JP3964223B2 - 薄膜トランジスタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された薄膜トランジスタ及び容量素子を有する薄膜トランジスタ装置に関し、特に駆動回路一体型の液晶表示パネル及び有機EL表示パネルに適用可能な薄膜トランジスタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示パネルを使用したパーソナルコンピュータ用ディスプレイやテレビが一般的に使用されるようになった。液晶表示パネルは、携帯電話やPAD(Personal Digital Assistant)等のディスプレイにも使用されている。また、近年、液晶表示パネルに比べてより一層の省電力化が可能な有機EL表示パネルの開発も進められており、一部の製品では既に実用化されている。
【0003】
これらの液晶表示パネルや有機EL表示パネルでは、通常、多数の画素がマトリクス状に配列されており、各画素にはスイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistors :以下、TFTともいう)が設けられている。このような構造の表示パネルは、アクティブマトリクス型表示パネルといわれる。
【0004】
TFTの動作層にアモルファスシリコン膜を使用する場合は、アモルファスシリコンのキャリア移動度が小さいため、表示パネルの外側にパネル駆動用IC(Integrated Circuit)を接続し、この駆動用ICで表示パネルを駆動する必要がある。これに対し、TFTの動作層にポリシリコン膜を使用する場合は、ポリシリコン膜のキャリア移動度が大きいので、TFTで構成した駆動回路を表示パネルに一体的に形成することが可能になる。これにより、表示パネルを用いた装置の部品数及び製造工程数が削減され、製品コストを低減することができる。
【0005】
また、ポリシリコンTFTはアモルファスTFTに比べて駆動能力が大きいので微細化が可能であり、画素の開口率が向上する。これにより、CAD装置やモバイル装置に必要とされる高精細の表示が可能になる。更に、表示パネルにCPU、メモリアレイ及びその他の回路を一体的に形成することも提案されており、シートコンピュータ、インテリジェントディスプレイ及び電子ペーパー等への応用が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示パネルに駆動回路やその他の回路を一体的に形成する場合、容量素子の形成が必要になることがある。図1は液晶表示パネルの基板(TFT基板)の一般的な構成を示す模式断面図である。
【0007】
この図1に示すように、ガラス基板111上にはTFTの動作層である半導体膜113が形成されている。この半導体膜113には、n型不純物を高濃度に導入して形成された一対のソース/ドレイン領域113a,113bがチャネル領域を挟んで形成されている。
【0008】
ガラス基板111及び半導体膜113の上にはゲート絶縁膜114が形成されている。このゲート絶縁膜114上には、ゲート電極115aが形成されている。ゲート絶縁膜114及びゲート電極115の上には第1の層間絶縁膜116が形成されている。この第1の層間絶縁膜116上には、ソース電極117a及びドレイン電極117bが形成されている。ソース電極117aは、第1の層間絶縁膜116に形成されたコンタクトホールを介してソース領域113aに電気的に接続されており、ドレイン電極117bは第1の層間絶縁膜116に形成された他のコンタクトホールを介してドレイン領域113bに接続されている。
【0009】
第1の層間絶縁膜116、ソース電極113a及びドレイン電極113bの上には第2の層間絶縁膜118が形成されている。この第2の層間絶縁膜118の上には、ITO(Indium-Tin Oxide)等の透明導電材料からなる画素電極119が形成されている。この画素電極119は、第2の層間絶縁膜118に形成されたコンタクトホールを介してソース電極117aに電気的に接続されている。
【0010】
このような構成の液晶表示パネルに容量素子を形成する場合は、図2に示すように、(a)TFTの半導体膜113と同時に形成した半導体膜121と、ゲート絶縁膜114と、ゲート電極115と同時に形成した金属膜122とにより容量素子Cgを形成する方法、(b)TFTのゲート電極115と同時に形成した金属膜123と、第1の層間絶縁膜116と、ソース/ドレイン電極117a,117bと同時に形成した金属膜124とにより容量素子Ci1を形成する方法、(c)ソース/ドレイン電極117a,117bと同時に形成した金属膜125と、第2の層間絶縁膜118と、第2の層間絶縁膜118上に形成した導電膜126とにより容量素子Ci2を形成する方法がある。
【0011】
(a)の方法で形成された容量素子Cgは、ゲート絶縁膜114の厚さが薄いため、単位面積当たりの容量が大きいという利点がある。例えば、ゲート絶縁膜114が厚さ120nmのSiO2 膜からなる場合、容量素子Cgの単位面積当たりの容量は約0.3fF/μm2 となる。
【0012】
しかし、この容量素子Cgは、半導体膜121を容量電極としているので、電圧依存性及び周波数依存性をもつという欠点がある。そのため、バイアス電圧を適切に印加しなければ安定な容量が得られないだけでなく、高周波回路に用いることが困難である。液晶表示パネルの駆動回路では、動作周波数が数MHz〜数十MHzで動作する部分や高精度の容量値が要求される部分があり、このような用途には半導体膜121を容量電極とした容量素子Cgを使用することはできない。
【0013】
(b)の方法で形成された容量素子Ci1では、第1の層間絶縁膜116を容量誘電体膜として使用している。しかし、第1層配線と第2層配線との電気的絶縁性を確保するため、及びカバレッジ(被覆性)を確保するために、第1の層間絶縁膜116は比較的厚く形成する必要がある。このため、容量素子Ci1の単位面積当たりの容量が小さくなってしまう。
【0014】
例えば、第1の層間絶縁膜116として厚さが0.5μmのSiO2 膜を使用すると、容量素子Ci1の単位面積当たりの容量は約0.07fF/μm2 となる。従って、1pFの容量素子を形成するためには約14400μm2 (120×120μm)の占有面積が必要となる。
【0015】
(c)の方法で形成された容量素子Ci2では、第2の層間絶縁膜118を容量誘電体膜として使用している。この第2の層間絶縁膜118も、表面の平坦性が要求されるため比較的厚く形成されるので、容量素子Ci2の単位面積当たりの容量が小さくなってしまう。
【0016】
例えば、第2の層間絶縁膜118として比誘電率εが3.0、膜厚が2〜3μmの樹脂(平坦化樹脂)を使用した場合、容量素子Ci2の単位面積当たりの容量は約0.009fF/μm2 となる。従って、1pFの容量素子を形成するためには約110000μm2 (=333×333μm)の占有面積を必要とする。
【0017】
以上から、本発明は、薄膜トランジスタと、高精度で容量値の大きい容量素子とを比較的少ない工程数で形成できる薄膜トランジスタ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜トランジスタ装置は、基板と、前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された下部容量電極と、前記薄膜トランジスタ及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される層間絶縁膜と、前記上層絶縁膜の前記下部容量電極に対応する位置に形成された開口部と、前記開口部内に当該開口部よりも小さい面積で形成され、前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の他の薄膜トランジスタ装置は、基板と、前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記基板上に形成されて前記薄膜トランジスタを被覆する第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線及び下部容量電極と、前記第1層配線及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、前記下部容量電極に対応する位置に形成された前記上層絶縁膜の開口部と、前記開口部内に当該開口部よりも小さい面積で形成され前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明においては、層間絶縁膜を下層絶縁膜と上層絶縁膜との2層構造にしている。そして、下部容量電極の上方に上層絶縁膜の開口部を設け、この開口部内に上部容量電極を配置している。従って、容量誘電体膜の厚さは下層絶縁膜の厚さによって決まり、下層絶縁膜の厚さを薄くすることによって、大容量の容量素子を形成することが可能になる。また、層間絶縁膜として必要な厚さに応じて上層絶縁膜の厚さを決定することにより、層間絶縁膜の上下に配置された配線の電気的絶縁性及びカバレッジを確保することができる。更に、下部容量電極及び上部容量電極をいずれも金属膜により形成できるので、容量素子には電圧依存性及び周波数依存性がなく、高周波回路に用いることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図3は本発明の第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。この例では、基板上にp型TFT、n型TFT及び容量素子が形成された例を示している。
【0028】
絶縁性基板11の上には下地絶縁膜12が形成されている。p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域では、下地絶縁膜12上にポリシリコン膜13が形成されている。p型TFT形成領域のポリシリコン膜13には、p型不純物が高濃度に導入された一対の高濃度不純物領域13dが相互に離隔して形成されている。これらの高濃度不純物領域13とチャネル領域との間には、p型不純物が低濃度に導入されたLDD領域13cが形成されている。
【0029】
また、n型TFT形成領域のポリシリコン膜13には、n型不純物が高濃度に導入された一対の高濃度不純物領域13bが形成されており、これらの高濃度不純物領域13bとチャネル領域との間には、n型不純物が低濃度に導入されたLDD領域13aが形成されている。
【0030】
p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域のポリシリコン膜13、並びに容量素子形成領域の下地絶縁膜12の上にはシリコン酸化膜15が形成されている。p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域のシリコン酸化膜15は、ゲート絶縁膜として機能する。
【0031】
p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域のシリコン酸化膜15の上には、それぞれ金属膜からなるゲート電極16a,16bが形成されている。また、容量素子形成領域のシリコン酸化膜15の上には、ゲート電極16a,16bと同一の金属膜からなる第1の容量電極16cが形成されている。
【0032】
これらのゲート電極16a,16b及び第1の容量電極16cは第1の下層絶縁膜19aに覆われており、第1の下層絶縁膜19aの上には第1の上層絶縁膜19bが形成されている。これらの第1の下層絶縁膜19a及び第1の上層絶縁膜19bにより、第1の層間絶縁膜19が構成される。但し、容量素子形成領域では、第1の容量電極16cの上方に第1の上層絶縁膜19bの開口部20aが設けられている。
【0033】
容量素子形成領域には、開口部20a内の第1の下層絶縁膜19a上から第1の上層絶縁膜19bの上に延出する第2の容量電極21aが形成されている。また、p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域の第1の上層絶縁膜19b上には、第1層配線21bが形成されている。これらの第1層配線21bのうちの所定の配線は、第1の層間絶縁膜19に形成されたコンタクトホールを介して、TFTのゲート電極16a,16b又は高濃度不純物領域13b,13dに電気的に接続されている。
【0034】
第2の容量電極21a及び第1層配線21bは第2の下層絶縁膜22aに覆われており、第2の下層絶縁膜22aの上には第2の上層絶縁膜22bが形成されている。これらの第2の下層絶縁膜21a及び第2の上層絶縁膜22bにより、第2の層間絶縁膜22が構成される。但し、容量素子領域では、第2の上層絶縁膜22bのうちの第1の上層絶縁膜19b上の第2の容量電極21aに対応する部分に、開口部24aが設けられている。
【0035】
容量素子形成領域には、開口部24a内の第2の下層絶縁膜22aの上から第2の上層絶縁膜22bの上に延出する第3の容量電極25aが形成されている。
また、p型TFT形成領域及びn型TFT形成領域の上層絶縁膜22b上には、第2層配線25bが形成されている。これらの第2層配線25bのうちの所定の配線は、第2の層間絶縁膜22に形成されたコンタクトホールを介して、第1層配線21bに電気的に接続されている。
【0036】
本実施の形態では、第1の容量電極16c、第2の容量電極21a及びそれらの間の第1の下層絶縁膜19aにより第1の容量素子C1 が構成され、第2の容量電極21a、第3の容量電極25a及びそれらの間の第2の下層絶縁膜22aにより第2の容量素子C2 が構成される。
【0037】
図4〜図13は上述の薄膜トランジスタ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。これらの図においては、いずれも図の左側にp型TFT形成領域における断面、中央にn型TFT形成領域における断面、左側に容量素子形成領域における断面を示している。
【0038】
まず、図4(a)に示すように、絶縁性基板11の上に、厚さが150〜300nmの下地絶縁膜12と、厚さが20〜100nm(好ましくは40〜50nm)のアモルファスシリコン膜13aとを形成する。
【0039】
本発明を透過型液晶表示パネルに適用する場合は、絶縁性基板11が透明であることが必要である。透過型液晶表示パネルの製造に適した絶縁性基板として、例えばコーニング(CORNING inc.)社製のガラス基板(#1737 )がある。
【0040】
下地絶縁膜12及びアモルファスシリコン膜13aは、例えばPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition )法により連続的に形成する。下地絶縁膜12は、シリコン酸化膜(SiO2 膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)、又はこれらの積層膜により形成する。例えば、下地絶縁膜12をシリコン酸化膜のみで形成する場合は200nmの厚さとし、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との2層構造とする場合はシリコン窒化膜の厚さを50nm、シリコン酸化膜の厚さを200nmとする。
【0041】
その後、アモルファスシリコン膜13aを形成した基板11を窒素(N2 )雰囲気中で400〜450℃の温度で約1時間熱処理して、アモルファスシリコン膜13a中の水素を除去する。なお、アモルファスシリコン膜13aの水素含有量が低い(例えば1%以下)場合は、この脱水素処理を省略してもよい。アモルファスシリコン膜13a中の水素含有量は製造条件に関係する。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、エキシマレーザ光(波長が308nm)をアモルファスシリコン膜13aに照射してシリコンを結晶化し、ポリシリコン膜13を形成する。このとき、レーザ光のエネルギー密度は300〜400mJ/cm2 (より好ましくは320〜350mJ/cm2 )とする。エキシマレーザの場合、通常、レーザ光の照射域を長さが約200mm、幅が約0.6mm〜1.0mmの線状とし、1ショット毎にレーザ光の照射域をずらしながら照射する。
【0043】
このようにしてポリシリコン膜13を形成した後、結晶性を改善するために、ポリシリコン膜13の表面を水素又は水蒸気などの雰囲気中に晒す処理を施すことが好ましい。
【0044】
次に、フォトレジストをポリシリコン膜13上に塗布し、所定のパターンを有する露光マスクを使用して、フォトレジストを露光する。その後、現像処理して、図5(a)に示すように、TFT形成領域のポリシリコン膜13上を覆うレジスト膜14を形成する。
【0045】
そして、このレジスト膜14をマスクとし、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法によりポリシリコン膜13をエッチングする。その後、レジスト膜14を除去する。これにより、図5(b)に示すように、基板11上にポリシリコン膜13が島状に残る。
【0046】
次に、図6(a)に示すように、PECVD法により、基板11の上側全面に、ゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜15を20〜150nmの厚さに形成する。この場合、原料ガスには、SiH4 ガスとN2 Oガスとを使用する。
【0047】
シリコン酸化膜15の厚さはTFTの動作電圧に応じて設定する。例えば、駆動電圧が16〜18VのTFTの場合はシリコン酸化膜15の厚さを100〜150nmとし、駆動電圧が8〜10VのTFTの場合はシリコン酸化膜15の厚さを40〜80nmとし、電源電圧が3.3〜5VのTFTの場合はシリコン酸化膜15の厚さを20〜60nmとする。
【0048】
次に、図6(b)に示すように、スパッタ法により、基板11の上側全面にAl(アルミニウム)合金膜16を300〜500nm(好ましくは350nm)の厚さに形成する。Al合金膜16の材料としては、例えばAl−Nd(ネオジム)又はAl−Sc(スカンジウム)を使用することができる。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、Al合金膜16の上に所定のパターンでレジスト膜17を形成する。
【0050】
そして、このレジスト膜17をマスクとしてAl合金膜16をウェットエッチング(等方性エッチング)して、図7(b)に示すように、p型TFTのゲート電極16a、n型TFTのゲート電極16b及び第1の容量電極16cを形成する。このとき、Al合金膜16をオーバーエッチングして、レジスト膜17の幅よりもゲート電極16a,16b及び第1の容量電極16cの幅が小さくなるようにする。図14に示すオーバーエッチング量ΔLはTFTのLDD領域のサイズに応じて設定すればよく、例えば0.5〜1.5μmとする。ここでは、オーバーエッチング量ΔLを約0.8μmに設定したものとする。
【0051】
なお、ゲート電極16a,16b及び第1の容量電極16cの断面形状を改善するために、Al合金膜16の表面を予め有機溶剤又は表面活性剤で処理しておくことが好ましい。また、レジスト膜17をマスクとしてAl合金膜16をRIE法等により異方性エッチングし、その後LDD領域の分だけAl合金膜16を横方向にウェットエッチングしてもよい。
【0052】
次に、図8(a)に示すように、レジスト膜17をマスクとして、RIE法によりシリコン酸化膜15をエッチングする。このとき、エッチングガスとして、シリコン酸化膜15とポリシリコン膜13とのエッチング選択比が十分に高い(10対1以上)ものを使用することが必要である。このようなエッチングガスとして、例えば、CHF3 などのC(炭素)を含有するガスがある。
【0053】
これにより、レジスト膜17に覆われていない部分のシリコン酸化膜15がほぼ垂直にエッチングされて、ゲート電極16a,16bの両側に幅がΔLの段差が自己整合的に形成される。
【0054】
次に、レジスト膜17を除去した後、図8(b)に示すように、ポリシリコン膜13にP(リン)又はその他のn型不純物をイオンドーピングし、低濃度不純物領域(LDD)13a及び高濃度不純物領域(HDD)13bを形成する。このイオンドーピングには、RF放電方式又はDC放電方式のイオン源を有するプラズマドーピング装置を使用し、濃度が1〜5%のPH3 希釈ガスを装置内に流しながら実施する。
【0055】
すなわち、シリコン酸化膜15を透過する条件でP(リン)をポリシリコン膜13に低濃度にイオンドーピングし、低濃度不純物領域13aを形成する。その後、シリコン酸化膜15を不透過の条件でP(リン)をポリシリコン膜13に高濃度にイオンドーピングし、高濃度不純物領域13bを形成する。先に高濃度不純物領域13bを形成し、その後低濃度不純物領域13aを形成してもよい。
【0056】
例えば、シリコン酸化膜15の厚さが120nmの場合、低濃度不純物領域13aを形成するときの条件は、加速電圧が70keV、ドーズ量が5×1012ions/cm2 とし、高濃度不純物領域13bを形成するときの条件は、加速電圧が10keV、ドーズ量が5×1014〜2×1015ions/cm2 とする。低濃度不純物領域13aを形成するときの加速電圧はシリコン酸化膜15の厚さに応じて設定する必要があり、シリコン酸化膜15の厚さが40〜60nmの場合は加速電圧を30〜40keVとする。
【0057】
この方法では、イオンドーピング装置の真空を破ることなく、低濃度不純物領域13a及び高濃度不純物領域13bを連続的に形成できるという利点がある。
【0058】
次に、図9(a)に示すように、基板11上に、n型TFT形成領域及び容量素子形成領域を覆い、p型TFT形成領域が露出するレジスト膜18を形成する。そして、濃度が1〜5%のB2 6 希釈ガスを使用し、RF放電方式又はDC放電方式のイオン源を有するプラズマドーピング装置により、p型TFT形成領域のポリシリコン膜13に、既に導入されているP(リン)の2〜3倍のドーズ量でB(ホウ素)又はその他のp型不純物を導入して、低濃度不純物領域(LDD領域)13c及び高濃度不純物領域(HDD領域)13dを形成する。
【0059】
例えば、シリコン酸化膜15の厚さが120nmの場合、低濃度不純物領域13cを形成するときの条件は、加速電圧が60keV、ドーズ量が1×1013〜5×1014ions/cm2 とし、高濃度不純物領域13dを形成するときの条件は、加速電圧が10keV、ドーズ量が1×1014〜5×1015ions/cm2 とする。シリコン酸化膜15の厚さが40〜60nmのときは、低濃度不純物領域13cを形成するときの加速電圧を30〜40keVとする。
【0060】
この場合も、先に高濃度不純物領域13dを形成し、その後低濃度不純物領域13cを形成してもよい。
【0061】
このように、n型TFT(又はp型TFT)を形成した後、更にp型不純物(又はn型不純物)を導入してp型TFT(又はn型TFT)を形成する方法を、反転ドーピング法という。この方法によれば、比較的少ない工程で、n型TFT及びp型TFTの両方を形成することができる。
【0062】
次に、レジスト膜18を除去した後、図9(b)に示すように、エキシマレーザ(波長が308nm)を使用し、エネルギー密度が250〜300mJ/cm2 の条件で基板11の上側全体を照射して、ポリシリコン膜13中に導入した不純物の活性化を行う。エキシマレーザによる加熱に替えて、ハロゲンランプ等を用いたランプ加熱法により不純物の活性化を行ってもよい。
【0063】
この不純物活性化処理により、高濃度不純物領域(ソース/ドレイン)13b,13dのシート抵抗を5kΩ/□以下、より好ましくは1kΩ/□以下とし、低濃度不純物領域(LDD領域)13a,13cのシート抵抗を1×104 〜5×106 Ω/□、より好ましくは5×104 〜1×105 Ω/□とする。
【0064】
なお、低濃度不純物領域(LDD領域)13a,13cの不純物の活性化を向上させるために、レーザ光照射前又はレーザ光照射後に、300〜600℃の温度で熱活性化処理することが好ましい。
【0065】
次に、図10(a)に示すように、PECVD法により、基板11の上側全面に、厚さが60〜100nmのシリコン酸化膜(SiO2 膜)からなる下層絶縁膜19aと、厚さが300〜600nm(好ましくは60〜400nm)のシリコン窒化膜(SiNx膜)からなる上層絶縁膜19bとを順次形成する。これらの下層絶縁膜19a及び上層絶縁膜19bにより、第1の層間絶縁膜19が構成される。
【0066】
次に、フォトリソグラフィ法により、図10(b)に示すように、第1の容量電極16cの上方の上層絶縁膜19bを除去して、開口部20aを形成する。この場合に、エッチングガスとしてCF4 /SF6 /O2 の混合ガスを使用する。このエッチングガスはシリコン酸化物に対するエッチングレートが遅いので、下層絶縁膜(シリコン酸化膜)19aを殆どエッチングすることなく、上層絶縁膜(シリコン窒化膜)19bに開口部20aを形成することができる。但し、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜とのエッチング選択比を高くするためには、CF4 とSF6 との比率、及びRFパワーを適切に調整する必要がある。
【0067】
その後、フォトリソグラフィ法により、上層絶縁膜19bの表面からTFTの高濃度不純物領域(ソース/ドレイン)13b,13d及びゲート電極16a,16bに到達するコンタクトホール20b,20cを形成する。このフォトリソグラフィ工程では、CF4 /SF6 /O2 の混合ガスを用いてシリコン窒化膜からなる上層絶縁膜19bをエッチング(RIE)し、続けてCHF3 ガス等のシリコンに対し選択性の高いエッチングガスを用いてシリコン酸化膜からなる下層絶縁膜19aをエッチングする。
【0068】
次に、1%希釈のHFでコンタクトホール20b,20c内の自然酸化膜を除去する。
【0069】
次に、図11(a)に示すように、スパッタ法により、基板11の上側全面に、Ti(チタン)、Au(金)、Ti(チタン)を連続的に堆積して、Ti膜(100nm)/Au膜(200nm)/Ti膜(50nm)が積層されてなる金属膜21を形成する。このとき、コンタクトホール20b,20cに金属が埋め込まれ、高濃度不純物領域13a〜13d及びゲート電極15a,15bが金属膜21と電気的に接続される。
【0070】
その後、フォトリソグラフィ法により金属膜21をパターニングして、図11(b)に示すように、容量素子形成領域に第2の容量電極21aを形成するとともに、上層絶縁膜19b上に第1層配線21bを形成する。金属膜21のエッチングは、例えば塩素系エッチングガスを用いたRIE法により実施する。また、第2の容量電極21aは、シリコン酸化膜からなる下層絶縁膜19aの上に形成される部分と、シリコン窒化膜からなる上層絶縁膜19bの上の部分とにより構成される。
【0071】
次に、図12(a)に示すように、PECVD法により、基板11の上側全面に厚さが50〜200nm(好ましくは100nm)の窒化シリコン膜からなる下層絶縁膜22aを形成する。そして、フォトリソグラフィ法により、この下層絶縁膜22aの所定の位置に、第1層配線21bに到達するコンタクトホール23を形成する。但し、第2の容量電極21aの上にはコンタクトホールを形成しない。
【0072】
次に、図12(b)に示すように、シリコン窒化膜からなる下層絶縁膜22aの上に、上層絶縁膜(平坦化膜)22bとして、ポジ型感光性アクリル樹脂又はポリイミド樹脂を3〜4μmの厚さに塗布する。この上層絶縁膜22bと先に形成された下層絶縁膜22aとにより、第2の層間絶縁膜22が構成される。
【0073】
その後、上層絶縁膜(感光性樹脂)22bを選択的に露光し、現像処理を施して、コンタクトホール23につながる孔24bを形成するとともに、容量素子形成領域の第2の容量電極21aの上方の上層絶縁膜22bを除去して、開口部24aを形成する。
【0074】
次に、スパッタ法により基板11の上側全面に厚さが50nmのTi膜と、厚さが200nmのAl膜とを連続的に成膜し、これらのTi膜とAl膜との2層構造の金属膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ法により、金属膜をパターニングして、図13に示すように、容量素子形成領域に第3の容量電極25aを形成するとともに、上層絶縁膜22b上に所定の第2層配線25bを形成する。このフォトリソグラフィ工程では、例えば塩素系ガスを用いたRIE法により、Ti膜及びAl膜を順次エッチングする。
【0075】
このようにして、本実施の形態では、p型TFT及びn型TFTとともに第1の容量素子C1 及び第2の容量素子C2 を形成するので、工程数の増加が抑制される。これらの容量素子C1 ,C2 は、直列又は並列に接続された2個の容量素子として使用することができる。
【0076】
本実施の形態において、窒化シリコン膜からなる下層絶縁膜22aの厚さが100nmとすると、第2の容量電極21aと、第3の容量電極25aと、それらの間の下層絶縁膜22aとにより構成される容量素子の単位面積当たりの容量は約0.6fF/μm2 となり、従来の第2層間容量(平坦化膜等)と比較して50倍以上大きい。1pFの容量を形成するためには、1667μm2 (約40μm×40μm)の占有面積となる。下層絶縁膜22aの膜厚を約50nmとすれば、単位面積当たりの容量が約1fF/μm2 となる。このように、本実施の形態によれば、基板11上に大容量の容量素子を形成することができる。
【0077】
また、容量素子C1 ,C2 はいずれも容量電極が金属膜からなるので、電圧及び周波数により容量値が変化することがなく、高精度の容量素子が要求される回路に適用することができる。
【0078】
(第2の実施の形態)
図15は本発明の第2の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。なお、図15において、図3と同一物には同一符号を付している。
【0079】
この薄膜トランジスタ装置においては、第1の実施の形態と異なり、第2の層間絶縁膜22の上に第3の容量電極が形成されていない。すなわち、容量素子形成領域にはTFTのゲート電極16a,16bと同時に形成された第1の容量電極16cと、第1層配線21bと同時に形成された第2の容量電極21aと、これらの間に形成された第1の下層絶縁膜19aとにより構成される容量素子C1 のみが形成されている。
【0080】
第1の下層絶縁膜19aは、厚さが20〜150nmと薄いシリコン酸化膜からなるので、単位面積当たりの容量値が大きい容量素子C1 を形成することができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、第2の層間絶縁膜22を、平坦化樹脂のみで形成してもよく、第1の実施の形態と同様に、シリコン窒化膜と平坦化樹脂膜との積層構造としてもよい。また、本実施の形態の薄膜トランジスタ装置は、第3の容量電極を形成しないことを除き、第1の実施の形態で説明した方法と同様の方法で製造することができる。
【0082】
(第3の実施の形態)
図16は本発明の第3の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。なお、図16において、図3と同一物には同一符号を付している。
【0083】
この薄膜トランジスタ装置においては、第1の実施の形態と異なり、第1の層間絶縁膜19の下に第1の容量電極が形成されていない。すなわち、容量素子形成領域には、第1層配線21bと同時に形成された容量電極21aと、第2層配線25bと同時に形成された容量電極25aと、それらの間に形成された第2の層間絶縁膜22の下層絶縁膜22aとにより構成される容量素子C2 のみが形成されている。
【0084】
下層絶縁膜22aは厚さ50〜200nmのシリコン窒化膜等からなり、上層絶縁膜22bは厚さ3〜4μmの樹脂等からなる。容量素子C2 は厚さが50〜200nmと薄い下層絶縁膜22aを容量誘電体膜としているので、単位面積当たりの容量値が大きい容量素子C2 を形成することができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、第1の層間絶縁膜19を、単層の膜(シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜のみ)で構成してもよく、第1の実施の形態と同様に、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造としてもよい。また、本実施の形態の薄膜トランジスタ装置は、第1の容量電極を形成しないことを除き、第1の実施の形態で説明した方法と同様の方法で製造することができる。
【0086】
(第4の実施の形態)
図17は本発明の第4の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。なお、図17において、図3と同一物には同一符号を付している。
【0087】
本実施の形態の薄膜トランジスタ装置においては、第1の容量電極16cの上方に、第1の下層絶縁膜19a、第2の容量電極21a、第2の下層絶縁膜22a及び第3の容量電極25aが積層されている。
【0088】
第1の下層絶縁膜19aは厚さが20〜150nmのシリコン酸化膜からなり、第2の下層絶縁膜22aは厚さ50〜200nmのシリコン窒化膜からなる。この場合も、p型TFT及びn型TFTの形成とともに、容量素子C1 ,C2 を形成することが可能であり、工程数の増加を抑制することができる。
【0089】
(容量電極の形状及び引出配線の例)
図18(a)は本発明に係る薄膜トランジスタ装置の容量素子形成部の上面図、図18(b)は図18(a)のI−I線による断面図である。但し、図18(b)においては、下地絶縁膜12及びシリコン酸化膜15の図示を省略している。また、層間絶縁膜19を、下層絶縁膜19aと上層絶縁膜19bとの2層構造としている。更に、下層絶縁膜19aの下に容量素子C1 の下側容量電極16cを形成し、下層絶縁膜19aの上に容量素子C1 の上側容量電極21aを形成している。下側容量電極16c及び上側容量電極21aは、それぞれ所定の配線16d,12dを介して他の素子(図示せず)に接続される。
【0090】
この場合、上側容量電極21aは、下側容量電極16cとの短絡を確実に防止するために、上層絶縁膜19bの上の配線21dに接続する必要がある。また、下側容量電極16cと上層絶縁膜19b上の配線21dとの間の浮遊容量を低減するためには、上層配線21dの幅を細くすることが好ましい。
【0091】
図19は容量素子の上側容量電極21aの縁部を上層絶縁膜19bの上に形成した例を示す断面図である。
【0092】
平行平板型容量素子では、一対の容量電極の大きさが同じであるとすると、容量電極の縁部における電界強度が強いので、この部分でもれ電流が発生しやすいという特性がある。
【0093】
そこで、この図19に示すように、上層絶縁膜19bに形成する開口部20aのサイズを下側容量電極16cよりも若干小さくし、上側容量電極21aの縁部が上層絶縁膜19bの上に配置されるようにする。これにより、上側容量電極21aの縁部と下側容量電極16cとで構成される浮遊容量Ceの値が小さくなり、上側容量電極21aの縁部の電界強度が緩和されて、漏れ電流が減少する。
【0094】
図19に示すように、上側容量電極21aのうち、上層絶縁膜19b上に形成された縁部の長さをWeとすると、Weはフォトリソグラフィ工程のマスク合わせマージンと同じ程度にすることが好ましい。
【0095】
図20は他の例を示す断面図である。この図20に示すように、上層絶縁膜19bの開口部20aのサイズを下側容量電極16cよりも小さくし、上側容量電極21aのサイズを開口部20aのサイズよりも小さくする。これにより、下側容量電極16cの縁部が上側容量電極21aとオーバーラップしないので、浮遊容量Ceが更に小さくなる。
【0096】
但し、この場合は、開口部20a内に、上側容量電極21aと上層絶縁膜19b上の配線とを電気的に接続する引出配線を形成する必要がある。
【0097】
図21は、下側容量電極16cをAl膜31aと、Moからなるブロック膜31bとの2層構造にした例を示す断面図である。
【0098】
容量電極をAl膜(Al合金膜を含む)のみで形成した場合は、加熱によりAl膜の表面にヒロックと呼ばれる凹凸が発生することがある。容量電極にヒロックが発生すると、容量誘電体膜にクラックが発生し、上側容量電極と下側容量電極とが短絡してしまう。
【0099】
そこで、図21に示すように、Al膜31aの上にブロック膜31bを形成することによりヒロックの発生を抑え、上側容量電極と下側容量電極との短絡を防止する。
【0100】
ブロック膜31bとしては、上述したMo膜の他にも、MoN膜又はTi膜等を使用することができる。また、ブロック膜31bの厚さは、30〜100nmとすることが好ましい。
【0101】
更に、図22に示すように、容量電極16cを、Al膜31aと、このAl膜31aを上下から挟むTi膜31b,31cの3層構造としてもよい。この場合も、ヒロックの発生を抑え、上側容量電極と下側容量電極との短絡を防止できる。更に、図3に示す第2の容量電極21aをTi膜/Al膜/Ti膜の3層構造とすることにより、第1の容量電極16cと第2の容量電極21aとの間、及び第2の容量電極21aと第3の容量電極25aとの間の短絡をいずれも防止することができる。
【0102】
(液晶表示装置)
図23は本発明を適用した液晶表示装置(液晶表示パネル)の例を示すブロック図である。この例では、UXGA(Ultra Extend Graphic Array:1600×1200ピクセル)の液晶表示装置について説明する。
【0103】
この液晶表示装置には、表示部41と、この表示部41を駆動するデータドライバ42及びゲートドライバ43(駆動回路)とが形成されている。
【0104】
表示部41には、水平方向に4800(1600×RGB)個、垂直方向に1200個の画素(サブピクセル)が並んでいる。また、表示部41には、これらの画素に表示信号及び走査信号を供給する4800本のデータバスライン51及び1200本のゲートバスライン52が形成されている。また、表示部41には、補助容量バスライン57がゲートバスライン52と平行に形成されている。
【0105】
1つの画素は、2個のn型TFT53,54と、液晶セル55と、補助容量56とにより構成されている。TFT53,54はデータバスライン51と液晶セル55との間に直列に接続されている。また、補助容量56は、液晶セル55と補助容量バスライン57との間に接続されている。なお、液晶セル55は、相互に対向して配置された一対の透明電極と、それらの電極間に存在する液晶と、一対の透明電極の外側にそれぞれ配置された偏光板とにより構成される。
【0106】
データドライバ42は、データ(表示信号)及び制御信号(データクロック及びデータスタート信号等)が入力される信号入力部61と、信号処理部62と、シフトレジスタ63と、2系統のレジスタ64と、レベルシフタ65と、アナログ出力バッファ部66と、アナログ選択スイッチ部67とにより構成される。
【0107】
信号入力部61は、外部装置からデータ及び制御信号を入力し、表示信号をシフトレジスタ63に出力し、制御信号を制御処理部62に出力する。信号処理部62は、制御信号をシフトレジスタ63、レジスタ64、レベルシフタ65、アナログ出力バッファ部66及びアナログ選択スイッチ部67に供給する。
【0108】
シフトレジスタ63は、信号入力部61から表示信号を入力し、信号処理部62から入力したクロック信号に同期して表示信号をシフトする。レジスタ64は、シフトレジスタ63から出力された表示信号を、信号処理部62から入力したクロック信号に同期したタイミングで保持する。
【0109】
レベルシフタ65は、レジスタ64から出力された信号をアナログの表示信号に変換する。このレベルシフタ65には、後述する回路構成の容量分割方式DAC(D−Aコンバータ)が含まれている。
【0110】
レベルシフタ65から出力された信号は、アナログ出力バッファ部66を介してブロック選択スイッチ部67に入力される。
【0111】
ブロック選択スイッチ部67は、信号処理部62から出力される制御信号に基づいて、表示部11のデータバスライン51に対し、ブロック毎に表示信号を供給する。
【0112】
ゲートドライバ43は、ゲート制御信号(ゲートクロック及びゲートスタート信号等)が入力されるシフトドライバ71と、レベルシフタ72と、出力バッファ部73とにより構成されている。シフトレジスタ71は1200個の出力端子を有し、ゲートスタート信号により初期化され、ゲートクロックに同期したタイミングで1200個の出力端子の出力を1水平同期期間だけ順番にアクティブにする。
【0113】
レベルシフタ72は、シフトレジスタ71から出力された低電圧(例えば、5V)の信号を高電圧(例えば、13V)の信号に変換する。この高電圧の信号は、出力バッファ部73を介してゲートバスライン62に供給される。
【0114】
本実施の形態の液晶表示装置は、UXGA型であるので、データクロック周波数は162MHzである。パーソナルコンピュータから出力される表示信号(データ)及び制御信号は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling )レシーバ(図示せず)によって8ビットのデジタル信号に変換されて、信号入力部61に入力される。
【0115】
液晶表示装置のクロック周波数は、データ入力信号(ビデオ信号線)の本数によって異なる。例えば、1クロックで1ピクセル(RGBの3個のサブピクセル)分の8ビットデータを入力する場合は、ビデオ信号線の本数は24(8×3)となり、クロック周波数は162MHzとなる。
【0116】
1クロックで2ピクセル分の8ビットデータを入力する場合は、ビデオ信号の本数は48(8×3×2)本となり、クロック周波数は80MHzとなる。1クロックで4ピクセル分の8ビットデータを入力する場合は、ビデオ信号の本数は96(8×3×4)本となり、クロック周波数は40MHzとなる。
【0117】
図24(a),(b)はいずれもレベルシフタ65内のD−Aコンバータの例を示す回路図である。これらのD−Aコンバータは、4ビットのデジタル信号を入力してアナログ信号を出力する容量分割型D−Aコンバータである。これらのD−Aコンバータでは、p型TFT及びn型TFTにより構成される選択アナログスイッチSW1 〜SW4 、容量素子C1 〜C8 及びリセットアナログスイッチSW5 により構成される。
【0118】
4ビットのデジタル信号に応じてアナログスイッチSW1〜SW4 からVref-又はVref+が出力され、ホールド容量素子C1 〜C4 に電荷が蓄積される。この容量素子C1 〜C4 に蓄積された電荷に応じて分割容量素子C5 〜C8 に電荷が蓄積され、デジタル信号に応じたアナログ信号が出力端子から出力される。リセット時にはスイッチSW5 がオンになって出力端子とVref-配線とが電気的に接続され、容量素子C1〜C8 に蓄積された電荷が中和される。
【0119】
ここで使用される容量素子C1 〜C8 の容量値は、0.1〜10pF程度である。
【0120】
図25はアナログ出力バッファ部66を構成するしきい値キャンセル型アナログバッファの構成を示す回路図である。このアナログバッファではp型TFT及びn型TFT(T1 〜T15)の他に、2個の容量素子C11,C12が使用される。ここで使用される容量素子C11,C12の容量値は数〜数10pF程度である。
【0121】
図26は、データドライバ52の断面構造を示す概略図である。なお、図26において、図3と同一物には同一符号を付している。
【0122】
データドライバ52は信号伝送線部、D−Aコンバータを含む高周波回路部及びアナログバファ部などから構成されている。信号伝送線部には、複数の配線層に配線W1 ,W2 が形成され、最上層の配線層には、その下方の配線W1 ,W2 をシールドするシールドパターンW3 が形成されている。このシールドパターンW3 は接地電位(GND)に保持される。
【0123】
高周波回路部には、TFT等により構成される高周波トランジスタ回路部77が形成されている。また、高周波回路部には、D−Aコンバータのホールド容量素子及び分割容量素子として、第1〜第4の実施の形態で説明した構造の容量素子C21が形成されている。
【0124】
アナログバッファ部にも、TFTにより構成されるトランジスタ回路部78と、第1〜第4の実施の形態で説明した構造の容量素子C22とが形成されている。これらの回路78と容量素子C22とにより、図25に示すようなしきい値キャンセル型アナログバッファ回路が構成される。
【0125】
このように、液晶表示装置の駆動回路内のD−Aコンバータやアナログバッファに本発明の容量素子を使用することにより、駆動回路の形成に必要な面積が縮小化される。
【0126】
図27は、本発明を適用した液晶表示装置の模式断面図である。ガラス基板81の周辺回路部には、TFTにより構成された周辺回路82が形成されている。また、ガラス基板81の表示部には、各画素毎にTFT83が形成されている。これらの周辺回路82及びTFT83は絶縁膜84に覆われており、この絶縁膜84上には周辺回路82の配線が形成されている。これらの配線は、絶縁膜84上に形成された絶縁膜85に覆われている。
【0127】
絶縁膜85の上には、各画素毎に赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のいずれか一色のカラーフィルタ86が形成されている。これらのカラーフィルタ86は、平坦化膜87に覆われている。
【0128】
平坦化膜87の上には、各画素毎にITOからなる画素電極88が形成されている。これらの画素電極88はコンタクトホールを介してTFT83と電気的に接続される。また、これらの画素電極88の上には、液晶98の初期状態における配向方向を決めるための配向膜90が形成されている。
【0129】
周辺回路部82の平坦化膜87上には金属からなる遮光膜89が形成されている。この遮光膜89と、その下方の赤色カラーフィルタ86とにより、周辺回路部が遮光される。
【0130】
一方、ガラス基板91の液晶98側の面には、ITOからなる対向電極92が形成されている。この対向電極92の表面には、液晶98の初期状態における平行方向を決めるための配向膜93が形成されている。
【0131】
ガラス基板81,91はシール材95によって接合され、これらのガラス基板81,91間に液晶98が封入される。また、対向電極92はトランスファー94を介して遮光膜89と電気的に接続され、ガラス基板81に形成されている端子(図示せず)を介して外部装置に接続される。
【0132】
また、ガラス基板81の下側には偏光板96が配置され、ガラス基板91の上には偏光板97が配置される。これらの偏光板96,97は、その偏光軸が互いに直交するように配置される。
【0133】
なお、この図27に示す例ではカラーフィルタ86及び遮光膜89が、TFT83が形成されている基板81上に形成されている場合について説明したが、対向電極92が形成されたガラス基板91側にカラーフィルタ及び遮光膜が形成されていてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態では本発明を液晶表示装置に適用した場合について説明したが、これにより本発明の適用範囲が液晶表示装置に限定されるものではない。本発明は、有機EL表示装置(有機ELパネル)やその他の薄膜トランジスタを用いた装置に適用することができる。
【0135】
更に、上記実施の形態では液晶表示装置の駆動回路内の容量素子に本発明を適用した場合について説明したが、表示部の画素毎に設けられる補助容量に本発明に係る容量素子を用いてもよい。これにより、容量素子の占有面積が小さくなって開口率が向し、低消費電力でも明るい画像を表示可能な液晶表示装置を実現することができる。
【0136】
(付記1)基板と、前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された下部容量電極と、前記薄膜トランジスタ及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される層間絶縁膜と、前記上層絶縁膜の前記下部容量電極に対応する位置に形成された開口部と、前記開口部内に配置され、前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置。
【0137】
(付記2)前記下層絶縁膜の膜厚が、前記上層絶縁膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする付記1に記載の薄膜トランジスタ装置。
【0138】
(付記3)前記上部容量電極が、前記開口部の底部から開口部の周囲の前記上層絶縁膜上に延出していることを特徴とする付記1に記載の薄膜トランジスタ装置。
【0139】
(付記4)前記下部容量電極及び前記上部容量電極の少なくとも一方が、アルミニウム膜と、該アルミニウム膜のヒロックを防止するブロック膜との積層構造を有することを付記1に記載の薄膜トランジスタ装置。
【0140】
(付記5)基板と、前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記基板上に形成されて前記薄膜トランジスタを被覆する第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線及び下部容量電極と、前記第1層配線及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、前記下部容量電極に対応する位置に形成された前記上層絶縁膜の開口部と、前記開口部内に配置され前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置。
【0141】
(付記6)前記下層絶縁膜の膜厚が、前記上層絶縁膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする付記5に記載の薄膜トランジスタ装置。
【0142】
(付記7)前記下部容量電極及び前記上部容量電極の少なくとも一方が、アルミニウム膜と、該アルミニウム膜のヒロックを防止するブロック膜との積層構造を有することを付記5に記載の薄膜トランジスタ装置。
【0143】
(付記8)基板と、前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された第1の容量電極と、前記薄膜トランジスタ及び前記第1の容量電極の上に積層された第1の下層絶縁膜及び第1の上層絶縁膜により構成される第1の層間絶縁膜と、前記第1の容量電極に対応する位置に形成された前記第1の上層絶縁膜の開口部と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線と、前記第1層配線と同じ配線層に形成され、前記第1の上層絶縁膜の開口部の底面から前記第1の上層絶縁膜上に延出した第2の容量電極と、前記第1層配線及び前記第2の容量電極の上に積層された第2の下層絶縁膜及び第2の上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、前記第2の容量電極に対応する位置に形成された前記第2の上層絶縁膜の開口部と、前記第2の上層絶縁膜の開口部の底面に配置された第3の容量電極とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置。
【0144】
(付記9)薄膜トランジスタ及び容量素子を有する薄膜トランジスタ装置の製造方法において、基板上の薄膜トランジスタ形成領域に半導体膜を形成する工程と、前記基板の上側全面に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に第1の金属膜を形成する工程と、前記第1の金属膜及び前記第1の絶縁膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記半導体膜上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成するとともに、容量素子形成領域に第1の容量電極を形成する工程と、前記基板の上側全面に、相互に異なる組成の下層絶縁膜及び上層絶縁膜を積層してなる層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の容量電極の上方の前記上層絶縁膜を除去して開口部を形成する工程と、前記基板の上側全面に第2の金属膜を形成する工程と、前記第2の金属膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記上層絶縁膜上に配線を形成するとともに、前記開口部の内側に第2の容量電極を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0145】
(付記10)薄膜トランジスタ及び容量素子を有する薄膜トランジスタ装置の製造方法において、基板上に薄膜トランジスタを形成する工程と、前記基板の上側全面に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜上に第1の金属膜を形成する工程と、前記第1の金属膜をパターニングし、薄膜トランジスタ形成領域の前記第1の層間絶縁膜上に第1の配線を形成するとともに、容量素子形成領域の前記第1の層間絶縁膜上に第1の容量電極を形成する工程と、前記基板の上側全面に、相互に異なる組成の下層絶縁膜及び上層絶縁膜を積層してなる第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の容量電極の上方の前記上層絶縁膜を除去して開口部を形成する工程と、前記基板の上側全面に第2の金属膜を形成する工程と、前記第2の金属膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記上層絶縁膜上に第2の配線を形成するとともに、前記開口部の内側に第2の容量電極を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0146】
(付記11)薄膜トランジスタ及び容量素子を有する薄膜トランジスタ装置の製造方法において、基板上の薄膜トランジスタ形成領域に半導体膜を形成する工程と、前記基板の上側全面に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜の上に第1の金属膜を形成する工程と、前記第1の金属膜及び前記第1の絶縁膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記半導体膜上にゲート絶縁膜及びゲート電極を形成するとともに、容量素子形成領域に第1の容量電極を形成する工程と、前記基板の上側全面に、相互に異なる組成の第1の下層絶縁膜及び第1の上層絶縁膜を積層してなる第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の容量電極の上方の前記第1の上層絶縁膜を除去して第1の開口部を形成する工程と、前記基板の上側全面に第2の金属膜を形成する工程と、前記第2の金属膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記第1の上層絶縁膜上に第1の配線を形成するとともに、少なくとも前記第1の開口部の底面に第2の容量電極を形成する工程と、前記基板の上側全面に、相互に異なる組成の第2の下層絶縁膜及び第2の上層絶縁膜を積層してなる第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の容量電極の上方の前記第2の上層絶縁膜を除去して第2の開口部を形成する工程と、前記基板の上側全面に第3の金属膜を形成する工程と、前記第3の金属膜をパターニングし、前記薄膜トランジスタ形成領域の前記第2の上層絶縁膜上に第2の配線を形成するとともに、前記第2の開口部の底面に第3の容量電極を形成する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0147】
(付記12)対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とを有する液晶表示装置において、前記第1の基板は、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された下部容量電極と、前記薄膜トランジスタ及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される層間絶縁膜と、前記上層絶縁膜の前記下部容量電極に対応する位置に形成された開口部と、前記開口部内に配置され、前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極と、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された画素電極とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【0148】
(付記13)対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とを有する液晶表示装置において、前記第1の基板は、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを被覆する第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線及び下部容量電極と、前記第1層配線及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、前記下部容量電極に対応する位置に形成された前記上層絶縁膜の開口部と、前記開口部内に配置され前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極と、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された画素電極とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【0149】
(付記14)対向して配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板間に封入された液晶とを有する液晶表示装置において、前記第1の基板は、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された第1の容量電極と、前記薄膜トランジスタ及び前記第1の容量電極の上に積層された第1の下層絶縁膜及び第1の上層絶縁膜により構成される第1の層間絶縁膜と、前記第1の容量電極に対応する位置に形成された前記第1の上層絶縁膜の開口部と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線と、前記第1層配線と同じ配線層に形成され、前記第1の上層絶縁膜の開口部の底面から前記第1の上層絶縁膜上に延出した第2の容量電極と、前記第1層配線及び前記第2の容量電極の上に積層された第2の下層絶縁膜及び第2の上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、前記第2の容量電極に対応する位置に形成された前記第2の上層絶縁膜の開口部と、前記第2の上層絶縁膜の開口部の底面に配置された第3の容量電極と、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された画素電極とを有することを特徴とする液晶表示装置。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薄膜トランジスタ装置によれば、層間絶縁膜を下層絶縁膜と上層絶縁膜との2層構造にし、下部容量電極の上方に上層絶縁膜の開口部を設け、この開口部内に上部容量電極を形成しているので、占有面積が小さく大容量の容量素子を得ることができる。また、層間絶縁膜として必要な厚さに応じて上層絶縁膜の厚さを決定することにより、層間絶縁膜の上下に配置された配線の電気的絶縁性及びカバレッジを確保することができる。更に、下部容量電極及び上部容量電極をいずれも金属膜により形成できるので、容量素子には電圧依存性及び周波数依存性がなく、高周波回路に用いることができる。
【0151】
また、本発明の薄膜トランジスタ装置の製造方法によれば、薄膜トランジスタのゲート電極の形成又は配線の形成と同時に容量電極を形成するので、工程数の増加を抑制しつつ、薄膜トランジスタの形成と同時に単位面積当たりの容量が大きい容量素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、液晶表示パネルの基板(TFT基板)の一般的な構成を示す模式断面図である。
【図2】図2は、液晶表示パネルに容量素子を形成する場合の例を示す模式図である。
【図3】図3は本発明の第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図5】図5は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【図6】図6は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【図7】図7は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【図9】図9は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【図10】図10は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その7)である。
【図11】図11は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その8)である。
【図12】図12は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その9)である。
【図13】図13は、第1の実施の形態の薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図(その10)である。
【図14】図14はオーバーエッチング量ΔLを示す模式図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第3の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の第4の実施の形態の薄膜トランジスタ装置を示す断面図である。
【図18】図18(a)は本発明に係る薄膜トランジスタ装置の容量素子形成部の上面図、図18(b)は図18(a)のI−I線による断面図である。
【図19】図19は容量素子の上側容量電極の縁部を上層絶縁膜の上に形成した例を示す断面図である。
【図20】図20は容量素子の上側容量電極の他の例を示す断面図である。
【図21】図21は、下側容量電極をAl膜と、ブロック膜との2層構造にした例を示す断面図である。
【図22】図22は、下側容量電極を、Al膜と、このAl膜を上下から挟むブロック層との3層構造にした例を示す断面図である。
【図23】図23は本発明を適用した液晶表示装置の例を示すブロック図である。
【図24】図24(a),(b)は、いずれもレベルシフタ内のD−Aコンバータの例を示す回路図である。
【図25】図25は、アナログ出力バッファ部を構成するしきい値キャンセル型アナログバッファの構成を示す回路図である。
【図26】図26は、データドライバの断面構造を示す概略図である。
【図27】図27は、本発明を適用した液晶表示装置の模式断面図である。
【符号の説明】
11…基板、
12…下地絶縁膜、
13…ポリシリコン膜、
14,17,18…レジスト膜、
15…シリコン酸化膜、
16…Al合金膜、
16a,16b…ゲート電極、
16c,21a,25a…容量電極、
19…第1の層間絶縁膜、
19a…第1の下層絶縁膜、
19b…第1の上層絶縁膜
20a,24a…開口部、
21…金属膜、
22…第2の層間絶縁膜
22a…第2の下層絶縁膜、
22b…第2の上層絶縁膜、
31a…Al膜、
31b,31c…ブロック膜、
41…表示部、
42…データドライバ、
43…ゲートドライバ、
51…データバスライン、
52…ゲートバスライン、
53,54,83…TFT
55…液晶セル、
56…補助容量、
57…補助容量バスライン、
61…信号入力部、
62…信号処理部、
63…シフトレジスタ、
64…レジスタ、
65,72…レベルシフタ、
66…アナログ出力バッファ部、
67…アナログ選択スイッチ部、
71…シフトレジスタ、
73…出力バッファ部、
82…周辺回路、
86…カラーフィルタ、
87…平坦化膜、
88…画素電極、
89…遮光膜、
92…対向電極、
96,97…偏光板、
98…液晶。

Claims (2)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、
    前記薄膜トランジスタのゲート電極と同じ配線層に形成された下部容量電極と、
    前記薄膜トランジスタ及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される層間絶縁膜と、
    前記上層絶縁膜の前記下部容量電極に対応する位置に形成された開口部と、
    前記開口部内に当該開口部よりも小さい面積で形成され、前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成された薄膜トランジスタと、
    前記基板上に形成されて前記薄膜トランジスタを被覆する第1の層間絶縁膜と、
    前記第1の層間絶縁膜上に形成された第1層配線及び下部容量電極と、
    前記第1層配線及び前記下部容量電極の上に積層された下層絶縁膜及び上層絶縁膜により構成される第2の層間絶縁膜と、
    前記下部容量電極に対応する位置に形成された前記上層絶縁膜の開口部と、
    前記開口部内に当該開口部よりも小さい面積で形成され前記下層絶縁膜を挟んで前記下部容量電極と対向する上部容量電極と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置。
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