JP3931526B2 - 車両用電子制御ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック等の車両、特にトレーラを牽引するトラクタに採用されて好適な電子制御ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中大型のトラックやトラクタ等の車両においては、圧縮空気を作動媒体とする空気圧応動アクチュエータによりブレーキシュー等の摩擦部材を車輪に固着されたブレーキドラム等に圧接させることによって制動力を生起させるようにしたエアブレーキ装置が広く採用されている。上記エアブレーキ装置は、運転者によって操作されるブレーキペダルに応動するブレーキバルブにより、エアタンク内に貯溜された圧縮空気をブレーキペダルの踏込み量に応じて変化する圧力の空気圧信号に変換し、この空気圧信号をリレーバルブの制御室に供給して弁部材を作動させることにより、エアタンク内の圧縮空気を上記空気圧応動アクチュエータに供給する構成を有するのが一般的である。
【0003】
しかしながら上記エアブレーキ装置においては、運転席の近傍に設けられているブレーキバルブで発生した空気圧信号が、車両の前後輪の空気圧応動アクチュエータを制御するリレーバルブに到達するために可成の時間を要し、特に空気配管の長さが大きい後輪ブレーキ装置の作動遅れが著しく、また車両がトラクタであってトレーラを牽引している連結車両の場合、トレーラのブレーキ装置の作動は一層遅れることとなるので、制動時に、トレーラがトラクタを押してく字状に折れ曲る所謂ジャックナイフ現象を起し易い不具合がある。
【0004】
上記エアブレーキ装置の応答性を改良するために、上記ブレーキバルブにブレーキペダルの踏込み量(例えば踏込み角)に応じた電気的可変量の電気信号を発生するストロークセンサを設け、同ストロークセンサの電気信号により車両の各車輪のブレーキ装置に設けられた空気圧応動アクチュエータを作動させるようにした電子制御ブレーキ装置が、例えば特開平7−132819号公開公報に開示されている。この種の電子制御ブレーキ装置では、運転者がブレーキペダルを踏込みブレーキバルブが操作されたとき、踏込み量に応じた電気的信号が瞬時に、各車輪のブレーキ装置を作動させる空気圧応動アクチュエータに供給される圧縮空気圧力を制御する圧力制御用弁装置に伝達されるので、上記エアブレーキ装置の応答遅れの不具合を改善し得る利点がある。
【0005】
一方、上記エアブレーキ装置を備えた車両において、運転者がブレーキペダルを踏込み停車した場合に、予め設定された条件、例えばエンジンが運転中であること、トランスミッションがニュートラルであること、その他の条件が満たされているかどうかをコントロールユニットが判断し、上記設定条件がすべて満たされたとき同コントロールユニットから電磁弁付リレーバルブに駆動出力が供給されて、車輪ブレーキ装置を作動させる空気圧応動アクチュエータに、設定された勾配の道路での停車時でも、車両を停車状態に保持するに足る圧力の圧縮空気を供給するようにした坂道発進補助装置が、既に本出願人により提案されている。(特開平9−58429号、特開平9−175352号公開公報参照:以下これら公報記載の装置を既提案の装置という。)
【0006】
上記電子制御ブレーキ装置を備えた車両、例えばトラック、トラクタ等に、上記坂道発進補助装置を組込むと、通常の制動時では全く使用されない高価な電磁弁付リレーバルブを余分に設ける必要がある。また車両がトレーラを牽引するトラクタの場合、トラクタ及びトレーラ連結車両が停止したとき、上記坂道発進補助装置により、トラクタ自身の車輪ブレーキ装置を作動させる空気圧応動アクチュエータに供給される停止保持用圧縮空気の圧力と、トレーラの車輪ブレーキ装置を作動させる空気圧応動アクチュエータに供給される停止保持用圧縮空気の圧力とを等しくすると、発進時に停止保持解除の応答性が悪いトレーラがトラクタにより引ずられることとなり、連結車両としての発進性能が損なわれることとなる。従って、トラクタにおける車輪ブレーキ装置の停止保持用空気圧力よりトレーラの車輪ブレーキ装置の停止保持用空気圧力を低く設定することが好ましいが、この場合トレーラ用に高価な電磁弁付リレーバルブを更に迫加して設けなければならないので、益々コスト高となり、かつ重量が増加する不具合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み創案されたもので、坂道発進補助のための停止保持用圧縮空気 圧力の設定を、電子制御ブレーキ装置において通常の制動時に空気圧応動アクチュエータの圧縮空気圧力を設定する圧力制御用弁装置が行なうこととし、その作動タイミングを従来の坂道発進補助装置におけるコントロールユニットの電磁弁付リレーバルブに対する駆動信号をリレーを介して電子制御ブレーキ装置のコントロールユニットに伝達することで決定することによって、電子制御ブレーキ装置に従来の坂道発進補助装置をそのまま組込んだ場合と較べ、構造簡単かつ安価であり、重量の軽減を図ることができる車両用電子制御ブレーキ装置を提供することを、主たる目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、車両のブレーキペダルの踏込み量を検知して踏込み量に応じた電気的可変量の信号を生起するストロークセンサと、車両の各車輪のブレーキ装置に設けられ夫々の制動力を制御する空気圧応動アクチュエータと、上記空気圧応動アクチュエータに圧縮空気を供給する圧縮空気源と、同圧縮空気源から上記各車輪の空気圧応動アクチュエータに供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置と、上記ストロークセンサの信号を受信して上記圧力制御用弁装置に出力空気圧力を設定すべき圧力制御信号を供給する第1のコントロールユニットと、上記ブレーキペダルが踏込まれて車両が停止したとき少なくともエンジン、トランスミッション、クラッチの作動状態を示す信号を受信して所定の条件が満たされた場合、上記各車輪のブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータに車両を停止状態に保持するための圧縮空気を供給するように上記圧力制御用弁装置を作動させる駆動信号を出力する第2のコントロールユニットとを備え、同第2コントロールユニットが出力する上記駆動信号を上記第1コントロールユニットが受信して上記各車輪の圧力制御用弁装置に停止保持用の圧力制御信号を出力するように構成され、上記車両がトレーラを牽引するトラクタであり、同トラクタには、その前後輪のブレーキ装置毎の空気圧応動アクチュエータ及び圧力制御用弁装置が設けられると共に、トレーラのブレーキ装置に供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置が設けられ、上記車両の停止時に、第2コントロールユニットの駆動信号を受信した第1コントロールユニットから上記トレーラ用の圧力制御用弁装置に対して、トラクタの前後輪ブレーキ装置用の圧力制御用弁装置より低い圧力の圧縮空気が供給されるような停止保持用の圧力制御信号が供給される構成であることを特徴とする車両用電子制御ブレーキ装置を提案するものである。
【0009】
また、本発明においては、上記車両の停止時に、第2コントロールユニットが出力する駆動信号がリレー装置を介して上記第1コントロールユニットに伝達されるように構成されることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する。
先ず、図1の概略構成図について説明すると、図中符号10は車両例えばトラクタ12の運転席近傍に設けられたブレーキバルブであって、制動時運転者により踏込まれるブレーキペダル14と、同ブレーキペダル14の踏込み量例えば踏込み角に応じた電気的可変量の信号を発生するポテンシオメータ等からなるストロークセンサ16を内蔵したストロークセンサ部18と、従来のエアブレーキ装置と同様の後輪ブレーキ装置用の空気圧信号を発生する空気圧信号発生部20Rと、前輪ブレーキ装置用の空気信号を発生する空気圧信号発生部20Fとを備えている。
【0011】
トラクタ12には、図示を省略されているエンジンに連動して駆動されるエアコンプレッサの吐出圧縮空気を貯溜する1個以上のエアタンク22が搭載され、また前軸には左右前輪用のブレーキ装置24Fが設けられ、後軸には左右後輪用のブレーキ装置24Rが設けられている。図示のトラクタ12の場合、圧縮空気源を構成する上記エアタンク22は後輪ブレーキ用エアタンク22Rと前輪ブレーキ用エアタンク22Fとトレーラブレーキ用エアタンク22Tとから形成されているが、勿論1個の大容量のエアタンクでも良く、また後軸が1個の場合が示されているが、後軸が2個、即ち後前軸と後後軸とが設けられている場合、更に1組のブレーキ装置24Rが設けられる。上記前後軸のブレーキ装置24F及び24Rは、一対の略半円状をなすブレーキシュー26を車輪側に固定されたブレーキドラム(図示せず)の内周面に対向して配置したドラムブレーキであって各ブレーキ装置24F及び24Rの一対のブレーキシュー26は、円周方向に隣接する一端部を車体側部材に連結されたサポートプレート又はトルク受け部材に枢支されると共に、円周方向に隣接する他端自由端部を空気圧応動アクチュエータ28F及び28Rによって駆動されるウエッジ又はS字状カム30にリターンスプリング32によって弾性的に当接されている。
【0012】
図示の場合、上記空気圧応動アクチュエータ28F及び28Rは、一般にブレーキチャンバ又は単にチャンバと呼ばれている周知構造のアクチュエータであって、夫々電磁弁からなる圧力制御用弁装置34F及び34Rから制御された圧力の圧縮空気が供給されると、その空気圧力に応じた力で上記ウエッジ又はS字状カム30を作動させてブレーキシュー26をブレーキドラムに圧接させることにより、制動力が生起されるように構成されている。上記圧力制御用弁装置34F及び34Rは、空気配管36F及び36Rによって上記エアタンク22F及び22Rに接続され、各エアタンク22F及び22Rから供給された圧縮空気を、第1のコントロールユニット38から出力される圧力制御信号に応じ制御された圧力の作動圧縮空気として受容し、上記のようにブレーキ装置24F及び24Rを作動させる。上記第1コントロールユニット38は、ブレーキバルブ10のストロークセンサ部18からのブレーキペダル14の踏込み量に応じた電気的信号を受信して内蔵する制御マップに基づき上記圧力制御信号を出力する。
【0013】
なお、上記電気制御系統の失陥時に備えて、従来のエアブレーキ装置と同様に、ブレーキバルブ10の空気圧信号発生部20F及び20Rからの空気圧信号を上記圧力制御用弁装置34F及び34Rに送り、エアタンク22F及び22Rからの圧縮空気を上記空気圧信号に応じて制御された圧力の作動圧縮空気として空気圧応動アクチュエータ28F及び28Rに供給するようにした空気圧信号用の配管が、図中に二点鎖線で示されているように、エアタンク22F及び22Rとブレーキバルブ10と圧力制御用弁装置34F及び34Rとの間に配設されている。
【0014】
また、トラクタ12には、図中に一点鎖線の右側に略示されているトレーラ40のブレーキ装置42の作動を制御する電磁弁からなる圧力制御用弁装置34Tが設けられ、同圧力制御用弁装置34Tは、上記圧力制御用弁装置34F,34Rと同様に、第1コントロールユニット38の圧力制御信号を受信して、信号に応じた圧力の圧縮空気をトレーラ40のブレーキ装置42を制御する空気圧応動アクチュエータ42Tに供給する。同空気圧応動アクチュエータ42Tは、上記トラクタ12の空気圧応動アクチュエータ28F,28Rと略同様のものでよい。
【0015】
さらにトラクタ12には、図2及び図3にその概略構成を示した坂道発進補助装置が設けられている。先ず、図2の斜視図において、44はトラクタ12の運転席前方のインストルメントパネルに配設されたメータクラスタ、46は運転席近傍の適宜の車室内構造物に取付けられ運転者がその意志に基づき閉成することによって坂道発進補助装置用の第2のコントロールユニット48が制御作動を行なうシステムスイッチである。50はトラクタ12のメーンスイッチ又はキースイッチ、52はクラッチペダル、54は同クラッチペダル52の枢支部に設けられたクラッチストロークセンサ、56はエンジンに連動して駆動されるオルタネータ、58はエンジンの駆動力を図示しないプロペラシャフトを介してトラクタ12の駆動輪(一般には後輪)に伝達するトランスミッション、60は同トランスミッション58がニュートラルであるかどうかを検知するニュートラルスイッチ、62はトランスミッション58の出力端部に配設された車速センサ、64は駐車ブレーキレバー、66は駐車ブレーキレバー64がブレーキ解放位置にあるとき開路される駐車ブレーキスイッチ、68はブレーキペダル14の踏込みにより閉成されてストップランプを点灯するストップランプスイッチ、70はアクセルペダルである。
【0016】
図2に点線矢印で示されているように、上記システムスイッチ46、メーンスイッチ50、ニュートラルスイッチ60、駐車ブレーキスイッチ66及びストップランプスイッチ68のON,OFF信号、並びにクラッチストロークセンサ54及び車速センサ62の出力信号、オルタネータ56のL端子の信号即ちエンジンの回転状態を示す信号が、上記第2コントロールユニット48に入力される。第2コントロールユニット48の作動態様は図3のフローチャートに示す通りである。先ず、ステップSにおいて、車両、この場合トラクタ12のメーンスイッチ50がONかどうかが判定される。ONの場合、ステップSでシステムスイッチ46がONであるかどうかが判断される。運転者が坂道発進補助装置の作動を望んでいて同スイッチ46が閉成されていると、ステップSに進む。ステップSでNOの場合、運転者は坂道発進補助装置を作動させる意思がないものとしてリターンする。
【0017】
ステップSでは、エンジンの運転状態がオルタネータ56のL端子の信号の有無が判断され、信号があるYESの場合、ステップはSに進む。ステップSでは、ブレーキペダル14が踏込まれているかどうかが、ストップランプスイッチ68のON,OFFによって判定され、YESの場合、ステップSでクラッチペダル52が踏込まれているかどうかがクラッチストロークセンサ54の信号により判定される。クラッチペダル52が踏込まれているYESの場合、ステップはSに進み、クラッチペダル52が踏込まれていないNOの場合、ステップはSに進む。
ステップSでは、トランスミッションがニュートラルに操作されているかどうかが、ニュートラルスイッチ60がOFFであるか否かにより判断され、ニュートラルであれば、次のステップSに進む。ステップSでは、駐車ブレーキレバー64が不作動位置にあって駐車ブレーキが解放されているかどうかが駐車ブレーキスイッチ66のOFFにより判定され、YESの場合ステップSで停車中であるか否かが車速センサ62の信号により判断される。
【0018】
ステップSでトラクタ12が停車していると判断されると、ステップSに進み、図1及び図2に示されているリレー装置72のコイル74が付勢され、常開接点76が閉成される。常開接点76の閉成により、上記第1コントロールユニット38に坂道発進補助の駆動信号が発信され、第1コントロールユニット38は、トラクタ12の前後輪ブレーキ装置24F,24R及びトレーラにおけるブレーキ装置42の圧力制御用弁装置34F,34R及びトレーラ用の圧力制御用弁装置34Tに夫々停止保持用の圧力制御信号を出力し、夫々の空気圧応動アクチュエータ28F,28R及びトレーラ40の空気圧応動アクチュエータ42Tに、トラクタ及びトレーラ連結車両を平坦路は勿論、予め設定された十分大きい勾配の坂道でも停止位置に保持するに足る圧力の圧縮空気が供給されることとなる。なお、上記フローチャートにおいて、ステップS〜S、ステップS〜SがNOの場合は、何れもリターンすることとなる。
【0019】
上記坂道発進補助装置の作動によりトラクタ及びトレーラ連結車両が停止状態に保持されるので、運転者は停止中ブレーキペダル68を踏込む必要がなく、平坦路は勿論、或る程度熟練を要する坂道、特に上り坂での発進操作を容易に行なうことができる利便がある。即ち、運転者が発進のために、トランスミション58をニュートラルから何れかの変速段に操作し、従ってニュートラルスイッチ60がON信号を発し、かつクラッチペダル52が解放されてクラッチストロークセンサ54のクラッチ接続の信号が第2コントロールユニット48に入力されると、同第2コントロールユニット48からリレー装置72のコイル74への駆動出力が消失するので、圧力制御用弁装置34F,34R及び34Tを経て各空気圧応動アクチュエータ28F,28R及び42T内の停止保持用圧縮空気が排出される。
【0020】
上記構成によれば、坂道発進補助装置の作動条件が成立したときに、第2コントロールユニット48がリレー装置72にコイル74を付勢する駆動出力を供給し、同リレー装置72の常開接点76が閉成されることにより、電子制御ブレーキ装置の第1コントロールユニット38に予め設定されたトラクタ12の前後輪ブレーキ装置24F,24R及びトレーラブレーキ装置42の空気圧応動アクチュエータ28F,28R及び42Tに夫々供給さるべき停止保持用の圧縮空気圧力を発生させるべき圧力制御信号を、夫々圧力制御用弁装置34F,34R及び34Tに出力することとしたので、従来の坂道発進補助装置における高価でかつ重量が大きい電磁弁付リレーバルブを廃止し、代りに安価で軽量なリレー装置72が用いられるため、全体としてのコストが大巾に低減され、かつ重量の増大を抑止し得る利点がある。
【0021】
なお、トラクタ12側の圧力応動アクチュエータ28F及び28Rに供給される停止保持用の圧縮空気圧力よりも、トレーラ40側の圧力応動アクチュエータ42Tに対する停止保持用圧縮空気圧力を適宜低く設定しておくことによって、トレーラ用の圧力制御用弁装置34Fからトレーラエアホース及びトレーラ内空気配管を経て圧力応動アクチュエータ42Tに到る長い圧縮空気通路のための応答遅れに起因するトラクタ及びトレーラ連結車両の発進性能の悪化を効果的に抑制することができる利点がある。
また、上記実施形態では駐車ブレーキの作動状態を駐車ブレーキレバー64の近傍に配置した駐車ブレーキスイッチ66で検知しているが、駐車ブレーキが作動したことを検知し、その検知信号により駐車ブレーキの作動状態を判定するものであれば何れでもよい。例えば、エアブレーキ車の場合は、エア圧を検知し、油圧ブレーキ車の場合は、油圧を検知する圧力スイッチを用いることができ、リンク作動のブレーキ装置の場合は、リンク又はレバーの作動を検知するリミットスイッチ等を採用することができる。
【0022】
次に上記坂道発進補助装置の作動中に、運転者がメーンスイッチ50をOFFにして、車両の運転を停止したとき、システムスイッチ46をOFFにして坂道発進補助装置の作動を望まない場合、或いは駐車ブレーキレバー64を操作して駐車ブレーキを作動させた場合等には、第2コントロールユニット48からリレー装置74に供給されていたコイル76の付勢が停止され、第1コントロールユニット38への駆動信号が停止されるので、上記圧力制御用弁装置34F,34R及び34Tを経て空気圧応動アクチュエータ28F,28R及び42T内の停止保持用圧縮空気が外気に排出されブレーキ装置24F,24R及び42が釈放されることとなる。
【0023】
また、第1コントロールユニット38の常用ブレーキ作動を制御する制御部は、上述したブレーキペダル14の踏込み量を主たる制御要素とし、補助的に、前後輪に夫々対向して配置された車輪速度センサの信号に基づきABS(アンチロック)制御、車軸荷重に基づく制御及びASR(アンチスリップ)制御等を補正制御要素として組込み、圧力制御用弁装置34F,34R及び34Tの出力空気圧力を修正することができる。さらに、車両の停止時の坂道の勾配が設定された最大の勾配より大きい特殊な状況下で、上記坂道発進補助装置による前後輪及びトレーラの圧力応動アクチュエータ28F,28R及び42Tに停止保持用の圧縮空気が供給されているにも拘わらず、万一車両がずれ落ち変位した場合、更に圧縮空気圧力を増大させて車両の移動を禁止する制御手段を、前記既提案の装置と同様に第2コントロールユニット48に組込むことも勿論可能である。
【0024】
【発明の効果】
叙上のように、本発明に係る車両用電子制御ブレーキ装置は、車両のブレーキペダルの踏込み量を検知して踏込み量に応じた電気的可変量の信号を生起するストロークセンサと、車両の各車輪のブレーキ装置に設けられ夫々の制動力を制御する空気圧応動アクチュエータと、上記空気圧応動アクチュエータに圧縮空気を供給する圧縮空気源と、同圧縮空気源から上記各車輪の空気圧応動アクチュエータに供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置と、上記ストロークセンサの信号を受信して上記圧力制御用弁装置に出力空気圧力を設定すべき圧力制御信号を供給する第1のコントロールユニットと、上記ブレーキペダルが踏込まれて車丙が停止したとき少なくともエンジン、トランスミッション、クラッチの作動状態を示す信号を受信して所定の条件が満たされた場合、上記各車輪のブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータに対し車両を停止状態に保持するための圧縮空気を供給するように上記圧力制御用弁装置を作動させる駆動信号を出力する第2のコントロールユニットとを備え、同第2コントロールユニットが出力する上記駆動信号を上記第1コントロールユニットが受信して上記各車輪の圧力制御用弁装置に停止保持用の圧力制御信号を出力するように構成したことを特徴とし、運転者のブレーキペダル踏込みに対し前後輪等のブレーキ装置の応答性が優れ、構造簡単で製造コストが安く、かつ重量の増大を効果的に抑止することができる坂道発進補助装置を備えた電子制御ブレーキ装置を提供し得る利点がある。
【0025】
また、本発明において、上記車両がトレーラを牽引するトラクタであるときは、同トラクタには、その前後輪のブレーキ装置毎の空気圧応動アクチュエータ及び圧力制御用弁装置が設けられると共に、トレーラのブレーキ装置に供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置が設けられ、上記車両の停止時に、第2コントロールユニットの駆動信号を受信した第1コントロールユニットから上記トレーラ用の圧力制御用弁装置に対して、トラクタの前後輪ブレーキ装置用の圧力制御用弁装置より低い圧力の圧縮空気が供給されるような停止保持用の圧力制御信号が供給されることが好ましく、この構成によりトラクタ及びトレーラ連結車両の良好な発進性能を確保し得る利点がある。
さらに、本発明において、上記車両の停止時に、第2コントロールユニットが出力する駆動信号がリレー装置を介して上記第1コントロールユニットに伝達されるように構成したことにより、坂道発進補助装置の駆動信号を電子制御ブレーキ装置の第1コントロールユニットに伝達する簡単かつ安価で軽量な信号伝達手段を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に示したトレーラの電子制御ブレーキ装置に組込まれる坂道発進補助装置の概念的斜視図である。
【図3】図1及び図2における第2コントロールユニット48の作動態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ブレーキバルブ、12…トラクタ、14…ブレーキペダル、16…ストロークセンサ、22…エアタンク(圧縮空気源)、24F…前輪ブレーキ装置、24R…後輪ブレーキ装置、28F…前輪ブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータ、28R…後輪ブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータ、34F,34R及び34T…圧力制御用弁装置、38…第1コントロールユニット、40…トレーラ、42…トレーラのブレーキ装置、42T…トレーラのブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータ、46…システムスイッチ、48…第2コントロールユニット、50…メーンスイッチ、52…クラッチペダル、54…クラッチストロークセンサ、58…トランスミッション、60…ニュートラルスイッチ、68…ストップランプスイッチ、72…リレー装置。

Claims (2)

  1. 車両のブレーキペダルの踏込み量を検知して踏込み量に応じた電気的可変量の信号を生起するストロークセンサと、
    車両の各車輪のブレーキ装置に設けられ夫々の制動力を制御する空気圧応動アクチュエータと、
    上記空気圧応動アクチュエータに圧縮空気を供給する圧縮空気源と、
    同圧縮空気源から上記各車輪の空気圧応動アクチュエータに供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置と、
    上記ストロークセンサの信号を受信して上記圧力制御用弁装置に出力空気圧力を設定すべき圧力制御信号を供給する第1のコントロールユニットと、
    上記ブレーキペダルが踏込まれて車両が停止したとき少なくともエンジン、トランスミッション、クラッチの作動状態を示す信号を受信して所定の条件が満たされた場合、上記各車輪のブレーキ装置の空気圧応動アクチュエータに対し車両を停止状態に保持するための圧縮空気を供給するように上記圧力制御用弁装置を作動させる駆動信号を出力する第2のコントロールユニットとを備え、
    同第2コントロールユニットが出力する上記駆動信号を上記第1コントロールユニットが受信して上記各車輪の圧力制御用弁装置に停止保持用の圧力制御信号を出力するように構成し、
    上記車両がトレーラを牽引するトラクタであり、
    同トラクタには、その前後輪のブレーキ装置毎の空気圧応動アクチュエータ及び圧力制御用弁装置が設けられると共に、
    トレーラのブレーキ装置に供給される空気圧力を制御する圧力制御用弁装置が設けられ、
    上記車両の停止時に、第2コントロールユニットの駆動信号を受信した第1コントロールユニットから上記トレーラ用の圧力制御用弁装置に対して、トラクタの前後輪ブレーキ装置用の圧力制御用弁装置より低い圧力の圧縮空気が供給されるような停止保持用の圧力制御信号が供給されることを特徴とする車両用電子制御ブレーキ装置。
  2. 上記車両の停止時に、第2コントロールユニットが出力する駆動信号がリレー装置を介して上記第1コントロールユニットに伝達されるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用電子制御ブレーキ装置。
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