JP3943490B2

JP3943490B2 - Situation analysis method and efficacy evaluation method for stains

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Publication number: JP3943490B2
Application number: JP2002371652A
Authority: JP
Inventors: 雅紀吉田; 秀世打和
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2002-12-24
Filing date: 2002-12-24
Publication date: 2007-07-11
Anticipated expiration: 2022-12-24
Also published as: JP2004205246A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シミの状況を分析する方法、シミに対する効能を評価する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ヒトをはじめとする全ての生体は、回りの環境から影響を受けている。しかし、ほ乳類等の高等動物は、生命を維持するために必要な各器官への環境からの影響を極力小さくするための器官を持っている。それが皮膚であり、特に紫外線等光線に対しての防御として表皮基底層上の色素細胞（メラノサイト）にて合成されるメラニン色素が表皮細胞へ伝達され細胞内の核の上に集まり遺伝情報であるＤＮＡを紫外線による損傷から防御している。従って、メラニン色素は紫外線による防御機構として重要な役割を担っている。メラノサイトでのメラニン生成は、紫外線に直接暴露される以外にも、酸化的刺激や炎症反応により活性化される。メラニン色素が必要以上に過剰産生されると、表皮内または真皮層に沈着して、シミの原因となる。
【０００３】
メラニン色素は上記のように重要な役割を担う一方、メラニン色素の沈着は肌色を黒ずませ、シミに繋がることから美容上は好ましくない場合が多い。このような状況の下、さまざまなシミ改善剤あるいは美白剤等が開発されている。従来のシミ改善剤あるいは美白剤等として用いられている物質にはメラニンの生成を抑制することによりシミの改善等を図るものが多数知られている。
【０００４】
シミの予防法に関しては、紫外線からの防御、メラニン生成の阻害、メラニンの排泄促進などについて研究が進められている（例えば、非特許文献１）。また、多細胞生物における細胞増殖因子としてＨＢ−ＥＧＦ（ヘパリン結合性ＥＧＦ様増殖因子）の研究などがなされている（例えば、非特許文献２）。また、ＮＴ−３の発現量増加はメラノサイトの増加、集積に作用することを示唆する報告がある（例えば、非特許文献３）。また、ＨＢ−ＥＧＦの発現を誘導して表皮部位のターンオーバーを亢進することについては特許文献１に記載がある。なお、ターンオーバーとは、基底層での細胞分裂から角質層の脱離に至る表皮部位における細胞層の置き換わりのことをいう。
【０００５】
しかし、シミの原因は複雑で多岐にわたると考えられており、シミの生成機構などについて明確に解明されているわけではない。より優れたシミの予防・改善方法あるいは予防・改善剤を開発するためには、シミに関する機構をより詳細に究明することが求められていた。
【０００６】
【特許文献１】
国際公開第０１／４５６９７号パンフレット
【非特許文献１】
シミの予防：現在の美白剤のストラテジー；香粧会誌Ｖｏｌ．２４
Ｎｏ．１（２０００）ｐ２１−２８
【非特許文献２】
Ｈｅｐａｒｉｎ−ｂｉｎｄｉｎｇＥＧＦｌｉｋｅｇｒｏｗｔｈｆａｃｔｏｒ：ａｊｕｘｔａｃｒｉｎｅｇｒｏｗｔｈｆａｃｔｏｒ：ＲｙｏＩｗａｍｏｔｏ，ＥｉｓｕｋｅＭｅｋａｄａ，Ｃｙｔｏｋｉｎｅ＆ＧｒｏｗｔｈＦａｃｔｏｒＲｅｖｉｅｗｓ１１（２０００）３３５−３４４
【非特許文献３】
ＴｈｅｔｒｋＦａｍｉｌｙｏｆＲｅｃｅｐｔｏｒｓＭｅｄｉａｔｅｓＮｅｒｖｅＧｒｏｗｔｈＦａｃｔｏｒａｎｄＮｅｕｒｏｔｒｏｐｈｉｎ−３ＥｆｆｅｃｔｓｉｎＭｅｌａｎｏｃｙｔｅｓ，Ｙａａｒｅｔ．ａｌＪ．ＣｌｉｎＩｎｖｅｓｔ１９９４Ｏｃｔ；９４（４）；１５５０−１５６２
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況の下、本発明はシミの予防・改善等に寄与する手段を提供することを課題とする。より具体的には、本発明は、シミの状況を的確に分析する方法を提供することを課題する。さらに、本発明は、シミに対する効能を有する物質を的確に見いだし、その作用・効能を的確に把握できる効能評価方法を提供することを課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シミの原因について詳細に研究したところ、従来表皮部位においては存在しないと考えられていた物質が実は表皮部位に存在しており、シミ部と正常部とで発現量に大きな違いを生じていることを見いだした。さらに本発明者らは、従来知られていなかったシミの生成機構を解明し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の通りである。
【０００９】
〔１〕複数箇所の表皮部位についてＮＴ−３を検出し、それぞれのＮＴ−３の検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔２〕経時的に表皮部位のＮＴ−３を検出し、それぞれのＮＴ−３の検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔３〕複数箇所の表皮部位についてＡＤＡＭ９を検出し、それぞれのＡＤＡＭ９の検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔４〕経時的に表皮部位のＡＤＡＭ９を検出し、それぞれのＡＤＡＭ９の検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔５〕複数箇所の表皮部位についてＨＢ−ＥＧＦを検出し、それぞれのＨＢ−ＥＧＦの検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔６〕経時的に表皮部位のＨＢ−ＥＧＦを検出し、それぞれのＨＢ−ＥＧＦの検出量を指標とし、表皮部位におけるシミの状況を分析する、シミの状況分析方法。
〔７〕被試験細胞に評価対象化合物を投与し、前記被試験細胞におけるＮＴ−３を検出し、ＮＴ−３の検出量を指標として、評価対象化合物のシミに対する効能を評価する、効能評価方法。
〔８〕ＮＴ−３を経時的に検出し、検出量の経時変化を指標とする、前記〔７〕に記載の効能評価方法。
〔９〕被試験細胞に評価対象化合物を投与し、前記被試験細胞におけるＡＤＡＭ９を検出し、ＡＤＡＭ９の検出量を指標として、評価対象化合物のシミに対する効能を評価する、効能評価方法。
〔１０〕ＡＤＡＭ９を経時的に検出し、検出量の経時変化を指標とする、前記〔９〕に記載の効能評価方法。
【００１０】
「ＮＴ−３」とは、ｎｅｕｒｏｔｒｏｐｈｉｎ−３である。「ＡＤＡＭ９」とは、ａｄｉｓｉｎｔｅｇｒｉｎａｎｄｍｅｔａｌｌｏｐｒｏｔｅｉｎａｓｅ９である。「ＨＢ−ＥＧＦ」とは、ｈｅｐａｒｉｎ−ｂｉｎｄｉｎｇＥＧＦ−ｌｉｋｅｇｒｏｗｔｈｆａｃｔｏｒであり、ヘパリン結合性ＥＧＦ様増殖因子ともいう。「ＥＧＦ」とは、ｅｐｉｄｅｒｍａｌｇｒｏｗｔｈｆａｃｔｏｒであり、上皮増殖因子ともいう。
【００１１】
皮膚の構造は、一般的には「表皮（広義）」、「真皮」、「皮下組織」の３つに大別され、「表皮（広義）」には「角質層」、「表皮（狭義）」、「基底層」が含まれる。本明細書においては広義の「表皮」について「表皮部位」といい、狭義の「表皮」を単に「表皮」という。
【００１２】
なお、医学的見地からは、シミは肝斑、老人性色素斑などに分類され、ソバカスは雀卵斑などと詳細に分類される場合があるが、本明細書において「シミ」という場合、これらの詳細な分類にはよらず、メラニンなどの色素が沈着または停滞した色素斑を広く含む意味として用いる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明者らの研究により、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦが、表皮部位の正常部とシミ部とで発現量に顕著な差が生じていることを見いだされた。具体的には、ＮＴ−３は正常部に比べシミ部のほうが顕著に増えることが認められる。ＡＤＡＭ９は、正常部に比べシミ部のほうが顕著に減少することが認められる。また、ＨＢ−ＥＧＦは、正常部に比べシミ部のほうが顕著に減少することが認められる。皮膚の表皮部位における正常部とシミ部とで、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦの発現に顕著な違いが生じていることは、本発明者らが初めて見いだしたものである。
【００１４】
また、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦ、メラノサイト、ケラチノサイトなどの関連から、シミの形成・停滞には図１に示すような生体反応機構が介在することが推定された。すなわち、ＮＴ−３が増加することにより２種の生体反応機構に影響が生じるものと推定される。その一方は、ＮＴ−３が増加するとメラノサイトが増加し、これによりメラニンの生成が増え、シミ形成に至るルートである。すなわち、メラニンの過剰生成がシミの原因となるルートである。もう一つは、ＮＴ−３が増加し、ＡＤＡＭ９が減少し、ＨＢ−ＥＧＦが減少して、ケラチノサイト分裂が低下し、表皮部位におけるターンオーバーが遅延するルートである。ターンオーバーが遅くなることにより、シミの排泄が円滑に進まず、シミが停滞しやすくなる。従来、メラニン抑制作用を有する物質を投与してもシミの改善が十分満足のいく結果とならない場合があったが、上記の機構からすると、単にシミの新たな生成を抑制するだけではなく、表皮部位のターンオーバーを促進する系についても改善しなければシミの改善が困難となる場合があることが、機構上の観点から明らかとなった。すなわち、シミを予防・改善、特に改善を図る場合には、上記の２つの系について適切な分析と対処が行われることがより望ましいことが明らかとなった。
【００１５】
本発明は、上記の知見に基づく、所定の物質を検出してシミの状況を的確に分析する方法、所定の評価対象物質のシミに対する効能を的確に評価する方法である。以下、それぞれ順に説明する。
【００１６】
（１）シミ状況分析方法
本発明のシミ状況分析方法では、表皮部位におけるＮＴ−３等を検出する。検出の対象物としては、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦが挙げられ、これらのうちの１種のみを検出して状況分析してもよいし、２種以上について検出して状況の分析を行ってもよい。
【００１７】
ＮＴ−３等を検出する方法は、ＮＴ−３等について何らかの形態で量的に検出可能な方法であれば特に制限はない。検出量は、数値化して表してもよいし、顕微鏡写真などにおける染色された細胞組織の面積、濃さなどとして把握してもよい。ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦの検出は、例えば、それぞれについて特異的に染色する染色物質などのシグナル因子を用いてもよいし、また、それぞれに特異的に結合する抗体を調製し、当該抗体に、染色物質、蛍光物質、発光物質、放射性同位体など検出可能なシグナル因子を結合させて、抗体−シグナル因子複合体を調製し、当該複合体を、細胞組織サンプル（以下「サンプル」という）に接触させてシグナル因子を測定する方法などにより行うことができる。より具体的には、例えばＡＢＣ抗体染色法により行うことができ、ＡＢＣ抗体染色法は例えばベクター社ＡＢＣキット付属の標準プロトコールの記載に沿って行うことができる。
【００１８】
また、さらに別の項目を検出してもよく、例えば、メラノサイトなどの検出を併せて行うことも好ましい形態である。メラノサイトは、例えば、メラノサイトに特異的なマーカーを染色することにより検出することができる。検出の程度は、シグナル因子に応じて測定される。メラノサイトに特異的なマーカーとしては、例えば、ＭＡＲＴ−１などが挙げられる。ＭＡＲＴ−１は、ＡＢＣ抗体染色法により染色でき、染色された細胞の数、染色の濃さなどを顕微鏡下で観察して評価することができる。
【００１９】
ＮＴ−３等を検出するに際しては、被験者、被験動物等の被検体からサンプルを採取する。サンプルの採取のやり方により、ＮＴ−３の検出量を指標として様々なシミの状況分析が可能である。状況分析の具体的な形態としては、例えばシミの重軽度などの程度およびその分布、原因の推定、シミの進行状況、シミの改善状況、シミ形成の予測、シミ形成の潜在性などが挙げられる。
【００２０】
サンプル採取の方法を大きく２種に分類すると、空間的に異なる複数の箇所からサンプルを取得する形態と、経時的に異なる複数のサンプルを取得する形態とが挙げられる。「空間的に異なる」とは、複数の箇所、すなわち、位置・場所が異なることである。「経時的に異なる」とは、サンプルを採取する時間を変えることである。「複数」とは、少なくとも２箇所から採取すればよいことを意味し、同一被検体から採取することのみに限られるものではない。
【００２１】
複数箇所からサンプルを採取するより具体的な形態について例示すると次のようなものが挙げられる。例えば、一つの実施形態としては、正常部およびシミ部の双方を採取し、各検出対象物について正常部とシミ部とで検出結果を対照させるようにする。ＮＴ−３の検出量を指標として正常部とシミ部とを対比することにより、正常部とシミ部との状況の相違に関する最も基本的なデータを取得することができる。正常部、シミ部について複数の被検体、複数のサンプルによる検出試験データを積み上げることにより、統計的な基準データを得ることもできる。なお、予め正常部でのデータまたはシミ部でのデータを取得しておくことも、結果として、複数箇所の表皮部位からサンプルを採取したことに含まれる。したがって、被検体からシミ部のサンプルを採取し、既知のデータと比較することも本発明の実施形態に含まれる。
【００２２】
また、別の実施形態としては、同一被検体においてシミ部から正常部にかけて複数箇所、好ましくは３箇所以上のサンプルを採取し、シミ部から正常部にかけてのＮＴ−３の分布状況を直線的または領域的に把握することにより、シミの軽度・重度など程度の差を直線的または領域的に分析することもできる。また、別の実施形態としては、シミ部内で複数箇所を採取してＮＴ−３を検出する形態も挙げられる。シミ部内でのＮＴ−３の検出量の差を判別し、シミ部内におけるシミの軽度または重度の差を分析する形態が挙げられる。また別の形態としては、予め集積したシミ部のデータと、特定の被験者から採取したサンプルについてのＮＴ−３の検出量を比較し、その特定の被験者のシミが、重度のシミであるか軽度のシミであるかを客観的に分析することができる。さらに、外見上正常であってもＮＴ−３の検出量からシミ化するおそれを予測できる場合もあり得る。
【００２３】
次に、経時的に複数のサンプルを採取する形態例について説明する。経時的に複数回、ＮＴ−３等の検出を行うことにより、外見のみならず表皮部位内部の状態についての経時的な変化を判別し、シミの進行状況やシミの改善状況を分析することができる。例えば、経時的にＮＴ−３が増加していることが確認されれば、シミの形成が進行状態にあることが推定される。逆にＮＴ−３が減少していることが示されれば、シミは解消の方向に向かっているものと推定される。また、他の実施形態としては、シミの改善剤などを患者の皮膚に塗布し、その改善状況を経時的に分析するという形態などが例示される。
【００２４】
また、複数箇所の検出と、経時的な複数回の検出とを組み合わせることにより、より詳細なシミの状況分析が可能である。
【００２５】
さらに、ＮＴ−３等の検出量を指標とすることによりシミの原因に関する状況を分析することもできる。すなわち、ＮＴ−３が過剰であればメラニン生成過剰およびターンオーバーの遅延の双方が生じている蓋然性が高いことがわかる。ＡＤＡＭ９、ＨＢ−ＥＧＦが減少していれば、ターンオーバーが遅延している蓋然性が高いことがわかる。さらに別の検出対象物についても検出し、より詳細にシミの原因を分析してもよい。他の検出対象物としては例えば、メラノサイト、増殖細胞マーカーであるＰＣＮＡ（ｐｒｏｌｉｆｅｒａｔｉｎｇｃｅｌｌｎｕｃｌｅａｒａｎｔｉｇｅｎ）、Ｋｉ６７、ｃｙｃｌｉｎなどが挙げられる。例えば、メラノサイトが過剰であれば、メラニンの生成過剰が生じている蓋然性が高いことがわかる。シミの形成・停滞に関する状況を的確に把握することにより、シミの予防・改善を図るための処置を的確に判断することが可能である。
【００２６】
表皮部位からサンプルを採取する方法は、検出対象物や検出方法の種類に応じて定法に従って採取すればよく、好ましくはバイオプシーの手法に準じて採取する。
【００２７】
（２）シミに対する効能評価方法
本発明の効能評価方法では、評価対象化合物を、被試験細胞に投与する。評価対象化合物は、シミに対する効能を評価しようとする対象となる化合物のことであり、試験者が任意に選択してよい。本発明の効能評価方法は新規なシミ改善・予防剤の開発に好適であり、評価対象化合物としては、シミ予防・改善剤の候補化合物となる化合物などが好適なものとして例示される。
【００２８】
評価対象化合物を投与する被試験細胞は、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９の各試験対象物質を検出可能な細胞であれば特に限定はない。ＮＴ−３を指標とする場合に好適な細胞としては、ＮＴ−３を含有する細胞或いはＮＴ−３を発現する細胞などが挙げられる。ＮＴ−３を含有する細胞或いはＮＴ−３を発現する細胞としては、具体例としては、活性化Ｔ細胞、繊維芽細胞、神経由来の細胞群、メラノサイト、メラノーマ、ＮＴ−３を発現するように組み換えられた形質転換細胞、またＮＴ−３の発現調節領域およびレポーター遺伝子が導入されレポーター遺伝子がコードするポリペプチドを発現する形質転換細胞などが好ましいものとして例示され、シミへの関与・影響が大きいと考えられることから、より好ましいものとしては、メラノサイト、メラノーマ、ＮＴ−３を発現する形質転換細胞などが例示され、特に好ましくはメラノサイト、メラノーマなどが例示される。レポーター遺伝子を組み込む例としては、例えば、ルシフェラーゼ遺伝子などの検出可能な蛍光物質関連遺伝子等を導入した形質転換細胞などが例示される。形質転換体の作製などの分子生物学的な基本的手法については、ＢＡＳＩＣＭＥＴＨＯＤＳＩＮＭＯＬＥＣＵＬＡＲＢＩＯＬＯＧＹ（１９８６）；Ｓａｍｂｒｏｏｋら、ＭＯＬＥＣＵＬＡＲＣＬＯＮＩＮＧ：ＡＬＡＢＯＲＡＴＯＲＹＭＡＮＵＡＬ、第２版、ＣｏｌｄＳｐｒｉｎｇＨａｒｂｏｒＬａｂｏｒａｔｏｒｙＰｒｅｓｓ、ＣｏｌｄＳｐｒｉｎｇＨａｒｂｏｒ、Ｎ．Ｙ．（１９８９）、細胞工学ハンドブック、黒木登志夫ら編、羊土社（１９９２）、新遺伝子工学ハンドブック改訂第３版、村松ら編、羊土社（１９９９）など、多くの標準的な実験マニュアルがある。
【００２９】
ＡＤＡＭ９を指標とする場合に好適な被試験細胞としては、ＡＤＡＭ９を含有する細胞或いはＡＤＡＭ９を発現する細胞が挙げられる。ＡＤＡＭ９を含有する細胞或いはＡＤＡＭ９を発現する細胞の具体例としては、単球細胞、表皮細胞、ＡＤＡＭ９を発現するように組み換えられた形質転換細胞、またＡＤＡＭ９の発現調節領域およびレポーター遺伝子が導入されレポーター遺伝子がコードするポリペプチドを発現する形質転換細胞などが好ましいものとして例示され、より好ましいものとしてはシミへの関与・影響が大きいと考えられる表皮細胞、ＡＤＡＭ９を発現する形質転換細胞などが例示され、特に好ましくは表皮細胞などが例示される。形質転換細胞の作製については上記ＮＴ−３の場合同様の操作を行えばよい。
【００３０】
また、被試験細胞は、シミを含む表皮などから採取してくることもできる。採取に当たっては、由来・採取部位などは限定されないが、ヒトのシミ部に由来することがシミ予防・改善剤の開発上は好適である。また、ヒトなどのシミ部に由来する培養細胞なども好適に用いることができる。この時、被試験細胞は単一細胞に限らず、複数種類の細胞を混合してもよい。また、細胞の培養法は単層培養系、重層培養系、および３次元培養系など特に制限することなく用いることができる。またこれに限らず、器官培養系を用いても構わない。さらに、被試験細胞とし得る細胞としては、培養色素細胞、培養表皮細胞、皮膚再構築モデルなどの市販品を用いてもよい。
【００３１】
評価対象化合物を被試験細胞に添加し所定の時間が経過した後、ＮＴ−３等を検出する。添加量、添加回数、時間などの条件は、評価対象化合物の種類などに応じて適宜定めてよい。ＮＴ−３等の検出方法は、上記（１）と同様にして行うことができる。
【００３２】
本発明の効能評価方法では、ＮＴ−３、ＡＤＡＭ９の検出量を指標として、評価対象化合物のシミに対する効能を評価する。ＮＴ−３等は、１種について検出してもよいし、複数の項目について検出してもよい。ＮＴ−３等を指標として評価する具体的な実施形態には様々なものがある。具体的な評価形態としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
【００３３】
まずＮＴ−３を検出する場合を例として説明する。一つの評価形態としては、評価対象化合物の投与前において、ＮＴ−３を含有する被試験細胞のＮＴ−３を予め検出しておき、投与後の検出量と比較して評価する形態が挙げられる。評価対象化合物の投与後ＮＴ−３の検出量が減少した場合には、評価対象化合物がシミを予防または改善する効能を有することがわかる。また、別な評価形態としては、シミを有しない組織細胞におけるＮＴ−３を検出しておきその検出量を正常値とし、評価対象化合物投与後のＮＴ−３の検出量と比較して評価する形態が挙げられる。評価対象化合物の投与後ＮＴ−３の検出量が正常値に近づけば、その評価対象化合物がシミを予防または改善する効能を有することがわかる。さらに別の評価形態としては、ＮＴ−３を経時的に検出し、検出量の経時変化を指標とする形態が挙げられる。経時的に検出することにより、シミに対する作用の速さなどを評価することができ、即効性、持続性などの性質を評価することができる。さらに別の評価形態としては、他の物質、例えば、シミに対する効能が既に知られている物質等とＮＴ−３の検出量を比較することにより、従来品等と比較して評価対象化合物の効能を評価することができる。
【００３４】
ＡＤＡＭ９については、ＡＤＡＭ９の検出量の増減の関係と評価対象物質の効能評価の有無とが、ＮＴ−３の場合とは反対となる。すなわち、ＡＤＡＭ９の検出量が増加した場合に、評価対象物質がシミを予防または改善する効能を有することがわかる。この点を除き、ＡＤＡＭ９についても、上記ＮＴ−３の場合に準じた実施形態を採用することができる。
【００３５】
また、ＨＢ−ＥＧＦ、メラノサイト、メラニン、ＰＣＮＡなどシミに関連する他の因子について検出し、その検出結果と共に評価対象物質の効能を評価することにより、より詳細な効能評価が可能である。
【００３６】
本発明の評価方法は、従来とはまったく異なる指標を用いるものであり、複雑な機構により生じると考えられているシミに対する予防剤または改善剤などの開発をより的確に行うことが可能である。
【００３７】
【実施例】
以下、本発明について具体的な実施例にそってより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【００３８】
（１）シミ状況、原因の調査
シミの原因を調査するため、以下の方法によりヒト背中部におけるシミ組織を採取し、抗体染色法により評価した。
【００３９】
（１−１）実験材料
インフォームドコンセントを行ったボランティアのうち、医師診断が老人性色素斑であった１０名の背中より、シミ部および正常部の皮膚をそれぞれ３ｍｍバイオプシーを用いて採取した。
【００４０】
（１−２）実験方法
得られた皮膚組織を速やかにＯＣＴ樹脂（Ｏｐｔｉｍａｌｃｕｔｔｉｎｇｔｅｍｐｅｒａｔｕｒｅｃｏｍｐｏｕｎｄ）包埋後、液体窒素で凍結し、凍結ブロックを作製した。この凍結ブロックをクリオスタットで薄切して５μｍの凍結切片を作製した。凍結切片を２０分間室温で風乾した後、アセトンまたは４％ＰＦＡ（パラフォルムアルデヒド）により固定し、１０分間１００％エタノールに浸漬した後、ＡＢＣ抗体染色法を行い、ペルオキシダーゼ発色により、下記（１−３）から（１−７）の各項目について試験を行い、シミの状況・原因を調査した。ＡＢＣ抗体染色法は定法、例えばベクター社ＡＢＣキット付属の標準プロトコールの記載に従って行った。
【００４１】
（１−３）ＭＡＲＴ−１染色によるメラノサイト数の測定
メラノサイト特異的マーカーであるＭＡＲＴ−１を染色し、メラノサイト数の評価を行った。メラノサイトの測定は、一定長（１ｍｍ）に存在するメラノサイトの数を測定した。結果を表１に示す。
【００４２】
【表１】

【００４３】
以上の結果からシミ部においては、メラノサイトの数が増加していることが明らかとなり、細胞数の増加に伴うメラニン合成増加が色素沈着の原因の一つであることが示された。
【００４４】
（１−４）ＮＴ−３染色による発現細胞数の測定
ＮＴ−３を染色して、発現細胞数の評価を行った。発現細胞数の測定は一定長（１ｍｍ）に存在する染色細胞数とした。結果を表２に示す。
【００４５】
【表２】

【００４６】
以上の結果により、ＮＴ−３の発現細胞が表皮内に存在すること、またシミ部で発現量が増加していることが明らかになった。ＮＴ−３は、これまで表皮内では発現しないとされてきたが、今回の検討によりその発現が確認された。また、ＮＴ−３の発現量増加は、Ｙａａｒらの報告（ＪＣｌｉｎＩｎｖｅｓｔ１９９４Ｏｃｔ；９４（４）；１５５０−１５６２）によりメラノサイトの増加、集積に作用すると考えられるので、このようなＮＴ−３のシミ部での増加がメラノサイトの増加を担っている可能性が非常に高いと考えられる。
【００４７】
（１−５）ＰＣＮＡ染色による表皮分裂細胞数の評価
増殖細胞マーカーであるＰＣＮＡの染色により、表皮分裂細胞数の評価を行った。発現細胞数として一定長（１ｍｍ）の表皮中でのＰＣＮＡ染色陽性細胞数を数えた。結果を表３に示す。
【００４８】
【表３】

【００４９】
以上の結果より、ＰＣＮＡ発現細胞がシミ部で低下すること、すなわち、表皮細胞のターンオーバーがヒトのシミ部においては、細胞の増殖が周辺部に比較して低下していることがわかる。このことから、シミ部においてはメラノサイトの増加によりメラニン合成が増加しているだけでなく、表皮細胞の増殖の低下が生じ、メラニンが排泄されず滞留した状態が生じ得ることが示された。
【００５０】
（１−６）ＨＢ−ＥＧＦ発現レベル測定
ＨＢ−ＥＧＦの発現を染色により評価した。図２に正常部位およびシミ部位での発現状態を示す。
【００５１】
図２に示されるように、シミ部でＨＢ−ＥＧＦの染色性の明らかな低下が認められ、ＨＢ−ＥＧＦの発現レベルが低下することがわかった。このことからシミ部においてＨＢ−ＥＧＦの発現レベルの低下により表皮細胞の増殖の低下が生じていることが推定された。
【００５２】
（１−７）ＡＤＡＭ９発現レベル測定
表皮細胞のターンオーバーに関与していると考えられるＡＤＡＭ９の発現を染色により評価した。図３に正常部位およびシミ部位での発現状態を示す。
【００５３】
図３に示されるように、シミ部においてＡＤＡＭ９の染色性の明らかな低下が認められ、ＨＢ−ＥＧＦの発現レベル低下のみでなく（上記（１−６））、その切断酵素であるＡＤＡＭ９の発現レベルもシミ部において低下していることが明らかとなった。ＡＤＡＭ９がＨＢ−ＥＧＦの作用レベルを規定すると考えられるので、シミ部位におけるＨＢ−ＥＧＦの発現低下はＡＤＡＭ９の低下により引き起こされると推察された。
【００５４】
（２）ＮＴ−３添加によるＡＤＡＭ９の発現レベル測定
（２−１）実験材料
上記（１−１）と同じである。
【００５５】
（２−２）実験方法
表皮細胞を、増殖因子としてＢＰＥ（牛脳下垂体）、インスリンを添加したＭＣＤＢ１５３培地にて１５０×１０⁴個／ｍＬに調製し、６０ｍｍプレート（ファルコン社製）に４ｍＬずつ播種し、９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で１日間静置培養した。
【００５６】
培養上清を吸引除去し、最終濃度１０ｎｇ／ｍＬ、１００ｎｇ／ｍＬのＮＴ−３を含むＭＣＤＢ１５３培地（含インシュリン）に培地交換した。このプレートを９５％空気（Ｖ／Ｖ）−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で２４時間静置培養した。ＱＩＡＧＥＮ社製のＲＮＡキットにより総ｍＲＮＡを抽出し、ノザンブロッティング解析により総ｍＲＮＡ当たりのＡＤＡＭ９の発現量およびＧ３ＰＤＨ（glycel aldehyde-3-phosphate dehydrogenase）の発現量をそれぞれ調べ、対照サンプルに対する割合（％）で表示した。対照サンプルは、ＮＴ−３無添加としたものであり、この場合のそれぞれのｍＲＮＡの総ｍＲＮＡ発現量を１００％とした。
【００５７】
（２−３）結果
結果を表４に示す。
【００５８】
【表４】

【００５９】
本試験の結果からＮＴ−３の添加によりＡＤＡＭ９の発現が抑制されたことがわかる。コントロールであるＧ３ＰＤＨのｍＲＮＡ量が変化しないことから、ＮＴ−３によるｍＲＮＡの発現抑制作用がＡＤＡＭ９に特異的であることがわかる。このことから、シミ部におけるＮＴ−３発現増加がＡＤＡＭ９の発現低下を引き起こし、ＨＢ−ＥＧＦの低下と表皮細胞の増殖低下を引き起こしたと推察された。
【００６０】
（３）フマル酸ジエステル誘導体添加時のＮＴ−３の発現レベル測定
フマル酸ジエステル誘導体をヒト色素細胞に投与したときのＮＴ−３発現量を次の方法により調べた。
【００６１】
（３−１）実験材料
クラボウ社より販売されているヒト包皮由来の培養色素細胞（メラノサイト）を用いた。
【００６２】
（３−２）実験方法
培養色素細胞を増殖因子としてＢＰＥ（牛脳下垂体）、インスリン、ハイドロコーチゾン、塩基性繊維芽細胞増殖因子、フォルボールエステルを添加したＭＣＤＢ１５３培地にて４５０×１０³個／ｍＬに調製し、１０ｍｍプレート（ファルコン社製）に１０ｍＬずつ播種し、９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガス雰囲気下、３７℃で１日静置培養した。その後、培地をＭＣＤＢ１５３（含インシュリン）に交換し、更に同じ条件で２日間静置培養した。
【００６３】
培養上清を吸引除去し、最終濃度７０μｍｏｌ／Ｌのジメチルフマレートあるいは３００μｍｏｌ／Ｌのビス（ジエチレングリコールモノエチルエーテル）フマレートを含むＭＣＤＢ１５３培地（含インシュリン）に培地交換した。このプレートを９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で２４時間静置培養した。ＱＩＡＧＥＮ社製ＲＮＡキットにより総ｍＲＮＡを抽出し、ノザンブロッティング解析により総ｍＲＮＡ当たりのＡＤＡＭ９の発現量およびＧ３ＰＤＨの発現量をそれぞれ調べ、対照サンプルに対する割合（％）で表示した。対照サンプルは、フマル酸ジエステル誘導体を無添加としたものであり、この場合のそれぞれのｍＲＮＡの総ｍＲＮＡ発現量を１００％とした。
【００６４】
（３−３）結果
結果を表５に示す。
【００６５】
【表５】

【００６６】
本試験の結果から、フマル酸ジエステル誘導体の添加によりＮＴ−３の発現が抑制されたことがわかる。コントロールであるＧ３ＰＤＨのｍＲＮＡ発現量が変化しないことから、フマル酸ジエステル誘導体によるｍＲＮＡの発現抑制作用がＮＴ−３に特異的であることがわかる。
【００６７】
また、上記のようにビス（ジエチレングリコールモノエチルエーテル）フマレートおよびジメチルフマレートは、ＮＴ−３を抑制することから、メラニンの過剰生成の抑制および表皮部位のターンオーバーを促進し、シミの予防または改善剤とし得る可能性が示された。
【００６８】
（４）フマル酸ジエステル誘導体添加時のＨＢ−ＥＧＦ発現レベル測定
フマル酸ジエステル誘導体を表皮細胞に投与したときのＨＢ−ＥＧＦ発現量を次の試験法により調べた。
【００６９】
（４−１）実験材料
クラボウ社より販売されているヒト包皮由来の培養表皮細胞を用いた。
【００７０】
（４−２）実験方法
表皮細胞を増殖因子としてＢＰＥ（牛脳下垂体）、インスリン、エタノールアミン、ホスホエタノールアミン、ハイドロコーチゾンを添加したＭＣＤＢ１５３培地にて１５０×１０⁴個／ｍＬに調製し、６０ｍｍプレート（ファルコン社製）に４ｍＬずつ播種し、９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で１日静置培養した。
【００７１】
培養上清を吸引除去し、最終濃度７０μｍｏｌ／Ｌのジメチルフマレートあるいは３００μｍｏｌ／Ｌのビス（ジエチレングリコールモノエチルエーテル）フマレートを含むＭＣＤＢ１５３培地（含インシュリン）に培地交換した。このプレートを９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で２４時間静置培養した。ＱＩＡＧＥＮ社製ＲＮＡキットにより総ｍＲＮＡを抽出し、ノザンブロッティング解析により総ｍＲＮＡ当たりのＨＢ−ＥＧＦの発現量およびＧ３ＰＤＨの発現量をそれぞれ調べ、対照サンプルに対する割合（％）で表示した。対照サンプルは、フマル酸ジエステル誘導体を無添加としたものであり、この場合のそれぞれのｍＲＮＡの総ｍＲＮＡ発現量を１００％とした。
【００７２】
（４−３）結果
結果を表６に示す。
【００７３】
【表６】

【００７４】
本試験の結果から、フマル酸ジエステル誘導体の添加により、ＨＢ−ＥＧＦの発現が誘導されたことがわかる。コントロールであるＧ３ＰＤＨのｍＲＮＡ量が変化しないことから、フマル酸ジエステル誘導体によるｍＲＮＡの発現誘導作用がＨＢ−ＥＧＦに特異的であることがわかる。
【００７５】
また、上記のようにビス（ジエチレングリコールモノエチルエーテル）フマレートおよびジメチルフマレートは、ＨＢ−ＥＧＦの発現量を増加させることから、少なくとも表皮部位のターンオーバーを促進し、シミの予防または改善剤とし得る可能性が示された。
【００７６】
（５）フマル酸ジエステル誘導体添加時のＡＤＡＭ９発現レベル測定
フマル酸ジエステル誘導体を表皮細胞に投与したときのＡＤＡＭ９の発現量を次の方法で調べた。
（５−１）実験材料
クラボウ社より販売されているヒト包皮由来の培養表皮細胞を用いた。
【００７７】
（５−２）実験方法
表皮細胞を、増殖因子としてＢＰＥ（牛脳下垂体）、インスリン、エタノールアミン、ホスホエタノールアミン、ハイドロコーチゾンを添加したＭＣＤＢ１５３培地にて１５０×１０⁴個／ｍＬに調製し、６０ｍｍプレート（ファルコン社製）に４ｍＬずつ播種し、９５％空気（Ｖ／Ｖ）−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で１日静置培養した。
【００７８】
培養上清を吸引除去し、最終濃度７０μｍｏｌ／Ｌのジメチルフマレートを含むＭＣＤＢ１５３培地（含インシュリン）に培地交換した。このプレートを９５％（Ｖ／Ｖ）空気−５％（Ｖ／Ｖ）炭酸ガスの雰囲気下、３７℃で１日静置培養した。ＱＩＡＧＥＮ社製ＲＮＡキットにより総ｍＲＮＡを抽出し、ノザンブロッティング解析により総ｍＲＮＡ当たりのＡＤＡＭ９の発現量およびＧ３ＰＤＨの発現量をそれぞれ調べ、対照サンプルに対する割合（％）で表示した。対照サンプルは、フマル酸ジエステル誘導体を無添加としたものであり、この場合のそれぞれのｍＲＮＡの総ｍＲＮＡ発現量を１００％とした。
【００７９】
（５−３）結果
結果を表７に示す。
【００８０】
【表７】

【００８１】
本試験の結果から、フマル酸ジエステル誘導体の添加によりＡＤＡＭ９の発現が誘導されたことがわかる。コントロールであるＧ３ＰＤＨのｍＲＮＡ量が変化しないことから、フマル酸ジエステル誘導体によるｍＲＮＡの発現誘導作用がＡＤＡＭ９に特異的であることがわかる。
【００８２】
また、上記のようにフマル酸誘導体は、ＡＤＡＭ９の発現量を増加させることから、少なくとも表皮部位のターンオーバーを促進し、シミの予防または改善剤とし得る可能性が示された。
【００８３】
【発明の効果】
本発明によれば、シミの様々な状況を把握することができる。また、本発明によれば、シミに対する効能を有する物質を的確に見いだし、その作用・効能を的確に把握できる効能評価方法が提供される。本発明によりシミの予防・改善の処方のための貴重な情報を得ることができる。また本発明は、シミの予防・改善方法もしくは予防・改善剤の開発等にも大きく貢献することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図１】シミの生成機構を示す図である。
【図２】ＨＢ−ＥＧＦの発現を示す図である。
【図３】ＡＤＡＭ９の発現を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for analyzing the status of a spot and a method for evaluating the effect on the spot.
[0002]
[Prior art]
All living organisms including humans are affected by the surrounding environment. However, higher animals such as mammals have organs for minimizing the influence of the environment on each organ necessary for maintaining life. It is the skin, and melanin synthesized in pigment cells (melanocytes) on the epidermis basal layer as a defense against light rays such as ultraviolet rays is transmitted to the epidermis cells and gathers on the nucleus in the cell to provide genetic information. Protects certain DNA from UV damage. Therefore, melanin pigment plays an important role as a defense mechanism by ultraviolet rays. Melanin production in melanocytes is activated not only by direct exposure to ultraviolet rays but also by oxidative stimuli and inflammatory reactions. If melanin is overproduced more than necessary, it will be deposited in the epidermis or dermis layer, causing spots.
[0003]
While the melanin pigment plays an important role as described above, the deposition of the melanin pigment darkens the skin color and leads to spots, which is often not preferable for cosmetic purposes. Under such circumstances, various stain improving agents or whitening agents have been developed. Many substances that are used as a conventional stain improving agent or whitening agent are known to improve the stain by suppressing the production of melanin.
[0004]
With regard to methods for preventing spots, research has been conducted on protection from ultraviolet rays, inhibition of melanin production, promotion of melanin excretion, and the like (for example, Non-Patent Document 1). In addition, HB-EGF (heparin-binding EGF-like growth factor) has been studied as a cell growth factor in multicellular organisms (for example, Non-Patent Document 2). In addition, there is a report suggesting that an increase in the expression level of NT-3 acts on an increase and accumulation of melanocytes (for example, Non-Patent Document 3). Patent Document 1 describes that HB-EGF expression is induced to enhance the turnover of the epidermis site. The turnover refers to the replacement of the cell layer at the epidermis site from cell division in the basal layer to detachment of the stratum corneum.
[0005]
However, the causes of stains are thought to be complex and diverse, and the mechanism of stain generation has not been clearly elucidated. In order to develop a better method for preventing and improving stains or a preventive and ameliorating agent, it has been required to investigate the mechanism relating to stains in more detail.
[0006]
[Patent Document 1]
International Publication No. 01/45697 Pamphlet
[Non-Patent Document 1]
Blemish prevention: current whitening strategies; 24
No. 1 (2000) p21-28
[Non-Patent Document 2]
Heparin-binding EGF like growth factor: a juxtaline growth factor: Ryo Iwamoto, Eiske Mekada, Cytokine & Growth Factor-3 Review 11 (44)
[Non-Patent Document 3]
The trk Family of Receptors Medias Nerve Growth Factor and Neurotrophin-3 Effects in Melanocycles, Yaar et. al J. et al. Clin Invest 1994 Oct; 94 (4); 1550-1562.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Under the circumstances as described above, an object of the present invention is to provide a means that contributes to the prevention / improvement of spots and the like. More specifically, an object of the present invention is to provide a method for accurately analyzing a spot condition. Furthermore, it is an object of the present invention to provide an efficacy evaluation method capable of accurately finding a substance having an effect on stains and accurately grasping its action / efficacy.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have studied in detail the cause of the stain, and as a result, a substance that has been thought to be absent in the epidermis site is actually present in the epidermis site, and the expression level is large between the spot part and the normal part. I found a difference. Furthermore, the present inventors have elucidated a mechanism for producing a stain, which has not been known so far, and completed the present invention based on such knowledge. That is, the present invention is as follows.
[0009]
[1] A stain condition analysis method for detecting NT-3 in a plurality of epidermis sites and analyzing the status of the stains in the epidermis site using the detected amount of each NT-3 as an index.
[2] A stain condition analysis method for detecting NT-3 in the epidermis portion over time, and analyzing the stain state in the epidermis portion using the detected amount of each NT-3 as an index.
[3] A stain condition analysis method for detecting ADAM9 in a plurality of epidermis sites, and analyzing the status of the stains in the epidermis site using the detected amount of each ADAM9 as an index.
[4] A stain condition analysis method for detecting ADAM9 in the epidermis site over time, and analyzing the spot condition in the epidermis site using the detected amount of each ADAM9 as an index.
[5] A stain condition analysis method that detects HB-EGF in a plurality of epidermis sites, and analyzes the status of the stains in the epidermis site using each HB-EGF detection amount as an index.
[6] A stain condition analyzing method for detecting HB-EGF in the epidermis portion over time, and analyzing the stain state in the epidermis portion using the detected amount of each HB-EGF as an index.
[7] Efficacy evaluation method comprising administering an evaluation target compound to a cell under test, detecting NT-3 in the cell under test, and evaluating the efficacy of the evaluation target compound against a stain using the detected amount of NT-3 as an index .
[8] The efficacy evaluation method according to [7], wherein NT-3 is detected over time, and a change in the detected amount with time is used as an index.
[9] An efficacy evaluation method comprising administering an evaluation target compound to a cell under test, detecting ADAM9 in the cell under test, and evaluating the efficacy of the evaluation target compound against a stain using the detected amount of ADAM9 as an index.
[10] The efficacy evaluation method according to the above [9], wherein ADAM9 is detected over time and the change in the detected amount with time is used as an index.
[0010]
“NT-3” is neurotrophin-3. “ADAM9” is a disintegrin and metalloproteinase9. “HB-EGF” is heparin-binding EGF-like growth factor and is also called heparin-binding EGF-like growth factor. “EGF” is an epidermal growth factor and is also referred to as epidermal growth factor.
[0011]
The structure of the skin is generally roughly divided into three types: “epidermis (broad sense)”, “dermis”, and “subcutaneous tissue”. “Epidermis (broad sense)” includes “keratin layer”, “epidermis (narrow sense) ”And“ base layer ”. In this specification, “epidermis” in the broad sense is referred to as “skin portion”, and “skin” in the narrow sense is simply referred to as “skin”.
[0012]
In addition, from a medical standpoint, spots are classified as liver spots, senile pigment spots, etc., and buckwheat is classified in detail as sparrow eggs spots, etc. Regardless of the detailed classification, it is used as a meaning that broadly includes pigment spots in which pigments such as melanin are deposited or stagnant.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As a result of studies by the present inventors, it has been found that there are significant differences in the expression levels of NT-3, ADAM9, and HB-EGF between the normal part and the spot part of the epidermis site. Specifically, it is recognized that NT-3 significantly increases in the spot portion compared to the normal portion. It can be seen that ADAM9 is significantly reduced in the spot portion compared to the normal portion. Moreover, it is recognized that HB-EGF is markedly reduced in the spot portion compared to the normal portion. The inventors of the present invention have found for the first time that there are significant differences in the expression of NT-3, ADAM9, and HB-EGF between the normal part and the spot part in the epidermis part of the skin.
[0014]
Moreover, it was estimated from the relationship of NT-3, ADAM9, HB-EGF, melanocyte, keratinocyte, etc. that the biological reaction mechanism as shown in FIG. That is, it is presumed that the increase in NT-3 affects two types of biological reaction mechanisms. On the other hand, when NT-3 increases, melanocytes increase, thereby increasing the production of melanin and leading to the formation of spots. In other words, this is a route that causes overproduction of melanin to cause stains. The other is a route in which NT-3 increases, ADAM9 decreases, HB-EGF decreases, keratinocyte division decreases, and turnover at the epidermis site is delayed. As the turnover is delayed, the excretion of the stain does not proceed smoothly, and the stain is likely to stagnate. Conventionally, there have been cases where administration of a substance having a melanin-inhibiting action does not result in sufficiently satisfactory improvement of the spots, but the above mechanism does not merely suppress new generation of spots, but also the epidermis. It became clear from a mechanical point of view that it may be difficult to improve the stain unless the system that promotes the turnover of the site is also improved. In other words, it has become clear that it is more desirable to appropriately analyze and deal with the above two systems in order to prevent and improve stains, in particular to improve them.
[0015]
The present invention is a method for detecting a predetermined substance and accurately analyzing the state of a stain based on the above findings, and a method for accurately evaluating the efficacy of a predetermined substance to be evaluated for a stain. Hereinafter, each will be described in order.
[0016]
(1) Spot condition analysis method
In the spot condition analysis method of the present invention, NT-3 and the like in the epidermis site are detected. Examples of detection objects include NT-3, ADAM9, and HB-EGF. Only one of these may be detected for situation analysis, or two or more types may be detected for situation analysis. You may go.
[0017]
The method for detecting NT-3 or the like is not particularly limited as long as NT-3 or the like can be quantitatively detected in some form. The detection amount may be expressed in numerical form, or may be grasped as the area or density of the stained cell tissue in a micrograph or the like. For detection of NT-3, ADAM9, and HB-EGF, for example, a signal factor such as a staining substance that specifically stains each may be used, or an antibody that specifically binds to each may be prepared, An antibody-signal factor complex is prepared by binding an antibody to a detectable signal factor such as a staining substance, a fluorescent substance, a luminescent substance, or a radioisotope, and the complex is referred to as a cell tissue sample (hereinafter referred to as “sample”). ) To measure the signal factor. More specifically, it can be performed, for example, by an ABC antibody staining method, and the ABC antibody staining method can be performed, for example, according to the description of a standard protocol attached to Vector ABC Kit.
[0018]
Further, another item may be detected. For example, it is also a preferable form to detect melanocytes and the like together. Melanocytes can be detected, for example, by staining a marker specific for melanocytes. The degree of detection is measured according to the signal factor. Examples of markers specific to melanocytes include MART-1. MART-1 can be stained by an ABC antibody staining method, and the number of stained cells, the intensity of staining, and the like can be observed and evaluated under a microscope.
[0019]
When detecting NT-3 or the like, a sample is collected from a subject such as a subject or test animal. Depending on how the sample is collected, it is possible to analyze the situation of various spots using the detected amount of NT-3 as an index. Specific forms of situation analysis include, for example, the degree and distribution of severity of stains, estimation of causes, stain progress, stain improvement, prediction of spot formation, and the potential for spot formation. .
[0020]
If the sample collection methods are roughly classified into two types, there are a form in which samples are acquired from a plurality of spatially different places and a form in which a plurality of samples that are different over time are acquired. “Spatially different” means that a plurality of locations, that is, positions and locations are different. “Different over time” refers to changing the time at which a sample is taken. “Plurality” means that it is sufficient to collect from at least two places, and is not limited to collecting from the same subject.
[0021]
The following is mentioned when it illustrates about the more concrete form which collects a sample from multiple places. For example, as one embodiment, both the normal part and the spot part are collected, and the detection result is contrasted between the normal part and the spot part for each detection target. By comparing the normal part and the spot part with the detected amount of NT-3 as an index, the most basic data regarding the difference in the situation between the normal part and the spot part can be acquired. Statistical reference data can be obtained by accumulating detection test data from a plurality of subjects and a plurality of samples for the normal part and the spot part. In addition, acquiring the data in the normal part or the data in the spot part in advance is also included in collecting samples from a plurality of epidermis parts as a result. Therefore, it is also included in the embodiment of the present invention that a sample of a spot portion is collected from a subject and compared with known data.
[0022]
Further, as another embodiment, a plurality of samples, preferably three or more samples are collected from the spot part to the normal part in the same subject, and the distribution status of NT-3 from the spot part to the normal part is linear or By grasping regionally, it is also possible to analyze a difference in degree such as lightness / severeness of a spot linearly or regionally. Moreover, as another embodiment, the form which extract | collects several places in a spot part and detects NT-3 is also mentioned. The form which discriminate | determines the difference of the detection amount of NT-3 in a stain part, and analyzes the difference of the lightness or the severity of a stain in a stain part is mentioned. As another form, the data of the spot part accumulated in advance and the detected amount of NT-3 for a sample collected from a specific subject are compared, and the spot of the specific subject is severe or mild. It is possible to objectively analyze whether it is a stain. Furthermore, there is a case where it is possible to predict the possibility of staining from the detected amount of NT-3 even if it is normal in appearance.
[0023]
Next, an example of collecting a plurality of samples over time will be described. By detecting NT-3 etc. multiple times over time, it is possible to discriminate changes over time not only in appearance but also in the state of the epidermis site, and analyze the progress of stains and the improvement of stains it can. For example, if it is confirmed that NT-3 has increased over time, it is presumed that stain formation is in progress. On the other hand, if it is shown that NT-3 is decreasing, it is estimated that the stain is heading for elimination. In addition, as another embodiment, a form in which a stain improving agent or the like is applied to a patient's skin and the improvement state is analyzed over time is exemplified.
[0024]
Further, by combining detection at a plurality of locations and detection multiple times over time, it is possible to analyze the situation of the spot in more detail.
[0025]
Furthermore, the situation regarding the cause of the stain can be analyzed by using the detected amount of NT-3 or the like as an index. That is, it can be seen that if NT-3 is excessive, there is a high probability that both excessive melanin production and turnover delay occur. If ADAM9 and HB-EGF are decreased, it is understood that there is a high probability that turnover is delayed. Furthermore, another detection object may be detected and the cause of the stain may be analyzed in more detail. Examples of other detection objects include melanocytes, proliferating cell marker antigen (PCNA), Ki67, and cyclin. For example, if melanocytes are excessive, it is understood that there is a high probability that excessive production of melanin occurs. By accurately grasping the situation regarding the formation and stagnation of stains, it is possible to accurately determine measures for preventing and improving stains.
[0026]
The method for collecting a sample from the epidermis site may be obtained according to a conventional method according to the type of detection object and the detection method, and is preferably obtained according to a biopsy technique.
[0027]
(2) Efficacy evaluation method for stains
In the efficacy evaluation method of the present invention, a compound to be evaluated is administered to a test cell. The evaluation target compound is a compound to be evaluated for efficacy against stains, and may be arbitrarily selected by the tester. The efficacy evaluation method of the present invention is suitable for development of a novel stain improving / preventing agent, and examples of compounds to be evaluated include compounds that are candidate compounds for stain preventing / ameliorating agents.
[0028]
The cell to be tested to which the evaluation target compound is administered is not particularly limited as long as it can detect each test target substance of NT-3 and ADAM9. Suitable cells when using NT-3 as an index include cells containing NT-3 or cells expressing NT-3. Specific examples of cells containing NT-3 or cells expressing NT-3 include activated T cells, fibroblasts, nerve cell groups, melanocytes, melanoma, and NT-3. Recombinant transformed cells, and transformed cells expressing the polypeptide encoded by the reporter gene by introducing the expression regulatory region of NT-3 and the reporter gene are exemplified as preferred examples, and have a large involvement and influence on stains. Therefore, more preferable examples include melanocytes, melanoma, and transformed cells expressing NT-3, and particularly preferable examples include melanocytes and melanoma. Examples of incorporating a reporter gene include, for example, transformed cells into which a detectable fluorescent substance-related gene such as a luciferase gene has been introduced. For basic molecular biological techniques such as preparation of transformants, BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (1986); Sambrook et al., MOLECULAR MANUAL, Second Edition, Cold Spring Harbor Label, Cold Spring Harbor Label, , N.A. Y. (1989), Cell Engineering Handbook, edited by Toshio Kuroki et al., Yodosha (1992), New Genetic Engineering Handbook Revised 3rd Edition, edited by Muramatsu et al., Yodosha (1999) .
[0029]
Suitable cells to be tested when ADAM9 is used as an index include cells containing ADAM9 or cells expressing ADAM9. Specific examples of cells containing ADAM9 or cells expressing ADAM9 include monocyte cells, epidermal cells, transformed cells recombined to express ADAM9, and ADAM9 expression regulatory regions and reporter genes introduced into the reporter. Preferred examples include transformed cells that express the polypeptide encoded by the gene, and more preferred examples include epidermal cells that are considered to be significantly involved and affected by stains, transformed cells that express ADAM9, etc. Particularly preferably, epidermal cells and the like are exemplified. For the preparation of transformed cells, the same operation may be performed in the case of NT-3.
[0030]
In addition, the cells to be tested can be collected from the epidermis containing stains. In the collection, the origin and the collection site are not limited, but it is suitable for the development of a spot preventing / ameliorating agent to be derived from a human spot. In addition, cultured cells derived from a stain portion such as a human can also be suitably used. At this time, the cell under test is not limited to a single cell, and a plurality of types of cells may be mixed. The cell culture method can be used without any particular limitation, such as a monolayer culture system, a multi-layer culture system, and a three-dimensional culture system. In addition to this, an organ culture system may be used. Furthermore, commercially available products such as cultured pigment cells, cultured epidermal cells, and skin remodeling models may be used as cells to be tested.
[0031]
After an evaluation target compound is added to the test cells and a predetermined time has elapsed, NT-3 and the like are detected. Conditions such as the addition amount, the number of additions, and the time may be appropriately determined according to the type of the compound to be evaluated. The detection method such as NT-3 can be performed in the same manner as in the above (1).
[0032]
In the efficacy evaluation method of the present invention, the efficacy of the evaluation target compound against stains is evaluated using the detected amounts of NT-3 and ADAM9 as an index. NT-3 or the like may be detected for one type or a plurality of items. There are various specific embodiments for evaluating NT-3 or the like as an index. Specific examples of the evaluation form include the following.
[0033]
First, a case where NT-3 is detected will be described as an example. As one evaluation form, before administration of a compound to be evaluated, a form in which NT-3 of a test cell containing NT-3 is detected in advance and evaluated in comparison with the detected amount after administration is included. . When the detected amount of NT-3 decreases after the administration of the evaluation target compound, it can be seen that the evaluation target compound has the effect of preventing or improving spots. As another evaluation form, NT-3 is detected in tissue cells that do not have stains, and the detected amount is set as a normal value, which is evaluated in comparison with the detected amount of NT-3 after administration of the evaluation target compound. A form is mentioned. If the detected amount of NT-3 approaches the normal value after administration of the evaluation target compound, it can be seen that the evaluation target compound has the effect of preventing or improving spots. Still another evaluation form includes a form in which NT-3 is detected over time and the change in the detected amount with time is used as an index. By detecting over time, the speed of action on stains can be evaluated, and properties such as immediate effect and sustainability can be evaluated. Furthermore, as another evaluation form, the efficacy of the evaluation target compound is compared with that of the conventional product etc. by comparing the detected amount of NT-3 with other substances such as a substance already known to be effective against stains. Can be evaluated.
[0034]
Regarding ADAM9, the relationship between the increase and decrease in the detection amount of ADAM9 and the presence or absence of the efficacy evaluation of the substance to be evaluated are opposite to those of NT-3. That is, it can be seen that when the detected amount of ADAM9 increases, the substance to be evaluated has the effect of preventing or improving spots. Except for this point, the ADAM 9 can adopt an embodiment according to the above NT-3.
[0035]
Further, by detecting other factors related to spots such as HB-EGF, melanocytes, melanin, and PCNA, and evaluating the efficacy of the substance to be evaluated together with the detection result, more detailed efficacy assessment is possible.
[0036]
The evaluation method of the present invention uses an index that is completely different from the conventional one, and it is possible to more accurately develop a preventive or ameliorating agent for a stain that is considered to be caused by a complicated mechanism.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples, but the present invention is not limited to the following examples.
[0038]
(1) Investigation of stain status and cause
In order to investigate the cause of the stain, a stain tissue on the human back was collected by the following method and evaluated by an antibody staining method.
[0039]
(1-1) Experimental materials
Of the volunteers who gave informed consent, the skin of the spot part and the normal part were collected using 3 mm biopsy from the backs of 10 persons whose doctor's diagnosis was senile pigment spots.
[0040]
(1-2) Experimental method
The obtained skin tissue was immediately embedded in an OCT resin (Optical cutting temperature compound) and then frozen in liquid nitrogen to prepare a frozen block. The frozen block was sliced with a cryostat to prepare a 5 μm frozen section. The frozen section was air-dried at room temperature for 20 minutes, fixed with acetone or 4% PFA (paraformaldehyde), immersed in 100% ethanol for 10 minutes, and then subjected to ABC antibody staining. Tests were conducted for each item from 3) to (1-7), and the status and cause of the stain were investigated. The ABC antibody staining method was performed according to a standard method, for example, according to the description of the standard protocol attached to Vector ABC kit.
[0041]
(1-3) Measurement of the number of melanocytes by MART-1 staining
MART-1 which is a melanocyte specific marker was dye | stained and the number of melanocytes was evaluated. The melanocytes were measured by measuring the number of melanocytes existing in a certain length (1 mm). The results are shown in Table 1.
[0042]
[Table 1]

[0043]
From the above results, it was clarified that the number of melanocytes increased in the spot portion, and it was shown that the increase in melanin synthesis accompanying the increase in the number of cells is one of the causes of pigmentation.
[0044]
(1-4) Measurement of the number of expressed cells by NT-3 staining
NT-3 was stained and the number of expressed cells was evaluated. The number of expressed cells was measured as the number of stained cells present in a certain length (1 mm). The results are shown in Table 2.
[0045]
[Table 2]

[0046]
From the above results, it has been clarified that cells expressing NT-3 are present in the epidermis and that the expression level is increased at the spot. NT-3 has not been expressed in the epidermis so far, but its expression was confirmed by this study. Further, the increase in the expression level of NT-3 is considered to act on the increase and accumulation of melanocytes according to the report of Yaar et al. (J Clin Invest 1994 Oct; 94 (4); 1550-1562). It is very likely that the increase in the blemishes is responsible for the increase in melanocytes.
[0047]
(1-5) Evaluation of the number of epidermal dividing cells by PCNA staining
The number of epidermal dividing cells was evaluated by staining with PCNA, a proliferating cell marker. The number of cells positive for PCNA staining in a constant length (1 mm) epidermis was counted as the number of expressed cells. The results are shown in Table 3.
[0048]
[Table 3]

[0049]
From the above results, it can be seen that PCNA-expressing cells are decreased in the spot portion, that is, the turnover of epidermal cells is decreased in the human spot portion compared to the peripheral portion. From this, it was shown that not only melanin synthesis was increased due to an increase in melanocytes, but also the epidermal cell proliferation was reduced and the melanin was not excreted and stayed in the spot portion.
[0050]
(1-6) HB-EGF expression level measurement
HB-EGF expression was assessed by staining. FIG. 2 shows the expression state at the normal site and the spot site.
[0051]
As shown in FIG. 2, it was found that the HB-EGF staining level was clearly decreased in the spot portion, and the expression level of HB-EGF was decreased. From this, it was presumed that a decrease in the proliferation of epidermal cells occurred due to a decrease in the expression level of HB-EGF in the spot portion.
[0052]
(1-7) ADAM9 expression level measurement
The expression of ADAM9, which is considered to be involved in epidermal cell turnover, was evaluated by staining. FIG. 3 shows the expression state at the normal site and the spot site.
[0053]
As shown in FIG. 3, a clear decrease in ADAM9 staining was observed in the spot, and not only a decrease in the expression level of HB-EGF (above (1-6)), but also the expression of ADAM9, which is its cleavage enzyme It became clear that the level also decreased in the spot. Since ADAM9 is considered to regulate the action level of HB-EGF, it was speculated that the decrease in HB-EGF expression at the spot site was caused by the decrease in ADAM9.
[0054]
(2) Measurement of ADAM9 expression level by addition of NT-3
(2-1) Experimental materials
The same as (1-1) above.
[0055]
(2-2) Experimental method
Epidermal cells were 150 × 10 5 in MCDB153 medium supplemented with BPE (bovine pituitary gland) and insulin as growth factors. ^Four 4 ml each on a 60 mm plate (Falcon) and statically cultured at 37 ° C. for 1 day in an atmosphere of 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide gas. did.
[0056]
The culture supernatant was removed by aspiration, and the medium was replaced with MCDB153 medium (containing insulin) containing NT-3 having final concentrations of 10 ng / mL and 100 ng / mL. This plate was statically cultured at 37 ° C. for 24 hours in an atmosphere of 95% air (V / V) -5% (V / V) carbon dioxide gas. Total mRNA was extracted with an RNA kit manufactured by QIAGEN, and the expression level of ADAM9 and the expression level of G3PDH (glycel aldehyde-3-phosphate dehydrogenase) per total mRNA were examined by Northern blotting analysis. Displayed. The control sample had no added NT-3, and the total mRNA expression level of each mRNA in this case was 100%.
[0057]
(2-3) Results
The results are shown in Table 4.
[0058]
[Table 4]

[0059]
From the results of this test, it can be seen that the addition of NT-3 suppressed the expression of ADAM9. Since the amount of mRNA of G3PDH, which is a control, does not change, it can be understood that the action of suppressing the expression of mRNA by NT-3 is specific to ADAM9. From this, it was speculated that the increased expression of NT-3 in the spot portion caused a decrease in the expression of ADAM9, resulting in a decrease in HB-EGF and a decrease in epidermal cell proliferation.
[0060]
(3) NT-3 expression level measurement when adding a fumaric acid diester derivative
The expression level of NT-3 when a fumaric acid diester derivative was administered to human pigment cells was examined by the following method.
[0061]
(3-1) Experimental materials
Cultured pigment cells (melanocytes) derived from human foreskin sold by Kurabo Industries were used.
[0062]
(3-2) Experimental method
450 × 10 in MCDB153 medium supplemented with BPE (bovine pituitary), insulin, hydrocortisone, basic fibroblast growth factor and phorbol ester using cultured pigment cells as growth factors ^Three 10 ml each, and seeded on a 10 mm plate (manufactured by Falcon) at a temperature of 37 ° C. for one day in a 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide atmosphere. . Thereafter, the medium was replaced with MCDB153 (containing insulin), and the culture was further allowed to stand for 2 days under the same conditions.
[0063]
The culture supernatant was removed by aspiration, and the medium was replaced with MCDB153 medium (containing insulin) containing dimethyl fumarate having a final concentration of 70 μmol / L or 300 μmol / L bis (diethylene glycol monoethyl ether) fumarate. This plate was incubated at 37 ° C. for 24 hours under an atmosphere of 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide gas. Total mRNA was extracted with an RNA kit manufactured by QIAGEN, and the expression level of ADAM9 and the expression level of G3PDH per total mRNA were examined by Northern blotting analysis, and displayed as a percentage (%) relative to the control sample. In the control sample, the fumaric acid diester derivative was not added, and the total mRNA expression level of each mRNA in this case was 100%.
[0064]
(3-3) Results
The results are shown in Table 5.
[0065]
[Table 5]

[0066]
From the result of this test, it can be seen that the expression of NT-3 was suppressed by the addition of the fumaric acid diester derivative. Since the mRNA expression level of G3PDH, which is a control, does not change, it can be seen that the mRNA expression inhibitory action by the fumaric acid diester derivative is specific to NT-3.
[0067]
In addition, as described above, bis (diethylene glycol monoethyl ether) fumarate and dimethyl fumarate inhibit NT-3, thereby promoting the suppression of melanin overproduction and the turnover of the epidermis, and the prevention or improvement of spots. The potential to be an agent was shown.
[0068]
(4) Measurement of HB-EGF expression level when fumaric acid diester derivative is added
The expression level of HB-EGF when the fumaric acid diester derivative was administered to epidermal cells was examined by the following test method.
[0069]
(4-1) Experimental materials
Cultured epidermal cells derived from human foreskin sold by Kurabo Industries were used.
[0070]
(4-2) Experimental method
150 × 10 in MCDB153 medium supplemented with BPE (bovine pituitary), insulin, ethanolamine, phosphoethanolamine and hydrocortisone using epidermal cells as growth factors ^Four 4 ml each on a 60 mm plate (Falcon), and left to stand at 37 ° C. in an atmosphere of 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide gas for 1 day. did.
[0071]
The culture supernatant was removed by aspiration, and the medium was replaced with MCDB153 medium (containing insulin) containing dimethyl fumarate having a final concentration of 70 μmol / L or 300 μmol / L bis (diethylene glycol monoethyl ether) fumarate. This plate was incubated at 37 ° C. for 24 hours under an atmosphere of 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide gas. Total mRNA was extracted with an RNA kit manufactured by QIAGEN, and the expression level of HB-EGF and the expression level of G3PDH per total mRNA were examined by Northern blotting analysis, and displayed as a percentage (%) relative to the control sample. In the control sample, the fumaric acid diester derivative was not added, and the total mRNA expression level of each mRNA in this case was 100%.
[0072]
(4-3) Results
The results are shown in Table 6.
[0073]
[Table 6]

[0074]
From the results of this test, it can be seen that the expression of HB-EGF was induced by the addition of the fumaric acid diester derivative. Since the amount of mRNA of G3PDH as a control does not change, it can be seen that the mRNA expression inducing action by the fumarate diester derivative is specific to HB-EGF.
[0075]
Further, as described above, bis (diethylene glycol monoethyl ether) fumarate and dimethyl fumarate increase the expression level of HB-EGF, and thus promote at least epidermal site turnover, and can be used as a preventive or ameliorating agent for spots. The possibility was shown.
[0076]
(5) ADAM9 expression level measurement when adding a fumaric acid diester derivative
The expression level of ADAM9 when a fumaric acid diester derivative was administered to epidermal cells was examined by the following method.
(5-1) Experimental materials
Cultured epidermal cells derived from human foreskin sold by Kurabo Industries were used.
[0077]
(5-2) Experimental method
Epidermal cells were 150 × 10 5 in MCDB153 medium supplemented with BPE (bovine pituitary), insulin, ethanolamine, phosphoethanolamine, and hydrocortisone as growth factors. ^Four 4 ml each on a 60 mm plate (Falcon), and left to stand at 37 ° C. in an atmosphere of 95% air (V / V) -5% (V / V) carbon dioxide gas for 1 day. did.
[0078]
The culture supernatant was removed by aspiration, and the medium was replaced with MCDB153 medium (containing insulin) containing dimethyl fumarate having a final concentration of 70 μmol / L. The plate was incubated at 37 ° C. for 1 day in an atmosphere of 95% (V / V) air-5% (V / V) carbon dioxide. Total mRNA was extracted with an RNA kit manufactured by QIAGEN, and the expression level of ADAM9 and the expression level of G3PDH per total mRNA were examined by Northern blotting analysis, and displayed as a percentage (%) relative to the control sample. In the control sample, the fumaric acid diester derivative was not added, and the total mRNA expression level of each mRNA in this case was 100%.
[0079]
(5-3) Results
The results are shown in Table 7.
[0080]
[Table 7]

[0081]
From the results of this test, it is understood that the expression of ADAM9 was induced by the addition of the fumaric acid diester derivative. Since the amount of mRNA of G3PDH as a control does not change, it can be seen that the mRNA expression inducing action by the fumarate diester derivative is specific to ADAM9.
[0082]
Moreover, since the fumaric acid derivative increases the expression level of ADAM9 as described above, it has been shown that the fumaric acid derivative may promote at least the turnover of the epidermis site and may be used as a spot prevention or improvement agent.
[0083]
【The invention's effect】
According to the present invention, various situations of spots can be grasped. In addition, according to the present invention, there is provided an efficacy evaluation method capable of accurately finding a substance having an effect on a stain and accurately grasping its action / efficacy. The present invention makes it possible to obtain valuable information for prescriptions for preventing and improving spots. Further, the present invention is expected to greatly contribute to the development of a method for preventing / ameliorating spots or a preventive / ameliorating agent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a stain generation mechanism.
FIG. 2 is a diagram showing expression of HB-EGF.
FIG. 3 shows ADAM9 expression.

Claims

A stain condition analysis method for detecting NT-3 for a plurality of epidermis sites, and analyzing the status of the stains on the epidermis site using each NT-3 detection amount as an index.

A stain status analysis method for detecting NT-3 in the epidermis portion over time and analyzing the stain status in the epidermis portion using the detected amount of each NT-3 as an index.

A stain condition analyzing method for detecting ADAM9 in a plurality of epidermis sites, and analyzing the status of the stains in the epidermis site using each detected amount of ADAM9 as an index.

A stain condition analysis method for detecting ADAM9 in the epidermis part over time and analyzing the spot condition in the epidermis part using the detected amount of each ADAM9 as an index.

A stain status analysis method for detecting HB-EGF in a plurality of epidermis sites and analyzing the status of the stains in the epidermis site using the detected amount of each HB-EGF as an index.

A stain condition analysis method for detecting HB-EGF in an epidermis portion over time, and analyzing the stain state in the epidermis portion using the detected amount of each HB-EGF as an index.

An efficacy evaluation method comprising administering an evaluation target compound to a test cell, detecting NT-3 in the test cell, and evaluating the efficacy of the evaluation target compound against a stain using the detected amount of NT-3 as an index.

The efficacy evaluation method according to claim 7, wherein NT-3 is detected over time, and the change in the detected amount with time is used as an index.

An efficacy evaluation method comprising administering an evaluation target compound to a test cell, detecting ADAM9 in the test cell, and evaluating the efficacy of the evaluation target compound against a stain using the detected amount of ADAM9 as an index.

The efficacy evaluation method according to claim 9, wherein ADAM 9 is detected over time, and a change in detected amount with time is used as an index.