JP3930497B2 - 材料切り分け装置 - Google Patents
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Description
これは、定位置に保持した片身に対して、片身を横切る方向に切断刃を繰り返し移動させつつ、切断刃を片身の切り幅に応じて前進させるのである。
図7Aは片身(91)を示し、右端が尾側端部(92)、左端がかま部分(93)である。
片身(91)は、中央部は幅広で尾側へ徐々に幅狭となり、かま側へも少し幅狭となっていること、又、図7Bに示す如く、略中央部が肉厚で尾側へ徐々に肉薄となり、かま側へも少し肉薄となっている。これは魚の片身に共通する形状的特徴である。
上記片身(91)の形状的な特徴を考慮して、切り身の重量を揃えること及び切り身を美しく見せるために、次の工夫が成されている。
図7Aに示す如く、尾側では片身(91)の長手方向に対して、切断線(90)を大きく傾け、かま側へいくほど切断線が片身の長手方向に対して直角に近づける。
又、図7Bに示す如く、尾側では片身(91)の平坦な内面に対して切り口(94)の成す角度αは小さく、かま側へいくほど該角度は大きくする。即ち、片身(91)を尾側から切り分けるとき、切断刃は徐々に起き上がるのである。
上記の如く、片身(91)を切り分けるための切断刃の振れ角度制御、送り量制御(前進量
の調整)及び起伏制御は、切り分け装置に具えた制御部に予め片身(91)の全長、重量及び
切り身1切れの重量を入力することによって、切断刃が片身(91)を1回横切る毎に自動的に行われる。
又、片身(91)の全長及び重量は、切り分け装置に具えた計測台に片身(91)を載せることによって、自動的に制御部に入力される。
本発明は、切断刃を含む切断部に対して、切り分けるべき材料を切断刃側へ必要量だけ送り込むことによって、切り分け装置の小型化を実現することを課題とする。
切断部(2)の送り移行路の幅中心と切断刃(3)が横切る交点P又は該交点の近傍を回転中心として、切断作業位置へ材料(9)を送り込み可能な高さ位置にて左右方向に回動可能な案内台(41)を有し、切断刃(3)が材料の送り移行路を横切るタイミングに対応して必要に応じて必要角度だけ案内台(41)を回転させる材料送り案内装置(4)と、
材料送り案内装置(4)上に配備され案内台(41)上の材料(9)を支持し、切断刃(3)が材料送り移行路を横切る毎に、切断作業位置に材料(9)を送り込む材料送り装置(5)と、
材料送り案内装置(4)及び材料送り装置(5)に連繋され材料(9)の大きさと切り分け単位に応じて、材料送り案内装置(4)の案内台(41)の回転角度を材料(9)の切断する部位に応じて予め決定すると共に材料送り装置(5)の材料送り量を材料(9)の切断する部位に応じて予め決定する制御部(6)とによって構成され、
案内台(41)に材料(9)を載せて切断刃(3)が材料送り移行路を横切る毎に、該案内台(41)を必要に応じて必要角度回転させると共に、材料送り案内装置(4)によって必要量だけ材料(9)を切断位置に送り込むことができる。
切断すべき材料(9)を切断刃(3)側に送り込むための材料送り案内装置(4)は、従来の様に、切断部全体を材料の切り分け幅づつ前進させる装置に比べて遙かに軽量で小型にでき、切り分け装置全体の小型化を実現できる。
又、切断部全体を前進移動させることに比べて、材料(9)を切断刃(3)側に送り込むためのエネルギーは遙かに小さくて済むため、消費電力等のランニングコストを低減できる。
図7Aに示す片身(91)は、平坦内面を下側にして案内台(41)に載せた状態で、図面上ではかま部分(93)の突出先端(93a)は下側に位置している。図8の他方の片身(91a)を同様にして案内台(41)に載せたとき、かま部分(93)の突出先端(93a)は上側に位置する。
上記、2つの片身(91)(91a)のかま部分(93)(93)の向きの違いは、後記する片身(91)の保持手段(53)の向きの設定及び切断線(90)の向きに関わる。
基台(1)には、片身(91)を単位大きさ切り分けるための制御部(6)及び片身(91)の大きさを計測する計測台(63)も搭載されている。
図2は、切り分け装置を右側から見た概略断面を示しており、片身(91)は材料送り案内装置(4)によって切断部(2)側に送り込まれ、切断刃(3)で切り分けられて排出コンベア(8)で右側に排出される。
以下の説明で、材料の送込み側を「前」、排出側を「後」とする。
支え台(26)の上面は、片身(91)を切断作業位置に送り込む送り移行路となっている。
実施例の切断刃(3)は丸刃であって、2枚1組で傾動台(21)上に自転及び公転可能に配備されている。
傾動台(21)は、支え台(26)の上面と支え台(26)の1/2円弧縁の曲率中心との交点Pを通る軸(23)を中心に、前後方向に傾動可能であり、図1に示す如く、サーボモータ等の制御モータ(22)によって、高精度に起伏角度を制御できる。
実施例では傾動台(21)は、支え台(26)のスリット(27)より後方で起伏し、起伏制御可能な角度範囲は、支え台(26)の上面の延長面に対して、70°〜35°の範囲である。
傾動台(21)の中央部にアーム(24)が、その長さ方向の中心を回転中心(25)として回転可能に支持され、アームの両端に前記2枚の切断刃(3)が自転可能に支持されている。
アーム(24)の回転中心(25)は、前記スリット(27)の長さ中心と支え台(26)の1/2円弧縁の長さ中心を通り、支え台(26)上面と直交する垂直面内に位置する。
傾動台(21)上には、アーム(24)を回転させると同時に切断刃(3)を自転させる回転駆動装置(28)が搭載されている。該回転駆動装置(28)はこの種切断装置としては、公知の構成であるので詳細は省略する。
アーム(24)が1回転すると両切断刃(3)(3)は、1回づつスリット(27)に侵入する。
案内台(41)は、片身(91)を載せるのに十分な大きさの長方形を呈し、後端を回転中心に向けて支え台(26)に近接させている。
案内台(41)の上面は、支え台(26)の上面と高さが揃っている。
回動駆動装置(42)の駆動源はサーボモータ等の制御モータ(42a)であって、高精度に案内台(41)の左右の回転角度を制御できる。
実施例の保持手段(53)は、前記材料送り案内装置(4)の案内台(41)上に配備したスライド台(51)に、ヘッド部(52)を介して設けられている。
実施例の保持手段(53)は、片身(91)のかま部分(93)を上から押圧する押え部材(53a)であり、該押え部材(53a)はバー状を呈しその中央部が、ヘッド部(52)に上下方向に設けた枢軸(52a)によって回動可能に支持されている。押え部材(53a)はシリンダ等の傾き駆動手段(56)に連繋されている。押え部材(53a)には全長に亘って下向きの突起列(54)が設けられている。
ヘッド部(52)は、スライド台(51)上の水平枢軸(50)に支持され、シリンダ等の上下駆動手段(55)によって該枢軸(50)を中心に押え部材(53a)を上下方向に回転移動させることができる。
ヘッド部(52)が上向きに回転したとき、押え部材(53a)の突起列(54)と案内台(41)との間に、片身(91)のかま部分(93)が入る余裕が生じる。ヘッド部(52)が下向きに回転したとき、押え部材(53a)の突起列(54)が、片身(91)のかま部分(93)に食い込み気味に押圧して片身(91)を確実に保持できる。
実施例の移動手段(59)は、前記案内台(41)上のスライド台(51)をネジ軸(57)の推力で前後進させるものであって、ネジ軸(57)の回転駆動は、サーボモータ等の制御モータ(58)で行ない、高精度に移動量の制御、即ち、片身(91)の送り量を制御できる。
材料押え装置(7)は、切断刃(3)が片身(91)を横切る際に片身(91)を押さえて、支え台(26)上での片身(91)の位置ズレを防止する役割をなす。
材料押え装置(7)は、図1、図2、図6に示す如く、外端を支え台(26)上に枢支(73)された一対の押えレバー(71)(71)によって構成され、両押えレバー(71)(71)は互いの自由端を接近して対向させており、各押えレバー(71)に連繋したシリンダ等の上下駆動装置(74)(74)によって、自由端を上下させて片身(91)の押圧と開放を繰り返す。
押えレバー(71)の下縁は歯列(72)が形成され、該歯列(72)が片身(91)を押さえることにより、片身(91)との滑りが防止される。
計測台(63)は、該計測台(63)に片身(91)を載せると、片身(91)の全長測定と重量測定を自動的に行ない、そのデータを該制御部(6)に送る。
制御部(6)は、入力用ディスプレイ(61)と表示用ディスプレイ(62)を具えている。作業者は、入力用ディスプレイ(61)に、片身(91)を切り分ける単位を入力する。実施例の場合、切り身1切れの重量を入力する。
制御部(6)は、予め記憶した前記段落番号「0002」に記載の片身の特徴的な形状と、実際に切り分ける片身(91)の全長と重量、及び切り身1切れの重量から、図7A、図8に示す片身(91)に対する切断線(90)と図7Bに示す各切り口(94)の角度αを求めることができる。
制御部(6)は、上記押え部材(53a)の傾きによって、図7Aと図8の切断線(90)の向きを選択し、更に、材料送り案内装置(4)の案内台(41)の位置を、図3のXの位置か、Yの位置かを決定してその位置に回転移動させる。
制御部(6)は、材料送り案内装置(4)の制御モータ(42a)、及び材料送り装置(5)の制御モータ(58)を制御して、切断刃(3)が自転しながら公転する際、片身(91)の切断予定線を切断刃(3)が順に通過させる。同時に、制御部(6)は傾動台(21)の制御モータ(22)も制御して、切り身の切り口(94)の支え台(26)に対する角度αに対応する様に、切断刃(3)の起伏角度も順次制御する。更に制御部(6)は、支え台(26)上の材料押え装置(7)の押えレバー用上下駆動装置(74)も制御する。
即ち、切断刃(3)が支え台(26)のスリット(27)を通過する毎に、案内台(41)は、図4に実線で示す案内台(41)の位置に近づく様に断続的に回転移動する。又、材料送り装置(5)は片身(91)を断続的に切断刃(3)側に送り込む。
片身(91)に切断刃(3)が食い込んでいる間は、材料押え装置(7)の押えレバー(71)が片身(91)を押さえて、片身(91)の位置ずれを防止し、材料送り装置(5)が片身(91)を送り方向に移動させている間は、該押えレバー(71)は上向きに回転して片身(91)を開放している。
切り分けられた片身(91)は、シュート(81)を滑って排出コンベア(8)に受け渡される。
又、切断部を前進移動させることに比べて、片身(91)を切断刃(3)側に送り込むためのエネルギーは遙かに小さくて済むため、消費電力等のランニングコストを低減できる。
例えば、切り分けるべき材料(9)は片身(91)に限ることはなく、切り分けるべき材料の集合体として、個々の材料に共通する特徴的な形状を有するものであれば、その特徴的な形状を制御部(6)に予め記憶させておき、切り分けるべき材料の個々について、切り分ける前に、制御部(6)に、その全長、重量等の大きさと、切り分け単位を入力することにより、所定の単位毎に材料を切り分けできるのは勿論である。
2 切断部
21 傾動台
3 切断刃
4 材料送り案内装置
41 案内台
5 材料送り装置
53 保持手段
59 移動手段
6 制御部
7 材料押え装置
Claims (4)
- 切り分けるべき材料(9)の送り移行路を繰り返し横切る切断刃(3)を具えた切断部(2)と、
切断部(2)の送り移行路の幅中心と切断刃(3)が横切る交点P又は該交点の近傍を回転中心として、切断作業位置へ材料(9)を送り込み可能な高さ位置にて左右方向に回動可能な案内台(41)を有し、切断刃(3)が材料の送り移行路を横切るタイミングに対応して必要に応じて必要角度だけ案内台(41)を回転させる材料送り案内装置(4)と、
材料送り案内装置(4)上に配備され案内台(41)上の材料(9)を支持し、切断刃(3)が材料送り移行路を横切る毎に、切断作業位置に材料(9)を送り込む材料送り装置(5)と、
材料送り案内装置(4)及び材料送り装置(5)に連繋され材料(9)の大きさと切り分け単位に応じて、材料送り案内装置(4)の案内台(41)の回転角度を材料(9)の切断する部位に応じて予め決定すると共に材料送り装置(5)の材料送り量を材料(9)の切断する部位に応じて予め決定する制御部(6)とによって構成され、
前記切断部(2)は材料(9)の支え台(26)を有し、該支え台(26)は材料の送込み側の側縁が円弧状に形成され上面が材料支え面となり、案内台(41)は、支え台(26)の円弧縁の曲率中心を中心に回転可能であり、案内台(41)の内端は支え台(26)の円弧縁に近接している、材料切り分け装置。 - 切断刃(3)は、材料送り込み方向に対して起伏角度制御可能に配備され、材料(9)の切断部位毎に切断刃(3)の起伏角度が制御される請求項1に記載の材料切り分け装置。
- 材料送り装置(5)は、材料(9)の送り側とは反対側先端部を保持する保持手段(53)と、該保持手段を材料送り方向に移動させる移動手段(59)とによって構成されている請求項1又は2に記載の材料切り分け装置。
- 3枚に下ろした魚の片身(91)を切り分ける切り分け装置であって、保持手段(53)は片身(91)の皮側を上にした状態でかま部分(93)を保持するものであって、左右の片身の違いによるかま部分(93)の向きに応じて保持手段(53)は首振り可能である請求項3に記載の材料切り分け装置。
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