JP3972746B2 - 非接触icカードおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱プレスで製造される非接触ICカードおよびその製造方法に関し、特に、IC周辺部の印刷絵柄歪みを抑えた意匠性の高い非接触ICカードおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触ICカードは、カードをカードリーダ上に置くか、かざすだけで情報のやりとりを行える利便性から、鉄道の出改札などの交通系用途を中心に、プリペイドカード、電子決済、セキュリティシステムなど多様な分野で応用されている。このような非接触ICカードは、カード表面に接続端子を必要としないことから全面に印刷が可能であり、デザイン上の制約が少なく、表現力に優れることも特徴のひとつである。
【0003】
カードの印刷は通常、コアシートと呼ばれる白色の熱可塑性プラスチックシート上に、オフセット印刷やスクリーン印刷によって施される。非接触ICカードは、半導体チップ(以下「ICチップ」という。)やアンテナ、コンデンサからなるICモジュールを、印刷されたコアシートで挟み、さらにその両側に、オーバーシートと呼ばれる透明の熱可塑性プラスチックシートを重ね合わせて、熱プレスすることによって得られる。このとき、各プラスチックシートは熱溶着して一体となり、オーバーシートは印刷面の保護層として機能する。
【0004】
なお、このオーバーシートのコアシートに接する面に、絵柄を反転させて印刷される場合もあるが、カードの構成や熱プレスによる製造方法は基本的に上記と同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような非接触ICカードにおいては、上記熱プレスによる成形過程において、コアシートまたはオーバーシートに印刷したインキが、各シートの熱溶融にともなって変形することによって絵柄が歪むことがしばしば問題となっている。この印刷絵柄歪みは、特に、IC周辺部で著しい。これは、内部に埋包されているICチップの形状に沿って、その周囲でコアシートやオーバーシートが特に大きく変形するためである。
【0006】
このような問題を解決する方法としては、インキに耐熱性の高い紫外線硬化型のインキを用いることが考えられる。しかしながら、このような紫外線硬化型インキは、インキの塗膜そのものは強固であっても、印刷されるコアシートの変形に追随できず、印刷面に細かなヒビが入った状態になる。しかも、このような熱的に不活性な紫外線硬化型インキが、オーバーシートとコアシートとの間に介在することで、両者の熱溶着を阻害し、カードの使用中にオーバーシートが剥離してしまう不具合もある。
【0007】
一方、コアシートを多層に分割して印刷シートを独立させるか、またはオーバーシートに絵柄を反転させて印刷し、あらかじめ印刷シート以外のICモジュールを含む構成材料を一次プレスしたのち、これに残りの印刷シートを重ね合わせて二次プレスを行う方法では、一次プレスによってIC周辺部が充分に平坦化されていれば二次プレスで印刷絵柄が歪むことはなく、外観品質が優れ意匠性の高い非接触ICカードを製造する有効な手段といえる。
【0008】
しかしながら、この方法は、熱プレス工程を2度に分けて行うことから、生産能力が半減し、結果的にカードの単価が高くなるという欠点がある。
【0009】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、IC周辺部の印刷絵柄歪みを抑えて意匠性に優れた非接触ICカードおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するにあたり、本発明の非接触ICカードは、カード表面に現れる印刷像を形成するための印刷層が、熱プレス温度に対する耐熱性を有する硬化型インキ層と、溶剤乾燥型インキ層との二層構造からなり、硬化型インキ層が溶剤乾燥型インキ層よりもオーバーシート側に形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記硬化型インキは強固な塗膜を形成し、熱プレス時において当該硬化型インキで形成した絵柄の印刷歪みを生じさせない。また、上記溶剤乾燥型インキは、コアシートとオーバーシートとの間に充分な熱溶着性を与えることができる。硬化型インキ層を溶剤乾燥型インキ層よりもオーバーシート側に形成するのは、熱プレス時において流動化するコアシート上に硬化型インキ層を形成すると、コアシートの変形に追随できずに硬化型インキ層に細かなヒビが入るおそれがあるので、これを回避するためである。
【0012】
したがって、ICチップの搭載位置に対応する領域は上記硬化型インキで印刷層を形成し、その他の領域は溶剤乾燥型インキで印刷層を形成することによって、半導体チップの周辺部における印刷歪みを防止することができる。
【0013】
なお、上記硬化型インキは、紫外線硬化型インキや電子線硬化型インキ、二液硬化型インキなどの硬化性インキが適用可能である。
【0014】
一方、本発明の非接触ICカードの製造方法は、印刷層を形成する工程が、オーバーシートの被印刷面に、熱プレス温度に対する耐熱性を有する硬化型インキを印刷し硬化させる工程と、形成した硬化型インキの上から上記被印刷面に溶剤乾燥型インキを印刷し乾燥させる工程とからなり、熱プレスの工程が、オーバーシートの被印刷面をコアシートに対向させて行われることを特徴とする。
【0015】
これにより、カード表面の印刷絵柄歪みを効果的に抑制して、外観品質の優れた意匠性の高い非接触ICカードを製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明の実施の形態に適用される非接触ICカード10の構成を示している。ここで、図1は、非接触ICカード10のIC周辺部における層構造を模式的に示す断面図であり、図2は非接触ICカード10の分解斜視図である。
【0018】
非接触ICカード10は、ICチップ11が実装されたアンテナ基板12の表裏面を内コアシート材13a,13bで挟み込み、更にその両側に、外コアシート材14a,14bおよびオーバーシート材15a,15bを順に積層することによって構成されている。
【0019】
アンテナ基板12は、PI(ポリイミド)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等の耐熱性のある樹脂フィルムからなり、その表裏面にはアンテナ配線等を構成する銅箔パターンが形成されている。ICチップ11は、金属突起電極(バンプ)が形成された半導体ベアチップからなり、例えばACF(異方性導電フィルム)16を介してアンテナ配線に電気的に接続されている。ICチップ11の上方には、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる封止樹脂17を介して、ICチップ11に抗折性および耐衝撃性を付与するための補強金属板18が貼着されている。
【0020】
これらアンテナ基板12、ICチップ11および補強金属板18等により、ICモジュール(あるいはアンテナモジュール)が構成される。なお、アンテナ基板12上にはICチップ11のほかに、コンデンサ等の受動部品が必要に応じて搭載されている。
【0021】
内コアシート材13a,13bおよび外コアシート材14a,14bは、本発明に係る「コアシート」の構成の一実施態様である。アンテナ基板12のチップ実装面に積層される内コアシート材13aには、ICチップ11の搭載位置に対応する部位に貫通孔21が形成されており、この貫通孔21がICチップ11を収容するためのニゲ孔として、ICチップ11の搭載により発生する段差を緩和する。貫通孔21は、内コアシート材13aに積層される外コアシート材14aで閉塞される。
【0022】
なお、貫通孔21は、アンテナ基板12のチップ実装面側に積層される一方側の内コアシート材13aに形成する場合に限られない。例えば、ICチップ11の更なる保護強化を図るべく、アンテナ基板12のチップ実装面とは反対側の面のチップ実装部位に対して同様な補強金属板を貼着する場合があるが、この場合、当該補強金属板を収容するためのニゲ孔として他方側の内コアシート材13bにも上記貫通孔を形成してもよい。
【0023】
内コアシート材13a,13bおよび外コアシート材14a,14bは同一の材料でなり、例えば、共重合ポリエステル(三菱樹脂(株)製、商品名PG−WHI)が適用可能である。また、シート厚に関しては、内コアシート材13a,13bが例えば180μm、外コアシート材14a,14bが例えば100μmである。
【0024】
オーバーシート材15a,15bは、耐熱性のある透明なプラスチックシートで構成されている。また必要に応じて、例えばオーバーシート材15aに対し、図2に示すように磁気ストライプ19aを転写するようにしてもよい。
【0025】
オーバーシート材15a,15bは後述するように、外コアシート材14a,14bに対して熱プレスによって熱圧着されるが、このとき、オーバーシート材15a,15bが熱プレスによって変形しないことが必要である。具体的には、本実施の形態では150℃における貯蔵弾性率が10MPa以上である材料が用いられており、この条件を満足する材料としては、例えば、PC(ポリカーボネート)/PBT(ポリブチレンテレフタレート)アロイ(三菱樹脂(株)製、商品名PA−C)が挙げられる。また、シート厚に関しては、例えば100μmである。
【0026】
オーバーシート材15a,15bには、製作された非接触ICカード10の表面に現れる印刷像を形成するための印刷層23a,23bが設けられている。本実施の形態では、印刷層23a,23bは、熱プレス温度に対する耐熱性を有する紫外線硬化型インキ層24と、溶剤乾燥型インキ層25との二層構造で構成されている。
【0027】
これら紫外線硬化型インキ層24および溶剤乾燥型インキ層25は、オーバーシート材15a,15bの内面側、すなわち外コアシート材14a,14bと対向する側の面(以下、「被印刷面」という。)に形成されている。紫外線硬化型インキ層24は、溶剤乾燥型インキ層25よりもオーバーシート材15a,15b側に形成されている。
【0028】
紫外線硬化型インキ層24は、オーバーシート材15a,15bの被印刷面であってICチップ11に対応する部位に形成されている。特に、紫外線硬化型インキ層24は、ICチップ11(あるいは補強金属板18)を隠蔽できる程度の面積で、例えば円形に形成されている。一方、溶剤乾燥型インキ層25は、本実施の形態では、紫外線硬化型インキ層24の上からオーバーシート材15a,15bの被印刷面全域に形成されている。
【0029】
紫外線硬化型インキ層24および溶剤乾燥型インキ層25は、互いに、同一色を含む同系色のインキでそれぞれ形成されている。また、紫外線硬化型インキ層24の周縁領域は、図3に示すように、ぼかした印刷となっている。これらにより、紫外線硬化型インキ層24と溶剤乾燥型インキ層25との境界部分を認識できないようにして、カード表面の外観品質の向上が図られている。
【0030】
なお、上記の手法は、印刷像が同一色のベタ塗りの場合や、カード表面で同一パターンが連続的に形成される場合などに有効であり、IC周辺部とその他の領域で意図的に絵柄を異ならせる場合などに対しては上記の手法を採る必要性は少ない。また「同系色」とは、各インキ層24,25を構成する材料の違いによって全くの同一色を構成できない場合や、デザイン上の都合で意図的に色合い等を僅かに異ならせる場合などをも含む趣旨である。
【0031】
次に、以上のように構成される本実施の形態の非接触ICカード10の製造方法について、図4および図5を参照して説明する。ここで、図4はオーバーシート材15a,15bの製作工程を説明する工程図であり、図5は非接触ICカード10の製造プロセスを示している。
【0032】
図5に示すように、本実施の形態では、非接触ICカード10が9面とれる枚葉サイズ(A4サイズ)の各種シート材を用いている。なお、図示は省略しているが、加熱プレス後、所定のカード一枚サイズに打ち抜いて、非接触ICカード10を製造するようにしている。
【0033】
非接触ICカード10の製造に当たっては、あらかじめ、アンテナ基板12上にICチップ11を実装し、これに補強金属板18を貼着したICモジュールを製作しておく。また、図4に示すように、オーバーシート材15a,15bに上述した構成の印刷層23a,23bを形成しておく。
【0034】
図4を参照して、オーバーシート材15a(15b)への印刷層23a(23b)の形成は、オーバーシート材15a(15b)の被印刷面に紫外線硬化型インキ24Aを印刷し硬化させる工程と、形成した紫外線硬化型インキ24Aの上から被印刷面に溶剤乾燥型インキ25Aを印刷し乾燥させる工程とによって行われる。
【0035】
オーバーシート材15a(15b)の被印刷面に対する紫外線硬化型インキ24Aの印刷は、例えば図4Aに模式的に示すような平版オフセット印刷法によって行われる。この印刷方式は、刷版31上の紫外線硬化型インキ24Aをブランケットロール32に一度転写した後、オーバーシート材15a(15b)の被印刷面に再転写することによって印刷を行う。本実施の形態では、紫外線硬化型インキ24Aは、被印刷面のICチップ11の搭載位置に対応する部位に印刷される。なお、本発明に適用可能な紫外線硬化型インキとしては、例えば、(株)ティーアンドケイ東華製、商品名UV STP)が挙げられる。
【0036】
紫外線硬化型インキ24Aの印刷にオフセット印刷法を用いることにより、薄いインキ層を形成することができる。これにより、後に同系色の溶剤乾燥型インキ25Aを重ねて印刷したときに、両者の境目が認識しにくくなる。また、紫外線硬化型インキ24Aの周辺部は、図3に示したように網点面積率を徐々に下げた、ぼかし印刷とすることによって、上記効果がより一層顕著になる。
【0037】
オーバーシート材15a(15b)の被印刷面への紫外線硬化型インキ24Aを塗布した後、図4Bに模式的に示すように、直ちに十分に紫外線UVを照射してインキ24Aを硬化させる。これにより、オーバーシート材15a(15b)の被印刷面に強固な紫外線硬化型インキ層24が形成される。
【0038】
一方、溶剤乾燥型インキ25Aの印刷法としては、図4Cに模式的に示すようなスクリーン印刷法が用いられる。この印刷方式は、印刷パターンに対応する開口が形成されたスクリーンマスク35をオーバーシート材15a(15b)の被印刷面に重ね合わせ、スキージ36で溶剤乾燥型インキ25Aを刷り込んで被印刷面に印刷パターンを形成する印刷法である。なお、本発明に適用可能な溶剤乾燥型インキとしては、例えば、(株)セイコーアドバンス製、商品名SG−700が挙げられる。
【0039】
溶剤乾燥型インキ25Aの印刷後は、直ちに乾燥炉へ装填して強制乾燥を行う(図4D)。乾燥が不十分で塗膜内部に溶剤が残留していると、オーバーシート材15a,15bと外コアシート14a,14bとの熱溶着を阻害する可能性があるからである。
【0040】
以上のようにして、オーバーシート材15a(15b)の被印刷面上に、紫外線硬化型インキ層24と溶剤乾燥型インキ層25の二層構造からなる印刷層23a(23b)が形成される。本実施の形態においては、カード表面に現れる印刷像のうち、IC周辺部の領域の印刷像は紫外線硬化型インキ層24によって形成され、IC周辺部以外の領域の印刷像は溶剤乾燥型インキ層25によって形成される。また、印刷層23a(23b)がオーバーシート材15a(15b)の内面側に設けられるので、印刷される絵柄や文字等は反転して形成されることになる。
【0041】
なお、IC周辺部以外の領域の印刷は溶剤乾燥型インキ25Aで行うようにしたが、必要に応じて紫外線硬化型インキ24Aでの印刷を併用してもよい。ただし、紫外線硬化型インキ24Aの印刷面積があまり大きいと、オーバーシート材15a(15b)の外コアシート材14a(14b)に対する熱溶着性に不具合が生じる可能性があるので注意が必要である。特に、カードの周辺部では紫外線硬化型インキの使用は控えるべきである。
【0042】
次に、図5を参照して、非接触ICカード10の製造方法の一具体例について説明する。内コアシート材13aの面内所定部位に対して、例えば打ち抜きプレス法によって上述した構成の貫通孔21を形成する(図5a,b)。貫通孔21は、内コアシート材13aに対して3行3列で計9箇所に形成される。これらの貫通孔21は、後に、内コアシート材13a上に配置されるアンテナ基板12のそれぞれのICモジュールに対応する部位に形成される。
【0043】
次に、内コアシート材13a上に、ICモジュールを形成したアンテナ基板12を一枚ずつ位置合わせして仮固定する(図5c)。本実施の形態では、アンテナ基板12がそのICチップ11の実装面を下向きに配置して、貫通孔21内にICチップ11を嵌合させている。なお、内コアシート材13aに対するアンテナ基板12の仮固定法としては、例えば超音波振動を用いたスポット溶着等が適用できる。
【0044】
内コアシート材13a上に9枚のアンテナ基板12を仮固定した後、他方側の内コアシート材13bを丁合い積層する(図5d)。続いて、内コアシート材13a,13bの上に外コアシート材14a,14bおよび、上述のように印刷層23a,23bを形成したオーバーシート材15a,15bを被印刷面が外コアシート材14a,14bに対向するように丁合い積層した後、一括的に熱プレスする(図5e,f)。
【0045】
熱プレス条件は、用いる材料等によって適宜調整される。本実施の形態では、プレス温度は150℃、プレス圧力は1MPaである。また、各種シート間における脱気のため、真空下における熱プレスが好適である。本実施の形態では、真空圧は例えば133.32Pa(1Torr)以下である。
【0046】
熱プレス時において、内コアシート材13a,13bおよび外コアシート材14a,14bは流動化し、また、ICチップ11と貫通孔21との間に形成される隙間には溶融樹脂が充填される。このようにコアシートの変形は特に、ICチップ11の周辺部で著しく発生し、従来ではこれが印刷絵柄歪みの原因となっていた。
【0047】
そこで本実施の形態では、印刷層23a,23bが、オーバーシート材15a,15b側から順に、紫外線硬化型インキ層24および溶剤乾燥型インキ層25の二層構造で構成されており、また、IC周辺部に対応する領域はオーバーシート材15a,15bに強固に密着さた紫外線硬化型インキ層24が形成されているので、溶剤乾燥型インキ層25はオーバーシート材15a,15bとコアシート(外コアシート材14a,14b)との適正な熱溶着性を得ながらIC周辺部の領域の印刷歪みを確実に防止でき、カード表面のIC周辺部において、印刷絵柄歪みがなく、外観品質の高い、意匠性に優れた非接触ICカード10を製造することができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、上述した作用によって一度の熱プレス工程で外観品質の優れた非接触ICカード10を得ることができる。したがって、コアシートの熱プレスと印刷シートの熱プレスとを2回に分けて行うことにより高い外観品質を維持するようにした従来の非接触ICカードの製造方法に比べて、本実施の形態によれば生産能力を高くすることができ、工程数減による製造コストの低減を図ることができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0050】
例えば以上の実施の形態では、ICカード10の一構成要素であるコアシートを内コアシート材13a,13bと外コアシート材14a,14bとで構成したが、これに限らず、例えば図6に示すように上記内コアシート材と外コアシート材とを一体化したコアシート材38a,38bで構成したものについても、本発明は適用可能である。この例では、ICチップ11を収容するためのニゲ孔を、コアシート材38a側に設けた凹所39で構成している。
なお、図において図1と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0051】
一方、コアシートに対してICチップを収容するためのニゲ孔を形成せずとも本発明に係る非接触ICカードを構成することも勿論、可能である。つまり、アンテナ基板に対するICチップの搭載によって生じる段差の影響で、熱プレス時にコアシートの変形挙動がIC周辺部で局所的に異なることになるが、本発明によりIC周辺部における印刷歪みの発生を抑制することができるので、外観品質が大きく損なわれることはない。
【0052】
また、以上の実施の形態では、オーバーシート材15a,15bの被印刷面に形成した印刷層23a,23bを紫外線硬化型インキ層24と溶剤乾燥型インキ層25とで構成したが、例えば所定波長領域の光線を照射したのみ印刷像が形成されるような特殊な塗料を用いたインキ層(例えば、蛍光印刷層)等を追加的に形成することも可能である。
【0053】
さらには、、非接触/接触通信機能を兼ね備えたデュアルインターフェースカード(コンビネーションンカードとも称される。)やハイブリッドカードなどのカード表面の絵柄印刷の形成にも、本発明は適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の非接触ICカードによれば、オーバーシートとコアシートとの間の良好な熱溶着性を確保しながら、表面の印刷歪みを防止することができる。
【0055】
また、本発明の非接触ICカードの製造方法によれば、カード表面の印刷歪みを効果的に抑制して、外観品質の優れた意匠性の高い非接触ICカードを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による非接触ICカードの層構造を模式的に示すチップ周辺部の断面図である。
【図2】図1に示す非接触ICカードの分解斜視図である。
【図3】図1に示す非接触ICカードのオーバーシート材15a(15b)の被印刷面に対する紫外線硬化型インキ24Aの印刷例を示す図である。
【図4】図1に示す非接触ICカードのオーバーシート材15a(15b)に対する印刷層の形成方法を説明する工程図であり、Aは紫外線硬化型インキの印刷工程、Bは紫外線硬化型インキの硬化処理工程、Cは溶剤乾燥型インキの印刷工程、Dは溶剤乾燥型インキの乾燥工程をそれぞれ示す。
【図5】図1の非接触ICカードの製造方法を説明する工程図である。
【図6】図1の非接触ICカードにおけるコアシートの他の実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
10…非接触ICカード、11…ICチップ(半導体チップ)、12…アンテナ基板、13a,13b…内コアシート材、14a,14b…外コアシート材、15a,15b…オーバーシート材、21…貫通孔(ニゲ孔)、23a,23b…印刷層、24…紫外線硬化型インキ層、24A…紫外線硬化型インキ、25…溶剤乾燥型インキ層、25A…溶剤乾燥型インキ、38…コアシート材、39…凹所(ニゲ孔)。

Claims (16)

  1. アンテナ配線に接続された半導体チップを間に挟んで積層されるコアシートと、前記コアシートに積層されるオーバーシートと、前記コアシートと前記オーバーシートとの間に設けられカード表面に現れる印刷像を形成するための印刷層とを備え、前記各シートが熱プレスにより一体化されてなる非接触ICカードであって、
    前記印刷層が、熱プレス温度に対する耐熱性を有する硬化型インキ層と、溶剤乾燥型インキ層との二層構造からなり、
    前記硬化型インキ層が、前記溶剤乾燥型インキ層よりも前記オーバーシート側に形成されている
    ことを特徴とする非接触ICカード。
  2. 前記硬化型インキ層が、紫外線硬化型インキ層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  3. 前記硬化型インキ層が、前記半導体チップの搭載位置に対応する部位に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  4. 前記硬化型インキ層の周縁領域が他の領域よりもぼかした印刷となっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の非接触ICカード。
  5. 前記硬化型インキ層と前記溶剤乾燥型インキ層とが同系色である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  6. 前記コアシートの前記半導体チップの搭載位置に対応する部位には、前記半導体チップを収容するためのニゲ孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  7. 前記オーバーシートの150℃における貯蔵弾性率が、10MPa以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード。
  8. アンテナ配線に接続された半導体チップをコアシートで挟み込み、更にその上から、印刷層を介してオーバーシートを積層し熱プレスする非接触ICカードの製造方法であって、
    前記印刷層を形成する工程が、
    前記オーバーシートの被印刷面に、熱プレス温度に対する耐熱性を有する硬化型インキを印刷し硬化させる工程と、
    前記形成した硬化型インキの上から前記被印刷面に溶剤乾燥型インキを印刷し乾燥させる工程とからなり、
    前記熱プレスの工程が、前記被印刷面を前記コアシートに対向させて行われる
    ことを特徴とする非接触ICカードの製造方法。
  9. 前記硬化型インキとして、紫外線硬化型インキを用いる
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  10. 前記硬化型インキの印刷が、オフセット印刷法で行われる
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  11. 前記溶剤乾燥型インキの印刷が、スクリーン印刷法で行われる
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  12. 前記硬化型インキと前記溶剤乾燥型インキとを同系色とする
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  13. 前記印刷層が、絵柄を反転させて形成される
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  14. 前記硬化型インキが、前記半導体チップの搭載位置に対応する部位に印刷される
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
  15. 前記硬化型インキの周辺部を、網点面積率を徐々に下げて印刷する
    ことを特徴とする請求項14に記載の非接触ICカードの製造方法。
  16. 前記半導体チップ、前記コアシートおよび前記オーバーシートの一体化を、真空下における一度の熱プレスによって完了させる
    ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカードの製造方法。
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