JP3979815B2 - ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法 - Google Patents

ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3979815B2
JP3979815B2 JP2001311573A JP2001311573A JP3979815B2 JP 3979815 B2 JP3979815 B2 JP 3979815B2 JP 2001311573 A JP2001311573 A JP 2001311573A JP 2001311573 A JP2001311573 A JP 2001311573A JP 3979815 B2 JP3979815 B2 JP 3979815B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass container
flame
glass
polishing apparatus
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001311573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003119042A (ja
Inventor
重治 石亀
鉄男 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koa Glass Co Ltd
Original Assignee
Koa Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koa Glass Co Ltd filed Critical Koa Glass Co Ltd
Priority to JP2001311573A priority Critical patent/JP3979815B2/ja
Publication of JP2003119042A publication Critical patent/JP2003119042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3979815B2 publication Critical patent/JP3979815B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B29/00Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins
    • C03B29/04Reheating glass products for softening or fusing their surfaces; Fire-polishing; Fusing of margins in a continuous way

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス容器用火炎研磨装置(以下、単に、火炎研磨装置と称する場合がある。)、およびガラス容器の火炎研磨方法(以下、単に、火炎研磨方法と称する場合がある。)に関する。特に、ガラス容器の表面を均一かつ効果的に火炎研磨可能なガラス容器用火炎研磨装置、およびそれを用いたガラス容器の火炎研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火炎を用いてガラス容器の表面を研磨するための火炎研磨装置が、特開昭50−17416号公報、特開平3−242338号公報、特開平5−85763号公報、および米国特許3,188,190号公報等に開示されている。
このような火炎研磨装置の一例を図12に示す。かかる火炎研磨装置210は、ガラス容器を直線状に移動させるためのベルトコンベヤー226と、当該ベルトコンベヤー226の両側に配列された複数のガスバーナー212と、から基本的に構成されており、ベルトコンベヤー226によって移動するガラス容器220の表面に、例えば1500℃以上の火炎を20〜30秒程度吹き付けることによって、火炎研磨処理を実施していた。また、ガラス容器220の表面における温度分布がより均一になるように、図示はしないが、ベルトコンベヤー226上で、所望によりガラス容器220を回転させていた。
しかしながら、このような構成の火炎研磨装置210を用いても、均一な温度分布が得られるようにガラス容器を加熱することは困難であって、ガラス容器が歪んだり、ひび割れが発生したりするなどの問題が見られた。
また、このような構成の火炎研磨装置210を用いた場合、火炎研磨後のガラス容器の表面における凹凸は、平均値で約0.1〜0.2μm程度であって、平滑性としても不十分であった。
さらに、ガラス容器を移送させるためのベルトコンベヤー226についても、複数のガスバーナー212から、直接的に火炎が噴射されるため、ベルトコンベヤー226自体が熱劣化するという問題も見られた。
【0003】
そのため、出願人は、すでに特開平9−48625号公報において、燃焼ガスとして、炭化水素ガスおよび酸素ガス等を用い、これらの燃焼ガスをガスバーナーの出口の通過直後に混合して燃焼ガスにするとともに、燃焼させて得られた火炎を、概ね直線的に吹き付けることを特徴としたガラス容器の研磨方法を提案している。
かかる火炎研磨方法によれば、安価に、しかも精度良くガラス表面を研磨することができるという効果を得ることができる。また、火炎を概ね直線的に吹き付けるため、ベルトコンベヤーの熱劣化を少なくすることも可能である。
しかしながら、複数のガスバーナーを直線状に配置した場合、隣接するガスバーナーの間隙において、火炎が噴射されない個所(繋ぎ目)が生じ、ガラス容器の表面温度にばらつきが生じる場合が見られた。そのため、ベルトコンベヤーによるガラス容器の移動速度を比較的遅くすると、わずかではあるが、ガラス容器が歪んだり、ひび割れが発生したりするなどの問題(いわゆる繋ぎ目不良)が見られた。また、ベルトコンベヤーの熱劣化が少ないといっても、耐久性については、いまだ不十分であった。
【0004】
そこで、本発明の発明者らはさらに鋭意検討した結果、ガラス容器用支持部を用いるとともに、火炎放射部を特定位置に配置するだけで、隣接するガスバーナーの間隙における繋ぎ目不良の問題や、ベルトコンベヤーの熱劣化の問題を解決できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、簡易な構造であって、ガラス容器の表面を均一かつ効果的に火炎研磨処理可能なガラス容器用火炎研磨装置、およびそのような火炎研磨装置を用いたガラス容器の火炎研磨方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、火炎を用いてガラス容器表面を研磨するための火炎研磨装置において、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部と、を備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあるガラス容器用火炎研磨装置が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、ガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器表面を研磨するための火炎研磨装置において、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、移動仮想曲線における、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてある火炎研磨装置を構成することにより、複数の火炎放射部からの火炎が、繋ぎ目なくかつ均一に噴射されるため、ガラス容器におけるひび割れ等の発生を有効に防止しながら、短時間で火炎研磨可能な火炎研磨装置を提供することができる。
また、このように火炎研磨装置を構成することにより、実質的に平面形状を円形とすることができるため、簡易な構造であって、しかも省スペースの火炎研磨装置を提供することができる。
【0006】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、ガラス用支持部を自転させるための自転駆動部をさらに備えてあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、ガラス容器の表面に対して、部分的に火炎が噴射されることがさらに少なくなり、ガラス容器の表面温度をより均一化できるとともに、短時間で火炎研磨可能な火炎研磨装置を提供することができる。
【0007】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、移動仮想曲線の片側に、複数の火炎放射部が放射状に配置してあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、ガラス容器の表面温度の制御が容易となるとともに、火炎研磨装置を経済的に提供することができる。また、このように火炎研磨装置を構成した場合、火炎研磨装置の設置スペースをさらに小さくすることができる。
【0008】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、移動仮想曲線において、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側と反対側に、実質的に円筒状の断熱反射板が設けてあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、ガラス容器を一旦透過した熱が、断熱反射板により、反射されて戻ってくるため、表面温度をより均一化できるとともに、短時間で火炎研磨可能な火炎研磨装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、二酸化炭素吸収装置が周囲に設けてあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、発生した二酸化炭素等を容易に回収することができ、周囲の酸素濃度を一定化させて、不完全燃焼が少ない火炎研磨装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、ガラス容器用の製造ラインのバイパス部を構成するとともに、ガラス容器のラインから火炎研磨処理前のガラス容器を、ガラス容器用支持部に載置するための搬入装置と、ガラス容器用支持部からガラス容器の製造ラインへ火炎研磨処理したガラス容器を搬出するための搬出装置と、が設けてあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、従来のガラス容器の製造ラインにそのまま組み込むことができ、効率的かつ経済的に火炎研磨可能な火炎研磨装置を提供することができる。
【0011】
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、移動仮想曲線の終端部に、ガラス加飾用塗布装置が設けてあることが好ましい。
このように火炎研磨装置を構成することにより、火炎研磨に利用した火炎の熱を再利用して、ガラス容器の表面に塗装処理可能な火炎研磨装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明の別の実施態様は、火炎を用いてガラス容器表面を研磨するための火炎研磨方法であって、ガラス容器をガラス容器支持部により円弧状に移動させるとともに、当該ガラス容器に対して、放射状に配置された複数の火炎放射部から火炎を噴射することを特徴とするガラス容器の火炎研磨方法である。
すなわち、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、移動仮想曲線における、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてある火炎研磨装置を用いてなる火炎によりガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器の表面を研磨するための火炎研磨方法において、ガラス容器をガラス容器支持部により円弧状に移動させるとともに、当該ガラス容器に対して、放射状に配置された複数の火炎放射部から火炎を噴射することにより、複数の火炎放射部からの火炎が、繋ぎ目なくかつ均一に噴射されるため、ガラス容器の表面温度を均一化できるとともに、短時間に火炎研磨処理することができる。
【0013】
また、本発明のガラス容器の火炎研磨方法を実施するにあたり、火炎を噴射する際に、ガラス容器を円弧状に移動させながら自転させることが好ましい。
このように火炎研磨方法を実施することにより、ガラス容器の表面に部分的に火炎が噴射されることがなくなり、表面温度をより均一化できるとともに、短時間に火炎研磨処理することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、火炎を用いてガラス容器表面を研磨するための火炎研磨装置であって、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあるガラス容器用火炎研磨装置である。
すなわち、ガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器表面を研磨するための火炎研磨装置において、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、移動仮想曲線における、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてある火炎研磨装置である。
以下、構成要件に分けて具体的に説明する。
【0015】
1.ガラス容器用支持部
(1)形態
ガラス容器用支持部の形態は、ガラス容器を支持できるものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、図1に示すように、実質的に円筒状容器からなるガラス容器用支持部14であって、さらに円筒状容器の内部に窪み等からなる固定部16を有することが好ましい。
このような形態であれば、ガラス容器用支持部14の固定部16にガラス容器を載置するだけで、強固に支持することが可能である。したがって、ガラス容器を円弧状に移送した場合や、自転させた場合であっても、転倒するおそれが少なくなる。
また、円筒状容器からなるガラス容器用支持部であれば、所定の高さを有するため、駆動部としてのベルトコンベアー等が火炎により直接的に加熱されることが少なくなる。したがって、ベルトコンベアー等の熱劣化を有効に防止することができ、火炎研磨装置を経済的に提供することができる。
【0016】
また、かかるガラス容器用支持部は、火炎放射部からの火炎の一部が噴射される場合があるため、1500℃以上の耐熱性を有する材料から構成することが好ましい。一例として、炭素繊維を30〜60体積%の範囲で含むとともに、1500℃以上の高温で焼成したセラミック材料を使用することが好ましい。
さらに、かかるガラス容器用支持部は、熱伝導率が低い材料から構成してあることが好ましい。熱伝導率が高い材料、例えば、金属を使用した場合、ガラス容器からガラス容器用支持部への伝熱量が多くなり、ガラス容器温度が所望温度まで上昇するのが困難となるばかりか、ガラス容器が歪んだり、破損しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、ガラス容器用支持部の構成材料の熱伝導率を1〜100kcal/(m・hr・℃)の範囲内の値とすることが好ましく、5〜50kcal/(m・hr・℃)の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0017】
(2)自転駆動部
また、ガラス容器用支持部は、火炎を噴射させてより均一に加熱できるように、ガラス容器を自転させるための自転駆動部を備えることが好ましい。
すなわち、図1のガラス容器用支持部には図示しないが、ガラス容器用支持部の下部や側方に、自転駆動部としてのモーターやローラー、あるいはベアリング等を設けて、ガラス容器用支持部を自転させることが好ましい。
【0018】
2.火炎放射部
(1)形態
火炎放射部の形態は、特に制限されるものではないが、例えば、図3に示すような直線状にガス出口102、103が配置されたガスバーナー12を使用することが好ましい。
すなわち、二種類のガス入口106、107と、大小のガス出口102、103と、バーナー本体101と、バーナー延長部105と、ガス流量計111と、弁110と、ガス貯蔵部108、109等からなるガスバーナー12が好適である。そして、二種類のガス入口106、107から、ガス流量計111を介してそれぞれ導入された炭化水素ガス及び酸素等は、圧力損失が可及的に少なくなるように、ガス出口106、107付近まで混合されることがない、いわゆる先混合型バーナーであることが好ましい。
また、火炎を所定位置のみに噴射可能とし、予定外の箇所に放射されないよう、バーナー出口において、噴射方向、少なくとも噴射方向の上方側には、図3に示すように、制御板104を設けることが好ましい。
また、火炎放射部を放射状に配置した場合に、隣接する火炎放射部同士を機械的に結合できるように、例えば、フック状の結合部(図示せず。)をそれぞれ有することが好ましい。
さらに、火炎放射部を放射状に配置した場合に、隣接する火炎放射部同士を密着配置できるように、火炎放射部の中ほどを湾曲させて、円弧状の形態とすることも好ましい。
【0019】
(2)数
また、火炎放射部の数は、火炎研磨処理時間や、火炎処理効果等を考慮して定めることが好ましいが、例えば、2〜30個の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、火炎放射部の数が2個未満となると、放射状に配置することが困難となり、ガラス容器の表面温度を均一化したり、短時間で火炎研磨処理したりすることが困難となるためである。一方、火炎放射部の数が30個を超えると、火炎研磨装置が過度に大きくなる場合があるためである。
したがって、火炎放射部の数を4〜20個の範囲内の値とすることがより好ましく、6〜15個の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、火炎放射部の数が比較的少ない場合、例えば5個以内の場合には、放射状に容易に配置できるように、上述した円弧状の形態を有する火炎放射部を使用することが好ましい。
【0020】
(3)配置
第1の実施形態において、図1に示すように、ガラス容器用支持部14が移動する移動仮想曲線(ラインD)、この場合は、所定間隔離れたベルトコンベアー18の外周線とほぼ一致するが、かかる移動仮想曲線(ラインD)に沿って、複数の火炎放射部12a〜12g(火炎放射部12hは予備火炎放射部である。)が放射状に配置してあることが必要である。
この理由は、複数の火炎放射部12a〜12gを放射状に配置することにより、複数の火炎放射部からの火炎が、隣接する火炎放射部の間隙においても、継ぎ目なくかつ均一に噴射されるため、ガラス容器におけるひび割れの発生を有効に防止しながら、ガラス容器の表面温度を均一化できるとともに、短時間で火炎研磨処理することができるためである。
【0021】
ここで、図5〜図11を参照して、放射状に配置された各火炎放射部の位置と、ガラス容器の温度分布との関係を詳細に説明する。
図5〜図11は、図1に示す火炎研磨装置の各火炎放射部12a〜12g(12hは不使用)における、火炎噴射中のガラス容器の赤外線温度測定装置により取得した温度分布図である。
例えば、図5は、最初の火炎放射部12aにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が0.4秒程度での温度分布図であって、全体的に緑色(指示温度領域:700〜820℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点I、J、KおよびLの温度を示してあり、それぞれ817℃、800.5℃、780.5℃および710℃である。
したがって、最初の火炎放射部12aにおけるガラス容器では、表面の各地点の温度差が最大107℃と比較的大きな値となっていることが理解される。
また、図6は、図1に示す第2の火炎放射部12bにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が2秒程度での温度分布図であって、全体的に黄色色(指示温度領域:820〜890℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点A、BおよびCの温度を示してあり、それぞれ905℃、898℃および830.5℃である。
したがって、第2の火炎放射部12bにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、ガラス容器表面の各地点の温度が上昇するものの、その温度差は最大でも74.5℃と比較的小さな値になっていることが理解される。
また、図7は、図1に示す第3の火炎放射部12cにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が4秒程度での温度分布図であって、全体的に黄色〜オレンジ色(指示温度領域:820〜990℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点I、JおよびKの温度を示してあり、それぞれ986℃、975℃および910℃である。
したがって、第3の火炎放射部12cにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、表面の各地点の温度が上昇するものの、その温度差は最大でも76℃と比較的小さな値になっていることが理解される。
【0022】
また、図8は、図1に示す第4の火炎放射部12dにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が6秒程度での温度分布図であって、全体的に黄色〜オレンジ色(指示温度領域:820〜990℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点A、B、CおよびDの温度を示してあり、それぞれ983.5℃、978.5℃、960.5℃、および916℃である。
したがって、第4の火炎放射部12dにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、表面の各地点の温度はわずかに上昇するものの、その温度差は最大でも67.5℃と比較的小さな値になっていることが理解される。
また、図9は、図1に示す第5の火炎放射部12eにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が8秒程度での温度分布図であって、全体的にオレンジ色(指示温度領域:960〜1030℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点A、B、およびCの温度を示してあり、それぞれ1031℃、1014.5℃および960℃である。
したがって、第5の火炎放射部12eにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、表面の各地点の温度がわずかに上昇するものの、その温度差は最大でも71℃と比較的小さな値になっていることが理解される。
【0023】
また、図10は、図1に示す第6の火炎放射部12fにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が10秒程度での温度分布図であって、全体的にオレンジ色(指示温度領域:960〜1030℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点I、JおよびKの温度を示してあり、それぞれ1024℃、1013℃、および960℃である。
したがって、第6の火炎放射部12fにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、表面の各地点の温度がわずかに上昇するものの、その温度差は最大でも64℃と比較的小さな値になっていることが理解される。
また、図11は、図1に示す第7の火炎放射部12gにおいて、図面上、右方向から火炎を噴射して、火炎噴射時間が12秒程度での温度分布図であって、全体的にオレンジ色〜赤色(指示温度領域:960〜1070℃)であることを示している。また、欄外に、ガラス容器表面の任意の地点A、B、およびCの温度を示してあり、それぞれ1066℃、1064℃、および1008℃である。
したがって、第7の火炎放射部12gにおけるガラス容器では、火炎噴射時間が長くなるにつれて、表面の各地点の温度がわずかに上昇するものの、その温度差は最大でも56℃と比較的小さな値となっていることが理解される。
【0024】
一方、図1と同様の火炎放射部を、直線状に横一列に配置した場合、赤外線温度測定装置で測定したガラス容器の各地点の温度差は、火炎噴射時間が2秒程度では約120℃であり、火炎噴射時間が6秒程度に長くなっても約90℃であることが判明している。
すなわち、複数の火炎放射部を放射状に配置することにより、複数の火炎放射部からの火炎が、隣接する火炎放射部の間隙においても、つなぎ目なく、かつ均一に噴射されるため、複数の火炎放射部を直線状に横一列に配置した場合と比較して、ガラス容器の表面温度をより均一化することができるとともに、より短時間で火炎研磨処理が可能であることが理解される。
【0025】
また、放射状に配置された複数の火炎放射部において、最初の火炎放射部と、最後の火炎放射部とがなす角度を45〜320°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる角度が45°未満の値となると、配置可能な火炎放射部の数が過度に制限されたり、ガラス容器への火炎噴射時間が短くなって、均一に火炎研磨したりすることが困難となる場合があるためである。一方、かかる角度が320°を超えると、製造ラインからの搬入口や、搬出口の大きさや形態が過度に制限されるとともに、火炎放射部の数が多くなって、製造ラインへの組み入れが困難となる場合があるためである。
したがって、最初の火炎放射部と、最後の火炎放射部とがなす角度を60〜300°の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜250°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0026】
また、複数の火炎放射部を、図1に示すように、移動仮想曲線の片側に配置してあることが好ましい。
このように火炎放射部を配置することにより、ガラス容器の表面温度の制御が容易となるとともに、火炎研磨装置を経済的に提供することができる。また、このように火炎放射部を配置した場合、火炎放射部の設置スペースをより小さくすることができる。
さらに、火炎放射部を移動仮想曲線の片側に配置してあることにより、火炎放射部側の後方に赤外線温度測定装置等の測定機器を設けて、ガラス容器温度を実測することも可能となる。
なお、複数の火炎放射部を、移動仮想曲線の片側に配置した場合には、後述するように、移動仮想曲線における、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側に、実質的に円筒状の断熱反射板を設けることが好ましい。
【0027】
3.駆動部
また、ガラス容器用支持部は、ガラス容器を円弧状に移動させるために、それに対応した動作をする必要がある。そのため、ガラス容器用支持部に対して、円弧状の移転動作(公転)をさせるための駆動部を設けることが必要である。
このような駆動部としては、例えば、図1および図2に示すような、全体として円板状のガイドプレートに取り付けられたベルトコンベアー18が挙げられる。そして、このようなベルトコンベアー18によって、複数のガラス容器用支持部14を、所定速度で同時かつ連続的に移送することが好ましい。なお、図2に示すように、かかるベルトコンベアー18を動作させるためのモーター52を別途設けることが好ましい。
また、ガラス容器用支持部がスム−ズに移送され、途中で転倒等しないように、駆動部に対して固定可能であることが好ましい。例えば、ボルト/ナットあるいは磁石等を用いて、ガラス容器用支持部を、駆動部に対して機械的あるいは物理的に固定することが好ましい。
【0028】
4.断熱反射板
また、第1の実施形態のガラス容器用火炎研磨装置を構成するにあたり、移動仮想曲線に対して、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側に、図1に示すような、実質的に円筒状の断熱反射板20を設けることが好ましい。
このような断熱反射板を設けることにより、ガラス容器を一旦透過した熱が、断熱反射板により、反射されて戻ってくるため、火炎放射部と反対側からも加熱することができ、ガラス容器の表面温度をより均一化できるとともに、短時間に火炎研磨することが可能となる。
また、断熱反射板の形状が実質的に円筒状であれば、放射状に配置した火炎放射部との間の距離がほぼ一定となり、ガラス容器の表面温度をより均一化することができる。
さらに、断熱反射板の形態としては特に制限されるものではないが、例えば、ガラスウールを表面に積層したステンレス板から構成することが好ましい。このような断熱反射板であれば、軽量化が図られるとともに、優れた熱反射効果を発揮することができる。
【0029】
5.二酸化炭素吸収装置
また、第1の実施形態の火炎研磨装置を構成するにあたり、例えば、図2に示すような二酸化炭素吸収装置50が周囲、特に火炎研磨装置10の上方に設けてあることが好ましい。
このように二酸化炭素吸収装置を設けることにより、火炎放射部において発生した二酸化炭素を初め、一酸化炭素やスス等についても容易に吸収することができ、火炎放射部を含む火炎研磨装置の周囲における酸素濃度を一定にすることができる。
したがって、火炎放射部における不完全燃焼等を有効に防止することができ、また、火炎放射部の周辺における人間の作業環境の整備をすることもできる。
【0030】
6.ガラス用加飾塗布装置
また、第1の実施形態の火炎研磨装置を構成するにあたり、火炎放射部の一部に、例えば、図1に示すようなガラス加飾用塗布装置34およびそれに連なる塗料タンク36が設けてあることが好ましい。
このようにガラス加飾用塗布装置等を設けることにより、着色顔料を含むセラミック系塗料等の硬化性塗料を塗布装置の先端部から吹き付け、火炎研磨に利用した火炎の熱を再利用して乾燥、硬化等させることにより、ガラス容器の周囲を塗装して、加飾することが可能である。
また、このように硬化性塗料を乾燥、硬化等させることにより、ガラス容器が有する熱を急激に奪うため、ガラス容器温度の低下にも役立つことになる。
一方、移動仮想曲線の終端部におけるガラス容器は、通常、500〜700℃の温度を有するため、有機溶剤を多量に含んだ塗料を使用すると、過度に発泡して、均一な塗膜が得られない場合がある。したがって、できれば無溶剤型塗料を使用し、あるいは、溶剤の使用量を可及的に少なくして、溶剤の発泡による影響を排除することが好ましい。
また、図1上、ガラス加飾用塗布装置34は、移動仮想曲線の終端部に、設けてあるが、例えば、火炎放射部12fと、火炎放射部12gとの間に設けることも好ましい。このように構成すると、一部火炎研磨処理を実施しながら、塗料の塗布および硬化を同時に行うことができる。
【0031】
7.製造ライン
また、第1の実施形態の火炎研磨装置を構成するにあたり、図1に示すように、ガラス容器用の製造ライン26のバイパス部を構成することが好ましい。そして、ガラス容器の製造ライン26から火炎研磨処理前のガラス容器を、ガラス容器用支持部14上に載置するための搬入装置28と、ガラス容器用支持部14からガラス容器の製造ライン26へ火炎研磨処理したガラス容器を搬出するための搬出装置30とがそれぞれ設けてあることが好ましい。
また、搬入装置28は、湾曲したアームであって、側方に位置する回転ロール22と協同して、矢印Aが示す方向に移送されてきた火炎研磨処理前のガラス容器を、ガラス容器用支持部14上に自動的に載置可能に構成してあることが好ましい。
さらにまた、搬出装置30も湾曲したアームであって、側方に位置する回転ロール32と協同して、火炎研磨処理後のガラス容器が、ガラス容器用支持部14から、製造ライン26上に、自動的に載置されて、矢印Bが示す方向に移送可能に構成してあることが好ましい。
このように火炎研磨装置10を構成することにより、従来のガラス容器の製造ライン26に、バイパス部として、そのまま組み込むことができる。すなわち、第1の実施形態の火炎研磨装置は、実質的に平面形状が円形であるため、火炎放射部の数が同一であれば、直線状の火炎研磨装置と比較して、必要スペースが全体として狭く、従来のガラス容器の製造ライン26の一部に、搬入装置28と、搬出装置30とを近接して設けるだけで、組み込むことが可能である。
また、第1の実施形態の火炎研磨装置によれば、迅速かつ短時間に研磨処理が行えるため、ガラス容器の製造ラインの生産速度と、研磨処理速度とを実質的に一致させることができるため、火炎研磨装置を組み込んだとしても、製造ライン全体の生産効率を低下させるおそれが少なくなる。
よって、このように火炎研磨装置を構成することにより、従来のガラス容器の製造ラインのバイパス部として、ガラス容器を効率的かつ経済的に火炎研磨処理することが可能である。
【0032】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、火炎を用いてガラス容器表面を研磨するための火炎研磨方法であって、ガラス容器をガラス容器支持部により円弧状に移動させるとともに、当該ガラス容器に対して、放射状に配置された複数の火炎放射部から火炎を噴射することを特徴とするガラス容器の火炎研磨方法である。
すなわち、ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、移動仮想曲線における、複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてある火炎研磨装置を用いてなる火炎によりガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器の表面を研磨するための火炎研磨方法において、ガラス容器をガラス容器支持部により円弧状に移動させるとともに、当該ガラス容器に対して、放射状に配置された複数の火炎放射部から火炎を噴射することを特徴とするガラス容器の火炎研磨方法である。
以下、構成要件に分けて具体的に説明する。
【0033】
1.ガラス容器の移動工程
(1)移動速度
ガラス容器用支持部を円弧状に移送するにあたり、第1の実施形態で述べたように、全体として円板状であって、エンドレス型のベルトコンベアーを使用した場合、その回転速度を0.1〜15rpmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる回転速度が0.1rpm未満の値となると、ガラス容器の生産効率が過度に低下したり、過度に火炎研磨処理を施したりする場合があるためである。一方、かかる回転速度が15rpmを超えると、実質的な加熱時間が短くなり、均一に火炎研磨処理を施すことが困難となる場合があるためである。したがって、全体として円板状のベルトコンベアー等を使用した場合、その回転速度を0.5〜10rpmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5rpmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、駆動部に、円板状のベルトコンベアー等を使用しない場合であっても、回転速度と実質的に等価スピードでガラス容器用支持部を移送することが好ましい。
【0034】
(2)自転速度
また、ガラス容器用支持部を円弧状に移送するにあたり、さらにガラス容器用支持部を自転させた場合、その自転速度を10〜150rpmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる自転速度が10rpm未満の値となると、ガラス容器の表面における温度分布が大きくなり、均一に火炎研磨処理を施すことが困難となる場合があるためである。一方、かかる自転速度が150rpmを超えると、均一に火炎研磨処理を施すことが困難となる場合があるためである。
したがって、ガラス容器用支持部の自転速度を50〜100rpmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0035】
2.火炎噴射工程
(1)火炎噴射時間
また、ガラス容器に対する火炎噴射時間を2〜60秒の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる火炎噴射時間を2秒未満の値となると、ガラス容器の表面研磨が不十分となって、得られるガラス容器の表面平滑性が劣る場合があるためである。一方、かかる火炎噴射時間が60秒を超えると、生産性が低下したり、ガラス容器が熱変形してしまい、所定形状を保持することが困難となる場合があるためである。また、火炎噴射時間が60秒を超えると、ガラス容器温度が過度に上昇し、温度が低下するまでの放置時間も過度に長くなる場合があるためである。
したがって、火炎噴射時間を4〜30秒の範囲内の値とすることがより好ましく、6〜15秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0036】
ここで、図4(A)を参照して、ガラス容器温度に対する火炎噴射時間の影響を詳細に説明する。図4(A)は、横軸に火炎噴射時間(秒)を採って示してあり、縦軸に、赤外線温度測定装置により測定したガラス容器の平均温度(℃)を採って示してある。
図4(A)から容易に理解できるように、火炎噴射時間が長い程、ガラス容器の平均温度は高くなるものの、火炎噴射時間にかかわらず、ガラス容器温度が次第に一定になる傾向が見られた。
例えば、火炎噴射時間が2秒未満の値であると、ガラス容器温度は900℃未満の値であるが、火炎噴射時間が2〜6秒未満の範囲内の値となると、ガラス容器温度は900℃〜1000℃程度の温度まで上昇し、さらに、火炎噴射時間が6〜12秒の範囲内の値となると、ガラス容器温度は1000℃〜1030℃程度の温度に上昇している。
したがって、ガラス容器に対する火炎噴射時間を2〜60秒の範囲内の値とすることにより、ガラス容器温度を所定温度に上昇させることができ、均一に火炎研磨処理を実施することが可能である。
【0037】
また、火炎噴射時間が、火炎噴射後のガラス容器温度にも影響することが判明している。そこで、図4(B)を参照して、火炎噴射後のガラス容器温度に対する放置時間の影響を詳細に説明する。
図4(B)は、横軸に火炎噴射後の放置時間(秒)を採って示してあり、縦軸に、赤外線温度測定装置により測定したガラス容器温度(℃)を採って示してある。
図4(B)から容易に理解できるように、放置時間が長い程、ガラス容器温度は低下するものの、次第にガラス容器温度が一定になる傾向が見られた。例えば、放置時間が2秒程度の場合には、1000℃付近の温度が、800℃程度まで、急激に温度が下降することが理解される。一方、その後は、放置時間が長くなっても、ガラス容器温度は徐々に低下するものの、700℃程度に達するばかりである。
したがって、ガラス容器に対する火炎噴射時間を2〜60秒の範囲内の値とすることにより、上述したようにガラス容器温度を所定温度に上昇させることができ、その後、放置時間を2秒以上とすることにより、ガラス容器温度を所定温度以下に低下させることができ、その後のガラス容器の取り扱いが容易となる。
【0038】
(2)火炎噴射速度
また、火炎の噴射速度を調節して、ガラス容器の昇温速度を100〜400℃/10秒の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるガラス容器の昇温速度が100℃/10秒未満の値となると、ガラス容器の表面研磨が不十分となって、表面平滑性が劣る場合があるためである。一方、かかるガラス容器の昇温速度が400℃/10秒を超えると、ガラス容器の内部に発生する歪みが大きくなって、ひび割れが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、火炎の噴射速度や燃焼ガスの種類等を調節して、ガラス容器の昇温速度を150〜350℃/10秒の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜300℃/10秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】
(3)ガラス容器温度
また、ガラス容器を構成するガラスの種類にもよるが、上述した火炎噴射時間や火炎の噴射速度を調節して、ガラス容器温度を900〜1500℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ソーダガラス等を使用した場合、かかるガラス容器温度が900℃未満の値となると、ガラス容器の表面研磨が不十分となって、表面平滑性が劣る場合があるためである。一方、かかるガラス容器温度が1500℃を超えると、ソーダガラス等を使用した場合に、ガラス容器が熱変形してしまい、所定形状を保持することが困難となる場合があるためである。
したがって、ガラス容器温度を950〜1300℃の範囲内の値とすることがより好ましく、980〜1200℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0040】
(4)燃焼ガス
また、ガラス容器に対する研磨処理速度が速くなるため、火炎放射部において、高発熱量の燃焼ガスを使用することが好ましいが、その主成分として、炭化水素ガス、例えば、天然ガス、都市ガス、プロパンガス(LPG)、または水素を使用することが好ましい。そして、かかる主成分の燃焼ガスに対して、理論燃焼式に沿った酸素を併用することが好ましい。
また、上述したように、先混合型ガスバーナーを使用する場合であっても、炭化水素ガスや水素を予め、空気または酸素により、体積比で1/2〜1/5の割合に希釈してあることが好ましい。その場合、炭化水素ガスや水素の体積比率を、酸素、空気及び炭化水素の混合系において、8〜20vol%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0041】
【実施例】
[実施例1]
(1)ガラス容器の火炎研磨処理
ガラス容器の製造ラインに組み入れられた図1に示す火炎研磨装置を用いて、ガラス容器の火炎研磨処理を実施した。
すなわち、自動製瓶機(ISマシン)によって成型されたガラス容器を、製造ラインにおけるベルトコンベアーに乗せて、図1に示す火炎研磨装置の搬入口まで移送した。
次いで、搬入口において、搬入装置により、平面形状が円形状のガラス容器用支持部に対して、ガラス容器を自動的に載置した。なお、ガラス容器用支持部は、直径5cm、高さ10cmの円筒状容器であって、炭素繊維を40vol%含有する1500℃焼成セラミック材料(密度1.7g/cm3、熱膨張係数1×10-6/℃、熱伝導率15kcal/(m・hr・℃))から構成した。
次いで、2rpmの回転速度で円形状のベルトコンベアーを円弧状に回転移動させるとともに、ガラス容器用支持部を150rpmで自転させながら、ガスバーナーを放射状に配置した火炎放射部まで移送した。なお、火炎放射部では、ベルトコンベアーの縁から約5cm離されて、図3に示す先混合型のガスバーナーが8個設置されており、燃焼ガスとして、プロパンガス(LPG)と、酸素とを体積比が1:5の割合となるように使用した。
次いで、10秒間、燃焼ガスを燃やして得た火炎を噴射して、ガラス容器表面の火炎研磨処理を行った。
なお、赤外線温度測定装置であるサーモビュアー(日本電子(株)製)を用いて、火炎噴射10秒後のガラス容器の表面温度を測定したところ、平均温度は約1000℃であって、任意地点の温度差は約50℃であった。
【0042】
(2)ガラス容器の評価
▲1▼外観検査
得られたガラス容器の表面を、反射光と金属顕微鏡を使って外観観察した。その結果、ガラス容器の表面における凹凸やスジ等はほとんど消えており、美しい透明感を有するガラス表面が形成されていることが確認された。
【0043】
▲2▼表面粗さ
得られたガラス容器の表面における凹凸を、針触式表面粗さ計を用いて、測定した。その結果、火炎照射前は、Rmaxが2μm以上の値であり、平均粗さが0.2μm程度の値であったものが、火炎照射後には、Rmaxが0.4μm以下の値であり、平均粗さが0.03μm程度と、極めて平滑化されていることが確認された。
【0044】
▲3▼再現性
上述した火炎研磨処理を10,000個のガラス容器に対して実施したところ、再現性良く、均一な表面平滑性を有するガラス容器が得られ、しかも、ガラス容器の変形やヒビ割れ等の不具合は特に観察されなかった。
【0045】
[比較例1]
(1)ガラス容器の火炎研磨処理
比較例1では、実施例1において、放射状に配置された火炎放射部から構成された火炎研磨装置を使用した変わりに、直線状に横一列に配置された火炎放射部から構成された火炎研磨装置を用いたほかは、同様に火炎研磨処理を実施した。
なお、上述した赤外線温度測定装置を用いて、火炎噴射10秒後のガラス容器の表面温度を測定したところ、平均温度は900℃であって、任意地点の温度差は約100℃であった。
【0046】
(2)ガラス容器の評価
▲1▼外観検査
得られたガラス容器の表面を、反射光と金属顕微鏡を使って外観観察した。その結果、ガラス容器の表面における凹凸やスジ等はほとんど消えており、美しい透明感を有するガラス表面が形成されていることが確認された。ただし、いくつかのガラス容器にあっては、一部、スジ等が散見された。
【0047】
▲2▼表面粗さ
得られたガラス容器の表面における凹凸を、針触式表面粗さ計を用いて、測定した。その結果、火炎照射前は、Rmaxが2μm以上の値であり、平均粗さが0.2μm程度の値であったものが、火炎照射後には、Rmaxが0.5μm以下の値であり、平均粗さが0.05μm程度と、良好に平滑化されていることが確認された。ただし、一部のガラス容器にあっては、Rmaxが1μm以上の値であることが確認された。
【0048】
▲3▼再現性
上述した火炎研磨処理を10,000個のガラス容器に対して実施したところ、再現性良く、均一な表面平滑性を有するガラス容器が得られた。ただし、一部のガラス容器にあっては、変形やヒビ割れ等の不具合が散見された。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のガラス容器用火炎研磨装置によれば、簡易な構造でありながら、ガラス容器におけるひび割れの発生を有効に防止し、火炎放射部の間隙であっても、ガラス容器の表面を均一かつ効果的に研磨できる火炎研磨装置を提供できるようになった。
また、本発明のガラス容器用火炎研磨装置によれば、コンパクトであって、従来のガラス容器の製造ラインに容易に組み込むことができるため、火炎研磨装置を極めて経済的に提供できるようになった。
さらに、本発明のガラス容器用火炎研磨装置を用いた製造方法によれば、簡易な構造の火炎研磨装置を用いることにより、ガラス容器におけるひび割れの発生を有効に防止しながら、ガラス容器の表面を均一かつ効果的に研磨処理できるようになった。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス容器用火炎研磨装置の概略図である。
【図2】 二酸化炭素吸収装置の概略図である。
【図3】 火炎放射部(ガスバーナー)の一例を示す図である。
【図4】(a) 火炎噴射時間と、ガラス容器温度との関係を示す特性図である。
(b) 放置時間と、ガラス容器温度との関係を示す特性図である。
【図5】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:0.4秒)の温度分布図である。
【図6】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:2秒)の温度分布図である。
【図7】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:4秒)の温度分布図である。
【図8】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:6秒)の温度分布図である。
【図9】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:8秒)の温度分布図である。
【図10】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:10秒)の温度分布図である。
【図11】 赤外線温度測定装置により測定したガラス容器(火炎噴射時間:12秒)の温度分布図である。
【図12】(A) 従来のガラス容器用火炎研磨装置の平面図である。
(B) 従来のガラス容器用火炎研磨装置の側面図である。
【0050】
【符合の説明】
10:ガラス容器用火炎研磨装置
12:火炎放射部(ガスバーナー)
14:ガラス容器用支持部
16:固定部
18:駆動部(ベルトコンベヤー)
20:断熱反射板
26:製造ライン
28:搬入装置
30:搬出装置
34:ガラス加飾用塗布装置
50:二酸化炭素吸収装置

Claims (7)

  1. 火炎を用いて、ガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器表面を研磨するための火炎研磨装置において、
    ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、
    当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、
    前記移動仮想曲線における、前記複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてあること
    を特徴とするガラス容器用火炎研磨装置。
  2. 前記ガラス用支持部を自転させるための自転駆動部をさらに備えてあることを特徴とする請求項1に記載のガラス容器用火炎研磨装置。
  3. 二酸化炭素吸収装置が周囲に設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス容器用火炎研磨装置。
  4. ガラス容器用の製造ラインのバイパス部を構成するとともに、ガラス容器のラインから火炎研磨処理前のガラス容器を、ガラス容器用支持部に載置するための搬入装置と、ガラス容器用支持部からガラス容器の製造ラインへ火炎研磨処理したガラス容器を搬出するための搬出装置と、が設けてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス容器用火炎研磨装置。
  5. 前記移動仮想曲線の終端部に、ガラス加飾用塗布装置が設けてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス容器用火炎研磨装置。
  6. ガラス容器用支持部と、複数の火炎放射部と、ガラス容器用支持部を円弧状に移動させるための駆動部とを備えるとともに、当該ガラス容器用支持部が移動する移動仮想曲線の片側領域に沿って、複数の火炎放射部が放射状に配置してあり、かつ、前記移動仮想曲線における、前記複数の火炎放射部が放射状に配置してある側とは反対側領域に、円筒状の断熱反射板が設けてある火炎研磨装置を用いてなる火炎によりガラス容器温度を900〜1500℃に加熱して、ガラス容器の表面を研磨するための火炎研磨方法において、
    前記ガラス容器をガラス容器支持部により円弧状に移動させるとともに、当該ガラス容器に対して、放射状に配置された複数の火炎放射部から火炎を噴射することを特徴とするガラス容器の火炎研磨方法。
  7. 前記火炎を噴射する際に、前記ガラス容器を円弧状に移動させながら自転させることを特徴とする請求項6に記載のガラス容器の火炎研磨方法。
JP2001311573A 2001-10-09 2001-10-09 ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法 Expired - Fee Related JP3979815B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001311573A JP3979815B2 (ja) 2001-10-09 2001-10-09 ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001311573A JP3979815B2 (ja) 2001-10-09 2001-10-09 ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003119042A JP2003119042A (ja) 2003-04-23
JP3979815B2 true JP3979815B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=19130382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001311573A Expired - Fee Related JP3979815B2 (ja) 2001-10-09 2001-10-09 ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3979815B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101966874A (zh) * 2010-10-26 2011-02-09 长沙楚天科技有限公司 用于大输液软袋生产线灌封工位的输送组件

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103086592B (zh) * 2013-01-24 2015-01-21 闻喜县宏业玻璃制品有限公司 用于玻璃器皿的火焰熔口抛光装置
JP6457901B2 (ja) * 2014-08-05 2019-01-23 興亜硝子株式会社 白色ガラス容器の自動製瓶装置
CN106116130B (zh) * 2016-06-29 2018-06-29 武汉鑫友泰光电科技有限公司 一种石英玻壳自动火焰抛光装置
CN110963688B (zh) * 2019-12-20 2022-01-28 重庆市合川区金星玻璃制品有限公司 玻璃制品传送系统
JP7405034B2 (ja) * 2020-07-27 2023-12-26 日本電気硝子株式会社 ガラス物品の製造方法
CN117584436B (zh) * 2024-01-19 2024-04-09 山东客乐思新材料科技有限公司 一种厚度调节式亚克力树脂板材抛光装置
CN119191693B (zh) * 2024-11-28 2025-03-14 安徽鑫民玻璃股份有限公司 一种基于玻璃杯生产的表面热处理系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101966874A (zh) * 2010-10-26 2011-02-09 长沙楚天科技有限公司 用于大输液软袋生产线灌封工位的输送组件
CN101966874B (zh) * 2010-10-26 2012-12-05 楚天科技股份有限公司 用于大输液软袋生产线灌封工位的输送组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003119042A (ja) 2003-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3979815B2 (ja) ガラス容器用火炎研磨装置およびガラス容器の火炎研磨方法
EP0762050B1 (en) Low-NOx staged combustion device for controlled radiative heating in high temperature furnaces
JP5747310B2 (ja) パターンド強化ガラス製造装置及び方法
CN115650567B (zh) 玻璃钢化加热炉
CN101037292B (zh) 用于熔化棒的端部的方法和装置
CN105135878A (zh) 隧道窑及辊道窑
CN105693071A (zh) 用于玻璃加热的气浮装置
US9221709B2 (en) Apparatus for producing a vitreous inner layer on a fused silica body, and method of operating same
JPH11118357A (ja) 対象物体の加熱処理方法およびそのための装置
CN112777924B (zh) 一种玻璃制品表面抛光火焰枪、抛光装置及抛光方法
US6363752B1 (en) Roller-hearth kiln for heating glazing sheets
US2749109A (en) Heating apparatus
CN214727380U (zh) 一种光波燃气快速烘干器
KR101469386B1 (ko) 팽창질석 가공장치
JP7694929B2 (ja) ガラス強化加熱炉及びガラス強化方法
US5203904A (en) Process for the production of bent glass plates with more markedly bent areas
CN208791705U (zh) 一种提高热场均匀性的退火炉
CN218115290U (zh) 均热段炉体以及玻璃钢化加热炉
CN108793699A (zh) 一种间接加热的玻璃钢化燃气加热炉
CN117848027B (zh) 一种发泡陶瓷保温板窑炉
CN223022054U (zh) 一种新型防火材料防火性能检测装置
KR20240124123A (ko) 파이어 폴리싱 시스템
CN103163689A (zh) 一种取向膜预固化装置
CN222064361U (zh) 一种绿色节能玻璃钢化装置
CN112013676B (zh) 一种无釉陶坛隧道窑内流动烧制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3979815

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160706

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees