JP3976697B2 - 製糸異常検出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の単繊維群からなる糸条を製造するための繊維の製造工程において発生する製糸異常を単繊維切れによって検出するためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業資材用途に使用される合成繊維が注目されている。例えば、炭素繊維を例に採って説明すると、その優れた弾性率や強力などの特性によって、その需要が増大しているが、その反面で、その品質の確保や生産性の向上が重要な課題となってきた。このような炭素繊維の製造、特に高性能を有する長繊維形態を有する炭素繊維の製造は、ポリアクリルニトリル繊維(以下、“PAN繊維”と称する)を乾湿式紡糸によって紡糸・延伸して前駆体(プリカーサー)を得た後、この前駆体を耐炎化処理した後、これを不活性ガスの雰囲気下で高温焼成してPAN系炭素繊維を製造する方法が一般的である。
【0003】
その際、炭素繊維の前駆体であるPAN繊維の製造は、紡糸口金に設けた細孔よりエアギャップを介して、凝固液中に紡糸原液を吐出し、凝固液との接触により凝固を行わせた後に、付着した凝固液を分離するために水洗、薬液処理等の工程を経て乾燥工程で乾燥させた後、更に延伸、熱処理等を実施して製品とするのが一般的である。なお、炭素繊維用前駆体としてのPAN繊維は湿式紡糸法または乾湿式紡糸法で製造される場合が多く、特に乾湿式紡糸法で得たアクリル系繊維を前駆体として製造される炭素繊維はより高い強度を発現させることができる。このため、炭素繊維用の前駆体繊維の製糸方法としての乾湿式紡糸法はその重要性をさらに大きなものとしている。
【0004】
しかしながら、このようにしてPAN繊維を乾湿式紡糸する方法は、溶融紡糸方法と較べて紡糸速度が遅く、多錘取りが困難なことから生産性が低い欠点があった。そこで、この欠点を解決するために種々の設備対応が行われてきた結果、紡糸速度が向上し、多数本の糸条を並行して処理する多錘取りも可能となってきている。しかも、工程を連続化して生産効率を上げるために、乾湿式紡糸工程で一旦糸条を巻き取ることなく、直ちに延伸工程、熱処理工程などが行われるようになってきた。
【0005】
このPAN繊維の製造に限らず、一般の産業資材用繊維の製造においても、勿論、生産速度の向上と多錘取りを安定な工程調子の下で行うといった課題は存在する。ところが、一般の産業資材用繊維の製造において、このPAN繊維のように製糸速度の向上と多錘取りとが行われ、更に延伸工程、熱処理工程も連続して行われるようになると、その反面で、毛羽や断糸の多発、あるいはこれに起因する工程調子の悪化といった好ましくない現象の発生も同時に顕著になってきた。そこで、このような工程調子の悪化が発生する要因を究明して、製糸工程調子の改善を行うことが要望されるようになってきた。
【0006】
このため、例えば、特開平5−44104号公報に提案されている従来技術のように、紡糸口金直下のエアギャップ部に気体を流通させることによって紡糸の安定化を図ったり、特許第2891115号公報に提案されている従来技術のように凝固浴内での凝固液の乱れを整流したり、あるいは特開平7−42012号公報に提案されている従来技術のように紡糸口金と凝固液の供給部を組み合わせて紡糸安定性を向上させたりする等の製糸技術の改善を行い、これによって、工程調子の安定化が行われているに過ぎない。
【0007】
ところが、連続的に繊維が製造される生産工程中では、不良品の発生を少なくして歩留まりを向上させることが重要であって、多くの不良品が発生して始めて、工程が悪化していることが分かっても手遅れであって、歩留まりの向上には繋がらない。つまり、多くの不良品が発生するような前兆を的確に検知し、その原因を取り除くことが極めて重要となる。しかも、産業資材用繊維に必要とされる高性能な機能を得るためには、過酷な製造条件が必要とされるために、このような製造条件下でも制約が少なく、しかも、容易に適用できる技術が要求されている。しかしながら、このような前兆を捉えて工程調子の良、不良をオンラインにて判断する簡易な手法が確立されていない。また、機台清掃等で設備を休止した後の生産再開に関して、休止前後における工程調子の良否判断や、改善した問題点の改善効果を確認するような指標や手法も確立されていない。
【0008】
【特許文献1】
特許第2891115号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平5−44104号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平7−42012号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような従来技術が有する諸問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、合成単繊維群からなる糸条を製造するための製糸工程中に生じる異常の発生をいち早く検知し、これによって工程異常を良好に管理することができる製糸異常検出システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、以下に述べる本発明が提供される。
【0013】
先ず、請求項1記載の本発明のように、「多数の単繊維群を有する糸条から構成される一錘以上の糸条を横一列に並列配置して走行させる糸条整列走行手段と、
前記単繊維群を横方向にフィルム状に広げた状態に維持する拡幅手段と、
前記拡幅手段によって拡幅された糸条からなる画像データを所定のサンプリング間隔を置いてオンラインで撮像して取り込むための撮像手段と、
前記撮像手段によって前記画像データとして取り込まれる領域中を走行する糸条に対して照明を投光する投光手段と、
前記画像データから前記糸条中に発生した単繊維切れによって生じた単繊維の絡合体の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
抽出された絡合体の輪郭から絡合体の発生を検出するデータ処理手段と、
前記絡合体の抽出によって製糸工程に異常が発生したことを知らせる異常報知手段とを少なくとも備えた製糸異常検出システム。」が提供される。
【0014】
その際、請求項2記載の本発明のように、「前記輪郭抽出手段が、前記糸条の走行方向に対する直角方向及び/又は平行方向の輪郭を強調処理するためのフィルタを備えた請求項1に記載の製糸異常検出システム」とすることが好ましい。
【0015】
また、請求項3に記載の本発明のように、「前記データ処理手段が前記画像データを明部と暗部とに2値化する2値化手段を備えた請求項1又は2に記載の製糸異常検出システム」とすることが好ましい。
【0016】
また、請求項4に記載の本発明のように、「前記撮像手段を合成繊維の乾湿式紡糸工程の凝固浴からの糸条群の出側に設置した請求項1〜3の何れかに記載の製糸異常検出システム」とすることが好ましい。
【0017】
また、請求項5に記載の本発明のように、「前記データ処理手段が、予め設定された時間内における前記絡合体の発生回数を数えるための計数手段と、工程異常の判断基準として設定された上限回数を記憶する記憶手段と、前記計数手段によって計数された前記発生回数が前記上限回数を超えたことを判別する異常頻度判別手段とを少なくとも備えた請求項1〜4の何れかに記載の製糸異常検出システム」とすることが好ましい。
【0018】
そして、請求項6に記載の本発明のように、「前記データ処理手段が、前記輪郭抽出手段によって抽出された前記絡合体の面積を算出するための面積算出手段と、工程異常と判断する基準面積値を閾値として記憶する記憶手段と、算出された前記面積値を前記閾値と比較して前記面積値が前記閾値を超えると工程異常が生じたと判別する工程異常判別手段とを少なくとも備えた請求項1〜5の何れかに記載の製糸異常検出システム」とすることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、その詳細を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明を好ましく適用できる乾湿式紡糸法による芳香族ポリアラミド繊維の製糸プロセスに係る一実施形態を概念的に例示した模式説明図である。この図1において、Yは紡出された多数の単繊維群からなる一錘以上の糸条、1は紡糸口金、2は凝固浴、3は水洗浴、4は乾燥装置、5、7、9は回転体(以下の説明では、これらを区別してそれぞれ「デリベリーローラ5」、「第1延伸ローラ7」、そして「第2延伸ローラ9」と称する)、6、8は加熱装置(以下の説明では、これらを区別してそれぞれ「第1ヒータ6」及び「第2ヒータ8」と称する)、10(10a〜10h)は幅広の回転体から構成される糸条整列走行手段、11はオイリングローラ、12は引取りローラ、13は巻取機をそれぞれ示し、これらは乾湿式紡糸法における紡糸・延伸装置を構成する。また、前記糸条整列走行手段10(10a〜10h)は、強制回転あるいは自由回転する回転体であり、一錘以上の糸条を横一列に並列配置して走行させるために設けられている。
【0021】
以上のように構成される製糸プロセスにおいては、先ず乾湿式紡糸が行われるのであるが、この乾湿式紡糸に使用する紡糸原液は、例えば、特開昭51−136916号公報に記載の方法によって調整することができる。例えば、乾湿式紡糸に使用する紡糸原液(以下、ドープと称する)は、下記のようにして得ることができる。すなわち、水分率が100ppm以下のN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPという)112.9部、パラフェニレンジアミン1.506部、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル2.789部を常温下で反応容器に入れ、窒素中で溶解した後、攪拌しながらテレフタル酸クロライド5.658部を添加した。最終的に85℃で60分間反応させ、透明の粘稠なポリマー溶液を得た。次いで、22.5重量%の水酸化カルシウムを含有するNMPスラリー9.174部を添加し、中和反応を行った。なお、このようにして得られたポリマーの対数粘度は3.33であった。
【0022】
このようにして調整されたドープは、以下に述べる乾湿式紡糸により繊維化される。すなわち、以上のようにして調整したドープをギアポンプで供給量を計量しながら連続的にスピンブロックへ分配供給して前記ドープを連続的に紡糸口金1へ供給して、例えば1000個の紡糸孔が穿設された紡糸口金1から紡出する。通常、このような紡糸工程においては、複数個(例えば、6錘)の前記口金1を並列配置して、これらの口金1群より同時にドープを紡出する多錘紡糸が行われる。
【0023】
以上に述べたようにして紡出された前記ドープは、エアギャップ部を経て凝固浴2へ送くられて、この凝固浴2内に満たされた凝固液と接触させて凝固させられて繊維化され、これによって、糸条Yが形成される。その後、このように形成させた糸条Yを水洗浴3で糸条Yに付着した凝固液を水洗し、乾燥装置4によって乾燥させる。そして、一連の乾湿式紡糸工程が終了する。
【0024】
次に、前記乾湿式紡糸に引き続いて、延伸工程が始まるが、この延伸工程では、例えば、図示したように所定の延伸倍率に合わせて回転速度差がつけられたデリベリーローラ5と第1延伸ローラ間に設けられた第1ヒータ6によって加熱されながら第1段目の延伸が行われ、次いで、これも所定の延伸倍率に合わせて回転速度差がつけられた第1延伸ローラと第2延伸ローラ9間に設けられた第2ヒータ8によって加熱されながら第2段目の延伸が行われる。そして、オイリングローラ11によって、延伸後の糸条Yに油剤が付与されて、最終的に巻取機13によって巻取られる。
【0025】
このとき、前記延伸工程を終えた糸条の仕様を例示するならば、前述のようにして巻き取られた一本の糸条を構成する単繊維数(フィラメント数)は1000本、その単繊維の繊度は1.667 dtex(1.5 de)であり、これら単繊維群によって構成される一錘糸条のトータル繊度は1667 dtex(1500 de)からなっている。なお、本実施形態例では、乾湿式紡糸工程で一旦糸条を巻き取ることなく、連続的に延伸する直接延伸設備を示したが、乾湿式紡糸工程と延伸工程が別々に行なわれる別延伸の場合は、前述の乾燥工程の後、巻取機によって一旦巻取られる。
【0026】
以上に例示したような製糸プロセスにおいて、本発明者らが、製糸工程の悪化を捉えることができる指標として採用可能な現象を調査した。その結果、工程調子の悪化を招くような事態を惹起するような場合には、その大部分が乾湿式紡糸工程において、一錘の糸条を構成する単繊維群間に繊度のバラツキが生じていたり、単繊維同志が密着したり、さらには単繊維切れが発生して、単繊維切れを起こしていない正常な単繊維に絡まるなどの現象が発生していることを知見した。そこで、本発明は、このような現象を確認できる状況を作り、このような現象の発生を検出することができるのではないかと着想し、これを可能とするシステムを構成することによって本発明を完成するに至ったものである。
【0027】
すなわち、先ず、本発明者等は前述のような現象を観察するための手段として、図2に例示したように、一錘以上の横一列に並列配置されて走行状態にある糸条Yを構成する単繊維群(マルチフィラメント)の走行状態を仔細に観察するための手段として撮像手段を設けた。そして、この撮像手段によって取り込んだ画像データを様々な手段を講じて解析したところ、単繊維切れを起こした単繊維が絡み合った絡合体yを前記撮像手段により取り込んだ画像データから抽出することができることを見出した。しかも、このような絡合体の抽出は、画像データを取り込むサンプリング間隔を製糸条件に合わせて有意義となる条件下において、オンラインで実時間処理可能なことを見出した。
【0028】
しかしながら、前記絡合体yは、団子状に集束あるいは集束しようとする単繊維群からなる糸条では有効に検出することができないことを知見した。したがって、単繊維群からなる糸条Yを出来るだけ開繊させて走行させる必要があり、このための手段として、単繊維群を「拡幅」するための手段を備えることが本発明においては肝要となる。そこで、この拡幅手段について、以下に簡単に説明することにする。
【0029】
ここで、本発明で言う“拡幅”とは、“団子状に集束あるいは集束しようとする単繊維群を横方向にフィルム状に広げた状態に維持する”ことを指す。なお、このような拡幅手段としては、上下一対に設けられたローラによって、糸条Yを挟み込んで扁平化することや、走行する糸条Yとの間で低摩擦係数を有する棒状ガイド、あるいは両端部から中央部に行くに従ってその径が徐々に大きくなる太鼓状ガイドなどを設け、この棒状ガイドあるいは太鼓状ガイドに糸条Yを接触走行させることなどによっても行うことができる。ただし、このような「拡幅」において肝要なことは、走行する糸条Yに与えるダメージを少なくして、単繊維群を横方向へフィルム状に広げることにあることは言うまでもない。
【0030】
以下、図3を参照しながら、以上に述べたようにして拡幅された糸条Yに発生した絡合体yを検出する手段について詳細に説明する。ここで、前記図2において、31は撮像手段、32はデータ処理手段、そして、33は投光手段をそれぞれ示し、これら撮像手段31、データ処理手段32、及び投光手段33などは、図示省略した拡幅手段などと共に本発明の製糸異常検出システムを構成している
。
【0031】
以上に述べた製糸異常検出システムにおいて、拡幅手段(図示せず)によって拡幅されて走行する糸条Yは、図1におけるA位置に設けられた撮像手段31によってデータ処理に要求される画像が撮像され、撮像された画像は画像データとしてデータ処理手段32に取り込まれ、このデータ処理手段32によって画像データ中の絡合体yが抽出される。
【0032】
その際、前記撮像手段31と前記投光手段33との位置関係は、図3に例示したように、糸条Yの直上に撮像手段31が設置され、また、糸条Yの斜め横には投光手段33が設置される構成となっている。このような構成を採る理由は、本発明の好ましいの態様においては、検出する物体の明暗差(陰影)を利用して絡合体yの存在を抽出する処理を行うからである。つまり、このような画像処理では、絡合体yの輪郭を検出して取り込んだ画像データの2値化処理を良好に行う必要上から、正常領域(図のB)は薄暗く、異常部(絡合体y)は明るく(白く)した画像として捕らえられるようにする必要があるからである。したがって、このような条件を勘案して、投光手段33の位置を設定しなくてはならない。
【0033】
これに関して更に付言するならば、基本的に拡幅糸条Yに揺れが無い安定な走行状態であれば、図2に例示した異常部(絡合体y)は正常部よりも僅かに遊離して突出しているため、斜め横から投光手段32によって光を照射すれば、この異常部(絡合体y)の明るさをより際立たせることができる(白黒画像において白く映る)。ただし、このとき、拡幅糸条Yが撮像手段31によって撮像される画像が画像データ解析に必要とされる撮像範囲内に入るように、撮像手段を構成するカメラレンズの仕様(倍率等)、糸条Yからカメラレンズまでの距離などを選定しなくてはならないことはもちろんである。
【0034】
次に、図3に示す範囲Bは、異常検出処理を実施する画像処理範囲を示す。実施例では図Bの範囲を使用したが、これは測定状況により決定する必要が有る。例えば、拡幅糸条Yの両端にも異常が見られる場合、両端も含んだ画像処理範囲とすれば良い。また、画像処理に時間が掛かり、必要なサンプリング間隔が得られない場合は、画像処理範囲を小さくする等の処置をすれば良い。
【0035】
ところで、本実施形態例では、凝固浴2の出側に撮像手段31を設置した構成を採っているが、これは、本実施形態例における製糸プロセスでは、糸条Yの揺れが少なく安定した画像を撮影できる位置としてA位置を選定したことが大きな理由である。なお、場合によっては水洗浴3から出た直後の位置などのように、糸揺れが少なく、したがって、糸条Yの状態が安定している位置に設けることもできる。しかしながら、前述の凝固浴2から出た直後の位置などのように、可能な限り凝固浴2に近づけた方が良い。何故ならば、製糸異常の発生は口金1から凝固浴2との間の工程においてほとんどが発生するからである。
【0036】
しかも、この部分における製糸速度は、延伸工程などで糸条が引き伸ばされる前の工程であることから、その製糸速度が50mm/minと低速である。このため、それほど処理能力が高くないデータ処理手段33を用いても、実時間で画像処理等をするのに必要とされるサンプリング間隔が得られると言う理由もある。これに対して、前述の2段の延伸工程において合計で12倍の延伸倍率で延伸を行った延伸後の糸条の巻取速度は、600m/minと高速になる。したがって、このような高速で走行する糸条に対して、画像処理を行うには、極めて処理能力の高いコンピュータを含むデータ処理手段33を必要とし、設備投資コストが上昇する。
【0037】
次に、本発明における撮像手段31は、これによって撮影された画像データを画像処理して製糸異常の判定をするためのデータ処理手段32に接続される。本実施形態例では、撮像手段31とデータ処理手段32とを具現化した具体的な装置例として、オムロン社製の視覚センサ(型式:F160−C10)と、同じくオムロン社製のカメラ(型式:F160−S1)を使用した。また、投光手段33としては、光学用途や画像処理用途で一般的に使われる、光ファイバを用いた光源(スポット光)を使用した。
【0038】
以上に述べたような手段を使用して、画像データから必要な情報を抽出することによって異常を検出する方法の利点としては、異常として検出した画像データを磁気記録媒体からなる記録手段などに記憶させることで、その情報を保存しておくことができるため、オフラインでどのような異常がどのようにして発生したのかを時間をかけて確認できるという点などを挙げることができる。
【0039】
次に、前記絡合体yを検出するために実施する画像処理の流れについて、本発明の製糸異常検出システムが行う処理の流れを説明したフローチャートを例示した図4を参照しながら詳細に説明する。
【0040】
先ず、前記絡合体yを画像データから抽出するために、図1に示したA位置に、図3に例示したような構成を有する撮像手段31と投光手段33を設けて、投光手段33から例えば白色光を走行する糸条Yに照射する(ステップS1)。そうすると、照射された光は糸条Yによって反射されるため、反射された光がデジタル・カメラなどの撮像手段31によって撮影されると、前記絡合体yを含む糸条Yとそれ以外の背景との間の明暗を際立たせることができ、画像処理に適した画像を撮影することができる。
【0041】
このようにして、撮像手段31によって、図2に示した画像解析に必要な領域Bの画像を撮影することができる(ステップS2)。なお、本実施形態例において撮影する画像は、特にその必要がない限り、白黒画像を取り扱う。このようにして、撮像手段31によって撮像された画像データは、公知のインターフェース手段(その詳細説明は省略)などを介してデータ処理手段32に取り込まれ(ステップS3)、ここで、絡合体yを抽出するのに必要な画像処理が行われる。そこで、以下に、このデータ処理について詳細に説明する。
【0042】
前記データ処理手段32は、画像データから前記絡合体の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と画像データを2値化するための2値化手段を備えている。したがって、データ処理手段32に取り込んだ画像データは、前処理として輪郭抽出処理が施される(ステップS4)。なお、このステップS4の輪郭抽出処理は、取り込んだ画像中に存在する絡合体yの輪郭を境界線として抽出する処理であって、特に、糸条Yの走行方向に対して直角方向の輪郭抽出処理を行うと、糸条Yの走行方向の輪郭を強調できるようになる。
【0043】
すなわち、糸条Yの走行方向に沿った平行方向の輪郭(エッジ)に対してフィルタを掛けることによって、糸条Yの走行方向の輪郭抽出処理を抑制し、逆に糸条Yの走行方向に直角な方向の輪郭抽出処理を強調する。そうすると、糸条Yの走行方向にそぐわない物(すなわち異常な単繊維や異物)が特に強調されることとなって、絡合体yを良好に検出することが可能となる。なお、この輪郭抽出処理を実施すると、絡合体yから反射された光のように特に明るい部分がより強調して抽出されるため、糸条Y中に異常部分が存在することを良好に検出できる。ただし、場合によっては、走行糸条Yの全幅検出のような輪郭抽出処理を行う必要などが生じるならば、糸条Yの走行方向に対する直角方向の輪郭(エッジ)に対してフィルタを掛けて、走行糸条Yの輪郭を強調するようにすることもできる。
【0044】
次に、ステップS4で輪郭抽出処理を施した画像データに対して、2値化処理を実施する(ステップS5)。この2値化処理は、取り込んだ画像データの明暗差に対応して、“明部”と“暗部”とに明確に2分化する処理であり、この2値化処理を実施すると、絡合体yなどが存在すれば、その部分を更に明るく際立たせることができる。したがって、この2値化処理によって、絡合体yの存在をより確実に検出することができる。なお、このようにして、絡合体yが検出されると、絡合体yが検出されたことを液晶表示モニター、CRTモニター、あるいはプリンターなどの警報手段に出力するようにしておけば、作業者あるいは工程管理者がどのような時間に絡合体yが発生したかを知ることができ好ましい。
【0045】
以上に述べたようにして、データ処理手段32に取り込んだ画像データから絡合体yの抽出が完了すると、次に、製糸工程調子の良否を判断する工程調子の判別処理を行う(ステップS6)。この工程調子の判別処理においては、2種類の処理が可能である。
【0046】
先ず、ステップS6に係る第1番目の処理としては、前記データ処理手段32に、予め設定された時間内における前記絡合体の発生回数を数えるための計数手段と、工程異常の判断基準として設定された上限回数を記憶する記憶手段と、前記計数手段によって計数された前記発生回数が前記上限回数を超えたことを判別する異常頻度判別手段とを少なくとも具備させる。そうすると、所定時間内に製糸工程で発生した絡合体yの発生回数を前記計数手段によって数えることができる。そして、この発生回数が記憶手段に記憶されている、工程異常の判断基準として予め設定されている上限回数を超えた場合に、異常頻度判別手段によって製糸工程に異常が発生したことをいち早く知ることができる。つまり、前記絡合体yの発生回数を常に監視しておけば、工程異常と判別できる程度に絡合体yが発生した際に、工程調子が悪化する臨界状態にあることを前もって捉えることが可能となる。
【0047】
次に、ステップ6に係る第2番目の処理としては、前記データ処理装置32に、前記輪郭抽出手段によって抽出された前記絡合体の面積を算出するための面積算出手段と、工程異常と判断する基準面積値を閾値として記憶する記憶手段と、算出された前記面積値を前記閾値と比較して前記面積値が前記閾値を超えると工程異常が生じたと判別する工程異常判別手段とを少なくとも具備させる。そうすると、ステップ5の2値化処理まで終了した画像データに対し、走行糸条Y中の異常部分(白色部分)、すなわち絡合体yの輪郭を明確に捉えることができるので、この輪郭によって規定される絡合体yの面積を前記面積算出手段によって求めることができる。
【0048】
そして、このとき求めた前記面積値を前記記憶手段に記憶された工程異常と判断する基準面積値(閾値)と比較して、この閾値を超えていれば、糸条Y中に重大な異常部分(大きな絡合体y)が発生していると判断し、工程異常が発生したと判断する。なお、前記基準面積値(閾値)や既に述べた上限回数(閾値)については、予め操業実績や事前テストなどによって異常として検出するレベルを調査しておく必要がある。このようにして、前記基準面積値(閾値)や前記上限回数(閾値)は、製糸工程において、その工程異常が発生する前兆を検出するための指標として使用することができる。
【0049】
そして、最後に、以上に述べたように、絡合体yが発生したことが検出されたら、絡合体yが検出されたことを警報手段に出力して、作業者あるいは工程管理者などに知らせる処理を行う(ステップ7)。また、このような処理と共に、ステップ6で行われた処理によって、工程異常の発生の前兆を捉えることができたならば、これを前記警報手段に出力して作業者あるいは工程管理者などに知らせる処理を行うことは勿論である(ステップ7)。
【0050】
以下、具体例によって、本発明の製糸異常検出システムを使用して、工程異常の前兆を捉えた実施態様について、図5を参照しながら簡単に説明する。
【0051】
図5は、本発明の製糸異常検出システムを用いて検出した絡合体yの発生回数と、工程調子との関係を示したグラフである。なお、このグラフにおいて、横軸の発生個数は、図1のA位置に撮像手段31を設置して検出した絡合体の発生回数を5分間隔でそれぞれ集計し、これを10時間に渡って行ったときの平均値である。また、縦軸の完巻率は、その期間に巻き上がった糸条パッケージの全個数に対する良品の割合を示している。すなわち、この完巻率が低くなると、絡合体yの発生が多く、したがって、断糸及び単繊維切れの発生等による糸条パッケージの格下げ品が多く発生したことを表している。
【0052】
そこで、図5のグラフを仔細に観察すると、絡合体yの発生回数が多いと、断糸及び単繊維切れの発生等に係る工程調子が悪いことが分かる。つまり、絡合体yの所定時間の発生回数をモニターすれば、製糸工程の工程調子の良否を判断することができることが分かる。
【0053】
以上に述べたように、本発明のシステムを採用することによって、走行糸条Y中の異常部分(絡合体y)を検出することが良好にでき、しかも、その発生頻度をモニターすることによって、その工程調子を判断することができる。したがって、このような繊維製造工程を管理するためには、走行糸条Y中の異常部分(絡合体y)を検知して、所定時間内に発生する絡合体yの数をカウントすれば、工程調子が悪化する前兆を捉えるための指標とすることができる。更に、このような指標として、5分間隔や10分間隔など、所定時間内に発生する絡合体yの発生回数を集計し、磁気記録媒体などの記録装置にデータを記録しておき、また、その検出結果をディスプレイ等の出力手段にトレンド表示しておけば、工程の良否判断をより良く実施でき好ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の製糸異常検出システムを使用すれば、製糸工程異常発生を生産中に常時確認でき、工程調子の評価に長時間が掛かっていたのが、瞬時にその良否判断できるため、生産効率向上及び、歩留まり率向上に多大な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を好ましく適用できる乾湿式紡糸法による芳香族ポリアラミド繊維の製糸プロセスに係る一実施形態を概念的に例示した模式説明図である。
【図2】 本発明の製糸異常検出システムに取り込まれる画像を模式的に例示した説明図である。
【図3】 本発明の製糸異常検出システムに係る装置構成と、走行糸条に対する配置状況を模式的に例示した説明図である。
【図4】 本発明の製糸異常検出システムが行う処理の流れを説明したフローチャートである。
【図5】 本発明の製糸異常検出システムを適用して得られた結果を例示したグラフである。
【符号の説明】
Y 糸条
y 絡合体(異常部位)
31 撮像手段
32 画像判別手段
33 投光手段
B 画像処理範囲
Claims (6)
- 多数の単繊維群を有する糸条から構成される一錘以上の糸条を横一列に並列配置して走行させる糸条整列走行手段と、
前記単繊維群を横方向にフィルム状に広げた状態に維持する拡幅手段と、
前記拡幅手段によって拡幅された糸条からなる画像データを所定のサンプリング間隔を置いてオンラインで撮像して取り込むための撮像手段と、
前記撮像手段によって前記画像データとして取り込まれる領域中を走行する糸条に対して照明を投光する投光手段と、
前記画像データから前記糸条中に発生した単繊維切れによって生じた単繊維の絡合体の輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、
抽出された絡合体の輪郭から絡合体の発生を検出するデータ処理手段と、
前記絡合体の抽出によって製糸工程に異常が発生したことを知らせる異常報知手段とを少なくとも備えた製糸異常検出システム。 - 前記輪郭抽出手段が、前記糸条の走行方向に対する直角方向及び/又は平行方向の輪郭を強調処理するためのフィルタを備えた請求項1に記載の製糸異常検出システム。
- 前記データ処理手段が前記画像データを明部と暗部とに2値化する2値化手段を備えた請求項1又は2に記載の製糸異常検出システム。
- 前記撮像手段を合成繊維の乾湿式紡糸工程の凝固浴からの糸条群の出側に設置した請求項1〜3の何れかに記載の製糸異常検出システム。
- 前記データ処理手段が、予め設定された時間内における前記絡合体の発生回数を数えるための計数手段と、工程異常の判断基準として設定された上限回数を記憶する記憶手段と、前記計数手段によって計数された前記発生回数が前記上限回数を超えたことを判別する異常頻度判別手段とを少なくとも備えた請求項1〜4の何れかに記載の製糸異常検出システム。
- 前記データ処理手段が、前記輪郭抽出手段によって抽出された前記絡合体の面積を算出するための面積算出手段と、工程異常と判断する基準面積値を閾値として記憶する記憶手段と、算出された前記面積値を前記閾値と比較して前記面積値が前記閾値を超えると工程異常が生じたと判別する工程異常判別手段とを少なくとも備えた請求項1〜5の何れかに記載の製糸異常検出システム。
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