JP3989987B2 - 画像処理システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理システムに関し、特に身体の内部の像を含む表示を生成し、現実の身体に関するツールの位置に対応する表示手段内の身体の像に関する位置にツールの表示を生成することが可能な画像処理システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような画像処理システムは例えば、医学的ステレオタクティック外科手術に応用される。外科医はこの画像処理システムを使うことによって外科用メスやドリル等の手術用のツールを患者の体に位置決めし、患者の体の内部の選択された部分に接近させるのに最も適切な位置において切開できる。
【０００３】
従来のこのような画像処理システムは例えば身体の内部の像、たとえば治療されるべき患者の体の断面像を表示するためのエックス線コンピュータ断層撮影（ＣＴ）装置等の画像処理装置を有する。またこの画像処理システムはさらに一組のマーカを含み、これは治療されるべき患者の体に取り付けられ、表示された像に現れる。
【０００４】
この画像処理システムはさらに、後述する機能を持つ放射信号検出装置を搭載する固定された基準フレームを有する。
【０００５】
この画像処理システムを用いる際、患者の内部の像が得られた後に、患者は例えば位置関係が既知の基準フレームが固定されている操作台等の治療位置へ動かされる。治療に用いられる手術用のツールは、基準フレームに搭載された検出装置によって検出される信号を生成する放射信号発射装置を搭載し、患者の体の近くに位置される。検出装置により検出された放射信号発射装置からの信号は、操作台に対するツールの位置と方位とを決定するためにこの信号を利用する電気装置に出力される。
【０００６】
操作台に対する治療されるべき患者の部分の位置と方位とは、患者の体に取り付けられた一組のマーカの位置を電気装置に表示することによって決定される。一組のマーカの位置と方位とを表現し従って患者の体の位置及び方位とツールの位置及び方位とを表現する電気装置の出力信号は、操作台の上の実際の患者の体に対するツールの位置と方位とに対応する像に関する位置と方位にツールの表示を、予め得られた患者の体の像に置く為に用いられる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、患者の体に一組のマーカを取り付けることを必要とする画像処理システムでは、治療が一つの時間間隔を超えて実行されると、操作台に患者が乗せられているときにツールの表示と患者の像の正確な登録とを得るために、治療の間マーカを患者の体に残したままにしておく必要があるという問題点がある。
【０００８】
本発明は上記問題点を鑑みなされたものでその目的とする所は、患者の体の像を得たあとに、患者を治療するとき、実際の患者の体とツールとの位置関係に一致する患者の体の像とツールの表示を得る画像処理システムを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、画像処理システムは、撮像装置の検査範囲に置かれた身体の内部の像を得る撮像装置と、前記放射信号検出装置を搭載し、前記治療位置に固定される基準フレームと、前記身体が前記治療位置に置かれるときに正確な位置に置かれることを要求されるツールと、前記ツールを装着することができ、基準フレームに関するツールの位置を示す信号を生成するために、検出装置により検出される放射信号を発射する放射信号発射装置と、前記身体の像を表示し、前記実際の身体に対する前記ツールの位置と方位とに対応する前記対象に関する位置と方位で前記表示に前記ツールの表現を供給するために、前記検出装置によって生成される信号を用いる表示手段とを有し、前記基準フレームと前記治療位置とが前記検査範囲に対して固定されていることを特徴とする。
【００１０】
本発明によれば、前記撮像装置は磁気共鳴撮像装置であることを特徴とする。
【００１１】
本発明によれば、前記基準フレームは前記撮像装置により像化される身体の磁気平衡軸を決定するための磁場を生成する磁石装置に搭載されていることを特徴とする。
【００１２】
本発明によれば、前記撮像装置はコンピュータ断層撮影エックス線装置であることを特徴とする。
【００１３】
本発明によれば、前記放射信号検出装置は超音波を検出することを特徴とする。
【００１４】
本発明によれば、前記身体が治療されている間及び画像化されている間に身体が乗せられている支持手段と、前記検査範囲と前記治療位置との間を動く支持手段に沿うガイド手段とを有するガイド手段をさらに含むことを特徴とする。
【００１５】
本発明によれば、前記治療位置にある前記支持手段の位置の変化を決定するために前記ガイド手段に対する支持手段の位置を監視する第１の監視手段を有することを特徴とする。
【００１６】
本発明によれば、前記第１の監視手段は光学的位置監視手段であることを特徴とする。
【００１７】
本発明によれば、前記第１の監視手段は、前記支持手段及び前記案内手段の１つに固定された一組のマーキング、前記支持手段およびガイド手段の他方に固定されたマーキングを見る装置を有することを特徴とする。
【００１８】
本発明によれば、前記ガイド手段は支持手段を直線に沿って動かし、前記一組の目印は前記直線に平行な一定間隔の平行線と前記直線に垂直で一定間隔でならぶ線とを有することを特徴とする。
【００１９】
本発明によれば、前記支持手段に乗っている身体の位置を監視する第２の監視手段を有することを特徴とする。
【００２０】
本発明によれば、前記第２の監視手段は光学的位置監視手段であることを特徴とする。
【００２１】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像処理システムを医学的ステレオタクティック外科手術に使用する場合の例を添付図面に基づき説明する。
【００２２】
図２を参照すると、画像処理システムの磁気共鳴画像処理装置は管状の電磁石１を有し、これは円筒状の検査範囲３内に強く一様な主軸方向静磁場を生成する。この検査範囲３内には磁気共鳴画像処理装置を用いるときに像化される患者の体の一部が置かれ、像化された後治療される。
【００２３】
検査範囲３の内部、従ってこの中に置かれる像化される体の内部の磁場の強さは、図示しない電磁石励振コイルに流す付勢電流の供給を制御する主磁場制御手段７によって制御される。
【００２４】
この磁気共鳴画像処理装置はさらに勾配コイル装置９を含み、この勾配コイル装置９によって勾配磁場が検査範囲３内の、３つの直交する方向のうちの少なくとも一つの方向の勾配を有する静磁場と平行に重畳される。勾配コイル装置９はコンピュータ５に制御される勾配磁場制御手段１１によって励振される。
【００２５】
この磁気共鳴画像処理装置はさらにコンピュータ５に制御され像化される体にｒ．ｆ．磁場を適用するためのｒ．ｆ．送信機１５によって励振されるｒ．ｆ．コイルシステム１３を含む。
【００２６】
ｒ．ｆ．受信コイル装置１７は像化される体に励磁される磁気共鳴の結果であるｒ．ｆ．信号を検出するように調整される。前記検出された信号は受信機１９を経由して、制御コンピュータ５に制御され体の像を表示する信号を生成するための信号を処理する撮像器２１に出力される。次にこれらの信号は、像の可視表示を供給するための表示装置２３に出力される。
【００２７】
磁気共鳴画像処理装置の作用として、電磁石１によって供給される強磁場は、像化される体の磁気的方向の平衡軸を定義する。
【００２８】
患者の体の選ばれた範囲の横断面等の像を得るために、始めに、選ばれた範囲に磁気共鳴励磁を起こさせるためにｒ．ｆ．コイルシステム１３によりｒ．ｆ．磁場パルスを体に供給する。次に、ｒ．ｆ．コイルシステム１３は静磁場の方向に垂直な方向に磁場を生成し、これにより選ばれた範囲にある核のスピンを静磁場の方向から静磁場の方向に垂直な平面内へ引っ繰り返す。選ばれた範囲の励磁を制限するためにｒ．ｆ．磁場のパルスは勾配コイル装置９によって加えられた磁場勾配とともに適用される。ｒ．ｆ．磁場の周波数は加えられた勾配の大きさと方向とともに選ばれ、その結果、体の内部の選ばれた陽子、例えば水素原子の陽子、のラーマー周波数は選ばれた範囲内でのみｒ．ｆ．磁場の周波数と等しくなる。
【００２９】
励磁によるｒ．ｆ．信号はしたがって、既知の方法により一つ以上の勾配磁場の適用によって空間的に符号化され、ｒ．ｆ．受信コイル装置１７によって検出され、像を生成するための処理が行なわれる。
【００３０】
通常はいくつかの励磁と信号検出シーケンスが満足できる像を生成するために十分なデータを生成するために要求される。
【００３１】
前述の操作の説明は単に操作の基本的な一つのモードを示しており、この装置は沢山の異なった既知の、ｒ．ｆ．パルスと磁場勾配との異なるシーケンスの適用を含むモードの関心のある対象の像を得るために用いることができる。
【００３２】
次に、ツールの位置の表示について図１に基づき説明する。上述のように磁気共鳴画像処理装置を用いて、治療されるべき患者の部位の像の一つ又は一組を得た後、患者は検査範囲３から治療位置２５に動かされる。これを容易にするために、この画像処理システムはその上に患者が寝ている水平の支持手段２９と、支持手段２９がその上を走る一組のレール３１とを有するガイド手段２７とを有する。従って支持手段２９とその上に寝ている患者とは直ちに治療位置２５と検査範囲３との間を動くことができる。
【００３３】
治療位置２５において、レール３１はテーブル３３と磁気共鳴画像処理装置とは両方とも画像処理システムがある部屋の図示していない床の上にしっかりと固定されているので、テーブル３３に支持されているレール３１は磁気共鳴画像処理装置に対してしっかりと固定されていることになる。結果として、患者の体が治療位置２５に動かされるとき、患者の体は像化されていた位置から正確に既知の距離に位置しており、像化されていた間に磁気共鳴画像処理装置に対する方向と同じ方向に位置している。
【００３４】
画像処理システムはさらに、磁気共鳴画像処理装置によって得られた像の表示で与えられる患者の体に対するツールの方位と位置とを表示する表示手段を含む。また、検査範囲３に対して位置を固定するため、磁気共鳴画像処理装置の電磁石１により支持された長方形のフレーム３５を含む。フレーム３５のそれぞれのコーナーには、放射信号検出器３７が搭載されている。放射信号検出器３７は超音波圧力波に適切に反応するが、例えば短波長無線波や赤外線の波等の他の種類の波にも反応することがある。加えて、使用する個々のツールは、敏感な放射信号検出器３７へ放射信号を発する図示しない発射装置を搭載したツールガイド３９に合うように調整される。ツールガイド３９は図示しないいくつかの選ばれた外科ツールを入れるのに適合した管部分３９Ａと、ツールを用いるための最適な位置を見つけるために外科医がツールガイド３９を握るためのハンドル部分３９Ｂとを有することが好ましい。
【００３５】
放射信号がツールガイド３９上の発射装置から３つの放射信号検出器３７に至るまでに必要とした時間の測定から、フレーム３５に対するツールガイド３９の位置、従ってツールガイド３９に取り付けたツールの位置は正確に決定される。ツールガイド３９上の異なった位置にある少なくとも２つの発射装置からの放射信号の測定により、ツールガイド３９と取り付けられたツールの方位もまた決定される。
【００３６】
少なくとも３つの放射信号検出器３７をフレーム３５に設けることが要求されるが、４つ以上の放射信号検出器３７を用いても良く、この場合平均操作を行なうことにより正確性を向上することができる。同じように、ツールガイド３９上に３つ以上の発射装置を設けてもよい。
【００３７】
ツールガイド３９上の発射装置はツールガイド３９の上に直接搭載されている代わりに、図示していない、ツールガイド３９に挿入されたいわゆる棒の上に搭載されていてもよい。これは画像処理システムによって供給された表示を用いて外科医が望んだ位置にツールガイド３９を置くことを可能とする。従って棒はツールガイド３９から除かれ、必要なツールはその場所に挿入される。
【００３８】
ツールガイド３９を用いる代わりに、個々のツールに発射装置が備えられていて良いことはいうまでもない。
【００３９】
ツールの表現を磁気共鳴画像処理装置により得られた像の表示に加えさせる信号は、コンピュータ５の制御下にあるツールガイド３９上の発射装置に励振パルスを供給する伝送器４３からの時間信号と、放射信号検出器３７の出力信号とに応じてプロセッサ４１によって撮像器２１に出力される。撮像器２１にこのような信号を出力することは、フレーム３５と放射信号検出器３７とが画像処理装置、従って検査範囲３に対してしっかりと所定の位置に固定され、磁気共鳴画像処理装置の検査範囲３から治療位置２５まで輸送されている間の患者の体の動きが正確に確認できるという事実により理解される。
【００４０】
上記について具体的に説明する。テーブル３３は磁気共鳴画像処理装置に対して固定されており、フレーム３５は磁気共鳴画像処理装置に対して固定される代わりにテーブル３３の上に固定されている。さらに、フレーム３５は図１に示されるように支持手段２９の動きの方向に平行な平面内に位置していることは必要でない。しかし、その方向に横断する平面内に位置していても良い。
【００４１】
既知の長さの真っ直ぐな線に沿う決まった動きからの患者支持手段２９の動きの逸脱を監視するために、支持手段２９の裏面にはテーブル３３に乗っている図示しない検出装置により検査される目盛りを搭載する。好ましい目盛りは一組のマーキングの形式で、図３に示されるように、レール３１の上を支持手段２９が動く方向に伸びているお互いの間隔がＬである一組の平行な線４７と、前記平行な線４７に直角であり線４７の間に伸びているお互いに等間隔で並んでいる一組の線４５である。検出装置はその目盛り照らす発光ダイオードと適切な光学装置を通して照らされた目盛りを検査される電荷結合素子とからなることが好ましい。調査された値は例えば、図３に示されるように、αはぶれの角度で、ΔとΣとはもし存在するならば、それぞれ横の移動と回転の大きさを与え、δは支持手段２９が移動方向に対する移動距離の誤差の大きさを与える。回転した角度βの大きさは次式で与えられる。
【００４２】
【数１】
【００４３】
同じように、傾きは横断線４５の隣接した一組の間の距離を測定することにより得ることが出来る。
【００４４】
もし必要ならば、支持手段２９に乗っている患者の動きを監視するための図示していない監視手段を備えていてもよい。このような監視手段は、発光源が乗っている患者を覆い包むためのベルトと、支持手段２９の両側に搭載される適切な光学装置を伴う荷電結合素子等の固体光学走査装置と有することが好ましい。さらに、患者の体が検査範囲３にあるときに患者の位置の測定を行なう画像処理装置の下に位置するセンサーの形の監視手段を備えていても良い。
【００４５】
上述の監視手段によるさまざまな位置の測定は、患者の像と表示装置内のツールの表現位置とを調整するために行なわれ、従って像と表現との相対的な位置は患者の体とツールとの実際の相対的な位置を正確に示す。また、画像処理装置に用いられる走査角度と軸とは表示手段内の必要とされる訂正を行うことを変えられる効果がある。
【００４６】
外科手術の開始時に確立された位置からの逸脱に関するすべての位置データは訂正されることが好ましいことが理解される。
【００４７】
本実施の形態の画像処理装置を用いて手術を行なう場合では患者の体にマーカーを取り付けることは必要ないが、のぞむならば、幾つかの手術で、このようなマーカーを装着することにより像とツールとの相対的な位置に関する付加的な検査をすることができる。マーカーの位置は上記の発射装置の場合のように、良く知られた方法で、指揮棒を運んでそれらに接触することにより表示手段に勿論指示できる。
【００４８】
上記の特別な画像処理システムでは、例に示されたように、画像処理装置は磁気共鳴画像処理装置であるが、他のタイプの画像処理装置においては本発明に従う他の画像処理システムを用いて実行することができる。例えば、エックス線断層撮影画像処理装置、特に、コンピュータ断層撮影（ＣＴ）画像処理装置の場合を説明する。このようなシステムでは、基準フレームが装置のエックス線源が乗っている回転できるメンバーを支持する断層装置の構台の上に適切に搭載されている。さらに本発明に係る画像処理装置の使用は外科手術に制限されるものではないことが指摘される。本発明は、いつでものぞむなら、対象の内部の像を用いて対象に隣接した位置にツールを持っていくことができる。
【００４９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、患者の体の内部の像を得たあとに、患者を支持手段に乗せて治療位置に運び、前記治療位置に運ばれた支持手段と確立された位置との誤差を監視する監視手段と、治療位置との位置関係が固定されたツールに搭載された発射装置からの放射信号を検出する検出装置とを備えたので、実際の患者の体とツールの位置関係に一致する表示手段に表示された患者の体の像とツールの表示とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る画像処理システムの一実施形態を示す図である。
【図２】図１に示す画像処理システムに用いられる磁気共鳴画像処理装置を示す概略図である。
【図３】図１に示すシステムの位置監視手段の目盛り形成を示す図である。
【符号の説明】
１ 電磁石
３ 検査範囲
５ コンピュータ
７ 主磁場制御手段
９ 勾配コイル装置
１１ 勾配磁場制御手段
１３ ｒ．ｆ．コイルシステム
１５ ｒ．ｆ．送信機
１７ ｒ．ｆ．受信コイル装置
１９ 受信機
２１ 撮像器
２３ 表示装置
２５ 治療位置
２７ ガイド手段
２９ 支持手段
３１ レール
３３ テーブル
３５ フレーム
３７ 放射信号検出器
３９ ツールガイド
３９Ａ ツールガイドのツール設置部
３９Ｂ ツールガイドのハンドル部
４１ プロセッサ
４３ 伝送器
４５ 横断線
４７ 平行線
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理システムに関し、特に身体の内部の像を含む表示を生成し、現実の身体に関するツールの位置に対応する表示手段内の身体の像に関する位置にツールの表示を生成することが可能な画像処理システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような画像処理システムは例えば、医学的ステレオタクティック外科手術に応用される。外科医はこの画像処理システムを使うことによって外科用メスやドリル等の手術用のツールを患者の体に位置決めし、患者の体の内部の選択された部分に接近させるのに最も適切な位置において切開できる。
【０００３】
従来のこのような画像処理システムは例えば身体の内部の像、たとえば治療されるべき患者の体の断面像を表示するためのエックス線コンピュータ断層撮影（ＣＴ）装置等の画像処理装置を有する。またこの画像処理システムはさらに一組のマーカを含み、これは治療されるべき患者の体に取り付けられ、表示された像に現れる。
【０００４】
この画像処理システムはさらに、後述する機能を持つ放射信号検出装置を搭載する固定された基準フレームを有する。
【０００５】
この画像処理システムを用いる際、患者の内部の像が得られた後に、患者は例えば位置関係が既知の基準フレームが固定されている操作台等の治療位置へ動かされる。治療に用いられる手術用のツールは、基準フレームに搭載された検出装置によって検出される信号を生成する放射信号発射装置を搭載し、患者の体の近くに位置される。検出装置により検出された放射信号発射装置からの信号は、操作台に対するツールの位置と方位とを決定するためにこの信号を利用する電気装置に出力される。
【０００６】
操作台に対する治療されるべき患者の部分の位置と方位とは、患者の体に取り付けられた一組のマーカの位置を電気装置に表示することによって決定される。一組のマーカの位置と方位とを表現し従って患者の体の位置及び方位とツールの位置及び方位とを表現する電気装置の出力信号は、操作台の上の実際の患者の体に対するツールの位置と方位とに対応する像に関する位置と方位にツールの表示を、予め得られた患者の体の像に置く為に用いられる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、患者の体に一組のマーカを取り付けることを必要とする画像処理システムでは、治療が一つの時間間隔を超えて実行されると、操作台に患者が乗せられているときにツールの表示と患者の像の正確な登録とを得るために、治療の間マーカを患者の体に残したままにしておく必要があるという問題点がある。
【０００８】
本発明は上記問題点を鑑みなされたものでその目的とする所は、患者の体の像を得たあとに、患者を治療するとき、実際の患者の体とツールとの位置関係に一致する患者の体の像とツールの表示を得る画像処理システムを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、画像処理システムは、撮像装置の検査範囲に置かれた身体の内部の像を得る撮像装置と、前記放射信号検出装置を搭載し、前記治療位置に固定される基準フレームと、前記身体が前記治療位置に置かれるときに正確な位置に置かれることを要求されるツールと、前記ツールを装着することができ、基準フレームに関するツールの位置を示す信号を生成するために、検出装置により検出される放射信号を発射する放射信号発射装置と、前記身体の像を表示し、前記実際の身体に対する前記ツールの位置と方位とに対応する前記対象に関する位置と方位で前記表示に前記ツールの表現を供給するために、前記検出装置によって生成される信号を用いる表示手段とを有し、前記基準フレームと前記治療位置とが前記検査範囲に対して固定されていることを特徴とする。
【００１０】
本発明によれば、前記撮像装置は磁気共鳴撮像装置であることを特徴とする。
【００１１】
本発明によれば、前記基準フレームは前記撮像装置により像化される身体の磁気平衡軸を決定するための磁場を生成する磁石装置に搭載されていることを特徴とする。
【００１２】
本発明によれば、前記撮像装置はコンピュータ断層撮影エックス線装置であることを特徴とする。
【００１３】
本発明によれば、前記放射信号検出装置は超音波を検出することを特徴とする。
【００１４】
本発明によれば、前記身体が治療されている間及び画像化されている間に身体が乗せられている支持手段と、前記検査範囲と前記治療位置との間を動く支持手段に沿うガイド手段とを有するガイド手段をさらに含むことを特徴とする。
【００１５】
本発明によれば、前記治療位置にある前記支持手段の位置の変化を決定するために前記ガイド手段に対する支持手段の位置を監視する第１の監視手段を有することを特徴とする。
【００１６】
本発明によれば、前記第１の監視手段は光学的位置監視手段であることを特徴とする。
【００１７】
本発明によれば、前記第１の監視手段は、前記支持手段及び前記案内手段の１つに固定された一組のマーキング、前記支持手段およびガイド手段の他方に固定されたマーキングを見る装置を有することを特徴とする。
【００１８】
本発明によれば、前記ガイド手段は支持手段を直線に沿って動かし、前記一組の目印は前記直線に平行な一定間隔の平行線と前記直線に垂直で一定間隔でならぶ線とを有することを特徴とする。
【００１９】
本発明によれば、前記支持手段に乗っている身体の位置を監視する第２の監視手段を有することを特徴とする。
【００２０】
本発明によれば、前記第２の監視手段は光学的位置監視手段であることを特徴とする。
【００２１】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像処理システムを医学的ステレオタクティック外科手術に使用する場合の例を添付図面に基づき説明する。
【００２２】
図２を参照すると、画像処理システムの磁気共鳴画像処理装置は管状の電磁石１を有し、これは円筒状の検査範囲３内に強く一様な主軸方向静磁場を生成する。この検査範囲３内には磁気共鳴画像処理装置を用いるときに像化される患者の体の一部が置かれ、像化された後治療される。
【００２３】
検査範囲３の内部、従ってこの中に置かれる像化される体の内部の磁場の強さは、図示しない電磁石励振コイルに流す付勢電流の供給を制御する主磁場制御手段７によって制御される。
【００２４】
この磁気共鳴画像処理装置はさらに勾配コイル装置９を含み、この勾配コイル装置９によって勾配磁場が検査範囲３内の、３つの直交する方向のうちの少なくとも一つの方向の勾配を有する静磁場と平行に重畳される。勾配コイル装置９はコンピュータ５に制御される勾配磁場制御手段１１によって励振される。
【００２５】
この磁気共鳴画像処理装置はさらにコンピュータ５に制御され像化される体にｒ．ｆ．磁場を適用するためのｒ．ｆ．送信機１５によって励振されるｒ．ｆ．コイルシステム１３を含む。
【００２６】
ｒ．ｆ．受信コイル装置１７は像化される体に励磁される磁気共鳴の結果であるｒ．ｆ．信号を検出するように調整される。前記検出された信号は受信機１９を経由して、制御コンピュータ５に制御され体の像を表示する信号を生成するための信号を処理する撮像器２１に出力される。次にこれらの信号は、像の可視表示を供給するための表示装置２３に出力される。
【００２７】
磁気共鳴画像処理装置の作用として、電磁石１によって供給される強磁場は、像化される体の磁気的方向の平衡軸を定義する。
【００２８】
患者の体の選ばれた範囲の横断面等の像を得るために、始めに、選ばれた範囲に磁気共鳴励磁を起こさせるためにｒ．ｆ．コイルシステム１３によりｒ．ｆ．磁場パルスを体に供給する。次に、ｒ．ｆ．コイルシステム１３は静磁場の方向に垂直な方向に磁場を生成し、これにより選ばれた範囲にある核のスピンを静磁場の方向から静磁場の方向に垂直な平面内へ引っ繰り返す。選ばれた範囲の励磁を制限するためにｒ．ｆ．磁場のパルスは勾配コイル装置９によって加えられた磁場勾配とともに適用される。ｒ．ｆ．磁場の周波数は加えられた勾配の大きさと方向とともに選ばれ、その結果、体の内部の選ばれた陽子、例えば水素原子の陽子、のラーマー周波数は選ばれた範囲内でのみｒ．ｆ．磁場の周波数と等しくなる。
【００２９】
励磁によるｒ．ｆ．信号はしたがって、既知の方法により一つ以上の勾配磁場の適用によって空間的に符号化され、ｒ．ｆ．受信コイル装置１７によって検出され、像を生成するための処理が行なわれる。
【００３０】
通常はいくつかの励磁と信号検出シーケンスが満足できる像を生成するために十分なデータを生成するために要求される。
【００３１】
前述の操作の説明は単に操作の基本的な一つのモードを示しており、この装置は沢山の異なった既知の、ｒ．ｆ．パルスと磁場勾配との異なるシーケンスの適用を含むモードの関心のある対象の像を得るために用いることができる。
【００３２】
次に、ツールの位置の表示について図１に基づき説明する。上述のように磁気共鳴画像処理装置を用いて、治療されるべき患者の部位の像の一つ又は一組を得た後、患者は検査範囲３から治療位置２５に動かされる。これを容易にするために、この画像処理システムはその上に患者が寝ている水平の支持手段２９と、支持手段２９がその上を走る一組のレール３１とを有するガイド手段２７とを有する。従って支持手段２９とその上に寝ている患者とは直ちに治療位置２５と検査範囲３との間を動くことができる。
【００３３】
治療位置２５において、レール３１はテーブル３３と磁気共鳴画像処理装置とは両方とも画像処理システムがある部屋の図示していない床の上にしっかりと固定されているので、テーブル３３に支持されているレール３１は磁気共鳴画像処理装置に対してしっかりと固定されていることになる。結果として、患者の体が治療位置２５に動かされるとき、患者の体は像化されていた位置から正確に既知の距離に位置しており、像化されていた間に磁気共鳴画像処理装置に対する方向と同じ方向に位置している。
【００３４】
画像処理システムはさらに、磁気共鳴画像処理装置によって得られた像の表示で与えられる患者の体に対するツールの方位と位置とを表示する表示手段を含む。また、検査範囲３に対して位置を固定するため、磁気共鳴画像処理装置の電磁石１により支持された長方形のフレーム３５を含む。フレーム３５のそれぞれのコーナーには、放射信号検出器３７が搭載されている。放射信号検出器３７は超音波圧力波に適切に反応するが、例えば短波長無線波や赤外線の波等の他の種類の波にも反応することがある。加えて、使用する個々のツールは、敏感な放射信号検出器３７へ放射信号を発する図示しない発射装置を搭載したツールガイド３９に合うように調整される。ツールガイド３９は図示しないいくつかの選ばれた外科ツールを入れるのに適合した管部分３９Ａと、ツールを用いるための最適な位置を見つけるために外科医がツールガイド３９を握るためのハンドル部分３９Ｂとを有することが好ましい。
【００３５】
放射信号がツールガイド３９上の発射装置から３つの放射信号検出器３７に至るまでに必要とした時間の測定から、フレーム３５に対するツールガイド３９の位置、従ってツールガイド３９に取り付けたツールの位置は正確に決定される。ツールガイド３９上の異なった位置にある少なくとも２つの発射装置からの放射信号の測定により、ツールガイド３９と取り付けられたツールの方位もまた決定される。
【００３６】
少なくとも３つの放射信号検出器３７をフレーム３５に設けることが要求されるが、４つ以上の放射信号検出器３７を用いても良く、この場合平均操作を行なうことにより正確性を向上することができる。同じように、ツールガイド３９上に３つ以上の発射装置を設けてもよい。
【００３７】
ツールガイド３９上の発射装置はツールガイド３９の上に直接搭載されている代わりに、図示していない、ツールガイド３９に挿入されたいわゆる棒の上に搭載されていてもよい。これは画像処理システムによって供給された表示を用いて外科医が望んだ位置にツールガイド３９を置くことを可能とする。従って棒はツールガイド３９から除かれ、必要なツールはその場所に挿入される。
【００３８】
ツールガイド３９を用いる代わりに、個々のツールに発射装置が備えられていて良いことはいうまでもない。
【００３９】
ツールの表現を磁気共鳴画像処理装置により得られた像の表示に加えさせる信号は、コンピュータ５の制御下にあるツールガイド３９上の発射装置に励振パルスを供給する伝送器４３からの時間信号と、放射信号検出器３７の出力信号とに応じてプロセッサ４１によって撮像器２１に出力される。撮像器２１にこのような信号を出力することは、フレーム３５と放射信号検出器３７とが画像処理装置、従って検査範囲３に対してしっかりと所定の位置に固定され、磁気共鳴画像処理装置の検査範囲３から治療位置２５まで輸送されている間の患者の体の動きが正確に確認できるという事実により理解される。
【００４０】
上記について具体的に説明する。テーブル３３は磁気共鳴画像処理装置に対して固定されており、フレーム３５は磁気共鳴画像処理装置に対して固定される代わりにテーブル３３の上に固定されている。さらに、フレーム３５は図１に示されるように支持手段２９の動きの方向に平行な平面内に位置していることは必要でない。しかし、その方向に横断する平面内に位置していても良い。
【００４１】
既知の長さの真っ直ぐな線に沿う決まった動きからの患者支持手段２９の動きの逸脱を監視するために、支持手段２９の裏面にはテーブル３３に乗っている図示しない検出装置により検査される目盛りを搭載する。好ましい目盛りは一組のマーキングの形式で、図３に示されるように、レール３１の上を支持手段２９が動く方向に伸びているお互いの間隔がＬである一組の平行な線４７と、前記平行な線４７に直角であり線４７の間に伸びているお互いに等間隔で並んでいる一組の線４５である。検出装置はその目盛り照らす発光ダイオードと適切な光学装置を通して照らされた目盛りを検査される電荷結合素子とからなることが好ましい。調査された値は例えば、図３に示されるように、αはぶれの角度で、ΔとΣとはもし存在するならば、それぞれ横の移動と回転の大きさを与え、δは支持手段２９が移動方向に対する移動距離の誤差の大きさを与える。回転した角度βの大きさは次式で与えられる。
【００４２】
【数１】
同じように、傾きは横断線４５の隣接した一組の間の距離を測定することにより得ることが出来る。
【００４４】
もし必要ならば、支持手段２９に乗っている患者の動きを監視するための図示していない監視手段を備えていてもよい。このような監視手段は、発光源が乗っている患者を覆い包むためのベルトと、支持手段２９の両側に搭載される適切な光学装置を伴う荷電結合素子等の固体光学走査装置と有することが好ましい。さらに、患者の体が検査範囲３にあるときに患者の位置の測定を行なう画像処理装置の下に位置するセンサーの形の監視手段を備えていても良い。
【００４５】
上述の監視手段によるさまざまな位置の測定は、患者の像と表示装置内のツールの表現位置とを調整するために行なわれ、従って像と表現との相対的な位置は患者の体とツールとの実際の相対的な位置を正確に示す。また、画像処理装置に用いられる走査角度と軸とは表示手段内の必要とされる訂正を行うことを変えられる効果がある。
【００４６】
外科手術の開始時に確立された位置からの逸脱に関するすべての位置データは訂正されることが好ましいことが理解される。
【００４７】
本実施の形態の画像処理装置を用いて手術を行なう場合では患者の体にマーカーを取り付けることは必要ないが、のぞむならば、幾つかの手術で、このようなマーカーを装着することにより像とツールとの相対的な位置に関する付加的な検査をすることができる。マーカーの位置は上記の発射装置の場合のように、良く知られた方法で、指揮棒を運んでそれらに接触することにより表示手段に勿論指示できる。
【００４８】
上記の特別な画像処理システムでは、例に示されたように、画像処理装置は磁気共鳴画像処理装置であるが、他のタイプの画像処理装置においては本発明に従う他の画像処理システムを用いて実行することができる。例えば、エックス線断層撮影画像処理装置、特に、コンピュータ断層撮影（ＣＴ）画像処理装置の場合を説明する。このようなシステムでは、基準フレームが装置のエックス線源が乗っている回転できるメンバーを支持する断層装置の構台の上に適切に搭載されている。さらに本発明に係る画像処理装置の使用は外科手術に制限されるものではないことが指摘される。本発明は、いつでものぞむなら、対象の内部の像を用いて対象に隣接した位置にツールを持っていくことができる。
【００４９】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、患者の体の内部の像を得たあとに、患者を支持手段に乗せて治療位置に運び、前記治療位置に運ばれた支持手段と確立された位置との誤差を監視する監視手段と、治療位置との位置関係が固定されたツールに搭載された発射装置からの放射信号を検出する検出装置とを備えたので、実際の患者の体とツールの位置関係に一致する表示手段に表示された患者の体の像とツールの表示とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る画像処理システムの一実施形態を示す図である。
【図２】図１に示す画像処理システムに用いられる磁気共鳴画像処理装置を示す概略図である。
【図３】図１に示すシステムの位置監視手段の目盛り形成を示す図である。
【符号の説明】
１ 電磁石
３ 検査範囲
５ コンピュータ
７ 主磁場制御手段
９ 勾配コイル装置
１１ 勾配磁場制御手段
１３ ｒ．ｆ．コイルシステム
１５ ｒ．ｆ．送信機
１７ ｒ．ｆ．受信コイル装置
１９ 受信機
２１ 撮像器
２３ 表示装置
２５ 治療位置
２７ ガイド手段
２９ 支持手段
３１ レール
３３ テーブル
３５ フレーム
３７ 放射信号検出器
３９ ツールガイド
３９Ａ ツールガイドのツール設置部
３９Ｂ ツールガイドのハンドル部
４１ プロセッサ
４３ 伝送器
４５ 横断線
４７ 平行線
Claims (2)
- 撮像装置の検査範囲に置かれた身体の内部の像を得る撮像装置と、
放射信号検出装置を搭載する基準フレームであって、且つ前記身体を治療する時の治療位置に対して一定の位置関係を有する基準フレームと、
前記身体が前記治療位置に置かれるときに、前記身体に対して正確な位置に置かれることを要求されるツールと、
前記ツールを装着することができ、基準フレームに向けてツールの位置を示す信号を生成するための放射信号発射装置であって、前記放射信号検出装置により検出される放射信号を発射する放射信号発射装置と、
前記身体の像を表示し、実際の前記身体に対する前記ツールの位置と方位とに対応させて、前記身体の像に対しての前記ツールの位置と方位の表現を前記表示に供給するために、前記放射信号検出装置によって生成される信号を用いる表示手段とを有し、
前記基準フレームと前記治療位置とが前記検査範囲に対して一定位置関係にあり、
前記身体を治療している期間ならびに前記身体の内部を撮像している期間及びそれら期間の間に亘って前記身体を搭載する前記身体の支持手段と、
前記支持手段のガイド手段であって、前記ガイド手段に沿って前記検査範囲と前記治療位置との間を移動する前記支持手段を含め、
さらに、
前記治療位置にある前記支持手段の位置の変化を決定するために、前記ガイド手段に対する支持手段の位置を監視する第１の監視手段を有しており、
そして、
前記第１の監視手段は、光学的位置監視手段であり、且つ前記第１の監視手段は、前記支持手段及び前記ガイド手段の一方に固定された一組のマーキングと、前記支持手段及びガイド手段の他方に固定された前記マーキングを見る装置とを有することを特徴とする画像処理システム。 - 前記ガイド手段は支持手段を直線に沿って動かし、前記一組のマーキングは前記直線に平行な一定間隔の平行線と前記直線に垂直で一定間隔でならぶ線とを有する請求項１に記載の画像処理システム。
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