキでは、普段は摩擦面同士が接触していて空気と遮断されているので、酸化や腐食といったものの影響は少ない。ところが、この場合は、2つの面が常時接触した状態となるため、固体結合という現象が徐々に進行するという別の問題がある。
ここで、固体結合とは、異物体でありながら長期間接触させたままでおくと、接触面での分子の共有結合により、それらが一体化しようとする傾向が働く現象である。この現象は、材料相互の親和性に応じて進行度合が異なるものの、時間的な要因で不可避的に発生する。
【0009】
例えば、長期休暇後に生産ラインを再起動する際には、ウォーミングアップをして、機械可動部の潤滑状態を回復させる必要がある。潤滑油が切れた状態が危険なのは、単に大きな摩擦で磨耗を引き起こすということだけでなく、固体結合により要素同士が固着してしまうからである。
また、過大な外力や伝達力が加わることを滑りによって回避する装置として、トルクリミッタがあるが、これも普段摩擦面を接触させている点で固着の問題がある。
【0010】
トルクリミッタは、通常、危険な大きさの力がいつ加わるか分からない状態にあって、そのような力が加わったならば、直ちに滑りを生じて危険を回避する役目を担っている。しかし、危険な状態が長期間生じない場合は、固着が生じて当初設定しておいた摩擦の大きさが徐々に変化し、設定値とかけ離れたものとなる恐れがある。
【0011】
また、ボイラや圧力容器等の破裂を防ぐための機器として、圧力がある大きさに達したときに開弁して過大な圧力を逃がす安全弁が利用されているが、これについても同様である。
安全弁も、故障等で異常な圧力がかかったときにのみ機能するものであるから、弁体が弁座に固着し、非常時に開かない可能性がある。特に、ボイラでは、水垢が溜まって弁体と弁座とが一体化し易いという環境要因も加わって、固着が大きな問題となっている。
【0012】
固着の問題は、機械分野に限ったものではなく、建築等他の工業分野においても取り上げられる。
例えば、地振動による揺れの建物への伝達を抑制する免震装置がある。免震装置には、ある大きさ以下の外力に対しては建物をしっかりと支持する一方、ひびが入るほどの危険な外力が加わると横滑りを生じて、建物を守るという機能が求められる。
【0013】
この要求を満たすために、これまで、摩擦面同士を接触させ、この間に生じる固体摩擦の特性により建物を基礎に結合し、外力が過大となったら滑り出すようにしたマウント(フリクションダンパ)が研究されてきた。しかし、摩擦面の経年劣化や固着により当初設定した摩擦の大きさが変化するので、その保守管理は容易でない。
【0014】
以上のような固着の問題を解決するには、機械装置等の要素同士が直接には接触せず、相互に非接触状態を保ったまま固体摩擦と等しく結合される技術を適用することが有効である。
また、固体摩擦の性質を利用すると、固着以外にも、静止摩擦を任意の大きさに設定してそれを保証することが大変困難であること、そして、一旦滑りが生じると摩擦力が減少するために制止し難いこと等の問題もある。このため、固体摩擦は、免震対策への利用には不向きとも言える。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、要素同士を非接触状態に保ったまま固体摩擦と同等に結合できる結合媒体及び結合装置を提供して、固着を防止することである。
また、本発明は、要素同士の結合及び分離が設定閾値で確実に切り換えられるようにすることを目的とする。
【0016】
また、本発明は、要素間で伝達される力の調整を容易にし、所望の駆動力又は制動力を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
これらの目的達成するために、請求項1の発明では、相互に相反する磁極が形成される、相対的に変位可能な2つの物体間に保持されて、これらの物体を結合する結合媒体を、磁性流体と、この磁性流体に混在し、この磁性流体を構成する磁性粒子よりも大きく、前記物体間に形成される空隙の間隔を定める粒径の複数のスペーサ粒子とを含んで構成した。
【0018】
この結合媒体によれば、例えば、一方の物体上に形成される基礎面に、他方の物体としての対象物体を結合する場合に、これらの間にスペーサ粒子が介在することとなる。そして、このスペーサ粒子の存在により、段差やベアリング等がなくとも磁極間に所定の空隙が設けられ、かつ、この空隙が維持される。従って、スペーサ粒子は、磁性を必要とされないが、使用目的に応じてその強度が適宜設定されるのが好ましく、重量物を基礎面に一定の力で結合する場合は、硬質のものを採用するとよい。スペーサ粒子の粒径は、0.1〜1mmであるのが好ましく(請求項2)、また、磁性流体を構成する磁性粒子としては、直径が10nm以下の第1の磁性粒子と、直径が0.1〜10μmの第2の磁性粒子とが含まれているとよい(請求項3)。そして、磁性流体が磁気を帯びると、両物体間にこの磁気力に応じた結合力が形成される。この結合力は、磁界強度により調整することが可能であり、起磁力(磁石の強さ)以外の要因では容易に変化することがない。
【0019】
なお、本発明に関して、「結合」には、物体同士を一体的に固定すること(固定結合)の他に、相対的に変位する物体間にこれらを一体化しようとする作用を及ぼすこと(相対結合)も含むものとする。
本発明の他の形態によると、磁性流体が保持される空隙がスペーサ粒子により形成され、物体同士が非接触状態を保ったまま固体摩擦と同等に結合されるとともに、磁極同士の吸引力が積極的に利用される結合装置が提供される。
【0020】
請求項4の発明では、このような結合装置を、(A)基礎面と、この基礎面との間に所定の空隙を設け、この基礎面に対して相対的に変位可能に配置される対象物体との相互に相反する磁極を形成する磁極形成手段と、(B)前記基礎面及び前記対象物体の間に介在する、前記空隙の間隔を定める粒径のスペーサ粒子と、(C)前記空隙内にこのスペーサ粒子を混在させて保持された磁性流体とを含んで構成した。
【0021】
この結合装置によれば、基礎面及び対象物体の間にスペーサ粒子により所定の空隙が形成される。ここでも、スペーサ粒子の強度は、使用目的に応じて適宜設定されるのが好ましい。また、磁性流体の磁気力及び磁極同士の吸引力は、基礎面と対象物体との結合力を形成する。この結合力は、磁界強度により調整することが可能である。
【0022】
ここで、磁極形成手段(A)として永久磁石を採用するとよい(請求項5)。これにより、半永久的に不変な磁界、すなわち、不変な結合力が得られる。永久磁石は、磁力が半減するのに1000年以上かかるからである。
さらに、永久磁石に加え、上記磁極を磁気回路に含む電磁石と、この電磁石の励磁電流を制御する制御手段とを設けることも好適である(請求項6)。電磁石により永久磁石の磁界方向と一致する方向に磁界を重畳することにより、永久磁石の磁界が強度的に補われ、結合力が増大される。また、これとは逆の設定によれば、永久磁石の磁界が打ち消され、結合力が減少(相殺による消滅を含む)される。
【0023】
または、磁極形成手段(A)として電磁石と、この電磁石の励磁電流を制御する制御手段とを採用してもよい(請求項7)。これにより、磁界強度を可変に制御(磁界消去を含む)できる。
ここで、対象物体は、基礎面に対して相対的に横滑可能であってよい(請求項8)。
求項の発明では、相対的に変位可能な2つの物体間に介装される結合装置を、(a)一方の物体と結合して、その物体端部において第1の磁極を形成する第1の支持体と、(b)第1の支持体と所定の空隙を介して重なる第2の支持体であって、他方の物体と結合して、その物体端部において前記第1の磁極と相反する第2の磁極を形成する第2の支持体と、(c)第1の支持体及び第2の支持体の間に介在する、前記空隙の間隔を定める粒径のスペーサ粒子と、(d)前記空隙内にこのスペーサ粒子を混在させて保持された磁性流体とを含んで構成した。
結合される2つの物体は、相対的に横滑可能であってよい(請求項10)。
【0024】
本発明に係る結合装置(請求項4〜10)において、スペーサ粒子が球体であるため、スペーサ粒子の接触面積が極小化されるとともに、スペーサ粒子を挟んでの相対的な横滑りが円滑となる。スペーサ粒子の直径は、0.1〜1mmにするとよい(請求項11)。
【0025】
【発明の効果】
請求項1,4,8,9及び10に係る発明によれば、結合される両物体間に空隙が形成され、かつ、スペーサ粒子によりその空隙が維持されるので、従来固体摩擦により結合していた機械部位において固着を防止できるようになる。そして、磁性流体により物体間の潤滑状態が維持されるので、表面の酸化等劣化を防ぐこともできる。スペーサ粒子が球体であるので、スペーサ粒子自体を含んだ固着や、スペーサ粒子の摩擦抵抗が物体間の結合力(特に、接線方向)に及ぼす影響を極めて小さくすることができ、結合力に対する信頼性を向上できる。
【0026】
また、磁性流体による結合力が経時的に不変とみなせるので(永久磁石の磁力が半減するには、1000年以上必要とされる)、物体間の結合及び分離の切換えのための設定閾値(スレッショルド)が信頼性高く維持され、高い再現性が得られる。
また、磁性流体の磁気力が電界強度により調整可能であるので、物体間で伝達される力を容易に制御できる。従来の固体摩擦を利用した装置では、静摩擦と動摩擦との相違に基づいて物体が一旦滑り出すと、加速されるという欠点があったが、本発明によりそのような欠点が克服される。磁性流体のビンガム流動特性によれば、滑り出した後も一定の抗力が得られるからである。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、スペーサ粒子の粒径を0.1〜1mmにすることで、好ましい結合媒体を提供できる。このようなスペーサ粒子には、例えば、ボールペンの先に取り付けられている小さな鋼球やステンレス球、あるいはミニチュアベアリングに用いられているポリテトラフルオロエチレン(登録商標テフロン)やカーボンで構成される球形粒子等を利用可能である。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、 比較的大径な第2の磁性粒子により高い結合力を得るとともに、直径が極めて小さい第1の磁性粒子により、特別な密封措置を講じなくとも分散媒体を保持できる。
請求項5に係る発明によれば、一定の磁界が形成されるので、信頼性の高い結合力が得られる。
【0029】
請求項6に係る発明によれば、励磁電流の制御により結合力を応答性高く増減できる。ここで、電流印加によって永久磁石の磁界を消滅させる設定とすれば、機械可動部を用いずに物体間の結合及び分離を切り換えられる。
請求項7に係る発明によれば、励磁電流の制御により結合力を応答性高く調整できる。
【0030】
請求項11に係る発明によれば、好ましいスペーサ粒子が提供され、請求項2と同様の鋼球、ステンレス球又は球形粒子等を利用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(1)自在凝固流体(Flexibly Fixable Fluid;FFF)の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る結合媒体(ここでは、スペーサ粒子が極めて微細であり、結合媒体全体として流体と見なせるものとして、この結合媒体を自在凝固流体(FFF)と呼ぶ)1の構成図である。
【0032】
FFF1は、大きさのオーダーが異なる3種類の粒子をシリコンオイル等の分散媒体中に分散させて構成される。分散媒体には、シリコンオイル以外に、水、炭化水素系オイル、フッ素系オイル等を使用できる。なお、これらの液体は、経験により、鉄等の磁性粒子との親和性が良いために使用されるものであるが、界面活性剤を用いれば、これら以外の液体も使用可能である。また、腐食性雰囲気で使用する場合には、その腐食性に強い分散媒体を用いて、混入する第1、第2、第3の粒子及び磁極板を腐食から保護するように選択できる。上記3種の粒子のうち、第1の粒子2は、フェロコロイドに用いられるような強磁性粒子であり、例えば、直径が10nm(1nm=10-9m)以下となるまでに細かく粉砕された鉄粉が用いられる。第1の粒子に使用できる磁性粒子には、鉄以外に、ニッケル、コバルト等の金属、又はマグネタイトやMn−Zn系各種フェライトを成分とする微粒子を使用できる。第2の粒子3は、MR流体に用いられるような強磁性粒子であり、好ましくは、直径が数μm(1μm=10-6m)程度の鉄粉が用いられる。第2の粒子に使用できる磁性粒子には、鉄以外に、パーマロイ、クロム鋼、鉄−アルミ−クローム合金鋼等の粒子が使用できる。実際には、第2の粒子3は、平均で約3μmほどで、0.1〜10μmの範囲で広く分布させればよい。
【0033】
第3の粒子4は、直径が0.1〜1mm程度(すなわち、MR流体を構成する磁性粒子のほぼ1000倍の大きさ)の硬質粒子である。この直径は、必要に応じて適宜選択する。また、第3の粒子4に磁性は必要とされないが、むしろ強度的に強く、粒子の大きさが揃っていることが望ましい。従って、この材質としては、高炭素クロム鋼、硬化ステンレス鋼、炭化珪素等の各種セラミックス等が好適である。具体的には、例えば、ボールペンの先に取り付けられている小さな鋼球やステンレス球、あるいはミニチュアベアリングに用いられているテフロンやカーボンで構成される球形粒子等が容易に利用できる。この第3の粒子4は、後述するように対極する磁極同士を一定の間隔を空けて隔てるスペーサとしての役目を果たすものであるので、特に「スペーサ粒子」と呼ぶこととする。
【0034】
FFF1は、このように分散媒体中にスペーサ粒子4を含む3種類の粒子を混入して構成される。FFF1は、典型的には、図示のように相反する磁極間に充填して使用される。このとき、スペーサ粒子4の直径が必要に応じて選択される(大きな結合力が必要ならば、その分小さなスペーサ粒子を採用して磁界強度を高める)ことにより、FFF1の固化の程度(FFFの硬さ)を所望に調整できる。磁極間隔Cが変化し、例えば、この間隔が大きくなると、磁界強度は低下するが、FFF1では、スペーサ粒子4により磁極間隔Cが一定に維持されるので、磁極同士が一定の力で安定して拘束されることになる。
【0035】
また、スペーサ粒子4を含まない従来の磁性流体を磁極間に注入しただけでは、磁極同士の吸引力により磁極が互いに引き寄せられ、内部の磁性液体は、磁極の外に押し出されてしまう。FFF1では、大きさの等しいスペーサ粒子4が分散しているため、磁極間に一定の間隔を維持できる。
(2)FFFの機能
FFF1は、第3の粒子としてスペーサ粒子4を含むので、これまでのMR流体やフェロコロイドでは利用できなかった磁極同士の吸引力を積極的に利用できるようになる。
【0036】
図2は、FFF1を適用した結合装置Mの構成の概略を断面で示したものである。このように、本結合装置Mは、2枚の磁石(永久磁石)5,6の間にFFF1を充填して構成される。
ここで、磁石5及び6が吸引力を生じて互いに引き合い、磁極に対して法線方向(図の上下方向)の結合力が形成される。従って、この吸引力に打ち克つだけの外力を加えない限り、法線方向に磁石を引き離すことはできない。
【0037】
また、第2の粒子3が磁極間で鎖状に連結して架橋構造を形成し、接線方向の結合力が形成される。この力は、第2の粒子3が形成する法線方向の結合力に比べて大きく、磁石5及び6の相対的な横滑りに対して大きな抵抗を生じる。しかし、粒子の鎖が磁力線に沿って形成される性質に起因して、第2の粒子3は、法線方向の変位に対しては僅かな抗力しか生じない。先に述べた磁石同士の吸引力は、この法線方向の抗力の不足を補い、所望の結合力を形成する。
【0038】
ここで重要なことは、2つの磁石5及び6の間隔がスペーサ粒子4により一定に維持されるので、磁石の吸引力及びこれらが形成する磁界が構造的に決定されることである。このため、法線方向及び接線方向の結合力は、起磁力以外の要因では容易に変化しないと言える。従って、一度選択した磁石を交換しない限り一定の抗力が得られ、再現性に優れている。
【0039】
第2の粒子3は、上記の通り接線方向に高い結合力を発揮する。しかし、直径が数μm程であるため、第2の粒子3及びスペーサ粒子4をMR流体で用いられるような通常の分散媒体(シリコンオイル)に混入しただけの状態では、磁界印加時にこの分散媒体のみが外部にしみ出てしまう。FFF1では、第1の粒子2としてフェロコロイドで用いられるような超微粒子を分散させてある(従って、第2の粒子3とスペーサ粒子4とが、フェロコロイドと同等の微粒子懸濁液に分散された状態にあると見ることもできる)ので、分散媒体自体が磁界に強く捕えられ、特別に密封措置等を講じなくとも漏れたりすることがない。従って、後述するように、FFF1は、ボイラ等の安全弁において、高圧流体の噴出を簡単に防ぐことができる。このようにFFF1において分散媒体をフェロコロイドと同等とする目的は、第2の粒子3が関与する接線方向の結合力を一定に保つ「潤滑」の意味で重要である。
【0040】
図3は、本結合装置Mの動作を模式的に示したものである。まず、横方向の外力が働いていないときは、第2の粒子3が鎖状に連結し、2つの磁石5及び6を固く結合する(a)。外力が働いても、これが粒子3の鎖を横方向(せん断方向)に千切るのに必要な力(降伏せん断応力)以上でなければ、磁石間に横滑りは生じない(b)。降伏せん断応力以上の外力が加われば、粒子3の鎖が千切れるので、横滑りが生じる(c)。
【0041】
ここで、横滑りが生じた後も、磁石5には一定の抵抗が働く。これは、磁性流体の持つビンガム流動特性に基づくものである。ビンガム流動特性とは、ずり速度によらず、磁界強度に応じてほぼ一定のせん断応力を生じる特性である(図4参照)。従って、横滑りが生じていても、磁石5に対してこの応力に基づく抗力が働き、他方の磁石6に対してもこの抗力と同じ大きさの力が働く。
【0042】
以上のように、FFF1によれば、例えば、希土類を用いた強力な永久磁石5及び6を用い、スペーサ粒子4の直径を適切に選べば、極めて強力で半永久的に変化しない結合状態が実現される。また、場合によっては、磁石の部分に電磁コイルを用いたり、あるいは永久磁石と電磁コイルとを組み合わせ、磁界を数百Hzのオーダーで制御することにより、磁極同士の結合及び分離を数ミリ秒以下の短時間で切り換えることも可能である。このとき、磁極間隔が一定に維持されるので、高い再現性が得られる。
(3)磁界の形成方法
次に、FFF1に磁界を印加するための磁界の形成方法について、幾つかの例を示して説明する。
【0043】
基本的には、図5(a)に示すように、2枚の板状永久磁石7,8を、それぞれ非磁性体からなるホルダー9,10に埋め込んで固定し、互いの相反する磁極S,Nを対向させて配置する。ここでの磁界は、磁石の中心側が均一に近い一方で、周縁ほど歪んで生じるが、むしろ周縁近くが強くなる傾向にある。このため、FFF1の硬さは、周縁の方が高くなる。但し、磁極間隔Cは、スペーサ粒子4の大きさ(直径)に基づいて決定される。従って、FFF1に大きさの等しいスペーサ粒子が分散されることにより、磁極間隔Cは、どこでも一定となる。
【0044】
図5(b)は、永久磁石としてリング状のものを2つ採用した例を示したものである。前述同様に各磁石11,12がホルダー9,10に固定されて配置されるが、磁石自体は、比較的小型のものが採用される。しかし、ここでは、磁界強度が高くなるので、FFF1は、より大きな降伏せん断応力を生じる。
図6(a)は、磁性体からなるヨーク13,14を設けることにより、磁気回路を閉鎖系に構成した例を示したものである。1枚の板状永久磁石15を使用し、一方のホルダー16に固定する。一対のヨーク13及び14は、磁石15を取り囲むように各ホルダー16及び17に埋め込み、ホルダー16においてFFF1の反対側で磁石15に接触させる。従って、磁石15及びヨーク14の対向面と、ヨーク13及びヨーク14の対向面とに相反する磁極が形成され、FFF1に磁界が印加される。
【0045】
図6(a)に示す例によれば、図5において磁気回路が開放されていたことに基づく問題点が改良される。磁気回路が閉鎖されると、磁場の影響が外部に漏れないことに加え、磁界が効率的に形成されるので、FFF1を介した強固な結合状態が得られる。
図6(b)及び(c)は、1枚のリング状永久磁石18を使用して閉鎖系磁気回路を構成した例を示したものである。(b)は、FFF1を適量充填した場合を、(c)は、FFF1を比較的少量充填した場合を表している。
【0046】
FFF1を過剰に充填しても、N極とS極とが向き合っている個所以外の個所では殆ど磁界が生じない。むしろ、磁界が生じない個所のFFF1が、磁界の拘束を受けずに外に流れ出てしまう可能性がある。従って、(b)と(c)との場合を比較しても、FFF1が生じる降伏せん断応力は、ほぼ同等の大きさと言える。
【0047】
このようにヨークを用いて磁界を閉鎖状態に保つことは、実用上重要である。強力な磁石を開放状態で使用すると、磁気カードを誤って近づけてデータに損傷を与えることがあるし、また、空気中の微小粉塵には磁性を持つものもあり、これが磁石表面に吸着して、磁界を変化させかねないからである。
このような閉鎖系磁気回路では、磁極間に生じる磁界が複雑となるので、これを計算的手法により設計することは困難な場合が多い。しかし、実測により評価すれば、再現性の高い結合力を得ることが可能である。FFF1によれば、磁界が構造的に決定されるからである。
【0048】
図7及び8は、永久磁石(ここでは、リング状のものを使用)19の他に電磁石を用いることにより、磁界を外部から人為的に変化させるようにした例を示したものである。これにより、FFF1の硬さを制御できる。また、図7は、磁気回路を開放系で構成した場合を、図8は、磁気回路を閉鎖系で構成した場合を表している。
【0049】
図7(a)に示すように、1枚のリング状永久磁石19を用い、この磁石19の一方の磁極(S極)に接触するヨーク21と円形プレート(磁性体からなる)22とにより構成される磁極板間に磁界を形成して、FFF1を固化させる。電磁コイル20により形成される磁気回路には、これらの磁極板が含まれるようにし、励磁電流の方向は、目的に応じて設定する。
【0050】
例えば、FFF1を介した結合とその分離とを切り換えるのであれば、励磁電流は、永久磁石19の形成する磁界と、電磁コイル20の形成する磁界とが打ち消し合う方向に流す。また、より強い結合状態を得ようとするのであれば、その反対方向に流せばよい。そして、前者の場合では、最大電流通電時に磁極間で磁界を完全に相殺して、FFF1を液化させるとよい(図7(b);液化したFFFを符号1’で示す)。このように、電磁コイル20に供給される励磁電流を制御することにより、FFF1の硬さを自在に変化させることができる。
【0051】
なお、符号23,24は、非磁性体からなるホルダーである。永久磁石19、電磁コイル20及びヨーク21を一方のホルダー23に埋設し、プレート22を他方のホルダー24に埋設している。
このように電磁石を用いる場合でも、磁気回路は、前述同様に閉鎖系で構成されるのが好ましい。図8は、その一例である。非通電時には、(a)のように、リング状永久磁石19の形成する磁界によりFFF1が固化される。そして、励磁電流を通電することにより、(b)のように磁界を相殺してFFF1を液化させる。ここでは、ヨーク21及び25が永久磁石19の各極と接触し、プレート22と協働して閉鎖系磁気回路を構成するので、外部を磁場の影響から遮断できる。
(4)FFFの用途
以下に、FFF1を用いた各種機器について説明する。
−建築物の免震装置−
地震から建物を守る方法としては、大別して、建物の耐振強度自体を高める方法、建物に伝達された振動をダイナミックダンパ等により相殺し、建物を静止させる方法、そして、振動エネルギーを基礎部分で消散させることにより、建物を加振源から絶縁する方法とがある。
【0052】
これらのうち、第1の方法には、材料の強度を上げることに明らかな限界があり、第2の方法には、地震が止んだときに質量自体が加振源に転じるという、それぞれの本来的な欠点がある。
そこで、第3の方法として、地震で倒壊したりひびが入らないように、建物の基礎部分に応力集中を回避する仕組みを設けることが研究されている。すなわち、建物の骨格と土台との間に、必要に応じて水平に変位することが可能な保持装置(免震装置)を挿入して、地震発生時に建物に過大なせん断応力が生じないようにするのである。
【0053】
ここで、小さな力でも簡単に横滑りする装置であれば、小さな地震からの振動も遮断することが可能である。しかし、あまりに簡単に滑ってしまうようでは、地震が止んだ後も振動が続いたり、あるいは地震が発生していないときでも強風等により建物が容易に揺り動かされてしまう。
従って、免震装置には、ある大きさ以下の外力に対しては堅固に建物を支持する一方で、ひびが入るほどの危険な外力に対しては即座に横滑りを生じて、建物を守るという機能が求められる。
【0054】
この要求を満たすために、これまで、固体摩擦を利用したフリクションダンパが研究されてきた。しかし、既述の通り、静止状態から滑り出すときの設定値を保証するのは困難であることに加え、摩擦面同士の固着の問題もあるので、保守管理が容易でない。また、固体摩擦には、滑りが生じると動摩擦に移行して摩擦力が急激に減少するという問題もある。
【0055】
フリクションダンパには、このような固体摩擦を利用したもの以外に、粘性摩擦を利用したものもある。すなわち、ゴム製のマウントに高粘度のオイル(粘弾性流体)を封入し、適切な保持力及び減衰力を付加するものである。しかし、構造が複雑なうえ、耐久性が必ずしも充分でないという問題があった。
このように、建築物の免震対策においては、横滑りを生じるときの力の大きさ(降伏値)を如何にして正確に、かつ、再現性高く設定するかが重大な課題である。
【0056】
免震装置を構成する結合装置(以下、「フローティングマウント」と言う)Mは、図9に示すように、建物の基礎部分(二点鎖線の枠で表示)に設置され、永久磁石によりFFF1がせん断変形(即ち、横滑り)を生じるときの力を正確に、かつ、再現性高く設定できる。
図10は、フローティングマウントMの構成を示したものであり、(a)に正面図を、(b)に側面図を、(c)にA−A断面図を示す。本マウントMは、永久磁石101を備える概略直方体の固定支持ユニット102に、鋼鉄等の強磁性体からなる逆コ字状断面の可動支持部103を被せたものである。そこで、可動支持部103を取り去った状態の分解図を(d)に示す。
【0057】
固定支持ユニット102は、直方体の本体104と、本体を覆うカバー105と、本体を基礎に固定する基礎固定部106とを含んで構成される。本体104は、強磁性体からなり、可動支持部103とともに磁石101を含む磁気回路を構成する。また、カバー105及び基礎固定部106は、常磁性体からなる。ここで、可動支持部103が直接接触しているのは、永久磁石101に吸着しているFFF1のみである。
【0058】
永久磁石101は、正面図(a)でみて、固定支持ユニット102上面の左右対称位置にそれぞれ1つずつ及び同側面の左右夫々に1つずつの計4個所で露出しており、各個所にFFF1が吸着している。また、側面図(b)でみて、長手方向に等しく間隔を空けて計4箇所で露出しており、各個所にFFF1が吸着している。従って、この例では、可動支持部103は、計16箇所で固定支持部102に対して支持されている。そして、永久磁石101、可動支持部103及び本体104を含む磁気回路において、磁束Iは、正面からみて左右夫々に配置された2つの永久磁石を介して形成される(図11参照)。
【0059】
FFF1のスペーサ粒子4は、固定支持ユニット102(永久磁石101)と可動支持部103との間の間隔を維持する役目を担うものである。このため、その硬度や大きさを適切に選択する。鋼鉄製等の硬質スペーサ粒子4によれば、磁力により可動支持部103が永久磁石101に強力に吸引されるとともに、スペーサ粒子4の歪みもないため、可動支持部103は、図10(a)の上下左右方向に関して一定位置に保持される。対して、前後方向(図11の矢印参照)には、ある大きさ以上の外力が働くと、第2の粒子3の形成する鎖が千切れ、固定支持ユニット102に対して相対的にスライドする。スライドを起こすときの降伏値の大きさは、磁界強度と、第2の粒子3の磁化係数とに基づいて決定される。従って、これらを建物の仕様に合わせて設定することにより、所定の励振入力時にスライドさせることが可能である。
【0060】
本発明に係る免震装置では、(イ)金属面同士の接触がなく、スペーサ粒子4との接触部も常時潤滑されていること、(ロ)永久磁石の磁性や磁性材料の磁化特性に経時劣化が極めて少ない(実質的にないとみなせる)こと、及び(ハ)分散媒体(フェロコロイドと同等の微粒子懸濁液)のシール効果により、湿気や異物の混入を防止できること等の理由から、建物の耐用年数に対して設定された降伏値が実用期間内に変化することはまず考えられない。
【0061】
また、本免震装置によれば、スライドを起こした後も建物に対して一定の粘性抵抗が発生する。このため、振動エネルギーの熱消散により振動を早期に収めることができる。
図12は、従来のゴムと粘弾性体とを組み合わせた方法を、本発明に係るFFF1を適用して改良した例を示したものである。
【0062】
基礎部分において、建物と土台との間に免震ゴム107を介装するとともに、これと並列に本マウントMを介装する。すなわち、建物の底面に永久磁石108を設置し、これを挟んで建物側と土台側とにそれぞれ共通のヨーク109,110を固定する。従って、隣接する磁石間で、ヨーク109及び110を介して共通の磁気回路が形成される(磁束I参照)。
【0063】
本マウントMは、建物を土台上でスペーサ粒子4を介して複数の点で支持する構造である。それ故、支持強度の面で問題も残ろうが、図のように免震ゴム107との併用によりこれを解消できる。免震ゴム107により、建物を面でしっかりと支持できるからである。一方、ゴムを引っ張る方向(図の上下方向)に関しては、永久磁石108の強力な吸引力が建物を上下方向に固定できる点で有効である。
【0064】
また、調整可能な降伏値を持つFFF1に磁気を印加する操作(いわゆる、着磁)により降伏せん断応力を後から調整することも可能である。着磁を終了すると、その後は半永久的にその磁気が維持される。
以上、ここでは、建築物に応用する場合を例にFFF1を用いた免震装置について説明したが、本発明に係るフローティングマウントMは、降伏値の設定が任意であり、また、小型化も容易なことから、振動を嫌う精密加工機械等への応用も可能である。
【0065】
このような用途には、これまで、機械式可変粘性ダンパや、モータの回転負荷を可変とする減衰装置等の、減衰力を制御して振動を抑制する機器が一般的に用いられてきた。しかし、これらは、システムが複雑であるうえ、動力源が不可欠なためコストが嵩んでいた。対して、フローティングマウントMでは、磁石の吸引力と磁性流体の磁気力という材料自体が持つ機能を利用しているため、簡単な構造で、動力源がなくとも振動からの絶縁が可能となる。
−産業用ロボットの教示用安全防護装置−
産業用ロボットの教示作業は、電源投入されたロボットの可動域内に作業者が立ち入って行われる非定常作業であり、充分な教育訓練を受けた作業者が監視者を伴って二人で行うことが義務付けられた危険な作業である。しかし、いくら訓練を受けたといっても、人の注意に頼った災害防止には限界がある。このため、ロボットの側で教示作業中の作業者の安全を確保できるような装置が求められている。
【0066】
図13は、産業用ロボットの力出力制限機構を構成するフローティングマウントMの構成を示したものであり、(a)が部分平面図を、(b)が断面図を示す。本マウントMは、図14に示すように、ロボットRと土台Fとの間に介装される。
本マウントMは、全体として環状であり、永久磁石201を埋設した固定支持ユニット202に、鉄鋼等の強磁性体からなるL字状断面の可動支持部203を被せたものである。
【0067】
固定支持ユニット202は、強磁性体からなる本体204と、本体を覆うカバー205と、本体を土台に固定する基礎固定部206とを含んで構成される。ここでも、カバー205及び基礎固定部206は、常磁性体から形成するのが好ましい。
ロボットRは、可動支持部203上に載置され、その基部が可動支持部に固定される。可動支持部203は、永久磁石201に吸着しているFFF1を介して固定支持ユニット202と結合している。
【0068】
具体的には、永久磁石は、図13(b)でみて、基礎固定部上面の軸対象位置にそれぞれ1つずつ及び外側面にそれぞれ1つずつの計4個所で露出しており、各個所にFFF1が吸着している。また、図示しないが、円周方向に等しく間隔を空けて配置されており、各個所にFFF1が吸着している。
次に、本マウントMの動作について説明する。
【0069】
永久磁石201は、可動支持部203が滑り始める(固定支持ユニット202に対して回転し始める)ときの降伏値が作業者の安全防護のために適当なものとなるように、磁力が設定される。従って、教示作業に誤りがなければ、可動支持部203に対して大きな外力が働かないので、ロボットRは、固定支持ユニット202(即ち、土台)に対して相対的に固定されたまま運転される。しかし、万が一に作業者がロボットRのアームに押し潰されそうになった場合には、そのときの反力により固定支持ユニット202と可動支持部203との間に滑りが生じ、作業者を過大な力で挟圧することが回避される。
【0070】
本マウントMによれば、既述の通り、滑りが生じる降伏値を、永久磁石201の磁力やスペーサ粒子4の大きさを調整することで構造的に設定することが可能である。また、一度設定された降伏値は、容易に変化することがないので、その点検の必要がない。安全点検のために生産ラインを停止させることは一般的に嫌われるが、ここではその必要がないので、生産効率の向上が図れる。
【0071】
ところで、通常の自動運転時では、ロボットは、負荷荷重等に屈しないほどの大きな力を出力する。従って、このときは、本マウントMは、そのような大きな外力に抗してロボットをしっかりと支持しなければならない。教示作業運転と自動運転との切換えが求められる場合も、当然想定される。
図15は、運転条件に応じた要求を満たすために、機構の一部に電磁石を構成し、電気信号に基づいて降伏値を可変に制御できるように改良したものの断面図である。
【0072】
電磁コイル207は、固定支持ユニット202に円周方向に巻回されて内蔵されており、FFF1が吸着する永久磁石201と可動支持部203との対抗面を磁気回路に含んでいる。従って、コントローラ250により、磁界強度を増大する方向に励磁電流を印加すれば、自動運転に際してより大きな結合力を得ることができる。なお、逆の設定によれば、ロボットを土台に対して非拘束に回転できることは言うまでもない。
【0073】
ここでは、ロボットを力ではなく、トルク(力×半径)により保持する構造としている。このため、半径を大きく取ることにより、比較的小さな電力の電磁コイル207によっても大きなトルクが得られ、ロボットを充分堅固に保持できる。従って、環状のフローティングマウントMによれば、電磁コイル207を小型化し、省スペース及び省電力化を図れる。なお、電磁コイル207の励磁電流をロボットに構築されたインターロックの制御信号や制御出力に利用することも可能である。
【0074】
また、以上では、ロボットの基部、すなわち、ロボットの第1関節部に設置する場合を例に、本発明に係る力出力制限機構について説明した。しかし、本マウントMは、更なる小型化が可能である。このため、第1間接部に限らず、力伝達経路上のあらゆる個所に設置できる。例えば、ロボットの第2又は第3間接部にも適用できるのである。そして、各関節部毎に異なる降伏値を設定しておき、作業者との様々な接触状態に対応することもできる。
−ボイラの安全弁−
ボイラ等の高温高圧の流体を扱う装置では、圧力が所定の限界圧を超えたときに過大な圧力を逃がす必要がある。そのための安全機器として、流体圧が仕切圧(噴出圧)を超えると開弁する安全弁がある。
【0075】
しかし、ボイラが正常に運転されている限り、安全弁の作動する状況が頻繁に発生することはない。このため、弁体は、通常閉じたままとなる。ここで、弁体が弁座に固着すると、噴出圧が増大し、設定した限界圧となっても作動せずに大きな災害を招く可能性がある。
また、ボイラ等では、固着以外に漏れの問題もある。すなわち、面接触により蓋をするような構造の安全弁では、面と面との間に隙間が生じ、そこから蒸気が漏れ、水垢が溜まって噴出圧に変動を来すのである。
【0076】
従来より、安全弁では、弁体を弁座に押し付ける力をバネにより形成するのが一般的である。このため、作業者が噴出圧を調整するのは容易である。しかし、このような勝手な調整が事故に繋がる可能性もある。
そこで、バネを内封し、外部から調整できないような構造とすれば、このような事態を回避できる。ところが、バネには経時的になまりが生じるし、上記の通り漏れの問題もあるので、所定の噴出圧を維持するために定期的にバネを調整し、水垢を除去する必要がある。バネを内封した安全弁では、このようなメンテナンス作業が煩雑となる。
【0077】
図16は、FFF1を用いた安全弁の弁体301の構成を示したものであり、(a)が断面図を、(b)が底面図を示す。
同図(a)に示すように、弁体301は、常磁性体からなる本体部材302及び303に、リング状永久磁石304を固定して構成される。また、強磁性体からなる円形プレート305が永久磁石に接触して弁体上部に嵌め込まれており、このプレートを含んで磁気回路が形成される。
【0078】
このような弁体301は、管壁を貫通して設けられた圧抜孔を塞ぐように配管に直接吸着させて取り付けることもできるが、次に述べる取付基部306を用いるのが確実で好ましい。
図17は、弁体301を配管に取り付けるための取付基部306の構成を示したものであり、(a)が上面図を、(b)が断面図を示す。
【0079】
取付基部306は、軸線方向に貫通孔を形成するとともに、作動流体の圧力に充分耐え得るだけの肉厚を持ち、全体として概略中空円筒状である。また、配管との接続のため、一方の端部に雄ネジ307が設けられている。材料には、強磁性体が使用されるの好ましいが、上面に弁体301が吸着すればよいので、少なくとも弁体との接続部が磁性を有していればよい。
【0080】
図18は、本安全弁の設置例を示す断面図である。安全弁の設置個所において、配管308の接続端部に雄ネジ309を設ける。そして、この雄ネジと噛み合う雌ネジと、取付基部の雄ネジ(307)と噛み合う雌ネジとを設けた接続ナット310を介して、取付基部306を配管に締結する。取付基部上面にFFF1を介して弁体301を載置し、永久磁石304の吸引力とFFF1の磁気力とにより、これらを結合する。
【0081】
本安全弁によれば、弁体301が弁座(取付基部上面)に直接接触せずに保持されるので、これらの固着を防止できる。また、FFF1の分散媒体(フェロコロイドと同等の微粒子懸濁液)が弁体301と弁座との間に保持されるとともに、表面の凹凸を満たすので、良好なシール効果が得られ、水垢等の堆積を防止できる。
【0082】
本安全弁の噴出圧は、受圧面の設計や、永久磁石304の磁力の調節等により設定できるが、一度設定すればその後容易に変化することがない。永久磁石の磁力は半永久的に保証されるし、固着及び水垢の堆積が防止できるからである。従って、作業者により設定値が勝手に変更されることがないうえ、メンテナンスも不要となる。
【0083】
本安全弁は、単体の安全装置としてだけでなく、他の安全装置と組み合わせたり、他の安全装置の一部として使用することも可能である。例えば、一般的に用いられるリリーフ弁と組み合わせ、リリーフ弁が正常に作動している場合に流体を元圧側に戻す一方、故障等の非常時には、安全弁がヒューズのように機能して圧力を逃がすことにより、災害を防止できる。
【0084】
また、図19に示すように弁体301を楕円形として、開弁方向を予め設定しておくこともできる。つまり、受圧面を弁体301の中心からずらしておき、その中心の各側において永久磁石による吸引力に差をつけるのである。これにより、非常時に噴き出す高圧流体を容易に処理できるようになる。
−その他の用途−
咄嗟の危険状態に対して機械を非常停止させる安全装置の一つに、ロープスイッチがある。この装置は、スイッチの機能を兼ねるロープ(検出部材)を機械周辺に張って、安全領域と危険領域とを隔て、人又は物体がロープを引くとその付け根が外れ、機械への動力供給を遮断するものである。
【0085】
このようなロープスイッチの付け根部分に対しても、これまでと同様に、設定した大きさの力(降伏値)以上で引けば必ず外れるが、それ未満の力では決して外れないことが求められる。
図20に、FFF1を用いた接触検出装置の概略構成を示す。
検出部材であるロープ401の一端に、非磁性体からなるホルダー402を固定し、このホルダーに永久磁石(図示せず)を嵌め込む。永久磁石を金属製の壁面に吸着させ、これらの間にFFF1を保持するようにしてもよいが、図のように、FFF1を一対のホルダー402及び403の間に保持した方が確実である(ホルダー403にも永久磁石を嵌め込むとよい)。
【0086】
また、FFF1は、分散する磁性粒子に導電性を持たせることでそれ自体が導電性を持つので、本装置自体をスイッチとして制御系を構築すれば、製造コストを大幅に削減できる。
高齢者や身障者の動作を物理的に支援したり、あるいは看護人の肉体的負担を軽減する方法として、いわゆるパワーアシストシステムが知られている。これは、例えば、空気圧式ゴム人工筋等のロボット用アクチュエータを利用者の体に装着し、利用者の動作に応じてこれらを動作させるものである。
【0087】
しかし、パワーアシストシステムの利用状態は、機械を着込んだ状態であり、見方を変えれば、人間以上の力を持つ機械に挟まれた状態である。従って、信頼性の高い安全対策が重要となる。
そこで、介助用ロボットとその利用者とを拘束する部位の付け根に、上述の接触検出装置と同様の構造のスイッチを構成し、万が一にロボットから利用者に過大な力が加わったならば、即座にスイッチが切れてアクチュエータの動力を遮断することが考えられる。
【0088】
また、先に説明した力出力制限機構と同様の構造のマウントをアクチュエータ回転要素の基部に取り付け、アクチュエータが過大な力(トルク)を出力するようなときにマウントに滑りが生じ、過大出力を物理的に回避することも考えられる。
このような適用における利点は、例えば、ネジ等により磁極間隔を変化させて磁界強度を調節するといった電力の要らない方法で、降伏値を容易に制御できることである。異なる利用者がパワーアシストシステムを着込む段階で、その都度この調整を行うようにすれば、不特定多数の利用者に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るFFF(Flexibly Fixable Fluid;自在凝固流体)の構成図
【図2】FFFを用いた典型的な結合装置の構成図
【図3】同上結合装置の動作説明図
【図4】ビンガム流動特性の説明図
【図5】磁界形成方法(開放系)の一例を示す図
【図6】他の磁界形成方法(閉鎖系)を示す図
【図7】電磁石を用いた磁界形成方法(開放系)の一例を示す図
【図8】電磁石を用いた他の磁界形成方法(閉鎖系)を示す図
【図9】免震装置を構成するフローティングマウントの設置例
【図10】同上マウントの構成図
【図11】同上マウントにおける磁束通路及びスライド方向を示す図
【図12】同上マウントと弾性ゴムとを組み合わせて構成した免震ユニットの構成図
【図13】ロボットの力出力制限機構を構成するフローティングマウントの構成図
【図14】同上機構における同上マウントの設置例
【図15】電磁石を設けたフローティングマウントの断面図
【図16】FFFを用いた安全弁の弁体の構成図
【図17】同上弁体を配管に取り付けるための取付基部の構成図
【図18】同上弁体の設置例
【図19】楕円形の弁体とその作用を示す図
【図20】FFFを用いたロープスイッチの全体図
【符号の説明】
1…FFF
2…第1の粒子
3…第2の粒子
4…第3の粒子(スペーサ粒子)
5,6…永久磁石
7,8…板状永久磁石
9,10…ホルダー
11,12…リング状永久磁石
13,14…ヨーク
20…電磁コイル
101…永久磁石
102…固定支持ユニット
103…可動支持部
104…本体
105…カバー
106…基礎固定部
107…弾性ゴム
207…電磁コイル
250…コントローラ

Claims (11)

  1. 相互に相反する磁極が形成される、相対的に変位可能な2つの物体間に保持されて、これらの物体を結合する結合媒体であって、
    磁性流体と、
    該磁性流体に混在し、該磁性流体を構成する磁性粒子よりも大きく、前記物体間に形成される空隙の間隔を定める粒径の複数のスペーサ粒子と、を含んで構成される結合媒体。
  2. 前記スペーサ粒子の粒径が0.1〜1mmであることを特徴とする請求項1に記載の結合媒体。
  3. 前記磁性流体が、前記磁性粒子として、直径が10nm以下の第1の磁性粒子と、直径が0.1〜10μmの第2の磁性粒子と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の結合媒体。
  4. 基礎面と、該基礎面との間に所定の空隙を設け、該基礎面に対して相対的に変位可能に配置される対象物体との相互に相反する磁極を形成する磁極形成手段と、
    前記基礎面及び前記対象物体の間に介在する、前記空隙の間隔を定める粒径のスペーサ粒子と、
    前記空隙内に該スペーサ粒子を混在させて保持された磁性流体と、を含んで構成される結合装置。
  5. 前記磁極形成手段が永久磁石を備えることを特徴とする請求項4に記載の結合装置。
  6. 前記磁極を磁気回路に含む電磁石と、該電磁石の励磁電流を制御する制御手段とを更に備える請求項5に記載の結合装置。
  7. 前記磁極形成手段が電磁石と、該電磁石の励磁電流を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の結合装置。
  8. 前記対象物体が前記基礎面に対して相対的に横滑可能である請求項4〜7のいずれか1つに記載の結合装置。
  9. 相対的に変位可能な2つの物体間に介装される結合装置であって、
    一方の物体と結合して、該物体端部において第1の磁極を形成する第1の支持体と、
    該第1の支持体と所定の空隙を介して重なる第2の支持体であって、他方の物体と結合して、該物体端部において前記第1の磁極と相反する第2の磁極を形成する第2の支持体と、
    前記第1の支持体及び前記第2の支持体の間に介在する、前記空隙の間隔を定める粒径のスペーサ粒子と、
    前記空隙内に該スペーサ粒子を混在させて保持された磁性流体と、を含んで構成される結合装置。
  10. 前記2つの物体が相対的に横滑可能である請求項9に記載の結合装置。
  11. 前記スペーサ粒子の粒径が0.1〜1mmであることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1つに記載の結合装置。
JP2001319608A 2001-10-17 2001-10-17 結合媒体及び結合装置 Expired - Fee Related JP3994178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001319608A JP3994178B2 (ja) 2001-10-17 2001-10-17 結合媒体及び結合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001319608A JP3994178B2 (ja) 2001-10-17 2001-10-17 結合媒体及び結合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003120728A JP2003120728A (ja) 2003-04-23
JP3994178B2 true JP3994178B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=19137134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001319608A Expired - Fee Related JP3994178B2 (ja) 2001-10-17 2001-10-17 結合媒体及び結合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3994178B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177541A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Takao Ukita 鋼球粒と機械油の流動混合物を媒体にしてトルクを伝達する装置
JP4535040B2 (ja) * 2006-07-27 2010-09-01 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置
EP2197774B1 (en) * 2007-09-07 2011-12-21 Otis Elevator Company Elevator brake with magneto-rheological fluid
KR101240470B1 (ko) 2011-03-30 2013-03-11 한국과학기술원 가변 강성의 탄성 소재
JP5004374B1 (ja) * 2012-01-16 2012-08-22 淳致 萬谷 滑り、鋼球複合免震支承装置。
JP5124055B1 (ja) * 2012-07-09 2013-01-23 淳致 萬谷 滑り、鋼球複合免震支承装置。
DE112015001563T5 (de) * 2014-03-31 2017-02-23 Kyushu Institute Of Technology Modifiziertes magnetisches Fluid und Greifmechanismus und Greifvorrichtung unter Verwendung dieses modifizierten magnetischen Fluids
CA3102245A1 (en) * 2018-06-01 2019-12-05 Schlumberger Canada Limited Safe drill floor access

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08201819A (ja) * 1995-01-30 1996-08-09 Nec Corp 液晶パネル
US5667715A (en) * 1996-04-08 1997-09-16 General Motors Corporation Magnetorheological fluids
JPH10320732A (ja) * 1997-05-16 1998-12-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気ヘッドおよび磁気ヘッドの製造方法
JP2000158903A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 Asahi Chem Ind Co Ltd ブレーキ機構付き脚輪
JP2001030391A (ja) * 1999-07-22 2001-02-06 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 機能性材料積層体及びその製造方法
JP2001117511A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Fuji Xerox Co Ltd 調光素子
JP2001248665A (ja) * 2000-03-03 2001-09-14 Viscodrive Japan Ltd ビスカスカップリング

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003120728A (ja) 2003-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5549837A (en) Magnetic fluid-based magnetorheological fluids
Jolly et al. Properties and applications of commercial magnetorheological fluids
JP3994178B2 (ja) 結合媒体及び結合装置
US20170106712A1 (en) Methods and apparatus for controlling a fluid damper
EP0910856B1 (en) Quiet ferrofluid solenoid
JP5750280B2 (ja) 構造物の制振装置
JP2002501591A (ja) 磁気粒子ダンパ装置
MXPA01003375A (es) Ensamble de valvula.
JP2010276200A (ja) 磁界応答材料を有するブレーキ
WO2007091399A1 (ja) 流体ダンパ
Kikuchi et al. Design and development of cylindrical MR fluid brake with multi-coil structure
JPH05133478A (ja) 磁気シール構造体
US6242994B1 (en) Apparatus to reduce push back time in solenoid valves
Rodríguez-Arco et al. Inverse magnetorheological fluids
Yalcintas Magnetorheological fluid based torque transmission clutches
JP2010101409A (ja) 係合装置
Agrawal et al. An overview of magneto-and electro-rheological fluids and their applications in fluid power systems
JP2001512220A5 (ja) 沈殿に対する安定性を示す磁気粘性流体デバイス
Zeinali et al. Magnetorheological fluid characterization and applications
JPS58672A (ja) 安全弁装置
Salunkhe et al. Magnetorheological fluids and its applications: Current scenario and future prospects
JP7047494B2 (ja) 制動機構
Wang et al. Dynamic behaviors of magnetorheological fluid-elastomer composites under oscillatory compression
Ciocanel et al. Design analysis and control of a magnetorheological fluid based torque transfer device
Jitesh Magneto Rheological Fluid (MRF)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070706

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees