JP3986632B2 - パッド付き股関節用サポーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、股関節の種々の疾患に対応する股関節用サポーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
股関節の脱臼、亜脱臼、臼蓋形成不全等の関節面の不安定疾患、外転筋力低下、機能不全、股関節拘縮、跛行、疼痛等大腿骨頭の外偏移動を防止するための股関節用サポーターには種々のものが開発されているが、硬性の材料を用いた装具として構成されたものが多く、それらは重く、装着が面倒で、日常的な動きが制限され、一方伸縮性の材料を用いた股関節用サポーターは、不安定な股関節に対する圧迫力が充分に得られず、特に股関節の特定の部位に局部的に圧迫力を加えることができず、更に伸縮性材料の被覆面積が大きく、体の動きが制限されるという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、股関節の疾患に基づく大腿骨頭の外偏移動を防止するためのサポーターを、軽量で、操作がしやすく、日常の動きが制限されず、しかも股関節に対する充分な圧迫力、特に股関節の特定の部位に対する圧迫力が得られるように構成することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明においては、伸縮性素材からなる本体を備え、本体は腰部に巻き付けられる腰部ベルトと、大腿部に巻き付けられる大腿部ベルトとからなり、腰部ベルトと大腿部ベルトは装着状態の大腿部の外側部において連結されており、腰部ベルト、大腿部ベルトはそれぞれ両端に面ファスナーを有し、腰部ベルトと大腿部ベルトとの連結部分において両ベルト間に亘る位置に本体と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなるX形状の圧迫部材を設け、本体の装着時ほぼ大転子に対向する位置に脱着可能なパッドを取り付けるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては、伸縮性素材からなり腰部に巻き付けられるだけの長さを有する腰部ベルトと、同じく伸縮性素材からなり大腿部に巻き付けられるだけの長さを有する大腿部ベルトとを、装着状態の大腿部の外側部において連結して一体とし、腰部ベルトは両端にそれぞれ面ファスナーを有して相互に係着することができ、大腿部ベルトも両端にそれぞれ面ファスナーを有して相互に係着することができ、腰部ベルトと大腿部ベルトとの連結部分において両ベルト間に亘るように本体の伸縮性素材と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなる2本のベルトをX形状に交差するように本体表面に固定し、本体の装着時ほぼ大転子に対向する位置で本体の裏側(肌側)にパッドを取り付けるようにするのが有利である。
【0006】
また、本体の伸縮性素材と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなる2本の圧迫ベルトを全体的に本体上に固定せず、各ベルトの一端を、腰部ベルトと大腿部ベルトとの連結部分に対応する腰部ベルト又は大腿部ベルト上に固定し、2本の圧迫ベルトが腰部ベルトと大腿部ベルトに連結部分において交差するように延ばして相対する大腿部ベルト又は腰部ベルト上に係着できるようにし、圧迫ベルトの本体上での位置及び圧迫力を調整できるようにしてもよい。
【0007】
【実施例】
次に本発明を図面に示す実施例について説明する。
【0008】
図1は本発明の実施例の、aは正面図、bは背面図を示す。1は本体で伸縮性素材からなり、腰部ベルト2と、大腿部ベルト3と、両ベルト2、3を連結する連結部分4とを備え、腰部ベルト2は腰部に巻き付けられるだけの長さを有し、両端に面ファスナー5、6が取り付けられ、大腿部ベルト3は大腿部の回りに巻き付けられるだけの長さを有し、両端に面ファスナー7、8が取り付けられ、連結部分4は装着時腰部から大腿部の外側部に位置する。連結部分4に対する腰部ベルト2、大腿部ベルト3の左右の長さは若干異なっている。又、腰部ベルト2と大腿部ベルト3とは平行ではなく、若干角度をなして連結されており、腰部ベルト2は直線状ではなく多少湾曲させることにより、腰部へのフィットを良好にしている。腰部ベルト2から連結部分4を経て大腿部ベルト3に到る領域に、本体1と同等又はそれより高伸縮性の素材よりなる2つの圧迫ベルト9、10がX形状をなすように交差して本体1の表面上に例えば縫製、接着等により固定されている。本体1の裏側、即ち肌側において、装着時大転子に対向する部分にパッド11が取り付けられている。この位置は装着時の身体的条件で多少異なるから、パッド11は面ファスナー等で固定し、多少固定位置を調整できるようにするのがよい。
【0009】
本体1を形成する伸縮性素材としては、例えばパワーネット等の弾性糸混紡編物やポリウレタン、ゴム糸等を混紡したニット、或いはそれらの積層素材、又は圧縮ウレタン、ネオプレンゴム等、或いはそれらとニット、ジャージ等との積層素材を使用することができ、圧迫ベルト9、10を形成する伸縮性素材としては例えばポリウレタン、ゴム糸を混紡した伸縮ベルト、エラストマーフィルム、テープ等を使用することができる。両伸縮性素材の伸縮率は、例えば30%モジュラス値で、本体は0.6〜1.0kg/inch、ベルトは0.6〜2.5kg/inchの範囲が好ましい。本体とベルトの伸縮率を同等に選ぶ場合には共に0.8kg/inch程度に選ぶのが好ましい。ベルトを本体より高伸縮性にする場合には、ベルトの伸縮率を1.8〜2.5kg/inchに選ぶのが好ましい。腰部ベルトは12〜13cmの幅が好ましく、上方へ向け凹に緩やかに湾曲させて、腰部の末広がりの立体形状によく相応するようになっている。大腿部ベルトは腰部ベルトよりやや細幅で10〜11cmが好ましく、連結部分の基部を通る線に対し約20〜30度前傾させて形成すると、脚を曲げたときの皺の発生が減少して有利である。また臀部と内腿にかからないように周辺をカットするのが好ましい。臀部の下方に接触する大腿部ベルトの上縁12を部分的に厚く形成して座骨受け効果を生ぜしめるのも有利である。
【0010】
図2はパッドの一例の、aは正面図、bは側面図で、楕円形状にして内部に例えば軟質フォーム等が詰められ、表面は山形に脹らみ、裏側には面ファスナー13が設けられ、本体の裏側に係着できるようになっている。図3はパッドの別の例の、aは正面図、bは側面図で、表面の脹らみが中央で窪んだ部分14を持っている。図4パッドの更に別の例の、aは正面図、bは側面図で、山形に膨らんだもののほぼ中央部に更に突出した部分15を備えている。なお、パッドは楕円形に限らず円形のものでもよい。
【0011】
図5は図1に示す股関節用サポーターの装着状態を示し、aは体の斜め後方から見た状態、bは体の斜め前方から見た状態、cは体の側方から見た状態である。この例は大腿部ベルトが右脚の大腿部に巻かれているもので、圧迫ベルト9、10が腰部から大腿部にかけ右側部に位置するように、腰部ベルト2、大腿部ベルト3がそれぞれ腰部、右大腿部に巻かれ、面ファスナー5、6、及び7、8がそれぞれ係着され固定される。そしてパッド11は圧迫ベルト9、10の内側にあって大転子に対向し、腰部ベルト2、大腿部ベルト3及び両圧迫ベルト9、10により股関節全体に対し適切な圧迫力、及び特に大転子に対し部分的な強い圧迫支持力が加わる。
【0012】
図6は別の実施例を示し、図1のものと同等部分には同符号が付けられている。この実施例では、圧迫ベルト16は一端17で腰部ベルト2の表面上の上縁18の近傍に固定され、大腿部ベルト3に向け斜め下に向け伸び、他端19の内側には面ファスナー20が設けられ、大腿部ベルト3の表面上に係着することができる。もう一方の圧迫ベルト21は一端22で大腿部ベルト3の表面上の下縁23の近傍に固定され、腰部ベルト2に向け斜め上に向け伸び、他端24の内側には面ファスナー25が設けられ、腰部ベルト2の表面上に係着することができる。両圧迫ベルト16、21は連結部分4において互いに交差するようになっており、各圧迫ベルトの他端19、24の本体1に対する係着位置を調整することにより、腰部ベルト2、大腿部ベルト3及び圧迫ベルト16、21が股関節に加える圧迫支持力を最適値に調整することができる。なお、両圧迫ベルト16、21の一端を腰部ベルト2の上縁18の近傍に固定し、大腿部ベルト3に向け互いに交差するように斜め下に向けて伸ばし、他端の面ファスナーを大腿部ベルト3の表面に係着するように構成してもよく、又両圧迫ベルト16、21の一端を大腿部ベルト3の下縁23の近傍に固定し、腰部ベルト2に向け互いに交差するように斜め上に向けて伸ばし、他端の面ファスナーを腰部ベルト2の表面に係着するように構成してもよい。
【0013】
図1、図6は一方の大腿部にのみベルトを装着する型のサポーターであるが、図7に示す実施例は、両大腿部に装着するベルトを有する例を示す。即ち、本体71は伸縮性素材からなり、腰部ベルト72と、左大腿部ベルト73と、右大腿部ベルト74と、腰部ベルト72と左大腿部ベルト73とを連結する連結部分75と、腰部ベルト72と右大腿部ベルト74とを連結する連結部分76とを備え、正中から左右対象に形成されている。腰部ベルト72は腰部に巻き付けられるだけの長さを有し、両端に面ファスナー77、78が取り付けられ、左大腿部ベルト73、右大腿部ベルト74は各大腿部の回りに巻き付けられるだけの長さを有し、両端にそれぞれ面ファスナー79、710、711、712が取り付けられている。腰部ベルト72からそれぞれ連結部分75、76を経て左大腿部ベルト73、右大腿部ベルト74に到る各領域に、本体71と同等又はそれより高伸縮性の素材よりなるそれぞれ2つの圧迫ベルト713、714、715、716がX形状をなすように交差して本体71の表面上に固定されている。また本体71の裏側、即ち肌側において、装着時大転子に対向する部分にそれぞれパッド717、718が取り付けられている。このサポーターは装着状態では、圧迫ベルト713、714の組が腰部から左大腿部にかけての体の左側部に位置し、圧迫ベルト715、716の組が腰部から右大腿部にかけての体の右惻部に位置し、パッド717は左大腿部の大転子に、パッド718は右大腿部の大転子に対向する位置をとる。なお、圧迫ベルトは、本体の表面上に全体的に固定せず、図6に示す実施例のように、一端のみ本体に固定し、他端は自由端として面ファスナーを設け、本体上に係着し得るようにしてもよい。
【0014】
上述の各実施例においてはX形状の圧迫部材を2本のベルトを交差させることにより形成したが、高伸縮性の生地をX形状に裁断して形成してもよい。又パッドは本体の裏側に取り付けたものを示したが、本体の面側でX形状の圧迫部材との間に挿入するようにすることもできる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、伸縮性素材からなる本体に重ねて、本体と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなるX形状の圧迫部材とパッドとを設け、それらにより股関節に圧迫力を加えることにより、股関節に対する確実にして十分な圧迫支持力が得られ、特に大転子部位に対して局部的に圧迫力が加えられ、かつ大転子を外転させるような力が生じ、しかもサポーター全体の重量は極めて軽く、フィット感も極めて良好で、体の動きも制限されないという顕著な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の、aは正面図、bは背面図である。
【図2】本発明のパッドの実施例の、aは正面図、bは側面図である。
【図3】本発明のパッドの別の実施例の、aは正面図、bは側面図である。
【図4】本発明のパッドの更に別の実施例の、aは正面図、bは側面図である。
【図5】図1に示す実施例の装着状態の、aは体の斜め後方から見た図、bは体の斜め前方から見た図、cは体の側方から見た図である。
【図6】本発明の異なる実施例の、aは正面図、bは背面図である。
【図7】本発明の更に異なる実施例の、aは正面図、bは背面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 腰部ベルト
3 大腿部ベルト
4 連結部分
5、6、7、8 面ファスナー
9、10 圧迫ベルト
11 パッド
12 大腿部ベルトの上縁
13 面ファスナー
14 窪み
15 突出した部分
16、21 圧迫ベルト
17、22 圧迫ベルトの固定端
18 腰部ベルトの上縁
19、24 圧迫ベルトの自由端
20、25 面ファスナー
23 大腿部ベルトの下縁
71 本体
72 腰部ベルト
73 左大腿部ベルト
74 右大腿部ベルト
75、76 連結部分
77、78、79、710、711、712 面ファスナー
713、714、715、716 圧迫ベルト
717、718 パッド
Claims (4)
- 伸縮性素材からなる本体を備え、本体は腰部に巻き付けられる腰部ベルトと、大腿部に巻き付けられる大腿部ベルトとからなり、腰部ベルトと大腿部ベルトは装着状態の大腿部の外側部において連結されており、腰部ベルト、大腿部ベルトはそれぞれ両端に面ファスナーを有し、腰部ベルトと大腿部ベルトとの連結部分において両ベルト間に亘る位置に本体と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなるX形状の圧迫部材を設け、本体の装着時ほぼ大転子に対向する位置に脱着可能なパッドを取り付けたことを特徴とするパッド付き股関節用サポーター。
- X形状の圧迫部材は、本体と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなる2本の圧迫ベルトを交差するように本体表面に固定して形成したことを特徴とする請求項1記載のパッド付き股関節用サポーター。
- X形状の圧迫部材は、本体と同等又はそれ以上の高伸縮性の素材からなる2本の圧迫ベルトを交差するように一端で本体表面に固定し、各ベルトの他端に面ファスナーを取り付け、この他端を本体表面上に係着し得るようにしたことを特徴とする請求項1記載のパッド付き股関節用サポーター。
- パッドは、本体の裏側に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のパッド付き股関節用サポーター。
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