JP3962374B2 - 呼吸支援器械 - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

〔発明の分野〕
本発明は、経鼻用カニューレ（nasal cannula）、特に持続陽圧気道圧（Continuous Positive Airway Pressure, CPAP）を乳幼児に投与する経鼻用カニューレに関するが、これには限られない。

〔背景〕
人によっては、呼吸補助、例えば、空気、酸素又は他のガスが必要である。かかるガスは、自由に供給されると共に（或いは）制御された圧力で供給される。かかるガスは又、患者の口を経由すると共に（或いは）患者の鼻を経由して供給される。経鼻供給システムは、経口器械又は口を覆う器械よりも一般に便利であり且つ侵襲性が低いという利点をもたらす。経鼻器械は、便利であるにもかかわらず、固定ストラップが顔を横切ると共に（或いは）頭の周りに配置され、鼻利用器械を人の呼吸腔に固定するのに用いられることに照らして不快であると考えられる。さらに、従来型カニューレは、無呼吸を防いだり患者の呼吸をシミュレートするハイフローシステム（high flow system）をもたらすために外鼻孔の周りに適切なシールを提供するということはない。それ故、かかる固定ストラップを用いた場合でも、これら経鼻器械は、呼吸腔から離脱する場合が多い。これは、子供、乳幼児又は経鼻呼吸器械が経鼻ＣＰＡＰであれ経鼻用カニューレであれいずれにせよこれを定位置に保つ重要性を理解できない大人について特に問題である。

肺の中に最少レベルの空気量を維持するために十分な量の呼吸気道圧を個人に供給することは有利であり且つ治療に役立つことが知られている。空気量がこの最小レベルを下回ると、肺が潰れる場合があり、これはその人にとって極めて危険であり又は致命的でさえある。さらに、肺圧は、肺の中の酸素レベルを増大させ、二酸化炭素レベルを減少させる場合がある。これは又、血液から酸である二酸化炭素を除去することによりｐＨを向上させることになる。それ故、持続陽圧気道圧（ＣＰＡＰ）と呼ばれるかかる十分な圧力の適用は、個人が自発的に呼吸をしている場合、最少の空気量又は肺内圧力を維持する上で有利であることが判明している。ＣＰＡＰは、鼻取付け器械、例えば経鼻用カニューレを通し又は経口又は気管内器械を通して供給できる。

気管チューブ、ヘッドチャンバ、フェースチャンバ、フェースマスク、鼻用枝管及び経鼻用カニューレを含む多数のＣＰＡＰ器械が知られている。各タイプの器械は、利点と欠点を持っているが、経鼻用カニューレは、ＣＰＡＰ及び（又は）空気流の支援を行う快適な選択肢となっている。従来型経鼻用カニューレは、この器械を鼻通路に固定する手技の方法を備えた多くの形態で開示された。かかるカニューレ組立体の１つは、米国特許第３，５１３，８４４号明細書に開示されており、これは人の頭を包囲する調節可能なストラップを用いている。これと類似した器械が、米国特許第４，１０６，５０５号明細書に開示されており、この場合、カニューレへの供給管は、人の耳の上又は頭の周りに引っ掛けられる。より扱いにくいが、米国特許第５，４７７，８５２号明細書は、鼻インサート及び関連の供給管を保持して位置決めするヘッドバンドを備えた器械を開示している。米国特許第５，２７１，３９１号明細書に記載された更に別の記載システムは、感圧接着剤テープのストリップをカニューレの各側から延びる供給管に当て、それにより供給管をカニューレが人の頬相互間に位置した状態で頬に取り付けることにより固定されるカニューレを開示している。

「ボンネット」タイプの器械も又、ＣＰＡＰ経鼻用カニューレを定位置に保持するのに用いられている。しかしながら、この手法は一般に、人の鼻及び上唇に圧力を及ぼし、かくして圧迫による壊死が鼻の中央に生じる。これに特に敏感な人は、小児、幼児又は乳児である。ボンネットは又、特に寝台で動き回り又は転げ回る幼児では鼻枝管を定位置に適切に保つことができない。病院又は医療施設の環境では、ＣＰＡＰ器械が患者の鼻から外れていることを付き添い人が発見することは珍しいことではなく、かかる事態は、無呼吸、脱飽和、徐脈又は血液中の酸素レベルが危険なほど低い低酸素症を招く場合がある。実際には、これらボンネットタイプのＣＰＡＰ用チューブは、患者の頬の両側の周りに垂らされており、これは最も快適な横臥姿勢が患者の背中を付けた状態であることを意味している。固定器械により引き起こされる患者の頬への圧迫は、他の姿勢を不快なものにする場合がある。

他の従来型繋留システムとしては、鼻に直接くっ付く接着装置が挙げられる。米国特許第４，８２３，７８９号は、人の鼻に被されるような形状の接着剤被覆シート及び鼻−胃チューブを保持する付属物を有する鼻チューブ繋留ストリップを開示している。これと類似したシステムは、米国特許第５，１５６，６４１号明細書に記載されており、これは、一端が人の鼻に接着剤で取り付けられ、鼻−胃カテーテルを他端に保持するよう取り付けられる繋留コードを有している。米国特許第５，５１３，６３５号明細書は、人の鼻を横切ってくっ付く身体係合部分を備え、カニューレ係合部分がこれから下に延びている固定装置を提供している。これと同様に、米国特許第５，６８２，８８１号明細書は、カニューレを位置決めするために上唇に固定された接着剤フォームパッドの使用法を開示している。

米国特許第３，６４３，６６０号明細書では、統合型経鼻用カニューレが、上方の平らな又は平坦な表面及び１対の互いに間隔を置くと共に湾曲した細長い管状延長部を有し、ガス流を差し向ける外部オリフィスを有する中空管状本体を有し、管状延長部が平らな表面から角度をなして上方に突き出ている。図２及び図３を参照すると、入口４００が一方の側に設けられているので、枝管４０２，４０４が僅かに異なる圧力状態にあることが分かる。また、下流側の枝管４０４が上流側の枝管４０２からの呼気されたＣＯ₂の再呼吸を行わせる恐れがある。
米国特許第５，９７５，０７７号明細書では、カニューレが、患者の外鼻孔と流体連通状態にあり、ガスを注入する気道及び患者の吸気及び呼気中、流体の流れ特性を最適化するよう周囲空気と注入ガスの両方のための空力学的に設計された通路を有するものとして開示されている。

米国特許第４，７７４，９４６号明細書では、カニューレは、細長いフレキシブルチューブに取り付けられた状態で記載されている。鼻用枝管は、外鼻孔内の鼻用管に着座してこれを密封する球状部分を有している。
米国特許第５，１９３，５３２号明細書では、エゼクタ作用により持続陽圧気道圧（ＣＰＡＰ）を発生させる器械が開示されており、この器械は、一端が大気中に開口し、別の端部が図１で分かるように患者の鼻及び（又は）口への取付け器械を備えるようになった呼吸チャンネルを有している。入口は、大気に開口したチャンネルと、新鮮なガスの流れが主としてチャンネル内に同軸状に差し向けられ、エゼクタ作用を生じさせるような仕方で枝管に開口したチャンネルとの間に位置している。

しかしながら、これら従来型システムは、鼻ＣＰＡＰをもたらすが、これらには多くの欠点があり、かかる欠点としては、患者の頭への固定が不十分であること、各枝管内の圧力のバランスが取れていない恐れがあること及び呼気したＣＯ₂の再呼吸の恐れがあることが挙げられる。

本発明の目的は、上述の欠点を解決し、又は少なくとも一般大衆に有用な選択肢を与える経鼻用カニューレを提供することにある。
したがって、本発明は、第１の特徴として、呼吸ガスを新生児に投与する経鼻カニューレであって、チャンバ、吸気導管に係合するように形成されたガス入口、呼気導管に係合するように形成されたガス出口及び上記チャンバを通る上記入口から上記出口への上記ガスの小抵抗経路を含むマニホルドと、上記入口から実質的に等間隔のところで上記チャンバと流体連通状態にある１対の鼻枝管とを有し、上記枝管は、上記経路内に直接並置されていることを特徴とする経鼻用カニューレを提供する。
好ましくは、上記カニューレは、上記枝管を上記新生児の外鼻孔内の定位置に保持する固定手段を有する。

好ましくは、上記固定手段は、上記新生児の首の後ろの周りに延びて上記カニューレと係合し、それにより上記枝管を上記新生児の外鼻孔内の定位置に保持するようになったストラップを含む。
好ましくは、上記ストラップは、小抵抗部分を有し、上記小抵抗部分は、上記カニューレと摺動自在な仕方で係合して上記カニューレに対する上記ストラップの実質的に側方（エゴノン（egonon）軸方向）運動を可能にするようになっている。
好ましくは、上記小抵抗部分は、薄いプラスチックストランド又はストリップから成る。
好ましくは、上記ストラップの残部は、使用中上記ストラップの張力を調節するための上記小抵抗部分への調節可能な取付け部を有する。

好ましくは、上記固定手段は、乳幼児の頭を少なくとも部分的に被覆するようになったヘッドカバー手段及び上記ヘッドカバー手段を上記乳児の頭の上にしっかりと配置するための弾性を備えた少なくともカフを含む乳児ボンネットと、上記ヘッドカバー手段の外面に連結された医療用チューブ固定手段から成り、上記医療用管は、使用中、上記カニューレに連結されるようになっており、上記固定手段は、上記ヘッドカバー手段上を通る医療用管を少なくとも側方（エゴノン（egonon）軸方向）運動が生じないよう保持することができる。
好ましくは、上記ヘッドカバー手段は、管状の形態をしていて、両端が開口した編物で作られ、上記固定手段は、一方の上記開口端部に隣接して上記外面に連結されており、端閉鎖手段が、他方の上記開口端部に隣接して上記外面に連結されており、上記端閉鎖手段は、上記編物のそれぞれの上記端部を互いに束ねた閉鎖状態に保持できる。

好ましくは、上記医療用管固定手段及び上記端閉鎖手段のうちいずれか一方又は両方は、上記ヘッドカバー手段に縫い付けられたレース又はひも類であり、又はこれを含む。
好ましくは、上記レース又はひも類は、２つのアームをもたらすようその中央が上記ヘッドカバー手段に固定されており、上記アームは、上記アーム上で摺動可能な締付けトグルを通って延びている。
好ましくは、上記締付けトグルは、少なくとも２つの状態相互間で動くことができ、上記締付けトグルは、上記レース又はひも類の上記アームが上記トグルを通るこれらの通路内でクランプされるピンチオフ状態に付勢されたり、上記トグルが上記レース又はひも類の上記アームに沿って摺動できる自由形態に操作可能である。

本発明は、第２の特徴として、呼吸ガスを新生児に投与するシステムであって、加圧ガス源と、上記加圧ガス源と流体連通していて、ガスを運ぶようになった吸気導管と、上記吸気導管と流体連通状態にあり、ガスを上記新生児の鼻通路に投与するようになった手段としての経鼻用カニューレと、上記投与手段と流体連通状態にあり、ガスを上記投与手段から運ぶようになった呼気導管と、上記呼気運搬手段内に設けられ又はこれと流体連通状態にある圧力調整装置とを有し、上記圧力調整装置は、上記圧力調整装置を通るガスの流れを調節することにより上記新生児の鼻通路に送られるガスの所定の平均圧力を達成するようになっていることを特徴とするシステムを提供する。

好ましくは、圧力調整装置は、液体を収容するようになった容器と、近位端部及び遠位端部を備えたターミナル導管手段とを有し、上記近位端部は、上記呼気導管に連結され、上記遠位端部は、上記液体中に浸漬されるようになっており、使用中、上記新生児の鼻通路に投与されたガスの平均圧力が上記液体中への上記遠位端部の浸漬レベルによって決定されるようになっている。
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく本発明の構成における多くの変更並びに多種多様な実施形態及び用途を想到できよう。本明細書における説明は、純粋に例示であって、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
本発明は、上記の内容から成ると共に以下に例示される構成を含む。
次に、本発明の好ましい一実施形態を添付の図面を参照して説明する。

〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
今、図１１を参照すると、代表的な用途が示されている。加湿持続陽圧気道圧（ＣＰＡＰ）システムが示されており、患者１９が吸気導管２１に連結された経鼻用カニューレ２８を介して加湿加圧ガスを受け入れている。しかしながら、本発明は、ＣＰＡＰガスの投与には限定されず、他形式のガス投与システムにも適用できることは理解されるべきである。吸気導管２１は、或る量の水１５を収容した加湿チャンバ１０の出口１２に連結されている。吸気導管２１は、導管に沿って一定の湿度プロフィールを確保し、したがって導管内の加湿ガスの凝縮を減少させるよう導管の壁を加熱する加熱手段又は電熱線２０を収容しているのがよい。加湿チャンバ１０内の水１５を加熱すると、水蒸気が水の表面上のチャンバの容積部を満たし始め、加湿チャンバ１０の出口１２から流出し、ガス供給手段又はブロワ１８から得られたガス（例えば空気）の流れが入口１６を通ってチャンバ１０に流入する。

加湿ガスは、吸気導管２１を通って枝管１１６，１１８を介して患者１９の鼻に連結されたカニューレ１００に流れる。呼気ガスは、枝管１１６，１１８を通って出力マニホルド１３０に流れる。次に、過剰のガスは、呼気導管２３０を通って圧力制御器２３４に流れる。
本発明の好ましい実施形態では、圧力制御器２３４は、図１１で分かるように呼気ガスの流れを水２３８を収容したチャンバ２０４内へ送り込む形態になっている。呼気導管２３０を通って流れているガスは、短い導管２３６から水２３８内へ送り込まれ、この短い導管は、呼気導管からチャンバ２０４内へ延びている。この結果、泡立ち効果が得られ、それによりガスは、最終的に出口ポート２５２を経てチャンバ２０４から流出し、この出口ポートは、最初にチャンバ２０４を水で充填するのに用いることもできる。出口ポート２５２は、水の表面上で活発に泡立ちすることにより生じる液体エーロゾルが追い出されるのを阻止する遮蔽手段を有している。短い導管２３６を同様に呼気導管２３０のタンボ内に組み込むことは理解されよう。また、水２３８内への短い導管２３０の浸漬レベルを調節することにより、カニューレ１００を通して供給されるガスの平均圧力を制御できることは理解されよう。

経鼻用カニューレ
次に、図４〜図１０を参照すると、経鼻用カニューレ１００が詳細に示されている。入口マニホルド１１０は、入口ポート１１２を有している。これは、加湿器及び空気／酸素ブレンダ又は適当な任意の他のフローソース（flow source）器械からのガスの流れを受け取る。入口マニホルド１１０の直径は、患者への投与前にガス中の圧力降下を最小限に抑えるほど大きい。２つの鼻枝管１１６，１１８が入口マニホルドと流体連通状態にある。すると、ガスは入口マニホルド１１０から鼻枝管を通って患者の対応関係にある外鼻孔内へ流れることができる。枝管１１６，１１８それ自体は、頂部が僅かにテーパして細くなった円筒形である。その直径は、外鼻孔にそれほど圧力を及ぼすことなく外鼻孔の内部に実質的に密着するよう注意深く選択される。これは又、密封だけでなく、或る程度の固定状態をもたらすと共にカニューレ１００を定位置に保つ。

本発明の重要な特徴は図２に示され、詳細が図３に示されている。２本の鼻枝管１１６，１１８は、乳児の外鼻孔間隔に最適な距離間隔を置いて設けられている。しかしながら、本発明は、全ての体格の患者にそのまま適用でき、設計は容易に拡大縮小可能である。乳児の鼻構造は幾分異なるが、中隔は鼻の側の肉様部分よりも低いことは理解されよう。従来技術の説明で言及したように、この結果、中隔に刺激が生じたり圧迫により壊死が生じる場合がある。入口マニホルド１１０は、２本の鼻枝管１１６，１１８相互間のその最も内側の部分に切欠き１２６又は凹みを有していることが分かる。凹み１２６は、中隔と接触しないよう設計されている。

次に特に図５を参照すると、カニューレ１００の断面図が示されている。入口マニホルド１１０は、出口マニホルド１３０から仕切り１３２によって分離されており、この仕切り１３２は、両方のマニホルドの長さにわたって水平方向に延びている。仕切り１３２は、枝管１１６，１１８のベース１３４の近くで終端している。このように、入口マニホルド１１０から出口マニホルド１３０に直接流れる少なくとも幾分かの流れが常時存在する。これにより、淀み空間（デッドスペース）又は１回換気量が枝管１１６，１１８の容積に限定されるようになる。この形態の結果として、呼気ＣＯ₂の体積が最小になると共にカニューレ１００内での凝縮の可能性が低くなる。

枝管１１６，１１８は、成形ゴム又はシリコンインサート１３６から作られており、かかる材料は、カニューレ１００の硬質プラスチック本体１３８に対し締り嵌め又は圧嵌めによる密封関係をなしている。枝管を使い捨てコンポーネントとして用いることができ、変形例として、所望に応じて異なるサイズのもの、ナーザルマスク、マウスピース又は他のインタフェースと容易に交換することができる。入口ポート１１２は、入口マニホルド１１０に直に連結されており、かかる入口ポートは、市販の導管に対して任意の代表的な連結形態を備えている。これと同様に、出口ポート１４２は、出口マニホルド１３０と流体連通状態にある。別のセンサポート１４４が、投与されたガスのパラメータ、例えば圧力、温度、湿度を測定するために設けられている。押し出しＰＶＣ又はシリコンで作られた一体形の入口が１０ｍｍ、出口が１０ｍｍの導管１５４が、この目的に適していることが判明した。センサポート１４４は、測定チューブ１５６に連結されており、この測定チューブは又、カニューレ１００に連結された一体の入口出口チューブ１５４の一部をなしていてもよい。

頭への固定
図１０〜図１２で理解できるように、カニューレ１００は、ボンネットにより頭を覆った状態で乳児の頭に固定されている。本発明の乳児ボンネットは、好ましくは引き伸ばし可能な又は弾性材料で作られたヘッドカバー又は頭覆い部分３３０を有している。適当な材料の一例は、剛性又は綿編物である。ヘッドカバー３３０は、開口管の形態で設けられている。ヘッドカバー３３０の材料は一主軸に沿う延伸量が多い場合、その主軸を好ましくは管の軸線を横切る方向に整列させる。
ヘッドカバー３３０は好ましくは、一方の開口端３３２に隣接していて、周囲領域よりも剛性の高いゾーンを有する。ゾーン３３１は、例えば改良型編物形態の領域、別の材料又は材料形態から形成されたカフ又は管の多層ヘムから成るのがよい。
呼吸管又は他の医療用導管、或いは配線を支持する固定器具がヘッドカバー３３０の外面上に設けられている。

固定手段は、ボンネットに縫い付けられたストラップ３３３である。ストラップの一端にはベルクロ（Velcro：登録商標）が取り付けられている。鼻管は、３角形の外形をしたフォームブロック３３４を備えている。フォームブロック３３４は、ストラップ３３３上に位置決めされている。次に、ストラップ３３３は、フォームブロックの周りに綴じられ、ベルクロで固定される。フォームブロック３３４は、外鼻孔からの鼻枝管のずれを防止するよう鼻管３２１をボンネット３３０上の定位置にしっかりと保持するために用いられる。
ヘッドカバー３３０の第２の開口端３４７は、好ましくは単純なヘムを備えている。開口端３４７は好ましくは、閉鎖可能であり、或いは閉鎖手段３４０により閉鎖位置に保持可能である。閉鎖手段３４０は、固定手段３３３と同様な形態をした別のレース又はひもから成るのがよい。レース又はひも３４０は、２つのアーム３４２，３４４を有している。アーム３４２，３４４は好ましくは、互いに束ねられ又はトグルを貫通している。

使用に当たり、ヘッドカバー３３０の端３４７を端バンチ３４１として互いに束ねる。バンチ３４１をレース又はひも３４０の引き締めたループ内に閉鎖形態でしっかりと固定する。
閉鎖手段３４０はかくして、幼児の頭のてっぺんに接近する必要がある場合に幼児のボンネットの開閉を容易且つ効率的に行うことができる。電極の配置又は頭用超音波のために接近が必要な場合がある。接近が必要な場合、閉鎖手段３４０を解放し、端３４７の束ね部分を開いて必要な接近を行う。この接近は、ヘッドカバー３３０の他方の端３３２、又は、医療用チューブ又はワイヤを定位置に支持している固定手段３３３を邪魔することなく可能である。

カニューレの固定
理想的には、幼児はその口で呼吸をするべきではない。吸気と呼気の両方は、カニューレを介して行われるべきである。好ましい実施形態では、幼児の顎は、ストラップで閉じられて口からの漏れを無くす。口からの漏れは圧力を低くし、かくしてＣＰＡＰのレベルを減少させるので望ましくない。
次に特に図８〜図１０を参照すると、カニューレ１００はそのベースが、ストラップ１５０を用いて乳児の頭の後ろに固定されていることが分かる。ストラップは、首の後ろで乳児の頭蓋骨の基盤部のところに連結されている。ストラップは、摺動ストラップ１５２によってカニューレ１００に連結されている。このストラップは、乳児が頭をひねったときにカニューレ１００に対する固定ストラップ１５０の実質的な相対運動を可能にすると共にカニューレ１００を捩らないでカニューレ１００に直接適当な拘束力をもたらすようクリップで硬質プラスチック本体１３８に固定されている。一実施形態では、これは、カニューレの外面上の摺動クリップに嵌まり込むプラスチック、例えばアセタールで作られた摺動ストラップによって達成される。テフロン（登録商標）ストラップは、張力を快適なレベルに調節できるよう首用ストラップ１５０に調節可能に取り付けられている。

ＣＰＡＰ人工呼吸器に用いられる改良型経鼻用カニューレを説明した。本発明の改良により、通常はかかる器具の使用と関連した圧迫による壊死又は刺激の恐れが減少する。本発明の改良により、両方の枝管へのバランスの取れた供給が確保され、しかもマニホルドを通して、淀み空間（デッドスペース）が小さくて流量が多く（ハイフロー）、呼気ＣＯ₂の再呼吸が最小限に抑えられる。

幼児に取り付けられた従来型カニューレの側面図である。 幼児に取り付けられた従来型カニューレの斜視図である。 従来型カニューレの断面図である。 本発明の上から見た拡大斜視図である。 本発明の断面図である。 本発明の拡大斜視図である。 本発明の側面図である。 下から見た本発明の拡大図である。 上から見た本発明の拡大図である。 外鼻孔に用いられた本発明の図である。 本発明のＣＰＡＰシステムのブロック図である。 ボンネットの側面図である。 外鼻孔に用いられたボンネットの図である。

Claims (8)

1. 呼吸ガスを新生児に投与する経鼻カニューレであって、
   チャンバ、吸気導管に係合するように形成されたガス入口、及び、呼気導管に係合するように形成されたガス出口を含むマニホルドを有し、前記ガス入り口と前記ガス出口は前記マニホルドのチャンバを通じて流体連通状態にあり、
   更に、一対の鼻枝管を有し、該一対の鼻枝管は、それらのベースが前記マニホルドのチャンバと流体連通状態にあり、前記一対の鼻枝管はいずれも、前記マニホルドのチャンバと通じて前記ガス入口から等間隔にあり、また、前記一対の鼻枝管はいずれも、前記マニホルドのチャンバを通じて前記ガス出口から等間隔にあり、
   前記マニホルドのチャンバは、前記ガス入口と前記ガス出口との間で前記ガスの小抵抗経路を提供し、且つ、内部空間の淀み空間が、前記鼻枝管の容積に限定されるように構成されており、前記鼻枝管は前記低抵抗経路内に直接並置されている、ことを特徴とする経鼻用カニューレ。
2. 更に、新生児の首の後ろの周りに延びる固定ストラップと、使用時において、前記吸気導管又は前記呼気導管の少なくとも一方をと係合して導管を新生児の頭の定位置に保持するように構成された別の固定手段とを有し、前記固定ストラップと前記固定手段は、前記鼻枝管の両側に位置して、前記鼻枝管を定位置にしっかり保持して外鼻孔からのずれを防止する、ことを特徴とする請求項１記載の経鼻用カニューレ。
3. 前記固定ストラップ及び前記固定手段による前記固定は、前記固定ストラップ及び前記固定手段との接触を除き、前記鼻枝管と外鼻孔とだけが接触するように固定する、ことを特徴とする請求項２記載の呼吸ガスを新生児に投与する経鼻用カニューレ。
4. 前記マニホルドのチャンバは、このマニホルドのチャンバ内に入口マニホルドと出口マニホルドを形成するように、仕切りによって分離されており、前記ガス入口及びガス出口は、前記仕切りの両側に位置しており、前記仕切りの端部は、前記入口マニホルドからの出口と前記出口マニホルドへの入口を形成するように、鼻枝管のベースの近くで終端している、ことを特徴とする請求項３記載の経鼻用カニューレ。
5. 前記固定手段は、乳幼児の頭を少なくとも部分的に被覆するようになったボンネットを有し、このボンネットは、前記乳児の頭の上にしっかりと配置するための弾性のカフと、前記吸気導管及び前記呼気導管のうちの少なくとも一方を、少なくとも側方運動が生じないよう、前記ボンネットの定位置に保持するための固定ストラップとを有し、この固定ストラップは、前記ボンネットの外面に連結されている、ことを特徴とする請求項４記載の経鼻用カニューレ。
6. 前記ボンネットは、両端が開口した管状の形態をした編物で作られ、前記固定ストラップは、一方の前記開口端部に隣接して前記外面に連結されており、また、端閉鎖手段が、他方の前記開口端部に隣接して前記外面に連結されており、前記端閉鎖手段は、前記編物の前記他方の開口端部を束ねた閉鎖状態に保持できる、ことを特徴とする請求項５記載の経鼻用カニューレ。
7. 前記端閉鎖手段は、前記ボンネットに縫い付けられたレース又はひも類を含む、ことを特徴とする請求項６記載の経鼻用カニューレ。
8. 前記レース又は前記ひも類は、２つのアームをもたらすようその中央が前記ボンネットに固定されており、前記アームは、前記アーム上で摺動可能な締付けトグルを通って延びており、前記締付けトグルは、少なくとも２つの状態相互間で動くことができ、前記締付けトグルは、前記レース又はひも類の前記アームが前記トグル内でクランプされるピンチオフ状態に付勢されたり、前記トグルが前記レース又はひも類の前記アームに沿って摺動できる自由形態に操作可能である、ことを特徴とする請求項７記載の経鼻用カニューレ。

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