JP3981225B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の異なる通信方式を用いて同報送信する機能を持つファクシミリ装置に関し、たとえば、公衆電話回線を使用したピアツーピアによる同報送信やインターネットを用いた同報送信を適宜切換えて送信処理することのできるファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ファクシミリ装置の普及が広まっており、国内だけではなく、海外へのファクシミリ通信を実施する頻度も高くなっている。ところが、一般公衆回線を用いたファクシミリ通信において海外などへの遠距離通信を実施すると、その通信費が非常に高額になるという問題点がある。そこで、一般公衆回線を経由したファクシミリ通信に加えて、インターネットに接続してファクシミリ通信を行うインターネット対応型のファクシミリ装置が開発されている。インターネット対応型のファクシミリ装置では、固定費用以外の通信費が不要となり、海外のような遠距離通信においては大幅な通信機の削減が可能になる。
【0003】
このインターネット対応型のファクシミリ装置では、送信する文書の画像データを送信先のメールアドレスに添付して電子メール形式でインターネット上のメールサーバに対して送信する。そして、受信ファクシミリ装置が、定期的に上記メールサーバをチェックして受信を行い、これを印刷データに展開して印刷出力するようになっている。
【0004】
また、このようなファクシミリ装置では、同一画像データをファクシミリ方式と電子メール方式の両方の方式で同報送信することも可能になっており、従来、特開平10−42068号公報や特開平11−55486号公報に示されるように、通信相手先にファクシミリ方式と電子メール方式とを混在させて同一画像データを同送信する場合、通信相手先が短縮ダイアルなどで入力されるたびに、その通信相手先が一般公衆回線を利用したファクシミリ方式に対応するものかインターネット経由の電子メール方式に対応するものかを判断し、判断した結果に基づいて順次画像データの送信動作を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同一画像データをファクシミリ方式と電子メール方式を混在させて同報送信する場合、上記の従来の方式のように1つの通信相手先が入力されるたびに、その通信相手先の対応方式を判断して順次送信動作を行うのでは、効率的な通信ができなくなるという問題があった。すなわち、通信方式の特性から、電子メール方式のほうがファクシミリ方式に比較して送信データを高速に送ることができるが、従来のように、1つの通信相手先が入力されるたびにその対応方式を判断してファクシミリ方式または電子メール方式で画像データを送信する方式では、相対的に送信時間の長いファクシミリ方式と相対的に送信時間の短い電子メール方式での通信がランダムに行われることになって、その結果、即座に送信できるはずの電子メールの相手先への到達が非常に遅れるという不都合が生じ、全体として、通信の効率性が低下する問題があった。特に、電子メール方式では、複数の通信相手先があるとき、それらにまとめて送る場合は送信処理は一通のメール送信処理だけで良いが、これをバラバラに送ると、毎回の送信処理が必要となるため、非常に効率が悪くなるという問題があった。また、送信すべき通信相手先が全て電子メール方式の装置であったりあるいはファクシミリ方式の装置であった場合でも、送信すべき画像データの圧縮方式や書式などの種類が異なる場合、通信相手先が変わるたびに変換方式を変える必要があり、この場合、毎回の変換に先立って初期設定が必要であると、全ての画像データの送信を完了するまでに何回も初期設定が行われることになり、その分制御時間が長期化して、全体としての通信効率が同様に低下するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、同じタイプの通信相手先をまとめることによって、通信の効率性を高くするファクシミリ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0008】
(1)同一の画像データを複数の相手へ、公衆回線を使用するファクシミリ方式若しくはネットワークを使用する電子メール方式を用いて同報送信する機能を持つファクシミリ装置において、
短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルの入力時に、その入力された短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルに対応する通信相手先を含む登録データを登録メモリから読み出し、
入力された通信相手先をファクシミリ方式若しくは電子メール方式でグループ化するとともに、電子メール方式については、通信相手先に対して送信する添付書類の書式でグループ化する相手先判定部と、グループ化された通信相手先をグループ毎に記憶するメモリと、グループ毎に前記画像データの送信制御を行う制御部と、を備える。
【0009】
本発明では、複数の通信相手先が入力されても、これらの通信相手先がグループ化されてからグループごとに画像データの送信制御が行われる。そこで、グループごとの一括送信が可能となるために、より効率的に送信を行うことができる。たとえば、通信方式がファクシミリ方式と電子メール方式であって、この通信方式ごとに通信相手先をグループ化すると、電子メール方式のグループに対して一括送信が可能となる。電子メール方式では、多数の通信相手先が存在していても、通信時間は、1つの通信相手先にに対する通信時間とそれほど変わらない。これにより、全体の通信時間は極めて短時間となる。
【0010】
また、通信相手先が全て電子メール方式の装置であり、且つ、それぞれの添付処理の書式が異なる場合、この添付処理の書式ごとにグループ化しておくと、画像データの添付処理書式への変換を、グループの数だけ行えばよい。したがって、変換効率が向上し、結果として効率的な送信を行うことができる。同じように、通信相手先が全てファクシミリ方式の装置であって、且つそれぞれの解像度が異なる場合においても、解像度ごとにグループ化することにより、画像データの変換回数はグループの数だけでよいことになる。したがって、このような場合にも全体として効率的な送信を行うことができる。
【0011】
(2)前記相手先判定部は、短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルに対応して通信相手先を含む登録データを記憶する登録メモリを備え、短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルの入力時にその入力された短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルに対応する前記登録データを前記登録メモリから読み出し、該読み出した登録データに基づいて入力された通信相手先をグループ化する。
【0012】
本発明では、登録メモリに通信相手先を含む登録データが記憶されており、短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルが入力された時に、その入力されたダイヤルに対応する登録データを読みだせばよいために、グループ化するための特定のデータの入力が不要となる。したがって、入力操作が容易となり、且つ誤操作を防ぐことができる。
【0013】
(3)通信相手先をグループ化する前記登録データは通信相手先の表記方式である。
本発明では、通信相手先をFAX方式と電子メール方式で分離する場合、FAX方式が電話番号で表記し、電子メール方式はアルファベットで表記するのが一般であるために、この表記方式によって通信相手先を簡単にグループ化することができる。
【0014】
(4)通信相手先をグループ化する前記登録データは通信相手先の属性データである。
登録メモリに通信相手先と共にその属性データ、たとえば、添付処理の書式(ファイル形式)や解像度、または通信相手先の端末種別が記憶される場合、本発明では、この属性データに基づいて入力された通信相手先をグループ化する。これにより、効率的且つ確実なグループ化を実現できる。
【0015】
本発明では、各種の属性データに基づいて入力された通信相手先をグループ化することができ、全体のシステムの状況に応じた、或いは使用環境に応じた最適なグループ化を容易に行うことができる。
【0016】
(5)前記相手先判定部は、通信相手先が一つ入力される毎に該入力された通信相手先をグループ化する。また、前記相手先判定部は、全ての通信相手先の入力が完了した時点で該入力された全ての通信相手先をグループ化する。
【0017】
本発明では、通信相手先のグループ化が送信制御前であればどのタイミングも可能である。通信相手先が1つ入力するごとのグループ化であっても、全ての通信相手先の入力完了時点でのグループ化であっても、双方とも送信時にはグループごとに処理される。どちらがよいかは、たとえばファクシミリ装置の設計思想に従う。通信相手先が1つ入力されるごとにグループ化する前者の方式では、修正を行う時のソフトウェア処理が困難であれば、入力バッファが小さくてよい。全ての通信相手先の入力が完了した時点でグループ化する後者の方式では、修正を行う時のソフトウェア処理が簡単である反面、入力バッファを大きくする必要がある。
【0018】
(6)前記制御部は、グループ毎に順次、前記画像データの送信制御を行う。この場合、前記制御部は、ネットワークに接続されている通信相手方のグループを優先して送信制御を行うことができる。また、前記制御部は、グループ毎に並行して、前記画像データの送信制御を行う。
【0019】
本発明では、画像データの送信制御をグループごとに行うものであるが、これを、グループごとに順次行うようにしてもよいし、グループごとに平行して行うようにしてもよい。また、ネットワークに接続されている通信相手方のグループを優先して送信制御を行うと、このタイプの通信相手方が多数あっても通信時間は1つの通信相手に対するそれとほとんど変わらないから、全体の通信時間を短くでき、効率的な送信を実現する。なお、本発明で、ネットワークとは、TCP/IPプロトコルや他のプロトコルを採用してデータ通信を行うネットワークを言い、LANやインターネットを含む。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るファクシミリ装置を使用して画像データを通信するルートを示している。三種類の専用ファクシミリ装置1a〜1cは、それぞれタイプが異なることを表している。ファクシミリ装置1aはインターネットにのみ対応し、ファクシミリ装置1bはインターネットおよび公衆回線の両方に対応し、ファクシミリ装置1cは公衆回線にのみ対応している。なお、ここで公衆回線に対応するとは、公衆回線を介してピアトゥピア(1対1)の接続による通信方式に対応することを意味する。これらの1a〜1cはファクシミリ専用機であるが、これに加えて、ファクシミリ装置と複写装置の両方の機能を持つ複合機1dは、公衆回線とLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されている。このLANにはパソコン2a、2bが接続されており、また、LANはルータ3によってインターネットに接続されている。本発明に係るファクシミリ装置は、図1において、インターネットと公衆回線の両方に対応可能な専用機のファクシミリ装置1bおよび公衆回線とLANに接続されている複合機1dが対応している。
【0021】
図2は、本発明の実施形態であるファクシミリ装置の構成図である。
【0022】
操作パネル10には、各種キーや表示部が設けられており、通信相手先を入力したり後述の登録メモリに記憶する登録データを入力するのに使用される。
【0023】
パネル制御部11は操作パネル10の操作によって入力されたデータを処理し、制御部12に渡したり、相手先判定部13に入力する。
【0024】
相手先判定部13は、登録メモリ13aを備えている。この登録メモリ13aには、短縮ダイヤルに対応する通信相手先と属性データを記憶する。通信相手先は、ここでは、通信相手先のファックス番号またはメールアドレスであり、属性データは、通信相手先がメールアドレスの場合の添付ファイルの形式である。この相手先判定部13は、パネル制御部11から入力された通信相手先、すなわち操作パネル10で入力された通信相手先を、登録メモリ13aに記録されている内容に基づいてグループ化する。通常、この登録メモリ13aには、送信頻度の高い通信相手先が登録されるが、勿論、操作パネル10で通信相手先のFAX番号またはメールアドレスが直接入力された場合にはこの登録メモリのデータが相手先判定に使用されることがない。この場合は、入力されたデータに基づいて直接通信相手先のグループ化が行われる。
【0025】
メモリ14にはグループ化された通信相手先がグループごとに記憶される。同図に示す例では、添付処理のファイル形式および通信相手先の表記方式がグループ化するための登録データとなっている。通信相手先の表記方式とは、アルファベットで表記されるか数字で表記されるかの区別をいう。図2に示すように、メモリ14内では、アルファベット表記方式(すなわち、メールアドレス)のグループ14a、14bと数字表記方式(すなわち、ファックス番号)のグループ14cにグループ化され、さらにメールアドレスのグループが、ファイル形式の属性データによって2つのグループ14a、14bにグループ化されている。このように、この実施形態では、グループ化するための登録データとして、通信相手先の表記方式および属性データとしてのファイル形式を用いているが、属性データとして解像度や通信相手先の端末種別がある場合、これらの登録データに基づいて通信相手先をグループ化することも可能である。
【0026】
したがって、相手先判定部13は、通信相手先の短縮ダイヤルが操作パネル10から入力された時に、それに対応する登録データを登録メモリ13aから読みだして、該読みだした登録データに基づいて入力された通信相手先がどのグループに属するかを判定し、該当のエリアに記憶する。
【0027】
制御部12は、ファクシミリ通信全体を制御する。すなわち、自機から画像データを送信する場合には、読取部15によって読み取られた原稿の画像データをE−mail送受信部18またはFAX送受信部19によって通信相手先に送信する。また、自機が通信相手先の装置から画像データを受信する場合には、E−mail送受信部18またはFAX送受信部19で受信した画像データをプリンタ部17の記録紙上に出力する。
【0028】
メモリ16は、読取部15で読み取った画像データを格納し、これを指定されたファイル形式や解像度、圧縮形式に変換する場合のワークエリアに用いられる。また、受信した画像データを一次的に格納するバッファとしても使用される。なお、E−mail送受信部18はTCP/IPプロトコルに従った通信手順を実行する機能を持ち、図1においてはインターネットまたはLANに接続される。なお、本発明では、ネットワークとはLANとインターネットの両方を含む概念である。また、FAX送受信部19は公衆回線に接続される。したがって、図1においては専用FAX装置1bまたは複合機1dがこのE−mail送受信18およびFAX送受信部18を持っている。
【0029】
操作者によって複数の通信相手先が入力されて、メモリ14に図2に示すようにグループ化されると、制御部12は、グループごとに画像データの送信制御を行う。最初に、グループ14aとグループ14bの通信相手先に対して画像データの送信制御を行い、続いてグループ14cの通信相手先に対して画像データの送信制御を行う。したがって、最初に、E−mail送受信部18から通信相手先のメールアドレスに対して画像データの送信制御が行われ、次にFAX送受信部19を介して相手先のFAX番号に対し、順次画像データの送信制御が行われる。また、グループ14aの通信相手先に対しては、読取部15で読み取った画像データをTIFFのファイル形式に変換し、これを添付ファイルとして送信し、グループ14bの通信相手先に対しては、TIFF−Fのファイル形式に変換してこれを添付ファイルとして送信する。この場合、制御部12が変換制御を行うが、最初に、TIFFへの変換を行い、次にTIFF−Fへの変換を行う。つまり、変換制御手順において、変換形式の変更は一回だけでよい。インターネットでは、送信用のメールサーバに対してデータを1つだけ送れば、後は指定先の複数のメールアドレスに対して配信してくれるために、E−mail送受信部18を介して画像データの送信制御を行う時間は、グループ14a、14bに記憶されているメールアドレス数に無関係にほぼ一定であり、その通信時間は、ほとんど、添付ファイルの容量と通信速度に依存するだけである。このため、ファックス送信に比べて通信時間は非常に短い。
【0030】
制御部12は、上記のようにして、グループ14a、14bの通信相手先メールアドレスに対して画像データの送信制御した後、FAX送受信部19を使用して、グループ14cに記憶されている各通信相手先FAX番号に対し、順次画像データを送信する。すなわち、最初のFAX番号に対して電話接続して画像データを送信した後、次のFAX番号に電話接続して同様の送信制御を行う。これを繰り返して、全てのFAX番号に対して画像データの送信制御を終えた後、全ての通信処理を完了する。
【0031】
なお、上記相手先判定部13は操作パネル10から1つの通信相手先が入力されるたびに、それをグループ化してメモリ14の該当のエリアに記録しているが、相手先判定部13にバッファを設け、操作パネル10から全ての通信相手先がこのバッファに入力されるのを待ってその後、バッファに記録されている各通信相手先を一度にグループ化してメモリ14に記録するようにしてもよい。
【0032】
また、図2に示す装置では、制御部12は、最初にE−mail方式で画像データの送信を行い、次にファクシミリ方式で画像データの送信を行っているが、E−mail送受信部18とFAX送受信部19が同時に駆動可能であるなら、グループ14aとグループ14c、またはグループ14bとグループ14cの各通信相手先に対して平行して画像データの送信制御を行うこともできる。
【0033】
次に、上記制御部12の動作を図3、図4を参照して説明する。
【0034】
ファクシミリ装置の初期状態では、通信相手先の入力が可能なモードになっているから、短縮ダイヤルによって通信相手先が一件入力されると(S1)、入力された短縮ダイヤルに対応する通信相手先が登録メモリ13aから読みだされて、該通信相手先の表記方式が数字かアルファベットかを判断する。すなわち、ファックス番号かメールアドレスかを判断する。通信相手先がファックス番号であれば、グループ14cの記憶エリアにそのファックス番号を記憶する(s3)。また、通信相手先の表記方式がアルファベット、すなわちメールアドレスであれば、属性データであるファイル形式を判断する(s4)。ファイル形式がTIFFであれば、通信相手先のメールアドレスをグループ14aのエリアに記憶し(s5)、ファイル形式がTIFF−Fであれば、通信相手先のメールアドレスをグループ14bのエリアに記憶する(s6)。
【0035】
続いて、次の通信相手先の入力があれば、上記s1〜s6の処理を行い、s7側で全ての通信相手先の入力が完了すればs8に進む。
【0036】
s7が終了した段階では、図2に示すように、入力された全ての通信相手先がグループ化されてメモリ14にグループごとに記憶されている。
【0037】
そこで、これらの処理を終了すると、読取部15において送信原稿を読み取り、読み取った送信原稿データをファクシミリデータ形式であるG3形式にしてメモリ16に保存する(S9)。
【0038】
次に、メモリ14に記憶されているグループ14a、14bの通信相手先メールアドレスを全てE−mail送受信部18に転送し(s10)、s11のメール送信処理に移る。また、次に、グループ14cのエリアに記憶されている全てのFAX番号をFAX送受信部19に転送し(s12)、FAX送信処理を行う(S13)。
【0039】
図4は、上記s11のメール送信処理を示している。
【0040】
最初に、ファイル形式の判定を行い(s21)、TIFF形式であれば、G3データをTIFFデータにフォーマット変換し(s22)、TIFF−Fファイル形式であれば、G3データをTIFF−F形式にフォーマット変換する(s25)。今、グループ14aの各メールアドレスに対して処理をするとすると、s21からs22に進んでフォーマット変換を行う。次に、変換された画像データを添付ファイルとして、これに、現在処理しているグループの全ての通信相手先メールアドレス、自らのメールアドレス、日時などを含むメールヘッダを追加し(s23)、1通のメールとして送信する(s24)。続いて、次のグループに対して上記s21以下の処理を行う。全てのグループに対するメール送信処理を終えると図3のs12にリターンする。このメール送信処理では、s24のメール発信がファイル形式に基づいてグループ化されているグループ数だけ行われる。たとえば、図2に示す例では、ファイル形式が2つであるために、メール発信処理は2回である。
【0041】
図5は、上記図3のs13に示すFAX送信処理を示している。このFAX送信処理では、一件ずつ順次送信動作を行う。カウンタnは送信回数を表し、s32においてn番目の通信相手先を発呼しs33でFAXデータを送信する。その通信相手先の回線を閉じて(s34)、次の相手先があれば(s35)、カウンタnを1つ増やして上記s32以下を実行する。
【0042】
以上のようにして、最初に、メール送信処理を行い、続いてFAX送信処理を行うことにより、電子メール対応の通信相手先に対しては即時処理を行うことができるとともに、全ての通信相手先に対し全体として最も効率的な送信制御を行うことができる。
【0043】
なお、以上の実施形態では、通信方式として、電子メールによる通信方式とファクシミリによる通信方式を示したが、これ以外の通信方式、たとえば電波を用いた通信方式にも本発明を適用することができる。また、通信相手先は必ずしもファクシミリ装置である必要はなく、画像データを送信できる機能を持つ装置であればパソコンであってもかまわない。また、属性データとしては、上記のTIFF、TIFF−Fのファイル形式に限らず、PDF、JPEG、MPEGなどの形式であっても良く、さらには、送信データの解像度(300dpi、600dpi・・・)を属性データとしてもよく、また、圧縮方式(lzh、zipなど)を属性データとし、これに基づいて通信相手先をさらに細かくグループ化することも可能である。
【0044】
また、登録メモリ13aには短縮ダイヤルに対応する通信相手先を記憶するようにしているが、ワンタッチダイヤルに対応する通信相手先を記憶することも可能であり、また、通信相手先と属性データを操作パネル10から直接入力することも可能である。また、図3に示すように、1つの通信相手先が入力されるごとにその通信相手先をグループ化しているが、相手先判定部13にバッファを設け、このバッファ内に全ての入力された通信相手先を記憶しておき、その後にまとめて通信相手先をグールプ化することも可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、入力された通信相手先を最初にグループ化し、そのグループごとに画像データの送信制御を行うようにしているために、極めて効率的な送信が可能となる。特に、通信方式の1つが電子メール通信方式である場合、その電子メール通信方式の通信相手先がグループ化されることによって、一度の画像データの送信制御によってそのグループ内の全ての通信相手先に画像データの発信を行うことができるため、即時送信することができ、これを最初に処理することにより全体として非常に効率的な送信が可能となる。
【0046】
また、通信相手先をグループ化する登録データとして、各種の属性データを使用することにより、状況に応じた適切なグループ分けが可能となり、より効率的な送信制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置を使用して画像データの送信制御を行うルートを示す図である。
【図2】本発明の実施形態であるファクシミリ装置の構成図
【図3】同ファクシミリ装置の動作を示すフローチャート
【図4】同ファクシミリ装置のメール送信処理を示すフローチャート
【図5】同ファクシミリ装置のFAX送信処理を示すフローチャート

Claims (7)

  1. 同一の画像データを複数の相手へ、公衆回線を使用するファクシミリ方式若しくはネットワークを使用する電子メール方式を用いて同報送信する機能を持つファクシミリ装置において、
    短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルの入力時に、その入力された短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルに対応する通信相手先を含む登録データを登録メモリから読み出し、
    入力された通信相手先をファクシミリ方式若しくは電子メール方式でグループ化するとともに、電子メール方式については、通信相手先に対して送信する添付書類の書式でグループ化する相手先判定部と、グループ化された通信相手先をグループ毎に記憶するメモリと、グループ毎に前記画像データの送信制御を行う制御部と、を備えてなるファクシミリ装置。
  2. 同一の画像データを複数の相手へ、公衆回線を使用するファクシミリ方式若しくはネットワークを使用する電子メール方式を用いて同報送信する機能を持つファクシミリ装置において、
    短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルの入力時に、その入力された短縮ダイヤルまたはワンタッチダイヤルに対応する通信相手先を含む登録データを登録メモリから読み出し、
    入力された通信相手先をファクシミリ方式若しくは電子メール方式でグループ化するとともに、電子メール方式については、通信相手先に対して送信する添付書類の解像度でグループ化する相手先判定部と、グループ化された通信相手先をグループ毎に記憶するメモリと、グループ毎に前記画像データの送信制御を行う制御部と、を備えてなるファクシミリ装置。
  3. 前記相手先判定部は、通信相手先が一つ入力される毎に該入力された通信相手先をグループ化する請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
  4. 前記相手先判定部は、全ての通信相手先の入力が完了した時点で該入力された全ての通信相手先をグループ化する請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
  5. 前記制御部は、グループ毎に順次、前記画像データの送信制御を行う請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
  6. 前記制御部は、ネットワークに接続されている通信相手方のグループを優先して送信制御を行う請求項1又は2記載のファクシミリ装置。
  7. 前記制御部は、グループ毎に並行して、前記画像データの送信制御を行う請求項1又は2記載のファクシミリ装置。
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