JP3939693B2 - 人工魚礁 - Google Patents
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Description
(1).主として間伐材のみを利用する方法
(2).魚礁部材に間伐材を取り付ける方法
前記(2)の方法には、図9に示すように切り揃えた間伐材2を鉄枠3等に取り付けた上で、これを魚礁枠4に取り付ける方法がある。
一方、上記(2)の方法では、特に間伐材2を切り揃える必要があり、その作業コスト及び時間がかかり、また鉄枠3のコスト等の問題があった。また間伐材2の腐食等による流出による問題も既述した通りである。
また人工魚礁の構造体は、設置する水深によっては設置後数年で付着生物によって被覆され、当初は疎であった構造体が密な構造体へ変移し、より良好な魚礁環境を形成することも知られている。
そこで間伐材を用いて、人工魚礁の構造体をより密なものとする工夫が必要である。また場合によっては、密な部分に疎な部分を組み合わせることも必要なことがある。
また間伐材は腐食過程で生じる微細間隙に餌料生物となる微細甲殻類等を生息させることとなり、この点でも良好な餌料環境を形成することになる。
このような意味で間伐材を利用することは有効であるが、費用・効果比の観点から、できるだけ安価な工法であることが望まれている。
また本発明の人工魚礁は、上記第1の特徴に加えて、格子窓及び盲板はハウジングユニットに対して着脱可能に後付けすることを第2の特徴としている。
また本発明の人工魚礁は、上記第1の特徴に加えて、少なくとも1枚の盲板はハウジングユニットの1つの開口窓を閉塞するものとしてハウジングユニット成形時に予め一体成形してあることを第3の特徴としている。
また本発明の人工魚礁は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、間伐材を収容したハウジングに対して間伐材を収容していないハウジングユニットを1乃至複数組み合わせ、これによって全体としてのハウジングを構成してあることを第4の特徴としている。
また本発明の人工魚礁は、上記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、間伐材はハウジング内に垂直方向、水平方向或いはその他の方向に収容することを第5の特徴としている。
また本発明の人工魚礁は、上記第1〜第5の何れかの特徴に加えて、間伐材と共に若しくは代わりに、使い古しの木材、竹材を用いることを第6の特徴としている。
また収容された間伐材が抜け出る方向にあるハウジングの外周の開口窓には盲板を取り付けることで、間伐材が容易に抜け出ることのないようにハウジング内に収容することができる。例えば間伐材を立てた状態で収容する場合は、各間伐材の下端側の該当する開口窓に盲板を取り付けることで、間伐材が抜け落ちることなく収容することができる。
盲板を設けない開口窓には格子窓を取り付けることができる。この格子窓は海水や海洋生物、その卵や種などが自由にハウジング内に出入りするのを確保すると共に、前記間伐材が経年によって腐食やフナクイムシ等の食害で崩壊した場合においても、ある程度の規模(大きさを有する)のままでは、その崩壊した間伐材ブロックがハウジングから外部に流出することを防止し、これによって引き続き良好な魚礁を構成すると共に、流出したある程度の規模の間伐材ブロックがもたらす上記した不都合を予防することができる。
またハウジングユニットの各面を開口窓として、盲板或いは格子窓を取り付けることができるようにすることで、ハウジングユニットの組み合わせやその他の条件に応じた使用ができ、それぞれの開口窓に適材適所で盲板、格子窓を自在に取り付けることができる。
また人工魚礁を引き上げて、中の間伐材を取り替え或いはハウジングユニットの組み合わせ構成を変更して、再使用に容易に供することができる。
図1は本発明の人工魚礁を構成するハウジングユニットとそれに取り付けることができる盲板、格子窓の斜視図、図2は上下に組み合わされる一対のハウジングユニットの斜視図、図3は上下に組み合わされる一対のハウジングユニットのうち、下のハウジングユニットに間伐材を収容しつつある状態を示す斜視図である。図4は一対のハウジングユニットを上下に組み合わせてハウジングとし、内部に間伐材を収容してなる人工魚礁の実施形態を示す斜視図である。図5は4個のハウジングユニットを用いてハウジングとし、内部に間伐材を収容してなる人工魚礁の実施形態を示す斜視図である。図6は4個のハウジングユニットを用いてハウジングとし、そのうち2個は間伐材を収容することなく組み合わせている実施形態を示す斜視図である。
ハウジングユニット10は、本実施形態では鉄筋コンクリートによって構成している。勿論、鉄枠等、他の材料を用いることも可能である。
ハウジングユニット10の六方体形状は、当然ながら立方体、直方体を含む。また六方体形状とは厳密に六方体形状である必要はなく、略六方体形状のものも含む概念である。更にハウジングユニット10の形状としては、垂直方向や水平方向に相互に組み合わせることが容易な円柱状、多角形柱、その他の立体形状とすることが可能である。
盲板11には、前記ハウジングユニット10との結合用穴11aが設けられている。
盲板11も鉄筋の入ったコンクリートで構成することができる。勿論、金属製、木製、その他の材料による板であってもよい。
格子窓12は、例えば窓枠12aと格子12bとから構成し、格子12bは一方向の格子でも、クロスの格子でもよい。また格子の大きさは、前記崩壊した間伐材20のブロックがある程度の大きさのままでは外に流出できないようにする役割を発揮することを前提に、その格子の大きさは適当に定めることができ、特に限定されない。
格子窓12にはハウジングユニット10の開口窓10bとの結合に供するための結合用穴12cを設けている。
なお、結合用穴10cと前記結合用穴11aと結合用穴10cとは相互に対応することができる位置に設けられる。
格子窓12の格子枠12は、鉄筋コンクリートで構成することが可能である。また金属やその他の材料で構成することが可能である。
格子12bは金属で構成することができる。が、他の材料でも可能である。また格子12bは格子枠12の製造時に一体的に形成することができる。また後から取り付けるようにしてもよい。
このうち、上に位置するハウジングユニット10には、天井板として盲板11が取り付けられている。また4側面には格子窓12が取り付けられている。その一方、ハウジングユニット10の底の開口窓10bには何も取り付けられない。
また下に位置するハウジングユニット10には、底板として盲板11が取り付けられ、4側面には格子窓12が取り付けられ、その一方、ハウジングユニット10の天井の開口窓10bには格子窓12は取り付けられない。
なお図2において、格子窓12はハウジングユニット10の開口窓10bの内面側に取り付けるようにしているが、外面側に取り付けるようにしてもよい。
また盲板11、格子窓12のハウジングユニット10への取り付けは、ボルト・ナット、ネジ等の結合手段30を用いて行うことができる。
以上のように上下のハウジングユニット10、10を構成することで、上下のハウジングユニット10、10を組み合わせたときに、内部が縦方向に連通した状態のハウジングを構成することができる。
間伐材20の長さが揃わなくとも、ハウジングユニット10を2個組み合わせれば、大抵の間伐材20は再度切り揃えたりすることなく、そのままハウジング内に収容することができる。間伐材20の長さがハウジングユニット10の開口窓10bの径より小さい場合でも、格子窓12の存在により、容易には抜け出ることなく収容できる。
以上のようにすることで、上下2つのハウジングユニット10、10からなるハウジングAが構成され、且つ内部に複数の間伐材20が収容された状態にされ、更に盲板11によって底板と天井板が構成され、また格子窓12による窓が構成された人工魚礁が完成される。即ち、2個のハウジングユニット10を用いたハウジングAからなる人工魚礁である。
なおハウジングA内への間伐材20の差し入れは、上下のハウジングユニット10、10を組み合わせて、結合手段30によって結合した後に、盲板11を取り付けていない上のハウジングユニット10の天井の開口窓10bから、後から差入れて収容することも可能である。
更に格子窓12をハウジングユニット10の側面の外から開口窓10bに取り付けるようにしている場合には、間伐材20をハウジング内に収容した後に格子窓12を取り付けるようにすることもできる。
また人工魚礁を設置する海底等の条件に応じて、間伐材20が密に収容された部分と疎に収容された部分、間伐材20が収容されない部分など、自由に構築してもよい。また間伐材20の収容状態は、状況に応じて垂直方向、水平方向、その他の方向、或いはそれらの組み合わせとして自由な装入が可能である。
また一旦、海底等に投入設置したものであっても、必要に応じて引き上げ、ハウジングユニットの組み合わせを変更することが可能である。勿論、収容した間伐材20を取り替えたり、経年に応じて増減したりすることができる。
その他、間伐材20と共に或いは代わりに、使い古しの木材、新品の木材、竹材を被収容物として収容することができる。
また各ハウジングユニット10について、1箇所の開口窓10bについては盲板11を最初から一体成形しておき、残る開口窓10bに対しては、別体に構成した盲板11か格子窓12を後付けできるようにしておいてもよい。このようなハウジングユニット10を用いる場合は、2個のハウジングユニットを一対として天井部と底部とを有し、且つ水平方向には多数のハウジングユニットが並ぶようなハウジングを組み立てる場合に、格子窓12の取り付けの自由度が大きいので便利である。
その他、予め立体構造としてのハウジングの全体の形状が定まっているものについては、それを構成する各ハウジングユニット10において盲板11や格子窓12の取り付け位置も予めわかっているので、それら盲板11や格子窓12を予めハウジングユニットに一体にして成形することもできる。本発明はこのような場合もその範囲に含むものとする。
10a 骨格枠
10b 開口窓
10c 結合用穴
11 盲板
11a 結合用穴
12 格子窓
12a 窓枠
12b 格子
12c 結合用穴
20 間伐材
30 結合手段
A、B、C ハウジング
Claims (6)
- ハウジング内に間伐材を収容してなる人工魚礁であって、立体形状の各辺を骨格枠とすると共に各面を開口窓としたハウジングユニットを用いたものにおいて、前記ハウジングユニットを複数個組み合わせることで、ハウジングユニット間に連通した内空間を構成すると共にこれによって間伐材を該間伐材の長さに応じて前記連通した内空間に収容することができる規模のハウジングを構成し、且つ前記連通した内空間に収容された間伐材が抜け出る方向にあるハウジング外周の開口窓には盲板を取り付け、それ以外のハウジング外周の前記開口窓には格子窓を取り付けるように構成したことを特徴とする人工魚礁。
- 格子窓及び盲板はハウジングユニットに対して着脱可能に後付けすることを特徴とする請求項1に記載の人工魚礁。
- 少なくとも1枚の盲板はハウジングユニットの1つの開口窓を閉塞するものとしてハウジングユニット成形時に予め一体成形してあることを特徴とする請求項1に記載の人工魚礁。
- 間伐材を収容したハウジングに対して間伐材を収容していないハウジングユニットを1乃至複数組み合わせ、これによって全体としてのハウジングを構成してあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の人工魚礁。
- 間伐材はハウジング内に垂直方向、水平方向或いはその他の方向に収容することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の人工魚礁。
- 間伐材と共に若しくは代わりに、使い古しの木材、竹材を用いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の人工魚礁。
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