JP3992845B2 - デジタル−アナログ変換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離散的なデジタルデータを連続的なアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器に関する。なお、本明細書においては、関数の値が局所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。
【0002】
【従来の技術】
最近のデジタルオーディオ装置、例えばCD(コンパクトディスク)プレーヤ等においては、離散的な音楽データ(デジタルデータ)から連続的なアナログの音声信号を得るためにオーバーサンプリング技術を適用したD/A(デジタル−アナログ)変換器が用いられている。このようなD/A変換器は、入力されるデジタルデータの間を補間して擬似的にサンプリング周波数を上げるために一般にはデジタルフィルタが用いられており、各補間値をサンプルホールド回路によって保持して階段状の信号波形を生成した後にこれをローパスフィルタに通すことによって滑らかなアナログの音声信号を出力している。
【0003】
ところで、D/A変換器に含まれるデジタルフィルタによるデータ補間は、一般にはsinc関数と称される標本化関数を用いて行われる。図16は、sinc関数の説明図である。sinc関数は、ディラックのデルタ関数を逆フーリエ変換したときに現れるものであり、標本化周波数をfとしたときにsin(πft)/(πft)で定義される。このsinc関数は、t=0の標本点のみで1になり、他の全ての標本点では0となる。
【0004】
従来は、このsinc関数の波形データをFIR(finite impulse response )フィルタのタップ計数に設定したデジタルフィルタを用いることにより、オーバーサンプリングを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、デジタルフィルタによって離散的な音声データ間の補間演算を行うオーバーサンプリング技術を用いると、減衰特性がなだらかなローパスフィルタを用いることができるため、ローパスフィルタによる位相特性を直線位相特性に近づけるとともに標本化折返し雑音を低減することが可能になる。このような効果は擬似的なサンプリング周波数を上げれば上げるほど顕著になるが、サンプリング周波数を上げるとそれだけデジタルフィルタやサンプルホールド回路の処理速度も高速化されるため、高速化に適した高価な部品を使用する必要があり、部品コストの上昇を招く。また、画像データのように本来のサンプリング周波数自体が高い場合(例えば数MHz)には、これをオーバーサンプリングするには数十MHzから数百MHzで動作可能な部品を用いてデジタルフィルタやサンプルホールド回路を構成する必要があり、その実現が容易ではなかった。
【0006】
また、オーバーサンプリング技術を用いた場合であっても、最終的には階段状の信号波形をローパスフィルタに通して滑らかなアナログ信号を生成しているため、ローパスフィルタを用いている限り厳密な意味での直線位相特性を持たせることができなかった。また、上述したsinc関数は、±∞で0に収束する関数であるため、正確な補間値を求めようとすると、全てのデジタルデータの値を考慮する必要があるが、実際は回路規模等の都合から、考慮するデジタルデータの範囲を限定してデジタルフィルタのタップ係数の数が設定されており、得られる補間値には打ち切り誤差が含まれていた。
【0007】
このように、オーバーサンプリング技術を適用した従来のD/A変換器は、擬似的にサンプリング周波数を上げるために高速な部品が必要であって、コスト高を招いたり、あるいは実現が容易ではかった。また、ローパスフィルタを通すため位相特性の劣化があり、しかもsinc関数を適用したデジタルフィルタを用いているため打ち切り誤差が含まれ、これらに対応した出力波形の歪みが生じていた。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、部品の動作速度を上げることなく歪みの少ない出力波形を得ることができるデジタル−アナログ変換器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のデジタル−アナログ変換器は、入力されたデジタルデータのそれぞれに対応する電圧レベルを有する所定の階段関数波形を発生させてこれらを合成した後に複数回のアナログ積分を行うことによって、順に入力される各デジタルデータに対応する電圧をなめらかにつなぐ連続したアナログ信号を発生する。このように、順に入力される複数のデジタルデータに対応する所定の階段関数波形を発生させてこれらの波形を合成し、その後この合成波形を積分することにより連続的に変化するアナログ信号が得られるため、最終的なアナログ信号を得るためにローパスフィルタを用いる必要がなく、扱う信号の周波数によって位相特性が異なるために群遅延特性が悪化するといったことがなく、歪みの少ない出力波形を得ることができる。また、オーバーサンプリングを行っていた従来の手法に比べると、部品の動作速度を上げる必要がないため、高価な部品を使用する必要がなく、部品コストの低減が可能になる。
【0010】
特に、上述した階段関数波形は、区分多項式によって構成された所定の標本化関数について、各区分多項式を複数回微分することにより得られる波形を用いることが好ましい。すなわち、反対にこの階段関数波形を複数回積分することにより、所定の標本化関数に対応した波形を得ることができるため、標本化関数による畳み込み演算を、階段関数波形を合成することによって等価的に実現することが可能になり、処理内容を単純化することができるため、デジタルデータをアナログ信号に変換するために必要な処理量の低減が可能になる。
【0011】
また、上述した標本化関数は、全域が1回だけ微分可能であって有限台の値を有することが好ましい。自然界に存在する各種の信号は、滑らかに変化しているため微分可能性が必要であると考えられるが、その微分可能回数は必ずしも無限回である必要はなく、むしろ1回だけ微分可能であれば充分に自然現象を近似できると考えられる。このように、有限回微分可能であって有限台な標本化関数を用いることにより数々の利点があるが、従来はこのような条件を満たす標本化関数が存在しないと考えられていた。ところが、本発明者の研究によって、上述した条件を満たす関数が見いだされた。
【0012】
具体的には、上述した標本化関数は、標本位置tが−2から+2までの間で0以外の値を有する有限台の関数であり、−2≦t<−3/2については(−t2 −4t−4)/4で、−3/2≦t<−1については(3t2 +8t+5)/4で、−1≦t<−1/2については(5t2 +12t+7)/4で、−1/2≦t<1/2については(−7t2 +4)/4で、1/2≦t<1については(5t2 −12t+7)/4で、1≦t<3/2については(3t2 −8t+5)/4で、3/2≦t≦2については(−t2 +4t−4)/4で定義されるものを用いることができる。あるいは、このような標本化関数に対応する階段関数波形としては、等間隔に配置された5つのデジタルデータに対応した所定範囲において、−1、+3、+5、−7、−7、+5、+3、−1の重み付けがなされた同じ幅の8つの区分領域からなっているものを用いることができる。
【0013】
このように、全域で1回だけ微分可能な標本化関数を用いることにより、複数の階段関数波形を合成した後に積分処理する回数を減らすことができ、処理量を低減することが可能になる。また、有限台の値を有する標本化関数を用いることにより、この有限台の区間に対応したデジタルデータのみを処理の対象とすればよいため、さらに処理量を低減することができ、しかも有限個のデジタルデータを対象に処理を行った場合の打ち切り誤差の発生を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を適用した一実施形態のD/A変換器は、デジタルフィルタを用いてオーバーサンプリングを行った後にサンプルホールド回路、ローパスフィルタを通してアナログ信号を生成するのではなく、階段関数に対応したアナログ信号波形を連続的に発生させて畳み込み処理を行い、その結果得られた階段状のアナログ波形を積分回路に通すことにより、入力される離散的なデジタルデータの間を連続的に補間するアナログ信号を生成することに特徴がある。以下、一実施形態のD/A変換器について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態のD/A変換器における補間演算に用いられる標本化関数の説明図である。図1に示す標本化関数H(t)は、微分可能性に着目した有限台の関数であり、例えば全域において1回だけ微分可能であって、横軸に沿った標本位置tが−2から+2の間にあるときに0以外の有限な値を有する有限台の関数である。また、H(t)は標本化関数であるため、t=0の標本位置のみで1になり、t=±1,±2の標本位置において0になるという特徴を有する。
【0016】
上述した各種の条件(標本化関数、1回だけ微分可能、有限台)を満たす関数H(t)が存在することが本発明者の研究により確かめられている。具体的には、このような標本化関数H(t)は、3階Bスプライン関数をF(t)としたときに、
H(t)=−F(t+1/2)/4+F(t)−F(t−1/2)/4…(1)
で定義することができる。ここで、3階Bスプライン関数F(t)は、
(4t2 +12t+9)/4 ;−3/2≦t<−1/2
−2t2 +3/2 ;−1/2≦t<1/2
(4t2 −12t+9)/4 ;1/2≦t<3/2 …(2)
で表される。
【0017】
上述した標本化関数H(t)は、二次の区分多項式であり、3階Bスプライン関数F(t)を用いているため、全域で1回だけの微分可能性が保証される有限台の関数となっている。また、t=±1,±2の標本位置において0となる。
【0018】
上述した(2)式を(1)式に代入して、標本化関数H(t)を区分多項式の形で求めると、
(−t2 −4t−4)/4 ;−2≦t<−3/2
(3t2 +8t+5)/4 ;−3/2≦t<−1
(5t2 +12t+7)/4 ;−1≦t<−1/2
(−7t2 +4)/4 ;−1/2≦t<1/2
(5t2 −12t+7)/4 ;1/2≦t<1
(3t2 −8t+5)/4 ;1≦t<3/2
(−t2 +4t−4)/4 ;3/2≦t≦2 …(3)
と表すことができる。
【0019】
このように、上述した関数H(t)は、標本化関数であって、全域において1回だけ微分可能であり、しかも標本位置t=±2において0に収束する有限台の関数である。したがって、この標本化関数H(t)を用いて各標本値に基づく重ね合わせを行うことにより、標本値間の値を1回だけ微分可能な関数を用いて補間することができる。
【0020】
図2は、標本値とその間の補間値との関係を示す図である。一般に、与えられた各標本値のそれぞれについて補間位置における標本化関数の値を求め、これを用いて畳み込み演算を行うことにより、各標本値の間の中間位置に対応する補間値yを求めることができる。
【0021】
従来から用いられているsinc関数はt=±∞の標本位置で0に収束する関数であるため、補間値yを正確に求めようとすると、t=±∞までの各標本値に対応して補間位置でのsinc関数の値を計算し、これを用いて畳み込み演算を行う必要があった。ところが、本実施形態で用いる標本化関数H(t)は、t=±2の標本位置で0に収束するため、補間位置を挟んで前後2個ずつの標本値を考慮すればよく、演算量を大幅に削減することができる。しかも、それ以外の標本値については、本来考慮すべきであるが演算量や精度等を考慮して無視しているというわけではなく、理論的に考慮する必要がないため、打ち切り誤差は発生しない。
【0022】
図3は、図1に示す標本化関数を用いたデータ補間の説明図である。例えば、図3(A)に示す標本位置t1における標本値Y(t1)について具体的に説明する。補間位置t0と標本位置t1との距離は、隣接する2つの標本位置間の距離を正規化して1とすると、1+aとなる。したがって、標本位置t1に標本化関数H(t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0における標本化関数の値はH(1+a)となる。実際には、標本値Y(t1)に一致するように標本化関数H(t)の中心位置のピーク高さを合わせるため、上述したH(1+a)をY(t1)倍した値H(1+a)・Y(t1)が求めたい値となる。
【0023】
同様にして、図3(B)〜(D)に示すように、他の3つの標本値に対応して、補間位置t0における各演算結果H(a)・Y(t2)、H(1−a)・Y(t3)、H(2−a)・Y(t4)が得られる。このようにして得られた4つの演算結果H(1+a)・Y(t1)、H(a)・Y(t2)、H(1−a)・Y(t3)、H(2−a)・Y(t4)を加算して畳み込み演算を行うことにより、補間位置t0における補間値yが求められる。
【0024】
ところで、上述したように、原理的には各標本値に対応させて標本化関数H(t)の値を計算して畳み込み演算を行うことにより各標本値の間の中間位置に対応する補間値を求めることができるが、図1に示した標本化関数は全域で1回だけ微分可能な二次の区分多項式であり、この特徴を利用して、等価的な他の処理手順によって補間値を求めることができる。
【0025】
図4は、図1に示した標本化関数を1回微分した波形を示す図である。図1に示した標本化関数H(t)は、全域で1回微分可能な二次の区分多項式であるため、これを1回微分することにより、図4に示すような連続的な折れ線状の波形からなる折れ線関数を得ることができる。
【0026】
また、図5は図4に示した折れ線関数をさらに微分した波形を示す図である。但し、折れ線波形には複数の角点が含まれており、全域で微分することはできないため、隣接する2つの角点に挟まれた直線部分について微分を行うものとする。図4に示す折れ線波形を微分することにより、図5に示すような階段状の波形からなる階段関数を得ることができる。
【0027】
このように、本実施形態のD/A変換器における補間演算に用いられる標本化関数は、全域を1回微分して折れ線関数が得られ、この折れ線関数の各直線部分をさらに微分することにより階段関数が得られる。したがって、反対に図5に示した階段関数を発生させ、これを2回積分することにより、図1に示した標本化関数H(t)を得ることができる。
【0028】
なお、図5に示した階段関数は正領域と負領域とが等しい面積を有しており、これらを合計した値が0となる特徴を有している。換言すれば、このような特徴を有する階段関数を複数回積分することにより、図1に示したような全域における微分可能性が保証された有限台の標本化関数を得ることができる。
【0029】
ところで、図3に示した畳み込み演算による補間値の算出では、標本化関数H(t)の値に各標本値を乗算したが、図5に示した階段関数を2回積分して標本化関数H(t)を求める場合には、この積分処理によって得られた標本化関数の値に各標本値を乗算する場合の他に、等価的には、積分処理前の階段関数を発生させる際に、各標本値が乗算された階段関数を発生させ、この階段関数を用いて畳み込み演算を行った結果に対して2回の積分処理を行って補間値を求めることができる。本実施形態のD/A変換器は、このようにして補間値を求めており、次にその詳細を説明する。
【0030】
図6は、本実施形態のD/A変換器の構成を示す図である。同図に示すD/A変換器は、D/A変換器10、4つの電圧保持部11−1、11−2、11−3、11−4、4つの階段関数波形発生部12−1、12−2、12−3、12−4、電圧合成部14、2つの積分処理部16、18、タイミング制御部20を含んで構成されている。
【0031】
D/A変換器10は、所定の時間間隔で順次入力される離散的なデジタルデータに基づいたアナログ電圧を発生する。このD/A変換器10では、入力されるデジタルデータの値に比例した一定のアナログ電圧が発生されるため、入力されるデジタルデータに対応した離散的なパルス状の出力電圧が得られる。
【0032】
電圧保持部11−1〜11−4は、D/A変換器10の出力端に現れるパルス状の出力電圧を所定のタイミングで巡回的に取り込んで、次の取り込みタイミングが到来するまでその電圧値を保持する。例えば、最初にD/A変換器10から出力されるパルス状の出力電圧が電圧保持部11−1に保持され、2番目に出力されるパルス状の出力電圧が電圧保持部11−2に保持される。また、3番目、4番目に出力されるパルス状の出力電圧が電圧保持部11−3、11−4に保持される。各電圧保持部11−1〜11−4における電圧保持動作が一巡すると、次にD/A変換器10から出力される5番目のパルス状の出力電圧は、電圧保持時間が最も長い電圧保持部11−1に取り込まれて保持される。このようにして、順に入力される各デジタルデータに対応した電圧が電圧保持部11−1等によって巡回的に保持される。
【0033】
階段関数波形発生部12−1〜12−4は、対応する電圧保持部11−1〜11−4による電圧保持動作のタイミングに同期して、それぞれの保持電圧の大きさに比例した電圧レベルを有する階段関数波形を発生する。階段関数波形そのものは図5に示した形状を有しており、この階段関数波形の電圧レベルが、電圧保持部11−1〜11−4のそれぞれに保持された電圧値に比例している。図5に示した階段関数の具体的な値は、上述した(3)式の各区分多項式を2回微分することより得ることができ、以下のようになる。
【0034】
−1 ;−2≦t<−3/2
3 ;−3/2≦t<−1
5 ;−1≦t<−1/2
−7 ;−1/2≦0
−7 ;0≦t<1/2
5 ;1/2≦t<1
3 ;1≦t<3/2
−1 ;3/2≦t≦2
これらの値は、後段の電圧合成部14において電圧の合成処理を行う場合の重み付け係数に対応しており、その詳細については後述する。
【0035】
電圧合成部14は、4つの階段関数波形発生部12−1〜12−4の各出力電圧をアナログ的に合成する。縦続接続された2つの積分処理部16、18は、電圧合成部14の出力端に現れる階段状に変化する出力電圧に対して2回の積分処理を行う。前段の積分処理部16からは直線状(一次関数的)に変化する出力電圧が得られ、後段の積分処理部18からは二次関数的に変化する出力電圧が得られる。このようにして、複数のデジタルデータが一定間隔で入力されると、後段の積分処理部18からは、各デジタルデータに対応する電圧の間を1回だけ微分可能な滑らかな曲線で結んだ連続的なアナログ信号が得られる。
【0036】
ところで、上述した階段関数波形発生部12−1から出力される階段関数波形は、電圧保持部11−1に保持された電圧(入力されたデジタルデータに対応する電圧)に比例した電圧レベルを有するため、この階段関数波形に対して2つの積分処理部16、18によって積分処理を2回繰り返すことにより、後段の積分処理部18からは、図1に示した階段関数と入力されるデジタルデータとを乗算した結果に対応する波形を有する信号が出力される。また、電圧合成部14によって各階段関数波形発生部12−1〜12−4から出力される階段関数波形に対して電圧の合成を行うということは、それぞれの階段関数の値を加算する処理と等価であり、電圧合成部14からは、この加算結果に対応した合成電圧が得られる。
【0037】
したがって、デジタルデータが一定の時間間隔で入力される場合を考えると、この入力間隔に対応させて各階段関数波形発生部12−1〜12−4による階段関数波形の発生開始タイミングをずらし、それぞれにおいて発生した階段関数波形を用いて電圧の合成を行い、その結果に対して2回の積分処理を行うことにより、デジタルデータに対応した電圧を滑らかに結ぶアナログ信号が得られる。
【0038】
図7は、本実施形態のD/A変換器の動作タイミングを示す図である。一定の時間間隔でデジタルデータが入力されると、図7(A)に示すように、D/A変換器10は、各デジタルデータの値に応じたパルス状のアナログ電圧V1 、V2 、V3 、…を発生する。各電圧保持部11−1〜11−4は、このようにして発生されたパルス状の電圧V1 、V2 、V3 、…を巡回的に取り込んで保持する。具体的には、電圧保持部11−1は、最初に発生されるパルス状の電圧V1 を取り込んで、D/A変換器10の出力電圧が一巡するまで(5番目のパルス状電圧V5 が発生するまで)保持する(図7(B))。また、この最初のパルス状電圧V1 の保持タイミングに合わせて、階段関数波形発生部12−1は、この電圧V1 に比例した電圧レベルを有する階段関数波形を発生する(図7(C))。
【0039】
同様に、電圧保持部11−2は、2番目に発生されるパルス状の電圧V2 を取り込んで、D/A変換器10の出力電圧が一巡するまで(6番目のパルス状電圧V6 が現れるまで)保持する(図7(D))。また、この2番目のパルス状電圧V2 の保持タイミングに合わせて、階段関数波形発生部12−2は、この電圧V2 に比例した電圧レベルを有する階段関数波形を発生する(図7(E))。
【0040】
電圧保持部11−3は、3番目に発生されるパルス状の電圧V3 を取り込んで、D/A変換器10の出力電圧が一巡するまで(7番目のパルス状電圧V7 が現れるまで)保持する(図7(F))。また、この3番目のパルス状電圧V3 の保持タイミングに合わせて、階段関数波形発生部12−3は、この電圧V3 に比例した電圧レベルを有する階段関数波形を発生する(図7(G))。
【0041】
電圧保持部11−4は、4番目に発生されるパルス状の電圧V4 を取り込んで、D/A変換器10の出力電圧が一巡するまで(8番目のパルス状電圧V8 が現れるまで)保持する(図7(H))。また、この4番目のパルス状電圧V4 の保持タイミングに合わせて、階段関数波形発生部12−4は、この電圧V4 に比例した電圧レベルを有する階段関数波形を発生する(図7(I))。
【0042】
電圧合成部14は、このようにして4つの階段関数波形発生部12−1〜12−4のそれぞれによって発生される階段関数波形(アナログ電圧)を合成することにより、等価的に4つの階段関数波形の加算処理を行う(図7(J))。4つの階段関数波形が加算されるため、この加算結果も単純な階段関数波形となる。
【0043】
ところで、図5に示すように、各階段関数波形発生部12−1〜12−4によって発生する階段関数波形は、図1に示した標本化関数の有限台の範囲である標本位置t=−2〜+2の領域を0.5毎に分割した8つの区分領域を有する有限台の関数である。例えば、標本位置t=−2から+2に向かって順に第1区分領域、第2区分領域、…第8区分領域とする。
【0044】
具体的には、まず電圧合成部14は、階段関数波形発生部12−1によって発生される第7区分領域に対応する電圧(3V1 )と、階段関数波形発生部12−2によって発生される第5区分領域に対応する電圧(−7V2 )と、階段関数波形発生部12−3によって発生される第3区分領域に対応する電圧(5V3 )と、階段関数波形発生部12−4によって発生される第1区分領域に対応する電圧(−V4 )とを合成して、各電圧値を加算した値(3V1 −7V2 +5V3 −V4 )に対応する合成電圧を発生する。
【0045】
次に、電圧合成部14は、階段関数波形発生部12−1から出力される第8区分領域に対応する電圧(−V1 )と、階段関数波形発生部12−2によって発生される第6区分領域に対応する電圧(5V2 )と、階段関数波形発生部12−3によって発生される第4区分領域に対応する電圧(−7V3 )と、階段関数波形発生部12−4によって発生される第2区分領域に対応する電圧(3V4 )とを合成して、各電圧値を加算した値(−V1 +5V2 −7V3 +3V4 )に対応する合成電圧を発生する。
【0046】
このようにして電圧合成部14から階段状の電圧レベルを有する波形が出力されると、前段の積分処理部16は、この波形を積分して折れ線状の波形を出力し(図7(K))、後段の積分処理部18は、この折れ線状の波形をさらに積分して、デジタルデータD2 とD3 のそれぞれに対応した電圧値の間を1回だけ微分可能な滑らかな曲線で結ぶ出力電圧を発生する(図7(L))。
【0047】
このように、本実施形態のD/A変換器は、入力されるデジタルデータに対応する電圧を保持するタイミングに合わせて階段関数波形を発生させ、この階段関数波形を4つのデジタルデータについて合成した後に2回の積分処理を行うことにより、各デジタルデータに対応した電圧を滑らかにつなぐ連続したアナログ信号を発生することができる。
【0048】
特に、入力される各デジタルデータに対応させて、それぞれが異なる開始タイミングで4つの階段関数波形を発生させ、これらの電圧を合成した後に2回の積分処理を行うことにより、連続的なアナログ信号が得られるため、従来のようにサンプルホールド回路やローパスフィルタが不要であって直線位相特性が悪化することもなく、良好な群遅延特性を実現することができる。また、標本位置tが±2において0に収束する有限台の標本化関数H(t)を用いているため、デジタルデータ間の補間処理を行うために4つのデジタルデータのみを用いればよく、補間演算を行うために必要な処理量を少なくすることができる。さらに、従来のようにオーバーサンプリング処理を行っていないため、入力されるデジタルデータの時間間隔に応じて決まる所定の動作速度を確保するだけでよく、特に高速な信号処理を行う必要もないため、高価な部品を用いる必要もない。
【0049】
次に、上述したD/A変換器の具体的な構成について説明する。図8は、図5に示した階段関数波形を発生する階段関数波形発生部の基本構成を示す図である。図8に示す階段関数波形発生部112は、非反転増幅あるいは反転増幅を行う増幅器を構成する2つの抵抗108、109および演算増幅器110と、演算増幅器110の反転入力端子側に接続された抵抗100、103およびスイッチ104、107と、演算増幅器110の非反転入力端子側に接続された抵抗101、102およびスイッチ105、106とを含んで構成されている。演算増幅器110の各入力端子側に接続された4つの抵抗100〜103は、それぞれの抵抗値がR、R/3、R/5、R/7に設定されている。
【0050】
図9は、図8に示した階段関数波形発生部112によって発生される階段関数波形と各スイッチのオンオフ切替タイミングとの関係を示す図である。図9において、S1、S2、S3、S4は、抵抗100〜103のそれぞれに直列に接続されたスイッチ104〜107のオンオフ状態を示している。
【0051】
図9に示すように、階段関数波形の第1および第8の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部112によって発生する場合には、演算増幅器110の反転入力端子と抵抗値Rの抵抗100との間に挿入されたスイッチ104をオン状態にすればよい。同様に、階段関数波形の第2および第7の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部112によって発生する場合には、演算増幅器110の非反転入力端子と抵抗値R/3の抵抗101との間に挿入されたスイッチ105をオン状態にすればよい。階段関数波形の第3および第6の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部112によって発生する場合には、演算増幅器110の非反転入力端子と抵抗値R/5の抵抗102との間に挿入されたスイッチ106をオン状態にすればよい。階段関数波形の第4および第5の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部112によって発生する場合には、演算増幅器110の反転入力端子と抵抗値R/7の抵抗104との間に挿入されたスイッチ107をオン状態にすればよい。
【0052】
ところで、図8に示した階段関数波形発生部112では、演算増幅器110の入力側に接続された4つの抵抗100〜103のそれぞれに接続された4つのスイッチ104〜107のスイッチング状態を設定する必要があったが、回路構成を工夫することによって制御対象となるスイッチの数を減らすことができる。
【0053】
図10は、階段関数波形発生部の変形例の構成を示す図である。図10に示す階段関数波形発生部132は、差動増幅器を構成する2つの抵抗127、128および演算増幅器129と、演算増幅器129の非反転入力端子側に接続された抵抗120、121、122およびスイッチ124、125、126と、演算増幅器129の反転入力端子に接続された抵抗123とを含んで構成されている。演算増幅器129の非反転入力端子側に接続された3つの抵抗120〜122は、それぞれの抵抗値がR/6、R/10、R/12に設定されている。また、演算増幅器129の反転入力端子に接続された抵抗123は、抵抗値がR/7に設定されている。
【0054】
図11は、図10に示した階段関数波形発生部132によって発生される階段関数波形と各スイッチのオンオフ切替タイミングとの関係を示す図である。図11において、S5、S6、S7は、抵抗120〜122のそれぞれに直列に接続されたスイッチ124〜126のオンオフ状態を示している。
【0055】
図11に示すように、階段関数波形の第1および第8の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部122によって発生する場合には、演算増幅器129の非反転入力端子と抵抗120との間に挿入されたスイッチ124をオン状態にすればよい。この状態では、所定の入力電圧が印加されたときに、抵抗値R/6を有する抵抗120を介した電圧が演算増幅器129の非反転入力端子に印加されると同時に、抵抗値R/7を有する抵抗123を介した電圧が演算増幅器129の反転入力端子に印加されて、演算増幅器129が差動増幅器として動作するため、これら2つの入力端子に印加される電圧の差分に比例した電圧が演算増幅器129の出力端子に現れる。
【0056】
同様に、階段関数波形の第2および第7の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部122によって発生する場合には、演算増幅器129の非反転入力端子と抵抗121との間に挿入されたスイッチ125をオン状態にすればよい。この状態では、所定の入力電圧が印加されたときに、演算増幅器129の非反転入力端子に抵抗値R/10の抵抗121を介した電圧が、反転入力端子に抵抗値R/7の抵抗123を介した電圧がそれぞれ同時に印加されて、演算増幅器129が差動増幅器として動作するため、これら2つの入力端子に印加される電圧の差分に比例する電圧が演算増幅器129の出力端子に現れる。
【0057】
階段関数波形の第3および第6の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部122によって発生する場合には、演算増幅器129の非反転入力端子と抵抗122との間に挿入されたスイッチ126をオン状態にすればよい。この状態では、所定の入力電圧が印加されたときに、演算増幅器129の非反転入力端子に抵抗値R/12の抵抗122を介した電圧が、反転入力端子に抵抗値R/7の抵抗123を介した電圧がそれぞれ印加されて、演算増幅器129が差動増幅器として動作するため、これら2つの入力端子に印加される電圧の差分に比例する電圧が演算増幅器129の出力端子に現れる。
【0058】
また、階段関数波形の第4および第5の区分領域に対応した電圧を階段関数波形発生部122によって発生する場合には、演算増幅器129の非反転入力端子側に接続された3つの抵抗120〜122のそれぞれに対応する3つのスイッチ124〜126を全てオフ状態にする。この状態では、演算増幅器129の非反転入力端子が抵抗127を介して接地されるとともに、所定の入力電圧が抵抗値R/7の抵抗123を介して演算増幅器129の反転入力端子に印加されるため、この印加電圧を反転増幅した電圧が演算増幅器129の出力端子に現れる。
【0059】
図12は、図6に示したD/A変換器の詳細構成を示す図である。図12に示すように、各電圧保持部11−1〜11−4は、スイッチ210、キャパシタ211、バッファ212を含んで構成されている。例えば、電圧保持部11−1にD/A変換器10の出力電圧V1 が印加されるタイミングでスイッチ210がオン状態になり、この印加電圧V1 によってキャパシタ211が充電される。その後スイッチ210をオフ状態にすることにより、キャパシタ211の両端電圧が保持され、この両端電圧に対応した一定電圧がバッファ212の出力電圧として取り出される。他の電圧保持部11−2〜11−4についても同様であり、所定のタイミングでそれぞれのスイッチ210をオン状態に制御することにより、このとき印加される電圧に対応した一定電圧が次にスイッチ210をオン状態に切り替えるまで保持される。
【0060】
また、図12に示すように、各階段関数波形発生部12−1〜12−4は、4つの抵抗120〜123と3つのスイッチ124〜126を含んで構成されている。これらの抵抗とスイッチは、図10に示した階段関数波形発生部132に含まれたものと同じであり、各スイッチ124〜126は、図11においてS5、S6、S7で示されたタイミングでオンオフ状態が制御される。
【0061】
また、図12に示すように、電圧合成部14は、各階段関数波形発生部12−1〜12−4に含まれる3つのスイッチ124〜126の一方端同士を結線するとともに、スイッチ123〜126が接続されていない各抵抗123の一方端同士を結線することにより実現されている。
【0062】
ところで、図10に示した階段関数波形発生部132によって発生した階段関数波形を合成する場合には、原理的には、図13に示すように、複数の階段関数波形発生部132において別々に階段関数波形を発生させ、演算増幅器129の出力端子同士を所定の抵抗134を介して接続することにより、それぞれの波形に対応した電圧の合成が行われる。ところが、図12に示したD/A変換器では、後述するように積分処理部16に演算増幅器が含まれているため、各階段関数波形発生部132内の演算増幅器129と、それぞれの演算増幅器129の出力端子に接続された抵抗134とが省略可能であり、各階段関数波形発生部12−1〜12−4では演算増幅器129が、電圧合成部14では各抵抗134が省略されている。
【0063】
また、図12に示すように、前段の積分処理部16は、2つの演算増幅器140、141、2つのキャパシタ142、143、2つの抵抗144、145を含んで構成されている。一方の演算増幅器140とキャパシタ142および抵抗144によって積分回路が構成されており、演算増幅器140の2つの入力端子(非反転入力端子および反転入力端子)のそれぞれに印加される電圧の差分に対して所定の積分動作が行われる。また、他方の演算増幅器141とキャパシタ143および抵抗145によって0レベル保持回路が構成されており、積分回路の出力の平均値が常に0Vとなるように演算増幅器140の非反転入力端子の電圧レベルが調整される。特に、D/A変換器に入力されるデジタルデータとして、オーディオ信号をサンプリングして作成されるデータを考えた場合には、このデータに基づいて発生するアナログ信号の平均値が0Vとなるため、上述した0レベル保持回路を用いることにより、積分回路の出力電圧のドリフトを防止することが好ましい。
【0064】
また、後段の積分処理部18は、基本的には上述した前段の積分処理部16と同じ構成を有しており、2つの演算増幅器150、151、2つのキャパシタ152、153、3つの抵抗154、155、156を含んで構成されている。一方の演算増幅器150とキャパシタ152および2つの抵抗154、155によって積分回路が構成されており、演算増幅器150の反転入力端子に印加される電圧に対して所定の積分動作が行われる。また、他方の演算増幅器151とキャパシタ153および抵抗156によって0レベル保持回路が構成されており、積分回路の出力の平均値が常に0Vとなるように演算増幅器150の非反転入力端子の電圧レベルが調整される。
【0065】
図14は、タイミング制御部20の詳細な構成を示す図である。同図に示すように、タイミング制御部20は、3ビットカウンタ160と、非反転出力を有する3つの排他的論理和回路161〜163と、反転出力を有する2つの排他的論理和回路164、165と、非反転出力を有する3つの論理積回路166〜170と、反転出力を有する3つの論理和回路171〜173とを含んで構成されている。
【0066】
また、図15は、図14に示したタイミング制御部20の動作タイミングを示す図である。図15において示したCLK、b0〜b2、c1〜c5、d1〜d8のそれぞれの波形は、図14においてそれぞれの符号を付した箇所に現れる波形を示している。図14および図15に示すように、3ビットカウンタ160は、入力されるクロック信号CLKに同期したカウント動作を行っており、このクロック信号が立ち上がる毎にカウントアップされ、3ビット出力b0、b1、b2が更新される。
【0067】
上述したタイミング制御部20を用いて各階段関数波形発生部12−1〜12−4に含まれる3つのスイッチのオンオフ状態を切り替えることにより、図7(C)、(E)、(G)、(I)に示した各階段関数波形を発生させることができる。具体的には、階段関数波形発生部12−1によって図7(C)に示した階段関数波形を発生させるために、この階段関数波形発生部12−1内の3つのスイッチ124〜126のオンオフ状態を、図14に示した論理和回路171の出力(d3)、論理積回路167の出力(d2)、論理積回路166の出力(d1)の論理状態によってそれぞれ切り替える。
【0068】
同様に、階段関数波形発生部12−2によって図7(E)に示した階段関数波形を発生させるために、この階段関数波形発生部12−2内の3つのスイッチ124〜126のオンオフ状態を、図14に示した論理和回路173の出力(d6)、論理和回路172の出力(d5)、論理積回路168の出力(d4)の論理状態によってそれぞれ切り替える。階段関数波形発生部12−3によって図7(G)に示した階段関数波形を発生させるために、この階段関数波形発生部12−3内の3つのスイッチ124〜126のオンオフ状態を、図14に示した論理積回路169の出力(d7)、論理積回路166の出力(d1)、論理積回路167の出力(d2)の論理状態によってそれぞれ切り替える。階段関数波形発生部12−4によって図7(I)に示した階段関数波形を発生させるために、この階段関数波形発生部12−4内の3つのスイッチ124〜126のオンオフ状態を、図14に示した論理積回路170の出力(d8)、論理積回路168の出力(d4)、論理和回路172の出力(d5)の論理状態によってそれぞれ切り替える。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、標本化関数を全域で1回だけ微分可能な有限台の関数としたが、微分可能回数を2回以上に設定してもよい。また、図1に示すように、本実施形態の標本化関数は、t=±2で0に収束するようにしたが、t=±3以上で0に収束するようにしてもよい。例えば、t=±3で0に収束するようにした場合には、図6に示したD/A変換器に含まれる電圧保持部や階段関数波形発生部のそれぞれの数を6とし、6個の離散データを対象に補間処理を行ってこれらの離散データをなめらかにつなぐアナログ電圧を発生すればよい。
【0070】
また、必ずしも有限台の標本化関数を用いて補間処理を行う場合に限らず、−∞〜+∞の範囲で値を有する有限回微分可能な標本化関数を用い、有限の標本位置に対応する複数個のデジタルデータのみを補間処理の対象とするようにしてもよい。例えば、このような標本化関数が二次の区分多項式で定義されているものとすると、各区分多項式を2回微分することにより所定の階段関数波形を得ることができるため、この階段関数波形を用いて電圧の合成を行った結果に対して2回の積分処理を行うことにより、デジタルデータに対応した電圧をなめらかにつなぐアナログ信号を得ることができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、図13に部分的に示した構成を簡略化して図12に示したD/A変換器を構成するようにしたが、簡略化しない図13に示した構成を有するD/A変換器を用いるようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、離散的なデジタルデータが入力されたときに、それぞれのデジタルデータを一定のアナログ電圧に変換した後にこのアナログ電圧を各電圧保持部11−1〜11−4で保持するようにしたが、入力された離散的なデジタルデータを4つのデータ保持部(例えばD型フリップフロップ)に保持しておいて、それぞれに保持されたデジタルデータを別々にD/A変換器を通すことによりアナログ電圧に変換するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、順に入力される複数のデジタルデータに対応する所定の階段関数波形を発生させてこれらの波形を合成し、その後この合成波形を積分することにより連続的に変化するアナログ電圧が得られるため、最終的なアナログ信号を得るためにローパスフィルタを用いる必要がなく、扱う信号の周波数によって位相特性が異なるために群遅延特性が悪化するといったことがなく、歪みの少ない出力波形を得ることができる。また、オーバーサンプリングを行っていた従来の手法に比べると、部品の動作速度を上げる必要がないため、高価な部品を使用する必要がなく、部品コストの低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のD/A変換器における補間演算に用いられる標本化関数の説明図である。
【図2】標本値とその間の補間値との関係を示す図である。
【図3】図1に示す標本化関数を用いたデータ補間の説明図である。
【図4】図1に示した標本化関数を1回微分した波形を示す図である。
【図5】図4に示した折れ線関数をさらに微分した波形を示す図である。
【図6】本実施形態のD/A変換器の構成を示す図である。
【図7】本実施形態のD/A変換器の動作タイミングを示す図である。
【図8】図5に示した階段関数波形を発生する階段関数波形発生部の基本構成を示す図である。
【図9】図8に示した階段関数波形発生部によって発生される階段関数波形と各スイッチのオンオフ切替タイミングとの関係を示す図である。
【図10】階段関数波形発生部の変形例の構成を示す図である。
【図11】図10に示した階段関数波形発生部によって発生される階段関数波形と各スイッチのオンオフ切替タイミングとの関係を示す図である。
【図12】図6に示したD/A変換器の詳細構成を示す図である。
【図13】図10に示した階段関数波形発生部を用いたD/A変換器の部分的な構成を示す図である。
【図14】タイミング制御部の詳細な構成を示す図である。
【図15】図14に示したタイミング制御部の動作タイミングを示す図である。
【図16】sinc関数の説明図である。
【符号の説明】
1、10 D/A(デジタル−アナログ)変換器
11−1、11−2、11−3、11−4 電圧保持部
12−1、12−2、12−3、12−4 階段関数波形発生部
14 電圧合成部
16、18 積分処理部
20 タイミング制御部

Claims (7)

  1. 所定間隔で入力される複数のデジタルデータのそれぞれに対応する一定の電圧レベルを所定期間保持する複数の電圧保持部と、
    複数の前記電圧保持部のそれぞれに保持された電圧に対応した電圧レベルを有する所定の階段関数波形を、複数の前記デジタルデータの各入力タイミングに同期させて発生する複数の階段関数波形発生部と、
    複数の前記階段関数波形発生部のそれぞれによって発生された前記階段関数波形を合成する電圧合成部と、
    前記電圧合成部によって合成された電圧に対して、複数回のアナログ積分を行う積分処理部と、
    を備えることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  2. 請求項1において、
    前記階段関数波形は、正領域と負領域の面積が等しく設定されていることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  3. 請求項1または2において、
    前記階段関数波形は、区分多項式によって構成された所定の標本化関数について、前記区分多項式のそれぞれを複数回微分することにより得られる波形であることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  4. 請求項3において、
    前記標本化関数は、全域が1回だけ微分可能であって有限台の値を有することを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  5. 請求項4において、
    前記標本化関数は、標本位置tが−2から+2までの間で0以外の値を有する有限台の関数であり、
    −2≦t<−3/2については(−t2 −4t−4)/4で、
    −3/2≦t<−1については(3t2 +8t+5)/4で、
    −1≦t<−1/2については(5t2 +12t+7)/4で、
    −1/2≦t<1/2については(−7t2 +4)/4で、
    1/2≦t<1については(5t2 −12t+7)/4で、
    1≦t<3/2については(3t2 −8t+5)/4で、
    3/2≦t≦2については(−t2 +4t−4)/4で定義されることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  6. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記階段関数波形は、前記複数のデジタルデータの入力間隔の半分の値を有する8つの区分領域からなり、前記8つの区分領域は、−1、+3、+5、−7、−7、+5、+3、−1の重み付けがなされていることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
  7. 請求項4または5において、
    前記アナログ積分が行われる回数は2回であることを特徴とするデジタル−アナログ変換器。
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