JP3988646B2 - 車両用操作装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される機器を操作する操作装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
昨今において、車両には、ナビゲーションシステム、エアコン、オーディオ装置等、多くの電装機器が搭載されるようになっており、これらを総括的に操作するために、操作部を一括して構成したものが用いられている。このような操作装置として、従来より、特開２００１−２９４１０１号公報（以下、特許文献１という）に記載されたものが知られている。
【０００３】
該特許文献１には、円形状をなす一つのスイッチ操作部の、周囲部を方向指定用のスイッチとし、中央部をコマンド決定用のスイッチとする内容について記載されている。従って、ディスプレイ上に表示されるメニューの選択、及び決定の操作を一つのスイッチ操作部にて行うことができるので、スイッチ類が集約され、省スペース化を図ることができるという利点がある。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００１−２９４１０１号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の操作装置においては、一つのスイッチ操作部に方向指定用のスイッチ、決定用のスイッチが含まれる構成となっているので、方向指定時に、操作部中央にある決定スイッチを誤って押してしまうことがあり、操作性が悪いという問題があった。
【０００６】
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、方向指定、及び決定操作の誤操作を防止することのできる車両用操作装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の車両用操作装置は、車両に搭載された表示手段の画面上に表示されたメニューリストを操作する車両用操作装置において、装置の中央部に形成され、押圧することにより指定したメニューを決定する操作信号を出力する中央ノブと、周囲部が円形状をなし、前記中央ノブの周囲に形成され、該中央ノブとは独立して押圧可能であり、押圧した位置に応じた方向指定信号を出力する方向指定ノブと、前記中央ノブの押圧方向の奥側に形成され、該中央ノブの押圧を検知する中央タクトスイッチと、前記方向指定ノブの押圧方向の奥側に形成され、該方向指定ノブの、前記中央ノブの上側位置、及び下側位置の押圧を検知する２つの方向指定タクトスイッチと、前記方向指定ノブの外周部に回転動可能に設けられ、回転角度に応じた操作量を出力するダイヤルノブと、を具備し、前記メニューリストには、前記画面上の行方向及びこれと直交する列方向に配置された５０音文字が表示され、前記ダイヤルノブは、前記画面上に表示された５０音文字の一つの列を指定する操作に割り当てられ、前記方向指定ノブは、前記ダイヤルノブの操作で指定された一つの列の中の一つの行を指定する操作に割り当てられること、を特徴とする。
【０００９】
【発明の効果】
本発明に係る車両用操作装置では、操作子の中央部に中央ノブが設けられ、その周囲部に方向指定ノブが設けられ、これらのノブはそれぞれ独立してタクトスイッチをオンとするので、方向指定ノブ操作時に誤って中央ノブを押圧するというトラブルの発生を回避することができる。
【００１０】
また、ダイヤルノブを第１の軸方向へのカーソル移動操作に割り当て、方向指定ノブを第２の軸方向へのカーソル移動操作に割り当てる構成とするので、車両の運転者は、容易且つ迅速に所望するメニューを選択することができるようになる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る車両用操作装置を含む車両用入力装置を示す全体構成図である。同図に示すように、該車両用入力装置１は、車両のクラスターリッドＣ部に搭載され、各種の操作メニューを表示するディスプレイ３と、当該ディスプレイ３に表示された操作メニューから、所望するものを選択するための操作装置２を有している。
【００１２】
操作装置２は、ナビゲーション装置、オーディオ装置、エアコン、情報提供装置等の、各種の車載機器を一括して操作するものであり、図２に示すように、各種の機能を選択するための操作ボタン４と、方向指定用及びメニュー決定用の操作子５を備えている。
【００１３】
図３（ａ）は、操作子５の構成を示す斜視図、同図（ｂ）はＡ−Ａ断面図であり、図示のように該操作子５は、中央部に平面視円形状の決定スイッチノブ（決定ノブ）６が備えられ、該決定スイッチノブ６の周囲部には、平面視円環形状の方向スイッチノブ（方向指定ノブ）７が設けられている。
【００１４】
また、図３（ｂ）の断面図に示されるように、決定スイッチノブ６の下部には、タクトスイッチ（中央タクトスイッチ）１０が設けられ、更に、方向スイッチノブ７の下部の４方向の位置（上下、左右となる位置）にも同様にタクトスイッチ（方向指定タクトスイッチ）１１が設けられている。
【００１５】
従って、決定スイッチノブ６が押圧された際には、タクトスイッチ１０の接点がオンとなる。また、方向スイッチノブ７が押圧された際には、押圧した位置に応じたタクトスイッチ１１がオンとなる。よって、タクトスイッチ１１のオン、オフ状態により、８方向の入力操作を検知することができる。
【００１６】
更に、方向スイッチノブ７の４位置（上下、左右の間となる４位置）には、ＬＥＤ１２が設けられており、方向スイッチノブ７が操作された方向が点灯により示されるようになっている。
【００１７】
そして、図４に示すように、方向スイッチノブ７の適所を押圧することにより、８方向の方向入力が可能となっている。
【００１８】
また、図３に示されるように、方向スイッチノブ７の周囲部には、回転動が可能とされたダイヤルノブ９が設けられており、当該ダイヤルノブ９と対向する部位には、ロータリエンコーダ８が搭載されている。従って、ダイヤルノブ９が回転操作されると、この回転量がロータリエンコーダ８により検知される。
【００１９】
そして、本実施形態では、ダイヤルノブ９の操作を、ディスプレイ３に表示されるメニューを選択するカーソルの横方向の移動操作に割り当て、方向スイッチノブ７の操作を、縦方向の移動操作に割り当てるように設定している。
【００２０】
次に、上述のように構成された車両用入力装置１の動作について説明する。図５は、ディスプレイ３に表示されるメニューの例を示す説明図であり、この例では、平仮名の５０音が表示されている。そして、５０音の縦の列が一つの纏まりとして、縁部が太線２１で囲まれた形態で表示され、且つ、この列の所望の一文字が強調表示される（この例では「た」）。
【００２１】
図６は、５０音のうちの、縦長の列を設定する際の操作を示す説明図であり、初期状態として、同図（ａ）に示すように「あいうえお」の列が選択され、「う」の文字が強調表示されている。そして、この平仮名メニューから、所望する文字、例えば「け」を選択する場合には、まず、ダイヤルノブ９を左方向（図６中矢印Ｙ１の方向）に回転させる。
【００２２】
これにより、縦長の列を指定する太線２１を左方向に移動させることができるので、この場合には「かきくけこ」の列で停止させる。
【００２３】
図７は、指定された列の文字を縦方向の移動させて、所望する文字を選択する際の操作を示す説明図であり、同図（ａ）の状態では、「かきくけこ」の列の、「く」の文字が強調表示されているので、方向スイッチノブ７の下側の部分を押すことにより、強調表示文字を下方に移動させる。その結果、同図（ｂ）に示すように「け」を指定することができる。そして、この状態で、決定スイッチノブ６を押圧することにより、平仮名「け」を選択することができる。
【００２４】
こうして、ダイヤルノブ９を回転操作することにより、５０音表示の横方向の位置（縦長の列）を設定することができ、その後、方向スイッチノブ７を操作することにより、縦方向の位置を指定することができるのである。
【００２５】
このようにして、本実施形態に係る車両用入力装置１では、ダイヤルノブ９の操作を、ディスプレイ３の画面上の一軸方向（この場合は横軸方向）へのカーソル移動に割り当て、方向スイッチノブ７を前記一軸方向と直交する方向（この場合は縦軸方向）へのカーソル移動に割り当てるので、操作者は、誤操作を引き起こすことなく、容易且つ確実に所望する文字を選択することができる。
【００２６】
また、図３に示したように、決定スイッチノブ６と方向スイッチノブ７は、それぞれ独立したノブとなっているので、方向スイッチノブ７の押圧位置や角度により、操作者の意図に反して決定スイッチノブ６が押されてしまうというトラブルを回避することができる。
【００２７】
更に、カーソルを所望する文字まで到達させるまでに要する操作量が少なくて済むので、運転者の手の動き、或いは目線の移動量を少なくすることができ、運転者にとって操作性が良く、運転の妨げにならない操作が可能となる。
【００２８】
なお、上述した実施形態では、４つのタクトスイッチ１１を用いて８方向を選択するように構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、８方向それぞれにタクトスイッチを備える構成とすることも可能である。
【００２９】
次に、本実施形態の変形例について説明する。図８は、該変形例に係るディスプレイ３の表示例を示す説明図である。同図（ａ）に示すように、この変形例では、ディスプレイ３の縦方向に複数のメニュー（この例では、「施設から」、「５０音から」などの５個のメニュー）が表示され、これらのメニューを選択する際のカーソル位置の移動を、同図（ｂ）に示す如くのダイヤルノブ９を用いて行う場合を示している。また、メニュー表示のＧＵＩ（グラフィカル・ユーザ・インターフェース）は、左側の部分が円弧状となった円弧表示部２２とされている。
【００３０】
そして、ダイヤルノブ９を右方向（図中、矢印Ｙ２の方向）に回転させることにより、カーソル位置を下方に移動させることができ、左方向に回転させることにより、カーソル位置を上方向に移動させることができる。
【００３１】
この変形例では、メニュー表示の左側の部分に円弧表示部２２を設定することにより、ダイヤルノブ９の回転方向と、カーソルの移動方向とを感覚的に対応付けることができる。即ち、円弧表示部２２が無い場合には、ダイヤルノブ９の回転方向とカーソルの移動方向との対応が分からなくなる場合があり、カーソルを下方に移動させるにはダイヤルノブ９をどちらに回転させればよいかが分からなくなる場合がある。本変形例では、ＧＵＩとして、円弧表示部２２を表示することにより、容易且つ迅速にダイヤルノブ９の回転方向を把握することができるようになる。
【００３２】
なお、上記した例では、メニューの左側の部分に円弧表示部２２を設定する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のＧＵＩで、ダイヤルノブ９の回転方向とカーソルの移動方向との対応を示唆するような構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係る車両用入力装置の全体構成図である。
【図２】操作装置の構成を示す説明図である。
【図３】操作子の構成を示す説明図であり（ａ）は斜視図、（ｂ）はＡ−Ａ断面図である。
【図４】操作子の操作機能を示す説明図である。
【図５】ディスプレイ画面に表示される平仮名の５０音を示す説明図である。
【図６】カーソルを横方向に移動させる際の様子を示す説明図であり（ａ）は操作前、（ｂ）は操作後の状態を示す。
【図７】カーソルを縦方向に移動させる際の様子を示す説明図であり（ａ）は操作前、（ｂ）は操作後の状態を示す。
【図８】変形例に係るディスプレイ画面の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 車両用入力装置
２ 操作装置
３ ディスプレイ
４ 操作ボタン
５ 操作子
６ 決定スイッチノブ（決定ノブ）
７ 方向スイッチノブ（方向指定ノブ）
８ ロータリエンコーダ
９ ダイヤルノブ
１０ タクトスイッチ（中央タクトスイッチ）
１１ タクトスイッチ（方向指定タクトスイッチ）
２１ 太線
２２ 円弧表示部

Claims (1)

1. 車両に搭載された表示手段の画面上に表示されたメニューリストを操作する車両用操作装置において、
   装置の中央部に形成され、押圧することにより指定したメニューを決定する操作信号を出力する中央ノブと、
   周囲部が円形状をなし、前記中央ノブの周囲に形成され、該中央ノブとは独立して押圧可能であり、押圧した位置に応じた方向指定信号を出力する方向指定ノブと、
   前記中央ノブの押圧方向の奥側に形成され、該中央ノブの押圧を検知する中央タクトスイッチと、
   前記方向指定ノブの押圧方向の奥側に形成され、該方向指定ノブの、前記中央ノブの上側位置、及び下側位置の押圧を検知する２つの方向指定タクトスイッチと、
   前記方向指定ノブの外周部に回転動可能に設けられ、回転角度に応じた操作量を出力するダイヤルノブと、を具備し、
   前記メニューリストには、前記画面上の行方向及びこれと直交する列方向に配置された５０音文字が表示され、
   前記ダイヤルノブは、前記画面上に表示された５０音文字の一つの列を指定する操作に割り当てられ、
   前記方向指定ノブは、前記ダイヤルノブの操作で指定された一つの列の中の一つの行を指定する操作に割り当てられること、
   を特徴とする車両用操作装置。

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