JP3927264B2 - トルク一定同期駆動制御装置 - Google Patents

トルク一定同期駆動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トルク一定同期駆動制御装置に関し、さらに詳しくは、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら、そのトルク制御軸をメイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来のトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した例を示している。この給材機付き自動旋盤は、ワークWを固定してワークWを回転駆動させる主軸1を有する主軸台2と、主軸台2をX軸方向に移動させるメインX軸送りねじ3を回転駆動するメインX軸サーボモータ4と、メインX軸サーボモータ4の位置検出器5によりメインX軸の位置データを入力してメインX軸サーボモータ4の駆動を制御し、主軸台2の位置制御と速度制御をフィードバック式に行うメイン制御装置6と、サブX軸送りねじ7によりX軸方向に駆動されてワークWを主軸1に供給し、ワーク加工中にワークWを主軸1に押し付けるX軸方向の一定負荷をワークWに与える給材機8と、サブX軸送りねじ7を回転駆動するサブX軸サーボモータ10と、設定トルクに応じてサブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、給材機8がワークWに一定負荷を与えるようにトルク制御を行うトルク制御装置11とを有している。
【0003】
この例では、メインX軸送りねじ3がメイン制御軸であり、サブX軸送りねじ7がメイン制御軸と同期駆動するトルク制御軸である。
【0004】
上述のような給材機付き自動旋盤においては、給材機8によって供給されたワークWは主軸1に固定されて回転しながら、主軸台2によってX軸方向に移動しながら、刃物台の工具(図示省略)により旋削加工される。
【0005】
このとき、メイン制御装置6はワークWを加工するために主軸台2をX軸方向に位置制御し、トルク制御装置11は、ワーク加工中に給材機8がワークWに一定負荷を与えるようにトルク一定制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトルク一定同期制御は、同期制御と云っても、トルク制御装置11が主軸台2のX軸方向移動の制御と連繋を取らずにトルク一定制御のみを行っているだけであり、給材機8をワークWに押し付ける結果として、負荷トルクに応じてメイン制御装置6との同期運転を行うに過ぎない。
【0007】
このため、加減速時等、トルク制御装置11による給材機8の動きがメイン制御装置6による主軸台2の動きに追従できない場合には、ワークWの押し付け負荷が一定とならず、押し付け負荷不足でワークWの抜け落ちが発生すると、トルク一定制御は生きているために給材機8が主軸台2に衝突してしまう。また、押し付け負荷過大では、ワークWに過大な軸力が作用し、ワークWが変形してしまう可能性があった。
【0008】
図21は、加減速時のワーク負荷変動の様子を示している。図21に示されているように、メインX軸速度ωmとサブX軸速度ωtとが一致していても、加減速時にはワーク負荷トルクTL が変動し、設定トルクT* よりずれてしまう。
【0009】
この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、加減速時にもワークに対しトルク制御軸によって一定負荷を与え、メイン制御軸に対するトルク制御軸の同期制御を高精度に行うトルク一定同期駆動制御装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、前記速度データ入力手段が入力した前記メイン制御軸の速度データから加速度を検出する加速度検出手段と、設定トルク指令に前記加速度検出手段により検出された加速度に応じた成分を加えて前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段と具備しているものである。
【0011】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、同期運転パターンとなるメイン制御軸の速度データを速度データ入力手段より入力し、加速度検出手段によりその速度データから加速度を検出し、トルク制御手段が検出された加速度より同期運転に必要な加速トルクを設定トルク指令にたしあわせることで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0012】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、前記速度データ入力手段が入力した前記メイン制御軸の速度データから加速度を検出する加速度検出手段と、前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、設定トルク指令に前記加速度検出手段により検出された加速度に応じた成分と前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクとを加減算して前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段とを具備しているものである。
【0013】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、同期運転パターンとなるメイン制御軸の速度データを速度データ入力手段より入力し、加速度検出手段によりその速度データから加速度を検出し、外乱オブザーバによってトルク制御軸に作用する負荷トルクを推定し、トルク制御手段が検出された加速度を同期運転に必要な加速トルクと、外乱オブザーバにより推定した負荷トルクとを、設定トルク指令に加減算することで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0014】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式により行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、設定トルク指令から生成される設定トルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が生成する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段とを具備しているものである。
【0015】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、トルク制御軸の位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系にメイン制御軸と同じ位置指令を入力し、フィードバック制御系により出力される同期運転に必要な電流指令に、設定トルク電流指令をたしあわせることで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0016】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、設定トルク指令を前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクにより補正したトルク指令から生成されるトルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が生成する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段とを具備しているものである。
【0017】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、トルク制御軸の位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系にメイン制御軸と同じ位置指令を入力し、フィードバック制御系により出力される同期運転に必要な電流指令に、外乱オブザーバにより推定した負荷トルクに設定トルク指令を加えて生成したトルク電流指令をたしあわせることで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0018】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、設定トルク指令を前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクにより補正したトルク指令から生成されるトルク電流指令に比例・積分制御を行い、比例・積分制御されたトルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が決定する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段とを具備しているものである。
【0019】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、トルク制御軸の位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系にメイン制御軸と同じ位置指令を入力し、フィードバック制御系により出力される同期運転に必要な電流指令に、外乱オブザーバにより推定した負荷トルクに設定トルク指令を加えて生成したトルク電流指令にPI制御(比例・積分制御)をかけた信号をたしあわせることで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0020】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置において、前述のトルク一定同期駆動制御装置において、前記トルク制御軸フィードバック制御手段が比例・積分制御により速度制御を行うものである。
【0021】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、トルク制御軸フィードバック制御手段もPI制御を行い、PI制御による電流指令に、外乱オブザーバにより推定した負荷トルクに設定トルク指令を加えて生成したトルク電流指令にPI制御(比例・積分制御)をかけた信号をたしあわせることで、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0022】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、前記メイン制御軸に与える位置指令より設定トルク相当の位置変化分相違したトルク制御用位置指令を発生するトルク制御用位置指令発生手段と、前記トルク制御用位置指令発生手段が発生するトルク制御用位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段とを具備しているものである。
【0023】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、トルク制御軸の位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系に、メイン制御軸の位置指令より設定トルク相当の位置変化分多い位置指令を入力することにより、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0024】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、設定トルク指令により前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段と、前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、前記速度データ入力手段が入力した速度データにより前記トルク制御軸の速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸速度制御手段とを具備し、前記トルク制御軸の負荷トルクが設定トルクに到達するまでは前記トルク制御手段により前記トルク制御軸のトルク制御を行い、前記トルク制御軸の負荷トルクが設定トルクに到達以後は前記トルク制御軸速度制御手段により前記トルク制御軸の速度制御を行うものである。
【0025】
この発明によるトルク一定同期駆動制御装置では、同期運転パターンとなるメイン制御軸の速度データを速度データ入力手段より入力し、負荷トルクが設定トルクになった瞬間以後の速度入力データを、指令として速度制御を行うフィードバック制御系に入力することにより、負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行う。
【0026】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置は、前記速度データ入力手段が、前記メイン制御軸の位置検出器が出力する位置データを微分処理して速度データを得るもの、前記メイン制御軸の制御装置から速度データを入力するもの、前記メイン制御軸の制御装置に位置指令を与える数値制御装置より前記メイン制御軸の制御装置に与える位置指令を入力して前記メイン制御軸の制御装置のモデル推定出力から速度データを得るものの何れかである。
【0027】
このトルク一定同期駆動制御装置では、速度データ入力手段は、メイン制御軸の位置検出器が出力する位置データを微分処理、メイン制御軸の制御装置から速度データの入力、モデル推定出力の何れかにより、メイン制御軸の速度データを取得する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明するこの発明の実施の形態において、上述の従来例と同一構成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態1を示している。
【0030】
この実施の形態では、メイン制御装置6は数値制御装置12より位置指令を入力する。
【0031】
トルク制御装置20は、速度データ入力手段21と、加速度検出手段22と、トルク制御手段23とを含んでいる。
【0032】
メインX軸サーボモータ4の位置検出器5の信号線は分配され、メイン制御装置6の他に速度データ入力手段21に接続されている。
【0033】
速度データ入力手段21は、位置検出器5が出力するメインX軸(主軸台2)の位置データを微分処理により速度データに変換し、これを加速度検出手段22に入力する。
【0034】
加速度検出手段22は、速度データ入力手段21よりの速度データを微分処理することにより加速度データに変換し、これをトルク制御手段23に与える。
【0035】
トルク制御手段23は、設定トルク指令T* を与えられると共に加速度検出手段22により加速度データを入力し、メインX軸の加速度に応じて同期運転に必要な加速トルク指令を生成し、設定トルク指令T* に加速トルク指令を加えたトルク指令をもってサブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、トルク制御軸であるサブX軸のトルク制御を行う。
【0036】
上述のように、同期運転に必要な加速トルク指令を設定トルク指令T* にたしあわせることにより、トルク制御装置23は、過渡時を含めてメイン制御装置6の動きに追従できるトルク指令を与えられることになり、高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができるようになる。
【0037】
図2は、メイン制御軸(メインX軸)、トルク制御軸(サブX軸)の機械系が理想的である場合の実施の形態1の等価ブロック図を示している。図2において、Kpmはメイン制御装置6によるメインX軸系の位置ループゲインを、Kvm1+(Kvm2/S)はメインX軸系のPI速度制御による伝達関数を、KtmはメインX軸系のトルク定数を、JmはメインX軸系のイナーシャを、TmはメインX軸系の発生トルクを、ωmはメインX軸系速度をそれぞれ示している。なお、通常、メインX軸系速度は、上述のように比例制御(P制御)と積分制御(I制御)とを組み合わされたPI制御により行われる。
【0038】
また、Kttはトルク制御装置20によるサブX軸系のトルク定数を、JtはサブX軸系のイナーシャを、TtはサブX軸系の発生トルクを、ωtはサブX軸系の速度をそれぞれ示しており、KttnはサブX軸系のトルク定数のノミナル値、JttnはサブX軸系のイナーシャのノミナル値をそれぞれ示している。
【0039】
また、TL はワークWに加えられる負荷を発生する負荷トルクを示し、Sはラプラス演算子を示している。
【0040】
なお、図2では、加速度検出手段22を、速度データ入力手段21の出力を微分処理するものとして示しているが、ノイズや速度データ入力手段21の出力分解能を考慮し、系の応答性に影響を与えない程度にフィルタ処理を加えても同じ効果が得られる。
【0041】
図3は、実施の形態1における、メインX軸系速度ωm、サブX軸系の速度ωt、負荷トルクTL 、メインX軸系の発生トルクTm、サブX軸系の発生トルクTtの各波形を示している。
【0042】
この波形図から、加減速時にもワークWに概ね一定の負荷を与え、メイン制御軸(メイン軸)に対するトルク制御軸(サブX軸)の同期制御が高精度に行われることが分かる。
【0043】
図1に示されている実施の形態では、速度データ入力として、メインX軸サーボモータ4の位置検出器5の信号線を分配してトルク制御装置20に入力していたが、他の例として、図4に示されているように、メイン制御装置6にドライバ13を、トルク制御装置20にレシーバ24をそれぞれ設け、メイン制御装置6で得られるメインX軸系速度ωmのデータを、ドライバ13とレシーバ24によるデータ通信で、そのままトルク制御装置20に入力し、レシーバ24を速度データ入力手段としてもよい。
【0044】
また、これ以外に、図5に示されているように、トルク制御装置20の速度データ入力手段25は、数値制御装置12からメイン制御装置6に与える位置指令と同じ位置指令を入力してメイン制御装置6のモデル推定出力から速度データを得るもので構成することもできる。
【0045】
(実施の形態2)
図6は、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態2を示している。なお、図6に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0046】
この実施の形態では、トルク制御装置20は、速度データ入力手段21、加速度検出手段22、トルク制御手段23に加えて外乱オブザーバ26を有している。
【0047】
主軸1に固定されたワークWが給材機8に接しているときに、軸の剛性を十分に高くできない場合には、軸ねじり振動が発生する。外乱オブザーバ26は、この共振機械系により、トルク制御軸であるサブX軸サーボモータ10に作用する負荷トルクを推定する。
【0048】
トルク制御手段23は、設定トルク指令T* に、加速度検出手段22により検出された加速度に応じた成分と、外乱オブザーバ26により推定された推定負荷トルクとを加減算したトルク指令をもってサブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、トルク制御軸であるサブX軸のトルク制御を行う。
【0049】
図7は、メイン制御軸(メインX軸)とトルク制御軸(サブX軸)の共振機械系を2慣性系とした場合の実施の形態2の等価ブロック図である。なお、図7における各記号は図2における記号と同一である。
【0050】
図7に示されている2慣性系において、Tm、Jm、Tt、Jt、Kは、メイン制御装置6のイナーシャ、メイン制御装置6の発生トルク、トルク制御装置20の発生トルク、トルク制御装置20のイナーシャ、軸ばね定数をそれぞれ示している。
【0051】
トルク制御装置20内の外乱オブザーバ26は、自己の電流指令と速度ωtを入力し、推定発生トルクTtnと推定加減速トルクTanの差をフィルタを通して複雑に変動する負荷トルクTL を推定する。ここで、gは外乱オブザーバゲインと呼ばれる。
【0052】
外乱オブザーバ26により推定した負荷トルクをキャンセルするように、設定トルク指令の2倍と加速度検出手段22の出力からの必要加速トルク指令の和より推定負荷トルクを引き去ることで、軸ねじれがある複雑な系に対しても、高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができる。
【0053】
なお、図7において、設定トルク指令直後の2倍処理を示すブロックは、外乱オブザーバ26により消されてしまうトルクの補正処理である。
【0054】
図8は、実施の形態2における、メインX軸系速度ωm、サブX軸系の速度ωt、負荷トルクTL 、メインX軸系の発生トルクTm、サブX軸系の発生トルクTtの各波形を示している。
【0055】
なお、実施の形態2でも、速度データ入力手段として、上述の図4、図5に示されているものを用いることができ、この場合も同じ効果が得られる。
【0056】
(実施の形態3)
図9は:この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態3を示している。なお、図9に於いても、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0057】
トルク制御装置20は、トルク制御軸フィードバック制御手段27と、トルク制御手段28とを含んでいる。
【0058】
トルク制御軸フィードバック制御手段27は、メイン制御軸であるメインX軸に与える位置指令と同じ位置指令を数値制御装置12より入力し、サブX軸サーボモータ10の位置検出器29よりサブX軸の位置データを入力し、トルク制御軸であるサブX軸の位置制御および速度制御をフィードバック方式にて行う。
【0059】
トルク制御手段28は、設定トルク指令T* から生成される設定トルク電流指令にトルク制御軸フィードバック制御手段27が生成する電流指令を加えた指令で、サブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、サブX軸のトルク制御を行う。
【0060】
図10は、メイン制御軸(メインX軸)、トルク制御軸(サブX軸)の機械系が理想的である場合の実施の形態3の等価ブロック図を示している。なお、図10における各記号は図2における記号と同一である。図10において、Kptはトルク制御軸フィードバック制御手段27の位置ループゲインを、Kvtはトルク制御軸フィードバック制御手段27の速度ループゲインを示している。
【0061】
なお、トルク制御装置20は、定常時のトルクが速度制御ループのPI制御により補正されないように、速度制御伝達関数を単にKvtの比例制御ゲインとしている。即ち、この実施の形態でのトルク制御軸フィードバック制御手段27の速度制御は比例制御だけになっている。
【0062】
この実施の形態3では、トルク制御装置20に、位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、メイン制御軸(メイン制御軸)と同じ位置指令が入力されると、速度制御出力(図10のKvtの出力)は、機械系が理想的である場合には同期運転に必要な加速トルク電流指令となる。設定トルク指令T* をトルク定数ノミナル値Kttnで割った設定トルク電流指令に上述の加速トルク電流指令をたしあわせることにより、高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができる。
【0063】
この実施の形態におけるメインX軸系速度ωm、サブX軸系の速度ωt、負荷トルクTL 、メインX軸系の発生トルクTm、サブX軸系の発生トルクTtの各波形は、図3に示されているものと同等のものになる。
【0064】
また、トルク制御装置20に位置制御、速度制御を行うフィードバックループが組まれていることから、機械系が理想とは多少異なっていたり、外乱があっても、フィードバック制御により影響を抑制でき、ワークWが抜け落ちても給材機8が主軸1に衝突することを回避できる。
【0065】
なお、この実施の形態は、メイン制御装置6と同じトルク制御装置20を用いて、設定トルク指令が入力できるようにすれば、簡単に実現できる。
【0066】
(実施の形態4)
図11はこの発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態4を示している。なお、図11に於いて、図9に対応する部分は図9に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0067】
この実施の形態では、トルク制御装置20は、トルク制御軸フィードバック制御手段27、トルク制御手段28に加えて外乱オブザーバ26を有している。
【0068】
外乱オブザーバ26は、実施の形態2におけるものと同じものであり、主軸1に固定されたワークWが給材機8に接しているとき、軸の剛性を十分に高くできないことから、軸ねじり振動を発生する共振機械系によって、トルク制御軸であるサブX軸サーボモータ10に作用する負荷トルクを推定する。
【0069】
トルク制御手段28は、設定トルク指令T* を外乱オブザーバ26により推定された推定負荷トルクにより補正し、補正後の設定トルク指令から生成されるトルク電流指令にトルク制御軸フィードバック制御手段27が生成する電流指令を加えた指令で、サブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、サブX軸のトルク制御を行う。
【0070】
図12は、メイン制御軸(メインX軸)とトルク制御軸(サブX軸)の共振機械系を2慣性系とした場合の実施の形態4の等価ブロック図である。なお、図12における各記号は図7における記号と同一である。
【0071】
この実施の形態でも、トルク制御装置20に、位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、メイン制御軸と同じ位置指令が入力されると速度比例制御出力(図12のKvtの出力)は、機械系が理想的である場合には同期運転に必要な加速トルク電流指令となる。
【0072】
この実施の形態では、外乱オブザーバ26が推定負荷トルクを出力し、外乱オブザーバ26により推定した負荷トルクをキャンセルするように、設定トルク指令T* の2倍から推定負荷トルクを差し引いて作成したトルク電流指令を、速度制御出力、すなわち同期運転に必要なトルク電流指令にたしあわせることにより、高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができる。
【0073】
この実施の形態によれば、機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用のある位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系に、外乱オブザーバ26を付加することで、機械系があいまいでも、また外乱があっても負荷トルクを徹底してキャンセルし、同期運転時に設定トルク指令T* による負荷を高精度にワークWに与えることができる。
【0074】
なお、この実施の形態におけるメインX軸系速度ωm、サブX軸系の速度ωt、負荷トルクTL 、メインX軸系の発生トルクTm、サブX軸系の発生トルクTtの各波形は、図8に示されているものと同等のものになり、負荷トルクTL の変動は図8に示されているものより少ないものになる。
【0075】
また、この実施の形態では、トルク制御装置20に位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、実施の形態3における場合と同様に、ワークWが抜け落ちても給材機8が主軸1に衝突することを回避できる。
【0076】
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態4の変形例であり、実施の形態4との相違点は、図13に示されているように、トルク制御軸フィードバック制御手段27の速度制御が、Kvt1+(Kvt2/S)で表される速度制御伝達関数をもって、比例制御と積分制御との組み合わせである比例・積分制御(PI制御)により行われる。
【0077】
また、設定トルク指令T* から外乱オブザーバ26により推定された推定負荷トルクを差し引いて作成されたトルク電流指令は、トルク制御手段28において、Kt1+(Kt2/S)で表される速度制御伝達関数をもって比例・積分制御され、トルク制御手段28は、比例・積分制御されたトルク電流指令とトルク制御軸フィードバック制御手段27が決定する電流指令とを加算した電流指令により、サブX軸サーボモータ10の駆動を制御し、サブX軸のトルク制御を行う。
【0078】
この実施の形態では、トルク制御軸フィードバック制御手段27の速度制御伝達関数をメイン制御装置6と同様にPI制御とし、速度フィードバックループによる機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱除去作用を強化している。
【0079】
また、外乱オブザーバ26により推定した負荷トルクをキャンセルするように、設定トルク指令T* から推定負荷トルクを差し引いて作成したトルク電流指令にPI制御をかけることにより、わずかな負荷トルク変動が発生しても、負荷トルクが設定トルク指令に追従する。
【0080】
以上のように、この実施の形態では、トルク制御軸側の速度制御およびトルク電流指令制御にPI制御を用いることにより、機械系があいまいでも、また外乱があっても、負荷トルクの変動を実施の形態4よりも徹底してキャンセルするから、同期運転時に設定トルク指令による負荷をさらに高精度にワークWに与えることができる。
【0081】
この実施の形態における負荷トルクTL は図8に示されているものより変動が少ない波形となる。
【0082】
また、この実施の形態でも、位置制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、ワークWが抜け落ちても給材機8が主軸1に衝突することを回避できる。
【0083】
(実施の形態6)
図14は、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態6を示している。なお、図14に於いて、図9に対応する部分は図9に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0084】
この実施の形態では、トルク制御装置20は、トルク制御用位置指令発生手段30と、トルク制御軸フィードバック制御手段31とを含んでいる。
【0085】
トルク制御用位置指令発生手段30は、メイン制御軸であるメインX軸に与える位置指令より設定トルク相当の位置変化分相違したトルク制御用位置指令を発生するものであり、数値制御装置12に与える位置指令と同じ位置指令を数値制御装置12より入力し、この位置指令に設定トルク相当の位置変化分を加算してトルク制御用位置指令を作成する。
【0086】
トルク制御軸フィードバック制御手段31は、トルク制御用位置指令発生手段30が発生するトルク制御用位置指令を入力し、位置検出器29よりサブX軸の位置データを入力し、トルク制御軸であるサブX軸の位置制御および速度制御をフィードバック方式にて行う。
【0087】
図15は、メイン制御軸(メインX軸)とトルク制御軸(サブX軸)の共振機械系を2慣性系とした場合の実施の形態6の等価ブロック図である。なお、図15における各記号は図7における記号と同一である。図15において、θmrはメイン制御装置6の位置指令を、θtrはトルク制御装置20の位置指令を、Δθrは設定トルク相当の位置変化分をそれぞれ示しており、θtr=θmr+Δθrである。
【0088】
互いに同じ構成のメイン制御装置6とトルク制御装置20とを使用して、同じ制御を実施すると、両制御装置の位置出力は一致する。
【0089】
従って、メイン制御装置6に入力する位置指令θmrより、ある位置偏差Δθrずれた位置指令θtrをトルク制御装置20のトルク制御軸フィードバック制御手段31に入力すると、トルク制御装置20は、その指令位置偏差Δθr分ずれてメイン制御装置6に追従する。
【0090】
この場合の負荷トルクは、2慣性系では、メイン制御装置6側のサーボモータ4とトルク制御装置20側のサーボモータ10の角度差(位置誤差)に軸ばね定数Kをかけた値となる。
【0091】
そこで、メイン制御装置6に対する位置指令θmrに対し、位置指令θmrに負荷トルク相当の位置偏差(位置変化分)Δθrを加えた位置指令θtrをトルク制御装置20のトルク制御軸フィードバック制御手段31に出力することにより、同期運転時にも負荷トルクを簡単に一定に保つことができる。
【0092】
印加負荷トルクは、位置検出器の分解能によって設定トルク指令との誤差を持ってしまうが、メイン制御装置6、トルク制御装置20ともに位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられていることにより、ある程度、機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用もある。
【0093】
また、位置指令でトルク制御装置20が動作するため、ワークWが抜け落ちても給材機8が主軸1に衝突することを回避できる。
【0094】
図16は、この実施の形態におけるメインX軸系の位置指令θmr、サブX軸系の位置指令θtr、メインX軸系速度ωm、サブX軸系の速度ωt、負荷トルクTL 、メインX軸系の発生トルクTm、サブX軸系の発生トルクTtの各波形を示している。
【0095】
この波形図から、加減速時にもワークWに概ね一定の負荷を与え、メイン制御軸(メイン軸)に対するトルク制御軸(サブX軸)の同期制御が高精度に行われることが分かる。
【0096】
なお、トルク制御用位置指令発生手段30と等価のものを数値制御装置12に設けることにより、位置指令θtrを数値制御装置12より入力することも可能である。
【0097】
(実施の形態7)
図17は、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態7を示している。なお、図17に於いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0098】
この実施の形態では、トルク制御装置20は、速度データ入力手段21と、トルク制御手段32と、トルク制御軸速度制御手段33と、スイッチ回路34とを含んでいる。
【0099】
速度データ入力手段21は、実施の形態1におけるものと同じものであり、メインX軸サーボモータ4の位置検出器5が出力するメインX軸(主軸台2)の位置データを微分処理により速度データに変換する。なお、この実施の形態でも、速度データ入力手段21は、上述の図4、図5に示されているものであってもよい。
【0100】
トルク制御手段32は、従来のものと同等に、設定トルク指令T* によりトルク制御軸であるサブX軸のトルク制御を行う。
【0101】
トルク制御軸速度制御手段33は、速度データ入力手段21が入力した速度データによりトルク制御軸(サブX軸)の速度制御をフィードバック式に行う。
【0102】
トルク制御手段32とトルク制御軸速度制御手段33とは、スイッチ回路34により相反する関係で、何れか一方が選択される。
【0103】
このトルク制御装置20では、トルク制御軸の負荷トルクが設定トルクに到達するまではスイッチ回路34がa側(図18参照)に切り替わっていることにより、トルク制御手段32によりトルク制御軸のトルク制御が行われ、トルク制御軸の負荷トルクが設定トルクに到達以後は、スイッチ回路34がb側(図18参照)に切り替ることにより、トルク制御軸速度制御手段33によりトルク制御軸の速度制御が行われる。
【0104】
図18は、実施の形態7の等価ブロック図である。なお、図18における各記号は図2、図7における記号と同一である。
【0105】
図19は、この実施の形態の動作を説明するタイムチャートおよび各部波形である。主軸台2が位置指令により停止状態のまま、トルク制御装置20に設けられているスイッチ回路34がa側にオンされた状態で、時刻Aにおいて動作を開始すると、トルク制御手段32による制御によって、先ず加速して給材機8がワークWを主軸1に接触させ、さらに設定トルク指令T* にてワークwを押し当てる。
【0106】
トルク制御装置20は、発生トルクTL が設定トルクT* と一致したと検出した瞬間の時刻Bに、スイッチ回路34をb側にオンし、トルク制御軸速度制御手段33が動作して速度制御ループを形成する。
【0107】
この後、メイン制御装置6が加減速運転すると、速度データ入力手段21からの速度指令によりトルク制御軸速度制御手段33によって同期運転が行われるため、メイン制御装置6とトルク制御装置20とは、設定トルク相当の相対位置誤差を保ち続けることができる。従って、同期運転時においても負荷トルクを簡単に一定に保つことができる。
【0108】
また、トルク制御装置20にはトルク制御軸速度制御手段33によって速度制御を行うフィードバックループが設けられていることにより、ある程度機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用があり、速度指令でトルク制御装置20が動作するため、ワークWが抜け落ちても給材機8が主軸1に衝突することも回避できる。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、速度データ入力手段、加速度検出手段からの同期運転に必要な加速トルク分を設定トルク指令にたしあわせることにより、加減速時でも高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができる。
【0110】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、速度データ入力手段、加速度検出手段からの同期運転に必要な加速トルク分を設定トルク指令にたしあわせ、さらに外乱オブザーバにより不要な負荷トルクを推定して減算することにより、より一層高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができ、特に機械系が理想的で無く軸ねじり振動が発生するような場合に、顕著な効果が得られる。
【0111】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、トルク制御軸の位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系にメイン制御軸のメイン制御装置と同じ位置指令を入力することにより、自己ループで同期運転に必要な加速トルク電流指令を作成でき、設定トルク指令による設定トルク電流指令と加速トルク電流指令をたしあわせることにより、加減速時を含めて高精度に負荷トルクを一定に保ちながら同期運転を行うことができる。またこのトルク一定同期駆動制御装置は、メイン制御装置と同じ構成のトルク制御装置を用いて設定トルク指令が入力できるようにすれば、簡単に実現できる。
【0112】
さらに、このトルク一定同期駆動制御装置によれば、フィードバックループが組まれていることから、機械系が理想とは多少異なっていたり外乱があっても、フィードバック制御により影響を抑制でき、また、ワークが抜け落ちても給材機が主軸に衝突することを回避できる。
【0113】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用のある位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系に、外乱オブザーバを付加することで、機械系があいまいでも、また外乱があっても負荷トルクを徹底してキャンセルし、同期運転時に設定トルク指令による負荷を高精度にワークに与えて同期運転することができる。また、このトルク一定同期駆動制御装置では、位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、ワークが抜け落ちても給材機が主軸に衝突することを回避できる。
【0114】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用のある位置制御、速度制御を行うフィードバック制御系に、外乱オブザーバを付加し、設定トルク指令から外乱オブザーバが推定した負荷トルクを差し引いて生成されたトルク電流指令にPI制御をかけてから、制御ループの電流指令にたしこむことで、機械系があいまいでも、また外乱があっても負荷トルクをさらに徹底してキャンセルし、同期運転時に設定トルク指令による負荷を高精度にワークに与えて同期運転することができる。また、このトルク一定同期駆動制御装置でも、位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられたことにより、ワークが抜け落ちても給材機が主軸に衝突することを回避できる。
【0115】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、さらに、フィードバック制御系の速度制御もPI制御とするため、加減速時を含めて同期運転時に設定トルク指令による負荷をより一層高精度にワークに与えて同期運転することができる。
【0116】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、トルク制御装置にメイン制御装置と同様に位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられ、メイン制御軸であるメイン制御装置に与える位置指令より設定トルク相当の位置変化分多い位置指令を入力するため、メイン制御軸間は、設定トルク相当の相対位置誤差を保ち続けることができ、同期運転時においても負荷トルクを簡単に一定に保つことができる。
【0117】
また、このトルク一定同期駆動制御装置では、位置制御、速度制御を行うフィードバックループが設けられていることにより、機械系が理想とは多少異なっていたり外乱があっても、フィードバック制御により影響を抑制でき、またワークが抜け落ちても給材機が主軸に衝突することを回避できる。
【0118】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、発生トルクが設定トルクと一致した瞬間以後に速度制御ループを形成し、速度データ入力手段からのメイン制御軸速度データを速度制御ループに入力することにより、設定トルク相当の相対位置偏差を保ち続けることができるから、同期運転時においても負荷トルクを簡単に一定に保つことができる。また、このトルク一定同期駆動制御装置には速度制御を行うフィードバックループが設けられていることにより、ある程度機械系を含めたシステムパラメータの変動や外乱の除去作用もあり、また速度指令でトルク制御装置が動作するため、ワークが抜け落ちても給材機が主軸に衝突することを回避できる。
【0119】
つぎの発明によるトルク一定同期駆動制御装置によれば、速度データ入力手段は、メイン制御軸の位置検出器が出力する位置データを微分処理、メイン制御軸の制御装置から速度データの入力、モデル推定出力の何れかにより、メイン制御軸の速度データを確実に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態1を示す構成図である。
【図2】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態1の等価ブロック図である。
【図3】 実施の形態1における各部の波形を示す波形図である。
【図4】 速度データ入力手段の他の例を示す構成図である。
【図5】 速度データ入力手段の他の例を示す構成図である。
【図6】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態2を示す構成図である。
【図7】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態2の等価ブロック図である。
【図8】 実施の形態2における各部の波形を示す波形図である。
【図9】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態3を示す構成図である。
【図10】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態3の等価ブロック図である。
【図11】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態4、5を示す構成図である。
【図12】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態4の等価ブロック図である。
【図13】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態5の等価ブロック図である。
【図14】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態6を示す構成図である。
【図15】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態6の等価ブロック図である。
【図16】 実施の形態1における各部の波形を示す波形図である。
【図17】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した実施の形態7を示す構成図である。
【図18】 この発明によるトルク一定同期駆動制御装置の実施の形態7の等価ブロック図である。
【図19】 実施の形態7における各部の波形を示す波形図である。
【図20】 従来におけるトルク一定同期駆動制御装置を給材機付き自動旋盤に適用した例を示す構成図である。
【図21】 従来におけるトルク一定同期駆動制御装置における各部の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 主軸,2 主軸台,3 メインX軸送りねじ,4 メインX軸サーボモータ,5 位置検出器,6 メイン制御装置,7 サブX軸送りねじ,8 給材機,10 サブX軸サーボモータ,12 数値制御装置,13 ドライバ,20 トルク制御装置,21 速度データ入力手段,22 加速度検出手段,23 トルク制御手段,24 レシーバ,25 速度データ入力手段,26 外乱オブザーバ,27 トルク制御軸フィードバック制御手段,28 トルク制御手段,29 位置検出器,30 トルク制御用位置指令発生手段,31 トルク制御軸フィードバック制御手段,32 トルク制御手段,33 トルク制御軸速度制御手段,34 スイッチ回路。

Claims (9)

  1. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、
    前記速度データ入力手段が入力した前記メイン制御軸の速度データから加速度を検出する加速度検出手段と、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令に前記加速度検出手段により検出された加速度に応じた成分を加えて前記トルク制御軸のトルク指令とするトルク制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  2. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、
    前記速度データ入力手段が入力した前記メイン制御軸の速度データから加速度を検出する加速度検出手段と、
    前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令に前記加速度検出手段により検出された加速度に応じた成分と前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクとを加減算して前記トルク制御軸のトルク指令とするトルク制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  3. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令から生成される設定トルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が生成する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク指令とするトルク制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  4. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、
    前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令を前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクにより補正したトルク指令から生成されるトルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が生成する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク指令とするトルク制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  5. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸に与える位置指令と同じ位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、
    前記トルク制御軸に作用する負荷トルクを推定する外乱オブザーバと、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令と、前記外乱オブザーバにより推定された推定負荷トルクにより補正したトルク指令から生成されるトルク電流指令に比例・積分制御を行い、比例・積分制御されたトルク電流指令に前記トルク制御軸フィードバック制御手段が生成する電流指令を加えて前記トルク制御軸のトルク指令とするトルク制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  6. 前記トルク制御軸フィードバック制御手段において、比例・積分制御により速度制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のトルク一定同期駆動制御装置。
  7. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    前記メイン制御軸に与える位置指令より、押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク相当の位置変化分相違したトルク制御用位置指令を発生するトルク制御用位置指令発生手段と、
    前記トルク制御用位置指令発生手段が発生するトルク制御用位置指令を入力して前記トルク制御軸の位置制御と速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸フィードバック制御手段と、
    を具備していることを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  8. メイン制御軸によって駆動されるワークにトルク制御軸によって一定負荷を与えながら当該トルク制御軸を前記メイン制御軸と同期駆動するトルク一定同期駆動制御装置において、
    押し付け力を発生する負荷トルクとなる設定トルク指令により前記トルク制御軸のトルク制御を行うトルク制御手段と、
    前記メイン制御軸の速度データを入力する速度データ入力手段と、
    前記速度データ入力手段が入力した速度データにより前記トルク制御軸の速度制御をフィードバック方式にて行うトルク制御軸速度制御手段とを具備し、
    前記トルク制御軸の負荷トルクが前記設定トルクに到達するまでは前記トルク制御手段により前記トルク制御軸のトルク制御を行い、前記トルク制御軸の負荷トルクが前記設定トルクに到達以後は前記トルク制御軸速度制御手段により前記トルク制御軸の速度制御を行うことを特徴とするトルク一定同期駆動制御装置。
  9. 前記速度データ入力手段は、前記メイン制御軸の位置検出器が出力する位置データを微分処理して速度データを得るもの、前記メイン制御軸の制御装置から速度データを入力するもの、前記メイン制御軸の制御装置に位置指令を与える数値制御装置より前記メイン制御軸の制御装置に与える位置指令を入力して前記メイン制御軸の制御装置のモデル推定出力から速度データを得るものの何れかであることを特徴とする請求項1、2、8の何れか一つに記載のトルク一定同期駆動制御装置。
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