JP3964189B2 - 無電解メッキ用触媒および金属メッキパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電解メッキに用いられる貴金属系の触媒、および金属メッキパターンの形成方法に関し、特に、プリント基板、電子デバイス実装パッケージ、半導体デバイス、LCD、EL、PDP等の電子ディスプレイ、ICカード等の電子機器、あるいはコンデンサ等の電子部品などの金属配線または金属電極、あるいは各種電子機器の電磁波シールド膜などを構成する金属メッキパターンとなる金属メッキ膜を、無電解メッキによって形成する際に好適に使用される無電解メッキ用触媒、およびこの触媒を使用した金属メッキにより形成された無電解金属メッキ膜を用いる金属メッキパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無電解メッキに用いられる無電解メッキ用触媒としては、Pd金属からなるPd触媒やPt金属からなるPt触媒などが用いられていた。
例えば、無電解メッキ用触媒としてPd触媒である塩化第1錫を使用し、エポキシ等の樹脂基板上に無電解メッキによって金属メッキ膜を形成する場合には、まず、塩化第1錫溶液に基板を侵漬させて、基板上に塩化第1錫を付与した後、塩化パラジウム溶液にその基板を侵漬させて、錫とパラジウムとをイオン交換させることにより基板上の塩化第1錫を塩化パラジウムとさせ、その後、還元性の溶液に浸漬させて基板上の塩化パラジウムをパラジウムに還元させることで、金属パラジウムを基板上に付与させ、続いて、この基板を無電解メッキ浴に侵漬させることで、金属メッキ膜を形成させていた。
【0003】
また、無電解メッキによって得られた金属メッキ膜(以下、「無電解金属メッキ膜」という。)を、金属配線、金属電極、あるいは電磁波シールド膜を構成する所定の金属メッキパターンに形成する場合には、無電解金属メッキ膜上に所定パターンのレジスト膜を形成させた後、無電解金属メッキ膜の不要部分をエッチング液によりエッチング除去させ、さらに、無電解金属メッキ膜を形成する際に使用したPd触媒の成分を専用のPd除去液に侵漬させて溶解除去させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、無電解メッキ用触媒として、Pd触媒やPt触媒を使用した場合には、得られた無電解金属メッキ膜をパターニングして金属メッキパターンを形成する工程において、無電解金属メッキ膜のエッチング処理後に、無電解金属メッキ膜を形成する際に使用した無電解メッキ用触媒の成分の除去を行う必要があるため、金属メッキパターンを形成する工程が煩雑であるという問題があった。しかし、無電解メッキ用触媒の成分の除去を行わないと、無電解メッキ用触媒の成分に起因する絶縁性不良やエレクトロマイグレーションが発生してしまうため、無電解メッキ用触媒の成分を除去する手間を省くことにより、金属メッキパターンを形成する工程を簡素化することはできなかった。
【0005】
また、無電解メッキ用触媒の成分を除去する際に、無電解メッキ用触媒の成分のみを除去することは困難であるため、無電解メッキ用触媒の成分を除去する際の条件によっては、金属メッキパターンを溶解させてしまったり、無電解メッキ用触媒の成分が十分に除去されなかったりする場合があった。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程を従来と比較して簡素化することができ、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程において、無電解金属メッキ膜を形成する際に使用した無電解メッキ用触媒の成分を容易かつ十分に除去することができ、しかも無電解金属メッキ膜を形成する際には十分な金属メッキ膜形成性が得られる無電解メッキ用触媒を提供することを課題としている。
また、エッチング処理後に無電解メッキ用触媒の除去を行う必要がなく、容易に金属メッキパターンを形成することができる金属メッキパターンの形成方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の無電解メッキ用触媒は、水分散液に用いられる無電解メッキ用触媒であって、PdとPtとからなる第1群から選ばれる1種と、AgとCuとからなる第2群から選ばれる少なくとも1種とが合金化されたコロイド粒子である合金コロイドが含まれており、前記合金コロイドの合計量に対する前記第2群の量の割合が、40〜95重量%であることを特徴とする。
本発明の無電解メッキ用触媒において、第1群から選ばれる1種と第2群から選ばれる少なくとも1種とは、原子レベルで混在されたいわゆる合金コロイドの形態となっている。この合金コロイドは、後述するように、金属メッキ膜のエッチング液、例えば、過酸化水素などの酸化剤を含む硝酸、硫酸などの無機酸や、蓚酸などの有機酸溶液に容易に溶解する。
したがって、本発明の無電解メッキ用触媒を使用して得られた無電解金属メッキ膜を金属メッキパターンに形成する場合には、無電解金属メッキ膜の不要部分をエッチング液によりエッチング除去させる際に、無電解金属メッキ膜をエッチングするエッチング液により、無電解金属メッキ膜を形成する際に使用した無電解メッキ用触媒の成分も溶解される。
【0008】
しかし、無電解メッキ用触媒が、第1群から選ばれる1種と第2群から選ばれる少なくとも1種とから構成されていたとしても、合金コロイドの形態となっていない場合、例えば、Pdの金属コロイドあるいはPtの金属コロイドと、Agの金属コロイドあるいはCuの金属コロイドとが単に混合されているものである場合には、AgやCuの金属コロイドは無電解金属メッキ膜をエッチングするエッチング液に溶解するが、PdやPtの金属コロイドは溶解しない。
したがって、無電解メッキ用触媒が、合金コロイドの形態となっていない場合には、無電解メッキ用触媒を使用して得られた無電解金属メッキ膜を金属メッキパターンに形成する際に、無電解金属メッキ膜のエッチング処理後に改めてPdやPtの金属コロイドの除去を行う必要がある。
【0009】
これに対し、本発明の無電解メッキ用触媒では、上述したように、第1群から選ばれる1種と第2群から選ばれる少なくとも1種とが合金化された状態でコロイド粒子となっているので、エッチング液に溶解しやすい第2群(Ag、Cu)がエッチング液に溶解すると、結合を切られた第1群(Pd、Pt)がイオン化してエッチング液中に溶け出していく。このため、本発明の無電解メッキ用触媒は、無電解金属メッキ膜をエッチングする際に、エッチング液によって溶解され、エッチング液とともに除去される。
したがって、本発明の無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する際には、無電解金属メッキ膜のエッチング処理後に無電解メッキ用触媒の成分の除去を行う必要がなく、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程を従来と比較して簡素化することができる。
【0010】
また、本発明の無電解メッキ用触媒においては、合金コロイドの粒径は100nm以下であることが好ましい。
このような無電解メッキ用触媒とすることで、無電解金属メッキ膜をエッチングするエッチング液により一層溶解されやすいものとなり、この無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する際に、無電解メッキ用触媒の成分がより一層効果的に除去されるものとなる。
【0011】
また、本発明の無電解メッキ用触媒においては、前記合金コロイドの合計量に対する前記第2群の量の割合が、40〜95重量%であることが望ましい。
具体的には、Pdと、Agとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するAg量の割合が、Pdと、Cuとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するCu量の割合が、Pdと、AgとCuとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するAgとCuの合計量の割合が、40〜95重量%であることが好ましい。Pdの変わりに、Ptを用いた場合も同様である。
このような無電解メッキ用触媒とすることで、無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する際に、無電解金属メッキ膜をエッチングするエッチング液に溶解されやすく、無電解メッキ用触媒の成分が容易に十分に除去され、なおかつ、無電解金属メッキ膜を形成する際に、優れた金属メッキ膜形成性が得られ、効率よく無電解金属メッキ膜を形成することができる無電解メッキ用触媒とすることができる。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の金属メッキパターンの形成方法は、上記のいずれかに記載の無電解メッキ用触媒を使用した無電解メッキにより、基材上に無電解金属メッキ膜を形成し、前記無電解金属メッキ膜上に、所定パターンのレジスト膜を形成した後、前記無電解金属メッキ膜の不要部分をエッチング液によりエッチング除去するとともに、前記基材上に残存する前記無電解メッキ用触媒の成分を前記エッチング液により溶解除去することを特徴とする。
このような金属メッキパターンの形成方法においては、本発明の無電解メッキ用触媒を使用した無電解メッキにより無電解金属メッキ膜を形成しているので、前記無電解金属メッキ膜を前記エッチング液によりエッチング除去するとともに、無電解メッキ用触媒の成分を前記エッチング液により溶解除去することができ、エッチング処理後に無電解メッキ用触媒の除去を行う必要がなく、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程を従来と比較して簡素化することができ、容易に金属メッキパターンを形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本実施の形態の無電解メッキ用触媒は、PdとPtとからなる第1群から選ばれる1種と、AgとCuとからなる第2群から選ばれる少なくとも1種との合金
コロイドからなるものであり、
【課題を解決するための手段】
において説明したように、第1群から選ばれる1種と第2群から選ばれる少なくとも1種とは、原子レベルで混在されたいわゆる合金コロイドの形態となっている。
この合金コロイドは、金属メッキ膜のエッチング液、例えば、過酸化水素などの酸化剤を含む硝酸、硫酸などの無機酸や、蓚酸などの有機酸溶液に容易に溶解するものである。
【0014】
合金コロイドの粒径は、100nm以下が好ましく、20nm以下がさらに好ましい。合金コロイドの粒径が100nmを超えると、エッチング液に対する溶解性が著しく低下してしまうため、合金コロイドがエッチング処理後に残さとして残留し、エッチング処理後にPdあるいはPtを溶解除去させる操作が必要となる場合があり好ましくない。
【0015】
また、本実施の形態の無電解メッキ用触媒においては、無電解メッキ時の触媒となる第1群(Pd、Pt)と、第1群をイオン化してエッチング液中に溶け出させるための第2群(Ag、Cu)との含有量について、特に制限を加えるものではないが、合金コロイドの合計量に対する前記第2群の量の割合が、40〜95重量%であることが望ましい。
具体的には、Pdと、Agとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するAg量の割合が、Pdと、Cuとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するCu量の割合が、Pdと、AgとCuとの合金コロイドである場合には、前記合金コロイドの合計量に対するAgとCuの合計量の割合が、40〜95重量%であることが好ましい。Pdの変わりに、Ptを用いた場合も同様である。
【0016】
この比率が、95重量%を超えると、無電解メッキ時の触媒としての機能が低くなるので、無電解メッキで無電解金属メッキ膜を形成させる際に長時間かかってしまうため好ましくない。また、この比率が、40%未満では、エッチング液に対する溶解性が著しく低下してしまい、コロイド粒子がエッチング操作後に残さとして残留してしまうので、エッチング処理後にPdあるいはPtを溶解除去させる操作が必要となる場合があり好ましくない。
【0017】
このような合金コロイドは、PdとPtとからなる第1群から選ばれる1種と、AgとCuとからなる第2群から選ばれる少なくとも1種とを合金化させることにより得られる。
合金コロイドの合成方法としては、第1群から選ばれる1種の金属元素を含む金属塩と、第2群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属塩とを、コロイド保護剤の存在下で、還元剤で還元して合金コロイドを析出させて合金コロイドを得る液相還元法が例示できる。
【0018】
具体的には、第1群から選ばれる1種の金属元素の金属塩を含む金属塩溶液と、第2群から選ばれる少なくとも1種の金属元素の金属塩を含む金属塩溶液とを混合した後、コロイド保護剤を溶解させた溶液を加え、混合均一化した後、所定の温度下で、還元剤を溶解させた溶液と接触させることによって、溶液中に合金コロイドを析出させて合金コロイドを製造することができる。
【0019】
上記の金属塩としては、Pd、Pt、Ag、Cuの硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、亜硫酸塩などが挙げられる。
また、ここで使用されるコロイド保護剤としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムなどのヒドロキシルカルボン酸塩や、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ゼラチンなどの高分子などが挙げられる。
還元剤としては、第1鉄塩や、水酸化硼素ナトリウム、水酸化硼素カリウムなどの水酸化物や、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、あるいはアルコール類、グリコール類などが挙げられる。
【0020】
また、このような2種以上の金属種を同時に還元析出させて得られる合金コロイドの製造方法においては、第1群から選ばれる1種の金属元素を含む金属塩の還元反応速度と、第2群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属塩の還元反応速度とを同程度にすることが望ましい。
上記の金属塩の還元反応速度は、還元反応時の温度によって変化するものであり、第1群から選ばれる1種の金属元素を含む金属塩の還元反応速度と、第2群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属塩の還元反応速度とを同程度にするためには、還元反応時の温度を20℃以上とすることが望ましい。また、より均一な合金コロイドを製造するためには、還元反応時の温度を30℃以上とするのが好ましい。さらに好ましくは、還元反応時の温度を30℃〜80℃の範囲とするのがよい。
【0021】
続いて、基板(特許請求の範囲における「基材」に相当する。)上に、本発明の無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する方法について例示する。
例えば、予め表面が粗化処理されたエポキシ等の樹脂基板上に、本発明の無電解メッキ用触媒を分散させた液を、スプレー、スピンコート、ディップコートやロールコート等の方法によって塗布して付着させる。
その後、銅、ニッケル、銀、金などの所定の無電解メッキ浴に、所定の時間浸漬させることで、樹脂基板上に無電解金属メッキ膜を形成させる。
なお、ここで使用される無電解メッキ液の種類には何ら制限はなく、従来のPd触媒あるいはPt触媒で金属を析出可能な無電解メッキ液は全て使用可能である。
【0022】
続いて、無電解金属メッキ膜が形成された樹脂基板上に、所定パターンのレジスト膜を形成した後、希硝酸溶液や過酸化水素などの酸化剤を含む蓚酸溶液などの有機酸溶液等のエッチング液で、無電解金属メッキ膜の不要部分をエッチング除去して金属メッキパターンを形成させるとともに、無電解金属メッキ膜がエッチング除去された部分の下の合金コロイドを溶解除去させる。無電解メッキ用触媒の成分は、ここでのエッチング処理の時間や温度を適切に制御することにより、完全に除去することが可能である。
【0023】
よって、本実施形態の無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する際には、無電解金属メッキ膜のエッチング処理後に無電解メッキ用触媒の成分の除去を行う必要がなく、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程を従来と比較して簡素化することができる。
【0024】
「実施例」
以下、基板上に、無電解メッキ用触媒を用いて無電解金属メッキ膜を形成し、得られた無電解金属メッキ膜をエッチング除去した場合の試験例を挙げて説明する。
なお、以下の試験例1〜試験例6のうち、試験例1〜試験例4は、本発明の無電解メッキ用触媒を用いた場合の例であり、試験例5および試験例6は、従来の無電解メッキ用触媒を用いた場合の例である。
【0025】
(試験例1)
表面が粗化処理されたアクリルエポキシ樹脂基板(表面粗さRa=0.3μm)上に、平均粒子径が10nmのPd−Ag合金コロイド(Ag/(Pd+Ag)=95/100重量比)の0.5重量%の水分散液を、スピンコートにより200rpm−30秒の条件で塗布し、60℃で乾燥後、銅の無電解メッキ液(奥野製薬株式会社製ORC−700無電解銅M)浴に23℃で40分浸漬させて、基板上に銅メッキ膜を形成させた。得られた銅メッキ膜の厚みを重量法により測定した。
その結果、銅メッキ膜の厚みは、0.92μmであった。
【0026】
その後、銅メッキ膜上にエッチング液(水に、35%過酸化水素水31gと、硫酸200gと、微量の海面活性剤とを加え、1000gとしたもの)をスプレー法(スプレー圧0.9kg/cm2、温度30℃、スプレー時間100秒)で吹き付けて、銅メッキ膜をエッチング除去させた。
そして、エッチング除去された基板を希王水中で煮沸し、基板上に残留する金属成分を溶解させた溶液について、原子吸光法でPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、0.01μg/cm2であった。
【0027】
(試験例2)
試験例1と同様の基板上に、平均粒子径が10nmのPd−Ag合金コロイド(Ag/(Pd+Ag)=70/100重量比)の0.5重量%の水分散液を用い、試験例1と同様にして銅メッキ膜を形成させ、試験例1と同様にして厚みを測定した。その結果、銅メッキ膜の厚みは、1.07μmであった。
その後、試験例1と同様にして、銅メッキ膜をエッチング除去し、試験例1と同様にしてPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、0.01μg/cm2であった。
【0028】
(試験例3)
試験例1と同様の基板上に、平均粒子径が10nmのPd−Ag合金コロイド(Ag/(Pd+Ag)=40/100重量比)の0.5重量%の水分散液を用い、試験例1と同様にして銅メッキ膜を形成させ、試験例1と同様にして厚みを測定した。その結果、銅メッキ膜の厚みは、1.15μmであった。
その後、銅メッキ膜上に試験例1と同様のエッチング液をスプレー法(スプレー圧0.9kg/cm2、温度30℃、スプレー時間300秒)で吹き付けて、銅メッキ膜をエッチング除去し、試験例1と同様にしてPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、0.03μg/cm2であった。
【0029】
(試験例4)
試験例1と同様の基板上に、平均粒子径が10nmのPd−Cu合金コロイド(Cu/(Pd+Cu)=70/100重量比)の0.5重量%の水分散液を用い、試験例1と同様にして銅メッキ膜を形成させ、試験例1と同様にして厚みを測定した。その結果、銅メッキ膜の厚みは、1.11μmであった。
その後、試験例1と同様にして、銅メッキ膜をエッチング除去し、試験例1と同様にしてPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、0.01μg/cm2であった。
【0030】
(試験例5)
試験例1と同様の基板上に、平均粒子径が7nmのPdコロイドの0.5重量%の水分散液を用い、試験例1と同様にして銅メッキ膜を形成させ、試験例1と同様にして厚みを測定した。その結果、銅メッキ膜の厚みは、1.18μmであった。
その後、試験例3と同様にして、銅メッキ膜をエッチング除去し、試験例1と同様にしてPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、58μg/cm2であった。
【0031】
(試験例6)
試験例1と同様の基板上を、塩化第一錫溶液(奥野製薬株式会社製 OPC−SAL:180g/l、35%HCl30ml/l)に侵漬後、引き続き、塩化パラジウム溶液(奥野製薬株式会社製 OPC−80:50ml/l、OPC−SAL:260g/l)に侵漬後、パラジウム還元液(奥野製薬株式会社製 OPCアクセレーター MX−1:100ml/l)に侵漬させて基板上に金属パラジウムを付着させた。
この基板を試験例1と同様に、銅の無電解メッキ液(奥野製薬株式会社製 OPC−700無電解銅M)浴に23℃で40分侵漬させて、基板上に銅メッキ膜を形成させ、試験例1と同様にして厚みを測定した。その結果、銅メッキ膜の厚みは、1.15μmであった。
その後、試験例3と同様にして、銅メッキ膜をエッチング除去し、試験例1と同様にしてPd成分の分析を行なった。
その結果、基板上のPd残量は、74μg/cm2であった。
【0032】
上述したように、銅メッキ膜をエッチング除去した後のPd触媒の残量は、試験例1〜4では、0.01〜0.03μg/cm2であり、、Pd触媒がエレクトロマイグレーションを起こす限界値である0.6μg/cm2に比べ十分に小さな値であった。
一方、Pd触媒の残量は、試験例5では、58μg/cm2、試験例6では、74μg/cm2であり、このままでは使用できないものであった。
【0033】
また、銅メッキ膜の厚みは、試験例1〜4では、0.92〜1.15μmであり、試験例5では、1.18μm、試験例6では、1.15μmであり、本発明の無電解メッキ用触媒は、試験例5および試験例6で使用した従来の無電解メッキ用触媒と比較して、遜色ない金属メッキ膜形成性が得られることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の無電解メッキ用触媒を用いて形成された無電解金属メッキ膜からなる金属メッキパターン膜を形成する際には、無電解金属メッキ膜のエッチング処理後に無電解メッキ用触媒の成分の除去を行う必要がなく、無電解金属メッキ膜から金属メッキパターンを形成する工程を従来と比較して簡素化することができる。
また、本発明の金属メッキパターンの形成方法においては、本発明の無電解メッキ用触媒を使用した無電解メッキにより形成された無電解金属メッキ膜を用いているので、無電解金属メッキ膜をエッチング液によりエッチング除去するとともに、無電解メッキ用触媒の成分を前記エッチング液により溶解除去することができる。
Claims (3)
- 水分散液に用いられる無電解メッキ用触媒であって、
PdとPtとからなる第1群から選ばれる1種と、AgとCuとからなる第2群から選ばれる少なくとも1種とが合金化されたコロイド粒子である合金コロイドが含まれており、
前記合金コロイドの合計量に対する前記第2群の量の割合が、40〜95重量%であることを特徴とする無電解メッキ用触媒。 - 前記合金コロイドの粒径が、100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の無電解メッキ用触媒。
- 請求項1または2記載の無電解メッキ用触媒を使用した無電解メッキにより、基材上に無電解金属メッキ膜を形成し、
前記無電解金属メッキ膜上に、所定パターンのレジスト膜を形成した後、前記無電解金属メッキ膜の不要部分をエッチング液によりエッチング除去するとともに、前記基材上に残存する前記無電解メッキ用触媒の成分を前記エッチング液により溶解除去することを特徴とする金属メッキパターンの形成方法。
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