JP3926201B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与するパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
選出図柄を変動表示する図柄表示領域を有する図柄表示装置と、遊技球の通過を検知する図柄始動領域と、図柄始動領域への遊技球通過を始動記憶数として記憶保持し、かつ始動記憶を順次記憶消化する始動記憶制御手段と、図柄始動領域への遊技球通過または始動記憶制御手段の始動記憶消化により選出図柄を変動開始し、停止して図柄確定する図柄制御手段とを備え、図柄表示装置に確定表示された選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与するパチンコ遊技機は良く知られている。これらには、いわゆる第1種パチンコ遊技機及び第3種パチンコ遊技機がある。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、選出図柄を変動表示する図柄表示領域を具備する図柄表示装置と、開閉片により開閉制御される大入賞口を具備する可変入賞装置と、遊技盤面に設けられた特別図柄始動領域への遊技球通過に起因して表示図柄を変動開始し、停止して図柄確定する図柄制御手段とを備え、図柄表示装置に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、可変入賞装置の大入賞口の開放と、大入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が流入することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返してなる特別遊技作動を実行するものである。
【0004】
また、第3種パチンコ遊技機は、選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知する図柄始動領域と、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、図柄始動領域への遊技球通過に起因して、図柄表示装置の図柄を変動させた後に確定表示するようにし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動が実行され、かつ該特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への遊技球流入が可能となり、かつ該遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
【0005】
このようなパチンコ遊技機にあって、図柄始動領域への遊技球通過数を記憶する始動記憶数は、センターケース等に配設された、複数のLED等からなる発光表示体からなる始動記憶数表示装置によって遊技者に報知される構成が一般的である。ところが、かかる始動記憶数表示装置は、遊技者が遊技中に最も注視する図柄表示装置の近傍に配設しているものの、正確かつ瞬時に始動記憶数の情報を得るためには、視線を動かして表示数を確認する必要があり、視認性に限界があった。そのため、図柄表示装置の図柄表示領域に、その表出数により始動記憶数を表示する記憶単位図柄を表示させるようにした構成が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図柄表示装置の図柄表示領域では、選出図柄や、その背景で演出される演出図柄等により様々な表示態様が実行されて、遊技者の最も望む当りに対する期待感や緊張感を高揚させるようにしている。しかし、上記した記憶単位図柄により始動記憶数を報知する構成にあっては、図柄表示領域で表示される選出図柄や演出図柄等の表示領域を、該記憶単位図柄によって狭くすることとなる。そのため、選出図柄や演出図柄による遊技の興趣性を充分に発揮できないという問題が生じていた。特に、この始動記憶数の上限が比較的多数である場合、又は、上限がない場合にあっては、始動記憶数の増加に伴って、記憶単位図柄の表示領域が拡大することとなり、選出図柄や演出図柄の表示領域を一層狭めることとなり得た。このように、始動記憶数を図柄表示領域で表示する記憶単位図柄の有用性には問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決するために、始動記憶数表示の有用性を向上させるパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合に、予め定められた記憶数を越える分の始動記憶数を表現する記憶単位図柄の表示形態を縮小表示する記憶表示制御内容を備えていることを特徴とする。ここで、記憶単位図柄としては、動物や乗り物等のキャラクタ図柄のように、その表出数により始動記憶数を表現し得るものを用いることができる。このように、遊技者が遊技中に最も注目する図柄表示装置で、記憶単位図柄の表示面積を小さく変化させることにより、特定の遊技条件が成立したことを遊技者に明確に報知できる。また、特定の遊技条件が成立していない状態にあっては、記憶単位図柄は小さくならないから、該記憶単位図柄を遊技者は認識し易い。而して、記憶単位図柄によって表示される始動記憶数の有用性を適切に向上させることが可能である。
【0009】
かかる構成にあっては、記憶単位図柄の表示形態を縮小することにより、該記憶単位図柄の表示面積を相対的に小さくするものである。これにより、図柄表示領域における記憶単位図柄の表示領域を狭い領域とすることができるから、選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等による表示態様を妨げることがない。従って、当りやリーチとなると実行される各演出態様が、記憶単位図柄を図柄表示領域で表出している場合にあっても、適当な表示領域で演出実行されることとなり、興趣溢れる娯楽性に富む演出を充分に発揮し得る。さらに、始動記憶数の限度数が比較的多い場合や、限度数が原則存在しない場合等にあっても、記憶単位図柄の表示領域が比較的狭い領域となるから、当りやリーチ等の各演出態様の表示領域を充分に確保でき、該演出態様の趣向性が適切に発揮されることとなり得る。
【0010】
ここで、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄の表示形態を縮小表示するようにしたものである構成が提案される。かかる構成により、記憶単位図柄の表示領域が適当な狭い領域となることから、図柄表示領域で表示実行される選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等の表示領域を充分確保することができる。
【0011】
また、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄を重ねて表示するようにしたものである構成が提案される。かかる構成により、各記憶単位図柄の重なった部分だけ表示面積が小さくなるから、記憶単位図柄の表示領域を適当な狭い領域とすることができ、図柄表示領域で表示実行される選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等の表示領域を充分確保することができる。
【0012】
一方、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合に、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、記憶単位図柄を所定の表示領域に待避移動させる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とする構成が提案される。ここで、記憶単位図柄は、上記のように、その表出数により始動記憶数を表現し得るキャラタ図柄を適用することができる。
【0013】
かかる構成にあって、遊技者が遊技中に最も注目する図柄表示装置で、記憶単位図柄を所定の表示領域に待避移動させることにより、遊技者に特定の遊技条件が成立したことを明確に報知することが可能であるから、記憶単位図柄によって表示される始動記憶数の有用性を適切に向上させることが可能である。記憶単位図柄によって表示される始動記憶数の有用性を向上させることができる。ここで、待避移動としては、記憶単位図柄を常態で表示する所定領域から、選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等による表示態様を妨げない所定の表示領域へ移動させることである。そして、待避移動した記憶単位図柄は、このような選出図柄やその背景で演出される演出図柄等による所定の表示態様が終了した場合には、再び常態時の表示領域へ戻るようにしても良い。これにより、当りやリーチ等となると実行される各演出態様が、記憶単位図柄を図柄表示領域で表出している場合にあっても、適当な表示領域を使って演出実行されることとなり、興趣溢れる娯楽性に富む演出を充分に発揮し得る。この待避移動にあっては、表示している全ての記憶単位図柄を一体的に移動させる構成、複数のグループに分割して各グループ毎に分散移動させる構成、全ての記憶単位図柄を別々に分散移動させる構成等、様々に行うことが可能である。
【0014】
さらにまた、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合に、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、前記記憶単位図柄の色調を薄くさせる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とする構成が提案される。かかる構成にあっては、記憶単位図柄の色調を薄くすることにより、該記憶単位図柄の表示能力を積極的に低下させて目立たなくさせるものであるから、図柄表示領域で表出する選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等による表示態様を遊技者に積極的に認識させ得る。これにより、記憶単位図柄は始動記憶数を表示しつつ、当りやリーチ等となると実行される各演出態様を妨げることがないから、該演出態様の興趣性が適切に発揮されることとなり、多様な趣向性に富む面白い演出を遊技者に充分に提供することが可能である。また、特定の遊技条件が成立していない状況にあっては、記憶単位図柄を積極的に遊技者に認識させ得ることとなり得るから、かかる記憶表示制御内容による記憶単位図柄の有用性を向上させ得る。
【0015】
又は、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合に、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、前記記憶単位図柄の輪郭のみを表示させる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とする構成が提案される。かかる構成にあっては、記憶単位図柄の輪郭のみを表示させることにより、該記憶単位図柄の表示能力を積極的に低下させて目立たなくさせるものであるから、図柄表示領域で表出する選出図柄や、その背景で演出する演出図柄等による表示態様を遊技者に積極的に認識させ得る。これにより、該記憶単位図柄は始動記憶数を表示しつつ、当りやリーチ等となると実行される各演出態様を妨げることがないから、該演出態様の興趣性が適切に発揮されることとなり、多様な趣向性に富む面白い演出を遊技者に充分に提供することが可能である。また、特定の遊技条件が成立していない状況にあっては、記憶単位図柄を積極的に遊技者に認識させ得ることとなり得るから、かかる記憶表示制御内容による記憶単位図柄の有用性を向上させ得る。
【0016】
又は、上述のパチンコ遊技機にあって、始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合に、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、前記記憶単位図柄の選出図柄と重なった部位を、当該選出図柄に占有させる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とする構成が提案される。かかる構成により、特定の遊技条件が成立した場合には記憶単位図柄が選出図柄の背面で表示されるような表示態様となり、該記憶単位図柄の表示能力を積極的に低下させて目立たなくさせることができるから、図柄表示領域で表出する選出図柄の表示態様を遊技者に積極的に認識させ得る。これにより、該記憶単位図柄は始動記憶数を表示しつつ、選出図柄の表示態様を妨げることがないから、変動表示する選出図柄が当り図柄表示態様で停止することを望む遊技者の期待感や緊張感を適切に刺激することができ、興趣溢れる娯楽性の高い遊技を遊技者に充分に提供することが可能である。また、特定の遊技条件が成立していない状況にあっては、記憶単位図柄を積極的に遊技者に認識させ得ることとなるから、かかる記憶表示制御内容による記憶単位図柄の有用性を向上させ得る。
【0017】
前記記憶表示制御内容は、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合を条件とする。かかる構成にあっては、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持すると、上述した記憶表示制御内容を実行するものであるから、これら記憶単位図柄の表示態様の変化によって、始動記憶数が多数となったことを遊技者に容易に認識させ得る。また、始動記憶数の増加に伴って拡大する記憶単位図柄の表示領域を、予め定められた記憶数を越えると、記憶単位図柄の表示面積を小さくすることにより、記憶単位図柄の表示領域が拡大することを適当に抑制できるから、選出図柄やその背景で演出される演出図柄等の表示領域を充分に確保でき、これら図柄による趣向性が適切に発揮されることとなる。又は、記憶単位図柄を、その色調を薄くすること、輪郭のみを表示すること、選出図柄と重なった部位を該選出図柄に占有させることによって、多数の記憶単位図柄が始動記憶数を表示しつつ、選出図柄やその背景で演出される演出図柄等に比して目立たなくなるから、これら図柄による趣向性を適切に発揮させ得る。
【0018】
ここで、記憶表示制御内容が、予め定められた記憶数を越える分の始動記憶数を表現する記憶単位図柄に限って実行される。かかる構成にあっては、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を表示する記憶単位図柄につき、上述の記憶表示制御内容を実行するものであるから、予め定められた記憶数までは通常通り記憶単位図柄を表示して、始動記憶数の存在を遊技者に明確に報知すると共に、該記憶数を越えて始動記憶数が増加しても、選出図柄や演出図柄等の表示態様を妨げることがないため、記憶単位図柄と選出図柄や演出図柄等とが図柄表示領域でバランス良く表示されることとなる。而して、記憶単位図柄の有用性と、選出図柄や演出図柄等による興趣性との両者を適切に発揮させることが可能となる。
【0019】
又は、記憶表示制御内容は、少なくとも一つの選出図柄が停止した場合に実行される。かかる構成により、選出図柄の表示態様が一層強調されることとなるから、選出図柄の表出する図柄表示態様への遊技者の関心を適切に高揚させることができ、当り発生への期待感や緊張感を一層刺激することができ得る。
【0020】
上述した記憶表示制御内容が、選出図柄がリーチとなる場合に実行されると共に、該リーチにおける、図柄表示領域で実行されるリーチ作動態様の表示領域以外の所定領域で記憶単位図柄を表示するようにした構成が提案される。ここで、リーチ作動態様としては、リーチとなると実行される選出図柄のリーチ変動と、演出図柄によって背景領域で演出されるリーチ演出とから構成されるものである。かかる構成にあっては、リーチとなると実行される、遊技者の当りへの期待感と緊張感を刺激するリーチ作動態様を、記憶単位図柄が妨げることのないようにするものである。これにより、リーチ作動態様が適切に図柄表示領域で実行されることとなるから、該リーチ作動態様による興趣性を充分に発揮し得る。尚、最後に変動表示する選出図柄が停止し、リーチが終了すると、記憶単位図柄は通常の状態での表示態様に戻るようにしても良い。
【0021】
このような記憶表示制御内容が、選出図柄のリーチ図柄態様の表出に先行して実行されるようにした構成も提案される。かかる構成にあっては、選出図柄がリーチ図柄態様を表出する前に、記憶単位図柄を、図柄表示領域におけるリーチ作動態様の表示領域以外の所定領域で表示させることにより、遊技者にリーチとなる予告を報知することとなり得るから、リーチの発生前から、遊技者の期待感を刺激でき、遊技の興趣性が一層高まる。而して、記憶単位図柄への遊技者の注目度が一層向上することとなり、記憶単位図柄の存在意義を適切に高めることが可能となる。
【0022】
一方、始動記憶制御手段が、記憶単位図柄を始動記憶の消化に伴って、所定の消化単位図柄に変化させると共に、選出図柄が特定の図柄態様を表出するまで、該消化単位図柄を図柄表示装置で表示するようにした構成が提案される。かかる構成にあって、上述した記憶表示制御内容によって、記憶単位図柄及び消化単位図柄の表示面積を小さくすることにより、選出図柄や演出図柄等の表示態様を妨げないようにすることが可能である。かかる構成により、選出図柄が特定の図柄態様を表出する、例えばリーチ又は当りとなるまでの選出図柄の変動回数を、遊技者は消化単位図柄の表出数によって容易に確認することができるから、記憶単位図柄が消化されて消化単位図柄が増加するに従って、遊技者のリーチや当りの発生に対する期待感を徐々に高揚させることができ、選出図柄の変動停止過程が一層興趣性の高いものとなり得る。而して、遊技者の記憶単位図柄に対する注目度が一層向上し、該記憶単位図柄の存在意義を大きく高めることが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した実施形態例を説明する。
図1はパチンコ遊技機の遊技盤1の正面図である。また図2は、遊技盤1の内側レール内の中央に配設されたセンターケース4の正面図である。ここでセンターケース4内には液晶表示器、CRT表示器、ドットマトリックスまたは7セグメント指示器等からなる図柄表示装置6が設けられる。この図柄表示装置6の図柄表示領域Fには三つの特別図柄(選出図柄)A,B,Cが表示され、この特別図柄A,B,Cは、「0」〜「9」からなる10の数字からなる図柄が表示される。
【0024】
また、図柄表示装置6の図柄表示領域Fには、後述する主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄A,B,Cの始動記憶数を、その表出数により表現する記憶単位図柄Gが表示される。さらに、所定限度数を越えた場合には、この記憶単位図柄Gを、表示形態を縮小する縮小記憶単位図柄gに変化させる。これら記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gは、本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。
【0025】
また、図柄表示装置6の直上位置には、四個のパイロットランプからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が設けられ、後述の普通図柄始動スイッチS2(図3参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60(図3参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を表示する。さらに、この普通図柄始動記憶数表示装置12の直上位置には、三個のLEDを内部に備えた普通図柄表示装置10が配設される。この三個の発光ダイオードLEDは順次点滅して、種々の組合せの点灯態様を表示する。そして、この点灯態様が所定の当り態様の場合には、普通電動役物15を開放する。
【0026】
一方、センターケース4の左右両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)13,13が設けられ、遊技球の通過により該普通図柄作動ゲート13,13に内蔵された普通図柄始動スイッチS2(図3参照)から球検出信号が発生すると、普通図柄表示装置10が図柄変動する。
【0027】
また、図柄表示装置6の直下位置には、内部を特別図柄始動領域14として、開閉翼片により始動領域(入賞口兼用)の開口度を変化させるようにした普通電動役物15が配設されている。そして普通図柄表示装置10の表示結果が、上述したような所定の当り状態の場合には、開閉翼片が約0.5秒拡開して、特別図柄始動領域14の開口度を拡開させ、球が入り易い状態となる。普通電動役物15内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が備えられ、該始動スイッチS1による球通過検知に伴って、特別図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cが変動表示し、所定の図柄を停止表示することとなる。
【0028】
普通電動役物15のさらに下方には、内部に特定領域と通常領域とを有する大入賞口23が配設され、開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図3参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態と閉鎖状態のいずれかに変換する可変入賞装置22が配設されている。そして、特別図柄表示装置6が所定の組み合わせで表示され、「当り」となると、開閉片24が開いて、その開放状態で開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内すると共に、特定領域に遊技球が入ると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得が供される。この可変入賞装置22は、後述する特別遊技作動を実行するものであって、その内部には、図3で示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、大当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0029】
図3は、本発明にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、該主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示せず)と、データのやり取りを行なうデータバス(図示せず)を介して接続され、該主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。乱数テーブルには当り特別乱数K、当り図柄乱数L、ハズレ図柄乱数Ma ,Mb ,Mc 、リーチ乱数N、リーチ図柄乱数P、リーチ態様乱数Q、普通当り乱数U、当り普通図柄乱数V等が格納され、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUにて各乱数の抽選が行われる。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 、普通図柄始動スイッチS2 、特定領域スイッチS3のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0030】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示せず)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0031】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには盤面中継基板61を介して上述した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2 、特定領域スイッチS3、カウントスイッチS4が接続され、主制御基板60が2ms毎に各スイッチS1〜4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15のソレノイド、大入賞口23のソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0032】
ここで主制御用中央制御装置CPU及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、該演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装置CPUが該制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0033】
上記の図柄表示制御基板62には、特別図柄表示装置6で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この記憶装置ROMには、動作プログラム、特別図柄A,B,Cの可変パターン及びその表示パターン、当り遊技パターン、祝祭表示パターン、リーチ変動パターン等の図柄変動態様を行う固定データ等が記憶されている。また、本発明にあっては、特別図柄始動スイッチS1 の検知に従って、特別図柄始動記憶数を表示する記憶単位図柄G、及び、該記憶単位図柄Gが縮小した縮小記憶単位図柄gを待避移動させる待避表示パターンも記憶されている。
【0034】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、該表示用ドライバは該図柄データに従って、図柄表示装置6に所定の図柄を表出させる。このように、主制御基板60、図柄表示制御基板62、図柄表示装置6により、図柄制御手段が構成されている。
【0035】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、該音データを受けてスピーカに出力させる。
【0036】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLEDや装飾ランプといった電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御基板CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0037】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、該データにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、該プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球等のデータをやりとりする。
【0038】
尚、上述した各中央制御装置CPUからなるそれぞれの制御回路は、図柄変動態様の表示、変動等を実行する図柄制御手段と、特別図柄始動領域14への遊技球通過を特別図柄始動記憶として記憶保持し、かつ特別図柄始動記憶を順次記憶消化する始動記憶制御手段とを構成している。さらに、本実施形態例にあって、この始動記憶制御手段には、図柄表示装置6で表示される記憶単位図柄Gの表示形態を縮小する制御内容と、記憶単位図柄Gを待避移動する制御内容とからなる記憶表示制御内容を備えている。この記憶表示制御内容は本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。
【0039】
次に本発明の制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が発射装置より遊技盤1に発射され、該遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、該信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。かかる信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている当り特別乱数K、当り図柄乱数L、ハズレ図柄乱数Ma ,Mb ,Mc 、リーチ乱数N、リーチ図柄乱数P、リーチ態様乱数Q等の各図柄乱数を選出し、各選出値を一旦、記憶装置RAMに格納する。さらには、特別図柄始動スイッチS1のON信号に基づき、主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々発信する。
【0040】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0041】
さらには、特別図柄始動スイッチS1のON作動もしくは、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている始動記憶の消化により特別図柄A,B,Cが変動開始すると、主制御用中央制御装置CPUは、選出された当り特別乱数Kを判定し、当り図柄乱数L、ハズレ図柄乱数Ma ,Mb ,Mc のいずれかを有効とする。そして、Kが当りを選出していた場合には、リーチ態様乱数Qを有効とする。又は、Kが当りを選出していなかった場合にはリーチ乱数Nの選定内容に従ってリーチとするかどうかを判定し、リーチとする場合にはリーチ図柄乱数P、リーチ態様乱数Qを有効とする。そして、特別図柄表示装置6で実行される特別図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0042】
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の表示プログラムを用いて、特別図柄表示装置6で演出する特別図柄A,B,Cの図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、該特別図柄A,B,Cを確定表示する。
【0043】
その他、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を該図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に発信すると共に、電飾制御指令信号を光源制御基板64に発信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また上記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた光データを、光源作動基板を介して、所定の発光ダイオードLEDもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0044】
また、遊技球が特別図柄始動領域14に連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて図柄表示装置6の図柄表示領域Fに記憶単位図柄Gを表出し、特別図柄A,B,Cの始動記憶数が保留される。この記憶単位図柄Gは図柄が変動する都度、図柄表示領域Fから消えて始動記憶数が減少する。この記憶単位図柄Gの表出及び消去は、本発明の要部に係り、詳しくは後述する。なお、本実施形態例にあっては、始動記憶数の保留数の最高限度を設定しておらず、特別図柄始動スイッチS1による遊技球検出に従って、次々に各乱数値が選出されて記憶保持される。
【0045】
ここで、上述の当り特別乱数Kが当りを選出した場合には、当り図柄乱数Lと、リーチ態様乱数Qを有効とし、主制御基板60は、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を伝達する。そして、図柄表示制御基板62は、当り図柄乱数Lに従い特別図柄をA=Bで停止し、リーチ態様乱数Qに従い所定のリーチ変動とリーチ演出とを行うリーチ作動態様を実行した後、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cで確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の照光装置と効果音を発生させる。
【0046】
このように特別図柄A,B,Cが当り図柄態様を表出すると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入され、該大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信する、一連の特別遊技作動が実行される。
【0047】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して大入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、制限時間(30秒)が経過するか、該制限時間内で、カウントスイッチS4により10個の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。その後、再び大入賞口23を開放して、次の開閉ラウンドが開始される。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の賞球が供される。
【0048】
このように特別図柄A,B,Cが当り図柄態様を表出すると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入し、該大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信する、一連の特別遊技作動が実行される。
【0049】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して大入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、制限時間(30秒)が経過するか、該制限時間内で、カウントスイッチS4により10個の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。その後、再び大入賞口23を開放して、次の開閉ラウンドが開始される。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の賞球が供される。
【0050】
一方、当り特別乱数Kが当りを選出しない場合には、上述のハズレ図柄乱数Ma ,Mb ,Mc、リーチ乱数N、リーチ図柄乱数P、リーチ態様乱数Qを有効とし、各乱数からなる制御指令を主制御基板60から図柄表示制御基板62に発信し、該図柄表示制御基板62は該制御指令に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。また、リーチ乱数Nによりリーチとする場合にあっては、リーチ図柄乱数Pに従って特別図柄A=Bを一旦表示し、リーチ態様乱数Qに従って所定のリーチ変動及びリーチ演出を行うリーチ作動態様を実行した後、特別図柄Cを停止してハズレ図柄態様とする。
【0051】
ここで、リーチ態様乱数Qにあっては、非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様及びリーチ演出態様の種類を選出するものであり、リーチとなった場合に実行されるリーチ作動態様を決定する。このリーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の、種々の変動形態がある。
【0052】
次に特別図柄表示装置6の図柄制御につき再度、詳細に説明する。
上述の主制御基板60の記憶装置ROMには、0〜599の600コマからなる当り特別乱数Kが格納されている。ここで、当り図柄の内容により、次回に当り図柄となる確率が向上する高確率状態と、当り図柄となる確率が変化しない通常確率状態が発生する。通常確率時では、当り特別乱数K=7,427の場合に当りとなる。すなわち当り確率は2/600=1/300である。また、高確率時ではK=7,97,157,187,247,277,337,367,457,547の場合に当りとなる。すなわち当り確率は10/600=1/60である。そしてそれ以外はハズレとなる。また、記憶装置ROMには、上述したように当り図柄乱数Lが格納されている。ここで当り図柄乱数Lは、「0」〜「9」の当り図柄を備えており、当りの場合に当り図柄態様を決定するものである。そして、この当り図柄乱数Lが「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の確変図柄となった場合に、当該当り終了後、次の当りが発生するまで、当り図柄となる確率が向上する高確率状態、いわゆる確変遊技状態となるようにしている。
【0053】
また、上記の確変遊技状態にあっては、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶が迅速に記憶消化され、特別図柄A,B,Cを変動表示させるように、通常の図柄変動時間よりも、短い図柄変動時間を選択して、特別図柄の変動時間を短縮した時短遊技状態(時短)としている。すなわち特別図柄を停止表示するための図柄生成行程に要する平均変動時間(図柄変動の開始から停止するまでに要する時間)が通常10秒であるものが約5秒に短縮される。また、この時短遊技状態にあっては、後述する普通図柄の変動時間も通常30秒であるものが約5秒に短縮されると共に、普通電動役物15の開放時間を約0.5秒間から約2秒間に延長する。このように確変遊技状態は、特別図柄A,B,Cが当りを発生し易い遊技者にとって利得効果の高い有利状態となっている。尚、このような時短遊技状態は、確変遊技状態と別に実行されるものであっても良い。
【0054】
次に普通図柄作動につき説明する。
遊技球が普通図柄始動ゲート13を通過すると、該遊技球は普通図柄始動スイッチS2で検出される。この普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、普通図柄表示装置10の普通図柄が変動する。この普通図柄は、左赤色,中緑色,右赤色の三個の発光ダイオードLEDで構成される。この普通図柄表示装置10が変動中、又は普通電動役物15が開放中のときに、普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、記憶数の消化に伴って普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯し、普通図柄が変動開始になる都度消灯されて、記憶個数が表示される。尚、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上は無効とされる。
【0055】
この普通図柄表示装置10の変動停止後、又は普通電動役物15の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示装置12に表示された始動記憶に基づいて普通図柄表示装置10は再び変動開始する。普通図柄表示装置10が変動開始後、約30秒経過すると変動が停止し、左右いずれかの発光ダイオードLEDが一個でも点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放される。
【0056】
ここで、普通図柄表示装置10が変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜54までの55コマからなる普通当り乱数Uにより決定される。遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMから普通当り乱数U、及び当り普通図柄乱数Vの乱数値を選出し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶し、普通図柄表示装置10が変動開始すると同時に、記憶した内容を調べ、その普通当り乱数Uの選出値に対応する当りハズレを決定する。そして当りの場合は、当り普通図柄乱数Vにより停止態様を決定し、左赤色,右赤色のいずれか少なくとも一つが点灯した状態となる。ハズレの場合は、中緑色の発光ダイオードLEDのみが点灯した状態となる。
【0057】
次に本発明の要部につき説明する。
本実施形態例にあっては、特別図柄A,B,Cの始動記憶数を、図柄表示装置6の図柄表示領域Fに表示する記憶単位図柄Gの表出数によって表すようにした記憶表示制御内容を有するものである。
以下、この詳細を説明する。
【0058】
(実施例1)
実施例1として、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄Gが4個を越えて表出する場合に、5個目以降の始動記憶数を表示する記憶単位図柄Gの表示形態を縮小して表示する制御内容と、特別図柄がリーチ図柄態様を表出する前に、記憶単位図柄Gを分散して待避移動させる制御内容とを有するものとしている。
【0059】
ここで、記憶単位図柄Gは、その表示数により始動記憶数を表現するものであり、始動記憶1個につき、図柄表示領域Fの左下部領域に、記憶単位図柄Gとして「タマゴ」が1個表出されるようになっている(図2参照)。そして、始動記憶が消化されるに従って、記憶単位図柄Gの「タマゴ」の表示が消え、特別図柄A,B,Cが変動開始される。この記憶単位図柄Gの「タマゴ」は、4個までは左から右へ順に横一列に並んで表出される。そして、5個以上保留される場合には、5個目以降の始動記憶を、記憶単位図柄Gの「タマゴ」を縮小してなる、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」により、4個の記憶単位図柄Gの上部に左から右へ順に並んで表出される。これにより、始動記憶数が増加しても、その表示領域を比較的狭い領域とすることができるから、多数の始動記憶数を表示することができると共に、特別図柄A,B,C及び、その背景で演出される演出図柄等の表示態様を妨げることもない。尚、この記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gは、特別図柄A,B,Cの始動記憶数を表現するものであるから、始動記憶の消化に伴って各図柄の表出順と逆の順序消えるようにしている。例えば、5個の始動記憶数が存在する場合にあって、始動記憶が消化されると、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」の表示が消える。
【0060】
また、特別図柄A,B,Cが変動開始して、A=Bのリーチとなると、リーチ態様乱数Qに従って様々なリーチ変動やリーチ演出からなるリーチ作動態様が実行される。このリーチ作動態様によって、特別図柄Cの変動に着目する遊技者の緊張感を高揚させるようにしている。このようなリーチ作動態様における特別図柄Cのリーチ変動及びリーチ演出の表示態様を、記憶単位図柄Gと縮小記憶単位図柄gが妨げないように、該記憶単位図柄Gと縮小記憶単位図柄gをリーチ変動やリーチ演出が表示されない領域に待避移動させる。本実施形態例にあっては、複数の記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gが少数づつに分かれて、図柄表示領域Fの四隅(左右上下部)に分散させる待避移動を実行する。そして、このような待避移動を、特別図柄A=Bの表出前に実行することにより、遊技者にリーチ発生の予告をするようにしている。尚、この待避移動は、特別図柄Cが停止して、図柄表示態様が確定すると、元の図柄表示領域Fの左下部領域に戻るようにしている。
【0061】
このような記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gの待避移動にあっては、図柄表示領域Fに表出している記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gの示す始動記憶数によって、様々な待避表示パターンを設定している。この待避表示パターンは、上述した図柄表示制御基板62の記憶装置ROMに記憶されており、主制御基板60からの制御指令信号に従って選出され、表示実行されるようになっている。すなわち、特別図柄A,B,Cの変動開始により、判定された当り特別乱数Kが当りを選出していた場合、又は、Kが当りを選出しておらずリーチ乱数Nがリーチの実行を選出していた場合に、主制御基板60は、リーチ態様乱数Qと保留している始動記憶数及び、待避移動を実行するための制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。図柄表示制御基板62は、この制御指令信号のリーチ態様乱数Qに従って選出されたリーチ作動パターン及び始動記憶数に従って、所定の待避表示パターンを決定する。そして、変動する特別図柄A,B,Cにあって、特別図柄Aが停止すると、特別図柄Bが停止する前に、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gを所定の待避表示パターンにより待避移動させた後、該Bを停止して、A=Bのリーチ図柄態様を表出させる。このように、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gの待避移動を、特別図柄Bの停止前に実行することにより、リーチの予告を行う。
【0062】
次に、この実施例1の記憶表示制御内容による制御態様を、特別図柄A,B,Cの作動に従って説明する。
上述のように、遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、主制御基板60は、当り特別乱数K、当り図柄乱数L、ハズレ図柄乱数Ma,Mb,Mc、リーチ乱数N、リーチ図柄乱数P、リーチ態様乱数Qの各乱数値を選出し、各乱数値を記憶装置RAMに記憶する。この時、記憶装置RAMに既に始動記憶が存在する場合、又は、特別図柄A,B,Cが変動表示中の場合には、新たに選出した各乱数値が前回の乱数値を混同しないように、順に記憶保持すると共に、新たに始動記憶を記憶装置RAMに保留して、図柄表示装置6の図柄表示領域Fに当該始動記憶数を表す記憶単位図柄Gの「タマゴ」を新たに1個表出する。ここで、図4(イ)のように、既に保留されている始動記憶数が3個の場合には、記憶単位図柄Gが新たに表出して、図4(ロ)のように合計4個の「タマゴ」が表示される。さらに、遊技球が連続して特別図柄始動領域14を通過すると、既に表示している4個の記憶単位図柄Gの直上部に、図4(ハ)のように、該記憶単位図柄G「タマゴ」を縮小した縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」が表出され、合計5個の始動記憶数を保留していることが表示される。このように、始動記憶数が予め設定された4個を越えると、越えた分の始動記憶数を縮小記憶単位図柄gにより表示することにより、始動記憶数が多く保留されてきたことを遊技者に明確に報知することがでる。さらに、5個以上の始動記憶数を記憶保留する場合には、縮小記憶単位図柄gを表出することにより、図柄表示領域Fで始動記憶数の表示領域を比較的狭い領域とすることができるから、図柄表示領域Fで表示される特別図柄A,B,C及びその背景で演出する様々な演出図柄等の表示態様を妨げることがない。
【0063】
図5(イ)のように、記憶単位図柄Gの「タマゴ」が4個と、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」が4個の合計8個の始動記憶数が保留されている場合にあって、始動記憶が消化されると、図5(ロ)のように、最右位置の縮小記憶単位図柄gが消えて、特別図柄A,B,Cが変動開始する。これと同期して、主制御基板60は最も前(8個前)に記憶保持されている各乱数値を調べ、当り特別乱数Kを判定する。ここで、当り特別乱数Kが当りを選出していなかった場合には、ハズレ図柄乱数Ma,Mb,Mcとリーチ乱数Nを有効とする。このリーチ乱数Nがリーチ作動を行うことを選出していた場合には、リーチ図柄乱数Pとリーチ態様乱数Qを有効とする。そして、リーチ図柄乱数Pに従って、図5(ハ)のように特別図柄Aを「7」で停止する。その後、保留中の始動記憶数(7個)とリーチ態様乱数Qにより決定した待避表示パターンに従って、図5(ニ)のように、図柄表示領域Fの左下領域で表示していた記憶単位図柄Gの「タマゴ」4個と、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」3個とを、分散して、図柄表示領域Fの四隅に待避移動させる。この待避移動の表示によって、遊技者にリーチとなることを予告する。
【0064】
そして、図5(ホ)のように、特別図柄Bをリーチ図柄乱数Pに従って「7」で停止して、リーチとなると、図5(ヘ)のように、リーチ態様乱数Qに従って低速スクロールするリーチ作動や所定のリーチ演出が実行される。そして、図5(ト)のように、特別図柄Cが「6」で停止してハズレが確定すると、図柄表示装置Fの四隅に待避移動していた記憶単位図柄Gの「タマゴ」4個と、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」3個とが、分散前の左下部領域に戻る。
【0065】
一方、当り特別乱数Kが当りを選出していた場合にあっても、上述と同様に、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gの待避移動が実行される。ここで、特別図柄A,B,Cが当り図柄態様を確定表示すると、引き続き大当りディレー、特別遊技作動が実行されることとなるから、待避移動した記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gは、待避したままの状態で表示され、当該特別遊技作動が終了した後に、元の左下部領域に戻るようにしても良い。尚、このように記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gが分散して表示されている状況であっても、新たに始動記憶が保留されれば、縮小記憶単位図柄gが新たに表出されることとなる。
【0066】
このように、リーチの表出に先行して、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gを、リーチ作動態様を妨げない領域に分散して待避移動させる構成にあって、該待避移動に同期して、記憶単位図柄Gを縮小記憶単位図柄gに変化させて実行することもできる。これにより、リーチ作動態様の表示領域を一層広く確保できることとなるから、リーチの興趣性を一層適切に発揮し得る。また、このような待避移動として、図柄表示領域Fに表出する全ての記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gを一体的に移動させることも可能である。
【0067】
(実施例2)
実施例2として、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄Gが4個を越えて表出する場合に、全ての始動記憶数を表示する記憶単位図柄Gの表示形態を縮小して表示する制御内容と、特別図柄Aが停止すると、特別図柄A,B,Cと記憶単位図柄Gの重なった部位を、夫々に特別図柄A,B,Cに占有させる制御内容とを有するものとしている。
【0068】
ここで、記憶単位図柄Gは、始動記憶1個につき、図柄表示領域Fの中央部領域に、記憶単位図柄Gとして「タマゴ」が1個表出されるようになっている(図6参照)。そして、始動記憶が消化されるに従って、記憶単位図柄Gの「タマゴ」の表示が消え、特別図柄A,B,Cが変動開始される。この始動記憶数が5個以上記憶保持されると、全ての記憶単位図柄Gの「タマゴ」を縮小してなる、縮小記憶単位図柄gの「小タマゴ」により表出される。これにより、始動記憶数が増加しても、その表示領域を比較的狭い領域とすることができるから、多数の始動記憶数を表示することが可能である。
【0069】
この記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gは、特別図柄A,B,Cの全てが変動中である場合は、図柄表示領域Fの中央部領域で、該特別図柄A,B,Cと重なる部位を占有して表示する。すなわち、特別図柄の変動中では、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gが、特別図柄A,B,Cよりあたかも前面に在るように表示させる。これにより、始動記憶数を遊技者に明確に報知するようにしている。そして、変動中の特別図柄A,B,Cが、最初に特別図柄Aを停止すると、該特別図柄A,B,Cが記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gと重なる部位を占有して表示する。すなわち、特別図柄Aが停止すると、特別図柄A,B,Cが、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gよりあたかも前面に在るように表示させる。これにより、特別図柄A,B,Cによるリーチ発生や当り発生に対する遊技者の期待感や緊張感を適切に高揚させることが可能である。
【0070】
次に、この実施例2の記憶表示制御内容による制御態様を、特別図柄A,B,Cの作動に従って説明する。
始動記憶が消化されて、特別図柄A,B,Cが変動開始すると、図6(イ)のように、4個の記憶単位図柄Gが特別図柄A,B,Cと重なった部位を占有して表示する。ここで、上述のように、遊技球が特別図柄始動領域14を通過し、特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、主制御基板60は、各乱数値を抽出して記憶装置RAMに記憶してに、新たな始動記憶数が記憶保持される。そして、図6(ロ)のように、既に表示されている4個の始動記憶数を縮小記憶単位図柄gに変化させると共に、新たに縮小表示図柄gを1個表出して、合計5個の「小タマゴ」が横一列に表示される。そして、当り特別乱数Kが当りを選出しておらず、リーチ乱数Nもリーチ作動を実行しないとした場合にあっては、図6(ハ)のように、特別図柄Aをハズレ図柄乱数Maに従って「7」で停止させる。そして、特別図柄Aが停止すると、縮小記憶単位図柄gの特別図柄A,B,Cを重なっている部位を、夫々に特別図柄A,B,Cに占有させる。その後、図6(ニ)から図6(ホ)のように、ハズレ図柄乱数Mb,Mcに夫々に従って特別図柄Bを「6」、Cを「7」で順次停止して、所定のハズレ図柄表示態様が確定表示されて、ハズレが決定する。その後、始動記憶が消化されて再び特別図柄A,B,Cが変動開始すると、図6(ヘ)のように4個の縮小記憶単位図柄gが拡大して記憶単位図柄Gとなると共に、該4個の記憶単位図柄Gが特別図柄A,B,Cと重なった部位を占有して表示する。これにより、特別図柄A,B,Cが全て変動中は、記憶単位図柄G又は縮小記憶単位図柄gを明確に表示して、始動記憶数が記憶保持されていることを明確に報知し、特別図柄Aが停止すると、特別図柄A,B,Cを優先して表示することにより、特別図柄A,B,Cの当り発生を期待する感情を適正に刺激するようにしている。
【0071】
このような実施例2の、特別図柄Aが停止すると、特別図柄A,B,Cと記憶単位図柄Gの重なった部位を、夫々に特別図柄A,B,Cに占有させる制御内容にあって、特別図柄A,Bが停止すると、記憶単位図柄Gが重なった部位を特別図柄A,B,Cに占有させる構成とするようにしても良い。また、特別図柄Aが停止すると、該Aと重なる記憶単位図柄Gの部位だけAが占有し、次に特別図柄Bが停止すると、該Bと重なる記憶単位図柄Gの部位だけBが占有するように、停止した特別図柄毎に、順にそれぞれの記憶単位図柄Gの重なる部位を占有する構成とすることもできる。
【0072】
かかる実施例2にあっては、特別図柄A,B,Cと記憶単位図柄Gの重なった部位を、特別図柄A,B,Cが占有するようにした構成であるが、その他の構成として、特別図柄Aが停止すると、記憶単位図柄Gの色調を薄くする構成、又は、記憶単位図柄Gの輪郭のみを表示させるようにした構成とすることもできる。各構成にあっても、上記実施例2の構成と同様に、始動記憶数を表示しつつ、選出図柄の変動による当り発生への期待感と緊張感を適切に刺激することが可能である。
【0073】
上述した実施例1及び実施例2にあっては、始動記憶数が5個以上となると、記憶単位図柄Gを縮小した縮小記憶単位図柄gで表出するようにした構成であるが、他の構成として、5個以上の始動記憶数は、重ねて表示するようにしても良い。例えば、図7(イ)のように、4個の記憶単位図柄Gの上部に重なって表示される重ね記憶単位図柄G’として表出することもできる。一方、図柄表示領域Fに、記憶単位図柄Gの表示形態の一部だけを表示する部分記憶単位図柄G’’として表出することもできる。例えば、図7(ロ)のように、図柄表示領域Fの下辺から部分記憶単位図柄G’’の上半分の「タマゴ」により始動記憶数を表示するようにしても良い。このように、様々に記憶単位図柄Gの表示面積を小さくすることにより、記憶単位図柄Gの表示領域を狭い領域とすることが可能である。
【0074】
また、上述の実施例1及び実施例2の他の構成として、特別図柄Aが停止した場合に、図柄表示領域Fの中央部領域で表示されている記憶単位図柄Gを、縮小記憶単位図柄gとすると共に、該縮小単位図柄gを図柄表示領域Fの左下部領域に待避移動させる構成とすることもできる。かかる構成は、例えば、図8(イ)のように、特別図柄A,B,Cが全て変動表示されている場合には、図柄表示領域Fの中央部領域で、記憶単位図柄Gを該特別図柄A,B,Cと重なる部位を占有して表示する。そして、図8(ロ)のように、特別図柄Aが停止すると、記憶単位図柄Gを縮小記憶単位図柄gに変化させると共に、図柄表示領域Fの左下部領域に待避移動させる。その後、図8(ハ)から図8(ニ)のように、特別図柄B、Cが順に停止して、図柄表示態様が確定表示するまで、始動記憶数は、縮小記憶単位図柄gにより左下部領域で表示される。そして、再び始動記憶が消化され、特別図柄A,B,Cが変動開始すると、図8(ホ)のように、記憶単位図柄Gに変化して中央部領域で表示されるようにする。これにより、記憶単位図柄G及び縮小記憶単位図柄gは、始動記憶数を表示しつつ、選出図柄の変動表示態様を妨げることがないから、遊技者の当り発生への期待感と緊張感を適切に刺激することが可能である。
【0075】
上述の実施形態例にあって、記憶単位図柄Gの表示面積を小さくする場合に、記憶単位図柄Gの図柄内容を変化させるようにしても良い。例えば、記憶単位図柄Gの「タマゴ」が、「ひよこ」に変わるなどしても良い。ここで、変化した「ひよこ」は「タマゴ」に比して縮小されるものとする。また、待避移動させている間のみ、図柄内容を変化させるようにして、記憶単位図柄Gに対する遊技者の着目度が低下しないようにすることも可能である。
【0076】
上述した実施例1及び実施例2にあっては、始動記憶数を表示する記憶単位図柄Gが、始動記憶の消化に伴って消えるようにした構成であるが、その他の構成として、始動記憶の消化に伴って記憶単位図柄Gを消化単位図柄Xに変化させて、図柄表示領域Fに表示するようにした構成も提案される。例えば、図9(イ)のように、図柄表示領域Fに4個の記憶単位図柄G「白いタマゴ」が表出している状況にあって、新たに始動記憶が保留されると、図9(ロ)のように5個の縮小記憶単位図柄gの「白い小タマゴ」が表出される。そして、始動記憶が消化されると、最初に表出された左下端の縮小記憶単位図柄gが、図9(ハ)のように消化単位図柄Xの「ヒヨコ」に変化する。この消化単位図柄Xをリーチが発生するまで、或いは、当りが発生するまで、図柄表示領域Fで表示することにより、リーチの発生又は当りの発生までの特別図柄A,B,Cの変動回数を、該消化単位図柄Xの「ヒヨコ」の表示数によって遊技者は明確に知得することができる。これにより、遊技者は、リーチの発生や当りの発生を該変動回数からおおよそ推測しながら遊技を楽しむことが可能となり、遊技の興趣性を一層向上させ得る。而して、記憶単位図柄G及びその消化単位図柄Xに、遊技者は大きな興味を抱いて遊技を進行していくこととなるから、本発明にかかる記憶単位図柄Gを表出する意義が一層向上する。ここで、消化単位図柄Xとしては、記憶単位図柄G又は縮小記憶単位図柄gから、図柄形状や図柄色等の表示形態を変化してなるものとして設定し得る。
【0077】
【発明の効果】
本発明は上述したように、始動記憶制御手段が、特定の遊技条件が成立すると、記憶単位図柄の表示面積を小さくさせる記憶表示制御内容を備えるものとしたから、遊技者に該特定の遊技状態となったことを明確に報知できると共に、記憶単位図柄を比較的狭い領域で表示することができるため、記憶単位図柄が表出していても、選出図柄や演出図柄等の表示領域を充分に確保でき、興趣溢れる娯楽性に富む演出を適切に行い得る。而して、始動記憶数を表示する記憶単位図柄の有用性を大きく向上させることができる。
【0078】
ここで、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄の表示形態を縮小表示するようにした構成にあっては、記憶単位図柄の表示領域が適当な狭い領域となり、図柄表示領域で表示実行される選出図柄や演出図柄等の表示領域を充分確保できる。
【0079】
また、記憶表示制御内容が、記憶単位図柄を重ねて表示するようにした構成にあっては、記憶単位図柄の表示領域を適当な狭い領域とすることができ、図柄表示領域で表示実行される選出図柄や演出図柄等の表示領域を充分確保できる。
【0080】
一方、始動記憶制御手段が、特定の遊技条件が成立すると、記憶単位図柄を所定の表示領域に待避移動させる記憶表示制御内容を備えている構成とすることも提案される。かかる構成により、遊技者に該特定の遊技状態となったことを明確に報知できると共に、記憶単位図柄を待避移動させることにより、選出図柄や演出図柄等の表示領域が充分に確保できるため、記憶単位図柄が表出している場合でも、該選出図柄や演出図柄等によって興趣溢れる娯楽性に富む演出を充分に発揮することができる。而して、始動記憶数を表示する記憶単位図柄の有用性を大きく向上させることができる。
【0081】
さらにまた、始動記憶制御手段が、特定の遊技条件が成立すると、前記記憶単位図柄の色調を薄くさせる記憶表示制御内容を備えている構成も提案される。かかる構成により、記憶単位図柄により始動記憶数を表示しつつ、選出図柄や演出図柄等の表示態様を積極的に表示させることとなるから、該選出図柄や演出図柄等による多様な趣向性に富む面白い演出を充分に提供することが可能である。而して、始動記憶数を表示する記憶単位図柄の有用性を大きく向上させることができる。
【0082】
又は、始動記憶制御手段が、特定の遊技条件が成立すると、前記記憶単位図柄の輪郭のみを表示させる記憶表示制御内容を備えている構成も提案される。かかる構成により、記憶単位図柄により始動記憶数を表示しつつ、選出図柄や演出図柄等の表示態様を積極的に表示させることとなるから、該選出図柄や演出図柄等による多様な趣向性に富む面白い演出を充分に提供することが可能である。而して、始動記憶数を表示する記憶単位図柄の有用性を大きく向上させることができる。
【0083】
又は、始動記憶制御手段が、特定の遊技条件が成立すると、前記記憶単位図柄の選出図柄と重なった部位を、当該選出図柄に占有させる記憶表示制御内容を備えている構成も提案される。かかる構成により、該記憶単位図柄により始動記憶数を表示しつつ、変動表示する選出図柄が当り図柄表示態様で停止することを望む遊技者の期待感や緊張感を適切に刺激することができ、興趣溢れる娯楽性の高い遊技を充分に提供できる。而して、始動記憶数を表示する記憶単位図柄の有用性を大きく向上させることができる。
【0084】
上述の特定の遊技条件が、予め定められた記憶数を越える始動記憶数を記憶保持した場合とした構成にあっては、予め定められた記憶数を越える多数の始動記憶数を記憶保持した状態となったことを遊技者に適切に認識させ得ると共に、選出図柄やその背景で演出される演出図柄等の表示領域を充分に確保でき、これら図柄による趣向性が適切に発揮され得る。
【0085】
ここで、記憶表示制御内容が、予め定められた記憶数を越える分の始動記憶数を表現する記憶単位図柄に限って実行される構成にあっては、予め定められた記憶数までは通常通り記憶単位図柄を表示して、始動記憶数の存在を遊技者に明確に報知すると共に、選出図柄や演出図柄等の表示態様を妨げることがないため、記憶単位図柄と選出図柄や演出図柄等とが図柄表示領域でバランス良く表示されることとなる。而して、記憶単位図柄の有用性と、選出図柄や演出図柄等による興趣性との両者を適切に発揮させることが可能となる。
【0086】
又は、特定の遊技条件が、少なくとも一つの選出図柄が停止した場合とした構成にあっては、選出図柄の表示態様が一層強調されて、選出図柄の表出する図柄表示態様への遊技者の関心を適切に高揚させることができ、当り発生への期待感や緊張感を一層刺激することができ得る。
【0087】
上述した記憶表示制御内容が、特定の遊技条件を選出図柄がリーチとなる場合であるとすると共に、該リーチにおける、図柄表示領域で実行されるリーチ作動態様の表示領域以外の所定領域で記憶単位図柄を表示するようにした構成にあっては、リーチとなると実行される、遊技者の当りへの期待感と緊張感を刺激するリーチ作動態様を、記憶単位図柄が妨げることがない。これにより、リーチ作動態様が適切に図柄表示領域で実行されることとなり、該リーチ作動態様による興趣性が充分に発揮され得る。
【0088】
ここで、記憶表示制御内容が、選出図柄のリーチ図柄態様の表出に先行して実行される構成にあっては、記憶単位図柄をリーチ作動態様の表示領域以外の所定領域で表示させることにより、遊技者にリーチとなる予告を行うこととなり、リーチの発生前から遊技者の期待感を刺激でき、遊技の興趣性を一層高め得る。而して、記憶単位図柄への遊技者の注目度が向上し、記憶単位図柄の存在意義を一層高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤1の正面図である。
【図2】センターケース4の拡大正面図である。
【図3】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図4】実施例1の図柄表示領域Fに表出する記憶単位図柄Gを表す説明図である。
【図5】実施例1の記憶単位図柄Gの表示態様の一例を示す図柄進行図である。
【図6】実施例2の記憶単位図柄Gの表示態様の一例を示す図柄進行図である。
【図7】図柄表示領域Fに表出する記憶単位図柄Gの他の例を表す説明図である。
【図8】記憶単位図柄Gの表示態様の他の例を示す図柄進行図である。
【図9】記憶単位図柄Gを消化単位図柄Xに変化させる表示態様の一例を示す図柄進行図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
4 センターケース
6 図柄表示装置
14 特別図柄始動領域
g 縮小記憶単位図柄
F 図柄表示領域
A,B,C 特別図柄(選出図柄)
G 記憶単位図柄
G’ 重ね記憶単位図柄
X 消化単位図柄
Claims (4)
- 選出図柄を変動表示する図柄表示領域を有する図柄表示装置と、
遊技球の通過を検知する図柄始動領域と、
図柄始動領域への遊技球通過を始動記憶数として記憶保持すると共に、該始動記憶数を図柄表示装置の図柄表示領域に表出する記憶単位図柄の表出数により表示し、かつ始動記憶を順次記憶消化する始動記憶制御手段と、
図柄始動領域への遊技球通過または始動記憶制御手段の始動記憶消化により選出図柄を変動開始し、停止して図柄確定する図柄制御手段とを備え、図柄表示装置に確定表示された選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与するパチンコ遊技機において、
始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を超える始動記憶数を記憶保持した場合に、予め定められた記憶数を越える分の始動記憶数を表現する記憶単位図柄の表示形態を縮小表示し、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、全ての記憶単位図柄を所定の表示領域に待避移動させる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 選出図柄を変動表示する図柄表示領域を有する図柄表示装置と、
遊技球の通過を検知する図柄始動領域と、
図柄始動領域への遊技球通過を始動記憶数として記憶保持すると共に、該始動記憶数を図柄表示装置の図柄表示領域に表出する記憶単位図柄の表出数により表示し、かつ始動記憶を順次記憶消化する始動記憶制御手段と、
図柄始動領域への遊技球通過または始動記憶制御手段の始動記憶消化により選出図柄を変動開始し、停止して図柄確定する図柄制御手段とを備え、図柄表示装置に確定表示された選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与するパチンコ遊技機において、
始動記憶制御手段が、予め定められた記憶数を超える始動記憶数を記憶保持した場合に、始動記憶数を表現する全ての記憶単位図柄の表示形態を縮小表示し、少なくとも一つの選出図柄が停止すると、前記全ての記憶単位図柄の選出図柄と重なった部位を、当該選出図柄に占有させる記憶表示制御内容を備えていることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 前記記憶表示制御内容が、選出図柄がリーチとなる場合に実行されると共に、該リーチにおける、図柄表示領域で実行されるリーチ作動態様の表示領域以外の所定領域で記憶単位図柄を表示するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 前記記憶表示制御内容が、選出図柄のリーチ図柄態様の表出に先行して実行されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のパチンコ遊技機。
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