JP3935332B2 - 成型炭の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉状石炭の成型技術に関するものであり、特に常温で加圧成型を行う成型炭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭鉱での石炭の生産工程やその後の運搬工程において多量の粉状石炭が発生する。特にインドネシア等に多く埋蔵され採掘されている低炭化度炭(褐炭、亜瀝青炭等)は、生産工程および運搬工程で粒度2.35mm以下の粉状石炭が30質量%以上発生し大きな問題となっている。つまり、このような粉状石炭はそのままではハンドリングが困難で粉塵発生の原因となるため発電所等に受け入れられず生産時のロスとして廃棄されている。したがって、このような粉状石炭を造粒することにより貯蔵時や輸送時のハンドリングに耐える強度と屋外での降水に対する耐候性とを兼ね備えた成型品(成型炭)としたものが安価に製造できれば石炭の生産性が向上するとともに天然資源の有効活用が図られ、メリットが大きい。
【0003】
一方、石炭の成型技術としては、コークス原料用の成型炭に関して多数の報告がなされているものの、経済性の面で低廉な一般炭や低炭化度炭には適用されていないのが現状である。
【0004】
例えば、特開平10−259382号には、3mm以下85%以上の粒度に調整した石炭を分級して、6mm超の粒径の石炭を除去し、103℃/分以上の加熱速度で300〜420℃まで加熱した後、成型する成型方法が開示されている。また、特開平9−3458号には、石炭を含水率が0〜2.7%まで乾燥後、分級、回収した0.3mm以下の微粉炭にタールおよび/またはタール滓を3〜5wt%添加した後、ロール成型機で成型する成型方法が開示されている。しかし、上記両者とも石炭の加熱を必要とし、エネルギーコストが高いことが問題となる。特に、含水率の高い低炭化度炭については、脱水、加熱が必要なため、経済的に実現し得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような事情に着目してなされたもので、その目的は、上記従来技術の欠点を伴わない成型炭の製造方法、すなわち粉状石炭を成型するために従来必要とされている石炭の加熱工程や乾燥工程を省略したエネルギーコストが低く、かつ、安価に高強度・高耐候性の成型炭を製造しうる、成型炭の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は以下の通りである。
【0012】
請求項1に記載の発明は、含水率が25質量%以上で粒度が5mm以下50質量%以上の石炭に、澱粉を熱水で溶解してゲル化させた後に乾燥して粉末状としたゲル化澱粉1〜10質量部を添加し混合して100質量部の混合物とし、この混合物を加圧成型すると同時に、または加圧成型した後、この成型物表面に重質油分0.1〜5質量部を被覆させることを特徴とする成型炭の製造方法である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記加圧成型を、ロール表面に凹部を設けたダブルロール成型機で行うことを特徴とする請求項1に記載の成型炭の製造方法である。
【0014】
なお本願明細書において、「成型物」とは加圧成型されただけのものであっていまだ被覆処理がなされていないものをいい、「成型炭」とは「成型物」に被覆処理を行ったものをいう。
【0015】
〔作用〕
粉状石炭に澱粉を添加・混合することによって石炭粒子間の空隙に澱粉が均一に分散される。次いでこの混合物を加圧成型することによって、石炭粒子の表面に石炭の含有水分の一部が浸み出し、この水分と澱粉とが加圧成型の際の摩擦熱によって60℃程度以上に加熱されて糊状に変化し、冷却後ゲル化することにより石炭粒子同士を強固に固着する。すなわち、澱粉はバインダーとして機能することになる。そして、さらに成型物の表面に重質油分をコーティング剤として被覆させた成型炭とすることにより、常温で固体または液状の疎水性物質である重質油分が成型物表面の気孔を閉塞し、成型炭が屋外で雨水等に曝されても成型炭内部に水が浸み込むことが防止されてゲル化した澱粉が過剰の水分で軟化してしまうことがなく、石炭粒子同士の固着が維持され、長期間にわたる屋外での保管・輸送によっても成型炭の強度が低下しない。すなわち耐候性に優れた成型炭が得られる。
【0016】
含水率が25質量%以上の粉状石炭を用いることにより加圧成型の際に石炭粒子表面に十分な量の水分が浸み出すので澱粉のゲル化が十分に行われ、石炭粒子同士の固着強度がさらに上昇する。また、粉状石炭の粒度を5mm以下が50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上とすることにより石炭粒子同士およびバインダーである澱粉との接点数が増加するので、さらに成型炭の強度が上昇する。
【0017】
澱粉の添加量は、1質量%未満の添加ではゲル化した澱粉の量が十分でなく成型炭の強度が低下する一方、10質量%を超える添加は成型炭の強度の上昇効果が小さく無駄であるので、1〜10質量%とすることが必要であり、3〜5質量%とすることが特に好ましい。
【0018】
粉状石炭に添加する澱粉としては、澱粉を事前に熱水で溶解してゲル化させた後に乾燥して粉末状としたものを用いることによって上記の効果がより確実に得られる。
【0019】
成型物表面への重質油分の被覆量は、成型物の質量に対して0.1質量%未満では被覆が完全ではなく、外部から成型物内部に水が浸み込みやすく成型物の強度が低下するおそれがあり、一方5質量%を超える被覆は効果がなく無駄であるので、0.1〜5質量%とすることが必要であり、0.5〜3質量%とすることが特に好ましい。
【0020】
加圧成型は例えば、ロール表面に凹部を設けたダブルロール成型機で行うことにより、成型物内部まで十分な加圧力が加わるので成型物全体で粉状石炭から十分な量の水分が浸み出すとともに摩擦力による温度上昇も均一となり澱粉のゲル化が促進される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に用いることができる粉状石炭の含水率は、加圧成型の際に十分な量の水分が石炭粒子表面に浸み出すものが好ましく、含水率が25質量%以上のものを用いるのがよい。このように含水率の高い石炭は通常炭化度が低いためその表面は親水性であり、親水性のゲル化澱粉との粘着性が良く成型物の強度向上に寄与する。なお、含水率が25質量%未満の粉状石炭を用いる場合には、所定量の水を添加して上記含水率相当としたものを用いてもよいし、含水率が高い別の粉状石炭を所定量混合して平均含水率が上記含水率相当としてもよい。
【0022】
また本発明に用いることができる粉状石炭の粒度は、細かいものほど成型物の強度が上昇するので好ましく、5mm以下が50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上とすることにより石炭粒子同士およびバインダーである澱粉との接点数が増加するので、さらに成型炭の強度が上昇する。なお、粒度5mm以下が50質量%未満の石炭を用いる場合には、粉砕して上記粒度範囲としてもよいし、粒度の細かい別の粉状石炭と混合して混合後の粒度が上記粒度範囲となるようにしてもよい。
【0023】
本発明に用いることができる澱粉の種類は特に限定されず、タピオカ、ジャガイモ、トウモロコシなどの原料植物から製造された澱粉が適宜使用できる。澱粉は、例えば原料植物を冷水と粉砕し、固形物を除去した溶液から静置沈降させて得ることができる。そして、この澱粉を一度熱水で溶解してゲル化させた後、乾燥させた澱粉(以下、ゲル化澱粉)を用いることで、さらに成型物の強度を高めることができる。澱粉の形状は粉状石炭と均一に混合できる点から粉末状とするのがよい。
【0024】
粉状石炭と澱粉との混合方法としては、水などの媒体を用いずに混合する乾式混合と、澱粉を水に懸濁させた状態で混合する湿式混合とがあるが、実施例1で後述するように成型物の圧潰強度がより高くなる乾式混合が好適である。
【0025】
そして、所要の成型物強度を得るため、上記粉状石炭に上記澱粉を成型物の質量に対して1〜10質量%、より好ましくは3〜5質量%添加し、ドラムミキサー、V型ミキサーなど公知の混合機を用い、均一な混合物を得るため混合機の回転速度、混合時間等を適宜調整して混合物を調製すればよい。
【0026】
この混合物を加圧成型して成型物を製造する方法は特に限定されないが、前述したように成型物内部まで均一に加圧できるロール表面に凹部を設けたダブルロール成型機の使用が推奨される。
【0027】
成型物表面へ被覆する重質油分としては、重油、石油精製残渣油、石炭液化油、タールなど常温で固体または液状の疎水性物質を適宜選択して用いることができる。また、これらの液状の疎水性物質の2種以上を混合して使用してもよい。成型物表面への重質油分の被覆方法としては、特に限定されるものではなく、混合物を加圧成型すると同時に成形物表面に重質油分を被覆する方法、例えばダブルロール成型機のロール表面に重質油分を添加しつつ混合物を加圧成型する方法、あるいは混合物を加圧成型した後に成形物表面に重質油分を被覆する方法、例えば重質油分を充填した容器中に成型物を浸漬する方法や成型物に重質油分をスプレーで吹き付ける方法など公知の方法を適宜用いることができる。なお、常温では低流動性の重質油分を用いる場合には、より均一に被覆するため加熱して流動性を高めてから用いてもよい。
【0028】
成型物表面に成型物の質量に対して0.1〜5質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%の重質油分を被覆することにより本発明の成型炭が得られる。
【0029】
【実施例】
本発明の作用効果を確認するため、以下の実験室実験を実施した。表1に実験に用いた石炭Aの成分を示す。石炭Aは表1に示すように含水率25.2質量%の低炭化度炭であり、その粒度は5mm以下90質量%である。また、バインダー用の澱粉としては粉末状のタピオカ(澱粉B)を用い、コーティング剤用の重質油分としてはインドネシア製のLSWR(Low Sulfur Waxy Residue、比重0.908)の重質油Cを用いた。
【0030】
【表1】
【0031】
(実施例1)
先ず、成型物の圧潰強度に及ぼすバインダーの種類の影響を調査するため、以下の実験を実施した。
【0032】
石炭Aにバインダーとして、(1)粉末状のタピオカそのまま(澱粉B)、(2)粉末状のタピオカを熱水でゲル化したのち乾燥・粉砕したゲル粉末B'、(3)粉末状のタピオカを冷水で溶解した10質量%水溶液B''、および(4)重質油Cをそれぞれ成型物の質量に対して3質量%添加(ただし、(3)は乾粉量で3質量%添加)し、高速攪拌混合型ミキサー(アイリッヒ社製)で約3min間混合した後、ロール径520mm、ロール幅120mmのダブルロール成型機により11.8MPaの圧力で38mm角×24mm厚さの枕形のブリケット(成型物)を作製した。そして、これらのブリケットにはコーティングを行わずに、直ちに圧潰強度試験機により圧潰強度を測定した。その結果をバインダーの種類とブリケットの圧潰強度との関係として図1に示す。図1に示されるように、粉末状のタピオカをそのまま(澱粉B)用いた場合には約90Nの高い圧潰強度が得られ、ゲル粉末B'を用いた場合には圧潰強度はさらに上昇して約100Nに達した。一方、タピオカを水溶液として(澱粉B'')用いた場合には約30N、重質油Cを用いた場合には約20Nの低い圧潰強度しか得られなかった。澱粉を水溶液として用いた場合に圧潰強度が低かった理由としては、水分が過剰なため加圧成型時の摩擦熱により生じる糊状の澱粉の粘度が低く、石炭粒子同士を十分に固着しなかったためと想定される。また、重質油を用いた場合に圧潰強度が低かった理由は、石炭粒子の表面が親水性であるので疎水性の重質油とは固着力が小さいためと想定される。以上の結果から明らかなように、バインダーとしての澱粉は粉末状で用いることが好ましく、ゲル粉末として用いてもよい。
【0033】
(実施例2)
次に、成型物の圧潰強度に及ぼす澱粉の添加量の影響を調査するため、以下の実験を実施した。
【0034】
石炭Aに粉末状のタピオカ(澱粉B)を成型物の質量に対して0〜10質量%の範囲で変化させて添加し実施例1と同様の方法でブリケット(成型物)を製造した。そしてこれらのブリケットにはコーティングを行わずに約1日後に圧潰強度を測定した。その結果をタピオカ(澱粉)添加量と成型物の圧潰強度との関係として図2に示す。図2に示されるように、バインダー無添加(タピオカ添加量=0wt%)のときに約60Nである圧潰強度がタピオカ(澱粉B)添加量を増加させていくと成型物の圧潰強度は著しく上昇し、添加量1質量%で圧潰強度は100Nを超え、添加量3質量%で圧潰強度約150N、添加量6質量%で圧潰強度約200Nに達する。しかし、添加量が6質量%を超えると圧潰強度の増加は少なくなり、添加量が約10質量以上では圧潰強度はもはや増加しないものと認められる。なお、実施例1と実施例2とで、同種のバインダーを同量添加した場合についての圧潰強度が異なっている(具体的には、図1の「粉末」の圧潰強度は約90Nであるのに対し、図2の「タピオカ添加量3wt%」の圧潰強度は約150Nである)が、これは以下の理由による。すなわち、実施例1では成型直後に圧潰強度を測定したのに対し、実施例2では成型後約1日後に圧潰強度を測定している。そのため室温下においても時間の経過とともにゲル化した澱粉から徐々に大気中に水分が蒸発・除去されてゲル化した澱粉が硬くなり圧潰強度が上昇したためである。
【0035】
(実施例3)
次に、耐候性に及ぼすコーティング剤の種類の影響を調査するため、以下の実験を実施した。
【0036】
石炭Aにバインダーとして粉末状のタピオカ(澱粉B)を成型物の質量に対して5質量%添加し、実施例1と同様の方法でブリケット(成型物)を作製した。このブリケットに、コーティング剤として、重質油C、界面活性剤、流動パラフィンをそれぞれ成型物の質量に対して1質量%塗布したものを作製した。そして、耐候性試験として、これらのコーティング剤を塗布したブリケットとコーティングしていないブリケットとを屋内にて網の上に各50個ずつ程度載置し、それぞれに1日1回約1000mlずつ散水してブリケット表面を濡らす操作を繰り返した。網を用いたのは散水により溜まった水にブリケットが浸たった状態としないためである。そして、コーティング剤塗布から1、7、14、21日目にそれぞれのブリケットの圧潰強度を測定した。その結果を経過日数とブリケットの圧潰強度との関係として図3に示す。図3に示されるように、コーティングしていないブリケットの圧潰強度は日数の経過とともに急激に低下している。この圧潰強度の急激な低下の理由は、散水した水がブリケット内部に浸み込んでゲル化した澱粉が過剰の水分で軟化したことに加え、低炭化度の石炭粒子自身が水分を吸収して膨潤したことによるものである。これに対し、重質油を塗布したブリケットの圧潰強度は日数の経過とともに上昇している。この圧潰強度の上昇の理由は、上記実施例2の最後で説明した理由と同様、ゲル化した澱粉からの水分の蒸発・除去によるものである。一方、流動パラフィンを塗布したブリケットでは、圧潰強度は初期(1日目)に圧潰強度が上昇するものの、その後日数の経過とともに低下している。初期(1日目)の圧潰強度の上昇の理由は上記重質油の塗布の場合と同様であるが、その後の圧潰強度の低下の理由は流動パラフィンは沸点が低いため室温下においても徐々に蒸発してブリケット表面の被覆が不完全となり散水された水がブリケット内部に浸入したためと考えられる。重質油の場合には沸点が比較的高く安定なためこのような問題は生じない。また、界面活性剤を塗布したブリケットの圧潰強度はほぼ日数の経過とともに低下している。界面活性剤が親水性であるため散水された水がブリケット内部へ浸入することを防止する効果が小さいためと考えられる。
【0037】
(実施例4)
次に、成型炭の圧潰強度に及ぼす重質油分の被覆量の影響を調査するため、以下の実験を実施した。
【0038】
石炭Aにバインダーとして粉末状のタピオカ(澱粉B)を成型物の質量に対して5質量%添加し、実施例1と同様の方法でブリケット(成型物)を作製した。さらに、このブリケットに重質油Cを成型物の質量に対して0〜8質量%の範囲で変化させて塗布した。そして、この重質油塗布後のブリケット(成型炭)について上記実施例3と同様の耐候性試験を行った。重質油塗布量と塗布後21日目のブリケットの圧潰強度との関係を図4に示す。図4に示されるように、塗布後21日目のブリケットの圧潰強度は、重質油を塗布していない場合(重質油塗布量=0wt%)には約30Nであるものが、重質油塗布量0.1質量%で約180Nに急上昇し、1質量%で約220N、5質量%で230Nへと塗布量の増加とともに圧潰強度は徐々に上昇しているが、それ以上の塗布量の増加によっては圧潰強度はほとんど上昇しない。
【0039】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る成型炭の製造方法は、石炭の加熱を必要としないのでエネルギーコストが低く、成型炭を安価に製造できる。また、本発明に係る製造方法で製造された成型炭は、成型後の圧潰強度が高くかつ耐候性に優れている。これにより、屋外における長期の保管や無蓋での長距離輸送によっても圧潰強度が低下せずハンドリングにより割れたり粉化することが防止される。その結果、粉状石炭の有効利用による石炭の生産ロスが減少し、天然資源の有効活用が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バインダーの種類とブリケットの圧潰強度との関係を示すグラフ図である。
【図2】澱粉添加量とブリケットの圧潰強度との関係を示すグラフ図である。
【図3】耐候性試験における経過日数とブリケットの圧潰強度との関係を示すグラフ図である。
【図4】重質油塗布量とブリケットの圧潰強度との関係を示すグラフ図である。
Claims (2)
- 含水率が25質量%以上で粒度が5mm以下50質量%以上の石炭に、澱粉を熱水で溶解してゲル化させた後に乾燥して粉末状としたゲル化澱粉1〜10質量部を添加し混合して100質量部の混合物とし、この混合物を加圧成型すると同時に、または加圧成型した後、この成型物表面に重質油分0.1〜5質量部を被覆させることを特徴とする成型炭の製造方法。
- 前記加圧成型を、ロール表面に凹部を設けたダブルロール成型機で行うことを特徴とする請求項1に記載の成型炭の製造方法。
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