JP3922533B2 - 車両の定速走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者が設定した目標車速で車両を自動的に定速走行させる車両の定速走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットルバルブをモータ等のアクチュエータで駆動する電子スロットルシステムを採用した車両においては、定速走行制御装置(一般にクルーズコントロール装置と呼ばれる)を搭載したものがある。この定速走行制御装置は、走行中に運転者がクルーズコントロールスイッチで目標車速をセットすると、以後は、アクセルペダルを操作しなくても、車速センサで検出した実車速が目標車速に一致するようにスロットル開度を自動的に制御して、車両を目標車速で定速走行させるものである。一般に、定速走行制御は、目標車速と実車速との偏差に応じてPI制御によるフィードバック制御を行っており、その際、走行負荷の変化による車速変化を抑えるために、走行負荷(吸気管圧力等)を検出して、走行負荷に応じてPI制御のP項及び/又はI項を補正して、実車速が目標車速に一致するようにスロットル開度をフィードバック制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、定速走行制御は、制御する対象が車速で、その車速を調整する手段がスロットル開度であるため、定速走行制御の応答性、すなわち、スロットル開度の変化が車速の変化として現れるまでの応答性が非常に遅いという特徴がある。従って、定速走行制御は、ロバスト性を考慮すると、制御周期を長くする必要があり、そのために、一般には100〜300ms程度の長い制御周期に設定されている。
【0004】
しかし、走行負荷の変化は車速の変化と比べて速く、例えば、吸気管圧力を走行負荷として用いる場合は、その変化速度は数10ms程度の速さであるが、従来の定速走行制御では、走行負荷の変化に対するP項、I項の補正(以下「負荷補正」という)についても、定速走行制御の制御周期に合わせて100〜300ms程度の長い周期で行っていたため、負荷補正がかなり遅れてしまう。このため、例えば、走行路が平坦路から登り坂に変化して走行負荷(走行抵抗)が増加したときに、その走行負荷の増加に対する負荷補正が遅れて実車速が目標車速から大幅に低下したり、その反対に、走行路が平坦路から下り坂に変化して走行負荷が低下したときに、その走行負荷の低下に対する負荷補正が遅れて実車速が目標車速から大幅に上昇するという不具合が発生していた。この対策として、負荷補正の応答性を速めるために、定速走行制御の制御周期を走行負荷の変化速度に合わせて短くすると、定速走行制御のロバスト性が低下して、ドライバビリティが悪化してしまうという新たな不具合が発生する。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、定速走行制御のロバスト性を低下させずに、負荷補正の応答性を向上させることができ、走行負荷の変化の影響を受けにくい安定した定速走行制御を行うことができる車両の定速走行制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の車両の定速走行制御装置は、定速走行制御中に、第1の演算周期で、基本制御量演算手段により目標車速と実車速との偏差を演算してその偏差に基づいて車両駆動源を制御するための基本制御量を演算すると共に、前記第1の演算周期よりも短い第2の演算周期で、走行負荷検出手段で検出される走行負荷に応じて前記基本制御量を補正するための負荷補正量を負荷補正量演算手段により演算する。そして、前記第2の演算周期又は第3の演算周期で、最終制御量演算手段により、前記基本制御量と前記負荷補正量とに基づいて車両駆動源の最終制御量を演算し、車両駆動源制御手段により前記最終制御量に基づいて車両駆動源を制御する。この場合、第3の演算周期は、基本制御量の演算周期である第1の演算周期よりも短く、負荷補正量の演算周期である第2の演算周期よりも長い周期に設定する。
【0007】
本発明の特徴は、目標車速と実車速との偏差に応じて基本制御量を演算する第1の演算周期を長く設定し、走行負荷に応じて負荷補正量を演算する第2の演算周期を短く設定したところに特徴がある。つまり、目標車速と実車速との偏差に応じて基本制御量を演算する処理は、制御の対象となる車速の変化が遅く、応答性が要求されないために、演算周期を長く設定してロバスト性を確保し、一方、走行負荷に応じて負荷補正量を演算する処理は、走行負荷の変化が速く、応答性が要求されるために、演算周期を短く設定する。このように異なる演算周期で演算した基本制御量と負荷補正量とに基づいて車両駆動源の最終制御量を演算すれば、定速走行制御のロバスト性を低下させずに、負荷補正の応答性を向上させることができ、走行負荷の変化の影響を受けにくい安定した定速走行制御を行うことができる。
【0008】
ここで、最終制御量を演算する周期は、負荷補正量の演算周期である第2の演算周期と同一に設定しても良いし、それとは異なる第3の演算周期に設定しても良い。この第3の演算周期は、基本制御量の演算周期である第1の演算周期よりも短く、負荷補正量の演算周期である第2の演算周期よりも長い周期に設定すると良い。これにより、定速走行制御のロバスト性を低下させずに、負荷補正の応答性を向上させることができる。
【0009】
この場合、請求項2のように、PI制御で基本制御量を演算するようにすると良い。これにより、目標車速への実車速の収束性、応答性、安定性を良好に確保することができる。
【0010】
また、請求項3のように、車両駆動源として内燃機関を用いた車両では、走行負荷の情報として内燃機関の吸気管圧力又は吸入空気量を検出するようにすると良い。近年の車両は、内燃機関の運転状態を検出するセンサとして、吸気管圧力又は吸入空気量を検出するセンサを装備しているため、そのセンサで検出した吸気管圧力又は吸入空気量を走行負荷の情報として利用すれば、走行負荷を検出するための新たなセンサ類を追加する必要がなく、低コストで本発明を実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、吸入空気量を検出するエアフロメータ14が設けられている。このエアフロメータ14の下流側には、DCモータ等のモータ31によって駆動されるスロットルバルブ15が設けられ、このスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ16によって検出される。エンジン運転中は、スロットル開度センサ16によって検出した実スロットル開度を、アクセル操作量等に応じて設定された目標スロットル開度に一致させるようにスロットルバルブ15の駆動モータ31の制御量をフィードバック制御する。
【0012】
また、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。この吸気管圧力センサ18は、定速走行制御中に走行負荷を検出する走行負荷検出手段としても機能する。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。
【0013】
一方、エンジン11の排気管21の途中には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒22が設置されている。この触媒22の上流側には、排出ガスの空燃比(又は酸素濃度)を検出する空燃比センサ(又は酸素センサ)23が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ24や、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ25が取り付けられている。その他、実車速を検出する車速センサ27(車速検出手段)や、定速走行制御を開始する際に目標車速をセットするクルーズコントロールスイッチ28(目標車速設定手段)が装備されている。
【0014】
これら各種センサ等の出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶されたエンジン制御用の各プログラムを実行することで、燃料噴射弁20の燃料噴射量(空燃比)を制御すると共に、点火プラグ26の点火時期を制御する。
【0015】
更に、ECU30は、走行中に運転者がクルーズコントロールスイッチ28で目標車速をセットしたときに、後述する図3乃至図8の各プログラムを実行することで、車速センサ27で検出した実車速が目標車速に一致するようにスロットル開度を自動的に制御して、車両を目標車速で定速走行させる定速走行制御を実行する。
【0016】
以下、本実施形態の定速走行制御の具体的な内容を説明する。図2は、ECU30による定速走行制御の機能を表すブロック図である。ECU30による定速走行制御の機能は、基本制御量演算手段32、負荷補正量演算手段33、最終制御量演算手段34、車両駆動源制御手段(図示せず)から構成されている。そのうち、基本制御量演算手段32は、PI制御により基本制御量(P項、I項)を演算するものであり、クルーズコントロールスイッチ28でセットされた目標車速と車速センサ27で検出した実車速との偏差を算出する車速偏差算出手段35と、PI制御のP項の基本制御量を算出するP項算出手段36と、I項の基本制御量を算出するI項算出手段37とから構成されている。
【0017】
負荷補正量演算手段33は、吸気管圧力センサ18で検出した吸気管圧力(走行負荷)に応じてP項、I項の基本制御量を補正するための負荷補正量を演算するものであり、P項用負荷補正量を算出するP項用負荷補正量算出手段38と、I項用負荷補正量を算出するI項用負荷補正量算出手段39とから構成されている。
【0018】
最終制御量演算手段34は、P項、I項の基本制御量と負荷補正量とに基づいて、最終的な要求スロットル開度(最終制御量)を次式により演算するものである。
要求スロットル開度=P項基本制御量×P項用負荷補正量+I項基本制御量×I項用負荷補正量
【0019】
ECU30は、上式により要求スロットル開度を算出する毎に、スロットル開度センサ16で検出した実スロットル開度が要求スロットル開度に一致するようにスロットルバルブ15の駆動モータ31の制御量をフィードバック制御することで、車両を目標車速で定速走行させる。この機能が特許請求の範囲でいう車両駆動源制御手段に相当する。
【0020】
本実施形態の定速走行制御の特徴は、基本制御量演算手段32の演算周期T1(目標車速と実車速との偏差に応じて基本制御量を演算する第1の演算周期)と、負荷補正量演算手段33の演算周期T2(走行負荷に応じて負荷補正量を演算する第2の演算周期)とを異ならせると共に、負荷補正量演算手段33の演算周期T2を基本制御量演算手段32の演算周期T1よりも短く設定したところに特徴がある。つまり、目標車速と実車速との偏差に応じて基本制御量を演算する処理は、制御の対象となる車速の変化が遅く、応答性が要求されないために、演算周期を長く設定してロバスト性を確保し、一方、走行負荷に応じて負荷補正量を演算する処理は、走行負荷の変化が速く、応答性が要求されるために、演算周期を短く設定する。このように異なる演算周期で演算した基本制御量と負荷補正量とに基づいて最終的な要求スロットル開度を演算すれば、定速走行制御のロバスト性を低下させずに、負荷補正の応答性を向上させることができ、走行負荷の変化の影響を受けにくい安定した定速走行制御を行うことができる。
【0021】
この際、最終制御量演算手段34の演算周期は、負荷補正量演算手段33の演算周期T2と同一に設定しても良いし、それよりも少し長い演算周期(第3の演算周期)に設定しても良い。要は、最終制御量演算手段34の演算周期を基本制御量演算手段32の演算周期T1(第1の演算周期)よりも短くして下記の範囲内で設定すれば良い。
【0022】
第1の演算周期>最終制御量演算手段34の演算周期≧第2の演算周期
以上説明した本実施形態の定速走行制御は、図3乃至図8の各プログラムによって実行される。以下、これら各プログラムの処理内容を説明する。
【0023】
図3の車速偏差算出プログラムは、車速偏差算出手段35の機能を実現するプログラムであり、後述するP項、I項の基本制御量の演算周期と同じ第1の演算周期T1(例えば100〜300ms程度)で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、クルーズコントロールスイッチ28でセットされた目標車速vtと車速センサ27で検出した実車速vrとの偏差dvを算出する。
dv=vt−vr
【0024】
この後、ステップ102に進み、上記ステップ101で算出した車速偏差dvをなまし処理して、車速偏差なまし値dvsm(i) を求める。
dvsm(i) =dv−(dv−dvsm(i-1) )×α
ここで、dvsm(i-1) は前回の車速偏差なまし値、αはなまし係数である。このなまし処理は、車速センサ27の出力に重畳したノイズ等の影響を少なくするために行われる。
【0025】
図4のP項算出プログラムは、P項算出手段36の機能を実現するプログラムであり、第1の演算周期T1(例えば100〜300ms程度)で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ111で、定速走行制御中であるか否かを判定し、定速走行制御中でなければ、ステップ112に進み、P項基本制御量tpbを0にセットして、本プログラムを終了する。
【0026】
これに対し、定速走行制御中である場合は、ステップ111からステップ113に進み、P項基本制御量tpbを車速偏差なまし値dvsm(i) に応じてテーブル又は数式により算出して、本プログラムを終了する。
【0027】
図5のI項算出プログラムは、I項算出手段37の機能を実現するプログラムであり、第1の演算周期T1(例えば100〜300ms程度)で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ121で、定速走行制御中であるか否かを判定し、定速走行制御中でなければ、ステップ122に進み、積分量tintを0にセットして、本プログラムを終了する。
【0028】
これに対し、定速走行制御中である場合は、ステップ121からステップ123に進み、前回のI項基本制御量tib(i-1) に加算する積分量tintを、車速偏差なまし値dvsm(i) に応じてテーブル又は数式により算出する。この後、ステップ124に進み、前回のI項基本制御量tib(i-1) に今回の積分量tintを加算して、今回のI項基本制御量tib(i) を求め、本プログラムを終了する。
tib(i) =tib(i-1) +tint
【0029】
図6のP項用負荷補正量算出プログラムは、P項用負荷補正量算出手段38の機能を実現するプログラムであり、第1の演算周期T1よりもかなり短い第2の演算周期T2(例えば数10ms程度)で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ131で、定速走行制御中であるか否かを判定し、定速走行制御中でなければ、ステップ132に進み、P項用負荷補正量Kpを1にセットして、本プログラムを終了する。
【0030】
これに対し、定速走行制御中である場合は、ステップ131からステップ133に進み、P項用負荷補正量Kpを吸気管圧力センサ18で検出した吸気管圧力pmに応じてテーブル又は数式により算出して、本プログラムを終了する。
【0031】
図7のI項用負荷補正量算出プログラムは、I項用負荷補正量算出手段39の機能を実現するプログラムであり、第1の演算周期T1よりも短いかなり第2の演算周期T2(例えば数10ms程度)で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ141で、定速走行制御中であるか否かを判定し、定速走行制御中でなければ、ステップ142に進み、I項用負荷補正量Kiを1にセットして、本プログラムを終了する。
【0032】
これに対し、定速走行制御中である場合は、ステップ141からステップ143に進み、I項用負荷補正量Kiを吸気管圧力センサ18で検出した吸気管圧力pmに応じてテーブル又は数式により算出して、本プログラムを終了する。
【0033】
図8の要求スロットル開度算出プログラムは、最終制御量演算手段34の機能を実現するプログラムであり、負荷補正量の演算周期と同じ第2の演算周期T2(例えば数10ms程度)又はそれよりも少し長い演算周期で繰り返し実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ151で、定速走行制御中であるか否かを判定し、定速走行制御中でなければ、ステップ152に進み、定速走行制御の要求スロットル開度tを0にセットして、本プログラムを終了する。
【0034】
これに対し、定速走行制御中である場合は、ステップ151からステップ153に進み、前記各プログラムで算出したP項基本制御量tpb、P項用負荷補正量Kp、I項基本制御量tib、I項用負荷補正量Kiを用いて、定速走行制御の要求スロットル開度tを次式により算出する。
t=tpb×Kp+tib×Ki
【0035】
定速走行制御中は、図8の要求スロットル開度算出プログラムのステップ153で要求スロットル開度tを算出する毎に、スロットル開度センサ16で検出した実スロットル開度が要求スロットル開度tに一致するようにスロットルバルブ15の駆動モータ31の制御量をフィードバック制御することで、車両を目標車速で定速走行させる。
【0036】
以上説明した本実施形態の定速走行制御の効果を図9のタイムチャートを用いて説明する。図9のタイムチャートは、定速走行制御中に走行路が平坦路から登り坂に変化したときの走行抵抗(a)、実車速(b)、走行負荷(c)、負荷補正量(d)、要求スロットル開度(e)の挙動の一例を従来の定速走行制御と比較して示している。
【0037】
従来の定速走行制御では、走行負荷(c)の変化に対する負荷補正量(d)の変化についても、定速走行制御の制御周期(基本制御量の演算周期T1)に合わせて、100〜300ms程度の長い周期T1で行っていたため、図9に破線で示すように、負荷補正量(d)の変化がかなり遅れてしまう。このため、走行路が平坦路から登り坂に変化して走行負荷(c)が増加したときは、最終的な要求スロットル開度(e)の変化が遅れて(図9の斜線A部分が遅れる)、実車速(b)が目標車速から大幅に低下したり(図9の時刻t1 〜t4 )、その反対に、走行路が平坦路から下り坂に変化して走行負荷(c)が低下したときに、その走行負荷(c)の低下に対する負荷補正量(d)の変化が遅れて実車速が目標車速から大幅に上昇するという不具合が発生していた。この対策として、負荷補正量(d)の変化の応答性を速めるために、定速走行制御の制御周期(基本制御量の演算周期T1)を走行負荷(c)の変化速度に合わせて短くすると、定速走行制御のロバスト性が低下して、ドライバビリティが悪化してしまうという新たな不具合が発生する。
【0038】
これに対し、本実施形態では、目標車速と実車速(b)との偏差に応じてPI制御の基本制御量を演算する演算周期T1については、制御の対象となる車速の変化が遅く、応答性が要求されないために、従来と同じように100〜300ms程度の長い周期T1に設定してロバスト性を確保するが、走行負荷(c)に応じて負荷補正量(d)を演算する演算周期T2については、走行負荷(c)の変化が速く、応答性が要求されるために、従来とは異なり、基本制御量の演算周期T1よりもかなり短い演算周期(例えば数10ms程度)に設定し、負荷補正量(d)の変化を走行負荷(c)の変化に応答良く追従させて変化させるようにしている。そして、負荷補正量(d)を演算する毎に、基本制御量と負荷補正量(d)とに基づいて最終的な要求スロットル開度(e)を演算する。これにより、定速走行制御のロバスト性を低下させずに、図9の時刻t1 〜t3 に示すように走行負荷(c)の変化を応答良く要求スロットル開度(e)に反映させることができ、走行負荷(c)が変化したときの実車速(b)の変化を従来よりもかなり少なくすることができて、走行負荷(c)の変化の影響を受けにくい安定した定速走行制御を行うことができる。
【0039】
尚、本実施形態では、走行負荷の情報として、吸気管圧力センサ18で検出した吸気管圧力を用いるようにしたが、エアフロメータ14で検出した吸入空気量を用いるようにたり、或は、回転速度センサ25で検出したエンジン回転速度を用いるようにしても良い。
【0040】
また、本実施形態では、車両駆動源をエンジン11(内燃機関)としたが、エンジン以外の電気モータ等を駆動源とする車両に適用しても良く、勿論、エンジンとそれ以外の駆動源(電気モータ等)とを併用するハイブリッド車両にも適用して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】ECUによる定速走行制御の機能を概略的に示すブロック図
【図3】車速偏差算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図4】P項算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】I項算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図6】P項用負荷補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図7】I項用負荷補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】要求スロットル開度算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図9】定速走行制御の一例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、16…スロットル開度センサ、18…吸気管圧力センサ(走行負荷検出手段)、20…燃料噴射弁、21…排気管、22…触媒、25…回転速度センサ、27…車速センサ(車速検出手段)、28…クルーズコントロールスイッチ(目標車速設定手段)、30…ECU(基本制御量演算手段,負荷補正量演算手段,車両駆動源制御手段)、31…モータ、32…基本制御量演算手段、33…負荷補正量演算手段、34…最終制御量演算手段、35…車速偏差算出手段、36…P項算出手段、37…I項算出手段、38…P項用負荷補正量算出手段、39…I項用負荷補正量算出手段。
Claims (3)
- 目標車速を設定する目標車速設定手段と、実車速を検出する車速検出手段とを備え、定速走行制御中に前記車速検出手段で検出した実車速を前記目標車速設定手段で設定した目標車速に一致させるように車両駆動源を制御する車両の定速走行制御装置において、
車両の走行負荷を検出する走行負荷検出手段と、
定速走行制御中に第1の演算周期で前記目標車速と前記実車速との偏差を演算してその偏差に基づいて前記車両駆動源を制御するための基本制御量を演算する基本制御量演算手段と、
定速走行制御中に前記第1の演算周期よりも短い第2の演算周期で前記走行負荷検出手段で検出される走行負荷に応じて前記基本制御量を補正するための負荷補正量を演算する負荷補正量演算手段と、
定速走行制御中に前記第2の演算周期又は第3の演算周期で前記基本制御量と前記負荷補正量とに基づいて前記車両駆動源の最終制御量を演算する最終制御量演算手段と、
前記最終制御量に基づいて前記車両駆動源を制御する車両駆動源制御手段と
を備え、
前記第3の演算周期は、前記第1の演算周期よりも短く、前記第2の演算周期よりも長い周期に設定されていることを特徴とする車両の定速走行制御装置。 - 前記基本制御量演算手段は、PI制御で前記基本制御量を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両の定速走行制御装置。
- 前記車両駆動源は、内燃機関であり、
前記走行負荷検出手段は、前記走行負荷の情報として前記内燃機関の吸気管圧力又は吸入空気量を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の定速走行制御装置。
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