JP3928831B2 - 缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者が所望の物品を投入して缶詰にする際に用いられる缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
利用者が缶の中に所望の物品を入れ、それを缶詰装置にセットして缶詰にするという技術は従来からある。
しかしながら、従来は、缶の中に利用者が物品を投入した後に蓋を被せ、その蓋をテープ等で仮止めしてから、缶詰装置にセットしなければならず、利用者の手間がかかるという問題があった。
また、従来の缶は、缶の開口縁と蓋の周縁とを従来の二重巻き締め方法等により封止するものであったため、封止を行なうための缶詰装置が不可欠であり、また、その構成も複雑になる上、封止できる缶の大きさや形状が極めて狭い範囲に限定されるという問題があった。
このため、消費者の購買意欲をそそらず、普及していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、所望の物品をその物品に応じた大きさや形状の缶に簡単に缶詰にできるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、
蓋と、
略筒状の胴部材の一端の開口縁に沿って蓋取付座を設け、他の一端をプルタブを有する底板により閉鎖してなる本体とからなる缶において、
胴部材に設ける蓋取付座は、胴部材の開口周縁部を内側に丸く巻き込んで円環状に形成されており、
蓋は、底面の周縁に、上記円環状の蓋取付座の内側に嵌入される短い筒状の胴部材を形成し、その胴部材の自由端側周縁部を外側に丸く巻き込んで本体の円環状の蓋取付座に圧着され得る環状のストッパーを形成してなると共に、
蓋の底面の外面側の少なくとも一部に、高さが胴部材の高さと等しい台部を設け、
当該台部は、蓋の底面の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部の内側には充填材を充填し、当該充填材の内側表面の高さを蓋の底面の内側平面と等しくしたこと、
を特徴とする上記の缶によって達成される。
なお、上記台部が設けられる「蓋の底面の外面側」とは、缶の本体に蓋を嵌め込んで蓋を閉じたときに、蓋の底面で缶の外側に露出する側の面を指す。
また、「内側表面の高さ」とは、缶の本体に蓋を嵌め込んで蓋を閉じたときに、缶の本体の内部に臨む表面の高さを指す。
更にまた、本発明の前記の目的は、
前記台部が、蓋の底面の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部の内側には、その内部に嵌まり得るよう予め成形された部材を嵌め込み、当該嵌込み部材の内側表面の高さを蓋の底面の内側平面と等しくしたこと、を特徴とする前記の缶によっても達成できる。
また、本発明の前記の目的は、
前記台部が、蓋の底面の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部の内側開口部に小蓋を被せ、当該小蓋の内側表面の高さを蓋の底面の内側平面と等しくしたこと、を特徴とする前記の缶によっても達成できる。
更にまた、本発明の前記の目的は、
前記台部が、所定の高さを有する部材を蓋の底面の外面側に取り付けてなること、を特徴とする前記の缶によっても達成できる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の詳細を説明する。
図1は本発明に係る缶の一実施例を示す立体構成断面図、図2は図1に示した缶の封止状態を示す部分断面図、図3は図2に示した本体部と蓋の結合状態を示す部分拡大断面図である。
まず、図1について説明する。
図中、1は缶、10は本体、20は蓋、30は内蓋である。
【0006】
本体10は、円筒状の胴部材11と、プルタブ12aを有し、胴部材11の一端を閉鎖する底板12とからなる。
底板12は、例えば従来の二重巻き締め機等によって胴部材11の一端に取り付けられたセーフティーアルミトップである。
胴部材11の他の一端には、その開口縁に沿って、開口周縁部を内側に丸く巻き込んでなる円環状の蓋取付座11aが形成される。
蓋20は、円盤状の底面20aと、短円筒状の胴部20bと、ストッパー20cと、台部20dと、充填材20eと、凸条20fとからなる。
【0007】
胴部20bは、底面20aの周縁に沿って形成されるものであって、その外径が蓋取付座11aの内径と略等しく、本体10の蓋取付座11aに緊密に嵌まり得る。
ストッパー20cは、胴部20bの自由端側の周縁部を外側に丸く巻き込んでなる。
凸条20fは、胴部20bの底面20a側の縁に沿って、蓋20の嵌め込みに支障が生じない程度に胴部20bの外側に向けて膨出するよう設けられるものである。
【0008】
台部20dは、蓋20を缶1の外側に向けて円柱状に膨らませてなるものであり、その高さが胴部20bの高さと等しい。
この台部20dの内側の凹みには、その表面の最高部の高さが底面20aの内側平面と略同一になるよう充填材20eが充填されている。
この充填材20eは、台部20dの内側の凹みに発泡樹脂等を直接流し込んでなるものである。
内蓋30は、可撓性のある素材を成形して得られるものであって、その外径が本体10の胴部材11の内径と略等しい円盤状の部材であり、補強のためにその周縁に沿った所定領域が鋭角に折り曲げられている。
【0009】
上記の缶1を用いて所望の物品を缶詰にするときは、本体10をその開口が上を向くよう置き、所望の物品に天地があるときには、底板12側に物品の天が位置するようその本体10内にその物品を投入する。
そして、図2に示したように、内蓋30の周縁が本体10の蓋取付座11aに引っかかるよう内蓋30を本体10内に押し込み、その開口を内蓋30で塞ぐ。
最後に、本体10の開口に蓋20を底面20a側からパチンとなるまで強く押し込む。
このとき、本体10と蓋20は、図2及び図3に示したように、蓋20の凸条20fが本体10の蓋取付座11aを越えて缶1の内側に入って引っ掛かり、蓋20のストッパー20cが本体10の蓋取付座11aに圧着され、両者は強固に結合する。
【0010】
この缶1においては、本体10に蓋20を押し込むだけで簡単に所望の物品を缶詰にすることができ、また、ぬいぐるみのようなかさばる物品を缶詰にする際に、本体10にそのような物品を押し込んだとき、内蓋30を使用すれば、その物品が本体10の外へ飛び出すことを防ぐことができるので、本体10に蓋20を簡単に嵌め込むことができる。
【0011】
また、本発明においては、蓋20を本体10に押し込むだけで缶詰にできるため、この缶1の封止を機械的に行なう場合には、その装置の構造を極めて単純なものとすることができる上、一台の装置で様々な大きさ、形状の缶でも封止できるようになり、利用者のニーズに応じたバラエティーに富んだ缶詰用の缶を提供できるようになる。
また、蓋20には台部20dが設けられているため、蓋20を整然と積み重ねることができ、さらに、積み重ねられた蓋20が嵌合し合うことがないので、その最下段の一枚だけを容易に抜き取ることが可能である。
このため、缶詰作業を機械的に行なう場合には、その缶詰装置内に多数の蓋20を積み重ねてストックしておき、利用者が物品を投入し、缶詰装置の所定位置にセットされた本体10に、蓋20を一枚ずつ自動的に繰り出すことができるようになる。
【0012】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
例えば、台部は蓋の底面の外面側に所要の高さの部材を取り付けて設けるようにしてもよく、また、その形状は環状であってもよく、また、その位置も蓋の中央でなくてもよい。
また、台部の凹みには、充填材に変えてその形状にあわせて予め成形されている部材を押し込むようにしたり、その開口部を封止し得る小蓋を取りつけるようにしてもよく、これらの場合、缶詰の魅力を高めるために、その凹み内にくじ札や占いが記された紙を投入しておくようにしてもよく、さらに、台部の凹みに小蓋を被せる場合は、その内部に景品を入れておくようにしてもよい。
【0013】
また、内蓋には少なくとも一部にメッシュを設けたり、スリットを設けたり、周縁の一部に切り欠きを設けてもよく、また、その形状は充分な強度を得られるならばどのようなものであってもよく、さらに、内蓋は被包装物によっては設けなくてもよい。
また、蓋の少なくとも一部に剥離可能なテープによって封止されている通気孔を設け、例えばポプリのような香りのある物品を缶詰にしたときに、必要に応じてそのテープを剥がし、缶内部の香りが缶の外に漏れるようにしてもよい。
【0014】
また、内蓋と缶詰にされる物品との間にコイルスプリングのような弾性体を仕込んでおき、缶が開封されたときに物品が飛び出すようにしてもよく、この場合、物品と弾性体の間に板状の部材を挟むように設け、弾性体が物品に食い込まないようにすることが推奨される。
さらに、缶及びその各部の形状、構造等は本発明の目的の範囲内で自由に設計変更できるものであり、本発明は上記の説明から当業者が容易に想到し得る総ての変更実施例を包摂するものである。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る缶は上記のように構成されるので、本発明によるときは、消費者は購買意欲を掻き立てられ、積極的に利用するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る缶の一実施例を示す立体構成断面図である。
【図2】図1に示した缶の封止状態を示す部分断面図である。
【図3】図2に示した本体部と蓋の結合状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 缶
10 本体
11a 蓋取付座
11 胴部材
12 底板
12a プルタブ
20 蓋
20a 底面
20b 胴部
20c ストッパー
20d 台部
20e 充填材
20f 凸条
30 内蓋
Claims (9)
- 蓋(20)と、
略筒状の胴部材(11)の一端の開口縁に沿って蓋取付座(11a)を設け、他の一端をプルタブ(12a)を有する底板(12)により閉鎖してなる本体(10)とからなる缶(1)において、
胴部材(11)に設ける蓋取付座(11a)は、胴部材(11)の開口周縁部を内側に丸く巻き込んで円環状に形成されており、
蓋(20)は、底面(20a)の周縁に、上記円環状の蓋取付座(11a)の内側に嵌入される短い筒状の胴部材(20b)を形成し、その胴部材(20b)の自由端側周縁部を外側に丸く巻き込んで本体(10)の円環状の蓋取付座(11a)に圧着され得る環状のストッパー(20c)を形成してなると共に、
蓋(20)の底面(20a)の外面側の少なくとも一部に、高さが胴部材(20b)の高さと等しい台部(20d)を設け、
当該台部(20d)は、蓋(20)の底面(20a)の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部(20d)の内側には充填材(20e)を充填し、当該充填材の内側表面(20g)の高さを蓋の底面(20a)の内側平面(20h)と等しくしたこと、
を特徴とする上記の缶。 - 蓋(20)と、
略筒状の胴部材(11)の一端の開口縁に沿って蓋取付座(11a)を設け、他の一端をプルタブ(12a)を有する底板(12)により閉鎖してなる本体(10)とからなる缶(1)において、
胴部材(11)に設ける蓋取付座(11a)は、胴部材(11)の開口周縁部を内側に丸く巻き込んで円環状に形成されており、
蓋(20)は、底面(20a)の周縁に、上記円環状の蓋取付座(11a)の内側に嵌入される短い筒状の胴部材(20b)を形成し、その胴部材(20b)の自由端側周縁部を外側に丸く巻き込んで本体(10)の円環状の蓋取付座(11a)に圧着され得る環状のストッパー(20c)を形成してなると共に、
蓋(20)の底面(20a)の外面側の少なくとも一部に、高さが胴部材(20b)の高さと等しい台部(20d)を設け、
当該台部(20d)は、蓋(20)の底面(20a)の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部の内側には、その内部に嵌まり得るよう予め成形された部材を嵌め込み、当該嵌込み部材の内側表面の高さを蓋の底面(20a)の内側平面(20h)と等しくしたこと、
を特徴とする上記の缶。 - 蓋(20)と、
略筒状の胴部材(11)の一端の開口縁に沿って蓋取付座(11a)を設け、他の一端をプルタブ(12a)を有する底板(12)により閉鎖してなる本体(10)とからなる缶(1)において、
胴部材(11)に設ける蓋取付座(11a)は、胴部材(11)の開口周縁部を内側に丸く巻き込んで円環状に形成されており、
蓋(20)は、底面(20a)の周縁に、上記円環状の蓋取付座(11a)の内側に嵌入される短い筒状の胴部材(20b)を形成し、その胴部材(20b)の自由端側周縁部を外側に丸く巻き込んで本体(10)の円環状の蓋取付座(11a)に圧着され得る環状のストッパー(20c)を形成してなると共に、
蓋(20)の底面(20a)の外面側の少なくとも一部に、高さが胴部材(20b)の高さと等しい台部(20d)を設け、
当該台部(20d)は、蓋(20)の底面(20a)の少なくとも一部を外面側へ向けて膨出加工して成り、
台部の内側開口部に小蓋を被せ、当該小蓋の内側表面の高さを蓋(20)の底面(20a)の内側平面(20h)と等しくしたこと、
を特徴とする上記の缶。 - 台部の内側にくじ札を投入しておくことを特徴とする請求項3に記載の缶。
- 台部の内側に景品を投入しておくことを特徴とする請求項3に記載の缶。
- 蓋(20)と、
略筒状の胴部材(11)の一端の開口縁に沿って蓋取付座(11a)を設け、他の一端をプルタブ(12a)を有する底板(12)により閉鎖してなる本体(10)とからなる缶(1)において、
胴部材(11)に設ける蓋取付座(11a)は、胴部材(11)の開口周縁部を内側に丸く巻き込んで円環状に形成されており、
蓋(20)は、底面(20a)の周縁に、上記円環状の蓋取付座(11a)の内側に嵌入される短い筒状の胴部材(20b)を形成し、その胴部材(20b)の自由端側周縁部を外側に丸く巻き込んで本体(10)の円環状の蓋取付座(11a)に圧着され得る環状のストッパー(20c)を形成してなると共に、
蓋(20)の底面(20a)の外面側の少なくとも一部に、高さが胴部材(20b)の高さと等しい台部を設け、
当該台部が、所定の高さを有する部材を蓋の底面の外面側に取り付けてなること、
を特徴とする上記の缶。 - 蓋の少なくとも一部に、缶の内外に連通し、かつ、缶の外側から剥離可能なテープによって封止されている通気孔を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の缶。
- 本体(10)に物品を投入した後にその開口の少なくとも一部を塞ぐように本体(10)内部に嵌められ、周縁の少なくとも一部が本体(10)の蓋取付座(10a)に引っかかって物品と蓋(20)とを仕切る内蓋(30)を具備する請求項1ないし6のいずれか一に記載の缶(1)。
- 内蓋と物品との間に、缶の底板のプルタブが引かれ、缶が開封されたときに、物品を缶の外に押し出し得るよう作用する弾性体が設けられる請求項8に記載の缶。
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1998
- 1998-08-04 JP JP22018498A patent/JP3928831B2/ja not_active Expired - Fee Related
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