JP3956597B2 - 光硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は紫外線などの活性エネルギー線照射により良好な硬化性を示す光硬化性組成物に関するものであり、この組成物は屈折率、透明性が高く、耐候性を要求される光学レンズ、光学部品、反射防止コーティング、接着剤などを製造することに適する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬化物が高屈折率を示す組成物として、特開平2−160762号公報、同5−142501号公報、同6−3628号各公報等記載の硫黄含有組成物、特開昭58−52601号公報、特開平1−135853号公報、同3−36582号各公報等記載のハロゲン含有組成物などが使用されてきたが、それら多くのものは耐候性に劣るという問題があった。これは高屈折率になるように分子設計すると、分子中に、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、ベンゼン環、硫黄などの原子団を導入する必要があり、それら原子団の分子間結合力が低いこと、短波長側の紫外線を吸収しやすいことなどが原因となって引き起こされる。一般式(I)に示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物もその例外ではく、耐候性に劣るという課題を抱えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するものであり、紫外線などの活性エネルギー線照射により良好な硬化性を示す組成物であって、硬化物の物性が高屈折率で透明性が高く、耐侯性が良好な光学材料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記問題点を鑑み、鋭意検討した結果、本発明者らは一般式(1)に示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物を含むラジカル反応性組成物に特定の成分を含有させること、具体的には、紫外線吸収剤と酸化防止剤を併用することにより、良好な硬化性を示し、硬化物の物性が高屈折率で透明性が高く、耐侯性が良好な光学材料を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、(A)一般式(I)に示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物又はこれを含むラジカル反応性組成物、並びに、該イオウ含有(メタ)アクリレート化合物またはこれを含むラジカル反応性組成物100重量部に対して、(B)ベンゾトリアゾール系又はベンジリデンマロン酸エステル類の紫外線吸収剤0.01〜5重量部、(C)フェノール系酸化防止剤0.05〜5重量部、及び(D)重合開始剤0.01〜10重量部を含むことを特徴とする光硬化性組成物、並びにこれを硬化させてなる硬化物に関する。
【0004】
【化6】
[式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を示し、Arはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜30のアリーレン基またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7〜30のアラルキレン基を示し、Xは−O−または−S−を示し、Xが−O−を示す場合Yは−S−または−SO2−を示し、Xが−S−を示す場合Yは−S−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数7〜30のアラルキレン基または−Ar−(Y−Ar)p−が
【化7】
(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を示し、kは平均オリゴマー化度を表す1〜5の数である。)
で表されるオリゴマーもしくは、
【化8】
(式中、lは平均オリゴマー化度を表す1〜5の数である。)
で表されるオリゴマーから選ばれた基を示し、Zは−O−または−S−を示す。m及びnはそれぞれ1〜5の整数を示し、pは0〜10の整数を示す。]
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、詳細に説明する。
本発明で使用する(A)イオウ含有(メタ)アクリレート化合物又はこれを含むラジカル反応性組成物は一般式(I)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレートを含んでなる。本発明において(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートの両者を指す。イオウ含有(メタ)アクリレート化合物を含むラジカル反応性組成物とは、通常一般式(I)の化合物と反応性モノマー、反応性オリゴマーまたはポリマー等との混合物をさす。一般式(I)の化合物は高屈折率を発現し、バランスがとれた構造を有するので、様々な溶剤、反応性モノマー、反応性オリゴマー、ポリマーなどとの相溶が可能である。ラジカル反応性組成物が一般式(I)以外の反応性モノマー、反応性オリゴマー、ポリマー等を含む場合、ラジカル反応性組成物中の一般式(I)の化合物の含有量は、ラジカル反応性組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0006】
一般式(I)において、R1は水素原子またはメチル基を表す。
R2は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表し、かかる基としては炭素数が1〜12であり、炭素原子及び水素原子より構成され、結合手を2つ有するものであれば特に制限されないが、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等のアルキレン基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基が用いられる。
Arは、フッ素を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜30のアリーレン基、またはフッ素を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数7〜30のアラルキレン基を表す。
炭素数6〜30、好ましくは6〜12のアリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
炭素数7〜30、好ましくは7〜14のアラルキレン基としては、−(CH2)x−Ar’−、−Ar’−(CH2)x−、−(CH2)x−Ar’−(CH2)y−が挙げられる。Ar’はフェニレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜29のアリーレン基を表し、x、yはそれぞれ1〜24の整数を表し、x、y及びAr’で示されるアリーレン基の炭素数の和は7〜30である。
これらのアリーレン基、アラルキレン基は通常1〜12個、好ましくは2〜8個のフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0007】
Xは、−O−又は−S−を示す。
Yは、Xが−O−の場合は、−S−又は−SO2−を示す。
また、Yは、Xが−S−の場合は、−S−、−SO2−、−CO−、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数7〜30のアラルキレン基、または−Ar−(Y−Ar)p−が
【0008】
【化9】
【0009】
(R3は鎖中にエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を示し、kは平均オリゴマー化度を表す1〜5の数である。)で表されるオリゴマーもしくは、
【0010】
【化10】
【0011】
(lは平均オリゴマー化度を表す1〜5の数である。)で表されるオリゴマーを示す。Xが−S−の場合、Yは好ましくは、−S−または−SO2−が挙げられる。
【0012】
炭素数1〜12のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6アルキレン基が用いられる。
炭素数7〜30、好ましくは7〜14のアラルキレン基としては、−(CH2)x−Ar’−、−Ar’−(CH2)x−、−(CH2)x−Ar’−(CH2)y−で表される。Ar’はフェニレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜29のアリーレン基を表し、x、yはそれぞれ1〜24の整数を表し、x、y及びAr’で示されるアリーレン基の炭素数の和が7〜30、好ましくは7〜14である。
【0013】
また、R3で表される炭素数1〜12の鎖中にエーテル結合を有していてもよいアルキレン基としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基中の任意の位置に、通常1〜5個の−O−基を有していてもよい基を挙げることができる。
Zは−O−又は−S−を示す。m及びnはそれぞれ1〜5、好ましくは1〜3の整数を示し、pは0〜10、好ましくは0〜5の数を示す。
【0014】
一般式(I)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレートを具体的に例示すれば、p−ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)キシレン、p−ビス(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)キシレン、m−ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)キシレン、m−ビス(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)キシレン、α、α’−ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)−2,3,5,6−テトラクロロ−p−キシレン、α、α’−ビス(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)−2,3,5,6−テトラクロロ−p−キシレン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエトキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエトキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルケトン、2,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、2,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)−3,3’,5,5’−テトタブロモジフェニルケトン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)−3,3’,5,5’−テトタブロモジフェニルケトン、β,β’−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、β,β’−ビス(p−(メタ)アクリロイルチオフェニルチオ)ジエチルエーテル、β,β’−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニルチオ)ジエチルチオエーテル、β,β’−ビス(p−(メタ)アクリロイルチオフェニルチオ)ジエチルチオエーテルなどがあげられる。
【0015】
一般式(I)で示される化合物の中でも、次の一般式(II)で示される化合物が屈折率、色収差などの光学的物性のバランスの点から好ましく用いられる。
【0016】
【化11】
【0017】
式中、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12は炭素数1〜12の2価の炭化水素残基を表し、Halは塩素原子又は臭素原子を表し、Yは−S−、−SO2−又は−CO−を表し、Zは−O−又は−S−を表す。p’及びq’はそれぞれ独立して0〜4の整数を表す。
前記一般式(II)中、R12で示される炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数が1〜12であり、炭素原子及び水素原子より構成され、結合手を2つ有するものであれば特に制限はされないが、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
【0018】
一般式(II)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物を具体的に例示すれば、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルケトン、2,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルケトン、2,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)ジフェニルケトン、4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルケトン4,4’−ジ(β−(メタ)アクリロイルチオエチルチオ)−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルケトンなどが挙げられる。
【0019】
一般式(I)で示される化合物と混合して使用できる反応性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステリアル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、フエノキシエチル(メタ)アクリレート、フエノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フエニルグリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、フエニルセロソロブ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ビフエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフエート等のモノ(メタ)アクリル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリル化合物;スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニル−2−ピロリドン等のモノビニル化合物;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの多官能ビニル化合物等が挙げられる。
【0020】
また、イオウ含有(メタ)アクリレートと混合して使用できる反応性オリゴマーとしては、
(1)ヒドロキシル基、グリシジル基又はアミノ基含有(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン化反応物;
(2)(メタ)アクリル酸と分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物とのエポキシ開環反応物;
(3)多価アルコールと多塩基酸とから得られるのポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応物であるポリエステル(メタ)アクリレート;
(4)(メタ)アクリル酸と多官能ヒドロキシル化合物とのエステル化反応物、ヒドロキシル基又はグリシジル基含有(メタ)アクリレートと多価カルボキシル化合物とのエステル化反応物;及び
(5)各種(メタ)アクリレートと多価ヒドロキシル化合物とのエステル交換反応物を挙げることができる。
【0021】
ヒドロキシル基、グリシジル基又はアミノ基含有(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン化反応物;
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フエニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のモノエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸モノエステルなどが挙げられる。
【0022】
分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物の具体例としては、脂肪族、芳香族又は脂環族のイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチルレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、m−フエニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ビフエニルジイソシアネート等が挙げられるが、これらイソシアネート類とアミノ基、水酸基、カルボキシル基、水等の活性水素原子を少なくとも1個有する化合物との反応により得られる分子内に少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物、あるいは前記ジイソシアネート化合物類の3量体〜5量体なども用いることができる。
前述のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと分子内に少なくとも2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン化反応は、公知の方法、例えばイソシアネート化合物存在下にヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと触媒、例えばジブチルチンジラウレートとの混合物を50℃〜90℃の条件下で滴下することにより製造することができる。
【0023】
(メタ)アクリル酸と分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物とのエポキシ開環反応物;
分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有するエポキシ化合物の具体例としては、ビスフエノールAジグリシジルエーテル、ビスフエノールFジグリシジルエーテル、フエノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル等の芳香族、脂環族のエポキシ化合物及び脂肪族多価カルボン酸のグリシジルエステル、これらエポキシ化合物の2量体〜5量体などを用いることができる。
【0024】
多価カルボキシル化合物としては、無水フタル酸等の無水ジカルボン酸などを用いることができる。
これらエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸又はヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートと多価カルボキシル化合物無水フタル酸等の無水ジカルボン酸との付加物との反応は、公知の方法、例えばエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸と触媒、例えばジメチルアミノエチルメタクリレートなどの3級アミノ化合物、4級アミン塩との混合物、4級アミン塩との混合物を60℃〜110℃に加熱することにより製造できる。
多価アルコールと多塩基酸とから得られるポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応物であるポリエステル(メタ)アクリレート;
ポリエステルアクリレートの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ジプロピレングリコール,ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールとフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット酸、イタコン酸、コハク酸、テレフタル酸等の多塩基酸とから得られるポリエステルと(メタ)アクリル酸との縮合反応物が挙げられる。
多価アルコールと多塩基酸との反応は、酸化ジブチルスズなどの触媒存在下に200℃に加熱しポリエステルを得て、これにさらに(メタ)アクリル酸を100℃で縮合反応することにより製造することができる。
【0025】
反応性オリゴマーとしては、上述のものの他に、ビスフエノールA、ビスフエノールF又はビスフエノールSにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドをnモル付加させたものと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イオウ含有(メタ)アクリレート化合物と併用される反応性モノマー、反応性オリゴマーとしては、光硬化性樹脂の硬化物が高屈折率をが要求される用途で使用する場合は、フッ素を除くハロゲン原子、芳香環及び/又は硫黄原子を含むモノマー、オリゴマーが好ましい。
【0026】
上記にあげた芳香環、ハロゲン原子を含むモノマー、オリゴマー以外としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルエチル(メタ)アクリレート、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパンなど本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
【0027】
ラジカル反応性組成物には、粘度調整、重合収縮防止、可撓性付与などのためにポリマーを混合してもよい。具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、モノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ビスフエノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、テトラブロモビスフエノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物や各種ポリ(メタ)アクリレート等の非反応性ポリマー、アミノ基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、イソシアネート基、カルボキシル基、メルカプト基などの反応性基を末端や側鎖に有するポリ(メタ)アクリレートなどの反応基を有するポリマーなどの添加をしてもよい。分子量としては重量平均分子量で千から五十万程度がよく、相溶性、物性発現のためには数千から20万程度が好ましい。
【0028】
本発明で使用される(B)紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの単独もしくはエチレン性不飽和化合物との共重合体などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロキシエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロキシエトキシベンゾフェノンの単独重合体もしくはエチレン性不飽和化合物との共重合体などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;フェニルサリシレート、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸n−ヘキサデシルエステル、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−t−オクチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート系紫外線吸収剤;エチル(β、β−ジフェニル)シアノアクリレート、2−エチルヘキシル(β、β−ジフェニル)シアノアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2’−エチル蓚酸ビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル蓚酸ビスアニリドなどの蓚酸誘導体系紫外線吸収剤;[(4−メトキシフェニル)−メチレン]ジメチルプロパンジオエートなどのベンジリデンマロン酸エステル類などが挙げられる。
【0029】
好ましくは分子構造中にフェノール性水酸基を含まない化合物、より好ましくはベンジリデンマロン酸エステル類が、特に好ましくは[(4−メトキシフェニル)−メチレン]ジメチルプロパンジオエートを含む紫外線吸収剤が使用される。
[(4−メトキシフェニル)−メチレン]ジメチルプロパンジオエートは有害な紫外線である短波長域(250〜350nm)の光を有効にカットし、長波長(>360nm)に影響の小さく、添加量を多くできるため、硬化物を可視域の光を必要とするレンズやメガネなどの光学用途に使用する場合、適している。またフェノール性水酸基を含まないため、金属と錯体を作って発色したり、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基などフェノール性水酸基と反応しやすい基が組成物中に含まれていてもその紫外線吸収能を失活させることがない。
【0030】
紫外線吸収剤(B)の添加量は、(A)成分100重量部に対し、通常0.01〜5重量部である。好適な範囲は紫外線吸収剤の種類、硬化物の用途、使用可視域などによって異なるが、好ましくは0.05〜2重量部である。紫外線吸収剤の添加量が少なすぎると耐候性の効果がなく、多すぎるとブリードアウトしやすくなる。
【0031】
本発明で使用される酸化防止剤(C)としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ビタミンE、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−ブチルフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)]メタンなどのフェノール系の酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルインデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデンシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(インデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステルなどのリン系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリエル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリト−ルテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ステアリルチオプロピオンアミド、ジオクタデシルジスルフィド、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などのイオウ系酸化防止剤;4,4’−ジオクチルジフェニルアミンなどのアルキル化されたジフェニルアミン、アルキル化されたN,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族アミン系の酸化防止剤などが挙げられる。
【0032】
酸化防止剤(C)の中でもフェノール系酸化防止剤が耐候性に優れた効果があり、一般式(III)で表される化合物は特に好ましい。
【0033】
【化12】
【0034】
式中、R13は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R13で定義される炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、エイコシル基等の炭素数1〜20のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。
酸化防止剤(C)の添加量は(A)のラジカル反応性組成物100重量部に対し0.05〜5重量部添加でき、好ましくは0.1〜2重量部である。少なすぎると耐候性の効果がなく、多すぎるとブリードアウトしやすくなる。
【0035】
本発明においては、紫外線吸収剤(B)と酸化防止剤(D)を併用することを特徴とする。両者を併用することにより、より優れた耐候性が得られる。紫外線吸収剤(B)と酸化防止剤(C)の配合割合は、紫外線防止剤(C):酸化防止剤(C)の重量比で、通常1:200〜20:1、好ましくは1:50〜2:1である。
【0036】
本発明に使用される重合開始剤(D)としては、光重合開始剤が用いられる。例えば、光重合剤として公知のラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が使用される。2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等の(ビス)アシルホスフィンオキシドおよび(ビス)アシルホスフィン酸エステル類;1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;芳香族ジアゾニウム塩;芳香族スルホニウム塩;芳香族ヨードニウム塩;メタロセン化合物等が挙げられる。
【0037】
光重合開始剤は2種以上併用してもよく、その1種として、400nm以上にも吸収波長を有する化合物を用いることが好ましい。これは一般式(I)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物の耐光性、耐候性があまりよくないため、成型時に短波長側の光をカットして照射したり、UV吸収剤を添加したりしてその劣化を防ぐことが行われるが、それら成型法、添加物によって反応阻害をを受けないよう組成物には長波長側の光で硬化する事が要求されるためである。400nm以上にも吸収波長を有する化合物としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類が好ましく用いられる。
光重合開始剤の他の1種としては、表面硬化性に優れ短波長側に吸収を持つベンゾフェノン類、アセトフェノン類が好ましい。
【0038】
また、本発明の光硬化性組成物の硬化をすみやかに完結させるために、光硬化と熱硬化を併用してもよい。熱硬化を併用する場合は、重合開始剤(D)として、光重合開始剤と熱重合開始剤を併用することが好ましい。
【0039】
熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、アゾビスイソブチロニトリル、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,5,−トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシラウリレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオキシパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が挙げられる。
【0040】
重合開始剤(D)の添加量は(A)成分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。開始剤が多すぎると、硬化樹脂の内部均質性が劣るだけでなく、色相も悪化する。少なすぎると硬化不良を生じる。
本発明の光重合性組成物には、必要に応じて、チオール基を有する化合物、重合禁止剤、光安定剤、光増感剤、溶剤、離型剤、着色剤、充てん剤、その他の添加剤を適宜配合することができる。
【0041】
チオール基を有する化合物としては、具体例には、エチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、メルカプトエタノール、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,12- ドデカンジチオール、メルカプトメチルスルフィド、2-メルカプトエチルスルフィド、3-メルカプトプロピルスルフィド、6-メルカプトヘキシルスルフィド、1,2-ビス-2- メルカプトエチルチオエタン、1,2-ビス-3- メルカプトプロピルチオエタン、1,3-ビス-2- メルカプトエチルチオプロパン、1,4-ビス-2- メルカプトエチルチオブタン、1,6-ビス-2- メルカプトエチルチオヘキサン、ビス-2- (2-メルカプトエチルチオ)エチルスルフィド、2−メルカプトエチルエーテル、3-メルカプトプロピルエーテル、6-メルカプトヘキシルエーテル、1,4-シクロヘキサンジチオール、ビス-2- メルカプトエトキシメタン、1,2-ビス-2- メルカプトエトキシエタン、ビス-2- (2-メルカプトエトキシ)エチルエーテル、1,4-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、4-t-ブチル-1,2- ベンゼンジチオール、1,2-ビス(メルカプトメチレン)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチレン)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチレン)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチレン)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチレン)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチレン)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチレンチオ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチレンチオ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチレンチオ)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチレンチオ)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチレンチオ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチレンチオ)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、4,4'- チオジチオフェノール、4,4'- ビフェニルジチオール、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、トリメルカプトエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリトールトリチオグリコレート、ペンタエリスリトールジチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールトリメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールジメルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパンジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリメルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパンジメルカプトプロピオネート、メルカプトプロピルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0042】
これらチオール基を有する化合物は硫黄原子を含むことから、屈折率が高いものが多く、様々なアッベ数を示すことから、通常、組成物の屈折率、アッベ数を維持、調製するために使われる。チオール基を有する化合物として、好ましくは多官能チオールが用いられる。具体的には、ペンタエリスリト−ル系のチオール、イソシアヌレート系のチオールなどが挙げられる。多官能チオールは、その反応性、柔軟な骨格のため、反応促進効果があり、可撓性を付与できる。さらにチオール基はラジカル連鎖能、ラジカル捕捉能があるため、硬化時の黄変防止、耐候性を向上することができる。
チオール基を有する化合物の添加量は、ラジカル反応性組成物100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは2〜15重量部である。チオールを有する化合物の添加量が少なすぎると上述の効果が期待できず、多すぎると硬化不要、ブリードアウトの恐れがある。
【0043】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ハイドロキノンなどのフェノール類;フェノチアジンなどの芳香族アミン類;ほか2,2−ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジ−p−フルオルフェニルアミン、N−(3N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシルアミン、環状アミド、ニトリル化合物、置換尿素、ベンゾチアゾール、4−アミノ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、ビス−(1,2,2,6,6ペンタメチル−4−ピペジニル)セパケート、乳酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸、t−ブチルピロカテコール、有機ホスフィン、亜リン酸塩などが挙げられる。
【0044】
重合禁止剤の添加量は、ラジカル反応性組成物100重量部に対して、通常0.001〜0.5重量部、好ましくは0.005〜0.3重量部である。重合禁止剤が少なすぎると保存安定性に問題を生じ、多すぎると硬化不良を生じたり、開始剤の過剰添加が必要になる恐れがある。
また、重合開始剤と重合禁止剤の重量比(重合開始剤/重合禁止剤)を通常0.05〜5000、好ましくは0.1〜2000の範囲で添加すると、室温下での長期保存安定性に優れかつ注型、成型時にかける温度45〜60℃でも良好な安定性を示す。この比が大きすぎると重合禁止剤が少ないことから、長期保存安定性、加熱注型時などの加熱プロセス時の硬化抑止効果が得られない。また小さすぎると 重合禁止剤の量に対して開始剤の量が少ないため硬化不良を生じる恐れがある。
【0045】
光安定剤としては、フェニル−4−ピペジニルカーボネート、1,1−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジンオン)、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペジニル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3−ドデシル−1−(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)ピロリジン−2,5−ジオンなどのヒンダードアミン(HALS)系の光安定剤などが挙げられる。
【0046】
光増感剤としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジエチルアミノ安息香酸、ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸イソアシル、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのアミン誘導体;ο−トリチオ尿素などの尿素誘導体;ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネートなどのイオウ化合物;N,N−ジメチル−p−アミノベンゾニトリル、N,N−ジメチル−p−アミノベンゾニトリルなどのニトリル化合物;トリ−n−ブチルホスフィンなどリン化合物;ほかN−ニトロソヒドロキシアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ミヒラーケトンなどが挙げられる。
【0047】
本発明の光硬化性組成物は溶剤などで希釈されていてもよい。一般式(I)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物は、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエンなどの溶剤に可溶であるが、他の添加物との組み合わせにより、他の有機溶剤を用いることもできる。
【0048】
ラジカル反応性組成物として、イソシアネート化合物やイソチオシアネート化合物とポリチオール、ポリオール化合物などから合成した(メタ)アクリレート化合物を使用する場合、ジブチルチンジラウレート、アルミニウムトリイソプロポキシドのような金属化合物、3級アミンや3級ホスフィン等のルイス塩基等が(チオ)ウレタン化反応の触媒として添加されている場合もある。
【0049】
本発明の光硬化性組成物は、通常、室温〜60℃の温度で液状であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、重合開始剤の存在下、活性エネルギー線が照射されることにより容易に共重合(光重合、光硬化ともいう)させることができる。。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線等、重合開始剤に作用してラジカルを発生させるものであれば、特に限定されるものではない。通常、イオウ含有(メタ)アクリレート化合物、併用するモノマー、光重合開始剤、増感剤の特性波長に合わせて選択する。
光硬化を行う際の、光照射の光源や熱源は特に限定されないが、一般的には、高圧または低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ショートアークランプ、ケミカルランプ、キセノンランプ等の紫外線光源を用いて平行光、散乱光を照射して硬化がなされるが、光増感剤の併用でレーザー等の可視、赤外光源の使用も可能である。電子線等では光重合開始剤なしでも重合硬化が可能である。
【0050】
光硬化性組成物を光硬化させるときに成形型を用いる場合、型の形状に関しては特に制限はない。
本発明の光硬化性組成物を用いて硬化物を得る方法は、特に限定されるものではなく、公知の大気中あるいは不活性ガス中における製膜法や公知の注型重合方法などを採用できる。代表的な重合方法を例示すると、エラストマーガスケットまたはスペーサーで保持されているモールド(石英ガラス)間に、前記の組成物を注入し、活性エネルギー線の照射後、取出せばよい。照射光量は、組成物および光重合開始剤の種類によって適宜選択されるが、通常0.01〜300J/cm2 、特に20〜100J/cm2 が好ましい。
【0051】
本発明の光硬化性組成物を硬化して得られた硬化物は、硬化促進、樹脂内部の応力歪や光学歪を低減させるために、光硬化後、加熱によるアニール等の処理を行ってもよい。アニールは耐候性の向上にも効果があるが、これは硬化促進によるものと考えられる。
また、得られた硬化物の表面に、ハードコート、反射防止コート、染色を施してもよいし、レンズ部に選択的なイオン、低分子拡散等の表面処理を行ってもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線などの活性エネルギー線照射により良好な硬化性を示し、その硬化物が高屈折率で透明性が高く、耐候性が良好な光学部品用の材料として好適な光硬化性組成物および硬化物を提供することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定されるものではない。
なお、屈折率は、アッベ屈折率計でNa(d)線、25℃で測定した。
YI値は、スガ試験機(株)SMカラーコンピューターSM−5を用いて、厚さ2mmの試験片の透過によって測定した。
耐候性試験は、スガ試験機(株)の強エネルギーキセノンウエザーメーターSC700−Wを用い、165W/m2、80℃(ブラックマトリックス温度)、湿度50%、24時間の条件で行った。
【0054】
<実施例1>
4,4’−ジ(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン100重量部にp−メトキシフェノール0.1重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ビーエーエスエフ ジャパン(株)製、「ルシリンTPO」)0.1重量部、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(共同薬品製、「バイオソーブ583」)0.1重量部、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部を加え、60℃で1時間、均一に撹拌混合した後脱泡し、光硬化性組成物を得た。
次に、鏡面仕上げを施した直径80mmの石英ガラス2枚を2mm間隔になるように向かい合わせ、エチレン−酢酸ビニル共重合体製のガスケットで囲んだ注型容器に、45℃に加熱した前述の光硬化性組成物を注ぎ、室温になるまで放置した後、メタルハライドランプ30mW/cm2で12J/cm2照射して、均一透明な硬化物を得た。
得られた硬化物の1.64、YI値は3.2であった。また、耐候性試験を実施した後の硬化物のYI値は13.3であった。
【0055】
<実施例2>
実施例1の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの代わりにプロピルガレートを用いた他は実施例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.6、耐候性試験後のYI値は12.8であった。
【0056】
<実施例3>
実施例1の2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールの添加量を0.1重量部から0.05重量部に変え、さらに、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]ジメチルプロパンジオエート(クラリアント ジャパン(株)、「SanduvorPR−25」)1重量部を添加した他は実施例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は3.0、耐候性試験後のYI値は10.8であった。
【0057】
<実施例4>
実施例3の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールの代わりにプロピルガレートを用いた他は実施例3と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.6、耐候性試験後のYI値は9.8であった。
<実施例5>
実施例4の4,4’−ジ(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホンの添加量を100重量部から85重量部に変え、さらにテトラエチレングリコールジメタクリレート15重量部を加えた他は実施例4と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.62、YI値は2.9、耐候性試験後のYI値は9.5であった。
【0058】
<実施例6>
実施例5のテトラエチレングリコールジメタクリレートの代わりにポリエチレングリコールメタクリレート(日本油脂製、「ブレンマーPME−400」)を用いた他は実施例5と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.62、YI値は3.9、耐候性試験後のYI値は9.5であった。
【0059】
<実施例7>
実施例4の4,4’−ジ(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホンの添加量を100重量部から90重量部に変更し、さらにペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)10重量部を添加した他は実施例4と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.63、YI値は3.0、耐候性試験後のYI値は9.3であった。
【0060】
<比較例1>
光硬化性組成物として、4,4’−ジ(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン100重量部にp−メトキシフェノール0.1重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ビーエーエスエフ ジャパン(株)製、「ルシリンTPO」)0.1重量部を加えたものを用いた他は実施例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.3、耐候性試験後のYI値は22.1であった。
【0061】
<比較例2>
比較例1の光硬化性組成物に、さらに2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(共同薬品製、「バイオソーブ583」)0.1重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、透明均一な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は3.9、耐候性試験後のYI値は14.3であった。
【0062】
<比較例3>
比較例1の光硬化性組成物に、さらに2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チバ−ガイギー製、「チヌビンP」)0.1重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は3.9、耐候性試験後のYI値は14.0であった。
【0063】
<比較例4>
比較例1の光硬化性組成物に、さらに2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(アメリカン サイアナミッド製、「CyasorbUV−9」)0.1重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.2、耐候性試験後のYI値は16.3であった。
【0064】
<比較例5>
比較例1の光硬化性組成物に、さらに(4−メトキシフェニル)−メチレン]ジメチルプロパンジオエート(クラリアント ジャパン(株)製、「SanduvorPR−25」)0.1重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.1、耐候性試験後のYI値は18.5であった。
【0065】
<比較例6>
比較例1の光硬化性組成物に、さらに2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.5重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は3.7、耐候性試験後のYI値は18.5であった。
【0066】
<比較例7>
比較例1の光硬化性組成物に、さらにプロピルガレート0.5重量部を添加した他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.2、耐候性試験後のYI値は18.8であった。
【0067】
<比較例8>
比較例1の光硬化性組成物に、さらにトリスノニルフェニルホスファイト(住友化学製、「スミライザーTNP」)0.5重量部を添加してた他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.64、YI値は4.5、耐候性試験後のYI値は21.5であった。
【0068】
<比較例9>
比較例1の光硬化性組成物において、4,4’−ジ(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホンの添加量を100重量部から85重量部に変え、さらにテトラエチレングリコールジメタクリレート15重量部を加えた他は比較例1と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.62、YI値は4.2で、耐候性試験後のYI値は19.8であった。
【0069】
<比較例10>
比較例9の光硬化性組成物において、テトラエチレングリコールジメタクリレートの代わりにポリエチレングリコールメタクリレート(日本油脂製、「ブレンマーPME−400」)を用いた他は比較例9と同様に行ったところ、均一透明な硬化物が得られた。得られた硬化物の屈折率は1.62、YI値は4.1、耐候性試験後のYI値は19.5であった。
【0070】
以上の実施例1〜7の組成と評価結果をまとめて表−1に、比較例1〜10の組成と評価結果をまとめて表−2に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
Claims (9)
- (A)一般式(I)で示されるイオウ含有(メタ)アクリレート化合物またはこれを含むラジカル反応性組成物、並びに、該イオウ含有(メタ)アクリレート化合物またはこれを含むラジカル反応性組成物100重量部に対して、(B)ベンゾトリアゾール系又はベンジリデンマロン酸エステル類の紫外線吸収剤0.01〜5重量部、(C)フェノール系酸化防止剤0.05〜5重量部、及び(D)重合開始剤0.01〜10重量部を含むことを特徴とする光硬化性組成物。
で表されるオリゴマーもしくは、
で表されるオリゴマーから選ばれた基を示し、Zは−O−または−S−を示す。m及びnはそれぞれ1〜5の整数を示し、pは0〜10の整数を示す。〕 - フェノール系酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールである請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
- 重合開始剤がリン原子を含有する化合物である請求項1ないし4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の光硬化性組成物をメタルハライドランプ30mW/cm2 で12J/cm2 照射して硬化させた硬化物としての、下記条件による耐侯性試験後の下記測定方法によるYI値が13.3以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の光硬化性組成物。
耐侯性試験;キセノンウェザーメーターを用い、80℃(ブラックパネル温度)、湿度50%で、165W/m2 で24時間照射。
YI値;測色計を用い、厚さ2mmの試験片の透過による測定。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の光硬化性組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の光硬化性組成物を含有してなることを特徴とする光学レンズ用樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の光硬化性組成物を含有してなることを特徴とする光学部品用樹脂組成物。
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