JP3993959B2 - 特定のホスホニウム塩を用いる水溶性着色剤からの耐久性カラーインクの製造 - Google Patents

特定のホスホニウム塩を用いる水溶性着色剤からの耐久性カラーインクの製造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット式インク印刷に関し、より詳細には、カラー不変性、特に、耐水堅牢性(water-fast)である水溶性染料を含有するインク組成物の提供に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
多くのインクジェット用インクセットが、正確な色域(color gamut)を達成するために、水に対して高い溶解性を有する水溶性染料を利用している。所望の色全域を得るためのインクジェット用インクセットに関する特許例としては、Loren E. Johnson等の、"High Chroma Color Dye-Set for Use in Ink-Jet Inks Employing Polysaccaride-Containing Vehicles"を表題とする米国特許第5,108,504号(1992年4月28日)、William D. Kappeleの、"Specific Dye Set for Thermal Ink-Jet Printing on Plain and Coated Paters"を表題とする米国特許第5,143,547号(1992年9月1日)、William D. Kappeleの、"Specific Dye Set for Thermal Ink-Jet Printing"を表題とする米国特許第5,145,519号(1992年9月8日)、"Ink-Jet Inks with Improved Colors and Plain Paper Capacity"を表題とする米国特許第5,185,034号(1993年2月9日)、及びHiang P. Lauwの、"Specific Dye Set for Thermal Ink-Jet Printing"を表題とする米国特許第5,534,051号(1996年7月9日)があり、引用された前出の特許の全ては、本出願と同一の譲受人に譲渡される。
【0003】
しかし、染料をベースとするインクの多くは、印刷後、耐水堅牢性が不十分である。耐水堅牢性、耐光堅牢性、耐スミア堅牢性(smear-fastness)、耐汚堅牢性(smudge-fastness)、等を含む、インクジェット印刷の性能、即ち耐久性に対する消費者の要求は増大している。本発明の目的は、水溶性の染料ベースのインクの耐久性、特に、前述のインクについて、"カラー不変性"(color permanence)という用語に一括される耐水堅牢性、耐スミア堅牢性、耐汚堅牢性、及び耐光堅牢性を改善することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に従い、染料分子の電荷と反対の電荷を有する特定のイオン種を用いることによって、水溶性染料を含有しているインクジェットインクのカラー不変性が達成される。ほとんどのインクジェットインクでは、使用染料はアニオン染料である。そのようなアニオン染料は、典型的に、1つ以上のスルホン酸塩又はカルボン酸塩のアニオン基を含む。反対の電荷を有する特定のイオン種、例えば、ホスホニウム塩、を用いることで、染料のイオン部分と対イオン種の反対電荷との間で適当な電荷錯体が形成されるため、着色剤成分を水ベースのインクから印刷媒体上へ”クラッシュ(crash)”もしくは析出させることができる。
【0005】
ホスホニウム塩は、単独で用いてカラー不変性の改善を達成することができる。あるいは、水分散(aqueous dispersion)の安定性、即ち印刷適性を改善するために、ホスホニウム塩を他のホスホニウム塩、又は、第四級アンモニウム塩、カルボニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びピリリウム塩など、他のカチオン塩と組み合わせることもできる。さらに、カチオン重合体及び多官能性カチオン塩などの他のカチオン種をホスホニウム塩(群)と組み合わせて用いることもできる。前述の補足的なカチオン種は、ホスホニウム塩(群)と部分的に置き換えられる。あるいは、ある種の界面活性剤、例えば、芳香族エトキシレート化合物(aromatic ethoxylates)、ポリエチレンオキシドエーテル、又はポリプロピレンオキシドエーテルを用いて印刷品質を改善することもできる。
【0006】
【発明の好ましい実施の態様】
(A) 耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物
本発明は、カラー不変性、より詳細には水溶性染料から耐水堅牢性インク成分を得るための新規な方法を開示するものである。この発明において、染料分子の水溶性は、その染料分子に添加させたスルホン酸塩又はカルボン酸塩のようなアニオン基によって特に高められる。
【0007】
本発明に従い、特定のホスホニウム塩は、アニオン染料とカチオンであるホスホニウムイオンとの間の電荷交換によって(水溶性の)アニオン染料と錯体を形成することができる。いわゆる染料錯体(dye-complex)は、本質的に疎水性となり、水に対する耐性(耐水堅牢性)、溶剤に対する耐性(耐スミア堅牢性)、液体による機械的なこすれに対する耐性(耐汚堅牢性)、そして、ある場合は、印刷物が曝露される照明の状態に対する耐性(耐光堅牢性)を有する、不変性のある印刷を実現する。
【0008】
他方、増大された疎水性に起因して、染料錯体は、時としてインク中においてでさえ析出しやすく、印刷適性に関わる問題を引き起こす。本発明はまた、インクにおいては分子間衝突を最小化し、且つ印刷において分子間衝突を最大化することを達成することができるよう、ホスホニウム塩分子の化学的性質、濃度の適切な選択と設計により、前述のような種類の染料錯体を用いて良好な印刷特性を得るための解法をも提供するものである。カチオン塩とアニオン染料との間の衝突の最小化は、(デキャップ(decap)が無く、コゲーション(kogation)も無い)安定な噴射性(jettability)を含むペン性能を最大にするのに効果があると見られている。いくつかの場合において、この種の微細な相互作用と安定した印刷特性を得るために、第二のホスホニウム及び/又は非ホスホニウム塩を含む界面活性剤又はその他のカチオン塩などの第三の成分の添加が必要とされる。印刷物におけるホスホニウム塩とアニオン染料間の衝突の最大化は、インクビヒクル(水、溶剤等)が印刷媒体中への浸透、又は蒸発によるなどして消滅する時に達成され、これにより、一次的な耐水堅牢性、及びその他の耐スミア堅牢性、耐汚堅牢性、及び耐光堅牢性のような二次的な性質を含む印刷の不変性に要求される染料錯体形成の最高収量を提供する。
【0009】
下記のメカニズムが、ホスホニウム塩とアニオン染料に関連する本発明においては、起こることが予測される。
【0010】
(a) ステップ1:水分散
水中での染料分子の分散は、アニオン官能基に付随する親水性に起因して起こる。水中におけるホスホニウム塩の分散は、カチオン塩部分に付随する親水性により起こる。しかし、ホスホニウム塩分子の疎水性部分は、この分散の低減を起こしがちである。そこで、水混和性の共溶媒が、水分散を取り戻すのに役立つ。水性活性染料と塩分子との間の衝突は、印刷可能なインク中における染料と塩の有用な濃度により本質的に阻止される。
【0011】
(b) ステップ2:分子衝突
アニオン染料とカチオン性ホスホニウム塩との間の衝突は、印刷物における水/共溶媒の濃度が、印刷媒体中への浸透又は蒸発によるなどして減少する時に、短くなった衝突距離のために必ず起こるものである。
【0012】
(c) ステップ3:電荷交換
アニオン染料とカチオン性ホスホニウム塩間の錯体形成は、疎水性を得るためには生起せねばならない。このプロセスは、乾燥した印刷物の耐水堅牢性を確保するためには不可逆でなければならない。染料−塩錯体を形成するためには、2つの分子間には、一方は電子供与体として、他方は電子受容体として作用することから、適切な酸化電位と還元電位の存在が不可欠である。疎水相互作用は、錯体を固定し(lock)、且つその分子が遊離形に戻るのを阻止する。酸化還元(redox)電位が適切でないと、電荷交換では衝突が終了せず、錯体を堅固に形成することができない。さらに錯体の力は、乾燥した印刷物中で再び破壊され、印刷物の耐水堅牢性が不十分なものとなる。
【0013】
(d) ステップ4:錯体安定化
安定性又は安定化プロセスは、上述のように、疎水性相互作用と電荷の安定化によって生ずる。
【0014】
ここで、不変的な印刷物及び錯体の水分散の安定性に要求され、且つ良好な印刷適性に必要とされる錯体の電気化学的安定性を明確にする必要がある。ステップ4に記載された"安定な錯体"(stable complex)という用語は"電気化学的に安定な錯体"を意味し、これは、中性種を生成するために、カチオン種がアニオン種から電子を取り戻せる状態にあり、且つアニオン種がカチオン種に電子を与える状態にある時に形成されるものである。前述の安定な錯体は、固相中の水によって容易に再イオン化されることはない。安定錯体に対する他の寄与因子は、大きい(bulky)カチオン種と大きい(bulky)アニオン種との間の強力な疎水相互作用である。電荷交換は、NaCl、K2SO4等の小さい分子量の塩の間で起こることがある。しかし、生成された新たな塩 KCl、Na2SO4等は、K+、Na+、Cl-、SO4 2-等が水性の環境でのみ結合するため、安定な錯体ではない。
【0015】
本発明において、多くの場合、大きいカチオンが望ましく、大きいアニオンはインク中で適切に結合し、大きい化学物質は脱水された際に不可逆錯体を形成する。イオン性染料が任意の反対電荷イオン種と錯体を形成することができると信じられているにも関わらず、固相において優れた耐水堅牢性を示す染料−錯体を見出すことは稀である。例えば、第四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、ピペリジニウム塩等を含むアンモニウム塩などの通常型/単官能カチオン塩は、水溶性アニオン染料中に添加された時に耐水堅牢性についての改善を何ら示さない。同様に、カルボニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ピリリウム塩等を含むその他の通常型カチオン種も、水溶性アニオン染料の耐水堅牢性に関する改善を何ら示さない。また、ホスホニウム塩類の中で、あらゆるホスホニウム塩全てが水溶性アニオン染料に対して耐水堅牢性の良好な改善をもたらすのではなく、ある特定の化学的性質を有するいくつかのホスホニウム塩のみが良好な改善をもたらすということが発見された。これらのホスホニウム塩を、耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物と称し、水溶性染料を耐水堅牢性インクにしないホスホニウム塩類を非耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物と称す。
【0016】
本発明の耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物は、次式の1つを含んでいなければならない。
【0017】
【数1】
(Ar)3-R1P+...X- (1)
X-...P+(Ar)3-(R2)n-(Ar)3P+...X- (2)
(R3)3-R2 P+...X- (3)
X-...P+(R3)3-(R2)n-(R3)3 P+...X- (4)
【0018】
ここで式中、Arは、ピリジニル、ピペリジニル、ピロリジノ、トリアジニル、ベンゾトリアゾリル又はチオベンゾを含むヘテロ原子を有しているか又は有していないフェニル、ナフチル、アントラセニルを含むアリール又は置換アリールである。
R1は、-OH、-NH2、-NR2、-CO、-CHO、-COOH、-COO、-SH、-NO2などの置換基を有するか又は有していないアルキル、アルケニル、アリールである。R1はまた、共役二重結合を含んでいてもよい。炭素原子数は、5に等しいか又はそれより大でなければならない。
R2、R3は、-OH、-NH2、-NR2、-CO、-CHO、-COOH、-COO、-SH、-NO2などの置換基を有しているか又は有していないアルキル、アルケニル、アリールである。R2及びR3はまた、共役二重結合を含んでいてもよい。炭素原子数は、0に等しいか又はそれより大でなければならない。
Xは、Cl-、Br-、I-、F-などのハロゲン原子、又はPF6 -、BF4 -、HSO3 -、NH4SO3 -等のその他のアニオン対イオンである。
nは、0〜9の範囲の整数である。
【0019】
式(1)〜(4)において、省略符号(...)は、カチオンとアニオン間のイオン結合(ionic association)を意味する。
【0020】
下記の表I、II、III及びIVに、本発明の実施に有用な耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物の例をいくつか例示する。
【0021】
【表1】
Figure 0003993959
【0022】
注) (1)しるし(*)のない限り全ての化学物質はAldrich社由来のものであり、しるし(*)がある場合、化学物質は社内、即ち、Hewlett-Packard社由来のものである。(2)Phはフェニル(-C6H5)である。
【0023】
【表2】
Figure 0003993959
【0024】
注) 全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0025】
【表3】
Figure 0003993959
【0026】
注) しるし(*)のない限り全ての化学物質はAldrich社由来のものであり、しるし(*)がある場合、化学物質は社内、即ち、Hewlett-Packard社由来のものである。
【0027】
【表4】
Figure 0003993959
【0028】
注) 全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0029】
(B) 改善された印刷適性
(B-1) 非イオン性界面活性剤
増大された疎水性が耐水堅牢性に対して重要な貢献をするという事実により、染料錯体は、しばしば、ペンにおいてでさえ析出し易く、印刷適性に関わる問題を引き起こす。従って、良好且つ安定な噴射性を確保するために、染料錯体を水性ベースのビヒクル中で十分に分散させる必要がある。本発明の他の目的は、ペンにおける及び/又は水溶液における染料錯体の析出を抑えることにより、安定な噴射特性のための解決法を提供することにもある。本発明において、発明者らは小さい液滴容積のインクジェットペンを使用する際にも錯体の分散性を安定させ、且つ良好な印刷特性をもたらすことができる適切な界面活性剤を見出した。一般的には、インク滴の容積が噴射性を決定する。滴容積が小さいほど噴射はますます困難になる。そのため、染料錯体が、例えば、ミクロンをやや超える程度の大きい粒子サイズを形成する場合、40plという大きさの液滴容積のペンからでさえも、十分に噴射させられない。本発明によれば、1つ以上の界面活性剤を用いることで染料錯体を個々の染料錯体分子に微細に分割でき、従って、例えば15plを下回る極めて小さい液滴容積のペンでも噴射性が著しく改善されるのである。
【0030】
前述の噴射性を改善するのに有用な特定の界面活性剤としては非イオンタイプのものが含まれ、これらは析出と凝集を最小にして印刷適性を著しく改善する。これらの界面活性剤の例としては、SOLSPERSE 27,000、BRIJ78、BRIJ92、TERGITOL 15-S-5、TERGITOL 15-S-7、TERGITOL 15-S-9、TERGITOL 15-S-12、TERGITOL 15-S-22、TERGITOL 15-S-30、TERGITOL 15-S-40がある。SOLSPERSE界面活性剤は、Zenecaから市販の芳香族エトキシレートである。BRIJ界面活性剤は、ICIから市販の、ポリエチレンオキシドエーテル類である。TERGITOL界面活性剤は、ポリエチレン又はポリプロピレンオキシドエーテル類である。
【0031】
使用する際のインク中の界面活性剤の濃度は、約0.001〜50重量%の範囲にあり、好ましくは、約0.01〜10重量%、最も好ましくは、約0.1〜3重量%の範囲にある。
【0032】
通常、染料分子の各アニオン基は、染料の水溶性に寄与する。もしそれが単官能性であるなら、それぞれ1つのホスホニウム塩分子によって各アニオン基をキャップ(cap)する必要がある。例えば、染料が2つのアニオン基を有しているなら、染料/単官能ホスホニウム塩のモル比=1/2を用いる必要がある。染料が3つのアニオン基を有する場合は、染料と単官能ホスホニウム塩のモル比は、1対3である。界面活性剤の濃度は、調合に利用される耐水堅牢性ホスホニウム塩の濃度と化学的性質に依存する。より多数の炭素原子を有するホスホニウム塩は、水中で良く分散されるため、より多くの界面活性剤が必要であろう。そのため、界面活性剤濃度とホスホニウム塩濃度との間は一次的関係ではない。これはホスホニウム塩に対する界面活性剤の濃度には広い範囲が存在するという理由からである。また、留意すべきは、インク中の余剰量の界面活性剤は耐水堅牢性に対して悪影響を及ぼすことがあるということである。簡単な実験を行うことにより、所与のホスホニウム塩及びその濃度に対する界面活性剤の最大濃度を決定することができる。一般に、塩において置換されたアルキル鎖が長い程、染料−塩の錯体を十分分散させるためには、より高濃度の界面活性剤が必要となる。
【0033】
(B-2) 非耐水堅牢性のホスホニウム塩添加物
上述の適切な界面活性剤の他に、本発明者達はまた、錯体の水分散性を安定させ得る適切なホスホニウム塩も見出した。
【0034】
表I、II、III及びIVにおいて例示された耐水堅牢性ホスホニウム塩とは異なり、これらの非耐水堅牢性ホスホニウム塩は、染料錯体の耐水堅牢性の改善には必要でない。しかし、それらは、界面活性剤として機能し、耐水堅牢性染料錯体の水分散の安定性を高めることで耐水堅牢性染料錯体の印刷特性を改善させることができる。下記の表Vに、かかる非耐水堅牢性ホスホニウム塩の例を挙げる。
【0035】
【表5】
Figure 0003993959
【0036】
注) 全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0037】
(B-3) 他のカチオン塩との組合せ
上述のような適切な界面活性剤及び水分散安定化ホスホニウム塩の他に、本発明者達は、錯体の水分散性も安定化させることにより耐水堅牢性染料錯体の印刷適性も改善させ得る、適切なカチオン塩もまた発見した。これらのカチオン塩は、表Vに例示されたようなホスホニウム塩ではないが、耐水堅牢性染料錯体の水分散性を安定化させる際に同様に機能し得るものである。もしこれらのカチオン塩を単独で用いれば、染料錯体製品に対して十分良好な(実用レベルの)耐水堅牢性を与えないであろう。しかしながら、これら特定のカチオン塩と特定のホスホニウム塩との組合せにより、耐水堅牢性と印刷適性の両方における改善が明白なものとなる。
【0038】
本発明を実施する際に好適に採用されるこれらのカチオン塩は、一般式(5)及び(6)を有する。
【0039】
【数2】
A-M+...X- (5)
X-...M+-(Q)-M+...X- (6)
【0040】
式中、Aは置換基を有するか又は有しないアルキル、アリール、ヘテロ環である。
Mは(1)第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ピペラジニウム塩、ウロニウム塩、ピロリジニウム塩、イミダゾリウム塩、チアゾリウム塩、オキサゾリウム塩、セレナゾリウム塩、モルホリニウム塩、テトラゾリウム塩を含むN-塩類、(2)ピリリウム塩、スルホニウム塩、チオフェニウム塩を含むO-及びS-塩類、(3)カルボニウム塩、イリウム塩を含むC-塩類、(4)ヨードニウム塩を含むハロゲン塩類、(5)ルテニウム塩、(6)フェロセニウム塩、(7)トロピリウム塩である。 Qは、置換基を有するか又は有しないアルキル、アルコキシ、アリール、アルケン、ヘテロ環である。
Xは、小さいアニオンを含むハロゲン(Cl、Br、I、F)、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩である。
【0041】
耐水堅牢性染料−ホスホニウム塩錯体の水分散性能を改善するのに使用できるカチオン塩を下記の表VIに挙げる。
【0042】
【表6】
Figure 0003993959
【0043】
注) 全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0044】
(B-4) カチオン重合体との組合せ
印刷適性と耐水堅牢性をさらに改善するのに、1つ以上のカチオン重合体と共に耐水堅牢性ホスホニウム塩添加物を使用することもできる。
【0045】
【表7】
Figure 0003993959
【0046】
注) 全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0047】
(C) 耐光堅牢性の改善
本発明のインクは、ある種の染料錯体に付随したある光化学的プロセスに起因して不十分な耐光堅牢性を示すことがある。この問題は、添加物を加えることにより、染料分子とそのパートナーであるホスホニウム塩との間の相互作用によって引き起こされる光酸化、光還元、及び光触媒反応を防止することによって克服される。これらの添加物は、下記の表VIIIに挙げられるような染料着色剤の耐光堅牢特性を低減させない特定のホスホニウム塩であってもよい。これらの添加物はまた、トリアジン、ベンゾトリアゾールなどの非ホスホニウム化合物、及び以下の表IXに挙げられるような重合体を含むUV-吸収剤であってもよい。溶解度に依存して、耐光堅牢性のための添加物の最大濃度は約10重量%であるが、典型的には、その濃度は約3〜5重量%である。
【0048】
【表8】
Figure 0003993959
【0049】
注) しるし(*)のない限り、全ての化学物質はAldrich社由来のものである。しるし(#)があるものは社内、即ちHewlett-Packard社由来のものである。
【0050】
【表9】
Figure 0003993959
【0051】
注) しるし(*)のない限り、全ての化学物質はAldrich社由来のものである。
【0052】
【実施例】
実施例1
下記成分を透明溶液が得られるまで室温で攪拌することにより一緒に混合した。
2-ピロリドン 10重量部
1,5-ペンタンジオール 10重量部
臭化ドデシルトリフェニルホスホニウム 10重量部
Acid Red 97 (Aldrich) 5重量部
水 62重量部
SOLSPERSE 27,000 3重量部
【0053】
得られたインクを、液滴容積4ピコリットル(pl)のヒューレット-パッカード社製プロトタイプのDeskJetプリンタを使って印刷した。印刷サンプルを空気中で数分間乾燥させた。その印刷品質は、ノズルアウト(nozzles out)(ノズル外れ)の数を数えることにより測定した。ノズルアウト数が大きい程、印刷品質は劣る。この場合、ノズルアウト数は、ゼロであると測定された。
【0054】
インクの耐水堅牢性は、45度傾斜させて印刷表面上に水を5分間連続滴下して測定した。光学的密度(mOD)は、プリント付近の領域上へ水を適用する前及び後に測定した。プリント付近の領域における光学的密度の増加は、耐水堅牢性が不十分であることの指標である。この場合、光学的密度の検出された増加量は、ゼロであった。
【0055】
印刷されたインクの耐光堅牢性は、屋内の退色試験機で測定した。
【0056】
比較例1
ホスホニウム塩を調合から除外した以外は、実施例1を繰り返した。印刷品質試験もノズルアウト数がゼロであることを示した。しかし、耐水堅牢性試験では、プリント近辺の光学的密度が500mODまで増加したことを示した。プリントは、印刷媒体上のあらゆる箇所で水洗いによるスミア(smear)を示した。
【0057】
前出の2つの例により、耐水堅牢性が、インクに対するホスホニウム塩の添加、及び染料と塩との錯体の形成によって著しく高められることが確証された。
【0058】
比較例2
界面活性剤(SOLSPERSE 27,000)を調合から除外した以外は、実施例1を繰り返した。印刷品質試験では、ノズルアウトのパーセントが75%であることが示された。インクは十分にプリントされなかった。
【0059】
実施例2− 10
上述の表I、II、III、及びIVを参照して、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩を他の異なるホスホニウム塩で置き換えた以外は、実施例1を繰り返した。これらの場合において留意すべきは、塩の濃度及び界面活性剤SOLSPERSE 27,000の濃度、水の量を十分な印刷適性が得られるように調節したことである。その結果を表Xに挙げる。
【0060】
【表10】
Figure 0003993959
【0061】
注) *ホスホニウム塩の詳細については表I、II、III及びIVを参照。
【0062】
実施例2−10は、他の耐水堅牢性ホスホニウム塩も、界面活性剤(SOLSPERSE 27,000)との組合せで、本発明の実施に有用であることを示した。
【0063】
実施例 11 21
特定の耐水堅牢性ホスホニウム塩と非耐水堅牢性ホスホニウム塩との組合せを種々の濃度で用いた以外は、実施例1を繰り返した。その結果を表XIに要約する。
【0064】
【表11】
Figure 0003993959
【0065】
注) *ホスホニウム塩の詳細については表I、II、III及びIVを参照。
#ホスホニウム塩の詳細については表Vを参照(改善された水分散性に関する)。
【0066】
実施例11−21により、耐水堅牢性ホスホニウム塩は、第二のホスホニウム塩との組合せでも、本発明の実施に有用であることが立証された。この組合せでは、耐水堅牢性ホスホニウム塩は、比較的長い鎖(少なくとも5炭素原子)を有し、他のホスホニウム塩、又は非耐水堅牢性ホスホニウム塩では炭素原子は5個より少ない。非耐水堅牢性ホスホニウム塩は、耐水堅牢性ホスホニウム塩の水分散の安定性を高める傾向がある。
【0067】
実施例 22 29
第二のホスホニウム塩を表VIに挙げた特定のカチオン塩で置き換えた以外は、実施例14、15、16、17を繰り返した。その結果を表XIIに要約する。
【0068】
【表12】
Figure 0003993959
【0069】
注) *ホスホニウム塩の詳細については表Iを参照。
#カチオン塩の詳細については表VIを参照(改善された水分散性に関する)。
【0070】
実施例22−29により、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、及び分子内塩を含むその他のカチオン塩も、少なくとも5炭素原子の比較的長い鎖を有する耐水堅牢性ホスホニウム塩との組合せで、本発明の実施に有用であることが立証された。
【0071】
実施例 30 33
カチオン塩を表VIに挙げた(番号VI-10から始まる)多官能性塩で置き換えた以外は、実施例22−29を繰り返した。その結果を表XIIIに要約する。
【0072】
【表13】
Figure 0003993959
【0073】
注) *ホスホニウム塩の詳細については表Iを参照。
#多官能性カチオン塩の詳細については表VIを参照(改善された水分散性に関する)。
【0074】
実施例30−33により、含まれている多官能性カチオン塩も、少なくとも5炭素原子の比較的長い鎖を有する耐水堅牢性ホスホニウム塩との組合せで、本発明の実施に際しさらに耐水堅牢性を改善する上で有用であることが立証された。
【0075】
【発明の効果】
本発明のインクジェットインクは、インクジェットプリンタ用としての用途が見出されることが期待される。
【0076】
以上、アニオン染料との錯体を形成して、印刷媒体上でその錯体の析出を生ずるようにした、少なくとも1つのホスホニウム塩を用いる、耐水堅牢性である、アニオン染料をベースとしたインクジェットインクを開示してきた。種々の変更並びに修正は、本発明の趣旨から逸脱することなく実行でき、且つ前述の変更並びに修正の全ては、本発明の請求の範囲内に帰属するものと考えられるということは、熟練した当業者には容易に理解されよう。
【0077】
以下に本発明及びその好ましい実施の態様を要約して示す。
1.少なくとも1つのアニオン染料を含有する耐水堅牢性である染料ベースの水溶性インクジェットインクであって、該イインクジェットインクがさらに、このインクを耐水堅牢性にするため、少なくとも5個の炭素原子数を有する少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩の有効量を含むインクジェットインク。
2.前記少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩が、式、
【数3】
(Ar)3-R1P+...X- (1)
X-...P+(Ar)3-(R2)n-(Ar)3P+...X- (2)
(R3)3-R2 P+...X- (3)
X-...P+(R3)3-(R2)n-(R3)3 P+...X- (4)
(式中、
Arは、ピリジニル、ピペリジニル、ピロリジノ、トリアジニル、ベンゾトリアゾリル又はチオベンゾを含む、ヘテロ原子を有しているか又は有していないフェニル、ナフチル、アントラセニルを含む、アリール又は置換アリールであり、
R1、R2、R3は、-OH、-NH2、-CO、-CHO、-COO、-COOH、-SH、-NO2から成る群より選ばれる置換基を有するか又は有していないアルキル、アルケニル、アリールであり、共役二重結合を含んでいてもよく、R1は少なくとも5個の炭素原子を含み、
Xは、Cl、Br、I、F、PF6 -、BF4 -、HSO3 -、又はNH4SO3 -;そして
nは、0〜9の範囲の整数であり、
各式における省略符号はカチオンとアニオン間のイオン結合を表し、P原子の正電荷は対イオンXの負電荷と結合する。)
からなる群より選ばれる式を有する、上記1に記載のインクジェットインク。
3.前記少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩が、前記インクの約0.01から50重量%の範囲で存在する、上記1に記載のインクジェットインク。
4.さらに、印刷品質を改善するための少なくとも1つの界面活性剤を含有する、上記1に記載のインクジェットインク。
5.前記少なくとも1つの界面活性剤が、前記インクの約0.001から50重量%の範囲で存在する、上記4に記載のインクジェットインク。
6.前記インクが、(a)5個未満の炭素原子を有する非耐水堅牢性ホスホニウム塩、(b)カチオン塩、(c)カチオン重合体、及び(d)多官能性カチオン塩から成る群より選択される少なくとも1つの補足的カチオン塩をさらに含有し、前記少なくとも1つのカチオン塩が、前記少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩を部分的に置換することにより、水分散の安定性と印刷適性を改善する上記1に記載のインクジェットインク。
7.前記インクが、該インクの耐光堅牢性を改善するための少なくとも1つの添加物をさらに含有する、上記1に記載のインクジェットインク。
8.前記少なくとも1つの添加物が、約10重量%までの範囲で存在する、上記7に記載のインクジェットインク。
9.少なくとも1つのアニオン染料を含有する、耐水堅牢性の染料ベースの水性インクジェットインクを生成する方法であって、
(1)上記1に記載の染料ベースの水性インクジェットインクを生成させ、かつ
(2)前記染料ベースの水性インクジェットインクに少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩を有効量添加して前記インクを耐水堅牢性にする、
ことを含む方法。

Claims (7)

  1. 少なくとも1つのアニオン染料を含有する耐水堅牢性である染料ベースの水溶性インクジェットインクであって、
    このインクを耐水堅牢性にするための
    (Ar) -R1P ...X (1)
    X ...P (Ar) -(R2) -(Ar) P ...X (2)
    (R3) -R2 P ...X (3)
    X ...P (R3) -(R2) -(R3) P ...X (4)
    〔式中、 Ar は、ピリジニル、ピペリジニル、ピロリジノ、トリアジニル、ベンゾトリアゾリル又はチオベンゾを含む、ヘテロ原子を有しているか又は有していないフェニル、ナフチル、アントラセニルを含む、アリール又は置換アリールであり、
    R1 R2 R3 は、 -OH -NH 2 -CO -CHO -COO -COOH -SH -NO 2 から成る群より選ばれる置換基を有するか又は有していないアルキル、アルケニル、アリールであり、共役二重結合を含むか又は含まず、 R1 は少なくとも5個の炭素原子を含み、
    X は、 Cl Br I F PF 6 - BF 4 - HSO 3 - 、又は NH 4 SO 3 - であり、
    n は、0〜9の範囲の整数であり、
    各式における省略符号( ... )はカチオンとアニオン間のイオン結合を表し、
    P 原子の正電荷は対イオン X の負電荷と結合する。〕からなる群より選ばれる、少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩と、
    (a)臭化アリルトリフェニルホスホニウム、塩化アリルトリフェニルホスホニウム、臭化ビニルトリフェニルホスホニウム、臭化( 3- ブロモブチル)トリフェニルホスホニウム、臭化( 4- ブロモブチル)トリフェニルホスホニウム、臭化(ブロモジフルオロメチル)トリフェニルホスホニウム、臭化クロロエチルトリフェニルホスホニウム、臭化 1,1,1- トリフルオロアセトニルトリフェニルホスホニウム、臭化メチルトリフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、臭化プロピルトリフェニルホスホニウム、臭化 n- ブチルトリフェニルホスホニウム、臭化イソプロピルトリフェニルホスホニウム、臭化 n- ペンチルトリフェニルホスホニウム、臭化アセトニルトリフェニルホスホニウム、臭化 4- カルボキシブチルトリフェニルホスホニウム、臭化(エトキシカルボニルメチル)トリフェニルホスホニウム、臭化(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム、臭化水素酸トリフェニルホスホニウム、塩化( 2- ヒドロキシエチル)トリフェニルホスホニウム、臭化( 2- ヒドロキシエチル)トリフェニルホスホニウム、臭化[ 3- ヒドロキシ -2- メチルプロピル]トリフェニルホスホニウム、塩化[ 2- (トリメチルシリル)エトキシメチル]トリフェニルホスホニウム、ヨウ化メチルトリフェノキシホスホニウム、臭化[ 3- (ジメチルアミノ)プロピル]トリフェニルホスホニウム、臭化ジメチルアミノエチルトリフェニルホスホニウムから成る群から選択される非耐水堅牢性ホスホニウム塩、(b)以下の一般式 (5) 及び (6)
    A-M + ...X - (5)
    X - ...M + -(Q)-M + ...X - (6)
    〔式中、 A は、置換基を有するか又は有しないアルキル、アリール、ヘテロ環であり、
    M は、(1)第四級アンモニウム塩、ポリジニウム塩、ピペラジニウム塩、ウロニウム塩、ピロリジニウム塩、イミダゾリウム塩、チアゾリウム塩、オキサゾリウム塩、セレナゾリウム塩、モルホリニウム塩、テトラゾリウム塩を含む窒素原子含有塩、(2)ピリリウム塩、スルホニウム塩、チオフェニウム塩を含む酸素原子含有塩又は硫黄原子含有塩、(3)カルボニウム塩、イリウム塩を含む炭素原子含有塩、(4)ヨードニウム塩を含むハロゲン塩、(5)ルテニウム塩、(6)フェロセニウム塩、(7)トロピリウム塩から成る群から選択され、
    Q は、置換基を有するか又は有しないアルキル、アルコキシ、アリール、アルケン、ヘテロ環であり、
    X は、ハロゲン、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、スルホン酸塩、 硫酸塩である〕から選択されるカチオン塩、(c)ポリ(塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム)、ポリ(塩酸 4- ビニルピリジン)、 80% エトキシル化ポリエチレンジアミン、硫酸化ポリアニリンポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)から成る群から選択されるカチオン重合体、及び(d)臭化ヘキサジメチリン、 p- キシレンビス(塩化テトラヒドロチオフェニウム)、 1,1'- トリメチレンビス[臭化 4- (ヒドロキシイミノメチル)ピリジニウム]、二臭化 1,1'- ジヘプチル -4,4'- ビピリジニウム、二過塩素酸 1,1'- ジオクタデシル -4,4'- ビピリジニウム、二臭化エチルビオローゲン、臭化 1,1'- ジオクタデシル -4,4'- ビピリジニウム、ヘキサフルオロリン酸フェロセニウムから成る群から選択される多官能性カチオン塩から成る群から選択される少なくとも1つの補足的カチオン塩と、
    をさらに含み、前記少なくとも1つの補足的カチオン塩が、前記少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩を部分的に置換することにより、水分散安定性及び印刷適性が改善されている、インクジェットインク。
  2. 前記少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩が、前記インクの0.01から50重量%の範囲で存在する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. さらに、印刷品質を改善するための少なくとも1つの界面活性剤を含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 前記少なくとも1つの界面活性剤が、前記インクの0.001から50重量%の範囲で存在する、請求項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記インクが、該インクの耐光堅牢性を改善するための少なくとも1つの添加物をさらに含有する、請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. 前記少なくとも1つの添加物が、10重量%までの範囲で存在する、請求項に記載のインクジェットインク。
  7. 少なくとも1つのアニオン染料を含有する耐水堅牢性の染料ベースの水性インクジェットインクを生成する方法であって、
    (1)少なくとも1つのアニオン染料を含有する染料ベースの水性インクジェットインクを生成すること、
    (2)前記染料ベースの水性インクジェットインクに、請求項1記載の少なくとも1つの耐水堅牢性ホスホニウム塩と、請求項1記載の(a)非耐水堅牢性ホスホニウム塩、(b)カチオン塩、(c)カチオン重合体、及び(d)多官能性カチオン塩から成る群から選択される少なくとも1つの補足的カチオン塩とを添加すること、
    を含む方法。
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